JP4809155B2 - 手の甲認証システム及び手の甲認証方法 - Google Patents

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Description

本発明は、利用した個人識別用の手の甲認証システム及び手の甲認証方法に関するもので、特に手の甲の静脈パターンを撮影して、個人に対する最適分岐特徴で最も安定的な静脈パターンの分岐点、分岐特性、最適分岐点加重値をマッチングし、使用者の本人可否を判断する手の甲認証システム及び手の甲認証方法に関するものである。
一般的に、大規模使用者または、小規模使用者の立ち入り統制や保安のための個人識別を要する保安施設や認証システムでは、マグネティックカード、RFカード、スマートカード等のカードキーを使用した。しかし、カードキーを利用した個人識別方式は、カードの紛失、盗用、誤用等を本質的に防止できず、また、大規模使用者の場合、個人に支給されるカード数が多くなるため、経済的負担が大きくなるという短所がある。このような短所を補完し実質的使用者の認証のため、使用者の身体的な特徴を自動的に認識、認証し、使用者の身元確認、身元認証及び保安立ち入り統制に使用できる生体認識システムが開発され、使用されている。
生体認識システムは、大きく分けて、人の行為的な特徴を認識する署名認識、身体的な特徴を認識する指紋認識、顔認識、手の形状認識、手の甲の静脈パターンの認識等を利用したシステム等が代表的である。
生体認識システムのうち、最も一般的に知られている指紋認識システムは、使用者ごとに指紋が固有であるという点では、十分な個人識別システムとしての長所を備えており、人体の表皮に位置する指紋のパターンを認識することにより、良好な指紋の画像を通じて個人認証を行うようになる。しかし、指紋認識システムは、表皮に位置する指紋のパターンの特徴を抽出する方法であることから、勤労現場の労務者や軍人の場合、良好な指紋の画像を期待し難いため、システムの性能低下に大きな要因として作用するだけではなく、手から発生する汗、傷、外部汚染によっても、システムの性能低下要因として作用することがある。
次に、生体認識システムの中で、顔の認識システムは、現在の技術力では外部照明、化粧、眼鏡、アクセサリー等の外部変化で、安定した認識性能を示すことができず、手の形状を認識するシステムは、使用者の手の位置を固定させなければならないため、使用者の便宜性が劣り、リウマチ、関節炎等により生体特徴の変形が簡単に発生することがあり、システムの性能が低下することがある。
たとえば、既存の生体認識システムの短所を改善するため、特許文献1で公開されている皮下に位置する静脈パターンを認識する手の甲の静脈パターンを利用した個人識別システムは、器具の設計面では使用者の手の位置を固定的に確保する方式を使用し、アルゴリズムの側面では高帯域処理と二値化処理を適用して使用者の静脈を抽出する方式を使用している。すなわち、手の甲の静脈パターンを利用した個人識別システムは、使用者が手で握ることができる棒が装着されていて、使用者が棒を手で握ると使用者の手の甲の画像を入力する安着手段、使用者の手の甲の静脈パターンを抽出する抽出手段、使用者の手の回転や移動に対する補正のため、抽出手段により抽出された手の甲の静脈パターン左側上段の分岐点と右側下段の分岐点を使用して補正する比較手段を使用している。
図30は、従来技術の手の甲の静脈パターンを利用した個人識別システムで棒を握った使用者が手に力を入れる場合を図示したもので、図31は、使用者が手を上下に回転する場合を図示したものである。
図30及び図31に図示されたとおり、従来技術の手の甲の静脈パターンを利用した個人識別システムの安着手段では、使用者が手で棒を握る位置次第で棒を基準に上下への回転が発生することによって、画像を撮影するCCDカメラとの距離的変化と抽出しようとする静脈パターンの歪曲(Geometry Distortion)が発生することがある。
また、抽出手段では、使用者の手の甲から抽出しようとする静脈パターンの方向性を考慮することなく、高帯域処理と二値化処理過程によってパターンを抽出する。このような抽出手段により、従来技術の手の甲静脈パターンを利用した個人識別システムは、パターンの方向性により、静脈パターンの特徴ベクトル(パターン分岐点)を部分的に失うようになる。
比較手段では、使用者の手の回転や移動により発生するシステム誤拒絶(False
Rejection)を解決する方法において、抽出された手の甲の静脈パターン左側上段の分岐点と右側下段の分岐点を利用することから、基準点として抽出された分岐点が部分的に失われると、基準分岐点を誤認識することにより、システムの性能低下の重要な要因として作用することがある。
上述のとおり、生体認識システムのうち、指紋認識、顔認識、手の形状認識システム等は、損傷した指紋画像、汗、傷等の外部汚染によりシステムの性能低下を招くという問題点があるが、手の甲の静脈パターンを利用したシステムは、皮下に位置する特徴を利用するため、このような問題点等を解決できる。しかし、従来技術の手の甲静脈パターンを利用した個人識別システムは、静脈パターンの歪曲や静脈パターンのパターン分岐点の部分的損失等による誤認識や誤拒絶のようなシステムの性能低下が発生し得るという問題点がある。
図32は、従来技術の手の甲静脈パターンを利用した個人識別方法で、手の甲の静脈パターンの抽出アルゴリズム(HVPEA:Hand Vein Pattern Extraction Algorithm)を順に図示したものである。
図32に示されるとおり、従来技術の手の甲静脈パターン抽出アルゴリズムは、カメラを通じて獲得した使用者の手の甲の原画像から静脈パターンが集中的に分布する注目領域(ROI:Region Of Interest)画像を獲得し、ROI画像から静脈パターンだけを強調する静脈パターン強調フィルタ (HVPEF:Hand Vein Pattern Emphasizing Filter)を利用し、手の甲に分布する静脈パターンと背景との境界部分を強調するようになる(S1, S2)。
静脈パターンの強調フィルタは、帯域通過(band−pass)フィルタの形態をしており、ROI画像で手の甲に分布する静脈パターンと背景の間の境界部分を強調するが、背景部分に該当する低周波数(low−frequency)は除去する。このような静脈パターンの強調フィルタの特性は、高周波帯域と低周波帯域の広い遷移区間による通過帯域(pass−band)の利得を維持できず、ROI画像から抽出しようとする静脈パターンの太さを考慮しないため、静脈パターンの重要な特徴である静脈パターン連結性(vein−pattern connectivity)を部分的に失うことになる。
ニ値化の処理過程は、静脈パターンの強調フィルタで処理された結果の画像を使用し、グレースケール画像を二値化画像(binary image)に変換することにより、手の甲の静脈パターンのみを抽出する(S3)。ニ値化処理過程を通じて得られる結果の画像は、抽出しようとする静脈パターンがblack(0)、残りの背景部分がwhite(255)に区分される。
正規化(normalization)処理過程は、ニ値化処理過程を経て抽出しようとする静脈パターンと背景に分離された二値化画像に対して適用される(S4)。すなわち、正規化処理過程は、システムの限定的なメモリ使用により使用者のデータベースを均一に使用し、認識過程で正規化された画像を対象に許可を受けた使用者の可否を判断するために必要とされる。
