JP2719487B2 - カムシャフトの製造方法 - Google Patents

カムシャフトの製造方法

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JP2719487B2 JP5131815A JP13181593A JP2719487B2 JP 2719487 B2 JP2719487 B2 JP 2719487B2 JP 5131815 A JP5131815 A JP 5131815A JP 13181593 A JP13181593 A JP 13181593A JP 2719487 B2 JP2719487 B2 JP 2719487B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空部を有する管状の
シャフト部材と、軸孔を備えたカムピースとが、拡管治
具によるシャフト部材の膨出変形により接合されてなる
カムシャフトの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用エンジンにおいては、D
OHC機構の採用、シリンダのV型配列等によりカムシ
ャフトの本数が増える傾向にあるが、これに伴ってエン
ジンの動弁系が大型化・重量化するといった問題があ
る。そこで、カムシャフトを中空化することにより動弁
系の軽量化を図るといった手法が提案され、例えば中空
部を有する管状のシャフト部材に、該シャフト部材の外
径より若干径の大きい軸孔が設けられたカムピースを外
嵌した後、シャフト部材を径方向に膨出変形させ、シャ
フト部材外周面をカムピース内周面に圧接させ、シャフ
ト部材とカムピースとを接合させてカムシャフトを形成
するといった手法が提案されている。
【0003】具体的には、管状のシャフト部材にカムピ
ースを外嵌した後、シャフト部材の中空部に高圧流体を
圧入してシャフト部材を径方向に膨出変形させ、シャフ
ト部材とカムピースとを接合させるようにしたカムシャ
フトの製造方法(いわゆるバルジ加工)が提案されている
(例えば、特公平2−62333号公報参照)。また、管
状のシャフト部材にカムピースを外嵌した後、シャフト
部材の中空部に、該中空部より若干径の大きい鋼球ない
し拡径部材を挿入してシャフト部材を径方向に膨出変形
させ、シャフト部材とカムピースとを接合させるように
したカムシャフトの製造方法が提案されている(例え
ば、実開昭58−113805号公報参照)。
【0004】しかしながら、かかる従来のカムシャフト
の製造方法では、シャフト部材とカムピースとの間の接
合力が比較的弱く、カムシャフトの耐久性が低いといっ
た問題がある。また、カムピースの位置決めがなかなか
むずかしいといった問題がある。本発明は上記従来の問
題点を解決するためになされたものであって、軸孔を備
えたカムピースと管状のシャフト部材とが、シャフト部
材の拡管治具による膨出変形によって接合されてなるカ
ムシャフトの製造方法において、カムピースとシャフト
部材とを強固に接合させることができ、かつカムピース
の位置決めを容易に行うことができるカムシャフトの製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、軸孔が設けられたカムピースを所定
の位置に配置し、円柱形の中空部を有する管状のシャフ
ト部材をカムピースの軸孔に嵌挿した後、上記中空部に
該中空部より大径の拡管部を備えた拡管治具を圧入して
シャフト部材を径方向に膨出変形させ、カムピースとシ
ャフト部材とを接合させてカムシャフトを形成するよう
にしたカムシャフトの製造方法において、カムピースの
軸孔の内周面の所定の位置に軸孔軸線方向に伸長する複
数の溝部を設ける一方、シャフト部材の外周面にシャフ
ト部材軸線方向に伸長しかつ上記溝部と係合しうる形状
のふくらみ部を設け、カムピースを支持具の所定の部位
に配置した上で、上記溝部と上記ふくらみ部とが係合す
るようにしてシャフト部材をカムピースの軸孔に嵌挿し
て、カムピースとシャフト部材との相対的な位置関係を
規制(ゆるやかな位置決め)し、この後、上記膨出変形
によりカムピースとシャフト部材とを接合させるように
したことを特徴とするカムシャフトの製造方法を提供す
る。
【0006】また、第2の発明は、第1の発明にかかる
カムシャフトの製造方法において、シャフト部材の径方
向の最大長よりも大径の円穴を備えた支持具を準備し、
該支持具の円穴まわりに円周方向に等間隔で並ぶ複数の
