JP2010024316A - エポキシ樹脂組成物、その硬化物、及び硬化物の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、その硬化物、及び硬化物の製造方法 Download PDF

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厚子 小林
Ichiro Ogura
一郎 小椋
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Abstract

【課題】、優れた流動性を発現し、かつ、硬化物の耐熱性に優れた性能を発現するエポキシ樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】環状脂肪族構造を有するエポキシ樹脂(A)、酸基含有ラジカル重合性単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物を加熱し、エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基と単量体(B)中の酸基とを反応させると同時に単量体(B)に起因するラジカル重合性基の重合を行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた流動性を発現し、その硬化物において耐熱性に優れるために、半導体封止材、プリント回路基板、レジストインキ材料、アンダーフィルなどの液状封止材、導電性ペーストなどの接着剤、液晶シール材、フレキシブル基板用カバーレイ、ビルドアップ用接着フィルム、繊維強化プラスチック製部材等の複合材料等に好適に用いる事が出来るエポキシ樹脂組成物、及びその硬化物に関する。
エポキシ樹脂及びその硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物は、高耐熱性、耐湿性、寸法安定性等の諸物性に優れる点から半導体封止材やプリント回路基板、ビルドアップ基板、レジストインキ等の電子部品、導電ペースト等の導電性接着剤やその他接着剤、アンダーフィルなどの液状封止材、液晶シール材、フレキシブル基板用カバーレイ、ビルドアップ用接着フィルム、塗料、フォトレジスト材料、顕色材料、繊維強化プラスチック製部材等で広く用いられている。
これらの用途のうち、例えば半導体パッケージの分野では、半導体装置の小型化・薄型化の観点からプリント配線基板上に半導体チップ部品の実装方法として、フリップチップ実装が広く用いられている。かかるフリップチップ実装方式におけるアンダーフィル用封止材料には液状封止材料が用いられており、従来より、低分子量の脂環式エポキシ樹脂を主剤を主剤として酸無水物で熱硬化させる液状エポキシ樹脂組成物を封止材料として使用する技術が知られている(特許文献1参照)。
かかる脂環式エポキシ樹脂を主剤として酸無水物で熱硬化させる液状エポキシ樹脂組成物は、常温で液状でありアンダーフィル材として適当な材料であるものの、そのワニス粘度が依然として高く、封止材料の注入が難しく作業効率が十分なレベルにない他、硬化物のガラス転移点が低く耐熱性に劣るという問題もあった。加えて、脂環式エポキシ樹脂の酸無水物硬化システムでは、硬化物の線膨張係数が高く、半導体部品の熱サイクルによる劣化が避けられないものであった。
一方、繊維強化プラスチック製部材等の複合材料用マトリックスの分野においても、液状熱硬化性樹脂が用いられているものの高耐熱性を有するマトリックス材料がないのが現状であった。
特開2001−329048
従って、本発明が解決しようとする課題は、優れた流動性を発現し、かつ、硬化物の耐熱性に優れた性能を発現するエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、環状脂肪族構造を有するエポキシ樹脂(A)、酸基含有ラジカル重合性単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)を配合した組成物を、一度に硬化させる、所謂イン・サイチュ硬化を行うこと、即ち、前記単量体(B)中の酸基を前記エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基と反応させると共に、該単量体(B)に起因するラジカル重合性基を重合させることにより、硬化前では優れた流動性を発現すると伴に、硬化後は優れた耐熱性を発現できること、特に、耐熱寸法安定性が優れる、すなわち線膨張係数が低いことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、環状脂肪族構造を有する液状エポキシ樹脂(A)、酸基含有ラジカル重合性単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関する。
本発明によれば、硬化前は優れた流動性を発現し、かつ、硬化物の耐熱性に優れた性能を発現するエポキシ樹脂組成物を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記した通り、環状脂肪族構造を有するエポキシ樹脂(A)、酸基含有ラジカル重合性単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)を必須成分とするものであり、これを一度に反応させること、即ち、エポキシ基と酸基との反応と、ラジカル重合性基の重合反応とを特に反応工程として区別することなく両反応を同時乃至連続的に行うことを特徴としている。このようにイン・サイチュー反応により硬化させることで、硬化前においては流動性が著しく高くなる一方で、硬化物における耐熱性が飛躍的に向上させることができる。