次に、ニ値化処理過程と正規化処理過程の間の雑映除去過程は、ノイズ除去フィルタ (NRF:Noise Removal Filter)を通じて、ニ値化処理及び正規化過程を経て、手の甲の屈曲、毛、皮下脂肪層等による発生が望ましくない雑映を除去する(S5)。ノイズ除去フィルタで雑映を除去する一般的な方法として、線型フィルタリングである移動平均(Moving average)フィルタと非線型フィルタリングである中央値(Median)フィルタが使用できる。従来技術の手の甲静脈パターン抽出アルゴリズムでは、中央値フィルタを使用した雑映除去過程を使用している。
図33は、図32の手の甲の静脈パターン抽出アルゴリズムを実行する際のROI画像に対する静脈パターンの強調フィルタリング処理過程のそれぞれの結果を図示したものである。
図33に示されるとおり、静脈パターンの強調フィルタは、ROI画像から静脈パターンを強調(a)し、二値化及び正規化処理過程(b)を経た後、ROI画像から強調された静脈パターン以外の背景部分で雑映を除去(c)する。
従来技術の手の甲静脈パターン抽出アルゴリズムは、静脈パターンの強調フィルタリング、ニ値化及び正規化処理、雑映除去過程を経て最終的に手の甲に分布する静脈パターンだけを抽出するようになる。このような従来技術の手の甲静脈パターンの抽出アルゴリズムは、獲得したROI画像で外部の温度変化から発生する静脈パターンの収縮及び膨張現象を考慮せず静脈パターンを抽出するため、静脈パターン分布で多くの静脈パターン連結性を失い、安定的なアルゴリズム性能を提供できないという問題点がある。
さらに、従来技術の手の甲静脈パターン抽出アルゴリズムの性能低下要因として、通過帯域の広い遷移区間による静脈パターンと背景の境界情報や静脈パターン内の情報を部分的に失い、抽出しようとする静脈パターンの重要な特徴である静脈パターン連結性を部分的に失うという問題点がある。
このような問題点等は、手の甲静脈パターンの抽出アルゴリズムから抽出しようとする静脈パターンの太さを考慮せず単一フィルタ特性(single filter characteristics)で静脈パターンを抽出するため、抽出しようとする静脈パターンの重要な特徴である静脈パターンの静脈パターン連結性を部分的に失い、それによりシステムの認識性能の重要な性能低下現象を招くようになる。
特開平10−295674号公報
本発明が解決しようとする技術的課題は、表皮に位置する特徴を利用する既存の生体認識システムと異なり、手の甲の皮下に位置する静脈パターンを抽出し、使用者本人の確認に利用することにより、損傷した指紋画像、汗、傷、アクセサリー等の外部環境の変化により発生し得るシステムの性能低下を最小化させ、より安定したシステムの性能を提供し、使用者の便宜性を最大限に保証できる個人識別用の手の甲静脈パターン認識システムとその方法を提供するものである。
本発明は、水平軸棒の中央部に2本の軸を立てた安定ハンドルに、中指を前記2本の軸の間に挿入させて、中指、人差し指、薬指と手の甲との接続領域を撮影して得た指部デジタル画像並びに、前記手の甲を撮影した甲部デジタル画像を送信する手の甲認証用端末と、サーバとを通信回線に接続して、前記手の甲の静脈を認証する手の甲認証システムであって
前記サーバは、
一時記憶メモリと、
認証者が前記安定ハンドルの2本の軸に中指を挿入して予め撮影して得た手の甲の静脈の分岐点を繋げた基準多角形を含む最適分布特性データ(VPBC)と、前記認証者が前記安定ハンドルの2本の軸に中指を挿入して予め撮影して得た中指と薬指とが接する第1の湾曲領域のエッジ部分である第1の基準境界線並びに中指と人差し指とが接する第2の湾曲領域のエッジ分部である第2の基準境界線を指部境界基準情報として記憶した認証情報用データベースと
前記手の甲認証端末からの指部デジタル画像と甲部デジタル画像とを前記一時記憶メモリに記憶する撮影画像保存部と、
前記一時記憶メモリに記憶された甲部デジタル画像の内で、認証に必要な静脈パターンの部分をROI画像データとして抽出し、太い静脈パターン(Spi)及び細い静脈パターン(ZPi)を抽出して合成し、この静脈合成パターン(Gpi)をニ値化してノイズ除去した静脈パターン(Vpi)を生成するROI画像抽出部とを備え、
さらに、位置補正部及び静脈パターンマッチング部を備え、
前記位置補正部は、
前記指部デジタル画像の内で、前記第1の湾曲領域と前記第2の湾曲領域とを指部境界画像として抽出する手段と、
前記指部境界画像の第1の湾曲領域に対して、スケルトン処理を施して、中指側と薬指側との前記エッジ部分である第1の境界線並びに中指と人差し指との前記エッジ部分である第2の境界線を求める手段と
前記第1の境界線に含まれている交点と第2の境界線に含まれている交点とを結ぶ第1の直線と、前記第1の基準境界線に含まれている基準交点と第2の基準境界線に含まれている基準交点とを結ぶ第2の直線との相対角度である第1の相対角度を求め、これを第1の補正角度とする手段と、
前記指部境界画像に含まれている第1の境界線の開度と前記指部境界基準情報に含まれている第1の基準境界線の基準開度との相対的角度を第2の相対的角度として求めると共に、前記指部境界画像に含まれている第2の境界線の開度と前記指部境界基準情報に含まれている第2の基準境界線の基準開度との相対的角度を第3の相対角度として求め、この第2の相対角度と第3の相対角度との平均を第2の補正角度とする手段と、
前記第1の補正角度で前記静脈パターン(Vpi)を補正して、さらに前記第2の補正角度で補正した静脈パターン補正画像(mVpi)を生成する手段と
を備え、
前記静脈パターンマッチング部は、
前記静脈パターン補正画像(mVpi)の各分岐点を求め、これらの分岐点を結んだ多角形を生成し、該多角形と前記最適分布特性データ(VPBC)の基準多角形と比較して一致の有無を判定する手段と、
前記判定結果を前記前記手の甲認証端末の表示器に表示させる手段と
を備えたことを要旨とする。
以上のように本発明によれば、外部環境と入力画像の微少な変化により判別されるシステム感度や使用者の回転と移動による誤拒絶率(FRR:False Rejection Rate)、誤認識率(FAR:False Acceptance Rate)を低減し、静脈パターン認識性能及びシステム安定性を画期的に改善する。


(手の甲認証システム構成)
図1に示されるとおり、本発明の静脈パターンを利用した手の甲認証システム100は、手の甲認証端末装置20と、手の甲認証端末装置20の通信制御部27を介してネットワーク接続された手の甲認証サーバ30により構成される。電気錠等の外部装置80を、手の甲認証サーバ30に具備された外部装置インターフェース部60を介して接続し、制御する。
手の甲認証端末装置20は、使用者が個人識別コードを入力するための、通信制御部27に接続された個人識別コード入力手段22と、入力した個人識別コードの判定結果を表示するための、通信制御部27に接続された表示手段21と、撮影を開始するためのマイクロスイッチ23と、マイクロスイッチ23に接続され、使用者の指画像Fiを撮影する指撮影カメラ25と、マイクロスイッチ23に接続され、使用者の手の甲の原画像Hiを撮影する手の甲撮影カメラ24と、指撮影カメラ25と手の甲撮影カメラ24に接続され、撮影された指画像Fiと手の甲の原画像Hiをデジタル指画像Fdiと手の甲のデジタル原画像Hdiに変換して通信制御部27を介して出力するビデオデコーダ26を具備する。
手の甲認証サーバ30は、認証処理を行うプロセッサ40と、プロセッサ40に接続され、個人識別コードごとに、認証に用いる基準画像と静脈パターン最適分布特性情報を保存する認証情報データベース50と、プロセッサ40に接続され、認証処理の際に一時的に情報を記憶する一時記憶メモリ70と、プロセッサ40に接続され、外部装置80に認証結果を出力するための外部装置インターフェース60を具備する。
