JP2010025227A - 結合構造および結合方法 - Google Patents

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高志 佐織
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Abstract

【課題】第1,第2の部材の組み外し作業の容易性や、再度の結合作業の容易性、再度の結合時の位置決め精度の確保などを図ることが可能な結合構造および結合方法を提供する。
【解決手段】吸気用カムシャフト7を支持するシリンダヘッド2とカムキャップ30とをボルト15により結合するにあたって、シリンダヘッド2に形成された半球状の凹部23とカムキャップ30に形成された半球状の凹部33との間に跨って配置されるボール40を用いて、シリンダヘッド2に対するカムキャップ30の位置決めが行われる。シリンダヘッド2に対するカムキャップ30の位置決めは、ボール40を凹部23,33に圧入することで、凹部23,33を塑性変形させることによって行われる。
【選択図】図6

Description

本発明は、第1の部材と第2の部材とを結合するにあたって、第1の部材と第2の部材との間に挟まれる位置決め部材を用いて、第1の部材に対する第2の部材の位置決めを行うようにした結合構造および結合方法に関する。本発明の結合構造および結合方法の適用対象はさまざまであり、例えば、車両に搭載される内燃機関も適用対象となる。内燃機関においては、例えば、カムシャフトを支持するシリンダヘッドとカムキャップとの結合、シリンダブロックとクランクキャップとの結合、コネクティングロッドとコネクティングキャップとの結合などに、本発明は適用可能である。
第1の部材の所定の位置に第2の部材をボルト等により結合するにあたっては、第1の部材に対する第2の部材の位置決めを精度よく行うことが重要となる。従来では、例えば、ノックピンや圧入ピン等のようなほぼ円筒形状の位置決め部材を用いて、第1の部材に対する第2の部材の位置決めを行うことによって、第1の部材に対する第2の部材の位置決め精度の向上を図るようにしている。ノックピン等による第1の部材に対する第2の部材の位置決めは、第1の部材および第2の部材に設けられた円筒形状の位置決め用の凹部にノックピン等を圧入することによって行われる。
ところが、従来のノックピン等を用いる構成では、次のような点が問題となる。すなわち、ノックピン等を円筒形状の凹部に圧入する構成であるため、ノックピン等の圧入に必要な押圧力(加圧力)が大きくなる。このため、第1の部材と第2の部材とを組み外す作業が困難となり、その作業性が悪化してしまう。具体的には、第1の部材と第2の部材とを組み外す必要が生じた場合、ノックピン等を凹部から引き抜かなければならない。しかし、圧入されたノックピン等を引き抜くには、強力な力が必要となる。このため、第1の部材と第2の部材とを組み外す作業が困難となり、場合によっては専用の治具が必要となる。加えて、ノックピン等を無理に引き抜くと、凹部が変形する可能性がある。
また、第1の部材と第2の部材とを組み外した後、第1の部材と第2の部材とを再び結合したとき、第1の部材に対する第2の部材の位置決め精度が悪化することが懸念される。つまり、組み外しを行う前の元の結合状態の位置決めを再現することは困難である。詳細には、元の結合状態では、ノックピン等の公差分の位置ずれが発生している可能性があるが、再度の結合時に、元の結合状態と全く同じ状態(同じ位置ずれが発生した状態)で、位置決めを行うことは現実的には困難である。すなわち、ノックピン等を用いる構成では、再度の結合時にもノックピン等を凹部に圧入して位置決めを行う必要があるが、この際、元の結合状態と全く同じ状態で、ノックピン等を凹部に圧入することは難しい。このため、再度の結合時には、第1の部材に対する第2の部材の位置決め精度が悪化してしまう。加えて、組み外しの際にノックピン等の引き抜きにより凹部が変形した場合、再度の結合時には、第1の部材に対する第2の部材の位置決め精度がさらに悪化する可能性がある。
特許文献1には、ノックピンの形状に改良を加えた技術が提案されている。しかし、上述のような問題点が全て解消されているとは言えず、未だ改良の余地があった。
特開2006−177454号公報
本発明は、上述のような点を鑑みてなされたものであり、第1,第2の部材の組み外し作業の容易性、再度の結合作業の容易性、および、再度の結合時の位置決め精度の確保を図ることが可能な結合構造および結合方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、第1の部材に形成された第1の凹部と第2の部材に形成された第2の凹部との間に跨って配置される位置決め部材により、上記第1の部材に対する第2の部材の位置決めを行って、上記第1の部材と第2の部材とを結合する結合構造であって、上記第1の部材に対する第2の部材の位置決めは、上記位置決め部材の上記第1の凹部および第2の凹部への圧入により、上記第1の凹部および第2の凹部が塑性変形されることによって行われることを特徴としている。
