JP2010024465A - 新規アニオン重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、設定した任意の量の重合性官能基を繰り返し単位中に有する重合体を提供することを目的とする。
【解決手段】芳香族環と共役した二重結合を有する共役アルケニル単量体より得られる重合体であって、繰り返し単位に芳香族環と共役した二重結合を有し、芳香族環と共役した二重結合の置換位置のオルト位、またはパラ位のいずれか少なくとも1つの位置に、酸素原子を介した有機基を有する共役アルケニル単量体より得られることを特徴とする重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、繰り返し単位中に芳香族環と共役した二重結合を有する重合体に関する。
繰り返し単位中に芳香族環と共役した二重結合を有する重合体は、二重結合によりさらに重合することが可能であることから、硬化性樹脂として有用な重合体である。具体的には、側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体、光ラジカル発生剤、及び可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し、前記光ラジカル発生剤を増感させる増感剤とを含有することを特徴とする感光性組成物が知られている。
上記側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体として、下記式に示す共重合体が例示されている。(特許文献1を参照)
Figure 2010024465
特開2001−290271号公報
ジビニルベンゼンに代表される分子内に2以上の重合性官能基を有する単量体を用いて、一方の重合性官能基だけを選択的に反応させて、他方の重合性官能基を繰り返し単位中に残存させることは、従来困難とされていた。従って、上記例示された化合物においても、クロロメチルスチレンを用いた高分子反応により、ビニル基が置換したフェニル基を側鎖に導入するという方法によって合成されていた。しかし、上記方法では、高分子反応であるため、必ずしも目的とする量だけの重合性官能基を導入するのが困難であるという問題があった。
本発明は、設定した任意の量の重合性官能基を繰り返し単位中に有する重合体およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、芳香族環と共役する二重結合置換位置のオルト位及び/またはパラ位を、酸素原子を介する有機基で置換することにより、共役二重結合の反応性を劇的に変化させて、反応を制御できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)繰り返し単位に芳香族環と共役した二重結合を有し、該芳香族環と共役した二重結合の置換位置のオルト位、またはパラ位のいずれか少なくとも1つの位置に、酸素原子を介した有機基を有することを特徴とする重合体に関し、
(2)繰り返し単位が、芳香族環と共役した二重結合から誘導される繰り返し単位であることを特徴とする(1)に記載の重合体に関する。
また、本発明は、
(3)芳香族環と共役した二重結合を有する共役アルケニル単量体を重合した重合体であって、繰り返し単位に芳香族環と共役した二重結合を有し、芳香族環と共役した二重結合の置換位置のオルト位、またはパラ位のいずれか少なくとも1つの位置に、酸素原子を介した有機基を有する共役アルケニル単量体を重合したことを特徴とする重合体に関し、
(4)共役アルケニル単量体が、二以上の芳香族環及び該芳香族環と共役した二重結合を有し、少なくとも1の芳香族環において二重結合の置換位置のオルト位及び/またはパラ位に酸素原子を介した有機基を少なくとも1つ有し、少なくとも1の芳香族環において二重結合の置換位置のオルト位及びパラ位に酸素原子を介した有機基を有しない共役アルケニル単量体、または二以上の芳香族環及び該芳香族環と共役した二重結合を有し、少なくとも1の芳香族環において二重結合の置換位置のオルト位に酸素原子を介した有機基を少なくとも1つ有し、少なくとも1の芳香族環において二重結合の置換位置のオルト位に酸素原子を介した有機基を有せず、パラ位には酸素原子を介した有機基を有していてもよい共役アルケニル単量体であることを特徴とする(3)に記載の重合体、
(5)共役アルケニル単量体が、式(I)
Figure 2010024465

(式中、Aは、式(II)
Figure 2010024465