本発明で用いる環状脂肪族構造を有する液状エポキシ樹脂(A)は、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂などの水添ビスフェノール型エポキシ樹脂:2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ−(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキサンジオキシド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、エキソーエキソビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロピル)シクロヘキシル)プロパン、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシシクロヘキシル−p−ジオキサン)、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ノルボルネン、リノール酸二量体のジグリシジルエーテル、リモネンジオキシド、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、ジシクロペンタジエンジオキシド、o−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル、1,2−ビス[5−(1,2−エポキシ)−4,7−ヘキサヒドロメタノインダンキシル]エタン、シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびジグリシジルヘキサヒドロフタレート等が挙げられる。これらの中でも特に、エポキシシクロアルキル構造を有する化合物が流動性、耐熱性に優れる点から好ましい。
次に、本発明で用いる酸基含有ラジカル重合性単量体(B)は、エポキシ樹脂(A)と反応すると同時に、ラジカル重合によりアクリロイル基の重合を生じさせるものである。本発明ではこのような、イン・サイチュー反応によって硬化させることにより耐熱性を飛躍的に向上させることができる。かかる酸基含有ラジカル重合性単量体(B)は、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水メタクリル酸;ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートと、無水コハク酸、無水マレイン酸等の多価カルボン酸無水物との反応生成物;或いは、下記構造式(1)
Figure 2010024316

(式中、Rは炭素原子数2〜10の脂肪族炭化水素基、Xはエステル結合又はカーボネート結合、Rは炭素原子数2〜10の脂肪族炭化水素基を表し、nは1〜5の整数を示す。)で表される化合物が挙げられる。
ここで、前記構造式(1)中、Xとしてエステル結合を有するものとしては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと炭素原子数2〜10の脂肪族多価カルボン酸とを反応させて得られる化合物、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、炭素原子数2〜10の脂肪族ジオールと、炭素原子数2〜10の脂肪族多価カルボン酸とを反応させて得られる化合物が挙げられる。
ここでヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、β−ヒドロキシエチルメタアクリレート、β−ヒドロキシエチルアクリレートが挙げられる。また、脂肪族多価カルボン酸としては、無水コハク酸、アジピン酸、無水マレイン酸、テトラヒドロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
更に、炭素原子数2〜10の脂肪族ジオールとしては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジエタノール、1,3−シクロヘキサンジエタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノールなどが挙げられる。これらのなかでも炭素原子数が4〜8のブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールがエポキシ樹脂(A)との相溶性に優れる点から好ましい。
また、前記構造式(1)中、Xとしてカーボネート結合を有するものとしては、例えば、炭素原子数2〜10の脂肪族ジオールと炭酸ジアルキルをエステル交換反応によりポリカーボネートジオールを得た後(メタ)アクリル酸又はその誘導体と反応させて得られる化合物が挙げあれる。
ここで、炭素原子数2〜10の脂肪族ジオールとしては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジエタノール、1,3−シクロヘキサンジエタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノールなどの炭素原子数3〜10のものが挙げられる。これらのなかでも炭素原子数が4〜8のブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールがエポキシ樹脂(A)との相溶性に優れる点から好ましい。
一方、炭酸ジアルキルとしては反応性の点から炭酸ジメチルが挙げられる。
これらのなかでも特に、粘度低減の効果、及び硬化物の耐熱性に優れる点からアクリル酸、メタクリル酸が好ましく、特にメタクリル酸が好ましい。
以上詳述したエポキシ樹脂(A)、酸基含有ラジカル重合性単量体(B)の配合割合は、エポキシ樹脂(A)及び酸基含有ラジカル重合性単量体(B)の合計100質量部に対して、前記エポキシ樹脂(A)を10〜60質量部、前記酸基含有ラジカル重合性単量体(B)を1〜35質量部となる割合であることが、組成物の流動性と硬化物の耐熱性のバランスが良好なものとなる点から好ましい。
本発明の組成物は、エポキシ樹脂成分として上記した環状脂肪族構造を有するエポキシ樹脂(A)の他のエポキシ樹脂を、組成物の流動性を損なわない範囲で併用してもよい。
