JP2010025285A - シール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動吸収性能の低下を招くことなく、相手部材に対する支持剛性の向上を図ることのできるシール装置を提供する。
【解決手段】ゴム弾性体によって形成された液体封入室15の内部を隔壁部材10によって第1室11と第2室13とに隔成する。隔壁部材10の内部には中間室23を形成し、第1室11と中間室23を第1のオリフィス14aによって連通し、中間室23と第2室13を第2のオリフィス14bによって連通する。液体封入室15に液体を充填して、入力荷重に応じて液体を流動させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両のドア開閉部等に用いられて2つの部材の間をシールするシール装置に関するものである。
変位可能な2つの部材の間を密閉するシール装置として、中空チャンバと液体充填チャンバを背中合わせに設け、液体充填チャンパに液体を充填することによって2つの部材に対する密閉性を高めるようにしたものが案出されている。
特開平7−77279号公報
ところで、車両のドア部は、ドアの周囲とドア開口部の間に設けられたウエザーストリップによって密閉され、雨水や走行風、振動等が車室内に侵入するのを阻止するようになっている。
この車両に用いられるウエザーストリップは、ドアとドア開口部に密接する部位の形状や材質の適切な選定によって密閉性を高めることができるが、一般に、密閉性を高めるために当接部位の剛性を低くすると、ドア閉時におけるドアに対する拘束性能が低下する傾向にある。そして、ドア閉状態でのドアの拘束性能が低下すると、路面震度やエンジン振動、空力振動等を起振力として車両の走行中にドア自体が振動し易くなる。このドア振動は、車体振動や室内騒音を増長する原因となり易いため、その低減が望まれている。
これに対し、上記従来のシール装置においては、液体充填チャンバに液体を充填することによって相手部材に対するシール接触面積の増大を図ることができるものの、支持剛性の向上は大きく期待することができない。また、チャンバを構成する弾性部材の剛性を高めることによって支持剛性を高めることはできるが、支持剛性を単純に高めると、弾性部材による振動吸収性能が低下してしまう。
そこでこの発明は、振動吸収性能の低下を招くことなく、当接部材に対する支持剛性の向上を図ることのできるシール装置を提供しようとするものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、相対変位可能な2つの部材(例えば、後述の実施形態における取付フランジ2およびドアパネル3)の間に配置され、該2つの部材の間を密閉するシール装置において、少なくとも一部が弾性部材によって形成され、液体が内部に封入された液体封入室(例えば、後述の実施形態における液体封入室15)と、該液体封入室の内部を複数の室(例えば、後述の実施形態における第1室11,第2室13)に隔てる隔壁部材(例えば、後述の実施形態における隔壁部材10)と、該隔壁部材に設けられ、前記複数の室の間で前記液体の移動を許容するオリフィス(例えば、後述の実施形態における第1オリフィス14a,第2オリフィス14b)と、を備えていることを特徴とする。
これにより、2つの部材から液体封入室に荷重が入力されると、液体封入室の弾性部材部分が変形し、それに伴って一方の室と他方の室の液体が隔壁部材のオリフィスを通して流動するようになる。このオリフィスを通した液体の流動は動的剛性を高め、振動の発生を抑制するとともに、特定周波数域の振動に共振してその周波数域の振動を減衰する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシール装置において、前記液体封入室の内部が、前記隔壁部材によって、前記2つの部材のうちの一方の部材側の第1室(例えば、後述の実施形態における第1室11)と、他方の部材側の第2室(例えば、後述の実施形態における第2室13)とに隔成されるとともに、前記隔壁部材の内部に中間室(例えば、後述の実施形態における中間室23)が設けられ、前記隔壁部材に、前記第1室と中間室の間の液体の流動を許容する第1のオリフィス(例えば、後述の実施形態における第1のオリフィス14a)と、前記中間室と第2室の間の液体の流動を許容する第2のオリフィス(例えば、後述の実施形態における第2のオリフィス14b)とが設けられ、前記第1のオリフィスと第2のオリフィスが相互の軸心をオフセットさせて配置されていることを特徴とする。
