JP2010024842A - 内燃機関の吸気制御装置 - Google Patents

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啓二 四重田
Yasushi Ito
泰志 伊藤
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Hideyuki Nishida
秀之 西田
Shiro Tanno
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Abstract

【課題】吸気制御弁を備える構成においてデッドボリューム内の正圧を解放する。
【解決手段】内燃機関の吸気制御装置1は、気筒10内部に連通する吸気通路11と、該吸気通路11に設置され、開閉状態に応じて吸気の脈動を生成可能且つ該吸気の量たる吸気量を調整可能な吸気制御弁15と、気筒10が吸気行程である期間に、吸気制御弁15を少なくとも一回開弁させるとともに、気筒10が吸気行程でない期間に、吸気制御弁15を少なくとも一回開弁させる制御手段20とを備える
【選択図】図4

Description

本発明は、例えばインパルスチャージ等の慣性過給が可能な内燃機関の吸気制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、内燃機関の駆動時において、各気筒における吸気行程中、つまり吸気弁開弁中に、吸気通路の上流側に設置された吸気制御弁を一時的に閉弁することで吸気の脈動を発生させ、パルス過給を行うものが知られている。
例えば、特許文献1には、吸気弁の開弁前に吸気制御弁を閉弁させることで、吸気制御弁と吸気弁との間のデッドボリュームに空気を保持し、吸気弁開弁時に該保持した空気によって生じる吸気の脈動を利用して過給を行う構成が開示されている。特許文献2には、1回の吸気行程中に少なくとも一度吸気制御弁を開弁する構成が開示されている。特許文献3には、吸気弁の開弁により生じる負圧波が、吸気管上流側における開放端において反転する際に発生する正圧波を、吸気管中に設けられる定容容器に封入し、吸気弁の閉弁時に吸気弁に到達させるように吸気制御弁を制御する構成が開示されている。特許文献4には、慣性過給における吸気慣性波と同位相の圧力波を増幅させるとともに逆位相の圧力波を減衰させる構成が開示されている。特許文献5には、吸気の脈動による吸気管内圧を検出すると共に、該内圧に基づいてバルブタイミングを決定する可変バルブ機構を備えた内燃機関が開示されている。
特開2006−161564号公報 特開2007−224770号公報 特開平10−266863号公報 特開昭63−111232号公報 特開2004−211614号公報
このように慣性過給が行われる内燃機関においては、主として負圧である吸気制御弁と吸気弁との間のデッドボリューム内に保持された空気と、主として正圧である吸気制御弁の上流側の空気との圧力差によって、吸気弁及び吸気制御弁開弁時の内燃機関への吸気流入量を増大させる効果が得られる。しかしながら、上述の構成によれば、吸気弁の開弁している期間において吸気制御弁が閉弁される際に、内燃機関の気筒内から新気が吹き返し、デッドボリューム内に正圧が封入されてしまう。このようにデッドボリューム内に残存する正圧は、次のサイクルの吸気行程における吸気弁の開弁時に吸気の流入に伴って気筒内に流入されるため、吸気制御弁が開放される際にデッドボリューム内に生じる負圧が減少されることになる。デッドボリューム内に生じる負圧の減少に伴い、吸気制御弁の上流側の正圧である空気との圧力差が減少し、結果的には慣性過給による吸気量の増大効果が低減してしまうことになる。
本発明は、上述した問題点に鑑みて為されたものであり、慣性過給を行う内燃機関において、デッドボリューム内に残存する正圧が、次のサイクルの吸気行程における負圧の発生を低減させることを抑制可能な内燃機関の吸気制御装置を提供することを課題とする。
