JP2010025029A - 内接式ギアポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】コストアップとなることを抑制しつつ、吐出側に過剰に圧力が掛かることを防止するように改善された内接式ギアポンプを供給する。
【解決手段】図3(a)および図3(b)に示すように、吸入ポート51と吐出ポート52とは、インナーロータと摺接するポンプハウジング5の底部内周面上の部分であって、吸入ポート51と吐出ポート52との近接する部分を凹溝で構成された排圧路53によって連結されている。より具体的には排圧路53は吸入ポート51および吐出ポート52から延設された凹溝であって、吸入ポート51および吐出ポート52を両端部とし、両端部から中央部に向うに従って、凹溝の深さおよび幅が漸減する構造を有している。排圧路53を流れる液体の流れの方向と垂直な凹溝の断面の面積に対して、排圧路53の長さが比較的短いため、排圧路53はオリフィス絞りである。
【選択図】図3
【解決手段】図3(a)および図3(b)に示すように、吸入ポート51と吐出ポート52とは、インナーロータと摺接するポンプハウジング5の底部内周面上の部分であって、吸入ポート51と吐出ポート52との近接する部分を凹溝で構成された排圧路53によって連結されている。より具体的には排圧路53は吸入ポート51および吐出ポート52から延設された凹溝であって、吸入ポート51および吐出ポート52を両端部とし、両端部から中央部に向うに従って、凹溝の深さおよび幅が漸減する構造を有している。排圧路53を流れる液体の流れの方向と垂直な凹溝の断面の面積に対して、排圧路53の長さが比較的短いため、排圧路53はオリフィス絞りである。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両の内接式ギアポンプに関する。更に特定的には、過負荷がかかることを防止できる内接式ギアポンプに関する。
液体、特にオイル等の比較的粘性の高い液体の輸送には内接式ギアポンプが広く用いられている。内接式ギアポンプは回転数が同じなら、ポンブに掛かる負荷にかかわらず一定の液量を吐出するための定流量ポンプであるため、例えば、自動車の潤滑用オイルの循環などに好適に用いられている。
上記利点がある一方、定流量ポンプであるため、ポンプの吐出能力を超える圧力がポンプ内に生じ易い欠点を有する。ここで言う「吐出能力を超える圧力」とは、ポンプが継続的に安全に運転を続けることができる圧力を超える圧力をいう。吐出能力を超える圧力が生じると、ポンプ自体に過負荷が掛かるだけでなく、ポンプの動力源であるモータにも過負荷が掛かるため、モータの故障の原因となり易い。特にブラシレスセンサレスモータは過負荷が掛かることにより回転が停止すると、そのまま回復不能になる脱調が生じることがあり問題となっていた。
この問題に対し、内接式ギアポンプの吐出側の圧力がポンプの吐出能力を超える圧力に近づくと、吐出側と吸入側とを連絡させることにより吐出側の吐出能力を超える圧力を吸入側に逃がすリリーフバルブを設けることが考えられる。しかし、リリーフバルブを設けるためには吐出側と吸入側とを連通する連通孔を設ける必要があるため、加工に費用がかかる。また、リリーフバルブを構成する部品の点数も多く、コストアップの要因となっていた。
一方、「ポンプケーシングの吸入・吐出両ポート間に還流路を穿設し、ロータの回転に伴って該還流路が開閉及び開度変動する構成とした(特許文献1:請求項1)」技術が提示されている(例えば、特許文献1、参照。)。この技術によると「吐出側から吸入側に還流路が形成されて、開閉可能とすることで、吸入ポートの開き始めまでは還流路を閉じ、開き終えるまでの間は、吐出側から吸入側に余剰吐出量を還流し、また、ロータの駆動力(負荷)の増大を招くことなく吐出流量が一定化し、吐出脈動が効率よく低減化する。これによって、チャタリング(振動)の発生もなく、潤滑系や内燃機関における騒音が低減し、かつ、ポンプ内におけるキャビテーションの発生も低減(特許文献1:〔0021〕)」すると記載されている。
特開平09−96280号公報
しかし、かかる機構は脈動等を防止するための機構であり、吐出側に吐出能力を超える圧力を防止するためのものではない。そのため、「回転に伴って該還流路が開閉及び開度変動する」機能を有する。従って、例えば、還流路が閉じた状態、または開度が非常に小さい状態のときに吐出能力を超える圧力がかかった場合において、圧力を効果的に逃がすことができない。
