JP2010026658A - 掌位置検出装置、掌紋認証装置、携帯電話端末、プログラム、および掌位置検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】手の掌側が撮像された画像内の掌の位置を検出する掌位置検出装置であって、前記画像の画素値の変化に基づいて前記画像内の掌の左右方向を検出する掌左右方向検出手段と、前記画像の前記掌の左右方向の画素値の変化に基づいて前記画像内の掌の上端の座標を検出する上端検出手段と、前記画像の前記掌の左右方向の画素値の変化に基づいて前記画像内の掌の左右端の座標を検出する左右端検出手段と、前記掌の上端の座標及び前記掌の左右端の座標から前記画像内の掌の下端の座標を検出する下端検出手段と、を備える。
【選択図】図3
Description
非特許文献1の方法では、CCDカメラ等により構成された専用の撮像装置を用いて、掌の全体の画像データを採取する。このとき、撮像装置には、各指先を置く目安となる印があり、ユーザはその印に合わせて掌を開いた状態で置く。
採取された掌の画像から、境界線追跡アルゴリズムを用いて、手の部分とそれ以外の部分の境界線を定める。そして、指と指の間の位置を検出することにより、掌の位置を決定する。
特許文献1の方式では、画像読み取り部にユーザが掌を位置合わせするので採取される掌紋画像は位置ずれが生じない。これにより、指と指の間の位置を精度良く検知することができる。しかしながら、携帯電話端末のカメラを用いる場合、カメラと掌との距離、掌の方向が撮影のたびに同じにならないため、撮影画像から得られる掌紋の範囲が登録時と異なってしまうという問題も考えられる。
(条件1)
・(付け根2左端の座標−付け根1左端の座標)<(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×LR1
・(付け根2左端の座標−付け根1左端の座標)>(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×LR2
・(付け根1右端の座標−付け根0右端の座標)<(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×RR1
・(付け根1右端の座標−付け根0右端の座標)>(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×RR2
ただし、LR1、LR2、RR1及びRR2は定数である。LR2はLR1より大きい定数である。RR2はRR1より大きい定数である。
(条件2)
・付け根1左端の座標の累積値<付け根0左端の座標の累積値×V1
・付け根1左端の座標の累積値>付け根0左端の座標の累積値×V2
・付け根2左端の座標の累積値<付け根0左端の座標の累積値×V1
・付け根2左端の座標の累積値>付け根0左端の座標の累積値×V2
・付け根0右端の座標の累積値<付け根0左端の座標の累積値×V1
・付け根0右端の座標の累積値>付け根0左端の座標の累積値×V2
ただし、V1及びV2は定数である。V2はV1より大きい定数である。
(条件3)
・(付け根0より左の極大点の座標−付け根0左端の座標)≧(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×RL1
・(付け根0より左の極大点の座標−付け根0左端の座標)≦(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×RL2
・付け根0より左の極大点の座標の累積量≧付け根0左端の座標の累積量×VL1
・付け根0より左の極大点の座標の累積量≦付け根0左端の座標の累積量×VL2
ただし、RL1、RL2、VL1及びVL2は定数である。RL2はRL1より大きい定数である。VL2はVL1より大きい定数である。
(条件4)
・座標γの累積値>付け根0の座標の累積値×YA
・座標γの累積値>付け根1の座標の累積値×YA
・付け根0の座標の累積値<付け根1の座標の累積値×YB
ただし、YA及びYBは定数である。YAはYBより大きい定数である。座標γは、座標γと付け根1の座標の中点が付け根0の座標となるものである。