上記問題を解決するために、本発明の内燃機関の吸気制御装置は、気筒内部に連通する吸気通路と、該吸気通路に設置され、開閉状態に応じて吸気の脈動を生成可能且つ該吸気の量たる吸気量を調整可能な吸気制御弁と、前記気筒が吸気行程である期間に、前記吸気制御弁を少なくとも一回開弁させるとともに、前記気筒が吸気行程でない期間に、前記吸気制御弁を少なくとも一回開弁させる制御手段とを備える。
本発明に係る「内燃機関」とは、一又は複数の気筒を有し、当該気筒の各々における燃焼室において、例えばガソリン、軽油、各種アルコール若しくは各種アルコールとガソリンとの混合燃料等各種の燃料又は当該各種燃料を含む混合気等が爆発或いは燃焼した際に生じる力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等の物理的な又は機械的な伝達経路を経て駆動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念である。また、この種の内燃機関に係る「内燃機関の吸気制御装置」とは、気筒内部に対する、吸気(即ち、外界から吸入される空気たる吸入空気を少なくとも概念の一部として含み、当該吸入空気そのもの、或いは例えばEGR装置等の排気再循環装置が備わる場合等には例えばEGRバルブ等の流量調整手段の開閉状態等に応じてEGRガス(即ち、排気の一部)と当該吸入空気の混合体等の各種形態を採り得る)の供給に供される装置である。
本発明に係る内燃機関の吸気制御装置における「吸気通路」とは、即ち、吸気の通路であって、好適な一形態として、例えばエアクリーナ、エアフローメータ、スロットルバルブ(即ち、吸気絞り弁)及び吸気ポート等を相互に且つ適宜に連結又は連通せしめ得る、例えば単一又は複数の管状部材の形態を採る。特に、本発明に係る内燃機関の吸気制御装置は、吸気通路に吸気制御弁を備える。この吸気制御弁は、例えば二値的に、段階的に或いは連続的に制御され得る開閉状態に応じて、吸気の脈動を少なくとも生成可能な、且つ当該吸気の量たる吸気量を調整可能な、例えば弁体、或いは当該弁体に加え更に当該弁体を駆動する駆動装置等を適宜に含んでなる動弁機構又は動弁装置等の形態を採り得る手段である。この吸気制御弁は、内燃機関にスロットルバルブ等の所謂吸気絞り弁が備わる場合には、好適な一形態として、この吸気絞り弁の下流側に設置される。
吸気制御弁の設置態様は、例えば吸気通路の物理的な構成等に応じて多種多様な形態を採り得る。即ち、吸気通路は、吸気制御弁の下流側において気筒各々に分岐してもよいし(即ち、所謂一弁式のインパルスチャージ系に類する態様)、各々に吸気制御弁を備える、気筒各々に対応する吸気枝管(それに類するものを含む)を備えていてもよい(即ち、所謂多弁式のインパルスチャージ系に類する態様)。いずれにせよ、吸気制御弁は、吸気を脈動波として各気筒へ送り込むこと(好適な一形態として、吸気は、吸気制御弁の有無にかかわらず、基本的に脈動波として気筒内に取り込まれ得るが、吸気制御弁により生じる脈動とは、好適な一形態として、この種の脈動よりも強い脈動である)を主たる目的としている。また、吸気制御弁は、好適な一形態として、その開閉により少なくとも実践上十分な吸気の脈動を生じさせ得る程度に各気筒の吸気弁に近接した位置に設置されてもよい。
本発明に係る内燃機関の吸気制御装置における「制御手段」は、例えばECUなどであって、少なくとも後に詳述される吸気制御弁の開弁を実行させるための電気的、或いは他の態様である信号を伝達可能な態様を採る。また、本発明に係る内燃機関の吸気制御装置における制御手段は、後に詳述するように、当該内燃機関の吸気制御装置に備えられる可変動弁機構に対し、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の開閉弁時期を変化させるようその態様を制御可能に構成される。