(式(II)中、Dは芳香族環を表し、R11は、CH2=C(R21)−で表されるアルケニル基を表し、R21は、水素原子、またはC1〜C12炭化水素基を表し、qは、1または2を表し、qが2の場合、R11同士は、同一または相異なっていてもよく、環D上に結合手を有する。)で表される官能基を表し、R1は、酸素原子を含んでいてもよい2〜4価のいずれかの炭化水素基を表し、Bは、芳香族環を表し、R2は、CH2=C(R4)−で表されるアルケニル基を表し、R4は、水素原子、またはC1〜C12炭化水素基を表し、R3は、酸素原子を介した有機基を表し、k、m、およびnは、それぞれ独立に1または2を表し、lは、1〜3のいずれかの整数を表し、pは、0または1〜3のいずれかの整数を表し、k、l、m、n、またはpが2以上の場合に、A、B、R1、R2、またはR3同士はそれぞれ、同一または相異なっていてもよい。但し、mが1の場合、またはmが2の場合の少なくとも一方において、R2置換位置のオルト位及び/またはパラ位には少なくとも、R3または芳香環B上に酸素原子を介して結合するR1が置換しており、lが1の場合、またはlが2の場合の少なくとも一方において、R11のオルト位及び/またはパラ位には、酸素原子を介した有機基が置換しないものとし、R2のオルト位に酸素原子を介した有機基が置換した場合には、R11のパラ位に、酸素原子を介した有機基を有していてもよい。)で表される化合物であることを特徴とする(3)または(4)に記載の重合体に関する。
さらに、本発明は、
(6)繰り返し単位に芳香族環に直接結合するオキシラン環を有し、オキシラン環の置換位置のオルト位、またはパラ位のいずれか少なくとも1つの位置に、酸素原子を介した有機基を有することを特徴とする重合体に関し、
(7)繰り返し単位が、芳香族環に共役する二重結合から誘導される繰り返し単位であることを特徴とする(6)に記載の重合体に関する。
本発明の重合体は、所望の量だけ、しかも構造制御して、分子内に重合性官能基を有する重合体である。重合性官能基を用いて、さらに、自己同士または、他の高分子との橋かけや、他の単量体を介した橋かけも可能であり、いままでにない特性を有する材料への応用が期待されるものであり、産業上の利用価値は高いといえる。
本発明の重合体は、繰り返し単位に芳香族環と共役した二重結合を有するが、そのような重合体を製造する本発明の方法は、芳香族環と共役した反応性の異なる二重結合を2以上有するアルケニル単量体を用い、反応性が高い二重結合においてのみアニオン重合させることを特徴とする。
2以上の重合性官能基の反応性に差異を設ける方法として、幾つか考えられるが、一方の重合性官能基で反応させた後、残存している二重結合を用いて更に、重合、または他の官能基への変換が可能な程度に反応性の差異を設ける方法が好ましい。
具体的には、
(1)二以上の芳香族環及び該芳香族環と共役した二重結合を有し、少なくとも1の芳香族環において二重結合の置換位置のオルト位及び/またはパラ位に酸素原子を介した有機基を少なくとも1つ有し、少なくとも1の芳香族環において二重結合の置換位置のオルト位及びパラ位に酸素原子を介した有機基を有しない共役アルケニル単量体を、必要に応じてアニオン重合可能な単量体と共に、アニオン重合させる方法、
(2)二以上の芳香族環及び該芳香族環と共役した二重結合を有し、少なくとも1の芳香族環において二重結合の置換位置のオルト位に酸素原子を介した有機基を少なくとも1つ有し、少なくとも1の芳香族環において二重結合の置換位置のオルト位に酸素原子を介した有機基を有せず、パラ位には酸素原子を介した有機基を有していてもよい共役アルケニル単量体を、必要に応じてアニオン重合可能な単量体と共に、アニオン重合させる方法、
等を好ましく例示することができる。
即ち、芳香族環と共役する二重結合の置換位置のオルト位及び/またはパラ位に、酸素原子を介した有機基が置換した場合に、その二重結合の反応性が、そのような環境にない二重結合の反応性に比して、著しく低下するため、一方の二重結合のみが重合し、他方の二重結合は一方の二重結合の重合が終了するまで、重合反応することなく、さらに重合末端のアニオンの攻撃を受けることないので、繰返し単位中に二重結合を残存させることができる。
上記した方法を用いることにより、芳香族環と共役した二重結合を有する繰り返し単位を任意に設定しただけの量を含む重合体を、構造制御して製造することができる。即ち、任意の比率の単量体を用い、ランダム共重合体、ブロック共重合体等の任意の重合様式でアニオン重合を行うことで、分子量分布の狭く、単分散の構造制御された共重合体を得ることができる。
上記方法により最終的に得られた重合体は、側鎖(ペンダント)として二重結合を有しているため、新たにイオン重合開始剤、ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を添加することにより、さらに重合させることが可能である。また、二重結合を、エポキシ基等の他の官能基に変換することも可能であり、官能基の導入また、エポキシ基等を利用した縮重合も可能である。
上記したアルケニル単量体は、上記した条件を満たす構造を有する単量体であればその構造は特に制限はされないが、具体的には、式(I)で表される化合物を好ましく例示することができる。
式(I)中、Aは式(II)で表される官能基を表す。式(II)中、Dは、芳香族環を表し、具体的には、フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基、ピリジル基、キノリニル基、インドリル基、ベンツイミダゾール基、ピロール基、ピラゾール基、イミダゾール基、イソオキサゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基等の芳香族複素環基を例示することができる。