前記その他のエポキシ樹脂としては、特に制限されるものではなく、種々のエポキシ樹脂を用いることができるが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂,レゾルシン型エポキシ樹脂,ハイドロキノン型エポキシ樹脂,カテコール型エポキシ樹脂,ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂,テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、硫黄含有エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等の2官能型エポキシ樹脂、トリグリシジルシソシアヌレート、メトキシナフタレン変性アラルキル型エポキシ樹脂、メトキシナフタレン変性ノボラック樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂,テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂,フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(通称ザイロック樹脂のエポキシ化物)、ナフトールホルムアルデヒド縮合型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂,芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール樹脂のエポキシ化物)、ビフェニル変性ナフトール型エポキシ樹脂(ビスメチレン基でナフトール核が連結された多価ナフトール樹脂のエポキシ化合物)、アルコキシ基含有ノボラック型エポキシ樹脂、アルコキシ基含有フェノールアラルキル樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。また,前記エポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。これらのエポキシ樹脂の中でも、特に低粘度である点では、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂が好ましく、難燃性に優れる点では、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。これらのエポキシ樹脂の使用量は、環状脂肪族構造を有する液状エポキシ樹脂(A)100質量部に対して5〜80質量部の範囲であることが好ましい。
本発明で用いるラジカル重合開始剤(C)は、熱ラジカル重合開始剤として用いられるものであればよく、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α、α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、桂皮酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α、α'−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチ−ルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられる。前記ラジカル重合開始剤(C)の使用量は、ラジカル重合性成分の総質量及びラジカル重合開始剤(C)の合計質量に対して0.001質量%以上、2質量%以下となる割合で含有されるのが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、更に、硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に光半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記した各成分に加え、反応性シリコーンを併用することにより、硬化物の耐熱性を一層改善させることができる。かかる反応性シリコーン(F)は、ポリシロキサン構造の一部にアミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基、カルビノール系水酸基、シラノール系水酸基、メタクリロイル基、ポリエーテルアルコール基、メルカプト基、及びカルボキシル基から選択される反応性官能基を含むものが挙げられる。
更に具体的には、下記構造式(2)
Figure 2010024316

ここで、上記式(2)中、R及びRは、それぞれ独立的にメチル基又は水素原子を表す。また、上記式(2)中、X、X’、及びX”は、それぞれ独立的に、下記構造式a〜hからなる群から選択される反応性基、又は、メチル基又は水素原子を表し、x及びyは1以上の整数であって、x及びyの合計は2〜100となる範囲である。
Figure 2010024316
ここで、X、X’、及びX”は前記反応性基であり、また、上記構造式a〜gにおけるRは炭素原子数1〜4のアルキレン基を表す。
これらのなかでも特にエポキシ基、カルボキシル基、又はメタクリロイル基を有するポリシロキサンであることが反応性に優れる点から好ましい。
前記反応性シリコーンの使用量は、エポキシ樹脂(A)、酸基含有ラジカル重合性単量体(B)、前記反応性シリコーンの合計100質量部に対して5〜30質量部の範囲であることが、耐熱性が一層向上する点から好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化物の耐熱性がより高くなり、物性バランスを調整することが可能となる点からラジカル重合性多官能モノマーを適宜併用してもよい。ここで使用し得るラジカル重合性多官能モノマーは、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンジアミンテトラメタクリレート、ヘキサンジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタビニレートが挙げられる。これらのラジカル重合性多官能モノマーの使用量は組成物中1〜10質量%の範囲であることが好ましい。
本発明では、上記各成分に加え不飽和ポリエステル樹脂を一部併用してもよい。ここで使用し得る不飽和ポリエステルは多価アルコールと不飽和多塩基酸及び/又は飽和多塩基酸とを重縮合させたもので、成形材料として通常使用されているものであれば、適宜なものを用いることができる。
