JP2010025061A - 内燃機関の点火時期制御装置及び点火時期制御方法 - Google Patents

内燃機関の点火時期制御装置及び点火時期制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バルブ特性を変更する過渡期におけるノッキングの発生及び出力低下を抑制できる内燃機関の点火時期制御装置及び点火時期制御方法を提供する。
【解決手段】吸気バルブ9のバルブ特性を可変とする可変動弁機構を備えるエンジン1に適用され、吸気バルブ9のバルブ特性の変化に伴い点火時期を変更する電子制御装置30において、可変動弁機構の駆動により、吸気バルブ9の閉弁時期が吸気下死点前と吸気下死点後との間で移行する過渡期のうち、最もノッキングが発生しやすいノッキング発生時期を前記内燃機関の運転状態に基づき算出し、過渡期のうち、実際の閉弁時期が該ノッキング発生時期以前となる期間では、バルブ特性の変更前に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出し、実際の閉弁時期が前記ノッキング発生時期を超えた期間では、バルブ特性の変更後に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の点火時期制御装置及び点火時期制御方法に関する。
従来より、機関バルブのバルブ特性を変更する可変動弁機構を搭載した内燃機関が実用化されている。この可変動弁機構としては、機関バルブの最大リフト量を変更するリフト量可変機構や、開閉時期の中心位相をクランクシャフトの回転角度に対して遅角又は進角させるバルブタイミング可変機構がある。リフト量可変機構は、最大リフト量、開弁時期及び閉弁時期を互いに同期させながら変更する機構であり、例えば内燃機関に対して要求される出力に応じて吸気バルブの最大リフト量を変更することによって、吸気タイミングや吸入空気量を制御する。バルブタイミング可変機構は、機関バルブの開弁期間を一定に保持した状態で、機関バルブの開弁時期及び閉弁時期の両方を進角又は遅角する機構である。
このように、最大リフト量等といったバルブ特性を変更させる内燃機関においては、バルブ特性毎に適切な点火時期が異なるために、点火時期を算出するための点火時期マップをバルブ特性に応じて設定している。バルブ特性が変更されると、その目標値に最も近い点火時期マップが用いられる。
しかし、切り換え要求が出力されてから、実際にバルブ特性が切り換えられるまでには、応答遅れ(過渡期)が存在する。このため、バルブ特性の切り換え要求が出力された時点で、点火時期マップを直ちに切り換えると、切り換えに起因するノッキング等の問題が発生してしまう。
これに対し、特許文献1に記載された点火時期制御装置では、吸入空気量が基準空気量を超えたか否か等に基づき、実際にバルブ特性の切り換えが完了したか否かを推定している。そして、バルブ特性の切り換えが完了したと推定されるタイミングで、バルブ特性変更前の点火時期マップから、変更後の点火時期マップに切り換えている。
同様に特許文献2も、バルブ特性の切り換えが完了したタイミングを推定して、点火時期を算出するために用いる点火時期マップを変更している。具体的には、バルブ特性の変更指令が出力されてから実際にバルブ特性が切り換えられるまでの応答遅れ時間を予め実験等によって求め、該応答遅れ時間に、特定気筒の吸気が開始されるまでの遅れ時間を加算し、この応答遅れ時間が経過した際に、バルブ特性変更後の点火時期マップを用いて点火時期を算出する。変更指令が出力されてから応答遅れ時間が経過するまでの過渡期は、バルブ特性変更後の基本点火時期から補正量を減算して、最終点火時期を、変更前の基本点火時期付近に調整している。
特開平7−224746号公報 特開2006−266093号公報
しかし、上記したように、過渡期にバルブ特性変更前の点火時期マップを用い、バルブ特性の切り換えが完了したタイミングを推定して点火時期マップを切り換えると、要求される出力が高い期間であるにも関わらず、点火時期が過度に遅角されてしまい、実際の機関出力が低くなってしまう可能性がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、バルブ特性を変更する過渡期におけるノッキングの発生及び出力低下を抑制できる内燃機関の点火時期制御装置及び点火時期制御方法を提供することにある。
上記問題点を解決するための手段及び作用効果について以下に記載する。
請求項1に記載の発明は、吸気バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構を備える内燃機関に適用され、前記吸気バルブのバルブ特性の変化に伴い点火時期を変更する内燃機関の点火時期制御装置において、前記可変動弁機構の駆動によって前記吸気バルブの閉弁時期が吸気下死点前と吸気下死点後との間で移行する過渡期のうち、最もノッキングが発生しやすい閉弁時期であるノッキング発生時期を、前記内燃機関の運転状態に基づき算出するノック時期算出手段と、前記過渡期のうち、実際の閉弁時期が前記ノッキング発生時期以前となる期間では、変更前のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出し、実際の閉弁時期が前記ノッキング発生時期を超えた期間では、変更後のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出する点火時期演算手段とを備えた。