上記構成によれば、位置決め部材の圧入により第1,第2の凹部が塑性変形されると、位置決め部材の表面と第1,第2の凹部の内面とが隙間なく嵌め合わされるので、第1,第2の部材の結合の際、第1の部材に対する第2の部材の高精度な位置決めが可能となる。さらに、結合された第1,第2の部材を組み外す作業を、従来例で挙げたノックピン等の場合と比べて極めて容易に行うことができる。上述したように、位置決めの際に位置決め部材の圧入により第1,第2の凹部が塑性変形される結果、第2の部材を第1の部材から取り外すとき、第1,第2の凹部による位置決め部材への拘束力がほとんど作用しないようになる。これにより、強力な力を要することなく、また、専用の治具を必要とすることなく、極めて簡単に第1,第2の部材を組み外すことができる。
また、組み外した第1,第2の部材を再び結合する作業を、従来例で挙げたノックピン等の場合と比べて容易に行うことができ、しかも、再度の結合時には、組み外しを行う前の(元の結合時の)第1の部材に対する第2の部材の位置決め精度を確保することができる。詳細には、初回の結合時の位置決めの際、第1,第2の凹部が塑性変形されるので、再度の結合時(2回目以降の結合時)の位置決めの際には、第1,第2の凹部を変形させる必要がなくなる。したがって、再度の結合時の位置決めの際には、位置決め部材を第1,第2の凹部に嵌め込むだけでよく、位置決め部材を第1,第2の凹部に圧入させる必要がない。これにより、再度の結合時の位置決めが第1,第2の部材との間に位置決め部材をセットするだけの単純なものとなり、第1,第2の部材を再び結合する作業が容易になる。
そして、再度の結合時には、位置決め部材の圧入をともなわないため、元の結合時と同じ状態で位置決め部材が第1,第2の凹部に嵌め込まれ、位置決め部材の表面が第1,第2の凹部の内面に隙間なく嵌め合わされることになる。これにより、再度の結合時の位置決めが、元の結合時の位置決めと同じ状態で行われることになる。その結果、再度の結合時には、元の結合時の位置決めを再現することができ、位置決め精度の悪化を防ぐことができる。
したがって、以上より、第1,第2の部材の組み外し作業の容易性、再度の結合作業の容易性、および、再度の結合時の位置決め精度の確保を図ることができる。しかも、第1,第2の部材の組み外しおよび再度の結合の回数には関係なく、同じ効果を得ることができる。
本発明の結合構造の適用対象としては、例えば、車両に搭載される内燃機関が挙げられる。そして、内燃機関における本発明の好ましい適用箇所としては、次の3つの態様が挙げられる。
(1)上記第1の部材を内燃機関に備えられるシリンダヘッドとし、上記第2の部材を上記シリンダヘッドに取り付けられるカムキャップとする態様。
(2)上記第1の部材を内燃機関に備えられるシリンダブロックとし、上記第2の部材を上記シリンダブロックに取り付けられるクランクキャップとする態様。
(3)上記第1の部材を内燃機関に備えられるコネクティングロッドとし、上記第2の部材を上記コネクティングロッドに取り付けられるコネクティングキャップとする態様。
本発明において、上記位置決め部材が球状の部材であることが好ましい。また、上記第1の凹部および第2の凹部が半球状に形成されていることが好ましい。この構成では、半球状の第1,第2の凹部に対し、球状の位置決め部材を圧入させることになるので、位置決め部材の直径と第1,第2の凹部の内径との差の分だけ第1,第2の凹部を変形させればよく、位置決め部材の圧入に必要な力が小さくて済む。また、位置決め部材の圧入荷重が第1,第2の凹部の内面のほぼ全体で受け止められるので、位置決め部材の圧入荷重が効率的に第1,第2の凹部の内面のほぼ全体に伝えられ、第1,第2の凹部が全体的にほぼ均等に変形されることになる。このため、第1,第2の凹部の変形に要する力、つまり、位置決め部材の圧入に必要な力が小さくて済む。これにより、位置決め作業を容易に行うことができる。
そして、位置決め部材を球状とすることで、その強度が高くなるため、サイズを小さく抑えることが可能となる。また、位置決めの際、第1,第2の凹部の変形量は、位置決め部材の直径と第1,第2の凹部の内径との差の分だけで済むので、第1,第2の凹部のサイズも小さく抑えることが可能となる。これにより、位置決めに利用できるスペースが僅かしかない場合であっても、位置決めを確実に行うことができる。
また、本発明において、上記位置決め部材が、上記第1の部材および第2の部材に比べ硬度が大きい部材であることが好ましい。例えば、位置決め部材を鋼鉄製とし、第1,第2の部材を鉄製、アルミニウム合金製としたり、位置決め部材を鉄製とし、第1,第2の部材をアルミニウム合金製とすることが可能である。この構成によれば、位置決め部材の第1,第2の凹部への圧入に必要な力が比較的小さくて済み、位置決め作業を容易に行うことができる。
