JP2010027270A - 塗料とそれを用いた塗膜および塗膜の製造方法並びに蛍光ランプ - Google Patents

塗料とそれを用いた塗膜および塗膜の製造方法並びに蛍光ランプ Download PDF

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Abstract

【課題】電子放射性物質による電子放射が安定化し、暗黒始動特性を改善してランプ点灯までに要する時間を短縮し、製造ロット毎の点灯時間のばらつきが小さい蛍光ランプを得ることができる塗料とそれを用いた塗膜および塗膜の製造方法並びに蛍光ランプを提供する。
【解決手段】本発明の蛍光ランプ用の塗料は、粒子径が0.3μm以上かつ20.0μm以下の単結晶のα型アルミナと、ニトロセルロースと、溶媒とを含有してなることを特徴とする。前記α型アルミナは球状粒子である。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料とそれを用いた塗膜および塗膜の製造方法並びに蛍光ランプに関し、さらに詳しくは、電子放射性物質による電子放射が安定化するとともに、暗黒始動特性を改善した塗膜を形成することが可能な塗料とそれを用いた塗膜、製造工程の短縮および製造コストの削減が可能な塗膜の製造方法、この塗膜を透光性の封止管の内面に形成することにより製造ロットによる製造ロット毎の点灯時間のばらつきを低減しつつ暗黒始動特性を改善することが可能な蛍光ランプに関するものである。
従来、パーソナルコンピュータ(PC)などのOA機器や薄型テレビに用いられている液晶表示装置(LCD)は、自発発光型ではないために、外部にバックライトユニットを設ける必要がある。このバックライトユニットには、冷陰極型の蛍光ランプが取り付けられている(例えば、特許文献1〜5参照)。
この蛍光ランプとしては、例えば、ガラス管の両端が封止された透光性の封止管の内面に蛍光体からなる発光層を形成し、この透光性の封止管内の両端部側にそれぞれ電極を設け、この透光性の封止管内の任意の部分、例えば、電極などに電子放射性物質を付着させ、さらに、この透光性の封止管内に水銀およびアルゴンなどの希ガスを封入したものが挙げられる。
ここで、透光性の封止管にはナトリウムイオンが含まれているが、このナトリウムイオンは点灯時間の経過に伴い封止管内面や発光層に移動する。封止管内に封入されている水銀は、このナトリウムイオンと反応して、ランプ動作温度においては水銀が気化しない化学形態であるアマルガムなどの物質を生成し、発光に寄与しなくなる。このため、点灯時間の経過に伴い発光に寄与する水銀量が低下し、蛍光ランプの輝度低下を引き起こす。
このナトリウムイオンの移動の抑制、および透光性の封止管への水銀の拡散の抑制を行うことにより、蛍光ランプの輝度低下を防ぐことを目的として、蛍光ランプでは、一般的に、ガラス管の内面と蛍光体からなる発光層との間および/または発光層の内面に、無機化合物、特に、無機酸化物からなる保護膜が設けられている。
特開2001−015065号公報 特開2002−222637号公報 特開2003−016994号公報 特開2004−192923号公報 特開2005−026196号公報 特開2007−226988号公報
近年、ランプ自体の輝度が向上し、バックライトユニット中に使用されるランプ本数が少なくなってきたため、より安定した暗黒始動特性を持つランプが必要とされている。
上記の保護膜に電子放射性を持つ金属または金属酸化物(これらを総称して「電子放射性物質」と言う。)を添加することにより、暗黒始動特性が改善されることが知られている。電子放射性物質としては、ニッケルなどの金属や酸化セシウムなどの金属化合物が用いられ、この電子放射性物質を電極上や発光層を構成する蛍光体に付着させるか、あるいは、ガラス管と発光層との間に付着させている。また、電子放射性物質の付着部における不用意な放電を防ぐために、この付着部を金属酸化物層で覆うこともある。
しかしながら、金属による暗黒始動特性の改善では、ランプ内の水銀吸着などによる劣化が見られ、黒色異物の析出や、紫外線発光に使用される水銀蒸気の不足を招く問題がある。また、金属酸化物による暗黒始動特性では、金属酸化物に含まれる極微量の不純物の影響や、金属酸化物自体の結晶性の違いにより、求める特性にばらつきが生じてしまう問題がある。
一方、本発明者等は、電子放射性物質である無機化合物と、保護膜形成用物質とを含有する塗料を用いて透光性の封止管の内面に塗膜を形成すれば、電子放射性物質と保護膜形成用物質とが均一に混合された塗膜を容易に得ることができ、この塗膜からの電子放射を安定化することができ、点灯時間のばらつき、特に製造ロット毎の点灯時間のばらつきを小さくすることができることを見出し、特許出願を行なっている(例えば、特許文献6参照)。
