JP2016507128A - 回動するアーク接点を有するブレーカ - Google Patents
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Abstract
本発明は、開閉装置(1)、とりわけ開動作中において中心軸(19)の平行相対移動によって閉位置から開位置へ移行するように構成されている二つのアーク接点(5a、5b)を備えている断路器に関する。開閉装置(1)は、少なくとも二つのアーク接点(5a、5b)が開動作中に離間した後に、中心軸(19)を中心として二つのアーク接点(5a、5b)を相対回動させる回動手段(54、56)をさらに備えている。【選択図】図1a
Description
本発明は、開閉装置の分野、とりわけ断路型あるいは接地スイッチ型で、好ましくは高電圧用の開閉装置に関する。より好ましくは、本発明は、ガス絶縁開閉装置(GIS)の高電圧断路器に関する。GISとは、金属で覆われ、六フッ化硫黄などの気体により電気的に絶縁された開閉装置である。
従来から当業者に知られている手法として、断路型あるいは接地スイッチ型の開閉装置は、開動作と閉動作ごとに一定の速度で動かされる導電ユニットを備えている。
頻繁に繰り返される開閉動作の間、パーマネント接点およびアーク接点と嵌合される当該導電ユニットは、劣化の原因となる機械的ストレスおよび電気的ストレスに曝される。この現象は、固定接点型と称される開閉装置のパーマネント接点とアーク接点においても見られる。
この現象は、粒子、汚染、熱の生成を伴い、開閉装置の寿命に悪影響を与える。
特に、開動作中において導電ユニットの速度が速すぎると、パーマネント接点の機械的磨耗が生ずる。対策として導電ユニットの速度を落とすと、特にバスバー切替時の開動作中において両接点の間に電気アークが形成される結果、アーク接点に磨耗が生じうる。
この問題を解決するために、特許文献1は、ばねと結合された固定アーク接点を備えた開閉装置を提案している。ばねは、二つのアーク接点が離れて行く速度を上げることを可能にする。しかしながら、その固定アーク接点は、実際には固定されたものとは見なし得ない。開閉装置の固定ハウジング上を摺動可能に取り付けられているからである。また、従来の開閉装置の構成は、固定接点の領域を監視できないようにしているのが一般的である。よって、当該ばねに生じうる不良を検出することは現実的でない。この問題は看過できないものであると言える。ばねの破損が検出できないことは、開閉動作の危険な誤動作に繋がりうるからである。
さらに、システムを動作可能にするための永久磁石の存在は、無用な電磁的乱れを生じる可能性を伴う。
最後に、固定接点へのばねの結合は、当該固定接点が設けられる領域の顕著な大型化をもたらしうる。結果として、現在の開閉装置においては小型であることが基本要件とされているにも関わらず、開閉装置全体の寸法の大型化に繋がりうる。
よって、上記のような開閉装置を最適化したいというニーズ、特に、開動作中においてアーク接点間に繰り返し形成される電気アークによる悪影響を抑制したいというニーズが存在する。
よって、本発明は、先行技術に係る前述の短所を少なくとも部分的に解消することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明は請求項1に係る開閉装置(特に断路器)を提供する。
ここに提案される手段は、二つの可動アーク接点の相対回動により、開動作中に当該二つの可動アーク接点の間に生じた電気アークを引き伸ばすことを可能にする点において有利である。この引き伸ばしは、アークの消失を促進し、当該アーク接点上に生じる磨耗の分散を可能にする。結果として、当該アーク接点間に繰り返し形成される電気アークに起因する悪影響が大きく抑制され、当該接点の寿命が有利に向上する。
