JP5271469B2 - エポキシオリゴマーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接着剤の硬化成分等に有用な特定のCPR(Controled Polymerization Rate)値を有するポリマー鎖にカルボキシル基を有する高分子に、エポキシ化合物を反応させることを特徴とするエポキシオリゴマーの製造方法に関する。
従来から、分子内にエポキシ基を有するエポキシオリゴマーと活性水素を持つ硬化成分や触媒作用をもつ硬化剤成分を基本組成とするエポキシ樹脂系接着剤が汎用されている。
このエポキシ樹脂系接着剤の硬化成分であるエポキシオリゴマーは、例えば、ブタジンを1,2あるいは1,4重合させて得られるポリマー鎖の末端部にカルボキシル基を有する化合物に、分子内にグリシジル基を有するエポキシ化合物を反応(以下、この反応を「エポキシエステル化反応」ともいう。)させることにより製造されている。
発明が解決しようとする課題
しかしながら、このエポキシオリゴマーを工業的に大量生産する場合においては、製造ロット毎に反応時間にばらつきがあり、製造工程の管理が困難であるという問題があった。すなわち、反応時間があまりに長くなるとエポキシオリゴマーの粘度が増大し、逆に反応時間が極端に短くなる場合には反応を制御することができず、反応中にゲル化するという問題があり、いずれの場合にも要求される規格のエポキシオリゴマーを得ることができなかった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、製造ロット毎に反応時間のばらつきをなくし、所定の規格にあった粘度を有するエポキシオリゴマーを効率よく製造することができるエポキシオリゴマーの製造方法を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
上記課題を解決するために本発明者らは、前記エポキシエステル化反応において製造ロット毎に反応時間にばらつきが生じる原因を詳細に調べた。その結果、反応時間は、原料となるポリマー鎖にカルボキシル基を有する式(1)で表される化合物のCPR値に大きく依存することが分かった。
そこで、ポリマー鎖にカルボキシル基を有する式(1)で表される化合物の各ロット間のCPR値を一定にしてエポキシエステル化反応を行なわせることにより、反応時間を一定にして効率のよい製造管理が可能となり、さらにCPR値を一定の範囲に制御することで要求される粘度を有するエポキシオリゴマーを得ることができることを見出し、本発明を完成するに到った。
ここで、CPR値は、一般的には式(1)で表される化合物中に含まれるアルカリ分(式(1)で表される化合物の末端カルボキシル基の塩)の量に対応する値である。
本発明は、式(1)
Figure 0005271469
(式中、Polyはポリマー鎖を表す。)で表される分子内にカルボキシル基を有する化合物と、式(2)
Figure 0005271469
(式中、Qは有機基を表す。)で表されるエポキシ化合物を反応させて、式(3)
Figure 0005271469
(式中、Poly及びQは前記と同じ意味を表す。)で表されるエポキシオリゴマーを得る製造方法であって、各ロット問の式(1)で表される化合物のCPR値を一定範囲内に調整することを特徴とするエポキシオリゴマーの製造方法を提供する。
本発明においては、前記式(1)で表される化合物のCPR値を30〜150の範囲に調整するのが好ましい。
本発明に用いられる前記式(1)で表される化合物としては、次の▲1▼〜▲2▼この順に好ましい。
▲1▼重合性単量体を、アニオン重合開始剤の存在下にアニオン重合させた反応液に二酸化炭素を添加し、さらに酸を添加して得られる高分子
▲2▼重合性単量体をアルカリ金属又は有機アルカリ金属の存在下にアニオン重合させた反応液に二酸化炭素を添加し、さらに酸を添加して得られる高分子
▲3▼ジエン類をアルカリ金属又は有機アルカリ金属の存在下にアニオン重合させた反応液に二酸化炭素を添加し、さらに酸を添加して得られる高分子
▲4▼ブタジエンをアルカリ金属又は有機アルカリ金属の存在下にアニオン重合させた反応液に二酸化炭素を添加し、さらに酸を添加して得られる高分子
▲5▼ジエン類をアルカリ金属又は有機アルカリ金属の存在下にアニオン重合させた反応液に二酸化炭素を添加し、さらに酸を添加して得られる高分子
また、本発明の製造方法により得られる前記式(3)で表されるエポキシオリゴマーの50℃での粘度は、350〜900ポイズであるのが好ましい。
以下、本発明の製造方法を詳細に説明する。
本発明は、所定のCPR値を有する式(1)で表される化合物に、式(2)で表されるエポキシ化合物を反応させることを特徴とする式(3)で表されるエポキシオリゴマーの製造方法である。