このように吸気制御弁を備える内燃機関では、吸気制御弁が単一であれ複数であれ、吸気の脈動を利用した慣性過給(パルス過給或いはインパルスチャージ等とも称される)が可能であって、例えば吸気制御弁の開閉時期、開弁期間又は開度(即ち、開弁の度合いであり、一義的に開閉状態を規定する)の制御(例えば、吸気の脈動波の山に相当する部分を吸気弁の閉弁時期近傍に同期させる旨の制御等)によって、例えば自然吸気がなされる場合等と比較して多量の吸気を吸気行程で気筒内に取り込むことが可能となる。また、吸気制御弁は、その開閉状態が如何なる態様を採り得るにせよ、また実践的にみて容易であるか否かは別として吸気量の調節が可能であり、例えば、吸気弁の開弁期間の途中で実質的に吸気の流入を遮断する吸気早閉じ制御等により、ポンピングロスの低減を図ることも可能となる。
ここで、本発明に係る内燃機関の吸気制御装置において、吸気制御弁を利用したこの種の慣性過給を実現する場合、好適な一形態として、吸気弁の開弁後然るべき時間経過(クランク角等により角度概念として規定されてもよい)を経て吸気制御弁が開弁することによって生じる(即ち、吸気制御弁の下流側が負圧であり、且つ吸気制御弁の上流側が大気圧以上であることにより生じる)脈動波(正圧波)が利用される。つまり、このような脈動波を利用することで、慣性効果により、該脈動波に依らない場合に比してより多くの吸気が吸気制御弁を通過し、気筒内へと流入する、すなわち過給効果を得ることが可能となる。
上述の如く、吸気制御弁は、その開弁後に、遅くとも吸気弁の閉弁以前である、然るべき時間経過後閉弁される。より好適には、気筒におけるピストン位置が吸気下死点近傍である時機において吸気制御弁の閉弁が行われることが好ましい。このように構成することで、より多くの流入吸気を気筒内に封入することが可能となり、後の燃焼行程における燃料噴射量の許容量が増大することから、内燃機関における発生トルクの向上に繋がる。また、吸気制御弁の開弁から閉弁までの期間は、当該内燃機関における吸気系の固有振動数及び音速に基づいて決定されるよう構成されていても良い。
このような本発明に係る内燃機関の吸気制御装置において行われる吸気行程における一連の動作の態様において、吸気制御弁の開弁以前における吸気制御弁の下流側(すなわち、吸気通路における気筒側)の圧力が低い程、慣性過給により生じる正圧波は増大される。より具体的には、吸気通路において吸気制御弁の下流側であるとともに吸気弁の上流側として規定される所謂デッドボリューム内の負圧によって過給効果は増減する。しかしながら、上述の吸気行程における一連の動作の態様においては、吸気制御弁の閉弁後に、気筒からデッドボリューム方向に吸気の吹き返しが発生することがあり、その後の吸気弁の閉弁によってデッドボリューム内に封入される負圧が低減される、或いは正圧が封入されるなどの事態が起こり得る。このような正圧の封入は、次の吸気行程における脈動波の生成を妨げ、慣性過給効果の低減を招くこととなり、結果として内燃機関における発生トルクの低減に繋がりかねないという技術的問題点がある。
そこで、本発明に係る内燃機関の吸気制御装置においては、吸気行程ではない期間において、吸気制御弁の開弁が行われると共に、該開弁より所定の時間を経て吸気制御弁の閉弁が行われる。この吸気制御弁の開放期間に、デッドボリューム内に封入された正圧の空気が吸気通路上流側へ流入することで正圧の解放が行われ、その後に吸気制御弁が閉弁されることで、吸気行程が開始する前に、デッドボリューム内の圧力の低下を実現することが可能となる。尚、このときの吸気制御弁が開弁される期間は、例えば、シミュレーションなどを通じて、好適にデッドボリューム内の正圧の解放が充分に行われる期間であるように決定されても良く、後に詳述するように、デッドボリューム内の正圧が負圧に反転するために必要な期間となるよう決定されていても良い。
以上説明したように、本発明に係る内燃機関の吸気制御装置によれば、吸気行程ではない期間において、吸気制御弁の一時的な開弁を行うことで、吸気制御弁と吸気弁との間に規定されるデッドボリューム内に封入される圧力を好適に低減させることが可能となり、各吸気行程における安定した慣性過給による発生トルクの向上が可能となるのである。
本発明の内燃機関の吸気制御装置の一の態様は、前記制御手段は、前記気筒が吸気行程でない期間に、前記吸気制御弁を、前記吸気通路における前記吸気制御弁と吸気弁との間の空間に蓄圧された正圧が負圧に変化するために必要な期間だけ開弁させた後に閉弁させる。