位置の所定の1つに位置決めピンを配置し、上記位置決
めピンと係合しうるピン収容穴を備えたカムピースを、
ピン収容穴が位置決めピンに外嵌されるようにして支持
具に配置し、この後シャフト部材を軸孔及び円穴に嵌挿
することによってカムピースの位置決めを行うようにし
たことを特徴とするカムシャフトの製造方法を提供す
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例として、DOHC式の
V型6気筒エンジン(V6エンジン)の吸気弁用カムシャ
フトの製造方法を、図1に示すフローチャートに従って
具体的に説明する。図1に示すように、ステップ#1で
は、カムシャフト製造時にカムシャフトないしはその部
品を支持するための支持具が組み立てられる。図2(a),
(b)に示すように、支持具Sは、その底部をなす1枚の
ベースプレート1と、該ベースプレート1の上方に所定
の間隔で配置される複数のアッパプレート2と、各プレ
ート1,2間に配置されこれらの各プレート1,2の間隔
を規制する複数の円筒形のプレート間部材3と、各プレ
ート1,2とプレート間部材3とをこれらの配列方向に
連結・固定する複数の連結棒4とで構成されている。こ
こで、連結棒4の下端部は連結ボルト5を用いてベース
プレート1に固定されている。また、連結棒4の上端部
には、最上位のアッパプレート2の上面に配置されたワ
ッシャ6を介して締結ボルト7が螺入され、連結棒4と
締結ボルト7との間の締結力によって、各アッパプレー
ト2と各円筒部材3とが互いに固定されている。なお、
後で説明するように、ベースプレート1と各アッパプレ
ート2とは、夫々、2つのハーフプレートからなり、対
応するハーフプレート同士は、連結ピン8と締結ねじ9
とを用いて連結・一体化されている。
【0008】以下、支持具Sを構成する各部材について
説明する。図3(a),(b)に示すように、ベースプレート
1の第1ハーフプレート1aには、上側穴部11と、該
上側穴部11より小径の中間穴部12と、上側穴部11
と同径の下側穴部13とが、夫々軸線を第1ハーフプレ
ート1aの厚み方向に向けて直列に設けられている。こ
こで、上側穴部11は第1ハーフプレート1aの上面に
開口し、下側穴部13は第1ハーフプレート1aの下面
に開口し、中間穴部12は上側穴部11及び下側穴部1
3と連通している。なお、第1ハーフプレート1aに
は、かかる一連の穴部11〜13が2組設けられてい
る。ここで、支持具Sの組み立て時には、上側穴部11
に連結棒4の下端部が挿入され、この後下側穴部13側
から中間穴部12を通して、連結ボルト5が連結棒4の
ねじ穴23(図8参照)に螺入され、第1ハーフプレート
1aと連結棒4とが固定される(図2参照)。
【0009】また、第1ハーフプレート1aには、夫々
軸線が第2ハーフプレート1b(図4参照)との合わせ面
に直交する方向に向けられた連結ピン挿入穴14aとね
じ穴部15aとが設けられ、連結ピン挿入穴14aとねじ
穴部15aとは夫々第2ハーフプレート1bとの合わせ面
に開口している。なお、第1ハーフプレート1aには、
連結ピン挿入穴14a及びねじ穴部15aが2組設けられ
ている。
【0010】図4(a),(b)に示すように、ベースプレー
ト1の第2ハーフプレート1bにも、第1ハーフプレー
ト1aと同様に上側穴部11と中間穴部12と下側穴部
13とが設けられている(ただし、1組だけ)。また、第
2ハーフプレート1bには、第1ハーフプレート1aの連
結ピン挿入穴14aと対応する位置に連結ピン挿入穴1
4bが設けられ、かつ第1ハーフプレート1aのねじ穴部
15aと対応する位置に、第2ハーフプレート1bを広が
り面方向に貫通する孔部15bが設けられている。ここ
で、支持具Sの組み立て時には、まず連結ピン8の半部
が連結ピン挿入穴14aに挿入され、次に該連結ピン8
の露出部(連結ピン挿入穴14aに挿入されていない部
分)が連結ピン挿入穴14bに挿入され、これによって第
1ハーフプレート1aと第2ハーフプレート1bとが位置
決めされ、この後締結ねじ9が、第2ハーフプレート1
b側から孔部15bを通してねじ穴部15aに螺入され、
第1ハーフプレート1aと第2ハーフプレート1bとが連
結・固定される(図2参照)。
【0011】図5(a),(b)に示すように、アッパプレー
ト2の第1ハーフプレート2aには、連結棒4を通すた
めの2つの穴部16が設けられている。そして、第2ハ
ーフプレート2b(図6参照)との合わせ面に臨んで、半