さらに詳細に、プロセッサ40は、認証情報データベース50に接続し、認証情報データベース50の情報にアクセスするためのデータベースアクセス部42と、個人識別コード入力手段22から入力された個人識別コードに対応する基準画像と静脈パターン最適分布特性情報の有無を判定し、判定結果を表示手段21に出力する個人識別コード判定部41と、ビデオデコーダ26から入力されたデジタル指画像Fdiと手の甲のデジタル原画像Hdiを一時記憶メモリ70に保存する撮影画像保存部43と、デジタル原画像HdiからROI画像Hriを抽出するROI画像抽出部44と、デジタル指画像Hdiから補正すべき位置情報を算出し、抽出したROI画像Hriの位置補正し、静脈パターン補正画像mVPiを作成する位置補正部45と、静脈パターン補正画像mVPiを認証情報データベース50に保存された基準画像と静脈パターン最適分布特性情報と比較して認証する静脈パターンマッチング部46を含む。
手の甲認証端末装置20の実施例としては、図2および図3に手の甲認証端末装置20の外観図と側断面図を示す。個人識別コード入力手段22として、個人識別コードを入力したり、システムの進行に必要な番号を入力するためのキーパッド3と、表示手段21として、個人識別コード判定結果やシステムの進行状況を文字表示する液晶画面(LCD)2が上面にそれぞれ設置されている。さらにシステムの稼動状況をランプで表示するための発光ダイオード(LED)1を設置してもよい。
下部には、マイクロスイッチ23として、ボタンスイッチ4と、外部照明を遮断するための覆い5と、使用者の手の甲に関する画像入力時に指を支える支え台としての安定ハンドル6がそれぞれ設置されている。安定ハンドル6は、2本の軸により固定され、2本の軸の間が、中指を入れる指挿入部11となっている。これにより、手の甲を安定させて撮影することができる。
さらに内部には、指撮影カメラ25及び手の甲撮影カメラ24として、可視光線及び赤外線の帯域まで反応するCCDまたはCMOSカメラ7が、使用者の手の甲に関する画像を撮影するため、覆い5から一定距離離れた位置に設置され、赤外線照明8がカメラ7の両側に静脈パターンを強調する照明として設置され、赤外線フィルタ9が、赤外線照明8とカメラ7の下段部に設置されている。
特に覆い5とカメラ7の間には、静脈パターンのROI画像Hriの撮影用に焦点距離を確保するためのハウジング10が設置されているが、ハウジング10の内部面は赤外線を吸収する物質で塗布されているため、外部光の影響を最小化できる。
個人識別コード入力手段22としては、上記の個人識別コードを打ち込むためのキーパッド3や、個人識別コードが記憶されたキーカードから情報を読み取るカードリーダ等が利用される。
表示手段21としては、結果を文字表示するためのLCD2の他に、結果をランプの色や点滅で表示するLED等が利用される。
マイクロスイッチ23としては、押しボタン式のボタンスイッチ4のほかに、手をかざしたことを察知する人感センサースイッチ等が利用される。
図34に、認証情報データベース50内に保存されるデータの構造の一例を示す。データは個人識別コード毎の登録されていて、個人識別コードを検索キーとして検索可能となっている。データとしては、予め撮影しておいた静脈パターンの基準画像と、静脈パターン最適分布特性データとして、静脈パターンの分岐特性(VPBC:Vein Pattern Branch Characteristic)と、分岐加重値(BPWF:Branch Point Weighting Factor)が含まれる。メモリの効率的な使用とデータの検索効率を向上するために、データを保存する際はデータベース正規化を適宜行う。正規化はデータベースを利用するシステムでは通常に行われることであり、以下に説明する手の甲認証方法においては特に明記はしていない。
また、認証情報データベース50内にデータを登録するためには、手の甲認証サーバ30にキーボード等の入力装置が接続されることは、当然のことであるため、図中では省略している。
(手の甲認証方法)
次に、図4から図6に示したフローチャートを参照しながら、本発明の実施例による手の甲認証方法について詳しく説明する。
まず、使用者は、個人識別コード入力手段22によって、個人識別コードを入力する(S100)。入力された個人識別コードは、通信制御部27を介して、個人識別コード判定部41に送信される。個人識別コードを受信した個人識別コード判定部41は、データベースアクセス部42を介して、個人識別コードを検索キーとして認証情報データベース50に記憶された情報を検索し、登録済みか否かを判定する(S101)。判定結果は、表示手段21に出力され、未登録の場合は、エラー表示される(S107)。登録が確認できれば、画像の撮影に進む。
登録が確認できた使用者は、安定ハンドル6の指挿入部11に中指を挿入する(S102)。指撮影カメラ25は、安定ハンドル6に置かれた指の状態を指画像(Fi)として撮影する(S103)。
さらに、使用者は手を安定ハンドル6上にしばらく動かさずに、状態を固定する(S104)。この状態で、手の甲撮影カメラ24は、手の甲を撮影し、原画像(Hi)とする(S105)。
撮影された指画像(Fi)と手の甲の原画像(Hi)は、ビデオデコーダ26に送られ、デジタル化される。デジタル化された画像は、通信制御部27を介してプロセッサ40の撮影画像保存部43によって、各々デジタル指画像(Fdi)とデジタル原画像(Hdi)として一時記憶メモリ70に保存される(S106)。
つづいて、手の甲のデジタル原画像(Hdi)のうち、認証に必要な静脈パターンが撮影されている注目領域(ROI)を特定し、ROI画像(Hri)部分のみを抽出する過程になる(S200)。
使用者の手の甲のデジタル原画像(Hdi)から静脈パターンが集中的に分布するROI画像(Hri)を抽出するためには、正確なROI位置が必要である。ところで、レンズとカメラのモジュール装着位置の誤差により、ROI位置は、各カメラの画面毎に多少違って現れる。そこで、以下に記述するROI自動検出アルゴリズムによって、正確なROI位置を決定する。
まず、ROI画像(Hri)抽出過程では、手の甲のデジタル原画像(Hdi)を構成する全画素を、横軸に明度レベル(0から255)の濃淡値をとり、縦軸にその濃淡値を持つ画素数をとったヒストグラムを作成する(S201)。
次に、P−タイル法を用いて、ヒストグラムから、ROI領域と背景の境界となる濃淡値のしきい値(T)を算出する(S202)。手の甲認証端末装置20の構造上、必要とする静脈パターンが撮影されるROI領域は、撮影毎に位置がずれる可能性はあるが、撮影されたデジタル原画像(Hdi)全体の中で占める面積の比率は一定である。そこで、画像の中で対象物が占める面積の比率が判明している場合、ヒストグラムからその面積の比率のP%点をしきい値(T)とするP−タイル法を用いる。P−タイル法以外に、ヒストグラムの谷を検出するモード法を利用することも可能である。
しきい値(T)以上を濃淡値とする画素を抽出して、ROI領域を決定する(S203)。さらに、ROI領域のエッジを強調するために、ソベルフィルタ処理を行って、ROI画像(Hri)を抽出する(S204)。
図7はデジタル原画像(Hdi)、図8はP−タイル法が適用されたヒストグラム、図9は図8のヒストグラムから得たしきい値(T)によって決定されたROI領域、図10は図9によりデジタル原画像(Hdi)から分離されたROI画像(Hri)をそれぞれ図示したものである。