また、本発明は、第1の部材と第2の部材とを結合するにあたって、上記第1の部材に形成された第1の凹部と上記第2の部材に形成された第2の凹部との間に跨って配置される位置決め部材を用いて、上記第1の部材に対する第2の部材の位置決めを行うようにした結合方法であって、上記位置決め部材として、上記第1の部材および第2の部材に比べ大きな硬度を有する球状の部材を用い、上記第1の部材に対する第2の部材の位置決めを、上記位置決め部材を上記第1の凹部および第2の凹部に圧入して、上記第1の凹部および第2の凹部を塑性変形させることによって行うことを特徴としている。この本発明の結合方法によれば、上述した本発明の結合構造と同様の作用効果が得られる。
本発明の結合構造および結合方法によれば、第1,第2の部材の組み外し作業の容易性、再度の結合作業の容易性、および、再度の結合時の位置決め精度の確保を図ることができる。しかも、第1,第2の部材の組み外しおよび再度の結合の回数には関係なく、同じ効果を得ることができる。
本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
以下では、本発明を、車両用の内燃機関のシリンダヘッドとカムキャップとの結合構造に適用した実施形態について説明する。この実施形態では、内燃機関をツインカム直打式で1気筒当たり4バルブ構造とした例を挙げているが、他の形式の内燃機関にも、本発明は適用可能である。
まず、内燃機関のシリンダヘッドの概略構成について、図1、図2を参照して説明する。図1、図2は、実施形態に係る内燃機関のシリンダヘッドの概略構成を示しており、図1は平面図、図2は図1のX1−X1線断面の矢視図である。図1では、一気筒のみを図示しているが、内燃機関の気筒数は特に限定されるものではない。
図1、図2に示すように、内燃機関1のシリンダヘッド2には、気筒毎の燃焼室2aに連通する吸気ポート3および排気ポート4が設けられている。シリンダヘッド2は、例えば、アルミニウム合金等によって成形される。
吸気ポート3の燃焼室2a側開口は、吸気バルブ5により開閉される。吸気バルブ5は、シリンダヘッド2に搭載される吸気用カムシャフト7により開閉駆動される。また、排気ポート4の燃焼室2a側開口は、排気バルブ6により開閉される。排気バルブ6は、シリンダヘッド2に搭載される排気用カムシャフト8により開閉駆動される。
吸気用カムシャフト7には、吸気カム7aが設けられている。吸気カム7aは、燃焼室2a内において隣り合わせに配置される2つの吸気バルブ5,5に対応する位置にそれぞれ配置されている。同様に、排気用カムシャフト8には、排気カム8aが設けられている。排気用カムシャフト8の排気カム8aは、燃焼室2a内において隣り合わせに配置される2つの排気バルブ6,6に対応する位置にそれぞれ配置されている。
吸気用カムシャフト7のジャーナル部7bは、シリンダヘッド2上に回転自在に支持されるようになっている。具体的には、シリンダヘッド2の上部には、立壁のような台座20が一体的に設けられている。台座20は、吸気用カムシャフト7の軸方向において各燃焼室2aの両側位置にそれぞれ設けられている。
そして、台座20の上には、カムキャップ30がボルト15等により一体的に締結されている。これら台座20およびカムキャップ30によって、吸気用カムシャフト7のジャーナル部7bが挟まれた状態で回転自在に支持されている。同様に、シリンダヘッド2の上部に設けられた台座20とカムキャップ30とによって、排気用カムシャフト8のジャーナル部8bが挟まれた状態で回転自在に支持されている。なお、シリンダヘッド2とカムキャップ30の結合の詳細については後述する。
両バルブ5,6は、ともに鉛直方向に対し若干傾いた姿勢とされ、シリンダヘッド2に軸方向変位可能に支持されるステム部5a,6aの下端に傘部5b,6bを一体形成した形状となっている。両バルブ5,6のステムエンド側には、バルブリフタ11,12が被せられている。そして、バルブリフタ11,12に対しカムシャフト7,8のカム7a,8aが直接当接されるようになっている。
また、シリンダヘッド2の凹状部底壁面2b,2bとバルブリフタ11,12との間には、バルブスプリング9,10が圧縮状態で配設されている。バルブスプリング9,10の弾性力によって、両バルブ5,6が閉側(図中の上方向)に付勢されている。
そして、カムシャフト7,8の回転にともない、バルブ5,6が上方向または下方向に変位されることによって、バルブ5,6の傘部5b,6bが、ポート3,4における燃焼室2a側開口のバルブシートに当接または離隔されることで、ポート3,4が閉塞または開放される。