しかしながら、この電子放射性物質と保護膜形成用物質を一体化する方法では、暗黒始動特性、特に暗黒状態にて数100時間以上保持した場合の暗黒始動特性発現にばらつきが生じるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、電子放射性物質による電子放射が安定化し、暗黒始動特性を改善してランプ点灯までに要する時間を短縮し、製造ロット毎の点灯時間のばらつきが小さい蛍光ランプを得ることができる塗料とそれを用いた塗膜および塗膜の製造方法並びに蛍光ランプを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、電子放射性物質として粒子径が0.3μm以上かつ20.0μm以下の単結晶のα型アルミナを用いることにより、安定した暗黒始動特性改善効果を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の蛍光ランプ用の塗料は、粒子径が0.3μm以上かつ20.0μm以下の単結晶のα型アルミナと、ニトロセルロースと、溶媒とを含有してなることを特徴とする。
前記α型アルミナは球状粒子であることが好ましい。
さらに、蛍光物質を含有してなることが好ましい。
本発明の塗膜は、本発明の塗料を用いて形成してなることを特徴とする。
本発明の塗膜は、前記α型アルミナを蛍光物質に対して3質量%以上かつ30質量%以下含有することが好ましい。
本発明の塗膜の製造方法は、基材上に、本発明の塗料を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を乾燥または乾燥・熱処理することを特徴とする。
本発明の蛍光ランプは、本発明の塗膜を透光性の封止管の内面に形成してなることを特徴とする。
本発明の蛍光ランプ用の塗料によれば、粒子径が0.3μm以上かつ20.0μm以下の単結晶のα型アルミナと、ニトロセルロースと、溶媒とを含有してなるので、この塗料を用いて形成した塗膜では、電子放射性物質である単結晶のα型アルミナが均一に分散し、この塗膜を蛍光ランプに適用した場合、単結晶のα型アルミナへの水銀吸着とアマルガムの形成が大幅に抑制される。これは、α型アルミナが単結晶であるので、粒子の表面電位がよりプラスに帯電しているため、水銀(Hg)吸着が抑制されているからであると考えられる。これにより、蛍光ランプの暗黒始動特性の改善、特に暗黒状態にて数100時間以上保持した場合の暗黒始動特性を発現する塗膜を容易に得ることができる。
本発明の塗膜によれば、本発明の塗料を用いて形成したので、電子放射性物質である単結晶のα型アルミナが均一に分散し、この塗膜を蛍光ランプに適用した場合、単結晶のα型アルミナへの水銀吸着とアマルガムの形成が大幅に抑制される。これにより、本発明の塗膜は、蛍光ランプの暗黒始動特性の改善、特に暗黒状態にて数100時間以上保持した場合の暗黒始動特性を発現する塗膜を容易に得ることができる。
本発明の塗膜の製造方法によれば、基材上に、本発明の塗料を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を乾燥または乾燥・熱処理するので、電子放射性物質を含む膜と蛍光体膜とを1つの工程で同時に形成することができ、従来の蛍光ランプのように電子放射性物質を別途付着させる必要が無く、塗膜の製造工程を短縮することができ、製造コストを削減することができる。
本発明の蛍光ランプによれば、本発明の塗膜を透光性の封止管の内面に形成したので、電子放射性物質による電子放射が安定化し、ランプ点灯までに要する時間を短縮し、製造ロット毎の点灯時間のばらつきが小さい蛍光ランプを得ることができる。すなわち、本発明の蛍光ランプでは、封止管の内面全体に電子放射機能を有するとともに、蛍光物質を含む塗膜が形成され、さらに電子放射性物質は塗膜中に均一に分散されているから、塗膜からは電子が均一に放射されることとなり、電子放射の偏りが無くなる。よって、電子放射性物質による電子放射を安定化することができる。さらに、塗膜から透光性の封止管の軸心に向けて電子が均一に放射されるので、ランプ点灯までにかかる時間を短縮することができる。さらに、塗膜の厚みを均一化することができるので、点灯時間のばらつき、特に製造ロット毎の点灯時間のばらつきを小さくすることができる。以上により、本発明の蛍光ランプによれば、特に長時間不使用後の点灯時の電気的特性(暗黒始動特性)に優れ、製造コストの低減を図ることができる蛍光ランプを実現することができる。
本発明の塗料とそれを用いた塗膜および塗膜の製造方法並びに蛍光ランプの最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「蛍光ランプ用の塗料」
本発明の蛍光ランプ用の塗料は、粒子径が0.3μm以上かつ20.0μm以下の単結晶のα型アルミナと、ニトロセルロースと、溶媒とを含有してなる塗料である。
この塗料において、単結晶のα型アルミナは、電子放射機能を有する電子放射性物質である。
単結晶のα型アルミナの粒子径は0.3μm以上かつ20.0μm以下であり、より好ましくは2.0μm以上かつ10.0μm以下である。