本発明は、コストアップとなることを抑制しつつ、吐出側に吐出能力を超える圧力が掛かることを防止するように改善された内接式ギアポンプを供給することを目的とする。
本発明にかかる内接式ギアポンプは、吸入ポートより液体を吸入し、吐出ポートより液体を吐出する内接式ギアポンプである。また、前記吸入ポートと前記吐出ポートとを連結するとともに、吐出ポートに吐出能力を超える圧力がかかることを防止するための排圧路を更に備える。
上記構成によると、吸入ポートと吐出ポートとを連結するとともに、吐出ポートに吐出能力を超える圧力がかかることを防止するための排圧路を備えるため、吐出能力を超える圧力が吐出ポートにかかることを防止するために、リリーフバルブ等の別段の部材を備える必要がない。なお、吐出能力を超える圧力とは、ポンプが継続的に安全に運転を続けることができる圧力を超える圧力のことを言い、かかる圧力がかかった場合、ポンプに過負荷がかかりうる。
本発明にかかる内接式ギアポンプは、内接式ギアと、前記内接式ギアを内包するポンプハウジングとを備え、前記吸入ポートおよび前記吐出ポートが前記ポンプハウジングの、前記内接式ギアとの摺接面に形成されている内接式ギアポンプにおいて、前記ポンプハウジングの前記内接式ギアとの前記摺接面に設けた溝により前記排圧路を形成することが好ましい。
上記構成によると、ポンプハウジングの内接式ギアとの摺接面に設けた溝により排圧路を形成するため、穿孔に比べ容易に排圧路を構成することができる。
本発明にかかる内接式ギアポンプは、前記ポンプハウジングが開口部を有し、前記開口部を封鎖するとともに、前記内接式ギアと前記吸入ポートおよび前記吐出ポートが、前記内接式ギアとの摺接面に形成されているポンププレートを備える内接式ギアポンプにおいて、前記ポンププレートの前記内接式ギアとの摺接面に設けた溝により前記排圧路を形成することも好ましい。
本発明にかかる内接式ギアポンプは、前記ポンプハウジングが開口部を有し、前記開口部を封鎖するとともに、前記内接式ギアと前記吸入ポートおよび前記吐出ポートが、前記内接式ギアとの摺接面に形成されているポンププレートを備える内接式ギアポンプにおいて、前記ポンププレートの前記内接式ギアとの摺接面に設けた溝により前記排圧路を形成することも好ましい。
上記構成によると、ポンププレートの内接式ギアとの摺接面に設けた溝により排圧路を形成するため、穿孔に比べ容易に排圧路を構成することができる。
本発明にかかる内接式ギアポンプは、前記排圧路が、オリフィス形状であることも好ましい。
本発明にかかる内接式ギアポンプは、前記排圧路が、オリフィス形状であることも好ましい。
上記構成によると、排圧路が、オリフィス形状であるため、液体の粘度に影響されず、排圧路の形状を決めることができる。従って、汎用性を有する内接式ギアポンプを構成することができる。
本発明にかかる内接式ギアポンプは、前記排圧路が、細溝形状であることも好ましい。
上記構成によると、排圧路が、細溝形状であり単純な形状であるため、容易に排圧路を形成することができる。従って、加工に時間とコストがかからない。
上記構成によると、排圧路が、細溝形状であり単純な形状であるため、容易に排圧路を形成することができる。従って、加工に時間とコストがかからない。
本発明によれば、コストアップとなることを抑制しつつ、吐出側に過剰に圧力が掛かることを防止するように改善された内接式ギアポンプを供給することができる。
以下、本発明を具体化した内接式ギアポンプの一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1(a)、図1(b)、図2に示すように、本実施形態にかかる内接式ギアポンプは、モータハウジング12に内蔵されたブラシレスセンサレスモータ3によって、ポンプ部2が駆動され、液体を吸引・吐出する内接式ギアポンプである。
図1(a)、図1(b)、図2に示すように、本実施形態にかかる内接式ギアポンプは、モータハウジング12に内蔵されたブラシレスセンサレスモータ3によって、ポンプ部2が駆動され、液体を吸引・吐出する内接式ギアポンプである。
有底円筒状のモータハウジング12の側筒部内周面には、コア33とコイル32を備えた電機子34が固定されている。底部外面にはブラシレスセンサレスモータ3を制御するための制御回路8を備えた回路基板6がねじ14によって固定されている。底部内面の中心部からは短円筒形のフランジ部15bが内方に向って膨出するとともに、フランジ部15bの内周面には転がり軸受5bが内嵌されている。