上記構成によれば、機関運転状態に基づき、過渡期のうちノッキングが最も発生しやすいノッキング発生時期を算出し、閉弁時期が該ノッキング発生時期以前となる期間では、変更前のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出し、ノッキング発生時期を超えた期間では、変更後のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出する。このため、低負荷状態からノッキング発生時期の期間は、ノッキングの発生を未然に防ぐように点火時期を調整し、高負荷状態では機関出力の低下を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の点火時期制御装置において、前記点火時期演算手段は、前記吸気バルブの閉弁時期が、吸気下死点前から吸気下死点後に移行する前記過渡期のうち、実際の閉弁時期が前記ノッキング発生時期以前となる期間では、変更前のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出し、実際の閉弁時期が前記ノッキング発生時期を超えた期間では、前記ノッキング発生時期以前となる期間に対応する前記基本点火時期よりも進角側の基本点火時期を用いて点火時期を算出する。
上記構成によれば、吸気バルブの閉弁時期が吸気下死点前から吸気下死点後に移行する際に、実際の閉弁時期がノッキング発生時期以前となる期間では、変更前の基本点火時期が用いられるため、点火時期を比較的遅角側に設定させることができる。従って、ノッキングの発生を未然に防ぐことができる。また、ノッキング発生時期を超えた期間では、進角側に設定された基本点火時期を用いるため、機関出力の低下を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置において、前記点火時期演算手段は、前記吸気バルブの閉弁時期が前記ノッキング発生時期を超えた期間では、その閉弁時期が前記ノッキング発生時期に近い時期である場合に大きく、前記ノッキング発生時期から離れるに伴い減少する補正量を用いて、点火時期を予め遅角させる調整を行う。
上記構成によれば、ノッキング発生時期付近において大きな補正量で点火時期が遅角され、ノッキング発生時期から離れるに伴い減少する補正量で点火時期が予め遅角される。このため、強いノッキングの発生を未然に防ぎ、且つ機関負荷の低下を防止することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置に
おいて、前記点火時期演算手段は、前記吸気バルブの閉弁時期が前記ノッキング発生時期以前となる期間では、その閉弁時期が前記ノッキング発生時期に近付くに伴い増大する補正量を用いて、点火時期を予め遅角させる調整を行う。
上記構成によれば、ノッキング発生時期に近付くに伴い増大する補正量で点火時期が予め遅角される。このため、強いノッキングの発生を未然に防ぐことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の点火時期制御装置において、前記点火時期演算手段は、前記吸気バルブの閉弁時期が前記ノッキング発生時期に近付くに伴い増大し、前記ノッキング発生時期から離れるに伴い減少する補正量を用いて、点火時期を予め遅角させる調整を行う。
上記構成によれば、ノッキング発生時期付近において最も増大する補正量を用いて点火時期が予め遅角されるので、強いノッキングを未然に防ぐことができる。また、ノッキング発生時期から離れるに伴い減少する補正量を用いて点火時期が遅角されるので、機関負荷の低下を防止することができる。
請求項6に記載の発明は、吸気バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構を備える内燃機関に適用され、前記吸気バルブのバルブ特性の変化に伴い点火時期を変更する内燃機関の点火時期制御方法において、前記可変動弁機構の駆動によって前記吸気バルブの閉弁時期が吸気下死点前と吸気下死点後との間で移行する過渡期のうち、最もノッキングが発生しやすい閉弁時期であるノッキング発生時期を、前記内燃機関の運転状態に基づき算出し、前記過渡期のうち、実際の閉弁時期が前記ノッキング発生時期以前となる期間では、変更前のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出し、実際の閉弁時期が前記ノッキング発生時期を超えた期間では、変更後のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出する。