本実施形態では、左手の掌紋を用いて掌紋認証を行う。また、左手の掌に加えて指が撮像されている画像を用いて掌の位置を検出する。
左方向:左手の親指側
右方向:左手の小指側
上方向:左手の指側
下方向:左手の手首側
掌の上端:指と掌の境界線
掌の左端:掌の左側の境界線
掌の右端:掌の右側の境界線
掌の下端:掌と手首の境界線
付け根0:人差し指と中指の間にある付け根
付け根1:中指と薬指の間にある付け根
付け根2:薬指と小指の間にある付け根
付け根は幅を持った部分である。
右方向:右手の親指側
左方向:右手の小指側
上方向:右手の指側
下方向:右手の手首側
付け根0:人差し指と中指の間にある付け根
付け根1:中指と薬指の間にある付け根
付け根2:薬指と小指の間にある付け根
電話機能部10と、カメラ11と、掌位置検出部12と、画像補正部13と、画像認識部14と、画像抽出部15と、画像変換部16と、照合部17と、掌紋DB(データベース)18とから構成されている。
カメラ11は、掌を画像データとして撮影するほか、通常の写真撮影やテレビ電話等の用途に使用される。
図4は、本実施形態における掌位置検出部12の処理全体の流れを示すフローチャートである。
[ステップS1:掌左右方向検出]
まず、掌位置検出部12は、カメラ11で撮影した画像データから、当該画像データの掌の左右方向(角度)を検出する。ここで、掌と指が撮影された画像データは、指と指の境界線等があるため、掌の左右方向に画素値が大きく変化する。そこで、本実施形態では、画像データにおいて、最も画素値の変化が大きい方向を掌の左右方向とする。
まず、ステップS11では、掌位置検出部12は、カメラ11で撮影した画像データ(撮像データ)の1次微分ベクトル画像を生成する。1次微分ベクトル画像は、各画素のX方向微分値、Y方向微分値、X方向微分値とY方向微分値を成分とする1次微分ベクトルの長さ及びX軸方向に対する1次微分ベクトルの角度の値を持つ画像データである。
具体的には、まず、掌位置検出部12は、当該撮像データのX方向及びY方向の微分値を算出する。
図6を参照してX方向の微分値算出処理の動作を具体的に説明する。この図に示す例では、座標(n,m)(n,mは、1以上の整数)のX方向微分値x(n,m)を算出している。なお、本例では、フィルタのサイズは5である。図6(a)は、撮像データ(微分前)の各画素値p(i,j)(i=n−2,n−1,n,n+1,n+2;j=m−2,m−1,m,m+1,m+2)を表わすテーブルである。図6(b)は、フィルタの各画素値fx(i,j)を表わすテーブルである。フィルタの各画素値fx(i,j)は、図6上の最左列(i=n−2)が−1、図6上の最右列(i=n+2)が1、残りが0である。図6(c)は、X方向微分後の画像データの各画素値x(i,j)を表わすテーブルである。なお、図6(a)〜(c)に示すテーブルにおいて、縦軸はY軸、横軸はX軸である。
X方向微分値x(n,m)は、以下の式(1)により算出される。式(1)は、微分前のテーブルとフィルタのテーブルの対応する各画素値を乗算し、乗算した値の総和がX方向微分値x(n,m)であることを表わしている。
次のステップS12では、掌位置検出部12は、ステップS11で算出した1次微分ベクトル長を角度毎に累積して、累積テーブルを生成する。具体的には、例えば、角度0度の1次微分ベクトル長を累積する場合には、掌位置検出部12は、1次微分ベクトル画像において、角度0度の画素を抽出し、抽出した各画素の1次微分ベクトル長を累積する。掌位置検出部12は、この処理を各角度に対して行い、累積テーブルを生成する。
図8を参照して累積テーブルの平滑化処理の動作を具体的に説明する。図8(a)は、平滑化前の累積テーブルの値A(θ)を表す。図8(b)は、平滑化のためのフィルタの値F(θ)を表す。図8(c)は、平滑化後の累積テーブルの値A’(θ)を表す。ここで、フィルタのサイズはfsize(fsizeは3以上の奇数)である。また、フィルタの値F(θ)は全て1である。A’(θ)は以下の式(3)により算出される。掌位置検出部12は、累積テーブルの全ての値についてA’(θ)を算出して平滑化後の累積テーブルを生成する。