さらに、本発明は、弾性戻し手段からのエネルギー解放を通じた加速により、一度の開動作中に可動ユニットにおけるアーク接点の速度を変えることを可能にする点において優れている。すなわち、導電ユニットの機械的および電気的磨耗をできるだけ抑制するように、速度変化のさせ方が定められうる。したがって、エネルギーの解放は、パーマネント接点が離れた後、かつアーク接点同士が離れている間(すなわち、アーク接点が離れる瞬間かその前)に始まり、アーク接点同士が離れてから終わることが好ましい。結果として、導電ユニットにより動かされるアーク接点の速度は、開動作におけるこの重要な段階においてさらに速まり、電気的ストレスによるダメージを抑制する。当然ながら、この改善だけでなく上述の改善も、可動アーク接点の回動性により得られる。
本発明に特有のこの特徴は、導電可動ユニットの駆動装置の接続点が等速で平行移動する間に、可動ユニットにおけるアーク接点の速度を変えることを可能にする点においても有利である。したがって、当該駆動装置は、本発明の範囲を逸脱しなければ、可変速度が実現されるとしても、等速で動作するモータを備えると有利でありうる。
また、特許文献1に記載されている手段とは異なり、加速用ばねは、固定要素上には配置されておらず、可動電極を備えるユニット上に配置されている。よって、この特有の配置を用いることにより、ばねに生じうる不良の検出に係る問題を克服できる。ばねに生じうる破損の監視は、それが固定要素の近傍にある場合よりも可動導電ユニット上にある場合の方がはるかに容易である。加えて、特許文献1に記載されている手段のように永久磁石を必要としない。
そして、この好適な手段は、開閉装置を従来技術よりも小型にする。従来技術における固定要素をわずかでも動くようにする(特に接点の平行移動用ガイドを設ける)変更は、顕著な大型化に繋がる。しかしながら、加速される要素が電極または可動導体上、あるいは導電ユニット上に配置されている場合、サイズに与える影響ははるかに小さい。ユニットが既に接点の平行移動用ガイドを設けるのに十分な長さ寸法を有しているからである。
例えば、上記の弾性手段により、開動作の初期段階(パーマネント接点同士が自身の機械的摩耗を抑制するために離間するまで)において導電ユニットの速度は遅く、その後、アーク接点の電気的摩耗を抑制するために加速されうる。
好ましくは、上記の回動を実現する手段(回動手段)は、二つのアーク接点の離間中に(すなわち、離間する瞬間以前に)それらの相対回動を開始させるように構成されることが好ましい。また、開閉装置は、電気アークが消失してから回動が停止されるように構成される。
より一般的には、この相対移動の開始は、開動作の開始後に行なわれ、当該動作が終了する前に回動が停止されることが好ましい。相対回動は、約10秒にわたる開ストローク動作のうち、数ミリ秒の間に行なわれることが一般的である。これに加えてあるいは替えて、相対回動は、開動作における可動ユニットの総ストローク長の三分の一に相当する距離にわたって行われることが一般的である。また、開閉装置は、閉動作中に回動が行なわれないように構成されることが好ましい。
好ましくは、前記回動手段は、あるサイクルにおける二つのアーク接点の閉位置における相対角度位置と、直後のサイクルにおける当該二つのアーク接点の閉位置における相対角度位置とが相違させるように構成されている。これにより、アーク接点の摩耗を分散させることが可能になり、アーク接点の寿命がさらに延びる。ちなみに、開閉装置は、360度が各サイクルの回動角の倍数にならないように構成されうる。このような原理に基づけば、通常は複数回のサイクルを経てアーク接点同士の相対回動が一回転した後、当該アーク接点同士の相対位置は、当該一回転の開始時と同じにならない。各サイクルの回動角度は同一であることが好ましい。
なお、アーク接点同士の相対回動は、平行移動の可否によらず、両接点が回動されることによりなされてもよいし、両接点の一方のみが回動されることによりなされてもよい。しかしながら、後述される好適な実施形態の例においては、一方のアーク接点のみが回動可能である。この例においては、当該アーク接点は、平行移動も可能である。
好ましくは、前記弾性戻し手段は、少なくとも一つの圧縮ばねあるいは引張りばねを含んでいる。