上記方法によれば、機関運転状態に基づき、過渡期のうちノッキングが最も発生しやすいノッキング発生時期を算出し、閉弁時期が該ノッキング発生時期以前となる期間では、変更前のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出し、ノッキング発生時期を超えた期間では、変更後のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出する。このため、低負荷状態からノッキング発生時期の期間は、ノッキングの発生を未然に防ぐように点火時期を調整し、高負荷状態では機関出力の低下を抑制することができる。
以下、本発明を自動車用エンジンの点火時期制御装置に具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。本実施形態のエンジンとしては、アトキンソンサイクル(ミラーサイクル)エンジンが採用されている。このアトキンソンサイクルエンジンは、吸気バルブの閉弁時期をオットーサイクルよりも大幅に進角又は遅角させることで、圧縮比よりも膨張比を高くし、混合ガスの燃焼エネルギーを効率よくエンジン出力へ変換させるエンジンである。本実施形態では、吸気バルブの閉弁時期を吸気下死点よりも大幅に遅角させる遅閉じアトキンソンサイクルを採用しており、低負荷運転時には通常運転を行い、中負荷運転状態に閉弁時期を大幅に遅角させる制御を行う。このように吸気バルブの閉弁時期を吸気下死点よりも遅角させることにより、吸入した混合気を吸気ポートに一部吹き返して実圧縮比を下げ、相対的に膨張比を高めることができる。図1は、このエンジン1及びその周辺の概略図である。
エンジン1の燃焼室2には、吸気通路3を通じて空気が流入され、燃料噴射弁4から噴射された燃料が供給される。点火プラグ5による点火が実行されると、空気と燃料とからなる混合気が燃焼して、シリンダブロック13に設けられた複数の気筒内をピストン6が
往復移動し、エンジン1の出力軸であるクランクシャフト7が回転する。そして、燃焼後の混合気は、排気として燃焼室2から排気通路8に送り出される。燃焼室2と吸気通路3との間は、吸気バルブ9の開閉動作によって連通及び遮断され、燃焼室2と排気通路8との間は排気バルブ10の開閉動作によって連通及び遮断される。
エンジン1は、吸気バルブ9のバルブ特性を可変とする可変動弁機構として、吸気バルブ9のリフト量及び作用角を連続的に変更可能なリフト量可変機構15と、吸気バルブ9の開閉時期の中心位相をクランクシャフトの回転角度に対して遅角又は進角させるバルブタイミング可変機構16とを備えている。従って、リフト量を変更し、且つ吸気バルブ9の開弁時期及び閉弁時期をそれぞれ独立して制御することができるので、要求される出力に応じて吸入空気量を調整することができる。
リフト量可変機構15は、電動モータ17を駆動源とし、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気バルブ9の開弁時期及び閉弁時期を同期して変化させる。また、バルブタイミング可変機構16は、油圧回路を通じて、同機構16に作用する油圧を制御することにより駆動され、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト11の相対回転位相を変更する。
電子制御装置30は、各種演算処理を実行するCPU、各処理を実行するためのプログラム及び各種マップが格納されたROM、演算結果が一時的に記憶されるRAM、各種センサからの検出信号を入力する入力ポート、及び出力ポートを備えている。この電子制御装置30は、ノック時期算出手段、点火時期演算手段及び点火時期制御装置に対応する。
電子制御装置30の入力ポートには、アクセルセンサ21、スロットルポジションセンサ23、エアフローメータ24、クランクポジションセンサ25、カムポジションセンサ26、ノックセンサ27、及びリフト量センサ28等から出力された各検出信号がそれぞれ入力される。
アクセルセンサ21は、アクセルペダル20の操作量(アクセル開度)を検出する。また、スロットルポジションセンサ23は、スロットルバルブ29の開度を検出する。エアフローメータ24は、吸気通路3に設けられ、該通路3に吸入される空気量を検出する。クランクポジションセンサ25は、クランクシャフト7のクランク角を検出し、カムポジションセンサ26は、吸気カムシャフトの回転位相等を検出する。ノックセンサ27は、エンジン1のシリンダブロック13に取り付けられた振動検出センサであって、ノッキング発生に伴う振動を電気的信号に変換する。リフト量センサ28は、電動モータ17の駆動量を検出し、その時点での最大リフト量を検出する。
そして、電子制御装置30は、各種センサから入力した検出信号に基づき、機関回転速度や機関負荷といった機関運転状態を把握する。機関回転速度は、クランクポジションセンサ25に基づき算出される。機関負荷は、機関回転速度と、アクセルセンサ21,スロットルポジションセンサ23、エアフローメータ24等の検出信号とに基づき算出される。電子制御装置30は、機関運転状態に応じて、出力ポートに接続された各種駆動回路に指令信号を出力する。こうして、吸気バルブ9のバルブタイミング制御、吸気バルブ9の最大リフト量及作用角の制御、点火時期制御等が電子制御装置30によって実行される。