11は、CH2=C(R21)−で表されるアルケニル基を表し、R21は、水素原子、または、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、1−ナフチル基等のC1〜C12炭化水素基を表す。qは、1または2を表し、qが2の場合に、R11同士は同一または相異なっていてもよく、置換位置は、後述する条件を満たせば特に限定されない。また、R1との結合手は、環D上に有する。環D上のR1の結合位置は、後述する条件を満たす限り特に制限はされない。
式(I)中、R1は、酸素原子を含んでいてもよい2〜4価のいずれかの炭化水素基を表し、具体的には、下記式に示す官能基を例示することができる。
Figure 2010024465
Figure 2010024465
式(I)中、Bは、芳香族環を表し、具体的には、環Dで例示した官能基と同様の化合物を例示することができる。
2は、CH2=C(R4)−で表されるアルケニル基を表し、R4は、水素原子、またはC1〜C12炭化水素基を表し、具体的には、R21と同様の官能基を例示することができる。nは、1または2を表し、nが2の場合、R2同士は、同一または相異なっていてもよい。置換位置は、後述する条件を満たせば特に制限されることはない。R3は、酸素原子を介した有機基を表し、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の直鎖または分枝鎖を有するアルコキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基等のアリールオキシ基、ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等を例示することができる。pは、0または1〜3のいずれかの整数を表し、pが2以上の場合、R3同士は同一、または相異なっていてもよい。置換位置は、後述する条件を満たせば、特に制限されることはない。
また、mは、1または2を表し、mが2の場合、B、R2、及びR3同士は、同一または相異なっていてもよい。
環B及び環D上の各置換基の置換位置については、次に示す条件に従うものとする。
条件1:R2の置換位置のオルト位及び/またはパラ位には、酸素原子を介した有機基が存在する。即ち、少なくともR3または芳香族環Bを上に酸素原子を介して結合するR1が置換していなければならない。
条件2:R11のオルト位及びパラ位には、酸素原子を介した有機基は置換しない。但し、R2のオルト位に酸素原子を介した有機基が置換した場合には、R11のパラ位に、酸素原子を介した置換基が置換してもよい。
条件2において、R11のパラ位に置換してもよい酸素原子を介した有機基としては、酸素原子を介して芳香族環Dに結合するR1であっても、他の、酸素原子を介した有機基であってもよい。
芳香族環B、及びD上には、条件1及び2を満たす限りにおいて、フッ素原子、クロル原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等の炭化水素基、ニトロ基、シアノ基等の置換基を有していても構わない。
式(I)で表されるアルケニル単量体として、具体的には下記式で表される化合物を例示することができる。
Figure 2010024465
本発明においては、上記例示した単量体を重合するにあたり、共重合可能な共役二重結合を有する単量体と共重合させることもでき、そのような単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、2,4,6−トリイソプロピルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、m−t−ブトキシスチレン等のビニル芳香族単量体、ビニルピリジン等のヘテロ原子含有芳香族ビニル化合物、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン等のビニルケトン化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド又は(メタ)アクリロニトリル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン単量体等を例示することができる。これらの化合物は1種又は2種以上の混合物として使用することができ、ブロック共重合、ランダム共重合等させることができる。
本発明における上記例示した単量体等を用いた重合方法としては、2以上の官能基の反応性を識別できる方法であれば特に制限はされないが、アニオン重合法を特に好ましく例示することができる。
重合は、−100℃以上20℃以下の温度範囲で行われるのが好ましい。重合温度の下限は、用いる単量体の反応性により異なるが、少なくとも重合が完結する温度である必要があり、通常、−100℃以下でも重合進行するが、反応速度が遅くなる。20℃以上では、移動反応や、停止反応等の副反応が起こり、目的とする構造制御せれた重合体を得ることが困難となる。
本発明において、重合温度は、重合反応中一定である必要はなく、重合反応の進行に従い任意の速度で上昇させてもかまわない。例えば、添加する単量体を2分割し、最初低温で重合を行った後、昇温してさらに単量体を添加して重合を行うこともできる。