次に、この実施形態の特徴であるシリンダヘッドとカムキャップとの結合について、図1〜図5を参照して説明する。図3〜図5は、シリンダヘッドとカムキャップとの結合部分を示しており、図3は図1のX2−X2線断面の矢視図、図4は図1のX3−X3線断面の矢視図、図5は図4のシリンダヘッドとカムキャップとの分解斜視図である。なお、図3〜図5では、吸気用カムシャフト7を支持するシリンダヘッド2とカムキャップ30との結合部分を示しているが、排気用カムシャフト8の場合も同様となっている。以下では、吸気用カムシャフト7を支持するシリンダヘッド2とカムキャップ30との結合について代表して説明することとする。
上述したように、シリンダヘッド2の上部に設けられる台座20とカムキャップ30とにより、吸気用カムシャフト7のジャーナル部7bが回転自在に支持されている。具体的には、台座20の上面には断面半円状の凹部21が設けられ、カムキャップ30の下面には断面半円状の凹部31が設けられている。これら半円状の両凹部21,31を向き合わせることによって、断面円形の貫通孔(カム孔)が形成される。このカム孔内に吸気用カムシャフト7のジャーナル部7bが挿通されるようになっている。そして、吸気用カムシャフト7のジャーナル部7bが、カム孔を構成する両凹部21,31の内面にすべり接触状態で支持されるようになっている。
シリンダヘッド2とカムキャップ30とは、ボルト15により一体的に結合されている。具体的には、シリンダヘッド2の台座20には、その上面から下方へ向けて延びるねじ孔22が形成されている。ねじ孔22は、吸気用カムシャフト7の軸方向に直交する方向おいて凹部21の両側にそれぞれ設けられている。
カムキャップ30には、上下方向に貫通する挿通孔32が形成されている。挿通孔32は、上述した台座20のねじ孔22と対応する位置に設けられている。つまり、挿通孔32は、吸気用カムシャフト7の軸方向に直交する方向おいて凹部31の両側にそれぞれ設けられている。そして、カムキャップ30の挿通孔32にボルト15が挿通され、さらにそのボルト15がシリンダヘッド2の台座20のねじ孔22に締め付けられることで、シリンダヘッド2に対しカムキャップ30が結合されている。
ここで、シリンダヘッド2の台座20の所定の位置にカムキャップ30を結合するために、シリンダヘッド2の台座20に対するカムキャップ30の位置決めが行われる。この実施形態では、位置決め部材としてのボール40を用いて、シリンダヘッド2の台座20に対するカムキャップ30の位置決めを行うようにしている。以下、ボール40によるシリンダヘッド2の台座20とカムキャップ30との位置決め(以下では、単に「位置決め」とも言う)について詳しく説明する。
シリンダヘッド2の台座20の上面には、位置決め用の凹部23が複数箇所(図4、図5では2箇所)に形成されている。凹部23は、上方に向け開放された半球状に形成されている。凹部23は、ねじ孔22の近傍に設けられている。また、凹部23は、吸気用カムシャフト7の軸方向に直交する方向おいて、上述した凹部21の両側に1箇所ずつ設けられている。
カムキャップ30の下面には、位置決め用の凹部33が複数箇所(図4、図5では2箇所)に形成されている。凹部33は、下方に向け開放された半球状に形成されている。凹部33は、挿通孔32の近傍に設けられている。また、凹部33は、吸気用カムシャフト7の軸方向に直交する方向おいて、上述した凹部31の両側に1箇所ずつ設けられている。
そして、台座20の凹部23とカムキャップ30の凹部33とは、互いに対応する位置に設けられている。具体的には、台座20における凹部21およびねじ孔22に対する凹部23の位置関係と、カムキャップ30における凹部31および挿通孔32に対する凹部33の位置関係とが一致している。これにより、シリンダヘッド2とカムキャップ30の結合の際、台座20とカムキャップ30とを向き合わせると、半球状の凹部23,33が互いに向き合わせられ、これら凹部23,33により球状の空間が形成される。そして、この空間内に位置決め用のボール40が収容されている。つまり、ボール40が凹部23,33に跨って配置されている。具体的には、台座20の凹部23には、ボール40の下半分の部分が圧入され、カムキャップ30の凹部33には、ボール40の上半分の部分が圧入されている。
凹部23,33を構成するシリンダヘッド2の台座20およびカムキャップ30は、ボール40の圧入により塑性変形することが可能な材料で形成されている。この実施形態では、シリンダヘッド2の台座20およびカムキャップ30は、アルミニウム合金製となっている。
ボール40は、シリンダヘッド2の台座20とカムキャップ30との間に挟まれる球状の部材である。ボール40は、1つのカムキャップ30に対し凹部33と同じ数だけ(図4では2つ)使用される。ボール40は、凹部23,33を構成するシリンダヘッド2の台座20およびカムキャップ30に比べ硬度が大きい材料で形成されている。この実施形態では、アルミニウム合金製のシリンダヘッド2の台座20およびカムキャップ30に比べ大きな硬度を有する鋼球が、ボール40として用いられている。