次に、出力要求に対して変更される吸気バルブ9のバルブ特性について図2に従って説明する。図2は、吸気バルブ9の開弁時期IVO及び閉弁時期IVCをクランク角に対して示すバルブタイミング図である。例えば、エンジン1に対する要求出力が小さい場合には、燃焼室2に吸入する空気量を制限するため、最大リフト量が比較的小さい目標値L1に設定された低負荷運転用の制御モードが設定される。例えば、図2(a)に示すように
、吸気バルブ9の開弁時期IVOは吸気上死点(TDC)よりも遅い時期に設定され、閉弁時期IVCは吸気下死点(BDC)よりも前の時期に設定される。この場合、開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの作用角は、180°CA未満となる。
また、低負荷運転状態においてアクセルペダル20の操作量が増大し、エンジン1に対する出力要求が増大すると、低負荷運転から中負荷域のアトキンソンサイクルに移行する。ここでは、吸入空気量を増大させつつ、実圧縮比を低下させて燃費を向上させるため、最大リフト量の目標値を高く設定し、且つ吸気バルブ9の閉弁時期IVCを大幅に遅角させる。即ち、最大リフト量が、低負荷側の制御モードよりも大きい目標値L2に設定される(目標値L1<目標値L2)。
これにより、例えば図2(b)に示すように、開弁時期から閉弁時期までの作用角α2は、低負荷運転時の作用角α1よりも大きい値(180°CA以上)に設定される。また、開弁時期IVOは吸気上死点よりも早い時期に設定され、閉弁時期IVCは吸気下死点よりも大幅に遅い時期に設定される。この場合の閉弁時期IVCの吸気下死点からの遅角量は、低負荷運転時の閉弁時期IVCの吸気下死点からの進角量よりも大きくなる。このように閉弁時期IVCを吸気下死点よりも大幅に遅角させると、膨張比が実圧縮比よりも高められ、中負荷運転時においても燃焼エネルギーを効率よく出力に変換することができる。
そして、最大リフト量及びバルブタイミングが、図2(a)に示す低負荷運転用の制御モードから、図2(b)に示す中負荷運転用の制御モードに移行する際、閉弁時期IVCが吸気下死点よりも前の時期から、吸気下死点の後の時期へと連続的に変化する。このような閉弁時期IVCが変化する過渡期には、吸気バルブ9が、一時的に吸気下死点付近で閉弁する時期が存在する。このように吸気バルブ9の閉弁時期IVCが吸気下死点付近となるとき、圧縮比が最も大きくなり、ノッキングが発生しやすくなる。上記過渡期のうち、最もノッキングを頻発させやすい閉弁時期IVC(最頻発時期)は、必ずしも吸気下死点に一致する時期ではなく、さらに機関回転速度等の機関運転状態によっても変化する。また、実際の閉弁時期が、この最もノッキングを頻発させやすい最頻発時期に近付くに伴い、気筒内の圧力及び温度は徐々に上昇し、ノッキングを頻発させやすい閉弁時期IVCから離れるに伴い、気筒内の圧力及び温度は徐々に下降する。尚、上記した最頻発時期は、特許請求の範囲のノッキング発生時期に対応する。
上記最頻発時期でのノッキングの発生を抑制するために、過渡期の全体を通して点火時期を大幅に遅角させてノッキングを抑制することも考えられるが、アトキンソンサイクルを採用した制御では実圧縮比を低くすることにより機関出力が低下する短所がある。これに対し、通常の自動車では過給器を用いて出力低下を抑制する方法が用いられているが、例えばハイブリット自動車等では過給器を用いずにモータの併用等で出力低下を補償している。従って、中負荷運転時の制御モードにおける出力低下を極力抑制しているにも関わらず、ノッキングを抑制するために過度に点火時期をさらに遅角することによって、さらなる出力低下を招来することは好ましくない。このため、本実施形態では、最もノッキングを頻発させやすい閉弁時期IVCを求め、該時期を基準として点火時期の遅角量を大きくすることにより、ノッキングの発生を未然に防止し、且つ機関出力の低下を抑制するようにしている。
次に、本実施形態のエンジン点火時期制御について、図3〜図6に従って説明する。低負荷運転時にアクセルペダル20の操作量が大きくなり、エンジン1に対する要求出力が増大すると、図2(a)に示すバルブタイミングから、図2(b)に示すバルブタイミングへと最大リフト量の目標値や目標吸気タイミング等が中負荷用の制御モードに切り換えられる。制御モードの切り換えが要求されると、移行後の制御モードに対応する最大リフ
ト量の目標値等に基づき、リフト量可変機構15及びバルブタイミング可変機構16が駆動される。油圧駆動式のバルブタイミング可変機構16は、電動式のリフト量可変機構15に比べて応答遅れ時間が大きいため、アトキンソンサイクルエンジンのように閉弁時期を大幅に遅角させる場合には、過渡期が長くなる。このように最大リフト量及び吸気バルブ9の開閉時期の中心位相の目標値が切り換えられ、吸気バルブ9の閉弁時期IVCが吸気下死点前から吸気下死点後に変更されると、閉弁時期が移行する過渡期において、図3に示す点火時期算出処理が実行される。
この処理では、まず電子制御装置30のROM等に格納された点火時期マップのうち、図2(a)に対応する低負荷運転用の制御モードに対応するマップM1を用いて、基本点火時期ABASEが算出される(ステップS1)。基本点火時期ABASEは、ノッキングが発生しない前提条件のもとで、最大機関出力が得られる点火時期であって、圧縮上死点を基準位置としてその位置からの進角量(クランク角)で示される。