次に、抽出されたROI画像(Hri)から静脈パターンを読み取るために、フィルタ−バンク静脈パターン抽出アルゴリズム(FBHVPEA:Filter−bank Hand Vein−pattern Extraction Algorithm)処理を行う(S300)。 この処理により、外部環境の変化により発生する静脈パターンの収縮及び膨張現象から静脈パターン情報の部分的な損失を最小化し、静脈パターンの重要な特徴であるパターン連結性を最大限維持できるようにする。
まず、フィルタ−バンク静脈パターン抽出アルゴリズムでは、通常モード(Normal mode)フィルタにより、手の甲に分布する静脈パターンのうち、太い静脈のパターン(SPi)を効果的に抽出する(S301)。さらに、効率モード(Enhancement mode)フィルタにより、薄い静脈や収縮した状態の細い静脈パターン(ZPi)を効果的に抽出する(S302)。前工程で得られた太い静脈のパターン(SPi)と細い静脈パターン(ZPi)を合成して、手の甲の静脈パターン合成画像(GPi)を作成する(S303)。通常モードフィルタは、静脈パターン内の低帯域情報とパターン境界の情報を維持し、効率モードフィルタは、太い静脈に比べ、低帯域情報が相対的に少なく、パターン境界の周波数が低い、細い静脈パターンを効果的に強調するものである。
つづいて、静脈パターン合成画像(GPi)の二値化処理を行い、二値画像(BPi)に変換する(S304)。
その際、二値画像(BPi)を得るために使用されるニ値化処理では、該当画素を黒か白のいずれかに区分するためのしきい値を決める方法としては、二つの方法を考慮することができる。一つは、ローカルマスクの平均値をしきい値として使用する方法で、もう一つは、7ビットプレーンの値でしきい値を決定する方法である。二つの方法の適用を試みた結果によれば、7ビットプレーンの値をしきい値にする場合のほうがより正確な静脈パターン情報を得ることができる。ニ値化処理に使用する空間マスクの大きさは、11×11カーネルで設計されるのが望ましい。
最後に、ニ値化処理で得られた二値画像(BPi)は、使用者の手の甲の毛、屈曲、皮下脂肪層等により発生した雑映を含んでいる。これを除去するために、ノイズ除去フィルタ処理として、3×3カーネルの中央値(Median)フィルタをかけ、手の甲の静脈パターン画像(VPi)を作成する(S305)。
このように、フィルタ−バンクの静脈パターン抽出アルゴリズムは、既存の静脈パターン抽出アルゴリズムから抽出しようとする静脈パターンの太さを考慮せず単一フィルタの特性で静脈パターンを抽出することにより発生する部分的な静脈パターンの連結情報(vein−pattern connectivity information)の損失を改善し、外部環境の変化から発生する静脈パターンの収縮及び膨張現象に対し、より安定的なアルゴリズムの性能を提供する。
図11は、フィルタ−バンクの静脈パターンの抽出アルゴリズムにより、強調された静脈パターンの処理結果の画像を図示したもので、(a)は通常モードフィルタと効率モードフィルタで得られた静脈パターンを合成した静脈パターン合成画像(GPi)、(b)は二値化処理で白黒画像とした二値画像(BPi)、(c)はノイズを除去した静脈パターン画像(VPi)である。
図12は、(a)従来技術の強調フィルタ処理により得られる静脈パターンと、(b)フィルタ−バンクの静脈パターン抽出アルゴリズムの通常モードフィルタ処理で得られる静脈パターンとを比較し、図示したものである。ROI領域の一部領域に対して抽出された静脈パターンを比較してみると、既存の静脈パターン強調フィルタにより抽出された太い静脈に対する静脈パターンの処理結果では、静脈パターン内の情報が失われ、静脈パターンのパターン連結性が部分的に失われているが、本発明の通常モードフィルタによる処理結果では、低帯域の情報を効果的に補正しており、静脈パターンのパターン連結性を維持していることがわかる。
しかしながら、通常モードフィルタでは、外部温度の低下に伴い収縮した静脈や薄く細い静脈に対する静脈パターンの抽出において、部分的なパターン連結性の損失が見られる。これを補正するため、フィルタ−バンクの静脈パターン抽出アルゴリズムでは、効率モードフィルタを使用する。効率モードフィルタでは、背景に該当する低帯域の利得(ゲイン)を減らし、微細なパターンの変化を強調することにより、薄く細い静脈パターンに対するパターン連結性の部分的な損失を補正する。
図13は、(a)従来技術の抽出アルゴリズムにより得られる静脈パターンと、(b)フィルタ−バンクの静脈パターン抽出アルゴリズムにより得られる静脈パターンとを比較し、図示したものである。図13(a)には、抽出しようとする静脈パターンのパターン連結性の部分的損失が見られ、図13(b)では、部分的に損失したパターン連結性も確実に抽出されている。
次に、使用者が指を安定ハンドル6に置く際に、指撮影カメラ25によって撮影される指画像(Fi)から得られるデジタル指画像(Fdi)を分析して位置補正を行う過程に移る(S400)。
まず、以下に詳細を示す位置補正アルゴリズムにより、デジタル指画像(Fdi)から回転補正値(R)と移動補正値(S)を算出する(S401)。この回転補正値(R)と移動補正値(S)によって、静脈パターン画像(VPi)の静脈パターンを、予め登録してある静脈パターンの基準画像と比較できる位置に補正した静脈パターン補正画像(mVPi)を作成する(S402)。
図14は、本発明の実施例に適用される位置補正のために撮影される画像の概念図であり、図15は、画像が撮影されるまでの様子のイメージ図である。
図15に示されるとおり、中指を安定ハンドル6の中央の指挿入部11に挿入するように手をかざすと、人差し指、中指、薬指が撮影される。撮影された指画像(Fi)から、安定ハンドル6の左右、人差し指と中指の交点、中指と薬指の交点を利用して、手がどの方向に位置しているかを検出する。
図16に示されるとおり、位置補正アルゴリズムでは、まず、安定ハンドル6と指の間の境界線を抽出する(S51)。
境界線の抽出処理では、回転角の予測に必要な6個のピクセルの座標を求めるようになるが、3×3の大きさの行列式で構成された低帯域フィルタ(Low pass Filter)である平滑化フィルタ(Averaging Filter)を元の画像に適用する。平滑化フィルタは、低帯域のフィルタのうち、一番代表的なフィルタである。低帯域フィルタは、画像を全体的に不鮮明に見せるが、画像を周波数帯域に移した時、高周波帯域の画像部分である周囲ピクセルより、値の急変や特に目立つ部分をなくす役割を果たす。平滑化フィルタを利用するメリットは、画像の処理過程でスポットノイズ(Spot Noise)やソルトアンドペッパーノイズ(Salt & Pepper Noise)のような雑映を減らせるということである。
図17は、本発明の実施例に適用される平滑化フィルタの適用例を示したもので、平滑化フィルタは全ての行列値が1になっている。この3×3の行列の平滑化フィルタを元々の画像に左から右へ、再び上から下へ中心ピクセルを基準に1ピクセルずつ動かして、次に示す計算の繰り返す。重なる画像の画素値を、平滑化フィルタの同じ位置の行列値と掛け算した後、全体の合計を求めて平均を出して平均値を求め、その平均値を中心画素値に対置する。図17では、平均値は、元々の画像のピクセル値が3の位置に入る。
上記に説明した平滑化フィルタの適用方法は、本発明の実施例で適用されるマスク(Mask)を利用した画像処理方法と同様に実施される。