ボール40は、位置決め前には(ここでは、再度の結合の場合を除く)、凹部23,33に比べ大きくなっている。つまり、ボール40の直径φcが凹部23,33の内径φa,φbに比べ大きくなっている(図6(a)参照)。例えば、ボール40の直径φcが、凹部23,33の内径φa,φbの約120%の大きさとなっている。このため、位置決めの初期段階では、ボール40の全体が凹部23,33に収容されるのではなく、ボール40の上下の一部分だけが凹部23,33に収容されるようになっている。また、このとき、ボール40の表面全体が凹部23,33の内面に接しているのではなく、ボール40の表面の一部だけが凹部23,33の内面に接するようになっている。そして、位置決めの初期段階では、シリンダヘッド2の台座20の上面とカムキャップ30の下面との間には、所定の隙間が存在することになる。
しかし、ボール40と凹部23,33との大小関係は、位置決めの前後で変化する。具体的には、位置決めの際、シリンダヘッド2の台座20に対し、カムキャップ30が上方から押し付けられる。これにともない、ボール40が凹部23,33に圧入される。このため、位置決めの前後において、ボール40の直径φcは変化しないのに対し、凹部23,33の内径φa,φbは変化する。つまり、位置決めの際、凹部23,33にボール40が圧入される結果、凹部23,33が塑性変形される。この際、凹部23,33の変形は全体にわたってほぼ均等に起きるため、ボール40の圧入により、凹部23,33が拡径されることになる。
そして、シリンダヘッド2の台座20の上面にカムキャップ30の下面が接するまで、カムキャップ30が押し付けられると、凹部23,33が最大限に塑性変形される。つまり、ボール40の圧入により、凹部23,33の内径φa,φbがボール40の直径φcと同じになるまで、凹部23,33が拡径される(図6(c)参照)。
この状態では、ボール40の全体が凹部23,33に収容されており、ボール40の表面全体が凹部23,33の内面に密着されている。このように、ボール40が凹部23,33に収容されている状態では、シリンダヘッド2の台座20におけるカムキャップ30の位置が変化することはない。つまり、ボール40による位置決めが可能となる。そして、この状態で、ボルト15が締め付けられ、シリンダヘッド2の台座20に対しカムキャップ30が結合される。
ここで、シリンダヘッド2とカムキャップ30とを結合する手順の詳細について、図6を参照しながら説明する。
この実施形態のシリンダヘッド2とカムキャップ30の結合方法は、シリンダヘッド2の所定の位置にカムキャップ30を位置決めする位置決め工程(図6(a)〜(c))と、シリンダヘッド2にカムキャップ30を結合する結合工程(図6(d))とを含んでいる。
位置決め工程を行うにあたっては、シリンダヘッド2とカムキャップ30とを用意し、シリンダヘッド2とカムキャップ30に対し位置決め工程および結合工程を行うのに必要な加工を施しておく(加工工程)。例えば、シリンダヘッド2の台座20のねじ孔22の加工、カムキャップ30の挿通孔32の加工や、吸気用カムシャフト7を支持するカム孔を構成する台座20の凹部21およびカムキャップ30の凹部31の粗加工が行われる。また、合わせ面となる台座20の上面およびカムキャップ30の下面を平坦に研磨する加工、プレス加工の押圧面(加圧面)となるカムキャップ30の上面を平坦に研磨する加工などが行われる。
また、この実施形態では、台座20の上面への半球状の凹部23の加工と、カムキャップ30の下面への半球状の凹部33の加工とが行われる。この際、凹部23,33の内径φa,φbは、ほぼ同じ径となるように加工され、また、位置決めに使用されるボール40の直径φcに比べ小さい径となるように加工される。このように、凹部23,33は、位置決め部材であるボール40の半分の部分の相似形状で、若干だけ小さいサイズに加工される。
そして、位置決め工程では、まず、図6(a)に示すように、位置決め用のボール40を用意し、シリンダヘッド2の台座20とカムキャップ30との間にボール40をセットする(セッティング工程)。この際、1つのカムキャップ30に対しボール40が2つ用意される。具体的には、ボール40の下部を台座20の凹部23に嵌め込み、さらにカムキャップ30をボール40の上側に被せる。このとき、ボール40の上部をカムキャップ30の凹部33に嵌め込ませる。この段階では、ボール40の直径φcが凹部23,33の内径φa,φbに比べ大きいため、台座20の上面とカムキャップ30の下面とは接していない。台座20の上面とカムキャップ30の下面とは、ボール40を挟んで対向して配置される。