一方、モータハウジング12の開口部は略有底円筒状のポンプハウジング5の底部により封じられている。このポンプハウジング5の底部外面の中心部からは短円筒形のフランジ部15aがモータハウジング12の内方に向って膨出するとともに、フランジ部15aの内周面には転がり軸受5aが内嵌されている。
上記転がり軸受5aおよび転がり軸受5bによって回転軸35が回転自在に支承されている。この回転軸35のポンプ側端部はポンプハウジング5の底部中央に設けられた貫通孔11を介してポンプハウジング5の内方に突出するとともに、内接式ギアであるインナーロータ21が固定されている。
また、回転軸35の外周面側筒部であって、上述の電機子34に対応する部分には永久磁石36が固定されており、この永久磁石36と回転軸35とにより回転子37が形成されている。このように、モータハウジング12には電機子34と回転子37とを備えるブラシレスセンサレスモータ3が内蔵されているとともに、このブラシレスセンサレスモータ3は回路基板6に備えられた制御回路8により制御されている。
一方、ポンプハウジング5は上述のインナーロータ21およびインナーロータ21と噛合するアウターロータ22を包含し、開口部がポンププレート7で封じられている。このポンプハウジング5、インナーロータ21およびアウターロータ22によってポンプ部2が形成されている。
このポンプハウジング5の底部内周面であって、インナーロータ21と摺接する部分に凹溝を設けることにより、吸入ポート51および吐出ポート52が形成されている。より具体的には、図3および図4に示すように、インナーロータ21と摺接する部分であって、インナーロータ21およびアウターロータ22によって液体が減圧される部分に略三日月形状の吸入ポート51が形成されている。また同様に、インナーロータ21と摺接する部分であって、インナーロータ21およびアウターロータ22によって液体が加圧される部分に略三日月形状の吐出ポート52が形成されている。この吸入ポート51と吐出ポート52とは、インナーロータ21と摺接するポンプハウジング5の底部内周面上の部分であって、吸入ポート51と吐出ポート52との近接する部分を凹溝で構成された排圧路53によって連結されている。より具体的には、図4(a)〜(c)に示すように、排圧路53は吸入ポート51および吐出ポート52から延設された凹溝であって、吸入ポート51および吐出ポート52を両端部とし、両端部から中央部54に向けて凹溝の深さおよび幅が漸減する構造を有している。排圧路53を流れる液体の流れの方向と垂直な凹溝の断面の面積(以下、単に「断面積」と言う。)に対して、排圧路53の長さが短いため、排圧路53はオリフィス絞りである。オリフィス絞りの場合、圧力降下は、流体粘度によってあまり影響されないことが、一般に知られている(「日刊工業新聞社刊 油圧教本〔増補改定版〕 油圧教育研究会編」14頁、参照)。従って、液体の流体粘度にかかわらず、吐出ポート52内の圧力と排圧路53を流れる流量との関係から排圧路53の断面積を決定することができる。また、かかる排圧路53を有する内接式ギアポンプは液体粘度にかかわらず、吐出ポート52内に吐出能力を超える圧力がかかることを防止できるため、汎用性が高い。
また、排圧路53は、上述のように、インナーロータ21と摺接するポンプハウジング5の底部内周面上の部分であって、吸入ポート51と吐出ポート52との近接する部分に設けられた凹溝によって形成されている。従って、ダイカスト成型や鋳造によりポンプハウジング5を形成する際に、同時に形成することができる。従って、ポンプハウジング5を形成した後に、例えば、貫通孔を穿孔するなどの別段の作業工程を設ける必要がない。
一方、上記ポンプハウジング5の開口部を封じるポンププレート7のモータ側面であって、インナーロータ21と摺接する部分にも凹溝を設けることにより、吸入ポート61および吐出ポート62が形成されている。より具体的には、図5(a)に示すように、インナーロータ21と摺接する部分であって、インナーロータ21およびアウターロータ22によって液体が減圧される部分に略三日月形状の吸入ポート61が形成されている。また同様に、インナーロータ21と摺接する部分であって、インナーロータ21およびアウターロータ22によって液体が加圧される部分に略三日月形状の吐出ポート62が形成されている。そして、図5(a)〜(c)に示すように、吸入ポート61と吐出ポート62とは、インナーロータ21と摺接するポンププレート7のモータ側面であって、吸入ポート61と吐出ポート62との近接する部分を凹溝で構成された排圧路63によって連結されている。より具体的には排圧路63は吸入ポート61および吐出ポート62から延設された凹溝であって、吸入ポート61および吐出ポート62を両端部とし、両端部から中央部64に向うに従って、凹溝の深さおよび幅が漸減する構造を有している。