このα型アルミナの粒子径は0.3μm以上かつ20.0μm以下であることが好ましい理由は、α型アルミナの粒子径が0.3μm未満では、α型アルミナの粒子の表面活性が激しくなり、塗料を作製した際にα型アルミナの粒子が凝集してしまうなど、分散安定性に関して不具合が発生するからであり、一方、α型アルミナの粒子径が20.0μmを超えると、この塗料を用いて形成した塗膜の全光線透過率、ヘーズ値および保護作用が低下するばかりでなく、この塗料を用いて作製した蛍光ランプの輝度および暗黒始動特性が低下するからである。
単結晶のα型アルミナ(酸化アルミニウム、Al)としては、不定形の粒子または球状の粒子(球状粒子)が用いられるが、粒子の比表面積が小さい方が水銀や不純ガスが吸着する可能性が低くなるため、球状粒子が好ましい。
ここで、球状粒子とは、アルミナ粒子径の最長辺と最短辺において、最長辺:最短辺=1:1〜1.5:1の範囲にあるものとする。
一方、不定形の粒子とは、上記の球状粒子以外のものとする。
この塗料に用いられる溶媒は、基本的には、水および/または有機溶媒であるが、その他、高分子モノマーやオリゴマーの単体、もしくはこれらの混合物などの有機高分子も好適に用いられる。
上記の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などのうち1種または2種以上を用いることができ、例えば、水、アルコール類、エステル類など、特に、水、2−プロパノール、酢酸−n−ブチルなどが好適である。
また、この塗料は、蛍光物質を含有することが好ましい。この蛍光物質としては、蛍光体を含む微粒子が好ましく、この蛍光体を含む微粒子としては、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質のうち1種または2種以上からなる蛍光体を含む微粒子が好ましい。
この蛍光体を含む微粒子は、平均粒径が0.05μm以上かつ5μm以下、好ましくは0.05μm以上かつ3μm以下であることが好ましい。
ここで、赤色系蛍光体物質としては、例えば、Y:Eu、Y(PV)O:Eu、YVO:Eu、YS:Eu、(Y,Gd)BO:Euなどが挙げられる。
また、緑色系蛍光体物質としては、例えば、(Ba,Eu)(Mg,Mn)Al1017、LaPO:Ce,Tb、ZnSiO:Mn、ZnS:Cu,Al、CeMgAl1119:Tb、GdMgB10:Ce,Tbなどが挙げられる。
また、青色系蛍光体物質としては、例えば、(Sr,Ca,Ba,Mg)(POCl:Eu、(Ba,Sr,Eu)(Mg,Mn)Al10、Sr10(POCl:Eu、ZnS:Ag,Al、BaMgAl1017:Euなどが挙げられる。
これら赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質それぞれの含有率は、目的とする蛍光ランプの発光特性に合わせて、適宜設定すればよい。
塗料が蛍光物質を含む場合、単結晶のα型アルミナが蛍光物質に対して3質量%以上かつ30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上かつ20質量%以下である。
蛍光物質に対する単結晶のα型アルミナが3質量%未満では、暗黒始動特性が不足する。一方、単結晶のα型アルミナが30質量%を超えると、蛍光ランプの輝度に不具合が生じる。
この塗料は、用途や仕様に応じて上記成分の他、分散剤、添加剤などを含有していてもよい。
分散剤は、使用する溶媒に応じて選定されるが、分散物質である単結晶のα型アルミナと、溶媒との親和性を向上させることができるものであればいかなるものであってもよい。また、分散剤は、塗料を塗布(乾燥)させる際、揮発あるいは分解除去されるものであればより好ましい。ゆえに、分散剤としては、有機系の界面活性剤が好適である。
添加剤としては、粘度調整やバインダーとして作用する樹脂などの有機高分子、この塗料を用いて作製される塗膜における特性調整やバインダーとしての金属酸化物や硼珪酸亜鉛ガラスなどの低融点ガラス(ホウ酸バリウムカルシウム)、乾燥速度を調整するための低沸点溶剤(乾燥速度向上)や高沸点溶剤(乾燥速度遅延)などが挙げられる。
この塗料は、単結晶のα型アルミナ、ニトロセルロースおよび溶媒を混合し、必要に応じて上記の分散剤や添加剤を添加し、分散工程を経て製造される。
この蛍光ランプ用の塗料によれば、粒子径が0.3μm以上かつ20.0μm以下の単結晶のα型アルミナと、ニトロセルロースと、溶媒とを含有してなるので、この塗料を用いて形成した塗膜では、電子放射性物質である単結晶のα型アルミナが均一に分散し、この塗膜を蛍光ランプに適用した場合、単結晶のα型アルミナへの水銀吸着とアマルガムの形成が大幅に抑制される。これにより、蛍光ランプの暗黒始動特性の改善、特に暗黒状態にて数100時間以上保持した場合の暗黒始動特性を発現する塗膜を容易に得ることができる。
「塗膜」
本発明の塗膜は、粒子径が0.3μm以上かつ20.0μm以下の単結晶のα型アルミナと、ニトロセルロースと、溶媒とを含有してなり、さらに、上記の蛍光物質を含有してなる、本発明の塗料を用いて形成してなるものである。