これにより、2つの部材から液体封入室に荷重が入力され、例えば、第1室側が加圧されて第1室の液体が第1のオリフィスに入ると、その液体は隔壁部材内の中間室を通り、第2のオリフィスを介して第2室に流入する。第1のオリフィスと第2のオリフィスは、隔壁部材に相互の軸心をオフセットさせて配置されているため、振動に共振する隔壁部材内の液柱長さが長く確保される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のシール装置において、前記隔壁部材は、前記液体封入室の外側壁を形成する弾性部材に比較して高剛性の部材によって形成されていることを特徴とする。
これにより、液体封入室の外側壁が変形するときに隔壁部材が変形しにくくなり、外側壁の変形に応じて液体がオリフィスを流通し易くなる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシール装置において、前記第1室と第2室の少なくとも一方の前記隔壁部材と対向する外側壁の一部は、前記液体封入室の他の部位に比較して伸縮変形が容易な伸縮部材(例えば、後述の実施形態における薄膜部材12)によって形成されていることを特徴とする。
これにより、2つの部材から液体封入室に荷重が入力され、隔壁部材のオリフィスを通して一方の室から他方の室に液体が流入する際には、外側壁の伸縮部材が容易に伸縮変形することにより、オリフィスに対する液体の通過を促進するようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のシール装置において、前記伸縮部材は、少なくとも一部に凹凸形状(例えば、後述の実施形態における凹凸部25)が設けられていることを特徴とする。
伸縮部材の凹凸が変形することによって大きな容積変化が容易に得られるようになり、一方の室から他方の室に液体が流入する際に、室の容積不足による液体の流動の妨げを防止でき、結果、液体がオリフィスを流通し易くなる。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載のシール装置において、前記液体封入室の外側に、少なくとも前記伸縮部材の外側を覆う弾性カバー部(例えば、後述の実施形態における弾性カバー部18)が設けられ、該弾性カバー部には、弾性カバー部と液体封入室の間の空間部(例えば、後述の実施形態における空気室16)と大気を連通させる連通孔(例えば、後述の実施形態における連通孔17)が設けられていることを特徴とする。
これにより、伸縮部材の外側領域が弾性カバーによって保護される。また、2つの部材から押圧力を受けると、液体封入室内の液体の流動によって伸縮部材が膨出方向に変形し、弾性カバーと伸縮部材の間の空間部が縮小するが、これに伴って空間部内の気体を連通孔を通して外部に排出するため、空間部内の圧力が上昇することを防止し、液体の流動を妨げることがない。さらには、空間部内の圧力上昇を防止することで、2つの部材からの押圧力が直接に伸縮部材へと伝達されるため、液体の流動が促進される。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシール装置において、前記第1室と第2室の少なくとも一方の室の前記隔壁部材と対向する外側壁の一部は、前記液体封入室を構成する弾性部材の他の部位に比較して肉厚の薄い薄肉弾性部(例えば、後述の実施形態における薄肉部36)によって構成されていることを特徴とする。
これにより、2つの部材から液体封入室に荷重が入力され、隔壁部材のオリフィスを通して一方の室から他方の室に液体が流入する際には、外側壁の薄肉弾性部が容易に変形することにより、オリフィスに対する液体の流通を促進するようになる。
請求項1に記載の発明によれば、2つの部材から液体封入室に荷重が入力されると、一方の室と他方の室の液体が隔壁部材のオリフィスを通して流動するようになっているため、動的剛性の向上を図りつつ、振動に対するダンピングを効果を得ることができる。したがって、振動吸収性能の向上と、当接部材の支持剛性、特に急激な荷重変化に対する支持剛性の向上を同時に図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、第1のオリフィスと第2のオリフィスが、相互の軸心をオフセットさせて隔壁部材に配置されているため、隔壁部材内の液柱長さを充分に長く確保し、対象とする周波数域の振動を確実に減衰することができる。
請求項3に記載の発明によれば、隔壁部材が、液体封入室の外側壁の弾性部材に比較して高剛性の部材によって形成され、外側壁の変形に応じて液体がオリフィスを流通し易くなっているため、オリフィスを通過する液体の流量を増大させ、振動減衰性能を高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、第1室と第2室の少なくとも一方の室の外側壁が伸縮部材によって形成され、オリフィスに対する液体の通過が促進されるようになっているため、オリフィスに対する液体の通過流量を増大させ、振動減衰性能をより高めることができる。