この態様によれば、上述した内燃機関の吸気制御装置における吸気行程でない期間における吸気制御弁の開弁期間において、デッドボリューム内に封入された正圧が負圧に反転される。典型的には、上述したデッドボリューム内に封入される正圧の解放が十分に行われるための吸気制御弁の開弁期間に比して、短い開弁期間において、正圧がその位相を反転されて負圧となる。このように構成することによって、デッドボリューム内の圧力を好適に低減させることが可能となり、それに伴って次回吸気行程において吸気制御弁の開弁により発生する正圧波が、少なくとも第1サイクルでの吸気行程において発生する正圧波に比して増大され、内燃機関における発生トルクの増大を図ることが出来る。
本発明の内燃機関の吸気制御装置の他の態様は、吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方の弁の開閉時期を可変とする可変動弁機構を更に備え、前記制御手段は、前記吸気弁及び前記排気弁が共に開弁するオーバーラップ期間が、所定のオーバーラップ期間に比して少なくなるよう前記可変動弁機構を制御する。
ここに、可変動弁機構とは、例えばVVT(Variable Valve Timing)機構であり、吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方の弁の開閉時期を可変とする。吸気弁の開弁時期を遅延させる(すなわち、遅角させる)か、又は排気弁の閉弁時期を早める(すなわち、進角させる)ことによって、例えば、吸気弁と排気弁が共に開弁している期間(すなわち、オーバーラップ期間)の長さの低減、或いはオーバーラップが発生しないよう制御することが可能となる。
このような構成の背景として、他方で、このような構成に依らない、例えば従来型の慣性過給を行う内燃機関においては、吸気制御弁が閉弁されている期間において、オーバーラップが発生した場合に、デッドボリューム内の負圧によって、排気弁より排出される既燃ガスがデッドボリューム内に流入し、負圧の低減、或いは正圧の発生が生じるという技術的問題点がある。
従って、このように構成すれば、吸気弁が開弁しているとともに排気弁が開弁している期間を低減させることが可能となり、排気ポートよりデッドボリューム内に流入する既燃ガスの流量を低減することが可能となる。ここに、所定のオーバーラップ期間とは、上述した可変動弁機構による調節が行われない状態でのオーバーラップ期間のことである。本態様では、このような所定のオーバーラップ期間に比して、幾らかでもオーバーラップ期間が少なくなるよう、吸気弁の開弁時期の遅角及び排気弁の閉弁時期の進角、或いはいずれか一方の操作が行われる。結果、排気弁の開弁によって排気ポート方面へ排出される既燃ガスが、吸気弁を通過してデッドボリューム内に流入する流量を低減させることが出来、デッドボリューム内に封入される負圧の低減をも抑制することが可能となる。
また、このような前記可変動弁機構の制御によってオーバーラップ期間が低減される態様においては、前記制御手段は、前記吸気弁及び前記排気弁が共に開弁することの無いよう前記可変動弁機構を制御するよう構成されていてもよい。
このように構成すれば、吸気制御弁が閉弁されると共に、吸気弁が開弁している状況において、排気弁は常に閉弁状態にあるため、吸気制御弁の下流側の吸気通路から気筒内までに封入される圧力の変動が起こらなくなる。結果、排気弁の開弁によって排気ポート方面へ排出される既燃ガスが、吸気弁を通過してデッドボリューム内に流入することを抑制することが出来、デッドボリューム内に封入される負圧の低減をも抑制することが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
始めに、図1を参照して、本発明の実施形態に係るエンジンシステム1の構成について一部その動作を交えて説明する。ここに、図1は、エンジンシステム1の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、エンジンシステム1は、図示せぬ車両に搭載され、ECU20及びエンジン2を備える。