円形の切欠部17aが設けられ、この切欠部17aの近傍
には、カムピース26(図10参照)を位置決めする位置
決めピン(図示せず)を挿入するための、ピン穴18が設
けられている。また、第1ハーフプレート2aには、夫
々軸線が第2ハーフプレート2bとの合わせ面と直交す
る方向に向けられた連結ピン挿入穴19aとねじ穴部2
0aとが設けられている。これらの連結ピン挿入穴19a
とねじ穴部20aとは、夫々第2ハーフプレート2bとの
合わせ面に開口している。なお、第1ハーフプレート2
aには連結ピン挿入穴19a及びねじ穴部20aが2組設
けられている。
【0012】図6(a),(b)に示すように、アッパプレー
ト2の第2ハーフプレート2bにも、第1ハーフプレー
ト2aと同様に穴部16(ただし、1つだけ)と、切欠部
17bと、ピン穴18(ただし、2つ)とが設けられてい
る。また、第1ハーフプレート2aの連結ピン挿入穴1
9aと対応する位置に連結ピン挿入穴19bが設けられ、
かつ第1ハーフプレート2aのねじ穴部20aと対応する
位置に、第2ハーフプレート2bを広がり面方向に貫通
する孔部20bが設けられている。なお、支持具Sの組
み立て時における、第1ハーフプレート2aと第2ハー
フプレート2bの組み付け方法は、ベースプレート1の
場合と同様である。
【0013】そして、アッパプレート2が組み立てられ
たときにはその中心部付近に、両切欠部17a,17bに
よって円穴17が形成され、この円穴17の周囲に3つ
のピン穴18が位置する。円穴17は、後で説明するシ
ャフト部材25(図10参照)の径方向の最大長よりは若
干大径とされ、シャフト部材25が該円穴17内を通り
抜けることができるようになっている。本実施例ではエ
ンジンがV6タイプとされているので、3つのピン穴1
8は円穴17の周方向に中心角で120°づつ隔てた位
置に配置されている。なお、かかるピン穴の個数及び配
置すべき位置はエンジンの形式によって異なり、例えば
4気筒エンジンのカムシャフトの場合は、ピン穴が4つ
設けられ、これらのピン穴は、周方向に中心角で90°
づつ隔てた位置に配置されることになる。
【0014】図7(a),(b)に示すように、連結棒4を通
すための貫通孔22を備えた円筒形のプレート間部材3
は、ベースプレート1と最下位のアッパプレート2の間
隔、あるいは各アッパプレート2相互間の間隔を規制す
るために、すなわちカムピース26(図10参照)又はジ
ャーナル33(図10参照)のシャフト軸線方向の配設位
置を規制するために設けられている。したがって、各プ
レート間部材3の軸線方向の長さは、どのプレート間に
配置されるかによって異なることになる。図8に示すよ
うに、連結棒4の両端部には、連結ボルト5または締結
ボルト7を螺入するためのねじ穴23が設けられている
(図2参照)。
【0015】支持具Sの組み立ては、例えば、まず連結
ピン8と締結ねじ9とを用いて対応するハーフプレート
同士を連結することによりベースプレート1とアッパプ
レート2とを組み立て、次に連結ボルト5を用いてベー
スプレート1に連結棒4を取り付け、この後ベースプレ
ート1の上にプレート間部材3とアッパプレート2とを
所定の順序で積み重ね、ワッシャ6を介して締結ボルト
7を連結棒4の上端部のねじ穴23に螺入するといった
手順で行われる。
【0016】ステップ#2では、各アッパプレート2の
上面の所定の位置に夫々カムピース又はジャーナルが配
置される。具体的には、支持具Sにはアッパプレート2
が10枚配設され、上側から下側に向かって順に、1,
4,7,10番目のアッパプレート2にジャーナルが配置
され、2,3,5,6,8,9番目のアッパプレート2にカ
ムピースが配置される。
【0017】図9(a)に示すように、カムピース26は
所定の物性を備えた鉄系材料(例えば鋼)で形成され、そ
のカムノーズ部27の中央部には、位置決めピン(図示
せず)を収容しうるピン収容穴28が設けられている。
さらに、カムピース26にはこれを厚み方向に貫通する
略円柱形の軸孔29が設けられ、この軸孔29は基本的
には、図9(b)に示すシャフト部材25をちょうど挿通
させることができる寸法とされている。そして、カムピ
ース26の内周面すなわち軸孔内周面には、軸孔軸線方
向(カムピース厚み方向)に伸長する6つの溝部30が形
成されている。これらの溝部30のうち、1つは軸孔2
9の周方向にみてカムノーズ部27の最も膨出した部分
に対応する位置(ピン収容穴28近傍)に配置されてい
る。そして、これらの6つの溝部30は、軸孔29の周