排圧路63を流れる液体の流れの方向と垂直な凹溝の断面の面積(以下、単に「断面積」と言う。)に対して、排圧路63の長さが短いため、排圧路63はオリフィス絞りとなっている。そして、上述のごとく、オリフィス絞りの場合、圧力降下は、流体粘度によってあまり影響されない。従って、液体の流体粘度にかかわらず、吐出ポート62内の圧力と排圧路63を流れる流量との関係から排圧路63の断面積を決定することができる。また、かかる排圧路63を有する内接式ギアポンプは液体粘度にかかわらず、吐出ポート62内に吐出能力を超える圧力がかかることを防止できるため、汎用性が高い。
また、排圧路63は、インナーロータ21と摺接するポンププレート7のモータ側面であって、吸入ポート61と吐出ポート62との近接する部分に設けられた凹溝によって形成されている。従って、ダイカスト成型や鋳造によりポンププレート7を形成する際に、同時に形成することができる。従って、ポンププレート7を形成した後に、例えば、貫通孔を穿孔するなどの別段の作業工程を設ける必要がない。
このポンププレート7は、図1に示すように、吸入ポート61と外部とを連絡する吸入口66および吐出ポート62と外部を連絡する吸入口66連絡する吐出口67を備えている。従って、この内接式ギアポンプは、外部から吸入口66を介して吸入ポート61より液体を吸入し、吐出ポート62より吸入口66を介して外部に液体を吐出することができる。
この内接式ギアポンプに電源が供給されると、回路基板6に備えられた制御回路8から、電機子34にブラシレスセンサレスモータ3を制御するための信号電流が流れ、ブラシレスセンサレスモータ3が運転される。ブラシレスセンサレスモータ3の動力は回転軸35を介して、ポンプ部2のインナーロータ21に伝達され、インナーロータ21およびインナーロータ21に噛合されたアウターロータ22の回転により、吸入ポート61から液体が吸入され、吐出ポート62から液体が吐出される。
吸入ポート61と吐出ポート62とはオリフィス形状の排圧路63によって連通されているため、内接式ギアポンプの運転状態において、吸入ポート61から吐出ポート62へは常に液体が循環している。この循環する液量は、吐出ポート62にかかる圧が高まるにつれ大きくなる。吐出能力を超える圧力がかかった状態において、吸入ポート61から吐出ポート62へ循環する液量が、吐出ポート62が外部へ吐出する液量を上回るように排圧路63のオリフィスの大きさを設定することにより、吐出能力を超える圧力が吐出ポート62にかかることを防止する設定とすることが可能である。内接式ギアポンプは定流量ポンプであるため、圧にかかわらず吐出ポート62が外部へ吐出する液量は一定であるからである。
また、排圧路63はオリフィス形状であるため、排圧路63の大きさは液体の粘度にかかわらず、決定することができる。従って、例えば、吸入・吐出する液体の温度が変化することにより液体の粘度が変化した場合においても、循環液量が粘度変化の影響を受けることがない。従って、温度変化にかかわらず吐出能力を超える圧力が吐出ポート62に掛かることを防止できる。また、液体粘度の異なる多種類の液体に対して使用できる汎用性の高い内接式ギアポンプである。
同様に、吸入ポート51と吐出ポート52とはオリフィス形状の排圧路53によって連通されているため、内接式ギアポンプの運転状態において、吸入ポート51から吐出ポート52へは常に液体が循環している。この循環する液量は、吐出ポート52にかかる圧が高まるにつれ大きくなる。吐出能力を超える圧力がかかった状態において、吸入ポート51から吐出ポート52へ循環する液量が、吐出ポート52が外部へ吐出する液量を上回るように排圧路53のオリフィスの大きさを設定することにより、吐出能力を超える圧力が吐出ポート52にかかることを防止する設定とすることが可能である。内接式ギアポンプは定流量ポンプであるため、圧にかかわらず吐出ポート52が外部へ吐出する液量は一定であるからである。
また、排圧路53および排圧路63はオリフィス形状であるため、オリフィスの大きさは液体の粘度にかかわらず、決定することができる。従って、例えば、吸入・吐出する液体の温度が変化することにより液体の粘度が変化した場合においても、循環液量が粘度変化の影響を受けることがない。従って、温度変化にかかわらず吐出能力を超える圧力が吐出ポート52および吐出ポート62に掛かることを防止できる。また、液体粘度の異なる多種類の液体に対して使用できる汎用性の高い内接式ギアポンプである。