次のステップS14では、掌位置検出部12は、平滑化後の累積テーブルの最大値を探索し、当該最大値の角度を掌の左右方向とする。
図9は、1次微分ベクトル長の角度毎の累積テーブルの一例を示す概略図である。この図に示すグラフの縦軸は1次微分ベクトル長の累積値、横軸は角度θである。図9に示す例では、角度αで累積値の最大値なので、X軸方向に対する角度αが掌左右方向となる。
ただし、実際の回転角度α’は角度αから180減算した値となる。
次に、掌位置検出部12は、検出した方向に基づいて、掌の上下方向が撮像データのY軸方向に対して平行になるように当該撮像データを回転する。具体的には、掌位置検出部12は、撮像データの中心を軸にして撮像データを−α’度回転させる。
図10は、撮像データと撮像データを回転した画像データを示す概略図である。図10(a)は、撮像データである。図10(b)は、図10(a)に示す撮像データを、当該撮像データの中心を軸として−α’度回転した後の画像データである。この図に示すように、回転後の画像データでは、四角形のフォーマット上で画像データのない四隅が黒く補完される。そのため、境界線100が存在する。
次に、掌位置検出部12は、回転した画像データから掌の上端を検知する。
図10(b)に示すように、掌の上端より上にある指の部分は、指と指の間の境界線などがありX軸方向に変化が大きくなる。一方、掌の上端より下にある掌の部分はX軸方向の変化が少ない。このことから、本実施形態では、X軸方向の変化の境目を掌の上端とする。
まず、ステップS31では、掌位置検出部12は、回転後の画像データの1次微分ベクトル画像を生成する。次に、ステップ32では、掌位置検出部12は、1次微分ベクトル画像にマスクをする。具体的には、掌位置検出部12は、図10(b)に示す回転後の画像データの斜め方向の一次微分ベクトルをマスクするために、対応するX方向微分値またはY方向微分値を0にする。
図12は、X方向微分値のY座標毎の累積テーブルの一例を示す概略図である。この図に示すグラフの縦軸はY座標の値、横軸はX方向微分値の累積値である。図12で示す例では、座標βが累積テーブルの最大減少位置なので、座標βが掌の上端座標となる。
次に、掌位置検出部12は、回転した画像データから掌の左右端を検知する。
図13は、本実施形態における掌位置検出部12の左右端検知処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS41では、掌位置検出部12は、手法1にて左右端の検知を行う。次のステップS42では、掌位置検出部12は、手法1における検知成否を判定する。手法1で検知できた場合には、処理を終了する。一方、手法1にて検知できなかった場合には、ステップS43に進む。ステップS43では、掌位置検出部12は、手法2にて左右端の検知を行い、処理を終了する。
図14は、手法1における左右端検知処理の流れを示すフローチャートである。この図に示す処理は、上述したステップS41に対応する処理である。
まず、ステップS431では、掌位置検出部12は、回転後の画像データのX方向微分値をX座標毎に累積して、累積テーブルを生成する。
次のステップS432では、掌位置検出部12は、1次微分ベクトル画像のY方向微分値をX座標毎に累積して、累積テーブルを生成する。
図15を参照して具体的に説明する。図15(c)は、各画素の値がY方向微分値である画像データである。この図において、符号27は、中央領域である。図15(d)に示す符号28は、図15(c)の中央領域27における絶対値を累積した累積テーブルである。上述したステップS432では、累積テーブル28を生成する。
ステップS433では、掌位置検出部12は、生成した各累積テーブルに図8に示す平滑化処理を行う。次のステップS434では、掌位置検出部12は、各累積テーブルの極大点及び最大点を探索する。最大点とは、累積値が最大となる点である。ただし、極大値と前後の極小値の差分が、累積値の最大値(以下、最大累積値とする)に比して十分に小さい場合には、当該極大点を削除する。同様に、極大値が最大累積値に比して十分に小さい場合には、当該極大点を削除する。
なお、説明を容易にするために、本明細書全体について以下のように用語を定義する。