本発明に用いられる単量体の重合溶媒に対する濃度は、特に制限されないが、通常10〜40重量%の範囲である。
本発明に用いられる重合溶媒は、重合反応に関与せず、かつ重合体と相溶性のある極性溶媒であれば、特に制限されず、具体的には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン等のエーテル系化合物、テトラエチレンジアミン(TMEDA)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)等の3級アミン等を例示することができ、特にテトラヒドロフランが好ましい。また、これらの溶媒は、1種単独で、または2種以上の混合溶媒として用いることができる。
また、極性の低い脂肪族、芳香族又は脂環式炭化水素化合物であっても、重合体と比較的相溶性があれば、極性溶媒と組み合わせることにより使用することができる。具体的には、トルエンとTMEDA、HMPAとの3級アミンの組み合わせを例示でき、この場合、3級アミンを用いる開始剤に対して1〜10当量程度用いるのが好ましく、またトルエンとテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒の組み合わせも使用することができ、この場合、エーテル系溶媒対してトルエンを50体積%以下用いるのが好ましい。
本発明において用いられる重合開始剤は、アルカリ金属又は有機アルカリ金属からなり、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等を例示することができ、有機アルカリ金属としては、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、アリール化物等を使用することができ、具体的には、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、α−メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、1,4−ジリチオ−2−ブテン、1,6−ジリチオヘキサン、ポリスチリルリチウム、クミルカリウム、クミルセシウム等を挙げることができ、これらの化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明の重合体の製造方法においては、必要に応じて、鉱酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩等よりなる添加剤を、重合開始時、または重合中に添加することができる。そのような添加剤として、具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム、バリウム、マグネシウムの硫酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩等の鉱酸塩やハロゲン化物を例示することができ、より具体的にはリチウムやバリウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物や、ホウ酸リチウム、硝酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等を挙げることができるが、これらの中でも、リチウムのハロゲン化物、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム又はフッ化リチウム、特に塩化リチウムを使用することが好ましい。
また、繰り返し単位に含まれる芳香族環と共役した二重結合は、反応性を有することから、それ自身でさらに重合反応を行ったり、酸化することにより、オキシラン環、ホルミル基、カルボキシル基等の他の官能基へ変換することができる。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(参考例1)
(1)単量体1の合成
Figure 2010024465
窒素置換した500mlナス型フラスコにMg4.53g(186mmol)をはかり取り、脱水Et2O70mlを加えてよく撹拌した後、少量の1,2−ジブロモエタンを加えてMgを活性化させた。これに脱水ジエチルエーテル(Et2O)30mlに溶解させたp−クロロメチルスチレン19.0g(124mmol)を0℃で滴下した。室温で3時間撹拌後、GCにより反応が定量的に進行したことを確認した。
窒素置換した500mlナス型フラスコに1,3−ジブロモプロパン63ml(612mmol)を入れた後、上記した方法で調整したGrignard試薬を滴下ロートに移し、0℃で滴下した。さらに精製テトラヒドロフラン(THF)20mlを0℃で滴下し、室温で8時間撹拌した。GCにより反応の終了を確認し、2N−HClを弱酸性になるまで加えて反応を停止した。その後、水層をCHCl340mlで3回抽出し、有機層をMgSO4で乾燥した。溶媒を減圧留去後、メチレンブルー存在下で1,3−ジブロモプロパンの留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)によって精製し、無色透明液体としてp−(4−ブロモブチル)スチレン24.9g(104mmol)を得た。(収率84%)