上記実施形態の内接式ギアポンプによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態の内接式ギアポンプによれば、吸入ポート51と吐出ポート52とを連結する排圧路53を備えるとともに、吸入ポート61と吐出ポート62とを連結する排圧路63備えることにより、吐出ポート52および吐出ポート62に吐出能力を超える圧力がかかることを防止する。従って、リリーフバルブ等の別段の部材を備える必要がない。
(1)上記実施形態の内接式ギアポンプによれば、吸入ポート51と吐出ポート52とを連結する排圧路53を備えるとともに、吸入ポート61と吐出ポート62とを連結する排圧路63備えることにより、吐出ポート52および吐出ポート62に吐出能力を超える圧力がかかることを防止する。従って、リリーフバルブ等の別段の部材を備える必要がない。
(2)上記実施形態の内接式ギアポンプによれば、ポンプハウジング5の内周面であって、インナーロータ21との摺接面に設けた溝により排圧路53を形成するため、例えば、ポンプハウジング5に、穿孔して連絡路を設ける場合に比べ容易に排圧路53を構成することができる。
(3)上記実施形態の内接式ギアポンプによれば、ポンププレート7のインナーロータ21との摺接面に設けた溝により排圧路63を形成するため、ポンププレート7に穿孔して連絡路を設ける場合に比べ容易に排圧路63を構成することができる。
(4)上記実施形態の内接式ギアポンプによれば、排圧路53および排圧路63が、オリフィス形状であるため、液体の粘度に影響されず、排圧路の形状を決めることができる。従って、汎用性を有する内接式ギアポンプを構成することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した内接式ギアポンプの第2の実施形態を図6および図7に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の排圧路の形状を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
次に、本発明を具体化した内接式ギアポンプの第2の実施形態を図6および図7に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の排圧路の形状を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
第2の実施形態にかかるポンプハウジング5の底部内周面であって、インナーロータ21と摺接する部分に凹溝を設けることにより、吸入ポート51および吐出ポート52が形成されている。より具体的には、インナーロータ21と摺接する部分であって、インナーロータ21およびアウターロータ22によって液体が減圧される部分に略三日月形状の吸入ポート51が形成されている。また同様に、インナーロータ21と摺接する部分であって、インナーロータ21およびアウターロータ22によって液体が加圧される部分に略三日月形状の吐出ポート52が形成されている。吸入ポート51と吐出ポート52とは、インナーロータ21と摺接するポンプハウジング5の底部内周面上の部分であって、吸入ポート51と吐出ポート52との近接する部分を凹溝で構成された排圧路53によって連結されている。より具体的には、図6に示すように、排圧路53は吸入ポート51から吐出ポート52までをつなぐ凹溝であって、吸入ポート51および吐出ポート52を両端部とし、凹溝の深さおよび幅が一定である細管構造を有している。排圧路53を流れる液体の流れの方向と垂直な凹溝の断面の面積(以下、単に「断面積」と言う。)が一定であるため、構造が簡単であり、設計および形成が容易である。
また、排圧路53は上述のようにインナーロータ21と摺接するポンプハウジング5の底部内周面上の部分であって、吸入ポート51と吐出ポート52との近接する部分に設けられた凹溝によって形成されている。従って、ダイカスト成型や鋳造によりポンプハウジング5を形成する際に、同時に形成することができる。従って、ポンプハウジング5を形成した後に、例えば、貫通孔を穿孔するなどの別段の作業工程を設ける必要がない。