不飽和ポリエステル樹脂を形成する多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンタンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA、グリセリン等が挙げられる。
一方、不飽和多塩基酸としては、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等が、また飽和多塩基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘット酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
また、耐熱性、機械的強度及び成形性等をより向上させる観点からは、無水マレイン酸およびフマル酸からなる群から選択される少なくとも1つの不飽和多塩基酸100モルに対して、20〜50モルのプロピレングリコールと、25〜65モルのネオペンチルグリコールと、15〜25モルのビスフェノールA又は水素化ビスフェノールAとを、その合計が100モルとなる割合で重縮合させて得られる不飽和ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分に加え、酸化防止剤を配合することが加熱時の酸化劣化を防止でき、透明性に優れた硬化物が得られる点で好ましい。
ここで使用し得る酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4−メトキシナフトール等のモノフェノール類、ヒドロキノン、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等のビスフェノール類、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノール等の多官能フェノール類に代表されるフェノール系酸化防止剤;p−ベンゾキノン、トルキノン、ナフトキノンに代表されるキノン系酸化防止剤;ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリルル−3,3'−チオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト等のホスファイト類、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のオキサホスファフェナントレンオキサイド類に代表されるリン系酸化防止剤が挙げられる。上記した酸化防止剤の使用量は、全硬化成分100質量部に対して0.005〜1質量部となる範囲であることが好ましい。
以上詳述した本発明のエポキシ樹脂組成物は、更に硬化物に難燃性を付与する観点から難燃剤を併用できる。ここで用いる難燃剤としては、ポリ臭素化ジフェニルエーテル、ポリ臭素化ビフェニル、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のハロゲン系難燃剤、及び非ハロゲン系難燃剤が挙げられる。これらのなかでも特に近年のノンハロゲンの要求が高いことから非ハロゲン系難燃剤が好ましい。
前記非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤としては、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、前記赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
前記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサー10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5−ジヒドロオキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
それらの配合量としては、リン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂組成物100質量部中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0質量部の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
前記窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、(i)硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミン類およびホルムアルデヒドとの共縮合物、(iii)前記(ii)の共縮合物とフェノールホルムアルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混合物、(iv)前記(ii)、(iii)を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05〜10質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。また前記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜15質量部の範囲で配合することが好ましい。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂組成物100質量部中、0.005〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機質充填材を配合することができる。前記無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。前記無機充填材の配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は難燃性を考慮して、高い方が好ましく、エポキシ樹脂組成物の全体量に対して65質量%以上が特に好ましい。また導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、イオントラップ剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記した各成分を、均一に撹拌することにより、液状の組成物として容易に得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、以上詳述したエポキシ樹脂組成物をイン・サイチュー反応させることにより得られるものである。ここで、イン・サイチュー反応とは、前記した通り、エポキシ基と酸基との反応と、ラジカル重合性基の重合反応とを特に反応工程として区別することなく両反応を同時乃至連続的に行うものである。よって、本発明では、エポキシ樹脂用の硬化剤としてのみ機能する成分、即ち、それ自体が重合性基を持たない成分を実質的に有しないものであることが好ましい。