請求項5に記載の発明によれば、伸縮部材の少なくとも一部に凹凸形状が設けられ、凹凸部分の変形によって大きな容積変化を容易に得られるようになっているため、振動減衰性能をさらに容易に高めることができる。
請求項6に記載の発明によれば、液体封入室の外側に、少なくとも伸縮部材の外側を覆う弾性カバー部が設けられているため、伸縮部材を弾性カバー部によって確実に保護することができ、しかも、弾性カバー部に空間部内の気体を逃がす連通孔が設けられていることから、伸縮部材の円滑な作動を保障することができる。
請求項7に記載の発明によれば、第1室と第2室の少なくとも一方の室の外側壁が薄肉弾性部によって構成され、オリフィスに対する液体の通過が促進されるようになっているため、オリフィスに対する液体の通過流量を増大させ、振動減衰性能を高めることができる。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下で説明する各実施形態では、同一部分に同一符号を付し、重複する説明を省略するものとする。
最初に、この発明の第1の実施形態を図1〜図7基づいて説明する。この実施形態のシール装置は、車両のドアの周囲とドア開口部の間に設けられ、両者の間を密閉するウェザーストリップ1によって構成されている。
図1,図4は、ウエザーストリップ1(シール装置)を長手方向と交差する方向で切った断面を示すものであり、同図中2は、ウエザーストリップ1が取り付けられる車体のドア開口部の取付フランジであり、3は、ドア開口部に開閉可能に取り付けられたドアのドアパネルである。
ウエザーストリップ1は、長手方向に亙ってほぼ均一な断面に形成され、その断面は、車体側の取付フランジ2に挟持固定される取付基部4と、取付基部4のドアに臨む側の面に連設された略中空状のシール機能部5と、を備えている。
取付基部4には、取付フランジ2に係合される溝部6を備え、その溝部6の周囲に金属製の芯金7が埋設されている。また、シール機能部5は、中空部を囲む略楕円状の外皮8がゴム弾性体によって取付基部4と一体に形成され、外皮8の内側には別体の液室ユニット9が取り付けられている。
液室ユニット9は、隔壁部材10と、隔壁部材10との間に第1室11を形成する薄膜部材12(伸縮部材)と、から成り、薄膜部材12の周縁部が隔壁部材10に密閉状態で接着固定されている。この液室ユニット9は、外皮8の中空部内に配置され、中空部の基部側(取付基部4側)領域とともに液体封入室15を形成するようになっている。この液体封入室15は液密に密閉され、その内部には所定の液体が充填されている。なお、隔壁部材10と中空部の基部側(取付基部4側)領域の間は第2室13とされ、液体封入室15の内部が隔壁部材10によって第1室11と第2室13とに隔成されている。また、隔壁部材10には、後に詳述する第1のオリフィス14aと第2のオリフィス14bが設けられている。
また、液室ユニット9は、外皮8の中空部内に配置された状態において、中空部の先部側との間に空気室16(空間部)を隔成している。そして、外皮8の先部側の側面(図1中では下側の面)には、空気室16を大気に導通させるための連通孔17が形成されている。なお、外皮8の空気室16に臨む先部側領域は、薄膜部材12の外側を覆う弾性カバー部18を構成し、その外側面がドア閉時にドアパネル3に直接当接するようになっている。
図2,図3は、液室ユニット9を構成する隔壁部材10と薄膜部材12をそれぞれ示すものである。
隔壁部材10は、矩形状の平坦なベースプレート20と、ベースプレート20の一方の面に取付けられた半円筒状の膨出プレート21と、膨出プレート21の長手方向の両端部を封止するエンドプレート22と、を備え、膨出プレート21に第1のオリフィス14aが形成され、ベースプレート20に第2のオリフィス14bが形成されている。なお、この隔壁部材10を構成する要素部品は、シール機能部5の外皮8のゴム弾性体よりも剛性の高い材料、例えば、樹脂材料や金属材料等によって形成されている。また、ベースプレート20と膨出プレート21と両側のエンドプレート22によって囲まれた空間部は中間室23を構成し、この中間室23がそれぞれ第1のオリフィス14aと第2のオリフィス14bを介して第1室11と第2室13に連通している。第1のオリフィス14aと第2のオリフィス14bは、互いの軸心がオフセットするように、中間室23の長手方向に離間して配置されている。
薄膜部材12は、周縁部が偏平に形成され、中央領域が長手方向に亙って山形状に膨出している。この薄膜部材12の中央の膨出部24は、隔壁部材10の膨出プレート21の外側を覆うように設けられ、膨出部24の頂部付近には、内部の液体の圧力変動に応じて膨出部24の容積変化を容易にするための複数の凹凸部25が設けられている。