一方、上記ポンプハウジング5の開口部を封じるポンププレート7のモータ側面であって、インナーロータ21と摺接する部分にも同様の凹溝を設けることにより、吸入ポート61および吐出ポート62が形成されている。より具体的には、図7に示すように、インナーロータ21と摺接する部分であって、インナーロータ21およびアウターロータ22によって液体が減圧される部分に略三日月形状の吸入ポート61が形成されている。また同様に、インナーロータ21と摺接する部分であって、インナーロータ21およびアウターロータ22によって液体が加圧される部分に略三日月形状の吐出ポート62が形成されている。吸入ポート61と吐出ポート62とは、インナーロータ21と摺接するポンププレート7のモータ側面であって、吸入ポート61と吐出ポート62との近接する部分を凹溝で構成された排圧路63によって連結されている。より具体的には、排圧路63は吸入ポート61から吐出ポート62までをつなぐ凹溝であって、吸入ポート61および吐出ポート62を両端部とし、凹溝の深さおよび幅が一定である細管構造を有している。排圧路63を流れる液体の流れの方向と垂直な凹溝の断面の面積(以下、単に「断面積」と言う。)が一定であるため、構造が簡単であり、設計および形成が容易である。
また、排圧路63は、インナーロータ21と摺接するポンププレート7のモータ側面であって、吸入ポート61と吐出ポート62との近接する部分に設けられた凹溝によって形成されている。従って、ダイカスト成型や鋳造によりポンププレート7を形成する際に、同時に形成することができる。従って、ポンププレート7を形成した後に、例えば、貫通孔を穿孔するなどの別段の作業工程を設ける必要がない。
このポンププレート7には吸入ポート61と外部とを連絡する吸入口66および吐出ポート62と外部を連絡する吸入口66連絡する吐出口67を備えている。従って、この内接式ギアポンプは、外部から吸入口66を介して吸入ポート61より液体を吸入し、吐出ポート62より吸入口66を介して外部に液体を吐出することができる。
この内接式ギアポンプに電源が供給されると、回路基板6に備えられた制御回路8から、電機子34にブラシレスセンサレスモータ3を制御するための信号電流が流れ、ブラシレスセンサレスモータ3が運転される。ブラシレスセンサレスモータ3の動力は回転軸35を介して、ポンプ部2のインナーロータ21に伝達され、インナーロータ21およびインナーロータ21に噛合されたアウターロータ22の回転により、吸入ポート61から液体が吸入され、吐出ポート62から液体が吐出される。
吸入ポート61と吐出ポート62とは細管形状の排圧路63によって連通されているため、内接式ギアポンプの運転状態において、吸入ポート61から吐出ポート62へは常に液体が循環している。この循環する液量は、吐出ポート62にかかる圧が高まるにつれ大きくなる。この内接式ギアポンプは定流量ポンプであるため、吐出能力を超える圧力がかかった状態において循環する液量が、吐出ポート62が外部へ吐出する液量を上回るように排圧路63の断面積の大きさを設定することにより、吐出能力を超える圧力が吐出ポート62にかかることを防止する設定とすることが可能である。
同様に、吸入ポート51と吐出ポート52とは細管形状の排圧路53によって連通されているため、内接式ギアポンプの運転状態において、吸入ポート51から吐出ポート52へは常に液体が循環している。この循環する液量は、吐出ポート52にかかる圧が高まるにつれ大きくなる。吐出能力を超える圧力がかかった状態において、吸入ポート51から吐出ポート52へ循環する液量が、吐出ポート52が外部へ吐出する液量を上回るように排圧路53の断面積の大きさを設定することにより、吐出能力を超える圧力が吐出ポート52にかかることを防止する設定とすることが可能である。内接式ギアポンプは定流量ポンプであるため、圧にかかわらず吐出ポート52が外部へ吐出する液量は一定であるからである。
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従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(3)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。また、第1の実施形態の(4)に記載の効果に換えて以下の効果を得ることができる。
(4)第2の実施形態では、排圧路53は吸入ポート51から吐出ポート52までをつなぐ凹溝であって、吸入ポート51および吐出ポート52を両端部とし、凹溝の深さおよび幅が一定である細管構造を有している。従って、断面積が一定であるため、構造が簡単であり、設計および形成が容易である。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態においては、ブラシレスセンサレスモータ内蔵型の内接式ギアポンプに本発明を適用しているが、他の構成であっても良い。例えば、モータとポンプ部2がギアやチェーン等で間接的に接続された構造であっても良い。