このように低帯域フィルタを適用して得られた画像に、実験で求めた最適エッジの抽出マスクを適用し、安定ハンドル6と指の間の境界線を抽出する。エッジを抽出するマスクとしては、ソベルマスク(Sobel Mask)、カーシュマスク(Kirsh Mask)、エッジマスク(Edge Mask)等、いろいろあるが、エッジマスクが全般的によく使用されている。しかし、エッジを抽出する時、求めようとするエッジ以外に、他の物体等が共に出たりするなど、エッジの太さが一定でないため、途中で切れる場合は、必要とするピクセルの座標を正確に求めることができない。
図18は、本発明の実施例に適用されるマスクを利用した画像処理の結果を示したものである。図18(a)のデジタル指画像(Fdi)に、いろいろなマスクを適用して抽出された境界線を互いに比較してみると、図18(b)のソベルマスク処理画像と図18(c)のカーシュマスク処理画像に示された境界線では、四面に囲まれた必要ない輪郭線も抽出され、画像の何箇所にも雑映の痕跡がみられる。図18(d)のエッジマスク処理画像では、正確に安定ハンドドル6と指の間の境界線だけ抽出されていて、雑映がみられない。
位置補正アルゴリズムでは、正確な位置の境界線だけ抽出することで、次の画像処理過程がより容易になり、また、雑映やノイズ除去過程が減り、アルゴリズムの全体的な遂行速度を向上させることができる。
つづいて、外角線を抽出し(S52)、指の間の角度を抽出し(S53)、回転補正のため、画像を回転させる時の中心になる回転中心点を求めた(S54)後、境界線、外角線の抽出から求めたピクセル等の座標と回転中心点で選択されたピクセルの座標を整数形の位置情報として保存する(S55)。
位置補正アルゴリズムで求めようとするピクセルは、全部で6個で、全てのピクセルは、境界線上に位置するので、ピクセルの座標を利用して回転補正角を予測する。また、6個のピクセルのうち、一つのピクセルを指定し、回転補正時に、手の甲の静脈パターンの回転中心点として使用する。
安定ハンドル6と指の間の境界線は、太い線で形成されていて、ピクセルの座標を求めるためには細線化過程や外角線のトレースが必要である。細線化過程は、普通、スケルトン(Skeleton)という画像処理技法を利用するが、これは、文字や物体の中心点だけ残し、一本の線を作ることをいう。
位置補正アルゴリズムでは、抽出された境界線の上側の湾曲部(Bay)が、指の最外角と一致するため、細線化過程より、相対的に計算量が少ない境界線の上側の湾曲部の外角をトレースした境界線の外角線のトレースを適用する。また、ピクセルの座標は、抽出された境界線に対する画像の左側上段を座標系の値と見做し、座標値を適用する。
図19は、本発明の実施例に適用される位置補正アルゴリズムで、指の間の角を抽出するための過程を図示したもので、図18(d)に示したエッジマスク処理による境界線の抽出画像を反転させたものである。
図19に示すように、抽出された外角線から最下位のピクセル(C)と、その左右に最上位のピクセル(A)とピクセル(B)を求められる。1個の境界線から抽出するピクセルが3個で、一つのデジタル指画像(Fdi)には人差し指と中指の交点、中指と薬指の交点の2つの境界線が撮影されているので、求められるピクセルは全部で6個になる。位置補正アルゴリズムは、回転補正の回転角を予測するため、指の間の角を利用するが、指の間の角は、境界線毎に求めたピクセル3個を利用して求める。
図19では、3点(A,B,C)が境界線の外角線をトレースして求めた3個のピクセルになる。これらのピクセルのうち、最下位のピクセル(C)を中心に仮想の垂直線を引くと、最上位のピクセル(A)、ピクセル(B)と最下位のピクセル(C)とを結んだ線分とそれぞれθとθの角を形成する。角の大きさは、下記の数1に代入して求めるが、数1で、aは、二つのピクセル間におけるx軸方向の距離になり、bは、y軸方向へ角を形成したピクセルの距離差になる。数1により、求めた二つの角を合わせ、最終的に指の間の角θ、θを求める。
次に、境界線から求めた最下位のピクセル二つのうち、一つを選択し、回転中心点を求める。回転中心点になるピクセルは、回転中心点がもつ誤差を最大限減らすため、安定ハンドル6から少し離れた指の間の境界線から抽出した最下位のピクセルを選択するのが望ましい。これは、手の特性上、物体と接触する時、手の形が簡単に変形することを考慮し、特に安定ハンドル6に当たる指の間の湾曲部が、自然に形成される湾曲部の形と異なるためである。
位置補正アルゴリズムは、位置情報を整数形のデータとして保存した後、指の領域から求めたピクセルの座標をもって、回転補正の角度を予測するようになる。その際、回転補正の角度は、1次と2次に分けられ、全て2回求め、そのようにして求めた回転補正の角度を利用して、回転補正を行う。
図20は、本発明の実施例に適用される1次回転補正の角度の予測過程を示したものである。1次回転補正は、手の甲の全体的な回転を補正できる角度を求める過程で、回転補正の角度は、登録済みの指画像と比較の指画像から求めた4個の最下位のピクセルの座標を利用して角度を求める。
図20に示されるとおり、ピクセル(A)とピクセル(B)は、登録済みの指画像から求めた最下位のピクセルで、ピクセル(A’)とピクセル(B’)は、比較のため撮影された指画像から求めた最下位のピクセルである。
このピクセル(A、B、A’、B’)の座標の値は、整数形のデータの形で保存されているため、データを呼び込み、間単に求めることができる。4つのピクセルのうち、2つのピクセルずつ、互いに同じ指から求めたピクセル同士を連結し、任意の線分a、bを求める。
ここで、登録済みの指画像と比較のため撮影された指画像から求めた2つの線分は、互いに交点を作って2つの線分間に角度ができるようにしなければならない。その際、交点は、登録済みの指画像で決定された回転中心点を基準として、比較のため撮影された指画像の線分のうち、回転中心点と同じ側に位置するピクセルを回転中心点に移動させるようにする。図20では、ピクセル(B)が登録済みの画像での回転中心点になり、比較のため撮影された指画像の線分のうち、ピクセル(B)と同じ側に位置するピクセルは、ピクセル(B’)になる。
比較のため撮影された指画像の交点として用いたピクセル以外のピクセルは、交点を作るため、移動した距離分、同一距離を適用して移動させる。このようにして、θのように、1つの線分を基準に、残りの線分が相対的に傾いた角度を求める。
ここで、θは、登録済みの手の甲の画像(基準画像)に比べ、比較のため撮影される手の甲の画像が相対的に傾いた角度を示す。つまり、θが回転補正の角度になり、この傾いた角度の分、比較のため撮影される手の甲の画像を回転させ、相対的な傾きを校正する。
2次回転補正は、指の間の湾曲部が安定ハンドル6と強く接触していながらも、手の甲自体の回転や手の甲の微細な動きにより、指の間の角度に大きさが変わる等の変化がなくても全体的に歪むようになるため、回転補正の角度を求めるため、指の間の角度を利用して補正するものである。
図21は、本発明の実施例に適用される2次回転補正の角の予測過程を図示したもので、抽出された境界線から求めたピクセルによって、指の間の角度を示したものである。θは、登録済み画像から求めた指の間の角度で、θ’は、比較のため撮影される指画像の指の間における角度になる。2つの角度(θ,θ’)は、互いに違う画像であるが、同じ位置の指の間で求めた角度であることから、登録済み画像から求めた指の間の角度と比較のため撮影される指画像の指の間における角度の差を求め、2次回転補正の角度を求める。
図21で、ピクセル(L)とピクセル(L’)は、境界線から抽出した左側最上位のピクセルで、ピクセル(R)とピクセル(R’)は、境界線の右側最上位のピクセルで、ピクセル(B)とピクセル(B’)は、境界線の最下位のピクセルになる。また、指の間の角度を分ける点線は、指の間における角度の中心線である。