このウエザーストリップ1は、図1に示すように、ドアが開きドアパネル3がシール機能部5から離間しているときには、シール機能部5全体がドア側に膨出し、液体封入室15の第2室13と、空気室16の容積が最大になっている。なお、この状態では、液体封入室15の第1室11の容積は最小となっている。
この状態から、ドアが閉じられドアパネル3がシール機能部5に押圧されると、図4に示すように、シール機能部5全体が高さ方向に圧縮され、弾性カバー部18が取付フランジ2側に潰れ変形するとともに、第2室13の内部の液圧が増加する。こうして、第2室13の内部の液圧が増加すると、第2室13の内部の液体が第2のオリフィス14b、中間室23、第1のオリフィス14aを通って第1室11内に流入し、薄膜部材12の凹凸部25を内側から押圧して第1室11の容積を拡張する。このとき、空気室16内の空気は連通孔17を通して外部に排出される。
こうしてドアが閉じられると、ウエザーストリップ1がドアパネル3に密接した状態に維持され、ドアの周域がウェザーストリップ1を介して車体側に支持されることになる。
このウエザーストリップ1においては、ドアに対する高い支持剛性と振動に対するダンピング効果を得ることができるが、以下においてその原理を図5の物理的な概念モデルを用いて説明する。
図5の概念モデルにおいて、各記号は以下の意味を持つ。
A:ピストン部の面積
m:オリフィス内の液体の質量
K1:液室1の壁面剛性
K2:液室2の壁面剛性
Kr:ゴム弾性体の材料そのもので決定するばね定数
Cr:ゴム弾性体の材料そのもので決定するダンピング値
この概念モデルの全体のばね定数をk,減衰係数をcとすると、これらはそれぞれ以下のように表される。
Figure 2010025285
Figure 2010025285
ここで、ωは角周波数、ωは、
Figure 2010025285
オリフィス部の減衰係数をηとし、ζは、
ζ=η/2mω
とする。
図6,図7は、上記の式を用いた計算結果から得られる周波数−剛性比のグラフと、周波数−減衰比のグラフである。ここで、これらのグラフから明らかな概念モデルの特徴について説明する。
このモデルの場合、オリフィス内の液体の質量が壁面剛性と協働し、共振する周波数ω/ω=1において、減衰比と剛性比は最大値を示し、ω/ω>1では、シール材料のみの場合の剛性比よりも大きくなり、ω/ω<1では、シール材料のみの場合の剛性比よりも小さくなる。これにより、ドア閉時には、ドアパネル3に対して柔軟な追従が可能になり、かつ、走行中の振動時には高い剛性を示し、振動を低減する抑止力として機能するようになる。また、ω/ωが1よりやや小さい周波数付近では、オリフィス内を運動する液体の損失係数が小さい場合、剛性値は小さくなるものの、ダンピング値が増大し、その結果、振動抑制が可能になる。
したがって、このウエザーストリップ1においては、隔壁部材10に設けられた第1,第2のオリフィス14a,14bによって得られる動的剛性によってドアの振れを抑止することができるとともに、第1,第2のオリフィス14a,14bと中間室23に囲まれた領域の液柱の質量と、液体封入室15の壁のばね剛性との協働によって所定周波数域の振動を低減することができる。
また、このウエザーストリップ1においては、第1のオリフィス14aと第2のオリフィス14bが、相互に軸心をオフセットさせるようにして隔壁部材10に形成されているため、両オリフィス14a,14b間の液柱の長さを充分に確保し、対象とする周波数域の振動を確実に減衰することができる。
また、このウエザーストリップ1の場合、隔壁部材12が、液体封入室15の外側壁の弾性部材に比較して剛性の高い樹脂や金属によって形成されているため、液体封入室15の外側壁の変形に応じて液体が第1,第2のオリフィス14a,14bを通過し易くなる。したがって、オリフィス14a,14bを通過する液体の通過流量の増大を図ることができることから、高い減衰効果を得ることができる。
さらに、このウエザーストリップ1においては、第1室11の壁が容積変化が容易な薄膜部材12(伸縮部材)によって形成されているため、第1,第2のオリフィス14a,14bを介した第2室13から第1室11への液体の流動を促進することができる。このため、オリフィス14a,14bを通過する液体の通過流量のさらなる増大を図ることができる。
特に、この実施形態の場合、薄膜部材12に複数の凹凸部25が設けられているため、第1室11の大きな容積変化をより容易に得ることができる。
また、このウエザーストリップ1の場合、薄膜部材12の外側(ドアパネル3側)が外皮8の一部を成す弾性カバー部18によって覆われているため、薄膜部材12を弾性カバー部18によって確実に保護することができる。そして、弾性カバー部18には空気室16内の気体を逃がす連通孔17が設けられているため、液圧に応じた薄膜部材12の円滑な伸縮作動を得ることができる。