200mlナス型フラスコに2’−ヒドロキシアセトフェノン3.26g(24.0mmol)とp−(4−ブロモブチル)スチレン5.00g(20.9mmol)、ジメチルホルムアミド(DMF)50mlをはかり取り、ここにNaH0.576g(24.0mmol)を0℃で少しずつ加えて室温で終夜撹拌した。水を加えて反応を停止し、水層をEt2O50mlで3回抽出した後、有機層をMgSO4で乾燥した。その後カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)によって精製することにより、無色透明液体として、2’−(4−(4−ビニルフェニル)ブトキシ)アセトフェノン5.20g(17.7mmol)を得た。(収率85%)
窒素置換した200ml二口ナス型フラスコにCH3PPh3Br2.86g(22.1mmol)とt−ブトキシカリウム(t−BuOK)7.85g(25.5mmol)、THF30mlを入れて室温で30分間撹拌した。その後2’−(4−(4−ビニルフェニル)ブトキシ)アセトフェノン5.20g(17.7mmol)のTHF20ml溶液を0℃で滴下し、室温で終夜撹拌した。水を加えて反応を停止し、水層をEt2O50mlで3回抽出した後、有機層をMgSO4で乾燥した。その後溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)によって精製を行い無色透明液体として、2’−(4−(4−ビニルフェニル)ブトキシ)−α−メチルスチレン3.73g(12.8mmol)を得た。(収率72%)
元素分析結果 計算値C:86.26,H:8.27,O:5.47 実測値C:86.19,H:8.32,O:5.49
(2)単量体2の合成
原料として、4−ヒドロキシアセトフェノンを用い、最終の生成工程におけるカラムクロマトグラフィーの展開溶媒をヘキサン/ベンゼン=8/2を用い、メタノールで再結晶する以外は、単量体−1の合成と同様に行い、無色透明液体として、4’−(4−(4−ビニルフェニル)ブトキシ)−α−メチルスチレンを収率75%で得た。(融点:51.2℃)
(3)単量体−3の合成)
原料として、3−ヒドロキシアセトフェノンを用い、最終の生成工程におけるカラムクロマトグラフィーの展開溶媒をヘキサン/ベンゼン=8/2を用いる以外は、単量体−1の合成と同様に行い、無色透明液体として、3’−(4−(4−ビニルフェニル)ブトキシ)−α−メチルスチレンを収率66%で得た。
ブレーカブルシールを用い、アニオン重合開始剤としてs−BuLi(0.02M)を用い、溶媒THF中、−78℃で、単量体1または2の重合を行い、常法に従い、反応を停止し、後処理を行った。用いた試薬の量を表1にまとめて示す。THFは、単量体の濃度が5体積%になるように用いた。
(比較例1)
単量体3を用いる以外は、実施例2と同様に反応を行った。その結果を表1にまとめて示す。反応収率は、66%であり、ゲル化した。
Figure 2010024465
アルケニル基のオルト位、またはパラ位に酸素原子を介した官能基を有する単量体1および2を用いた場合に、そのような官能基のないアルケニル基で反応が進行することは、NMRにより確認した。表1より、単量体1および2を用いた場合に、反応が制御され、単峰性および狭分散の重合体が得られるのに対して、アルケニル基のメタ位に酸素原子を介した官能基を有する単量体3では、ゲル化し、反応を制御することができなかった。
また、パラ位に酸素原子を介した官能基を有する単量体2においても、重合時間を長くすると、高分子量側の生成物が増加する傾向にあった。
ブレーカブルシールを用い、THF中、−78℃で、単量体1(2.27mmol)をs−BuLi(0.0476mmol)で30分間重合させ、次いでスチレン(6.56mmol)を加え、5分間重合し、常法に従い反応を停止し、後処理を行った。反応収率は100%であった。分子量の計算値は、28.4×103(そのうち単量体1のポリマーの分子量は、14.0×103)であり、NMRからの実測値は28.7×103(そのうち単量体1のポリマーの分子量は、13.77×103)であり、よい一致をみた。得られたブロック共重合体は、単分散であり、Mw/Mn=1.02であった。
ブレーカブルシールを用い、THF中、−78℃で、スチレン(6.24mmol)をs−BuLi(0.0404mmol)で5分間重合後、単量体1(2.46mmol)を30分間重合し、常法に従い反応を停止し、後処理を行った。反応収率は100%であった。分子量の計算値は、34.0×103(そのうち単量体1のポリマーの分子量は、16.1×103)であり、NMRからの実測値は、35.3×103(そのうち単量体1のポリマーの分子量は、17.0×103)であり、よい一致をみた。得られたブロック共重合体は、単分散であり、Mw/Mn=1.04であった。