方向に中心角で互いに60°づつ隔てた位置に配置され
ている。ここで、各溝部30の横断面形状は略円弧状と
され、その深さは0.3mm程度に設定されている。な
お、かかる溝部30の個数及び配置すべき位置は上記の
ものに限られるものではなく、種々設定することができ
るのはもちろんである。
【0018】そして、アッパプレート2の上面にカムピ
ース26を配置する際には、カムピース26を配置する
前にアッパプレート2の3つのピン穴18のうち、所定
の1つに位置決めピン(図示せず)が挿入される。本実施
例では、上側から下側に向かって2番目と3番目のアッ
パプレート2では円穴17の周方向にみて同じ位置(便
宜上、これを第1ピン挿入位置という)に配置されたピ
ン穴18に位置決めピンが挿入され、5番目と6番目の
アッパプレート2では第1ピン挿入位置に対して円穴1
7の周方向に中心角で120°隔てた位置(便宜上、こ
れを第2ピン挿入位置という)に配置されたピン穴18
に位置決めピンが挿入され、8番目と9番目のアッパプ
レート2では第2ピン挿入位置に対して、円穴17の周
方向にさらに中心角で120°隔てた位置に配置された
ピン穴18に位置決めピンが挿入される。そして、ピン
収容穴28が上記位置決めピンに外嵌されるようにし
て、かつ軸孔29が平面視で円穴17とほぼ重なるよう
にして、カムピース26が対応するアッパプレート2上
に配置される。
【0019】図9(c)に示すように、ジャーナル33は
カムピース26と同様の鉄系材料で形成され、このジャ
ーナル33にはこれを厚み方向に貫通する略円柱形の軸
穴34が設けられている。そして、軸穴34は、カムピ
ース26の軸孔29と同一の形状とされ、その内周面に
は軸穴軸線方向(ジャーナル厚み方向)に伸長する6本の
溝部35が形成されている。これらの溝部35の形状な
いしは配設位置が、カムピース26の溝部30と同一で
あるのはもちろんである。なお、ジャーナル33はカム
ピース26とは違って方向性がないので、位置決めピン
を用いず、軸穴34が平面視で円穴17とほぼ重なるよ
うにして、対応するアッパプレート2上に配置される。
図2(a),(b)は、このようにして、カムピース26及び
ジャーナル33が、夫々、対応するアッパプレート2上
に配置された状態を示している。
【0020】ステップ#3では、夫々、対応するアッパ
プレート2上の所定の位置に配置されたカムピース26
及びジャーナル33の軸孔29及び軸穴34と、アッパ
プレート2の円穴17とに、図9(b)あるいは図10に
示すような中空部24を有する管状のシャフト部材25
が嵌挿される。図9(b)及び図10に示すように、シャ
フト部材25の外周面には、シャフト部材軸線方向に伸
長する6つのふくらみ部32が形成されている。これら
のふくらみ部32は、シャフト部材周方向に中心角で互
いに60°づつ隔てた位置に配置されている。ここで、
各ふくらみ部32の横断面形状は、溝部30,35と係
合できるような略円弧状とされ、その高さは溝部30,
35の深さよりはやや小さい0.2mm程度に設定されて
いる。
【0021】前記したとおり、各カムピース26は位置
決めピンによって位置決めされているので、シャフト部
材25が軸孔29及び軸穴34と円穴17とに嵌挿され
ると、各カムピース26は、自然にその周方向に関して
所定の位置に正確に配置される。したがって、カムピー
ス26の位置決めが非常に容易となり、かつ配置の精度
が高められる。なお、カムピース26はピン収容穴28
が形成されているので、その分軽くなり、カムシャフト
Cが軽量化される。
【0022】ステップ#4では、シャフト部材25の中
空部24に拡管治具が圧入され、シャフト部材25が径
方向外向きに膨出変形(塑性変形)させられる。図11に
示すように、拡管治具Jは、実質的に、略円柱形の軸部
36と、該軸部36の直径よりもやや大きい(例えば、
0.5〜1.0mm大きい)直径を有する球形の拡管部37
とで構成されている。ここで、拡管部37の直径は、シ
ャフト部材25の中空部24の内径よりも若干大きく設
定され、拡管治具Jが中空部24に圧入されたときに
は、シャフト部材25が拡管部37によって径方向外向
きに膨出変形させられるようになっている。なお、拡管
部37は所定の硬度(例えば、HRC50以上)を有する
鉄系材料(例えば、S55C)で形成されている。なお、
拡管部37は球形のものに限定されるものではなく、シ
ャフト部材25を径方向にほぼ一様に膨出変形させられ