正極大点[i]:上方領域21における正の累積テーブル23による極大点のうち左からi番目のもの
負極大点[i]:上方領域21における負の累積テーブル24による極大点のうち左からi番目のもの
掌位置検出部12は、以下のステップS501からS507までの処理を検知可と判定されるまで探索した全ての正極大点について行う。iPの初期値は0である。なお、正極大点数は探索した全ての正極大点の数である。
まず、ステップS501では、掌位置検出部12は、正極大点[iP]に最近の負極大点[iM]を探索する。次のステップS502では、掌位置検出部12は、負極大点[iM]に最近の極大点[iP2]を探索する。次のステップS503では、掌位置検出部12は、iPとiP2が等しいか否かを判定する。等しい場合には、次のステップS504に進む。一方、iPとiP2が等しくない場合には、iPに1を加算して、ステップS501の処理に戻る。ただし、加算後のiPが正極大点数と等しい場合には、検知否と判定して処理を終了する。
ここで、掌に対して左方向から光が当たっている場合には、指の左側領域が白くなり、指の右側領域が黒くなる。よって、正極大点[iP]の位置が負極大点[iM]の位置より小さくなる。このとき、掌の左端のエッジが白くなり、掌の右端のエッジが黒くなる。このため、左端の探索には負の累積テーブル26を使用し、右端の探索には正の累積テーブル25を使用する。同様の理由により、正極大点[iP]の位置が負極大点[iM]の位置より右になる場合には、左端の探索には正の累積テーブル25を使用し、右端の探索には負の累積テーブル26を使用する。以下に示すflgは、左右端の探索に正の累積テーブル25を用いるか負の累積テーブル26を用いるかを示すフラグである。flgが1の場合には、左端の探索には負の累積テーブル26を使用し、右端の探索には正の累積テーブル25を使用する。一方、flgが0の場合には、左端の探索には正の累積テーブル25を使用し、右端の探索には負の累積テーブル26を使用する。
(対応付け1)
左側極大点=正極大点[iP−1]
付け根0左端=正極大点[iP]
付け根1左端=正極大点[iP+1]
付け根2左端=正極大点[iP+2]
付け根0右端=負極大点[iM]
付け根1右端=負極大点[iM+1]
flg=1
(対応付け2)
左側極大点=負極大点[iM−1]
付け根0左端=負極大点[iM]
付け根1左端=負極大点[iM+1]
付け根2左端=負極大点[iM+2]
付け根0右端=正極大点[iP]
付け根1右端=正極大点[iP+1]
flg=0
・(付け根2左端の座標−付け根1左端の座標)<(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×LR1
・(付け根2左端の座標−付け根1左端の座標)>(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×LR2
・(付け根1右端の座標−付け根0右端の座標)<(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×RR1
・(付け根1右端の座標−付け根0右端の座標)>(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×RR2
のいずれかを満たす場合に、整合性なし(NG)と判定する。一方、いずれも満たさない場合に、整合性あり(OK)と判定する。ただし、LR1、LR2、RR1及びRR2は予め設定された定数である。LR1はLR2より小さい値である。RR1はRR2より小さい値である。
・付け根1左端の座標の累積値<付け根0左端の座標の累積値×V1
・付け根1左端の座標の累積値>付け根0左端の座標の累積値×V2
・付け根2左端の座標の累積値<付け根0左端の座標の累積値×V1
・付け根2左端の座標の累積値>付け根0左端の座標の累積値×V2
・付け根0右端の座標の累積値<付け根0左端の座標の累積値×V1
・付け根0右端の座標の累積値>付け根0左端の座標の累積値×V2
のいずれかを満たす場合に、整合性なし(NG)と判定する。一方、いずれも満たさない場合に、整合性あり(OK)と判定する。ただし、V1及びV2は予め設定された定数である。V1はV2より小さい値である。