Figure 0005271469
1)式(1)で表される化合物
式(1)で表される化合物は、分子内に1以上のカルボキシル基を有する化合物であれば特に制限されず、例えば、ポリマー主鎖の内部にカルボキシル基を有する化合物、ポリマー側鎖にカルボキシル基を有する化合物、ポリマー鎖の末端にカルボキシル基を有する化合物等を例示することができる。これらの中でも、ポリマー鎖の両末端にカルボキシル基を有する化合物が好ましい。
式(1)中、Polyは、重合性単量体を重合して得られるポリマー鎖を表す。ここで、用いられる重合性単量体としては、分子内に重合性の二重結合を有する化合物が好ましい。例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等のα−オレフィン類;ブタジエン、イソプレン、ペンタン−1,3−ジエン、ヘキサン−1,3−ジエン、ヘキサン−2,4−ジエン、シクロヘキサン−1,3−ジエン、シクロオクタン−1,3−ジエン等の共役ジエン類;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリルアミド、アクリロニトリル等のアクリル化合物;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリルアミド、メタクリロニトリル等のメタクリル化合物;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルアルコール、ビニル酢酸等のビニル化合物;スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、4−メチルスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、4−t−ブトキシスチレン等のスチレン類;1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,2−ジビニルベンゼン、2−メチル−1,3−ジビニルベンゼン等のジビニルベンゼン類;等が挙げられる。
これらの重合性単量体は、いずれか1種を単独重合、あるいは2種以上を組み合わせて共重合させることができる。共重合の方法としては、ランダム共重合、交差共重合、ブロック共重合等、その種類に制限はない。
また、前記重合性単量体を重合させる方法としては、ポリマー鎖にカルボキシル基を有する高分子が得られる方法であれば特に制限はなく、アニオン重合法、カチオン重合法、ラジカル重合法等を採用することができる。本発明においては、ポリマー鎖にカルボキシル基を容易に形成することができ、分子量の制御も容易である観点からアニオン重合法を用いるのが好ましい。
アニオン重合法を用いる場合には、アニオン重合開始剤を用いるのが好ましい。アニオン重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム、金属セシウム等のアルカリ金属;メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、α-メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド等の有機アルカリ金属;メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムブロミド等の有機アルカリ土類金属;等を挙げることができる。
重合反応に用いることのできる有機溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、アニソール等のエーテル類;ヘキサメチルホスホルアミド;等のアニオン重合において通常使用される有機溶媒を挙げることができ、これらは一種単独又は二種以上の混合溶媒で使用することができる。
重合反応は、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、有機溶媒中において、−100〜50℃、好ましくは−100〜40℃、更に好ましくは−70〜0℃の範囲の温度下で行われる。
ポリマー鎖中にカルボキシル基を形成せしめる方法としては特に制限はないが、例えば、▲1▼カルボキシル基を有する単量体を用いて重合を行う方法、▲2▼アニオン重合法によりアニオン重合させた後、二酸化炭素を反応液に添加し、酸により中和する方法等が挙げられるが、▲2▼の方法が好ましい。
本発明は、各ロット間のCPR値が一定範囲内にある前記式(1)で表される化合物を用いることを特徴とする。各ロット間のCPR値が一定範囲内にある式(1)で表される化合物を用いることにより、反応時間を一定にして効率のよい製造管理が可能となる。