ピクセル(B)とピクセル(B’)を通る仮想の直線を基準に、この中心線と、ピクセル(B)とピクセル(B’)を交点にして傾いた角度を求める。この中心線が仮想の直線を基準に、左側の領域にあると、陽の値を有し、反対に右側の領域にあると、陰の値を示す。
このようにして求めたθとθ’の中心線の傾いた角度を持って、登録済み画像から求めた指の間の角度であるθの中心線を基準とし、比較のため撮影される画像から求めた指の間の角度θ’の中心線の傾いた角度を引いて、相対的な傾斜角度(θ−θ’)を求める。
上記の方法で、残りの指の間における登録済み画像の角度に対する比較のため撮影される画像の角度の相対的な傾き角度を求める。このように得られた2つの相対的な傾斜角度の平均を算出し、最終的に2次回転補正角度とする。
最後の過程として、確率的マッチングアルゴリズム(PMA:Probability Matching Algorithm)によって、認証情報データベース50に登録済みの認証情報と比較し、認証を行う(S500)。
まず、認証情報データベース50から静脈パターン最適分布特性のデータを読み出す(S501)。静脈パターン最適分布特性のデータとしては、静脈パターンの分岐特性(VPBC:Vein Pattern Branch Characteristic)と、分岐加重値(BPWF:Branch Point Weighting Factor)が含まれる。
つづいて、静脈パターン補正画像(mVPi)から、静脈パターンの各分岐点を頂点とする多角形を作成する(S502)。そして、登録済みの静脈パターン最適分布特性から作成した多角形と頂点を重ねて比較し、その整合性を判定する(S502)。
整合の結果、得られた比較値が、一致していると認証できる基準値を満たしているかを判定し(S504)、満たしていない場合は認証不可とし(S505)、満たしている場合に認証を許諾する(S506)。
(手の甲の静脈パターン認識アルゴリズム)
ここで、本発明に利用している手の甲の静脈パターン認識アルゴリズムを詳細に説明する。
手の甲の静脈パターンの分岐特性には、分岐点、分岐角度、分岐点でのパターンの長さ等がある。このように抽出された静脈パターンの分岐特徴を利用して個人を識別する。静脈パターンの分岐特性で、最も基本となる分岐特徴は、静脈パターンの分岐点で、既存の静脈パターンの抽出アルゴリズムは、部分的に静脈パターンのパターン連結性を損失しており、実際的なシステム運用においては、外部環境の変化、入力画像の変化等に対し、極めて敏感に反応する。すなわち、既存の静脈パターンの抽出アルゴリズムは、手の甲の静脈パターンの分岐特性を全て一括的な加重値(Uniform Weighting Factor)を適用して認識するため、実質的な生体認識システムとしての安定性が大幅に低下するという短所がある。
例えば、使用者が繰り返しシステムを使用して、発生し得る入力画像の変化、外部環境の変化等により、抽出しようとする静脈パターンの分岐点の部分的な損失は、アルゴリズムの性能を低下させる主な要因になる。これは、抽出しようとする手の甲の静脈パターンの分岐特徴が多くなく、一定に定められているため、静脈パターンの分岐点の損失は、認識性能を左右する大きな要因として作用するからである。
図22は、従来技術の静脈パターンの抽出アルゴリズムにより獲得した同一人の静脈パターンの分岐特徴を図示したもので、(a)と(b)は、時間差をおいて入力された同一人の画像処理結果を図示したものである。(a)では、分岐点の個数が8個現れるが、(b)では、14個の分岐点が現れている。このような分岐点を分岐特徴として適用すると、使用者の認識段階で同一人であるにも拘わらず、別人として誤認識するようになる。
図23は、従来技術の位置補正アルゴリズムの画像処理結果を図示したものであり、(a)と(b)は、時間差をおいて入力された同一人の画像処理結果を図示したものである。使用者の回転や移動による位置変化を補正する方法は、2個の分岐点(左側上段の分岐点、右側下段の分岐点)の位置を利用して位置を補正しているが、最も基本的な分岐特徴である分岐点の部分的な損失により、間違った結果を示すようになる。
本発明の実施例である手の甲の静脈パターン認識アルゴリズムは、個人別に分布する静脈パターンの分岐特性に対する確率的な信頼度を適用し、個々人に対する最も安定的なVPBP(Vein−Pattern Branch−Point)を抽出することにより、外部環境の変化、入力画像の微少な変化等により発生するシステムの感度と使用者の手の甲の微少な位置的変化により発生する回転や移動によるシステムの認識性能の安定性が改善できる。
図24は、本発明の実施例に適用される手の甲の静脈パターンの認識アルゴリズムを順に示したものであり、図25は、図24のトレーニング段階の詳細過程を順に示したものである。
図24に図示されるとおり、手の甲の静脈パターン認識アルゴリズムは、分岐特性に対する確率的な信頼度を個々人の分岐特性に適用するトレーニング段階と、トレーニング段階で得られた確率的な信頼度を適用した分岐特性に個々人の登録情報を自動変換し、特性要因比較アルゴリズム(FVMP:Feature Vector Matching Algorithm)を適用したメイン段階で構成されている。
トレーニング段階では、静脈パターンの抽出アルゴリズムにより抽出された静脈パターン画像を使用し、直接比較アルゴリズム(DMA:Direct Matching Algorithm)を通じて使用者本人可否を判断する。DMAは、分岐特性よりは認証情報データベース50に登録された基準画像と静脈パターン画像の直接的な類似度(Correlation)を判断し、個人識別可否を判断する。本人と判断されるようになると、分岐点に対する確率的な信頼性を判断する(PMA)ようになり、使用者がシステムを繰り返し使用することにより、最終的には、個々人の一番安定した静脈パターンの分岐特性(VPBC)を検出し、それぞれの分岐特性に対し、確率的な分岐加重値(BPWF)を決定するようになる。
メイン段階では、トレーニング段階で得られた確率的な信頼度を適用した分岐特性で個々人の登録情報を自動変換させ、FVMAを適用し、使用者本人の可否を識別する。認識過程でFVMAは、多角形の特性と確率的分岐特性を通じて使用者本人の可否を判断するようになる。
確率的な信頼度を適用した個々人の分岐特性を利用し、安定的な認識性能を示すことができ、使用者の回転と移動に対する補正を、最も安定したVPBPを基準に補正し、システムの性能及び使用者の便宜性を改善できるという長所を持つ。
したがって、個々人の手の甲の静脈パターン分布システムを繰り返し使用する時、分岐特性を適用させながら、個人の外部環境やシステムの繰り返し使用による入力画像の変化から、個々人に対する最適の分岐特性を抽出することにより、より安定的なシステム性能を示す。
図25に示すように、使用者の登録情報は、システムを使用する初期トレーニング段階には、入力された使用者から抽出された静脈パターンの原型を保存しておき、DMAによって認識するが、システムを繰り返し使用することにより、確率的マッチングアルゴリズム(Probability Matching Algorithm)へ自動転換されると同時に、使用者別の最適な静脈パターンの分岐特性を抽出し、最適なBPWFの抽出に使用される(S61〜S64)。結果として、使用者の登録情報には、使用者から抽出された静脈パターンの分布特性だけが保存されるようになる(S65)。
図26は、本発明の実施例に適用される手の甲の静脈パターンの認識アルゴリズムにより抽出された最適の分岐特性を適用し、位置補正を行う過程を示したものである。