好ましくは、前記回動手段は、前記弾性戻し手段がエネルギーを解放する間のみ(より好ましくは、エネルギー解放期間の大部分において)前記二つのアーク接点を相対回動させるように構成されている。
好ましくは、前記別体は、前記可動導電ユニットを駆動するための駆動装置の接続点に接続されるように構成されている。
好ましくは、前記別体は、パーマネント電気接点を備えている。
好ましくは、前記回動手段は、螺旋状の溝に受容されているピンのシステムを備えており、前記二つのアーク接点の相対回動は、前記別体と前記可動アーク接点が摺動し、前記弾性戻し手段がエネルギーを解放する間に前記ピンが前記螺旋状の溝に沿って移動することにより自動的に行なわれる。よって、簡易かつ効果的な構成で、可動アーク接点の摺動を、当該アーク接点に所望の回動を与える螺旋状の動きに変換できる。このピンと螺旋状の溝を含む構成は、開閉装置が可動アーク接点の加速を可能にするシステムを備えていない場合にも適用できる。
好ましくは、前記システムは、前記可動アーク接点を包囲しているリングをさらに備えており、前記リングは、前記別体に形成されている前記螺旋状の溝に受容されている端部とは反対側の前記ピンの端部に固定されている。
好ましくは、前記リングは、前記可動アーク接点に接続されており、当該リングが前記中心軸を中心として第一方向に回転するときには当該可動アーク接点を追随させ、当該第一方向とは逆の第二方向に回転するときには当該可動アーク接点を全く回転させない。
好ましくは、前記開閉装置は、開動作中に前記可動アーク接点の固定体に対する平行移動を阻止する当接手段を有しており、前記別体は、当該別体が前記可動アーク接点に対して所定距離の移動を行なった後に前記当接手段を解除するように構成されている係止解除手段を有している。
好ましくは、前記当接手段は、第一当接部と第二当接手段を含んでおり、前記第一当接部は、前記可動アーク接点に固定されており、前記第二当接部は、前記固定体に装着されている。このような構成においては、前記第二当接部は、前記固定体に対して回動可能に装着されているトリガと一体の部分を形成しており、前記別体の前記係止解除手段は、前記トリガを回動させて前記第一当接部と前記第二当接部を自由にするように構成されていることが好ましい。
そして、本発明は、上記の開閉装置により開動作を行なう方法も提供する。当該方法においては、少なくとも前記二つのアーク接点が離間した後に、前記中心軸を中心として当該二つのアーク接点を相対回動させる。
その他の利点や特徴は、以降の非限定的かつ詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
当該説明は、以下に列挙する添付の図面を参照してなされる。
まず、図1aと図1bは、発明の好適な実施形態に係る断路器の一部を示している。当該断路器は、接地スイッチでありうる。好ましくは、高電圧GIS型接地スイッチでありうる。
断路器1は、アーク制御チャンバ2を備えている。アーク制御チャンバ2は、一部のみが図示されており、六フッ化硫黄や適当と知られている混合気体などの絶縁ガスを収容している筐体内に格納されている。アーク制御チャンバ2は、固定パーマネント接点(不図示)と固定アーク接点5aを格納している。固定アーク接点5aは、一部が図示されており、パーマネント接点よりも径方向内側に位置するように構成されている。
また、アーク制御チャンバ2は、導電可動ユニット6も格納している。導電可動ユニット6は、固定体8に接続されている。導電可動ユニット6は、固定体8内において、矢印で示される移動軸11に沿って移動可能である。導電可動ユニット6は、筒形状の可動パーマネント接点4bと嵌合された端部を有している。導電可動ユニット6は、可動アーク接点5bも有している。可動アーク接点5bは、可動パーマネント接点4bよりも径方向内側に配置されている。これら二つの接点4b、5bは、上記の固定接点と協働するように構成されている。