電子制御装置30は、所定の最大リフト量(作用角)にそれぞれ対応する基本点火時期マップを有しており、該マップには、少なくとも上記最大リフト量の目標値L1(作用角α1)に対応する基本点火時期マップM1(図4(a)参照)と、目標値L2(作用角α2)に対応する基本点火時期マップM2(図4(b)参照)とが含まれている。図4では、各マップM1,M2は、吸入空気量GAに対する基本点火時期ABASEを示した2次元マップとして示しているが、実際は機関回転速度及び吸入空気量GAに応じて基本点火時期ABASEを示している。
各マップM1,M2における基本点火時期ABASEは、吸入空気量GA(機関負荷)の増大に伴い遅角され、吸入空気量GAの減少に伴い進角される。また、図4(b)に示すように、最大リフト量の目標値L2に対応する基本点火時期ABASEは、目標値L1に対応する基本点火時期ABASEよりも、同じ吸入空気量GAにおいて進角側に設定されている。
一方、最大リフト量が目標値L1から目標値L2に変更される間、即ち最大リフト量が変更される過渡期に対応するマップは、データ量が膨大となるため設定されていない。このため、過渡期では、各マップM1,M2のうちいずれか一方を用いて最終点火時期を算出する。本実施形態では、制御モードが中負荷運転用のモードに変更された時点では、先ず最大リフト量の目標値L1に対応する基本点火時期マップM1を用いて、基本点火時期ABASEを算出する。つまり、中負荷運転用のモードに変更された時点で、より進角側に設定された基本点火時期マップM2に切り換えてしまうと、基本点火時期ABASEが過度に進角側に設定されてしまう。すると吸気下死点付近で吸気バルブ9が閉弁する際に、ノッキングがより発生しやすくなってしまう。このため、実際の閉弁時期が、上記した最頻発時期に到達するまでは、遅角側に設定された基本点火時期マップM1を用いる。
基本点火時期ABASEを算出する際には、アクセルセンサ21,スロットルポジションセンサ23、エアフローメータ24等に基づき吸入空気量GAを算出し、該吸入空気量GAに対応する基本点火時期ABASEを、基本点火時期マップM1から求める。
基本点火時期ABASEを算出すると、この基本点火時期ABASEに対し予め遅角補正して、最終点火時期AOPを算出する(ステップS2)。即ち、最終点火時期AOPを算出する場合、通常の点火時期制御では、ノックセンサ27に基づきノッキングの発生の有無を判断し、ノッキングが発生している状況下では点火時期を遅角し、ノッキングが発生していない状況下では点火時期を進角させるフィードバック制御を行う。しかし、閉弁時期が吸気下死点に接近している過渡期では、ノッキングの発生を検出してから点火時期を遅角補正すると、遅角補正するタイミングが遅すぎて、強いノッキングが発生する可能
性があるため、予め基本点火時期ABASEに対して遅角する補正を行う。具体的には、先ずカムポジションセンサ26及びクランクポジションセンサ25等に基づき、吸気バルブ9の現時点の実際の閉弁時期(実閉弁時期)が算出される。そして、算出された実閉弁時期と、ROM等に格納された図5に示す補正量マップとに基づき、補正量AVTが算出される。
補正量マップは、機関回転速度毎に設定されており、算出された閉弁時期、又は閉弁時期に対応する変数に応じて、基本点火時期ABASEを補正するための補正量をAVTを示している。本実施形態では、補正量AVTは、各時期に閉弁した場合の筒内圧力の大きさに比例している。実閉弁時期が上記最頻発時期に近付き、筒内圧力が上昇するに伴い補正量AVTは増大する傾向となり、最頻発時期で補正量AVTは最大となる。また、実閉弁時期が最頻発時期から離れるに伴い、補正量AVTは減少する傾向になる。
最終点火時期AOPを算出する際には、先ず、クランクポジションセンサ25に基づき機関回転速度が算出され、該機関回転速度に対応した補正量マップを読み込む。さらに、カムポジションセンサ26等に基づき算出した実閉弁時期を読み込み、実閉弁時期に対応する補正量AVTを算出する。そして、基本点火時期ABASEから、算出した補正量AVTだけ減算して、基本点火時期ABASEを遅角させて最終点火時期AOPとする。補正量AVTは、吸気バルブ9の閉弁時期が最頻発時期に近付くに伴い増大するため、最終点火時期AOPも閉弁時期が最頻発時期に近付くに伴い遅角側に調整される。
次に、上記した吸気バルブ9の実閉弁時期に基づき、変曲時期TCMが算出される(ステップS4)。変曲時期TCMは、上記補正マップにおいて、補正量AVTが極大値となる閉弁時期であり、上記したようにノッキングの最頻発時期に相当する。
補正マップから、補正量AVTが極大となる変曲時期TCMを算出すると、実閉弁時期が、上記変曲時期TCMを超えたか否かを判断する(ステップS4)。実閉弁時期が変曲時期TCMよりも早い時期である場合、変曲時期TCMを超えていないと判断して(ステップS4においてNO)、ステップS1に戻り、上記した処理を繰り返す。