このように抽出された分岐点を含む領域には、分岐点を抽出するため、細線化アルゴリズムを適用する。
上記の細線化アルゴリズムを適用する過程から抽出しようとする分岐点の位置の微少な位置変化は、入力された同一人の原画像でも静脈パターンの微少な太さの変化により発生し得る許容範囲を示していて、この許容範囲内で抽出された分岐点は、許容範囲の中央位置で、分岐点の位置を決定するようになる。
図26(a)は、データベースに保存された最適な分岐特性を示していて、線で繋がっていない分岐点は、、確率的に低い信頼度を現している。すなわち、外部環境の変化やシステムの繰り返し使用から発生する入力画像の微少な変化により、分岐点の特性が損失される確率が高い分岐特性を示す分岐点で、低い加重値(Lower Weighting Factor)を適用するようになる。一方、線で繋がれた分岐点は、確率的に高い信頼度を示す。すなわち、外部環境の変化や入力画像の微少な変化に対し、確率的に高い信頼性を示す安定されたVPBPを意味し、高い加重値(Higher Weighting Factor)を適用して認識する。
図26(b)は、使用者の手の回転と移動により得られた結果を示していて、図26(c)は、図26(a)のデータベースの分岐特徴と図26(b)に対する回転補正と移動補正の方法を示している。手の甲の静脈パターンの認識アルゴリズムでは、最も安定的なVPBPを連結した多角形を構成し、多角形の形が最も一致するように位置させることにより、回転及び移動に対する補正を実行するようになる。結果的には、手の甲の静脈パターンの認識アルゴリズムにより得られた個々人の分岐特性に対し、抽出された確率的な信頼度をそれぞれの分岐特性に適用し、最も安定的なVPBPと最適なBPWFを認識段階に適用することにより、安定的な認識性能を得られる。
図27は、本発明の実施例に適用される手の甲の静脈パターンの認識アルゴリズムで最も安定的なVPBPを使用し、回転と移動の補正を行う過程を示したものである。(a)と(b)は、抽出されたVPBPを示し、(c)は、(a)と(b)で選択された最も安定的なVPBPを重ねた時の結果を示す。
その際、図29の(a)を保存するデータベースの分岐特性と見做した場合、図29の(d)に図示されるとおり、(b)の最も安定的なVPBPを連結した多角形をデータベースの分岐特性に最適に適用させることにより、図29の(e)のように、回転と移動に対する補正を効果的に行うことができる。
手の甲の静脈パターン認識アルゴリズムは、確率的なマッチングアルゴリズム(PMA)で個人識別を行う認識段階で、FVMAを通じて最終的に使用者の本人確認可否を判断するようになる。
図28は、本発明の実施例で抽出された基本VPBPを連結した多角形の特徴ベクトル(Feature Vector)を示したもので、図29は、本発明の実施例で獲得した最適なBPWFを利用したVPBPでの分岐特性を図示したものである。
図28に示されたとおり、認識段階では、先ず、データベースの最も安定的なVPBPを連結して作られた多角形と、現在入力している画像で得られたVPBPを連結して作られた多角形の頂点をマッチングさせた時に、各頂点に対する整合、多角形の頂点での角度に対する整合、頂点間の長さや多角形の面積に対する整合程度を判断して認識する。
次に、図29に示されたとおり、認識段階では、確率的な信頼度を通じ、それぞれの分岐特性に対する最適のBPWFを適用して、分岐特性(分岐点、分岐点での分岐角度、分岐点での分岐個数、分岐点での長さ)に対する整合程度を判断して認識するようになる。
静脈認識用のデータベースには、使用者毎に付与された固有登録番号別の静脈パターンの分岐特性に関するデータを持続的にアップデートしながら、使用者の静脈パターンに関する分岐特性と基準画像が保存されている。
上記の図面と発明の詳細説明は、単に、本発明の例示的なものであり、これは、単に本発明を説明するために使用されるものであり、意味限定や特許請求範囲に記載された、本発明の範囲を制限する意図の下で使用されるものではない。従って、本技術分野の通常の知識をもつ者であれば、これらから多様な変形及び均等な他の実施例が可能である点が理解できるであろう。従って、本発明の真の技術的な保護範囲は、添付された特許請求範囲の技術的発想から断定されるべきであろう。
本発明の実施例による手の甲認証システムの構成図である。 本発明の実施例による手の甲認証端末装置の外観図である。 本発明の実施例による手の甲認証端末装置の側断面図である。 本発明の実施例による手の甲認証システムの認証処理のフローチャートである。 本発明の実施例による手の甲認証システムの認証処理の図4の続きのフローチャートである。 本発明の実施例による手の甲認証システムの認証処理の図5の続きのフローチャートである。 本発明の実施例に適用される原画像である。 本発明の実施例に適用されるROI自動検出に利用されるP−タイル法が適用されたヒストグラムである。 ヒストグラムのしきい値が適用された画像である。 原画像から分離されたROI画像である。 本発明の実施例によるフィルタ−バンクの静脈パターンの抽出アルゴリズムにより、(a)強調された静脈パターンの画像、(b)二値画像、(c)雑映除去された画像である。 (a)従来技術の強調フィルタにより抽出された静脈パターン画像、(b)本発明の実施例に適用されるフィルタ−バンク静脈パターン抽出アルゴリズムの通常モードフィルタにより抽出された静脈パターン画像である。 (a)従来技術の抽出アルゴリズムの処理結果画像、(b)本発明の実施例に適用されるフィルタ−バンク静脈パターン抽出アルゴリズムの処理結果画像である。 本発明の実施例に適用される指画像と手の甲の原画像撮影の概念図である。 本発明の実施例に適用される指画像と手の甲の原画像撮影の手順図である。 本発明の実施例に適用される位置情報算出のフローチャートである。 本発明の実施例に適用される平滑化フィルタの適用図である。 本発明の実施例に適用されるマスクを利用した画像処理の、(a)デジタル原画像、(b)ソルベマスク処理画像、(c)カーシュマスク処理画像、(d)エッジマスク処理画像である。 本発明の実施例に適用される位置補正アルゴリズムで、指の間の角度を抽出するための過程図である。 本発明の実施例に適用される1次回転補正角度の予測過程図である。 本発明の実施例に適用される2次回転補正角度の予測過程図である。 (a)(b)は、従来技術の静脈パターンの抽出アルゴリズムにより獲得した、時間をおいて入力された同一人の静脈パターンの分岐特徴図示である。 (a)(b)は、従来技術の位置補正アルゴリズムにより獲得した、時間をおいて入力された同一人の静脈パターンの分岐特徴図示である。 本発明の実施例に適用される手の甲の静脈パターンの認識アルゴリズムのフローチャートである。 図24のトレーニング段階の詳細過程のフローチャートである。 本発明の実施例に適用される手の甲の静脈パターンの認識アルゴリズムにより得られた最適分岐特性を適用し、位置補正を行う過程図である。 本発明の実施例に適用される手の甲の静脈パターンの認識アルゴリズムで、最も安定したVPBPを使用して回転と移動補正を行う過程図である。 本発明の実施例で抽出された基本VPBPを連結した多角形の特徴ベクトル図である。 本発明の実施例で獲得した最適BPWFを利用したVPBPでの分岐特性図示である。 従来技術の手の甲の静脈パターンを利用した個人識別システムで、棒を握った使用者が手に力を入れる場合の図である。 使用者が手を上下に回転する場合の図である。 従来技術の手の甲の静脈パターンを利用した個人識別方法で、手の甲の静脈パターンの抽出アルゴリズムのフローチャートである。 図32の手の甲の静脈パターン抽出アルゴリズムを実行した時の、(a)ROI画像に対する静脈パターンの強調フィルタリング処理画像、(b)二値化及び正規化画像、(c)雑映除去画像である。 本発明の実施例による認証情報データベース内のデータ構造図である。