本発明においては、CPR値が30〜150である式(1)で表される化合物を用いるのが好ましい。CPR値が30より小さい前記式(1)で表される化合物を用いる場合には反応時間が長くなり、得られる式(3)で表されるエポキシオリゴマーの粘度が高くなる。また、CPR値が150を超える化合物を用いる場合には、反応を制御することができず、反応中にゲル化するおそれがある。CPR値が30〜150である前記式(1)で表される化合物を用いることにより、所望の粘度を有する式(3)で表されるエポキシオリゴマーを得ることができる。
CPR値は、JIS(46−7−1)に準拠した測定法により測定することができる。CPR値の測定は、具体的には次のようにして行なう。
▲1▼1/2規定の塩酸標準溶液l0mlを測りとり、メタノールで1000mlに正確に希釈した塩酸メタノール溶液を調製する。
▲2▼試料(式(1)で表される化合物)10gを正確に採取し、メタノール及びトルエンの1/1(体積比)混合溶媒に溶解させる。
▲3▼上記▲2▼で得られた溶液を、上記▲1▼で得られた塩酸メタノール溶液を用いて、メトロームで電位差滴定を行なう。得られた電滴曲線の変曲点までに要した塩酸メタノール溶液のml数をAとする。
▲4▼試料を含まないメタノール/トルエンの1/1(体積比)混合溶媒のみについて、上記▲1▼で得られた塩酸メタノール溶液を用いて同様に電位差滴定を行ない、得られた電滴曲線の変曲点までに要した塩酸メタノール溶液のml数をBとする。
▲5▼得られたA及びBを、式:10×(A−B)×f×1.5に代入することによりCPR値を算出する。ここで、fは上▲1▼で得られた塩酸メタノール溶液のファクターである。
前記式(1)で表される化合物と式(2)で表されるエポキシ化合物との反応においては、前記式(1)で表される化合物中に含まれるアルカリ分がこの反応の触媒となる。そして、式(1)で表される化合物に含まれるアルカリ分の含有量を管理するファクターとしてCPR値を採用し、CPR値が30〜150である前記式(1)で表捲れる化合物を用いることにより、所定の粘度を有する式(3)で表されるエポキシオリゴマーを得ることができることを見出した。
所定のCPR値を有する前記式(1)で表される化合物を得る方法としては、例えば、▲1▼重合性単量体を塩基触媒でアニオン重合させ、反応液に二酸化炭素を吹き込んで分子内にカルボキシル基を有する化合物の溶液を得た後、この溶液に酸を加えて中和する際に、添加する酸の量を調整することにより、所定のCPR値を有する前記式(1)で表される化合物を得る方法が挙げられる。
また、▲2▼前記式(1)で表される化合物の溶液に、所定量の塩基又は酸を添加することにより、所定のCPR値を有する前記式(1)で表される化合物を得ることもできる。
上記▲1▼及び▲2▼において、添加する酸としては、塩酸、硫酸等の鉱酸の使用が好ましい。また、▲2▼において、添加する塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の使用が好ましい。
3)式(2)で表されるエポキシ化合物
本発明においては、前記式(1)で表される化合物に式(2)で表されるエポキシ化合物を反応させる。
式(2)において、Qは1価の有機基であれば特に制限はないが、式(3)で表されるエポキシオリゴマーが接着剤の硬化成分として用いられる場合には、式(2)で表される化合物としては、分子内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物が好ましい。式(2)で表されるエポキシ化合物の具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができる。
Figure 0005271469
(上記式中、a、bは、それぞれ独立して0又は任意の自然数を表し、R’、R”はそれぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を表す。)
上記式中、タイプAはビスフェノールAにグリシジル基が(開環)結合したタイプの化合物であり、タイプBはポリアルキレン鎖にグリシジル基が結合したタイプの化合物であり、タイプCはフタル酸のジグリシジルエステルである。フタル酸の他にイソフタル酸、テレフタル酸、置換基を有するフタル酸等のグリシジルエステルも同様に用いることもできる。タイプDは、ジアミノジフェニルメタンのアミノ基にグリシジル基が結合したタイプの化合物である。ベンゼン環に置換基を有するジアミノジフェニルメタンのアミノ基にグリシジル基が結合した化合物も同様に用いることができる。また、タイプEは、イソシアヌル酸の窒素原子にグリシジル基が結合した化合物である。