ECU20は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、エンジン2の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットである。
エンジン2は、軽油を燃料とする、本発明に係る「内燃機関」の一例たる直列4気筒ディーゼルエンジンである。エンジン2の概略について説明すると、エンジン2は、シリンダブロック(不図示)に複数の気筒10が並列して配置された構成を有している。そして、各気筒内における圧縮行程において、当該圧縮行程或いは吸気行程に気筒内に直接噴射される燃料と吸入空気との混合気が圧縮され、自発的に着火した際に生じる力が、夫々不図示のピストン及びコネクティングロッドを介してクランクシャフト(不図示)の回転運動に変換される構成となっている。このクランクシャフトの回転は、エンジンシステム1を搭載する車両の駆動輪に伝達され、当該車両の走行が可能となる。以下に、エンジン2の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。尚、個々の気筒10の構成は相互に等しいため、ここでは一の気筒10についてのみ説明することとする。また、気筒10は、吸気弁14を介して吸気管11と連通されるとともに、排気弁16を介して排気ポート12と連通される。ここに、吸気弁14及び排気弁16は、後述する可変バルブ機構30に接続され、可変バルブ機構30に接続されるECU20の制御の下、その動弁特性が変更できるよう構成されている。本実施形態においては、少なくとも、ECU20の制御の下、吸気弁14及び排気弁16における開弁時期及び閉弁時期を進角側或いは遅角側にシフト出来るように構成されている。
外界から導かれる空気たる吸入空気は、本発明に係る「吸気通路」の一例たる吸気管11を通過して気筒10に流入する。また、吸気管11における後述する吸気弁14の上流側には、吸気制御弁15が設けられている。吸気制御弁15は、その一具体例として、弁体の位置に応じて規定される開度が、吸気管11の上流側及び下流側を遮断する全閉開度と、吸気管11の上流側及び下流側をほぼ全面的に連通させる全開開度との間で連続的に変化するように構成された、本発明に係る「吸気制御弁」の一例たる電磁制御弁である。このように、エンジン2では、吸気管11内に吸気制御弁15を備えることにより、気筒10への吸入空気の供給の有無が、吸気制御弁15の開閉状態に応じて制御される構成となっている。このような吸気制御弁15は、典型的には、駆動によってその開閉状態を変動し得る原動機を備え、少なくとも信号の伝達が可能な形態を採って接続されるECU20の制御によって該原動機が駆動されることでその開閉状態を変動し得る。また、吸気管11における吸気制御弁15及び吸気弁14によって区切られる領域を特にデッドボリューム18と称する。
可変バルブ機構(Variable Valve Timing:VVT)30は、本実施形態に係る「可変動弁機構」の一具体例であり、カムバイワイヤ(CambyWire)や電磁駆動弁のように、吸気弁14及び排気弁16のうち少なくとも一方の動弁特性を変更可能に構成されている。例えば、可変バルブ機構30は、吸気弁14の動弁特性を変更するために、不図示の吸気カムシャフトに回転位相差可変アクチュエータを備える。これにより、リフト量及び作用角の可変に加えて又は代えて、エンジン2の運転状態に応じて吸気弁14の開閉時期を進角側或いは遅角側にシフトする。
排気行程において、気筒10の燃焼室13内において燃焼に供されたガス(既燃ガス)は、排気弁16を介して排気ポート12へと流入する。
このように、本実施形態に係るエンジンシステム1では、吸気管11、排気ポート12燃焼室13、吸気弁14、吸気制御弁15及び排気弁16を含む吸気系に加えて、吸気弁14及び排気弁16の動弁特性を適宜変更可能な可変バルブ機構30及び吸気制御弁15の開閉状態を制御すると共に、可変バルブ機構30による動弁特性の変更の態様を制御するECU20が本発明に係る「内燃機関の吸気制御装置」の一例としてのエンジンシステム1を成している。