即ち、実閉弁時期が、最もノッキングが発生しやすい変曲時期TCMを超えない期間は、基本点火時期マップM1に基づき、比較的遅角傾向に設定された基本点火時期ABASEが算出され、さらにその基本点火時期ABASEが補正量AVTだけ遅角される。
そして、実閉弁時期が、変曲時期TCMを超えたと判断されると(ステップS4においてYES)、マップが切り換えられ、基本点火時期マップM2を用いて基本点火時期ABASEが算出される(ステップS6)。即ち、ノッキングの最頻発時期を経過すると、機関出力の低下を抑制するために、進角側に設定された基本点火時期マップM2が用いられる。
基本点火時期ABASEが算出されると、上記した補正マップを用いて、最終点火時期AOPが算出される(ステップS6)。このとき、ステップS2と同様に、その時点の機関回転速度に対応した補正量マップが読み込まれる。さらに読み込んだ補正量マップを用いて、実閉弁時期に対応した補正量AVTが算出される。
補正量AVTが算出されると、基本点火時期マップM2に基づく基本点火時期ABASEに対し補正量AVTを減算することにより遅角させ、最終点火時期AOPとする。このため、点火時期を急速に遅角側から進角側へ切り換えることなく、徐々に進角側に変化させて、点火時期切り換えによるショックを低減することができる。また、実閉弁時期が変曲時期TCM付近であるときは、比較的大きな補正量AVTで遅角補正するため、ノッキ
ングの発生を抑制することができる。
このように、最終点火時期AOPが算出されると、リフト量センサ28の検出信号に基づき最大リフト量が目標値に到達したか否かを判断し(ステップS7)、最大リフト量が目標値に到達していない場合には(ステップS7においてNO)、ステップS5に戻り、基本点火時期マップM2を用いて点火時期を算出する。このため、ノッキングの最頻発時期を経過した後は、機関出力の向上、及びアトキンソンサイクルによる燃費向上を図ることができる。最大リフト量が目標値に到達すると(ステップS7においてYES)、該処理を終了する。
次に、吸気バルブ9の作用角の変化に応じたマップの切り換えタイミングについて図6に従って説明する。低負荷運転用の制御モードから高負荷運転用の制御モードに切り換えられると、図6(a)に示すように、最大リフト量の目標値が、目標値L1から、より大きい目標値L2に切り換えられる(時間T1)。最大リフト量やバルブタイミングの目標値が切り換えられると、リフト量可変機構15及びバルブタイミング可変機構16が駆動回路を介して駆動制御され、図6(c)に示すように、閉弁時期が、TC1からTC2に向かって変更される。また、図6(d)に示すように、最大リフト量が増大するに伴い、吸気バルブ9の実作用角が、作用角の目標値R2(作用各α2)に向かって増大する。
尚、従来は、図6(f)に示す比較例のように、最大リフト量の目標値が変更された時間T1で、基本点火時期ABASEを算出するためのマップが、基本点火時期マップM1よりも進角側に設定された基本点火時期マップM2に切り換えられていた。このため、実閉弁時期が変曲時期TCMに接近しているにも関わらず基本点火時期ABASEが進角側に設定されていた。このとき、基本点火時期ABASEに対して、予め設定された学習値等により補正を行ったとしても、最終点火時期AOPは、図中2点鎖線で示すように進角側に設定されてしまう。従って、実閉弁時期がノッキングの最頻発時期付近である場合も、点火時期が進角側に設定され、圧縮比が増大してノッキングが発生しやすくなる。
また、例えば、実際の最大リフト量が目標値L2に到達したタイミング(時間T3)で、基本点火時期ABASEを算出するためのマップが、基本点火時期マップM1よりも進角側に設定された基本点火時期マップM2に切り換えられると、変曲時期TCMを超えた後でも遅角側に設定された点火時期が算出される。このため、得られる出力が低くなってしまう。特に、本実施形態のようにアトキンソンサイクルを用いる場合、閉弁時期を吸気下死点に対して大幅に遅角させるため、出力低下が顕著となってしまう。
本実施形態では、図6(e)に示すように、実閉弁時期が上記変曲時期TCMを超える時間T2までは、基本点火時期マップM1を用いて、吸入空気量GAに応じた基本点火時期ABASEを算出する。この基本点火時期マップM1に基づき算出された基本点火時期ABASEは、基本点火時期マップM2に基づき算出された基本点火時期ABASEに比べ遅角側である。さらに基本点火時期ABASEは、補正マップに基づき遅角側に補正されるため、最終点火時期AOPは、2点鎖線で示すように、変曲時期TCMに近付くに伴い遅角傾向となる。尚、図6(e)及び図6(f)中、2点鎖線で示す最終点火時期AOPは、過渡期のみにおける最終点火時期を示している。
そして、閉弁時期が変曲時期TCMに到達した時点では、基本点火時期マップM1が継続して用いられており、基本点火時期ABASEが最も遅角側に設定されるとともに、補正マップに基づく補正量AVTも最大となる。このため、最終点火時期AOPは、マップが切り換えられた時間T2で最も遅角された状態となる。従って、最もノッキングが発生しやすい時期で点火時期が最も遅角されるため、ノッキングの発生をより確実に抑制することができる。