つづいて、図8〜図10に示すこの発明の第2の実施形態について説明する。
この実施形態のウエザーストリップ101は、車体側の取付フランジ2に挟持固定される取付基部4と、取付基部4に連設されたシール機能部105とを備えているが、シール機能部105の構成が第1の実施形態と異なっている。
シール機能部105は、中空部の内側が隔壁部材110によって第1室111と第2室113とに隔成されている。隔壁部材110は、内部に中間室123が形成されるとともに、第1室111と中間室123、中間室123と第2室113をそれぞれ連通する第1のオリフィス114aと第2のオリフィス114bが設けられている。
隔壁部材110の第1室111側には、ドアパネル3側に膨出する膨出部31を備えたカバー部材32が固定され、このカバー部材32に複数の窓33が形成されている。そして、シール機能部105の先部側の外側壁34は別体のゴム弾性体によって形成され、中央領域からカバー部材32の膨出部31の外面に沿って延出し、その両端部がカバー部材32とともに隔壁部材110の両側部にカシメ固定されている。外側壁34の中央領域は肉厚に形成され、その肉厚部に中空室35が形成されている。この中央領域にはドア閉時にドアパネル3が当接する。また、外側壁34のうちの、中央領域と隔壁部材110を接続する領域は薄肉部36(薄肉弾性部)とされている。この薄肉部36は、第1,第2のオリフィス114a,114bを通して第2室113から第1室111内に液体が流入したときに、カバー部材32から離間して膨張し、それによって第1室111の容積を増大させる。
このウエザーストリップ101は、図8に示すように、ドアが開きドアパネル3がシール機能部105から離間しているときには、シール機能部115全体がドア側に膨出し、液体封入室15の第2室113の容積が最大になり、第1室111の容積が最小となっている。
この状態から、ドアが閉じられドアパネル3がシール機能部5の外側壁34に押圧されると、図10に示すように、シール機能部105全体が高さ方向に圧縮され、第2室113の内部の液圧が増加する。こうして、第2室113の内部の液圧が増加すると、第2室113の内部の液体が第2のオリフィス114b、中間室123、第1のオリフィス114aを通って第1室111内に流入する。そして、こうして第1室111内の液量が増加すると、液圧がカバー部材32の窓33を通して外側壁34の薄肉部35に作用し、薄肉部35を外側に膨張させる。
こうしてドアが閉じられると、ウエザーストリップ101はドアパネル3に密接した状態に維持され、ドアの周域を車体側に支持することになる。
このウエザーストリップ101においては、隔壁部材110に第1,第2のオリフィス114a,114bが設けられているため、両オリフィス114a,114bを通過する液体によって動的剛性を得ることができ、しかも、両オリフィス114a,114bと中間室123に囲まれた領域の液柱の質量と、液体封入室15の壁のばね剛性との協働によって所定周波数域の振動を低減することができる。したがって、ドアの振れを確実に低減することができる。
また、このウエザーストリップ101では、第1室111の外側壁34の一部がゴム弾性体の薄肉部36によって構成されているため、第2室113内の液圧が高まったときにおける、第1,第2のオリフィス114a,114bに対する液体の通過を促進することができる。したがって、これにより振動減衰性能を高めることができる。
図11は、この第2の実施形態の変形例を示すものである。
この変形例は、隔壁部材210に長手方向に沿って長さの異なる複数の中間室123を形成したものである。隔壁部材210の各中間室123に臨む壁には第1のオリフィス114aと第2のオリフィス114bが形成されている。
この変形例の場合、各中間室123の長さを変えることによって共振する周波数域を複数に設定したため、より幅広い周波数域の振動に対して減衰効果を得ることができる。
図12,図13は、第2の実施形態の別の変形例を示すものである。
この変形例は、隔壁部材310に複数の中間室313を長手方向に沿って設け、各中間室313の内部に仕切り壁40を部分に設けることで、各中間室313内に仕切り壁40の端部で折り返される折り返し通路41を形成したものである。隔壁部材310のうちの、各中間室323の折り返し端と逆側の端部側には、第1のオリフィス通路114aと114bが形成されている。
この変形例においては、各中間室323の長さを変えることで先の変形例と同様の効果を得ることができるうえ、各中間室313内に折り返し41通路を形成したため、中間室313に形成される液柱長さをより長く確保することができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、以上では、この発明に係るシール装置を車両のウエザーストリップに適用したものについて説明したが、この発明に係るシール装置は車両以外にも用いることができる。