次に、図6(b)に示すように、シリンダヘッド2の台座20に対しカムキャップ30を上方から下向きに押圧(加圧)するプレス加工を行う(プレス工程)。プレス加工は、例えばハンドプレスなどにより行うことが可能である。プレス加工により、カムキャップ30の上面が下向きに押圧されると、ボール40が凹部23,33に圧入される。ボール40の圧入にともなって、凹部23,33が塑性変形され、拡径される。このとき、シリンダヘッド2およびカムキャップ30がアルミニウム合金製なのに対しボール40が鋼鉄製であり、半球状の凹部23,33に対しボール40を圧入するため、凹部23,33がスプリングバックをほとんど起こさずに塑性変形しやすくなっている。
プレス加工により台座20の上面とカムキャップ30の下面とが徐々に近付いていくが、図6(c)に示すように、シリンダヘッド2の台座20の上面にカムキャップ30の下面が接すると、位置決め工程が完了する。すなわち、凹部23,33が塑性変形して、凹部23,33の内径φa,φbがボール40の直径φcと同じ径に拡径する。このとき、ボール40によってシリンダヘッド2の台座20の上でのカムキャップ30のスライド移動が阻止されるため、台座20の所定の位置にカムキャップ30が位置決めされる。
このように、ボール40を用いて位置決めを行った状態で、次に、結合工程を行う。図6(d)に示すように、ボルト15を締め付け、シリンダヘッド2の台座20にカムキャップ30を結合する。そして、台座20にカムキャップ30を結合した状態で、吸気用カムシャフト7を支持するカム孔を構成する台座20の凹部21およびカムキャップ30の凹部31の仕上げ加工(真円加工等)などを行う。
また、シリンダヘッド2に吸気用カムシャフト7を組み付けるには、上記のような手順で結合したシリンダヘッド2およびカムキャップ30に、カム孔の真円加工を施した後、一旦組み外す。そして、吸気用カムシャフト7をシリンダヘッド2の所定の位置にセットし、次に、ボール40を用いてシリンダヘッド2に対するカムキャップ30の位置決めを行う。このとき、凹部23,33が既に塑性変形しているため、ボール40を凹部23,33に圧入させる必要はなく、単に嵌め込めばよい。そして、位置決めの完了後、ボルト15を締め付けて両者2,30を再び結合する。なお、このようなシリンダヘッド2とカムキャップ30との組み外しおよび再度の結合は、内燃機関1の性能試験等を行う場合にも、その都度行われる。
この実施形態によれば、シリンダヘッド2に対するカムキャップ30の位置決めにボール40を用いるので、次のような効果が得られる。
上述したように、ボール40の圧入により凹部23,33が塑性変形されると、ボール40の表面と凹部23,33の内面とが隙間なく嵌め合わされるので、シリンダヘッド2に対するカムキャップ30の合わせ面に沿った方向への移動がほとんど不可能となる。これにより、カムキャップ30がシリンダヘッド2に対してほとんど位置ずれを起こすことがないため、シリンダヘッド2とカムキャップ30との結合の際、高精度な位置決めが可能となる。また、シリンダヘッド2とカムキャップ30とを結合した後、吸気用カムシャフト7を支持するカム孔の真円加工などを行う際にも、位置決めの精度が保証されるので、カム孔の真円加工の精度を向上させることができる。そして、この真円加工の精度の向上にともなって、吸気用カムシャフト7の回転時のフリクションを低減することができ、その結果、燃費低減に貢献できる。
また、鋼球であるボール40をアルミニウム合金製のシリンダヘッド2およびカムキャップ30の凹部23,33に圧入させればよいので、ボール40の圧入に必要な力が比較的小さくて済み、簡単なプレス加工によって位置決め作業を容易に行うことができる。この際、半球状の凹部23,33に対しボール40を圧入させる構成のため、ボール40の直径φcと凹部23,33の内径φa,φbとの差の分だけ凹部23,33を変形させればよく、ボール40の圧入に必要な力が小さくて済む。また、ボール40の圧入荷重が凹部23,33の内面のほぼ全体で受け止められるので、その荷重が効率的に凹部23,33の内面のほぼ全体に伝えられ、凹部23,33が全体的にほぼ均等に変形されることになる。このため、凹部23,33の変形に要する力、つまり、ボール40の圧入に必要な力が小さくて済む。
ところで、従来例で挙げたノックピン等の場合、強度確保のために所定のサイズ(外径)以上のノックピン等を用いる必要がある。しかし、カムキャップ30には位置決めに利用できるスペースは僅かしかなく、ノックピン等を用いることは実際には難しい。これに対し、この実施形態では、ボール40は、円筒形状の部材に比べ強度的に優れているため、そのサイズを小さく抑えることが可能となる。また、位置決めの際、凹部23,33の変形量は、ボール40の直径φcと凹部23,33の内径φa,φbとの差の分だけで済むので、凹部23,33のサイズも小さく抑えることが可能となる。これにより、位置決めに利用できるスペースが僅かしかない場合であっても、位置決めを確実に行うことができる。