導電可動ユニット6は、全体的としてアクチュエータのピストンのような円筒形状を有している。導電可動ユニット6は、固定体8の円筒ハウジング10内を摺動可能である。可動パーマネント接点4bは、導電可動ユニット6の外側部を形成しており、後方へ延在している小径の導電シリンダ13を有している。可動アーク接点5bは、導電シリンダ13内を通過可能である。
この可動パーマネント接点4bの導電シリンダ13内においては、移動軸11に沿う向きとされた貫通穴12が形成されている。貫通穴12は、摺動するアーク接点5bを受容する。よって、可動アーク接点5bは、可動パーマネント接点4bに対し移動軸11に沿って摺動可能に取り付けられている。
また、導電可動ユニット6は、圧縮ばね16のような弾性戻し手段を備えている。弾性ばね16は、可動アーク接点5bが可動パーマネント接点4bに対する第一の端位置に向かって動くように付勢している。第一の端位置は、図1aと図1bに示されるように、可動パーマネント接点4bの導電シリンダ13の内部から可及的に離れた位置に対応している。したがって、圧縮ばね16による可動アーク接点5bの付勢先であるこの第一の端位置は、可動アーク接点5bが貫通穴12を形成する壁の端に位置する箇所に対応する。
そのため、可動アーク接点5bの周囲に配置された圧縮ばね16は、その一端においてカラー18に保持され、その他端においてリング20に保持されている。リング20は、導電シリンダ13の貫通穴12内に固定されている。具体的には、カラー18は、可動アーク接点5bの支持体15に形成されている。支持体15は、可動アーク接点5bのロッド17を支持している。支持体15は、円筒状であり、貫通穴12とほぼ同径である。これにより、可動パーマネント接点4bの導電シリンダ13に組み付けられた可動アーク接点5bの移動のガイドが可能とされている。また、支持体15は、可動アーク接点5bを中心軸19に沿って直線的にガイドしつつ、ロッド17の自由な回転を可能にしている。中心軸19は、断路器1全体の中心軸にも対応している。
よって、可動パーマネント接点4bが移動軸11に沿って接点同士を離間させる開方向に移動すると、圧縮ばね16からリング20への反作用によって、その動きが可動アーク接点5bに伝達される。反対に、可動パーマネント接点4bが移動軸11に沿って接点同士をともに移動させる閉方向に移動すると、その一端を貫通穴12の端壁に押し付けることにより、あるいはロッド17を対応する溝の底へ押し付けることにより、その動きが可動アーク接点5bに伝達される。その様子は図1aに示されている。支持体15は、径方向へ互いに反対方向に延びる二本のロッド21を保持している。各ロッド24は、先端にホイール形状の当接部23を備えている。可動パーマネント接点4bの導電シリンダ13には二本のスロット25が移動軸11に沿って形成されている。各ロッド21は、対応するスロット25を通過するように延びている。図1aに示される閉位置においては、また、当該閉位置に至る閉動作全体に亘って、ロッド21はスロット25の端部を押す。これにより、可動パーマネント接点4bの移動によって可動アーク接点5bを動かすことを可能にしている。
したがって、可動パーマネント接点4bを移動させて断路器1の開閉動作を実現するために、可動パーマネント接点4bの後端部は、駆動装置30の接続点22に接続されている。駆動装置30は、図1bにおいて模式的に示されている。駆動装置30は、例えば、開動作と閉動作ごとに接続点22を移動軸11に沿って等速移動させる周知の構成とされている。
断路器1にはトリガ34も嵌合されている。トリガ34は、中心軸19に直交する回動軸36を中心として回動可能に固定体8へ装着されている。トリガ34は、ヒンジと反対側の端部に二つの当接部38を備えている。当該当接部38は、ホイール状の当接部23とともに当接手段を形成している。ここで、ホイール状の当接部23は第一当接部を構成し、当接部38は第二当接部を構成している。当接手段を形成するために、当接部23と当接部38は、対向し合うとともに移動軸11の向きに対をなして並ぶ。図1aに示される構成においては、当接部23と当接部38は離間しており、協働もしない。これに対し、後述するように、当接部23と当接部38は、開動作中において一時的に協働させられる。具体的には、導電シリンダ13の後端に設けられたフランジ40がバー42を押してトリガ34を回動させ、当接部23と当接部38を離間させる前の段階においてである。したがって、フランジ40は、当接手段の係止を解除する役割を担う。