基材としては、熱処理温度に耐える基材であればよく、ガラス基材、透光性のセラミックス基材などが好適に用いられる。
特に、この塗膜を蛍光ランプに適用する場合には、蛍光ランプの仕様に適合可能なガラス管が好適に用いられる。
この塗膜は、電子放射性物質である単結晶のα型アルミナが均一に分散し、この塗膜を蛍光ランプに適用した場合、単結晶のα型アルミナへの水銀吸着とアマルガムの形成が大幅に抑制される。これにより、この塗膜は、蛍光ランプの暗黒始動特性の改善、特に暗黒状態にて数100時間以上保持した場合の暗黒始動特性を発現する塗膜を容易に得ることができる。
「塗膜の製造方法」
本発明の塗膜の製造方法は、基材上に、粒子径が0.3μm以上かつ20.0μm以下の単結晶のα型アルミナと、ニトロセルロースと、溶媒とを含有してなり、さらに、蛍光物質を含有してなる、本発明の塗料を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を、大気中や真空ないしは減圧下、窒素ガスなどの雰囲気中にて乾燥または乾燥・熱処理する方法である。
塗料の塗布に際しては、形成された後の塗膜の膜厚が5μm〜50μmとなるような塗布量とすることが好ましく、特に15μm〜30μmとなるような塗布量とすることが好ましい。
塗布方法としては、平面のもの、例えばバックライトなどでも使用できることから、スピンコート法、ロールコート法、スプレーコート法、バーコート法、ディップコート法、メニスカスコート法、吸上げ塗工法、フローコート法など、通常のウエットコート法を用いることができる。特に、蛍光ランプのようにガラス管などの透光性の封止管の内面に塗膜を形成する場合、吸上げ塗工法、フローコート法などが好適に用いられる。
次いで、この塗布膜を、大気中や真空ないしは減圧下、窒素ガスなどの雰囲気中にて乾燥または乾燥・熱処理する。
乾燥温度は、塗料に含まれる溶媒が充分に散逸する温度であればよく、例えば、常温〜150℃である。
この乾燥工程では、塗布膜が充分乾燥すればよく、加熱だけの乾燥でもよく、空気を吹き付けてもよい。具体的には、常温のエアブローでも、熱風を吹き付けてもよい。
熱処理は、大気中、300℃〜1000℃の範囲の温度にて、蛍光ランプに不具合が生じない範囲で所定時間行う。
このようにして本発明の塗膜を得ることができる。
この塗膜の製造方法によれば、基材上に、粒子径が0.3μm以上かつ20.0μm以下の単結晶のα型アルミナと、ニトロセルロースと、溶媒とを含有してなり、さらに、蛍光物質と低融点ガラス(ホウ酸バリウムカルシウム)を含有してなる、本発明の塗料を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を乾燥または乾燥・熱処理するので、電子放射性物質を含む膜と蛍光体膜とを1つの工程で同時に形成することができ、従来の蛍光ランプのように電子放射性物質を別途付着させる必要が無く、塗膜の製造工程を短縮することができ、製造コストを削減することができる。
「蛍光ランプ」
本発明の蛍光ランプは、本発明の塗料を用いて形成した塗膜を透光性の封止管の内面に形成してなるランプである。
図1は、本発明の蛍光ランプの一実施形態を示す概略縦断面図である。図2は、本発明の蛍光ランプの一実施形態を示す概略横断面図である。
図1、2において、符号1は両端が封止されたガラス管からなる透光性の封止管、2は封止管1の内面(内壁)1a全体に形成され、電子放射機能を有するとともに、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質の混合物を含む、本発明の塗膜、3は封止管1の内部空間の両端部側にそれぞれ設けられた電極、4は電極3に電気的に接続されたリード線、10は蛍光ランプを示している。
また、Gは封止管1内に封入された封入ガスであり、この封入ガスGは、水銀、およびアルゴンなどの希ガスや窒素などの不活性ガスにより構成されている。
また、塗膜2は、電極4、4間に高周波高電圧を印加することにより電子放射性物質から電子を放出する機能と、封止管1に含まれている物質とガスGに含まれる水銀とが反応してアマルガムを生成するのを防止する機能とを兼ね備えている膜である。
この蛍光ランプ10を製造するには、封止管1の内面1aに、蛍光物質を含有する本発明の塗料を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥または乾燥・熱処理して塗膜2を形成する。
次いで、封止管1内に電極3、3を取りつけ、希ガスと水銀を封入して封止管1を封止し、蛍光ランプ10を得る。
この蛍光ランプ10は、封止管1の内面1a全体に電子放射性物質を含む塗膜2が設けられているので、塗膜2からは電子が均一に放射されることとなり、電子放射の偏りが無くなる。よって、電子放射性物質による電子放射を安定化することができる。
また、塗膜2から封止管1の軸心に向けて電子が均一に放射されるので、ランプ点灯までにかかる時間を短縮することができる。
さらに、塗膜2の厚みを均一化することができるので、点灯時間のばらつき、特に製造ロット毎の点灯時間のばらつきを小さくすることができる。