・(左側極大点の座標−付け根0左端の座標)≧(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×RL1
・(左側極大点の座標−付け根0左端の座標)≦(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×RL2
・左側極大点の座標の累積量≧付け根0左端の座標の累積量×VL1
・左側極大点の座標の累積量≦付け根0左端の座標の累積量×VL2
のすべてを満たす場合に、整合性なし(NG)と判定する。一方、いずれかが満たさない場合には、整合性あり(OK)と判定する。つまり、人差し指の左側(つまり親指の上側)に指のような特徴が発生している場合に、整合性なし(NG)となる。ただし、RL1、RL2、VL1及びVL2は予め設定された定数である。RL1はRL2より小さい値である。VL1はVL2より小さい値である。左側極大点は、付け根0より左方向にある極大点である。
・座標γのY方向微分累積値>付け根0のY方向微分累積値×YA
・座標γのY方向微分累積値>付け根1のY方向微分累積値×YA
・付け根0のY方向微分累積値<付け根1のY方向微分累積値×YB
のいずれかを満たす場合に、整合性なし(NG)と判定する。一方、いずれも満たさない場合に、整合性あり(OK)と判定する。ただし、Y方向微分累積値は、絶対値を累積した累積テーブル28の累積値である。また、YA及びYBは予め設定された定数である。YAはYBより大きい値である。また、座標γは、座標γと付け根1の中点が付け根0となるような座標である。
ステップS436では、掌位置検出部12は、左端の探索を行う。
図17を参照して左端の探索処理を具体的に説明する。なお、説明を容易にするために、この図において以下のように値を定義する。
付け根幅:「付け根1左端の座標−付け根0左端の座標」と、「付け根2左端の座標−付け根1左端の座標」と、「付け根1右端の座標−付け根0右端の座標」と、の平均値。
付け根累積値:「付け根0右端の累積値」と、「付け根1右端の累積値」と、の平均値。ただし当該累積値は、flgが1の場合には、上方領域21における負の累積テーブル24の累積値である。一方、flgが0の場合には、当該累積値は上方領域21における正の累積テーブル23の累積値である。
まず、掌位置検出部12は、座標lsxからlex間の最大点を探す。座標lexは、付け根0の右端の座標から付け根幅を減算した座標に「付け根幅×lexRate」を加算した座標である。座標lsxは、付け根0の右端の座標から付け根幅を減算した座標に「付け根幅×lsxRate」を減算した座標である。ここで、最大点の累積値が所定の閾値未満の場合には、「付け根0右端−付け根幅」を左端とする。一方、最大点の累積値が閾値以上の場合には、lexからlsx方向に、累積値が「付け根累積値×LVRate」未満になる座標を探索し、その座標lxを左端とする。ただし、LVRate、lsxRate及びlexRateは、予め設定された定数である。
ステップS437では、掌位置検出部12は、右端の探索を行う。
図18を参照して右端の探索処理を具体的に説明する。なお、説明を容易にするために、この図において以下のように値を定義する。
付け根幅:「付け根1左端の座標−付け根0左端の座標」と、「付け根2左端の座標−付け根1左端の座標」と、「付け根1右端の座標−付け根0右端の座標」と、の平均値。
付け根累積値:「付け根0左端の累積値」と、「付け根1左端の累積値」と、「付け根2左端の累積値」と、の平均値。ただし、当該累積値は、flgが1の場合には、上方領域21における正の累積テーブル23の累積値である。一方、flgが0の場合には、当該累積値は上方領域21における負の累積テーブル24の累積値である。
まず、掌位置検出部12は、座標rsxからrex間の最大点を探す。座標rexは、付け根2の左端の座標に付け根幅を加算した座標に「付け根幅×rexRate」を加算した座標である。座標rsxは、付け根0の左端の座標に付け根幅を加算した座標に「付け根幅×rsxRate」を減算した座標である。ここで、最大点の累積値が所定の閾値未満の場合には、「付け根2左端+付け根幅」を右端とする。一方、最大点の累積値が閾値以上の場合には、rsxからrex方向に、累積値が「付け根累積値×RVRate」未満になる座標を探索し、その座標rxを右端とする。ただし、RVRate、rsxRate及びrexRateは、予め設定された定数である。