さらに、結合されたシリンダヘッド2とカムキャップ30とを組み外す作業を、従来例で挙げたノックピン等の場合と比べて極めて容易に行うことができる。上述したように、位置決めの際にボール40の圧入により凹部23,33が塑性変形される結果、カムキャップ30をシリンダヘッド2から取り外すとき、凹部23,33によるボール40への拘束力がほとんど作用しないようになる。これにより、強力な力を要することなく、また、専用の治具を必要とすることなく、極めて簡単にシリンダヘッド2とカムキャップ30とを組み外すことができる。
また、組み外したシリンダヘッド2とカムキャップ30とを再び結合する作業を、従来例で挙げたノックピン等の場合と比べて容易に行うことができ、しかも、再度の結合時には、組み外しを行う前の(元の結合時の)シリンダヘッド2に対するカムキャップ30の位置決め精度を確保することができる。
詳細には、初回の結合時の位置決めの際、凹部23,33が塑性変形されるので、再度の結合時(2回目以降の結合時)の位置決めの際には、凹部23,33を変形させる必要がなくなる。したがって、再度の結合時の位置決めの際には、ボール40を凹部23,33に嵌め込むだけでよく、プレス加工によってボール40を凹部23,33に圧入させる必要がない。これにより、再度の結合時の位置決めがシリンダヘッド2とカムキャップ30との間にボール40をセットするだけの単純なものとなり、シリンダヘッド2とカムキャップ30とを再び結合する作業が容易になる。
そして、再度の結合時には、ボール40の圧入をともなわないため、元の結合時と同じ状態でボール40が凹部23,33に嵌め込まれ、ボール40の表面が凹部23,33の内面に隙間なく嵌め合わされることになる。これにより、再度の結合時の位置決めが、元の結合時の位置決めと同じ状態で行われることになる。その結果、再度の結合時には、元の結合時の位置決めを再現することができ、位置決め精度の悪化を防ぐことができる。
したがって、以上より、シリンダヘッド2とカムキャップ30との組み外し作業の容易性、再度の結合作業の容易性、および、再度の結合時の位置決め精度の確保を図ることができる。しかも、シリンダヘッド2とカムキャップ30との組み外しおよび再度の結合の回数には関係なく、同じ効果を得ることができる。
−他の実施形態−
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここに示した実施形態は一例であり、さまざまに変形することが可能である。
シリンダヘッド2は、台座20を構成するカムシャフトハウジングを別体として備えるものであってもよい。つまり、シリンダヘッド2を、シリンダヘッド本体とカムシャフトハウジングとの分割構造としてもよい。
本発明の適用対象として挙げた内燃機関におけるシリンダヘッド2とカムキャップ30の結合は一例であって、本発明はさまざまな箇所に適用可能である。例えば、内燃機関におけるシリンダブロックとクランクキャップとの結合、コネクティングロッドとコネクティングキャップとの結合などにも、本発明は適用可能である。また、内燃機関以外にも、さまざまな対象に本発明は適用可能である。
位置決め部材、凹部の構成材料、形状、数、設置箇所などは一例であって、さまざまに変更可能である。
例えば、位置決め部材の材料および位置決め部材を圧入させる第1,第2の部材(上記実施形態では、シリンダヘッド2およびカムキャップ30)の材料は、第1,第2の部材に比べ位置決め部材の硬度が高ければ、上記以外であってもよい。例えば、位置決め部材を鋼鉄製とし、第1,第2の部材を鉄製としたり、位置決め部材を鉄製とし、第1,第2の部材をアルミニウム合金製とすることが可能である。上記実施形態では、シリンダヘッド2およびカムキャップ30はアルミニウム合金製とされるため、位置決め部材として鉄球を用いてもよい。また、例えば、コネクティングロッドとコネクティングキャップとの結合の場合、コネクティングロッドおよびコネクティングキャップは鋳鉄製とされるため、位置決め部材としては鋼球を用いることが好ましい。
また、位置決め部材の形状は、位置決めを容易に行うことが可能な形状であれば、球状以外であってもよい。例えば、位置決め部材の形状は、中間部分が膨らみ、先端部分が絞られるような形状であることが好ましい。詳細には、位置決め部材の形状は、位置決めを行ったときに第1,第2の部材の合わせ面からその垂直方向に遠ざかるほど先細りするような形状(径が絞られる形状)であることが好ましい。一方、第1,第2の部材の凹部は、位置決め部材の半分の部分の相似形状で、若干だけ小さいサイズとすることが好ましい。例えば、位置決め部材の半分の各部分をともに円錐形状とし、第1,第2の部材の各凹部をともに円錐形状とすることが可能である。なお、位置決め部材の凹部への圧入をほぼ均等に行うには、位置決め部材の形状は、合わせ面について対称的な形状であることが好ましい。