さらに閉弁時期が変曲時期TCMを超えると(時間T2)、図6(b)に示すように進角側に設定された基本点火時期マップM2に切り換えられる。このため、図6(e)に示すように、基本点火時期ABASE自体は、一気に進角側に切り換えられる。また、補正マップの補正量AVTは、基本点火時期マップM2に切り換えられた時点は比較的大きいため、閉弁時期が変曲時期TCM付近である場合には、最終点火時期AOPを遅角させてノッキングを抑制することができる。そして、閉弁時期が変曲時期TCMから離れるに伴い、補正量AVTは徐々に小さくなるため、最終点火時期AOPは徐々に進角する傾向となる。
最大リフト量が目標値L2に到達すると(時間T3)、過渡期における点火時期制御を終了し、通常の点火時期制御を実行する。例えば、基本点火時期マップM2を用いて基本点火時期ABASEが算出され、この基本点火時期ABASEに対し、ノッキングの発生状況に応じたフィードバック制御等が行われる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、機関運転状態に基づき、吸気バルブ9の閉弁時期が吸気下死点前と吸気下死点後との間となる過渡期のうち、最もノッキングが発生しやすい最頻発時期を、補正マップを用いて変曲時期TCMとして算出する。また、実際の閉弁時期が変曲時期以前となる期間では、変更前のバルブ特性に対応する基本点火時期ABASEを用いて点火時期を算出し、実際の閉弁時期が変曲時期TCMを超えた期間では、変更後のバルブ特性に対応する基本点火時期ABASEを用いて点火時期を算出する。このため、ノッキングが発生しやすい期間は、ノッキングの発生を抑制するように点火時期を遅角側に調整し、中負荷域では、遅角側に設定した点火時期を進角側に調整し、機関出力の低下を抑制することができる。
(2)上記実施形態では、吸気バルブ9の閉弁時期が吸気下死点前から吸気下死点後に移行する過渡期において、閉弁時期が上記変曲時期以前となる期間では、吸気バルブ9の閉弁時期に応じて変化する補正量AVTに基づき、基本点火時期ABASEに対する遅角させる調整を行う。このため、最終点火時期AOPを予め十分に遅角させることができるので、ノッキングの発生を未然に防ぐことができる。
(3)上記実施形態では、基本点火時期ABASEを補正するための補正量AVTを、吸気バルブ9の閉弁時期が最頻発時期に近付くに伴い増大させ、最頻発時期から離れるに伴い減少させる。このため、変曲時期付近では、点火時期を大きく遅角補正し、ノッキングをより確実に抑制することができる。また、変曲時期TCMを経過した後は、補正量AVTを小さくすることで、出力低下を抑制することができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ノックセンサ27は、筒内圧力の変動分をノッキング信号として出力する燃焼室に取り付けた筒内圧検出用のセンサでもよい。
・上記実施形態では、エンジン1を、アトキンソンサイクルが採用されたエンジンとしたが、オットーサイクルエンジンでもよい。
・上記実施形態では、可変動弁機構として、リフト量可変機構15と、バルブタイミング可変機構16とを備えるようにしたが、いずれか一方のみでもよい。
・上記実施形態では、カムポジションセンサ26等に基づいて実閉弁時期を算出し、実閉弁時期が変曲時期TCMを超えたか否かを判断するようにしたが、作用角に基づき判断してもよい。この場合、リフト量センサ28等に基づき、実作用角を判断し、実作用角が
、ノッキングの最頻発時期に相当する作用角を超えたか否かを判断するようにしてもよい。或いは、開弁時期IVO、開閉時期の中心位相等の他のパラメータを用いてもよい。
・上記実施形態では、補正マップを用いて、基本点火時期ABASEを遅角させるための補正量AVTを求めたが、作用角の変化量を用いて、基本点火時期ABASEを遅角させてもよい。具体的には、変曲時期以前の期間(時間T1〜時間T2)では、低負荷運転用の目標作用角α1と実作用角との差分ΔAを求め、この差分ΔAに比例する遅角量だけ、基本点火時期ABASEを遅角させる。また、変曲時期TCMの後の期間(時間T2〜時間T3)では、中負荷運転用の目標作用角α2と実作用角との差分ΔAを求め、この差分ΔAに比例する遅角量だけ、基本点火時期ABASEを遅角させる。このようにしても、変曲時期TCM付近の最終点火時期AOPを最も遅角側に設定し、変曲時期TCMから離れるに伴い最終点火時期AOPを進角側に設定することができる。
・上記実施形態では、吸気バルブ9の実閉弁時期が、変曲時期TCM以前となる期間及び変曲時期TCMを超えた期間の両方において、補正マップを用いて点火時期を遅角させたが、変曲時期TCM以前となる期間だけでもよい。或いは、変曲時期TCMを超えた期間だけ補正マップを用いて遅角させてもよい。
・上記実施形態では、閉弁時期が吸気下死点前から吸気下死点後に移行する際に、上記変曲時期TCMにおいて進角側の基本点火時期マップM2へ切り換えるようにしたが、閉弁時期が吸気下死点後から吸気下死点前に移行する際に、上記変曲時期TCMにおいて遅角側の基本点火時期マップM1に切り換えるようにしてもよい。このようにしても、変曲時期TCM付近でノッキングを抑制しながら、中負荷域での出力低下を抑制することができる。