図19は、手法2における右端検知処理の流れを示すフローチャートである。この図に示す処理は、上述したステップS43に対応する処理である。
まず、ステップS411では、掌位置検出部12は、回転後の画像データにおけるX方向微分値の絶対値をX座標毎に累積して、累積テーブルを生成する。このとき、図20に示す右領域のX方向微分値の絶対値が累積される。図20は、画素値がX方向微分値である回転後の画像データを示す概略図である。
次のステップS412では、掌位置検出部12は、当該累積テーブルに図8に示す平滑化処理を行う。次のステップS413では、掌位置検出部12は、当該累積テーブルの極大点及び最大点を探索する。次のステップS414では、掌位置検出部12は、掌の右端の探索を行う。
掌位置検出部12は、まず、当該累積テーブルの最大累積値が予め設定された閾値より小さいか否かを判定する。掌位置検出部12は、最大累積値が閾値より小さい場合には、予め設定された座標を掌の右端とする。これは、当該画像データには掌の右端のエッジがないと判定するためである。
一方、掌位置検出部12は、最大累積値が予め設定された閾値以上の場合には、最大点より左にある極大点であって、「最大累積値×minRate」以上の極大点を仮の右端とする。なお、「最大累積値×minRate」以上の極大点が複数存在する場合には、最も左に位置するものを仮の右端とする。なお、「最大累積値×minRate」以上の極大点が存在しない場合には、最大点を仮の右端とする。次に、掌位置検出部12は、この仮の右端から右を探索し、累積値が「仮の右端×Rrate」未満になるとき、その位置の一つ左を右端とする。ただし、minRate及びRrateは、予め設定された値である。なお、累積値が「仮の右端×Rrate」未満にならないとき、当該終了位置の一つ左を右端とする。
そして、掌位置検出部12は、当該累積テーブルの最大累積値が予め設定された閾値より小さいか否かを判定する。掌位置検出部12は、最大累積値が閾値より小さい場合には、予め設定された座標を掌の左端とする。これは、当該画像データには掌の左端のエッジがないと判定するためである。
一方、掌位置検出部12は、最大累積値が予め設定された閾値以上の場合には、最大点より右にある極大点であって、「最大累積値×minRate」以上の極大点を仮の左端とする。なお、「最大累積値×minRate」以上の極大点が複数存在する場合には、最も右に位置するものを仮の左端とする。なお、「最大累積値×minRate」以上の極大点が存在しない場合には、最大点を仮の左端とする。次に、掌位置検出部12は、この仮の左端から左を探索し、累積値が「仮の左端×Lrate」未満になるとき、その位置の一つ右を左端とする。ただし、Lrateは、予め設定された値である。なお、累積値が「仮の左端×Lrate」未満にならないとき、当該終了位置の一つ右を左端とする。
次に、掌位置検出部12は、回転した画像データから掌の下端を検知する。具体的には、掌位置検出部12は、予め設定された掌の縦横比を用いて、上述したステップS3及びS4で算出した掌の上端及び左右端の座標から下端の座標を算出する。
次に、掌位置検出部12は、上述したステップS3からS5で検知した掌の上端、左右端、下端の座標を、画像データの中心を軸にα’度回転させて、回転前の画像データ(撮像データ)における掌の上端、左右端、下端の座標を算出して処理を終了する。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
Claims (14)
- 手の掌側が撮像された画像内の掌の位置を検出する掌位置検出装置であって、
前記画像の画素値の変化に基づいて前記画像内の掌の左右方向を検出する掌左右方向検出手段と、
前記画像の前記掌の左右方向の画素値の変化に基づいて前記画像内の掌の上端の座標を検出する上端検出手段と、
前記画像の前記掌の左右方向の画素値の変化に基づいて前記画像内の掌の左右端の座標を検出する左右端検出手段と、