以上により、点灯時の電気的特性に優れ、製造コストの低減を図ることができる蛍光ランプを提供することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「実施例1」
単結晶で不定形のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径3.0μm)と、ニトロセルロースとを、分散剤を含む酢酸−n−ブチル中にビーズミルを用いて分散させ、その後、ビーズを分離し、単結晶で不定形のα型アルミナを30.0質量%含む塗料を調製した。
また、上記アルミナ分散塗料と、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質の混合物と、低融点ガラス(ホウ酸バリウムカルシウム)と、ニトロセルロースとを、酢酸−n−ブチル中に添加し、それらを混合し懸濁して、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質を40.0質量%、不定形のα型アルミナを6.0質量%、低融点ガラスを0.5質量%含む蛍光体スラリーを調製した。
次いで、蛍光ランプ用のガラス管の内面に吸上げ塗工法を用いて、この蛍光ランプ用の塗料を膜厚が20μmとなるよう塗布した。
次いで、大気中、90℃にて5分間、エアブローしながら乾燥し、塗布膜を形成した。
次いで、700℃にて30分間、熱処理を行い、塗膜を形成した。
その後、このガラス管に電極やリード線を取り付けて封止し、実施例1の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における単結晶で不定形のα型アルミナの含有率は、13.0質量%であった。
「実施例2」
単結晶で球状のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径3.0μm)を含有する蛍光ランプ用の塗料を調製し、この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率は、13.0質量%であった。
「実施例3」
単結晶で球状のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径0.3μm)を含有する蛍光ランプ用の塗料を調製し、この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率は、13.0質量%であった。
「実施例4」
単結晶で球状のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径1.5μm)を含有する蛍光ランプ用の塗料を調製し、この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率は、13.0質量%であった。
「実施例5」
単結晶で球状のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径5.0μm)を含有する蛍光ランプ用の塗料を調製し、この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率は、13.0質量%であった。
「実施例6」
単結晶で球状のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径10.0μm)を含有する蛍光ランプ用の塗料を調製し、この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率は、13.0質量%であった。
「実施例7」
単結晶で球状のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径20.0μm)を含有する蛍光ランプ用の塗料を調製し、この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例7の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率は、13.0質量%であった。
「実施例8」
単結晶で球状のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径3.0μm)と、ニトロセルロースとを、分散剤を含む酢酸−n−ブチル中にビーズミルを用いて分散させ、その後、ビーズを分離し、単結晶で球状のα型アルミナを30.0質量%含む塗料を調製した。
また、上記アルミナ分散塗料と、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質の混合物と、低融点ガラス(ホウ酸バリウムカルシウム)と、ニトロセルロースとを、酢酸−n−ブチル中に添加し、それらを混合し懸濁して、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質を40.0質量%、単結晶で球状のα型アルミナを1.7質量%、低融点ガラスを0.5質量%含む蛍光体スラリーを調製した。