以上の化合物はあくまで例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記式(2)で表される化合物の使用量は、通常、式(1)で表される化合物のカルボキシル基の1モルに対して、1モル〜3モル、好ましくは、1モル〜1.5モルの範囲である。
エポキシエステル化反応に用いられる溶媒としては、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物を溶解させる不活性溶媒であれば特に制限はない。例えば、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、アニソール、1,2−ジメトキシニタン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のエーテル系溶媒;ヘキサメチルホスホルアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶媒;1,3−ジメチルイミダリジン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の他の極性有機溶媒;及びこれらの溶媒の2種以上の混合溶媒等が挙げられる。また、これらの極性有機溶媒と、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等との混合溶媒を用いることもできる。
前記式(1)で表される化合物と式(2)で表されるエポキシ化合物との反応は、室温から用いられる溶媒の沸点までの温度範囲で行なわれる。反応時間は、前記式(1)で表される化合物中に含まれるアルカリの量(すなわち、前記式(1)で表される化合物のCPR値)に依存するが、通常2時間〜8時間、好ましくは3時間〜7時間程度である。反応時間が長くなると、得られる式(3)で表されるニポキシオリゴマーの粘度が高くなり、あまりに短時間であると粘度が低くなるため、要求される規格に適合せず好ましくない。
5)式(3)で表されるエポキシオリゴマー
反応終了後は、溶媒を留去し、通常の後処理操作によって目的物を単離することができる。また、反応液そのままで、あるいは適当な溶媒に置き換えた溶液として保存し、所望の用途に用いることができる。例えば、得られる式(3)で表されるエポキシオリゴマーは、適当な溶媒に溶解させ、硬化剤等を添加してエポキシ樹脂系接着剤とすることができる。
得られる式(3)で表されるエポキシオリゴマーの数平均分子量は、500〜10,000、好ましくは1,000〜2,000の範囲であり、1,2−ポリブタジンエンを用いた場合の50℃での粘度は、300〜1,100ポイズ、好ましくは450〜900ポイズの範囲である。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、用いられる式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物、溶媒の種類、反応温度等を自由に変更することができる。
1)ポリブタジエンジカルボン酸(1−1)の合成
実施例で用いたポリブタジエンジカルボン酸は、下記のようにして合成した。
Figure 0005271469
(式中、nは任意の自然数を表す。)
2)CPR値の測定
CPR値の異なるポリブタジエンジカルボン酸(1−1;NissoPB−C1000、日本曹達(株)製)10gを正確に採取し、試薬特級のメタノール及びトルエンの1/1(体積比)混合溶媒に溶解させた溶液を、1/200規定の塩酸メタノール溶液でメトロームを使用して、電位差滴定を行なった。得られた電滴曲線の変曲点までに要した塩酸メタノール溶液のml数をAとした。
同様にして、試料を含まないメタノール/トルエンの1/1(体積比)混合溶媒のみについて、1/200規定の塩酸メタノール溶液を用いて電位差滴定を行ない、得られた電滴曲線の変曲点までに要した塩酸メタノール溶液のml数をBとした。上記A及びBを、式:10×(A−B)×f×1.5に代入することによりCPR値を得た。
3)粘度の測定
反応生成物の50℃における粘度は、BH型回転粘度計(No.5ロータ、東京計器(株)製)を用いて測定した。
(実施例1)エポキシオリゴマーの製造(1)
Figure 0005271469
(式中、(Bd)nは、前記と同じ意味を表す。)
上記で得られたポリブタジエンカルボン酸(1−1、CPR値=66.0)238gを溶解し、ここへ、エポキシ化合物(2−1)172.3gを加え、140℃で5時間加熱した。反応生成物として、目的とするエポキシオリゴマーを410g得た。得られたエポキシオリゴマー(3−1)の50℃での粘度は、720ポイズであった。