前記掌の上端の座標及び前記掌の左右端の座標から前記画像内の掌の下端の座標を検出する下端検出手段と、
を備えることを特徴とする掌位置検出装置。 - 前記画像を前記掌の左右方向に基づいて前記座標検出用に回転させる回転手段と、
前記掌の上端の座標、前記掌の左右端の座標及び前記掌の下端の座標を回転前の画像の座標に変換する変換手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の掌位置検出装置。 - 前記掌左右方向検出手段は、
四角形の画像フォーマットの所定の一辺の方向における第1の微分値と前記所定の一辺と直交する辺の方向における第2の微分値を成分とする1次微分ベクトルを前記画像の各画素について算出するベクトル算出手段と、
前記1次微分ベクトルの長さを算出するベクトル長算出手段と、
前記所定の一辺の方向に対する前記1次微分ベクトルの角度を算出する角度算出手段と、
前記画像における各画素の1次微分ベクトル長を前記角度毎に累積して累積テーブルを生成する累積テーブル生成手段と、
を有し、
前記累積テーブルにおいて最大値となる角度を掌の左右方向とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の掌位置検出装置。 - 前記上端検出手段は、
前記掌の左右方向の微分値を前記画像の各画素について算出する微分手段と、
前記微分値を前記掌の左右方向に直交する方向の座標毎に累積して累積テーブルを生成する累積テーブル生成手段と、
を有し、
当該累積テーブルにおいて、累積値の負の傾きが最大である座標を掌の上端とすることを特徴とする請求項1から3にいずれか1の項に記載の掌位置検出装置。 - 前記左右端検出手段は、
掌の左領域における前記掌の左右方向の微分値を前記掌の左右方向の座標毎に累積した累積テーブルを生成し、当該累積テーブルにおいて、累積値の最大点より右方向にある極大点から左方向に探索して累積値が所定の値未満になった座標を掌の左端とする左端検出手段と、
掌の右領域における前記掌の左右方向の微分値を前記掌の左右方向の座標毎に累積した累積テーブルを生成し、当該累積テーブルにおいて、累積値の最大点より左方向にある極大点から右方向に探索して累積値が所定の値未満になった座標を掌の右端とする右端検出手段と、
を有することを特徴とする請求項1から4いずれか1の項に記載の掌位置検出装置。 - 前記左右端検出手段は、
前記掌の左右方向の微分値を前記掌の左右方向の座標毎に累積した第1の累積テーブルと、指の付け根とを対応付ける対応付け手段と、
当該第1の累積テーブルの人差し指と中指の間にある付け根に対応する座標より左方向にある累積値の最大点から左方向に探索して、累積値が所定の値未満になった座標を掌の左端とする左端検出手段と、
当該第1の累積テーブルの薬指と小指の間にある付け根に対応する座標より右方向にある累積値の最大点から右方向に探索して、累積値が所定の値未満になった座標を掌の右端とする右端検出手段と、
を有することを特徴とする請求項1から4いずれか1の項に記載の掌位置検出装置。 - 前記第1の累積テーブルに対応付けられた指の付け根において、以下の条件1のいずれかを満たす場合に整合性なしと判定する第1の整合性判定手段を有することを特徴とする請求項6に記載の掌位置検出装置。
(条件1)
・(付け根2左端の座標−付け根1左端の座標)<(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×LR1
・(付け根2左端の座標−付け根1左端の座標)>(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×LR2
・(付け根1右端の座標−付け根0右端の座標)<(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×RR1
・(付け根1右端の座標−付け根0右端の座標)>(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×RR2