可動パーマネント接点4bの前部と後部の間に位置する径変化部44の近傍において、断路器1は、システム50と嵌合されている。システム50は、可動アーク接点5bが自動的かつ制御された状態で回動することを可能にしている。より具体的には、可動アーク接点5bのロッド17を、中心軸19を中心として回動させる。システム50は、リング52を備えている。リング52は、包囲するロッド17とともに回動を制限されている。また、リング52は、一方向への回動のみが可能とされている。したがって、中心軸19を中心とする第一方向への回動時において、リング52は、可動アーク接点5bのロッド17を随伴する。これに対し、リング52が反対方向へ回動する場合、ロッド17は回動しない。
中心軸19と同心状に配置されているリング52は、径方向に延びるピン54を堅固に保持している。ピン54は、リング52に保持されている端部と反対側に自由端を有している。ピン54は、導電シリンダ13に形成された溝56に受容されている。溝56は、中心軸19を中心として螺旋状に延びている。溝56は、径変化部44を始点に後方へ延び、移動軸11に沿って直線的に延びる短い区間を有している。
図1aと図1bは、閉位置にある断路器1を示している。閉位置においては、接点同士が協働している。上述のように、可動アーク接点5bは、圧縮ばね16により導電シリンダ13のベースに押し入れられている。これにより、可動アーク接点5bの前端と可動パーマネント接点4bの前端は、ほぼ同一面内に配置される。当該面は中心軸19と直交している。
図2aから図5を参照し、断路器1の開動作について以下説明する。当該動作は、図1aと図1bに示される閉位置から開始される。当該動作は、図1bに示される駆動装置30の入力シャフト(不図示)が一定速度で回転することにより実現される。これにより、開動作全体にわたって可動パーマネント接点4bが一定速度で平行移動する。
開動作の初期段階においては、接続点22の移動軸11に沿って固定接点から離れる動きが、同時に圧縮ばね16を介して可動パーマネント接点4bと可動アーク接点5bを動かす。この初期段階においては、可動要素の移動速度は、一定かつ比較的遅い。これにより、断路器1の機械的磨耗が抑制される。
パーマネント電極同士が離間すると、当接部23と当接部38同士が当接し、可動アーク接点5bの固定体8に対する平行移動を阻止する。これに対し、可動パーマネント接点4bの平行移動は、駆動装置30の動作中は継続する。当接部23と当接部38が機能し始めると、圧縮ばね16は強く圧縮され、可動アーク接点5bの可動パーマネント接点4bに対する平行移動は阻止される。この様子は図2aに示されている。よって、可動アーク接点5bは、移動を続ける可動パーマネント接点4bにより駆動されることなく、一時的に平行移動しない状態とされる。
可動パーマネント接点4bが可動アーク接点5bに対して前述の第一位置とは逆の第二位置へ移動する結果、圧縮ばね16に強いエネルギーがもたらされる。図2aと図2bは、圧縮ばね16が強く圧縮されており、かつアーク接点同士が接触している状態の断路器1を示している。
圧縮ばね16が圧縮される段階においては、ピン54は溝56内を移動する。これにより、リング52が第二方向(すなわち、可動アーク接点5bのロッド17が動かない方向)へ回動する。したがって、ロッド17は、支持体15に対して回動方向について不動のままである。
圧縮ばね16が圧縮される段階が終わるときの状態は、図2aに示されている。ピン54は、螺旋状の溝56の前端と可動パーマネント接点4bの径変化部44の少なくとも一方に突き当たる。