本実施形態の内燃機関の概略図。 (a)は低負荷運転時、(b)は中負荷運転時のバルブタイミング図。 制御モードの過渡期における点火時期制御を説明するフローチャート。 (a)は低負荷運転時、(b)は中負荷運転時に用いられる基本点火時期マップ。 基本点火時期を補正する補正量を算出するための補正マップ。 制御モードの過渡期におけるタイミングチャートであって、(a)は最大リフト量、(b)は点火時期マップの切り換えタイミング、(c)は閉弁時期、(d)は作用角、(e)は基本点火時期及び最終点火時期、(f)は比較例をそれぞれ示す。
符号の説明
1…内燃機関としてのエンジン、9…吸気バルブ、15…可変動弁機構としてのリフト量可変機構、16…可変動弁機構としてのバルブタイミング可変機構、20…ノック時期算出手段、点火時期演算手段及び点火時期制御装置としての電子制御装置。

Claims (6)

  1. 吸気バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構を備える内燃機関に適用され、前記吸気バルブのバルブ特性の変化に伴い点火時期を変更する内燃機関の点火時期制御装置において、
    前記可変動弁機構の駆動によって前記吸気バルブの閉弁時期が吸気下死点前と吸気下死点後との間で移行する過渡期のうち、最もノッキングが発生しやすい閉弁時期であるノッキング発生時期を、前記内燃機関の運転状態に基づき算出するノック時期算出手段と、
    前記過渡期のうち、実際の閉弁時期が前記ノッキング発生時期以前となる期間では、変更前のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出し、実際の閉弁時期が前記ノッキング発生時期を超えた期間では、変更後のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出する点火時期演算手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の点火時期制御装置において、
    前記点火時期演算手段は、
    前記吸気バルブの閉弁時期が、吸気下死点前から吸気下死点後に移行する前記過渡期のうち、実際の閉弁時期が前記ノッキング発生時期以前となる期間では、変更前のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出し、実際の閉弁時期が前記ノッキング発生時期を超えた期間では、前記ノッキング発生時期以前となる期間に対応する前記基本点火時期よりも進角側の基本点火時期を用いて点火時期を算出することを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の内燃機関の点火時期制御装置において、
    前記点火時期演算手段は、
    前記吸気バルブの閉弁時期が前記ノッキング発生時期を超えた期間では、その閉弁時期が前記ノッキング発生時期に近い時期である場合に大きく、前記ノッキング発生時期から離れるに伴い減少する補正量を用いて、点火時期を予め遅角させる調整を行うことを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の点火時期制御装置において、
    前記点火時期演算手段は、
    前記吸気バルブの閉弁時期が前記ノッキング発生時期以前となる期間では、その閉弁時期が前記ノッキング発生時期に近付くに伴い増大する補正量を用いて、点火時期を予め遅角させる調整を行うことを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  5. 請求項1又は2に記載の内燃機関の点火時期制御装置において、
    前記点火時期演算手段は、
    前記吸気バルブの閉弁時期が前記ノッキング発生時期に近付くに伴い増大し、前記ノッキング発生時期から離れるに伴い減少する補正量を用いて、点火時期を予め遅角させる調整を行うことを特徴とする点火時期制御装置。
  6. 吸気バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構を備える内燃機関に適用され、前記吸気バルブのバルブ特性の変化に伴い点火時期を変更する内燃機関の点火時期制御方法において、
    前記可変動弁機構の駆動によって前記吸気バルブの閉弁時期が吸気下死点前と吸気下死点後との間で移行する過渡期のうち、最もノッキングが発生しやすい閉弁時期であるノッキング発生時期を、前記内燃機関の運転状態に基づき算出し、
    前記過渡期のうち、実際の閉弁時期が前記ノッキング発生時期以前となる期間では、変更前のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出し、実際の閉弁時期が
    前記ノッキング発生時期を超えた期間では、変更後のバルブ特性に対応する基本点火時期を用いて点火時期を算出することを特徴とする内燃機関の点火時期制御方法。
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