るものであればどのような形状でもよいのはもちろんで
ある(例えば、円柱形、卵型等)。
【0023】そして、拡管治具Jはプレス装置(図示せ
ず)等を用いて、シャフト部材25の中空部24に所定
の押圧力(例えば、3〜4.5ton)で圧入される。これに
よって、シャフト部材25が拡管治具J(拡管部37)に
よって径方向外向きに膨出変形させられ、図12(a),
(b)に示すように、シャフト部材25の外周面がカムピ
ース26の内周面及びジャーナル33の内周面に圧接さ
せられ、シャフト部材25と、各カムピース26及び各
ジャーナル33とが強固に接合させられる。このとき、
シャフト部材25のふくらみ部32が、カムピース26
の溝部30及びジャーナル33の溝部35と嵌合するの
で、シャフト部材25と、カムピース26及びジャーナ
ル33との間の接合力が十分に高められ、カムシャフト
(図13参照)の耐久性が大幅に高められる。
【0024】ステップ#5では、拡管治具Jが、シャフ
ト部材25の中空部24から抜去される。続いて、ステ
ップ#6で、支持具Sが部分的に解体され、カムシャフ
トCが取り出される。なお、この場合、ベースプレート
1の両ハーフプレート1a,1bを締結している締結ねじ
9と、各アッパプレート2の両ハーフプレート2a,2b
を締結している締結ねじ9とを取り外すだけで、支持具
Sが縦割りで2つに分割され、カムシャフトCを取り外
すことができる状態になる。
【0025】ステップ#7では、カムシャフトCに対し
て所定の後加工が施される。すなわち、図13に示すよ
うに、カムシャフトCに、エンドプレート38、軸受部
39、スプロケット取り付け部40等が取り付けられ、
カムシャフトCが完成する。なお、スプロケット取り付
け部40は固定ピン41を用いてカムシャフト本体に固
定される。
【0026】このようにして、本発明にかかる製造方法
で実際に製造された5本のカムシャフトC(No.1〜N
o.5)について、その周方向の強度ないし耐久性を測定
した結果を次に示す。なお、カムシャフトCの周方向の
強度は、シャフト部材25を固定した上で、カムピース
26にカムシャフト周方向の力すなわちトルクを加え、
このトルクを徐々に高めてゆき、カムピース26がシャ
フト部材25に対して周方向にずれ始めた時点における
トルク値(kg−m)であらわしている。なお、これらの
カムシャフトCの各部材の形状、材質等は次の通りであ
る。 カムピース厚さ ;14mm カムピースの材質 ;S50C カムピースの溝部の数 ;12 シャフト部材外径 ;32.4mm シャフト部材内径 ;24mm シャフト部材の材質 ;STKM17C−S−C シャフト部材のふくらみ部の数 ;12 拡管治具の拡管部外径 ;24.8mm
【0027】<カムシャフトの周方向の強度> No.1 112 kg−m No.2 88 kg−m No.3 100 kg−m No.4 110 kg−m No.5 95 kg−m (平均) (101 kg−m) このように、5本のカムシャフトCはいずれも、十分な
周方向の強度を備えている。
【0028】また、これらのカムシャフトC(No.1〜
No.5)について、カムシャフト軸線方向の強度ないし
耐久性を測定した結果を次に示す。なお、カムシャフト
Cのカムシャフト軸線方向の強度は、シャフト部材25
を固定した上で、カムピース26にカムシャフト軸線方
向の力を加え、この力を徐々に高めてゆき、カムピース
26がシャフト部材25に対してカムシャフト軸線軸方
向にずれ始めた時点における押圧力(ton)であらわし
ている。 <カムシャフトの軸線方向の強度> No.1 3.1 ton No.2 3.5 ton No.3 4.3 ton No.4 4.0 ton No.5 3.5 ton (平均) (3.7 ton) このように、各カムシャフトCはいずれも、十分な軸線
方向の強度を備えている。
【0029】このように、本発明にかかる製造方法によ
れば、シャフト部材25と、カムピース26及びジャー
ナル33とを強固に接合させることができ、カムシャフ
トCの耐久性が大幅に高められる。また、カムピース2
6の位置決めが極めて容易となる。
【0030】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、カムピース
とシャフト部材との相対的な位置関係が規制された後、
拡管治具の圧入により、シャフト部材の外周面がカムピ
ースの内周面に圧接させられ、シャフト部材とカムピー
スとが接合させられる。このとき、シャフト部材のふく