この状態において、図2bに示されるように可動パーマネント接点4bに対して大きく突出する可動アーク接点5bは、可動パーマネント接点4bが可動アーク接点5bに対して所定量移動した後で第二位置に至る。
このとき、導電シリンダ13のフランジ40は、トリガ34のロッド42を押すことにより、回動軸36を中心として当該ロッド42を回動させる。この様子は、図3に示されている。トリガ34が特定の角度だけ回動されると、第一の当接部23が第二の当接部38から離れる。そして、圧縮ばね16のエネルギーが解放される結果として、可動アーク接点5bが移動軸11の方向に高速で離れる。
可動アーク接点5bの高速移動は、電気的なストレスを緩和する。可動パーマネント接点4bと可動アーク接点5bの相対移動中にピン54が螺旋状の溝56内を移動することにより、リング52(すなわち、可動アーク接点5bのロッド17)が回動され、電気的ストレスは、さらに緩和される。図4aは、ピン54が溝56内を移動中の断路器1の一部を示している。
ロッド17が中心軸19を中心として支持体15に対して回動する結果、二つのアーク接点同士の間に相対平行移動が生じる。これにより、電気アークが伸長され、その消滅が促進される。
圧縮ばね16からのエネルギーの解放と、可動アーク接点5bの回動は、同時に(好ましくは、アーク接点同士が離間している間に、すなわち、アーク接点同士が離間を開始する瞬間あるいは当該瞬間の前に)行なわれる。回動は、エネルギー解放が終了する僅か前に停止する。より正確には、ピン54が溝56の直線延長部に進入する際に回動が停止される。その様子は、図4bに示されている。すなわち、断路器1は、回動が終了する際には電気アークが消滅しているように構成されていることがわかる。
可動アーク接点5bの貫通穴12の端壁への当接とロッド21の導電シリンダ13の溝25の端への当接の少なくとも一方が当接する瞬間まで、可動アーク接点5bの加速は見られる。
この当接により、可動パーマネント接点4bと可動アーク接点5bの先端が中心軸19に直交する共通の面に戻る。その後、可動パーマネント接点4bと可動アーク接点5bは、図5に示される開位置で停止するまで、駆動装置30によって再び同じ平行移動速度で駆動される。
この開動作が済んだ段階で、可動アーク接点5bは、断路器1の閉位置における位置から回動されている。この回動角度は、図示の例では92°から100°の範囲内である。より一般化して言うと、回動角度は、90°を下回らない。したがって、続く閉動作においては、可動アーク接点5bは一切回転しない。よって、可動アーク接点5bは、先のサイクルとは異なる角度の閉位置に配置され直される。すなわち、電気的摩耗の影響をさらに抑制するためには、360°が前述の回動角度の倍数にならないように、換言すると、一度回動を終えた可動アーク接点5bが同じ角度位置姿勢をとらないように構成されることが好ましい。
非限定的な例として示されたに過ぎない上述の発明に対して、当業者により様々な改変がなされうることは明らかである。
Claims (13)
- 開閉装置(1)、とりわけ開動作中において中心軸(19)の平行相対移動によって閉位置から開位置へ移行するように構成されている二つのアーク接点(5a、5b)を備えている断路器であって、
少なくとも前記二つのアーク接点(5a、5b)が開動作中に離間した後に、前記中心軸(19)を中心として当該二つのアーク接点(5a、5b)を相対回動させる回動手段(54、56)をさらに備えており、
前記二つのアーク接点(5a、5b)の一方は、可動導電ユニット(6)と一体の部分を形成している可動アーク接点(5b)であり、
前記可動導電ユニット(6)は、前記可動アーク接点(5b)に対して移動軸(11)に沿って摺動可能に装着されている別体(4b)を備えており、
前記可動導電ユニット(6)は、前記可動アーク接点(5b)と前記別体(4b)の間に介装されている弾性戻し手段(16)をさらに備えており、