エンジンシステム1では、エンジン2の機関回転速度NEが所定のインパルスチャージ領域にある場合に、インパルスチャージが実行される。ここで、インパルスチャージとは、吸気制御弁15の開閉により生じる吸気の脈動を利用した慣性過給を指す。より具体的には、吸気制御弁15が閉弁した状態で一の気筒10が吸気行程を迎えると、当該気筒10の吸気弁14が開弁され、当該気筒10のピストンが下降し始める。この際、吸気制御弁15が閉弁しているため、燃焼室13及びデッドボリューム18の内圧は負圧となり、大気圧又は過給により大気圧以上に維持される吸気制御弁15上流側の管内圧との圧力差が増大する。
このような状態において吸気制御弁15を開弁する(即ち、吸気弁14の開弁タイミング以降の開弁期間において開弁する)と、吸気管11における吸気制御弁15の上流側と気筒10における燃焼室13とが連通し、吸気制御弁15を介して吸入空気が吸気として一気に気筒10内部の燃焼室13に流入することとなる。このとき、吸気制御弁15の上流側及び下流側(すなわち、燃焼室13及びデッドボリューム18)の内圧差により、慣性効果が生じ、流入する空気の流量が増大する。
その後、燃焼室13における内圧が最大正圧として測定される時点で(必ずしも、当該時点のみに限定されるものではなく、吸気の充填効率を幾らかなり向上させ得る限りにおいて当該時点を含む一定又は不定の期間であってよく、一例としてピストン17位置が下死点(つまり、吸気下死点)近傍にある期間が挙げられる)吸気制御弁15を閉弁すれば、燃焼室13内の圧力は上昇し、吸気の充填効率が向上する。吸気制御弁15を利用したインパルスチャージはこのように実行される。
次に、このようなインパルスチャージが行われる1回の吸気行程における吸気弁14及び吸気制御弁15の開閉状態の時間的変化について説明する。図2は、或る1回の吸気行程における吸気弁14及び吸気制御弁15の開閉状態、及びデッドボリューム18の内圧の時間的変化を示す概略的なグラフである。図2上段は、吸気弁14の開度(実線部)及び吸気制御弁15の開度(点線部)の時間変化を夫々示すグラフである。図2中段及び下段は、一義的には、上述の吸気弁14及び吸気制御弁15の開閉状態に伴って変化する、デッドボリューム18内圧の時間的変化を示すグラフであり、特に中段のグラフは下段のグラフに比して、吸気行程におけるデッドボリューム18内の負圧が大きい状態を示している。
吸気行程における吸気弁14の開弁後は、燃焼室13内では、ピストン17が下降することによって負圧が生じ、それに伴うデッドボリューム18内に残存する空気の流出が起こるため、デッドボリューム18内圧は低減する。次に、吸気制御弁15が開弁されることによって燃焼室13及びデッドボリューム18は吸気管11と連通され、吸気管11を通過する吸気が燃焼室13及びデッドボリューム18に流入する。このとき、デッドボリューム18内圧が低ければ低い程、吸気制御弁15の上流側の吸気管11内圧との圧力差が増大し、該圧力差に応じた吸気の脈動が発生することで、より多くの吸気の流入が行われる(図2中段、及び下段参照)。つまり、デッドボリューム18内に封入される負圧が比較的大きければ、次の吸気行程において生じる正圧波も比較的大きくなる。
この後、上述の如く然るべき期間の後に吸気制御弁15が閉弁され、更に所定の時間後に吸気弁14も閉弁される。このとき、デッドボリューム18は吸気管11とも燃焼室13とも区切られることとなる。
尚、エンジン2においては、ECU20の制御の下、可変バルブ機構30によって吸気弁14と排気弁16とが同時に開弁することがないよう(つまり、バルブオーバーラップが生じないよう)、その開弁時期及び閉弁時期が変更されている。より詳細には、吸気弁14の開弁時期の遅角或いは排気弁16の閉弁時期の進角が行われていることが好ましい。このような構成の背景として、本実施形態の上述の態様に依らない従来型のエンジン2においては、吸気制御弁15の閉弁期間にバルブオーバーラップが生じることがあり、該バルブオーバーラップ時に排気弁16を介して排気ポート12へ流入する既燃ガスが、負圧が蓄積されるデッドボリューム18に流入してしまう事態が起こり得る。これによって、デッドボリューム18に蓄積されるべき負圧が低減されることから、次のサイクルの吸気行程における慣性過給効果の低減に繋がるという技術的問題が指摘される。他方で、本実施形態の可変バルブ機構30に依れば、上述の如くバルブオーバーラップが生じないため、既燃ガスがデッドボリューム18に流入するような事態を好適に抑制することが可能となる。