この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例8の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率は、4.0質量%であった。
「実施例9」
単結晶で球状のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径3.0μm)と、ニトロセルロースとを、分散剤を含む酢酸−n−ブチル中にビーズミルを用いて分散させ、その後、ビーズを分離し、単結晶で球状のα型アルミナを30.0質量%含む塗料を調製した。
また、上記アルミナ分散塗料と、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質の混合物と、低融点ガラス(ホウ酸バリウムカルシウム)と、ニトロセルロースとを、酢酸−n−ブチル中に添加し、それらを混合し懸濁して、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質を40.0質量%、単結晶で球状のα型アルミナを3.5質量%、低融点ガラスを0.5質量%含む蛍光体スラリーを調製した。
この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例9の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率は、8.0質量%であった。
「実施例10」
単結晶で球状のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径3.0μm)と、ニトロセルロースとを、分散剤を含む酢酸−n−ブチル中にビーズミルを用いて分散させ、その後、ビーズを分離し、単結晶で球状のα型アルミナを30.0質量%含む塗料を調製した。
また、上記アルミナ分散塗料と、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質の混合物と、低融点ガラス(ホウ酸バリウムカルシウム)と、ニトロセルロースとを、酢酸−n−ブチル中に添加し、それらを混合し懸濁して、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質を40.0質量%、単結晶で球状のα型アルミナを10.0質量%、低融点ガラスを0.5質量%含む蛍光体スラリーを調製した。
この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例10の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率は、20.0質量%であった。
「実施例11」
単結晶で球状のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径3.0μm)と、ニトロセルロースとを、分散剤を含む酢酸−n−ブチル中にビーズミルを用いて分散させ、その後、ビーズを分離し、単結晶で球状のα型アルミナを30.0質量%含む塗料を調製した。
また、上記アルミナ分散塗料と、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質の混合物と、低融点ガラス(ホウ酸バリウムカルシウム)と、ニトロセルロースとを、酢酸−n−ブチル中に添加し、それらを混合し懸濁して、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質を40.0質量%、単結晶で球状のα型アルミナを17.1質量%、低融点ガラスを0.5質量%含む蛍光体スラリーを調製した。
この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例11の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率は、30.0質量%であった。
「比較例1」
不定形のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径3.0μm)を含有する蛍光ランプ用の塗料を調製し、この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における不定形のα型アルミナの含有率は、13.0質量%であった。
「比較例2」
不定形のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径1.5μm)を含有する蛍光ランプ用の塗料を調製し、この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における不定形のα型アルミナの含有率は、13.0質量%であった。
「比較例3」