開動作中においては、前記弾性戻し手段(16)は、まず前記可動アーク接点(5b)と前記別体(4b)の相対移動によりエネルギーを蓄積可能であり、続いて前記可動アーク接点(5b)を加速するために当該エネルギーを解放可能に構成されている、
開閉装置。 - 前記回動手段(54、56)は、前記二つのアーク接点(5a、5b)の離間中に、当該二つのアーク接点(5a、5b)の相対回動を開始させる、
請求項1に記載の開閉装置。 - 前記回動手段(54、56)は、あるサイクルにおける前記二つのアーク接点(5a、5b)の閉位置における相対角度位置と、直後のサイクルにおける当該二つのアーク接点(5a、5b)の閉位置における相対角度位置とを相違させるように構成されている、
請求項1または2に記載の開閉装置。 - 前記回動手段(54、56)は、前記弾性戻し手段(16)がエネルギーを解放する間のみ前記二つのアーク接点(5a、5b)を相対回動させるように構成されている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の開閉装置。 - 前記別体(4b)は、前記可動導電ユニット(6)を駆動するための駆動装置(30)の接続点(22)に接続されるように構成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の開閉装置。 - 前記別体(4b)は、パーマネント電気接点(4b)を備えている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の開閉装置。 - 前記回動手段は、螺旋状の溝(56)に受容されているピン(54)のシステムを備えており、
前記二つのアーク接点(5a、5b)の相対回動は、前記別体(4b)と前記可動アーク接点(5b)が摺動し、前記弾性戻し手段(16)がエネルギーを解放する間に前記ピン(54)が前記螺旋状の溝(56)に沿って移動することにより自動的に行なわれる、
請求項1から6のいずれか一項に記載の開閉装置。 - 前記システムは、前記可動アーク接点(5b)を包囲しているリング(52)をさらに備えており、
前記リング(52)は、前記別体(4b)に形成されている前記螺旋状の溝(56)に受容されている端部とは反対側の前記ピン(54)の端部に固定されている、
請求項7に記載の開閉装置。 - 前記リング(52)は、前記可動アーク接点(5b)に接続されており、当該リング(52)が前記中心軸(19)を中心として第一方向に回転するときには当該可動アーク接点(5b)を追随させ、当該第一方向とは逆の第二方向に回転するときには当該可動アーク接点(5b)を全く回転させない、
請求項8に記載の開閉装置。 - 開動作中に前記可動アーク接点(5b)の固定体(8)に対する平行移動を阻止する当接手段(23、38)を有しており、
前記別体(4b)は、当該別体(4b)が前記可動アーク接点(5b)に対して所定距離の移動を行なった後に前記当接手段(23、38)を解除するように構成されている係止解除手段(40)を有している、
請求項1から9のいずれか一項に記載の開閉装置。 - 前記当接手段は、第一当接部(23)と第二当接手段(38)を含んでおり、
前記第一当接部(23)は、前記可動アーク接点(5b)に固定されており、
前記第二当接部(38)は、前記固定体(8)に装着されている、
請求項10に記載の開閉装置。 - 前記第二当接部(38)は、前記固定体(8)に対して回動可能に装着されているトリガ(34)と一体の部分を形成しており、
前記別体(4b)の前記係止解除手段(40)は、前記トリガ(34)を回動させて前記第一当接部(23)と前記第二当接部(38)を自由にするように構成されている、
請求項11に記載の開閉装置。 - 請求項1から12のいずれか一項に記載の開閉装置(1)により開動作を行なう方法であって、
少なくとも前記二つのアーク接点(5a、5b)が離間した後に、前記中心軸(19)を中心として当該二つのアーク接点(5a、5b)を相対回動させる、
方法。
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