ただし、LR1、LR2、RR1及びRR2は定数である。LR2はLR1より大きい定数である。RR2はRR1より大きい定数である。 - 前記第1の累積テーブルに対応付けられた指の付け根において、以下の条件2のいずれかを満たす場合に整合性なしと判定する第2の整合性判定手段を有することを特徴とする請求項6に記載の掌位置検出装置。
(条件2)
・付け根1左端の座標の累積値<付け根0左端の座標の累積値×V1
・付け根1左端の座標の累積値>付け根0左端の座標の累積値×V2
・付け根2左端の座標の累積値<付け根0左端の座標の累積値×V1
・付け根2左端の座標の累積値>付け根0左端の座標の累積値×V2
・付け根0右端の座標の累積値<付け根0左端の座標の累積値×V1
・付け根0右端の座標の累積値>付け根0左端の座標の累積値×V2
ただし、V1及びV2は定数である。V2はV1より大きい定数である。 - 前記第1の累積テーブルに対応付けられた指の付け根において、以下の条件3を全て満たす場合に整合性なしと判定する第3の整合性判定手段を有することを特徴とする請求項6に記載の掌位置検出装置。
(条件3)
・(付け根0より左の極大点の座標−付け根0左端の座標)≧(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×RL1
・(付け根0より左の極大点の座標−付け根0左端の座標)≦(付け根1左端の座標−付け根0左端の座標)×RL2
・付け根0より左の極大点の座標の累積量≧付け根0左端の座標の累積量×VL1
・付け根0より左の極大点の座標の累積量≦付け根0左端の座標の累積量×VL2
ただし、RL1、RL2、VL1及びVL2は定数である。RL2はRL1より大きい定数である。VL2はVL1より大きい定数である。 - 前記掌の左右方向に直交する方向の微分値を前記掌の左右方向の座標毎に累積した第2の累積テーブルと、前記第1の累積テーブルに対応付けられた指の付け根において、以下の条件4のいずれかを満たす場合に整合性なしと判定する第4の整合性判定手段を有することを特徴とする請求項6に記載の掌位置検出装置。
(条件4)
・座標γの累積値>付け根0の座標の累積値×YA
・座標γの累積値>付け根1の座標の累積値×YA
・付け根0の座標の累積値<付け根1の座標の累積値×YB
ただし、YA及びYBは定数である。YAはYBより大きい定数である。座標γは、座標γと付け根1の座標の中点が付け根0の座標となるものである。 - 掌から掌紋を含んだ画像を採取して該画像を用いて認証を行う掌紋認証装置において、
請求項1から10いずれか1の項に記載の掌位置検出装置と、
前記掌位置検出装置により検出された掌の位置に基づいて認証対象画像を抽出する画像抽出手段と、
特定の登録された人物にかかる掌紋の照合用画像を記憶する記憶手段と、
前記認証対象画像を前記記憶手段の照合用画像と照合することによりユーザ認証を行う照合手段と、
を備えることを特徴とする掌紋認証装置。 - 請求項11に記載の掌紋認証装置を備えることを特徴とする携帯電話端末。
- 手の掌側が撮像された画像内の掌の位置を検出する掌位置検出装置のコンピュータに、
前記画像の画素値の変化に基づいて前記画像内の掌の左右方向を検出するステップと、
前記画像の前記掌の左右方向の画素値の変化に基づいて前記画像内の掌の上端の座標を検出するステップと、
前記画像の前記掌の左右方向の画素値の変化に基づいて前記画像内の掌の左右端の座標を検出するステップと、
前記掌の上端の座標及び前記掌の左右端の座標から前記画像内の掌の下端の座標を検出するステップと、
を実行させるためのプログラム。 - 手の掌側が撮像された画像内の掌の位置を検出する掌位置検出方法において、
前記画像の画素値の変化に基づいて前記画像内の掌の左右方向を検出するステップと、
前記画像の前記掌の左右方向の画素値の変化に基づいて前記画像内の掌の上端の座標を検出するステップと、
前記画像の前記掌の左右方向の画素値の変化に基づいて前記画像内の掌の左右端の座標を検出するステップと、
前記掌の上端の座標及び前記掌の左右端の座標から前記画像内の掌の下端の座標を検出するステップと、
を含むことを特徴とする掌位置検出方法。
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