(実施例2)エポキシオリゴマーの製造(2)
実施例1において、CPR値が36.0のポリブタジエンジカルボン酸(1−1)を用い、反応時間を3.5時間とした以外は実施例1と同様にしてエポキシオリゴマー(3−1)を得た。得られたエポキシオリゴマー(3−1)の50℃での粘度は、680ポイズであった。
(比較例1)エポキシオリゴマーの製造(3)
実施例1において、CPR値が151.5のポリブタジエンジカルボン酸(1−1)を用いて反応を行なったところ、反応中にゲル化した。
(比較例2)エポキシオリゴマーの製造(4)
実施例1において、CPR値が4.0のポリブタジエンジカルボン酸(1−1)を用い、反応時間を9時間とした以外は実施例1と同様にしてエポキシオリゴマー(3−1)を得た。得られたエポキシオリゴマー(3−1)の50℃での粘度は、4,900ポイズであった。
以上の実施例及び比較例で用いたポリブタジエンジカルボン酸(1−1)のCPR値、反応時間、得られたエポキシオリゴマー(3−1)の50℃での粘度及び性状を下記第1表にまとめた。
Figure 0005271469
第1表から明らかなように、CPR値が36.0、66.0及び94.5のポリブタジエンカルボン酸を用いた場合(実施例1〜3)は、反応時間は4.5〜7.1時間の間であり、得られたエポキシオリゴマーの50℃での粘度が720〜1030ポイズで、性状も透明であり、要求される規格を満足するものであった。一方、CPR値が小さい場合(比較例1)には、反応完了に9時間以上を要し、得られたエポキシオリゴマーの50℃での粘度が4900ポイズと高く、かつ白濁していた。CPR値が大きい場合(比較例2)には、反応時間は3.5時間と短いが、反応中にゲル化した。
また、上記実施例及び比較例においては、反応終了時を反応液の酸価が5KOHmg/g以下となった時点とした。用いたポリブタジエンカルボン酸のCPR値と反応時間との相関図を図1に示す。図1から用いたポリブタジエンカルボン酸のCPR値と反応時間との間に負の相関関係があることがわかる。また、一定範囲のCPR値を有するポリブタジエンカルボン酸を用いれば、反応時間が一定となるように制御できることもわかった。
発明の効果
以上説明したように、本発明によれば、各ロット毎のCPR値を一定にしたポリマー鎖にカルボキシル基を有する高分子化合物にエポキシ化合物を反応させることにより、反応時間を一定にすることができる。また、CPR値を一定の範囲にすることで、要求される規格に合った粘度を有するエポキシオリゴマーを得ることができる。
図1は、用いるポリブタジエンカルボン酸のCPR値(横軸)と反応に要する時間(縦軸)との関係を示す図である。

Claims (4)

  1. エポキシオリゴマーの製造を複数回行う、エポキシオリゴマーの工業的な製造方法であって、
    各製造ロットにおいて、
    ジエン類をアルカリ金属又は有機アルカリ金属の存在下にアニオン重合させた反応液に二酸化炭素を添加し、さらに酸を添加して得られる、下記式(1)
    【化1】
    Figure 0005271469
    (式中、Polyは、ジエン類をアルカリ金属又は有機アルカリ金属の存在下にアニオン重合させて得られる高分子主鎖を表す。)で表される、分子内にカルボキシル基を有し、かつ、分子量が制御された化合物の溶液に、所定量の塩基又は酸を添加することにより、CPR値が30〜94.5の範囲に調整された高分子と、
    分子内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物と
    を反応させることを特徴とするエポキシオリゴマーの製造方法。
  2. 前記エポキシ化合物として、下記のいずれか一種を用いることを特徴とする請求項1に記載のエポキシオリゴマーの製造方法。
    【化2】
    Figure 0005271469
    (上記式中、a、bは、それぞれ独立して0又は任意の自然数を表し、R’、R”はそれぞれ独立して、水素原子又はC1−6アルキル基を表す。)
  3. 前記エポキシ化合物の使用量が、前記分子内にカルボキシル基を有する化合物のカルボキシル基1モルに対し、1モル〜3モルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシオリゴマーの製造方法。
  4. 50℃での粘度が350〜900ポイズであるエポキシオリゴマーを製造するものである請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシオリゴマーの製造方法。

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