・上記実施形態においては、ブラシレスセンサレスモータ内蔵型の内接式ギアポンプに本発明を適用しているが、他の構成であっても良い。例えば、モータとポンプ部2がギアやチェーン等で間接的に接続された構造であっても良い。
・上記実施形態においては、ブラシレスセンサレスモータ内蔵型の内接式ギアポンプに本発明を適用しているが、他の構成であっても良い。例えば、モータがブラシレスセンサレスモータでない場合においても、過負荷がかかることを防止する必要がある場合には本発明を適用しても良い。
・上記実施形態においては、ポンプハウジングおよびポンププレートに排圧路を設けているが、他の構成であっても良い。例えば、製造コストを削減できるのであれば、いずれか一方を省略しても良い。
本発明は、過負荷が掛かることを防止できる内接式ギアポンプであるので、車両の潤滑オイル用のポンプ等の用途に産業上広く利用可能である。
2・・・ポンプ部、3・・・ブラシレスセンサレスモータ、5・・・ポンプハウジング、5a・・・転がり軸受、5b・・・転がり軸受、6・・・回路基板、7・・・ポンププレート、8・・・制御回路、11・・・貫通孔、12・・・モータハウジング、14・・・ねじ、15a・・・フランジ部、15b・・・フランジ部、21・・・インナーロータ(内接式ギア)、22・・・アウターロータ、32・・・コイル、33・・・コア、34・・・電機子、35・・・回転軸、36・・・永久磁石、37・・・回転子、51・・・吸入ポート、52・・・吐出ポート、53・・・排圧路、54・・・中央部、61・・・吸入ポート、62・・・吐出ポート、63・・・排圧路、64・・・中央部、66・・・吸入口、67・・・吐出口。
Claims (5)
- 吸入ポートより液体を吸入し、吐出ポートより液体を吐出する内接式ギアポンプにおいて、
前記吸入ポートと前記吐出ポートとを連結するとともに、吐出ポートに吐出能力を超える圧力がかかることを防止するための排圧路を更に備えることを特徴とする内接式ギアポンプ。 - 内接式ギアと、前記内接式ギアを内包するポンプハウジングとを備え、
前記吸入ポートおよび前記吐出ポートが前記ポンプハウジングの、前記内接式ギアとの摺接面に形成されている内接式ギアポンプにおいて、
前記ポンプハウジングの前記内接式ギアとの前記摺接面に設けた溝により前記排圧路を形成することを特徴とする請求項1に記載の内接式ギアポンプ。 - 前記ポンプハウジングが開口部を有し、
前記開口部を封鎖するとともに、前記内接式ギアと前記吸入ポートおよび前記吐出ポートが、前記内接式ギアとの摺接面に形成されているポンププレートを備える内接式ギアポンプにおいて、
前記ポンププレートの前記内接式ギアとの摺接面に設けた溝により前記排圧路を形成することを特徴とする請求項2に記載の内接式ギアポンプ。 - 前記排圧路が、オリフィス形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内接式ギアポンプ。
- 前記排圧路が、細溝形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内接式ギアポンプ。
Priority Applications (1)
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JP2008188949A JP2010025029A (ja) | 2008-07-22 | 2008-07-22 | 内接式ギアポンプ |
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JP2008188949A JP2010025029A (ja) | 2008-07-22 | 2008-07-22 | 内接式ギアポンプ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110185910A (zh) * | 2019-04-30 | 2019-08-30 | 奇瑞汽车股份有限公司 | 机油泵 |
US10612547B2 (en) | 2015-08-26 | 2020-04-07 | Denso Corporation | Fuel pump |
-
2008
- 2008-07-22 JP JP2008188949A patent/JP2010025029A/ja active Pending
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