不定形のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径10.0μm)を含有する蛍光ランプ用の塗料を調製し、この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における不定形のα型アルミナの含有率は、13.0質量%であった。
「比較例4」
不定形のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径3.0μm)を含有する蛍光ランプ用の塗料を調製し、この塗料を用いた以外は実施例8と同様にして、比較例4の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における不定形のα型アルミナの含有率は、4.0質量%であった。
「比較例5」
不定形のα型アルミナ(Al)粒子(粒子径3.0μm)を含有する蛍光ランプ用の塗料を調製し、この塗料を用いた以外は実施例10と同様にして、比較例5の蛍光ランプを作製した。
なお、塗膜における不定形のα型アルミナの含有率は、20.0質量%であった。
「比較例6」
赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質の混合物と、低融点ガラス(ホウ酸バリウムカルシウム)と、ニトロセルロースとを、分散剤を含む酢酸−n−ブチル中にビーズミルを用いて分散させ、その後、ビーズを分離し、赤色系蛍光体物質、緑色系蛍光体物質および青色系蛍光体物質を40.0質量%、低融点ガラスを0.5質量%含む蛍光体スラリーを調製した。
次いで、蛍光ランプ用のガラス管の内面に吸上げ塗工法を用いて、この蛍光体スラリーを膜厚が20μmとなるよう塗布した。
次いで、大気中、90℃にて5分間、エアブローしながら乾燥し、塗布膜を形成した。
次いで、700℃にて30分間、熱処理を行い、塗膜を形成した。
その後、このガラス管に電極やリード線を取り付けて封止し、比較例6の蛍光ランプを作製した。
上記実施例1〜11と比較例1〜6の塗料および塗膜の組成を表1に示す。
Figure 2010027270
「蛍光ランプの評価」
実施例1〜11および比較例1〜6のそれぞれの蛍光ランプについて、輝度および暗黒始動の評価を下記の方法により行った。
測定装置は、全光束測定装置 OSP−150(オプトシリウス社製)を用いた。
(1)輝度
蛍光ランプを20本作製し、これらの蛍光ランプの明るさ(光束)を測定した。基準値としてα型アルミナを含まない比較例6の蛍光ランプ20本の明るさの平均値を100としたときの数値を下記の3段階で評価した。
なお、輝度の測定は、蛍光ランプを100時間連続点灯した後と2000時間連続点灯した後に行った。
◎:98以上
○:95以上〜98未満
×:95未満
実施例1〜11および比較例1〜6についての結果を表2に示す。
Figure 2010027270
(2)暗黒始動
蛍光ランプを20本作製し、これらの蛍光ランプを暗黒状態にて100時間並びに1000時間保管し、次いで、同一条件にて電圧をかけてからランプが点灯するまでの時間を測定し、下記の6段階にて評価した。
1:0〜0.001秒未満
2:0.001以上〜0.01秒未満
3:0.01秒以上〜0.1秒未満
4:0.1秒以上〜1.0秒未満
5:1.0秒以上〜10.0秒未満
6:10.0秒以上
実施例1〜11および比較例1〜6についての結果を表3に示す。
Figure 2010027270
表2の結果から、粒子径が3.0μmの単結晶で不定形のα型アルミナを用い、塗膜における単結晶で不定形のα型アルミナの含有率を13.0質量%とした実施例1の蛍光ランプ、および、粒子径が0.3μm以上かつ5.0μm以下の単結晶で球状のα型アルミナを用い、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率を4.0質量%以上かつ30.0質量%以下とした実施例2〜5、8〜11の蛍光ランプでは、100時間連続点灯後および2000時間連続点灯後の輝度に問題がなかった。また、単結晶で球状のα型アルミナの粒子径を10.0μm、20.0μmとした実施例6、7の蛍光ランプでは、若干の輝度低下が見られた。
この結果から、粒子径が0.3μm以上かつ20.0μm以下の単結晶で球状のα型アルミナを用いた蛍光ランプでは、単結晶で球状のα型アルミナの粒子径の増加につれて輝度が低下し、単結晶で球状のα型アルミナの粒子径が20.0μmを超えると輝度に問題があることが分かった。
一方、粒子径が3.0μm、1.5μmの不定形のα型アルミナを用い、塗膜における不定形のα型アルミナの含有率を13.0質量%とした比較例1、2の蛍光ランプでは、100時間連続点灯後および2000時間連続点灯後の輝度に問題がなかった。
また、粒子径が10.0μmの不定形のα型アルミナを用い、塗膜における不定形のα型アルミナの含有率を13.0質量%とした比較例3の蛍光ランプでは、若干の輝度低下が見られた。
また、粒子径が3.0μmの不定形のα型アルミナを用い、塗膜における不定形のα型アルミナの含有率を4.0質量%とした比較例4の蛍光ランプと、粒子径が3.0μmの不定形のα型アルミナを用い、塗膜における不定形のα型アルミナの含有率を20.0質量%とした比較例5の蛍光ランプとでは、若干の輝度低下が見られた。