次に、図3から図5を用いて、本実施形態に依らない従来型のエンジン2及び本実施形態に係るエンジン2における複数サイクル間の過給効果の態様について説明する。図3から図5は、吸気弁14及び吸気制御弁15の開閉状態、及びデッドボリューム18の内圧の時間的変化を示す概略的なグラフであって、図3は後に詳述する従来型のエンジン2、図4は本実施形態に係るエンジン2、図5は後述する本実施形態の変形例に係るエンジン2の夫々に関するグラフである。ここに、図3から図5上段は、吸気弁14の開度(実線部)、吸気制御弁15の開度(点線部)及び排気弁16の開度(一点鎖線部)の時間変化を夫々示すグラフである。図3から図5下段は、一義的には、上述の吸気弁14及び吸気制御弁15の開閉状態に伴って変化する、デッドボリューム18内圧の時間的変化を示すグラフである。
図3に示すように、本実施形態に依らない従来型のエンジン2においては、吸気行程後半における吸気制御弁15の閉弁時に、燃焼室13内の高圧の空気の一部がデッドボリューム18内にも流入し、その後、空気を残したまま吸気弁14が閉弁されることで、デッドボリューム18内に正圧が封入されてしまう事態が起こり得る。そして、次の吸気行程において、吸気弁14の開弁によって燃焼室13とデッドボリューム18とが連通された後、デッドボリューム18に封入される正圧の空気によって、吸気制御弁15の上流側の管内圧との圧力差が低減されることから、慣性過給によって生じる正圧波が、そのような正圧を封入していない状態(例えば、第1回の吸気行程)に比して低減され、慣性過給効果の低減に繋がるという技術的問題が指摘される。
他方で、図4に示すように、本実施形態に係るエンジン2においては、吸気行程の終了後、次の吸気行程が開始されるまで(典型的には、再び吸気弁14が開弁されるまで)の期間において、少なくとも1回の吸気制御弁15の開弁がECU20の制御の下実施される。このように、吸気制御弁15の開弁が行われることで、デッドボリューム18内に封入される正圧を吸気管11上流側に解放することが出来、その後、吸気制御弁15を閉弁することでデッドボリューム18内圧を、吸気制御弁15の開弁時のデッドボリューム18内圧に比して低減させる(典型的には、大気圧と略同一)ことが出来る。よって、次の吸気行程において、燃焼室13との連通後、ピストン17の降下に伴う燃焼室13及びデッドボリューム18内の負圧の大きさを、初回の吸気行程時(すなわち、デッドボリューム18内圧が正圧の状態より開始される第1回の吸気行程時)と同一のレベルまで増大させることが可能となり、次いで吸気制御弁15の開弁に伴って生じる正圧波による慣性過給も、初回の吸気行程と同一のレベルで行われる。
つまり、吸気行程と次回の吸気行程との間の所定の期間において吸気制御弁15を開弁させて、デッドボリューム18内に封入される正圧を解放することで、毎サイクルの吸気行程開始時のデッドボリューム内圧を大気圧と略同一とすることが出来(所謂、初期化)、毎サイクルでの慣性過給効果による発生トルク向上を安定して達成することが可能となる。
尚、デッドボリューム18内の正圧を解放する際の吸気制御弁15の開度及び開弁期間は、少なくとも上述の正圧を解放し、デッドボリューム18内圧が大気圧と略同一とするために必要な開度及び開弁期間を満足出来るのであれば、どのような態様であっても良く、また、吸気行程と次回の吸気行程との間の期間に実施されるのであれば、複数回の開閉弁動作に分割されて実施されても良い。
また、本実施形態はその変形例では、上述のデッドボリューム18内の正圧を解放する際の吸気制御弁15の開度及び開弁期間が、図5に示すように、該正圧が反転されて負圧となるために必要充分な期間となるよう構成される。