さらに、位置決め部材および凹部の数は、2つ以上であれば、適用対象に応じて適宜変更可能である。また、位置決め部材および凹部を設ける箇所についても、適用対象に応じて適宜変更可能である。
上記実施形態では、位置決め部材の凹部への圧入をプレスにより一方向から(上記実施形態では上方から)押し付けて行う場合について説明したが、このプレスを両方向から(例えば上下から)挟み付けるようにして行ってもよい。また、上記実施形態では、プレスにより位置決め部材の凹部への圧入を行った後、ボルトの締め付けを行う場合について説明したが、プレスを行わず、ボルトを締め付けるとともに、位置決め部材を凹部へ圧入して、凹部を塑性変形させるようにしてもよい。つまり、ボルトの締め付けによる第1,第2の部材の結合と、そのボルトの締め付けにともなう位置決め部材の凹部への圧入による第1,第2の部材の位置決めとを同時に行うようにしてもよい。
実施形態に係る内燃機関のシリンダヘッドの概略構成を示す平面図である。 図1のX1−X1線断面の矢視図である。 図1のX2−X2線断面の矢視図である。 図1のX3−X3線断面の矢視図である。 図4のシリンダヘッドとカムキャップとの分解斜視図である。 シリンダヘッドとカムキャップとの結合手順を説明するための図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 シリンダヘッド
7 吸気用カムシャフト
8 排気用カムシャフト
15 ボルト
20 台座
22 ねじ孔
23 凹部
30 カムキャップ
32 挿通孔
33 凹部
40 ボール

Claims (8)

  1. 第1の部材に形成された第1の凹部と第2の部材に形成された第2の凹部との間に跨って配置される位置決め部材により、上記第1の部材に対する第2の部材の位置決めを行って、上記第1の部材と第2の部材とを結合する結合構造であって、
    上記第1の部材に対する第2の部材の位置決めは、上記位置決め部材の上記第1の凹部および第2の凹部への圧入により、上記第1の凹部および第2の凹部が塑性変形されることによって行われることを特徴とする結合構造。
  2. 請求項1に記載の結合構造において、
    上記位置決め部材が、球状の部材であることを特徴とする結合構造。
  3. 請求項2に記載の結合構造において、
    上記第1の凹部および第2の凹部が、半球状に形成されていることを特徴とする結合構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の結合構造において、
    上記位置決め部材が、上記第1の部材および第2の部材に比べ硬度が大きい部材であることを特徴とする結合構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の結合構造において、
    上記第1の部材が、内燃機関に備えられるシリンダヘッドであり、
    上記第2の部材が、上記シリンダヘッドに取り付けられるカムキャップであることを特徴とする結合構造。
  6. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の結合構造において、
    上記第1の部材が、内燃機関に備えられるシリンダブロックであり、
    上記第2の部材が、上記シリンダブロックに取り付けられるクランクキャップであることを特徴とする結合構造。
  7. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の結合構造において、
    上記第1の部材が、内燃機関に備えられるコネクティングロッドであり、
    上記第2の部材が、上記コネクティングロッドに取り付けられるコネクティングキャップであることを特徴とする結合構造。
  8. 第1の部材と第2の部材とを結合するにあたって、上記第1の部材に形成された第1の凹部と上記第2の部材に形成された第2の凹部との間に跨って配置される位置決め部材を用いて、上記第1の部材に対する第2の部材の位置決めを行うようにした結合方法であって、
    上記位置決め部材として、上記第1の部材および第2の部材に比べ大きな硬度を有する球状の部材を用い、
    上記第1の部材に対する第2の部材の位置決めを、上記位置決め部材を上記第1の凹部および第2の凹部に圧入して、上記第1の凹部および第2の凹部を塑性変形させることによって行うことを特徴とする結合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011241700A (ja) * 2010-05-14 2011-12-01 Otics Corp カムシャフトの軸受構造
JP2015108408A (ja) * 2013-12-04 2015-06-11 愛知機械工業株式会社 位置決め構造および位置決め方法

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