らみ部がカムピースの溝部と嵌合するので、シャフト部
材とカムピースとの間の接合力が十分に高められ、カム
シャフトの耐久性が大幅に高められる。
【0031】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、カムピース
配置時に、ピン収容穴と、所定の位置に配置された位置
決めピンとによってカムピースが位置決めされるので、
シャフト部材を軸孔及び円穴に嵌挿すると自然にカムピ
ースが所定の位置に正確に配置される。このため、カム
ピースの配置ないしは位置決めが極めて容易となり、カ
ムシャフトの寸法精度が高められる。また、ピン収容穴
が形成された分だけカムシャフトが軽量化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カムシャフトの製造方法を示すフローチャー
トである。
【図2】 (a),(b)は、夫々、支持具の平面説明図と立
面説明図とである。
【図3】 (a),(b)は、夫々、ベースプレートを構成す
る第1ハーフプレートの平面説明図と立面説明図とであ
る。
【図4】 (a),(b)は、夫々、ベースプレートを構成す
る第2ハーフプレートの立面説明図と平面説明図とであ
る。
【図5】 (a),(b)は、夫々、アッパプレートを構成す
る第1ハーフプレートの平面説明図と立面説明図とであ
る。
【図6】 (a),(b)は、夫々、アッパプレートを構成す
る第2ハーフプレートの立面説明図と平面説明図とであ
る。
【図7】 (a),(b)は、夫々、プレート間部材を側面か
らみた図と軸線方向からみた図とである。
【図8】 連結部材の側面説明図である。
【図9】 (a)はカムピースを軸線方向からみた図であ
り、(b)はシャフト部材を軸線方向からみた図であり、
(c)はジャーナルを軸線方向からみた図である。
【図10】 カムピース及びジャーナルを伴ったシャフ
ト部材の斜視説明図である。
【図11】 拡管治具の先端部付近の模式図である。
【図12】 (a)はシャフト部材とカムピースとの間の
接合状態を示す図であり、(b)はシャフト部材とジャー
ナルとの間の接合状態を示す図である。
【図13】 完成したカムシャフトの側面説明図であ
る。
【符号の説明】
C…カムシャフト J…拡管治具 S…支持具 17…円穴 24…中空部 25…シャフト部材 26…カムピース 28…ピン収容穴 29…軸孔 30…溝部 32…ふくらみ部 37…拡管部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸孔が設けられたカムピースを所定の位
    置に配置し、円柱形の中空部を有する管状のシャフト部
    材をカムピースの軸孔に嵌挿した後、上記中空部に該中
    空部より大径の拡管部を備えた拡管治具を圧入してシャ
    フト部材を径方向に膨出変形させ、カムピースとシャフ
    ト部材とを接合させてカムシャフトを形成するようにし
    たカムシャフトの製造方法において、 カムピースの軸孔の内周面の所定の位置に軸孔軸線方向
    に伸長する複数の溝部を設ける一方、シャフト部材の外
    周面にシャフト部材軸線方向に伸長しかつ上記溝部と係
    合しうる形状のふくらみ部を設け、 カムピースを支持具の所定の部位に配置した上で、上記
    溝部と上記ふくらみ部とが係合するようにしてシャフト
    部材をカムピースの軸孔に嵌挿して、カムピースとシャ
    フト部材との相対的な位置関係を規制し、 この後、上記膨出変形によりカムピースとシャフト部材
    とを接合させるようにしたことを特徴とするカムシャフ
    トの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたカムシャフトの製
    造方法において、 シャフト部材の径方向の最大長よりも大径の円穴を備え
    た支持具を準備し、該支持具の円穴まわりに円周方向に
    等間隔で並ぶ複数の位置の所定の1つに位置決めピンを
    配置し、 上記位置決めピンと係合しうるピン収容穴を備えたカム
    ピースを、ピン収容穴が位置決めピンに外嵌されるよう
    にして支持具に配置し、 この後シャフト部材を軸孔及び円穴に嵌挿することによ
    ってカムピースの位置決めを行うようにしたことを特徴
    とするカムシャフトの製造方法。
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