この変形例では、吸気行程と次回の吸気行程との間の所定の期間において、吸気制御弁15の開弁により、デッドボリューム18内に封入される大気圧に比して高圧である空気が吸気管11へと瞬間的に流出する。この時、正圧が反転して負圧になった際に吸気制御弁15が閉弁されることで、デッドボリューム18内には負圧の空気が封入されることとなる。そして、次の吸気行程においては、燃焼室13との連通後、ピストン17の降下に伴う燃焼室13及びデッドボリューム18内の負圧の大きさを、デッドボリューム18内圧が正圧の状態より開始される第1回の吸気行程時に比してより増大させることが可能となり、次いで吸気制御弁15の開弁に伴って生じる正圧波による慣性過給効果も、初回の吸気行程に比して増大される。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の吸気制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明に係るエンジンの構成を概念的に表してなる概略構成図である。 吸気行程における、吸気弁及び吸気制御弁の開度と、デッドボリューム内圧との関係を示すグラフである。 従来型のエンジンにおける、吸気弁及び吸気制御弁の開度と、デッドボリューム内圧との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るエンジンにおける、吸気弁及び吸気制御弁の開度と、デッドボリューム内圧との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態の変形例に係るエンジンにおける、吸気弁及び吸気制御弁の開度と、デッドボリューム内圧との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…エンジンシステム、2…エンジン、10…気筒、11…吸気管、12…排気ポート、13…燃焼室、14…吸気弁、15…吸気制御弁、16…排気弁、17…ピストン、18…デッドボリューム、20…ECU

Claims (4)

  1. 気筒内部に連通する吸気通路と、
    該吸気通路に設置され、開閉状態に応じて吸気の脈動を生成可能且つ該吸気の量たる吸気量を調整可能な吸気制御弁と、
    前記気筒が吸気行程である期間に、前記吸気制御弁を少なくとも一回開弁させるとともに、前記気筒が吸気行程でない期間に、前記吸気制御弁を少なくとも一回開弁させる制御手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記気筒が吸気行程でない期間に、前記吸気制御弁を、前記吸気通路における前記吸気制御弁と吸気弁との間の空間に蓄圧された正圧が負圧に変化するために必要な期間だけ開弁させた後に閉弁させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気制御装置。
  3. 吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方の弁の開閉時期を可変とする可変動弁機構を更に備え、
    前記制御手段は、前記吸気弁及び前記排気弁が共に開弁するオーバーラップ期間が、所定のオーバーラップ期間に比して少なくなるよう前記可変動弁機構を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の吸気制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記吸気弁及び前記排気弁が共に開弁することの無いよう前記可変動弁機構を制御することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012092842A (ja) * 1998-07-08 2012-05-17 Nonox Bv ピストン往復内燃機関のための給気制御装置

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