窒素雰囲気下、4−[4−(2−イソプロペニルフェノキシ)ブチル]スチレン2.0g(6.8mmol)をTHF18g中に溶解させた。この溶液に−40℃でs−BuLi溶液0.41g(0.53mmol)を添加し、−40℃で30分攪拌した。得られた反応混合物にメタノールを添加して反応を停止させた後、1.0N塩酸を加えた。水洗後取り出した有機層を濃縮乾固させることにより無色透明油状物のポリ(4−[4−(2−イソプロペニルフェノキシ)ブチル]スチレン)(重合体A)1.9gを得た(収率95%)。重合体Aの数平均分子量(Mn)は2900、重量平均分子量(Mw)は3200で分散度(Mw/Mn)は1.09であった。
窒素雰囲気下、塩化メチレン7.71g、0.5N炭酸水素ナトリウム水溶液10g混合液中に重合体A1.00g(0.33mmol)を添加した。この溶液中にm−クロロ過安息香酸0.66g(3.33mmol)を添加し、室温で6時間攪拌した。得られた反応混合物に0.5N炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水洗後取り出した有機層を濃縮乾固させることにより処理し、無色透明油状物(重合体B)0.92gを得た(収率92%)。重合体BのMnは3200、Mwは3400で分散度は1.10であった。
重合体Bの1H NMRスペクトルにおいて重合体Aで観測されたビニル基のメチレンに帰属されるシグナル(5.08ppm)がほぼ消失し、新たに2.84ppmにシグナルが出現したことから重合体Bは重合体Aのビニル基がエポキシ化されたポリ(4−{4−[2−(2−メチルオキラニル)フェノキシ]ブチル}スチレン)であり、エポキシ化率99%以上であることがわかった。

Claims (7)

  1. 繰り返し単位に芳香族環と共役した二重結合を有し、該芳香族環と共役した二重結合の置換位置のオルト位、またはパラ位のいずれか少なくとも1つの位置に、酸素原子を介した有機基を有することを特徴とする重合体。
  2. 繰り返し単位が、芳香族環と共役した二重結合から誘導される繰り返し単位であることを特徴とする請求項1に記載の重合体。
  3. 芳香族環と共役した二重結合を有する共役アルケニル単量体を重合した重合体であって、該重合体中の繰り返し単位に芳香族環と共役した二重結合を有し、芳香族環と共役した二重結合の置換位置のオルト位、またはパラ位のいずれか少なくとも1つの位置に、酸素原子を介した有機基を有する共役アルケニル単量体を重合したことを特徴とする重合体。
  4. 共役アルケニル単量体が、二以上の芳香族環及び該芳香族環と共役した二重結合を有し、少なくとも1の芳香族環において二重結合の置換位置のオルト位及び/またはパラ位に酸素原子を介した有機基を少なくとも1つ有し、少なくとも1の芳香族環において二重結合の置換位置のオルト位及びパラ位に酸素原子を介した有機基を有しない共役アルケニル単量体、または二以上の芳香族環及び該芳香族環と共役した二重結合を有し、少なくとも1の芳香族環において二重結合の置換位置のオルト位に酸素原子を介した有機基を少なくとも1つ有し、少なくとも1の芳香族環において二重結合の置換位置のオルト位に酸素原子を介した有機基を有せず、パラ位には酸素原子を介した有機基を有していてもよい共役アルケニル単量体であることを特徴とする請求項3に記載の重合体。
  5. 共役アルケニル単量体が、式(I)
    Figure 2010024465
    (式中、Aは、式(II)
    Figure 2010024465

    (式(II)中、Dは芳香族環を表し、R11は、CH2=C(R21)−で表されるアルケニル基を表し、R21は、水素原子、またはC1〜C12炭化水素基を表し、qは、1または2を表し、qが2の場合、R11同士は、同一または相異なっていてもよく、環D上に結合手を有する。)で表される官能基を表し、R1は、酸素原子を含んでいてもよい2〜4価のいずれかの炭化水素基を表し、Bは、芳香族環を表し、R2は、CH2=C(R4)−で表されるアルケニル基を表し、R4は、水素原子、またはC1〜C12炭化水素基を表し、R3は、酸素原子を介した有機基を表し、k、m、およびnは、それぞれ独立に1または2を表し、lは、1〜3のいずれかの整数を表し、pは、0または1〜3のいずれかの整数を表し、k、l、m、n、またはpが2以上の場合に、A、B、R1、R2、またはR3同士はそれぞれ、同一または相異なっていてもよい。但し、mが1の場合、またはmが2の場合の少なくとも一方において、R2置換位置のオルト位及び/またはパラ位には少なくとも、R3または芳香環B上に酸素原子を介して結合するR1が置換しており、lが1の場合、またはlが2の場合の少なくとも一方において、R11のオルト位及び/またはパラ位には、酸素原子を介した有機基が置換しないものとし、R2のオルト位に酸素原子を介した有機基が置換した場合には、R11のパラ位に、酸素原子を介した有機基を有していてもよい。)で表される化合物であることを特徴とする請求項3または4に記載の重合体。
  6. 繰り返し単位に芳香族環に直接結合するオキシラン環を有し、オキシラン環の置換位置のオルト位、またはパラ位のいずれか少なくとも1つの位置に、酸素原子を介した有機基を有することを特徴とする重合体。
  7. 繰り返し単位が、芳香族環に共役する二重結合から誘導される繰り返し単位であることを特徴とする請求項6に記載の重合体。
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