この発明の第1の実施形態のシール装置を長手方向と交差する方向で切った断面図。 同実施形態のシール装置の構成部品を示す分解斜視図。 同実施形態のシール装置の別の構成部品を示す斜視図。 同実施形態のシール装置を長手方向と交差する方向で切った断面図。 同実施形態のシール装置の物理的な概念モデルを示す図。 同実施形態の概念モデルの計算結果から得られる周波数−剛性比のグラフ。 同実施形態の概念モデルの計算結果から得られる周波数−減衰比のグラフ。 この発明の第2の実施形態のシール装置を長手方向と交差する方向で切った断面図。 同実施形態のシール装置の構成部品を示す斜視図。 同実施形態のシール装置を長手方向と交差する方向で切った断面図。 同実施形態のシール装置の変形例を示す断面図。 同実施形態のシール装置の別の変形例を示す部分断面平面図。 同実施形態のシール装置の同じ変形例を示す部分断面斜視図。
符号の説明
1,101,201,301…ウエザーストリップ(シール装置)
2…取付フランジ(部材)
3…ドアパネル(部材)
10,110,210,310…隔壁部材
11,111…第1室(室)
12…薄膜部材(伸縮部材)
13,113…第2室(室)
14a,114a…第1のオリフィス
14b,114b…第2のオリフィス
15…液体封入室
16…空気室(空間部)
17…連通孔
18…弾性カバー部
23…中間室
25…凹凸部(凹凸形状)
36…薄肉部(薄肉弾性部)

Claims (7)

  1. 相対変位可能な2つの部材の間に配置され、該2つの部材の間を密閉するシール装置において、
    少なくとも一部が弾性部材によって形成され、液体が内部に封入された液体封入室と、
    該液体封入室の内部を複数の室に隔てる隔壁部材と、
    該隔壁部材に設けられ、前記複数の室の間で前記液体の移動を許容するオリフィスと、を備えていることを特徴とするシール装置。
  2. 前記液体封入室の内部が、前記隔壁部材によって、前記2つの部材のうちの一方の部材側の第1室と、他方の部材側の第2室とに隔成されるとともに、前記隔壁部材の内部に中間室が設けられ、
    前記隔壁部材に、前記第1室と中間室の間の液体の流動を許容する第1のオリフィスと、前記中間室と第2室の間の液体の流動を許容する第2のオリフィスとが設けられ、
    前記第1のオリフィスと第2のオリフィスが相互の軸心をオフセットさせて配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
  3. 前記隔壁部材は、前記液体封入室の外側壁を形成する弾性部材に比較して高剛性の部材によって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシール装置。
  4. 前記第1室と第2室の少なくとも一方の室の前記隔壁部材と対向する外側壁の一部は、前記液体封入室の他の部位に比較して伸縮変形が容易な伸縮部材によって形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシール装置。
  5. 前記伸縮部材は、少なくとも一部に凹凸形状が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のシール装置。
  6. 前記液体封入室の外側に、少なくとも前記伸縮部材の外側を覆う弾性カバー部が設けられ、該弾性カバー部には、弾性カバー部と液体封入室の間の空間部と大気を連通させる連通孔が設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載のシール装置。
  7. 前記第1室と第2室の少なくとも一方の室の前記隔壁部材と対向する外側壁の一部は、前記液体封入室を構成する弾性部材の他の部位に比較して肉厚の薄い薄肉弾性部によって構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシール装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011256889A (ja) * 2010-06-07 2011-12-22 Honda Motor Co Ltd 磁性流体が封入されたダンパを備える構造体
JP2013047069A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Toyota Motor Corp 車両用ドア構造
JP5556964B2 (ja) * 2011-06-23 2014-07-23 トヨタ自動車株式会社 車両用ドア構造

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