符号の説明
1 発光ダイオード
2 液晶画面
3 キーパッド
4 ボタンスイッチ
5 覆い
6 安定ハンドル
7 カメラ
8 赤外線照明
9 赤外線フィルタ
10 ハウジング
11 指挿入部
20 手の甲認証端末装置
21 表示手段
22 個人識別コード入力手段
23 マイクロスイッチ
24 手の甲撮影カメラ
25 指撮影カメラ
26 ビデオデコーダ
27 通信制御部
30 手の甲認証サーバ
40 プロセッサ
41 個人識別コード判定部
42 データベースアクセス部
43 撮影画像保存部
44 ROI画像抽出部
45 位置補正部
46 静脈パターンマッチング部
50 認証情報データベース
60 外部装置インターフェース
70 一時記憶メモリ
80 外部装置
100 手の甲認証システム

Claims (10)

  1. 水平軸棒の中央部に2本の軸を立てた安定ハンドルに、中指を前記2本の軸の間に挿入させて、中指、人差し指、薬指と手の甲との接続領域を撮影して得た指部デジタル画像並びに、前記手の甲を撮影した甲部デジタル画像を送信する手の甲認証用端末と、サーバとを通信回線に接続して、前記手の甲の静脈を認証する手の甲認証システムであって
    前記サーバは、
    一時記憶メモリと、
    認証者が前記安定ハンドルの2本の軸に中指を挿入して予め撮影して得た手の甲の静脈の分岐点を繋げた基準多角形を含む最適分布特性データ(VPBC)と、前記認証者が前記安定ハンドルの2本の軸に中指を挿入して予め撮影して得た中指と薬指とが接する第1の湾曲領域のエッジ部分である第1の基準境界線並びに中指と人差し指とが接する第2の湾曲領域のエッジ分部である第2の基準境界線を指部境界基準情報として記憶した認証情報用データベースと
    前記手の甲認証端末からの指部デジタル画像と甲部デジタル画像とを前記一時記憶メモリに記憶する撮影画像保存部と、
    前記一時記憶メモリに記憶された甲部デジタル画像の内で、認証に必要な静脈パターンの部分をROI画像データとして抽出し、太い静脈パターン(Spi)及び細い静脈パターン(ZPi)を抽出して合成し、この静脈合成パターン(Gpi)をニ値化してノイズ除去した静脈パターン(Vpi)を生成するROI画像抽出部とを備え、
    さらに、位置補正部及び静脈パターンマッチング部を備え、
    前記位置補正部は、
    前記指部デジタル画像の内で、前記第1の湾曲領域と前記第2の湾曲領域とを指部境界画像として抽出する手段と、
    前記指部境界画像の第1の湾曲領域に対して、スケルトン処理を施して、中指側と薬指側との前記エッジ部分である第1の境界線並びに中指と人差し指との前記エッジ部分である第2の境界線を求める手段と
    前記第1の境界線に含まれている交点と第2の境界線に含まれている交点とを結ぶ第1の直線と、前記第1の基準境界線に含まれている基準交点と第2の基準境界線に含まれている基準交点とを結ぶ第2の直線との相対角度である第1の相対角度を求め、これを第1の補正角度とする手段と、
    前記指部境界画像に含まれている第1の境界線の開度と前記指部境界基準情報に含まれている第1の基準境界線の基準開度との相対的角度を第2の相対的角度として求めると共に、前記指部境界画像に含まれている第2の境界線の開度と前記指部境界基準情報に含まれている第2の基準境界線の基準開度との相対的角度を第3の相対角度として求め、この第2の相対角度と第3の相対角度との平均を第2の補正角度とする手段と、
    前記第1の補正角度で前記静脈パターン(Vpi)を補正して、さらに前記第2の補正角度で補正した静脈パターン補正画像(mVpi)を生成する手段と
    を備え、
    前記静脈パターンマッチング部は、
    前記静脈パターン補正画像(mVpi)の各分岐点を求め、これらの分岐点を結んだ多角形を生成し、該多角形と前記最適分布特性データ(VPBC)の基準多角形と比較して一致の有無を判定する手段と、
    前記判定結果を前記前記手の甲認証端末の表示器に表示させる手段と
    を有することを特徴とする手の甲認証システム
  2. 前記指部用撮影カメラ部及び甲部用撮影カメラ部は、可視光線及び赤外線の帯域まで反応するCCDまたはCMOSで撮影することを特徴とする請求項1記載の手の甲認証システム
  3. 前記最適分布特性データ(VPBC)は、分岐点からの甲の静脈パターンの分岐角度、分岐個数、前記分岐点のピクセル座標を含み、
    前記静脈パターンマッチング部は、
    前記静脈パターン補正画像(mVpi)の静脈パターンの分岐点のピクセル座標、分岐点個数、分岐角度を求め、これらの一致の有無を判定することを特徴する請求項1記載の手の甲の認証システム
  4. 前記最適分布特性データ(VPBC)の前記静脈パターンは、太い静脈パターンと細い静脈パターンを含むことを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記載の手の甲の認証システム
  5. 前記最適分布特性データ(VPBC)は、認証コードに関連付けられて保存されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の手の甲の認証システム
  6. 前記手の甲の原画像のうち前記ROIが占める面積の比率からしきい値を算出するP−タイル法を利用して、ROI画像を抽出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の手の甲の認証システム
  7. 前記指部境界画像の第1の境界線、前記第2の境界線の開度は、
    が二つのピクセル間におけるx軸方向の距離になり、b がy軸方向に角度を形成したピクセルの距離差である下記の数式を利用して求めた2個のθ を合わせて求めることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の手の甲の認証システム
  8. 前記認証情報用データベースの最適分布特性データ(VPBC)は、
    前記基準多角形の各頂点の位置、該各頂点からの直線の分岐角度、頂点間の長さ、多角形の面積を含み、
    前記静脈パターンマッチング部は、
    各頂点の位置、各頂点からの直線の分岐角度、頂点間の長さ、多角形の面積に対する整合程度を判断して認識することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の手の甲の認証システム
  9. 前記静脈パターンマッチング部は
    前記求めた静脈パターン(Vpi)の分岐点に分岐点加重値を適用し、
    各頂点の位置、各頂点からの直線の分岐角度、頂点間の長さ、分岐個数に対する整合程度を判断して認識することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の手の甲の認証システム
  10. 前記手の甲認証用端末は、
    指部用撮影カメラ部及び甲部用撮影カメラ部を備え、これらのカメラはマイクロスイッチに接続され、該マイクロスイッチの押下で撮影することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の手の甲の認証システム。
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