この結果から、不定形のα型アルミナを用いた蛍光ランプでは、不定形のα型アルミナの粒子径の増加につれて輝度が低下し、不定形のα型アルミナの粒子径が10.0μmを超えると輝度に問題があることが分かった。また、塗膜における不定形のα型アルミナの含有率が4.0質量%を超え、20.0質量%未満の範囲内でないと、輝度に問題があることが分かった。
また、表3の結果から、粒子径が3.0μmの単結晶で不定形のα型アルミナを用い、塗膜における単結晶で不定形のα型アルミナの含有率を13.0質量%とした実施例1の蛍光ランプ、および、粒子径が5.0μm以上かつ20.0μm以下の単結晶で球状のα型アルミナを用い、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率を13.0質量%以上かつ30.0質量%以下とした実施例2、5〜7、10、11の蛍光ランプでは、暗黒始動特性に問題がなかった。
また、粒子径が0.3μmの単結晶で球状のα型アルミナを用い、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率を13.0質量%とした実施例3の蛍光ランプ、および、1.5μmの単結晶で球状のα型アルミナを用い、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率を13.0質量%とした実施例4の蛍光ランプでは、暗黒始動特性が低下した。この結果から、粒子径が1.5μm以下の単結晶で球状のα型アルミナを用いた蛍光ランプでは、単結晶で球状のα型アルミナの粒子径の低下につれて暗黒始動特性が低下することが分かった。
また、粒子径が3.0μmの単結晶で球状のα型アルミナを用い、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率を4.0質量%とした実施例8の蛍光ランプ、および、3.0μmの単結晶で球状のα型アルミナを用い、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率を8.0質量%とした実施例9の蛍光ランプでは、暗黒始動特性が低下した。この結果から、粒子径が3.0μmの単結晶で球状のα型アルミナを用いた蛍光ランプでは、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率の低下につれて暗黒始動特性が低下することが分かった。
一方、粒子径が1.5μm〜10.0μmの不定形のα型アルミナを用い、塗膜における不定形のα型アルミナの含有率を4.0質量%〜20.0質量%とした比較例1〜6の蛍光ランプでは、暗黒始動特性が大幅に低下した。
以上の結果から、粒子径が0.3μm以上かつ20.0μm以下の単結晶のα型アルミナを含有する塗膜を備えた蛍光ランプは、蛍光ランプとしての特性に優れており、特に、粒子径が0.3μmの単結晶で球状のα型アルミナを用い、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率を13.0質量%とした実施例2、および、粒子径が5.0μmの単結晶で球状のα型アルミナを用い、塗膜における単結晶で球状のα型アルミナの含有率を13.0質量%とした実施例5の蛍光ランプは、輝度および暗黒始動特性が良好であることが分かった。
本発明の蛍光ランプの一実施形態を示す概略縦断面図である。 本発明の蛍光ランプの一実施形態を示す概略横断面図である。
符号の説明
1 封止管
2 塗膜
3 電極
5 リード線
10 蛍光ランプ
G 封入ガス

Claims (7)

  1. 粒子径が0.3μm以上かつ20.0μm以下の単結晶のα型アルミナと、ニトロセルロースと、溶媒とを含有してなることを特徴とする蛍光ランプ用の塗料。
  2. 前記α型アルミナは球状粒子であることを特徴とする請求項1に記載の塗料。
  3. さらに、蛍光物質を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の塗料。
  4. 請求項3に記載の塗料を用いて形成してなることを特徴とする塗膜。
  5. 前記α型アルミナを蛍光物質に対して3質量%以上かつ30質量%以下含有することを特徴とする請求項4に記載の塗膜。
  6. 基材上に、請求項3に記載の塗料を塗布して塗布膜を形成し、次いで、この塗布膜を乾燥または乾燥・熱処理することを特徴とする塗膜の製造方法。
  7. 請求項4または5に記載の塗膜を透光性の封止管の内面に形成してなることを特徴とする蛍光ランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113549366A (zh) * 2020-04-24 2021-10-26 山阳色素株式会社 球状氧化铝颗粒分散体及制造方法、树脂组合物、光学膜

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