かかるイン・サイチュー反応を行う際の硬化温度は、具体的には、50〜200℃の温度範囲であることが好ましく、特に、50〜100℃で硬化させ、タックフリー状の硬化物にした後、更に、120〜180℃の温度条件で処理することが好ましい。
前記した硬化物は、以下詳述する各種用途に応じて、積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等に用いられることができ、具体的には、半導体封止材料、積層板、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム、ダイアタッチ剤、フリップチップ実装用アンダーフィル材、グラブットプ材、TCP用液状封止材、導電性接着剤、液晶シール材、フレキシブル基板用カバーレイ、レジストインキなどの電子回路基板等に用いられる樹脂材料;光導波路や光学フィルムなどの光学用材料、樹脂注型材料、接着剤、絶縁塗料等のコーティング材料;LED、フォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトカプラー、CCD、EPROM、フォトセンサーなどの様々な光半導体装置;繊維強化プラスチック製部材等の各種の用途に適用できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、常温(25℃)で液状であり、優れた流動性を有すると共に、硬化後は極めて高い耐熱性を発現するという特徴を有することから、これらの用途のなかでも、特にダイアタッチ剤、フリップチップ実装用アンダーフィル材、液晶シール材、又は繊維強化プラスチック製部材用マトリックス材として有用である。
本発明のエポキシ樹脂組成物から半導体封止材或いはフリップチップ実装用アンダーフィル材を調製するには、上記各成分を均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得ればよい。その際、充填剤としては、通常シリカが用いられるが、その充填率はエポキシ樹脂組成物100質量部当たり、充填剤を30〜95質量%となる範囲であることが好ましく、中でも、難燃性や耐湿性や耐ハンダクラック性の向上、線膨張係数の低下を図るためには、70質量部以上が特に好ましく、それらの効果を格段に上げるためには、80質量部以上が一層その効果を高めることができる。
半導体パッケージの成形法としては、前記半導体封止材を注型、或いはトランスファー成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに50〜200℃で2〜10時間に加熱する方法が挙げられる。
一方、フリップチップ実装の方法としては、金属バンプを介してICチップ上の複数の電極と回路基板上の所定の電極とを位置合わせした後、これらの電極間の電気接続を行い、次いで、電気絶縁性を有するアンダーフィル材をICチップと回路基板の間に注入、加熱硬化する方法、金属バンプを介しての電極接続と同時に封止用樹脂の硬化を行うリフロー同時硬化法、回路基板の表面に液状エポキシ樹脂を塗布した後に、ICチップをエポキシ樹脂の塗布層上に配置してICチップの背面から加熱加圧して電極接続と封止用樹脂の硬化を一段階で行う圧接法が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物からビルドアップ用接着フィルムを製造する方法は、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を、支持フィルム上に塗布し樹脂組成物層を形成させて多層プリント配線板用の接着フィルムとする方法が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物をビルドアップ用接着フィルムに用いる場合、該接着フィルムは、真空ラミネート法におけるラミネートの温度条件(通常70℃〜140℃)で軟化し、回路基板のラミネートと同時に、回路基板に存在するビアホール或いはスルーホール内の樹脂充填が可能な流動性(樹脂流れ)を示すことが肝要であり、このような特性を発現するよう上記各成分を配合することが好ましい。
ここで、多層プリント配線板のスルホールの直径は通常0.1〜0.5mm、深さは通常0.1〜1.2mmであり、通常この範囲で樹脂充填を可能とするのが好ましい。なお回路基板の両面をラミネートする場合はスルーホールの1/2程度充填されることが望ましい。
上記した接着フィルムを製造する方法は、具体的には、本発明のエポキシ樹脂組成物を調製した後、支持フィルム(Y)の表面に、このワニス状の組成物を塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により硬化させてエポキシ樹脂組成物の層(X)を形成させることにより製造することができる。
形成される層(X)の厚さは、通常、導体層の厚さ以上とする。回路基板が有する導体層の厚さは通常5〜70μmの範囲であるので、樹脂組成物層の厚さは10〜100μmの厚みを有するのが好ましい。
なお、本発明における層(X)は、後述する保護フィルムで保護されていてもよい。保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。
前記した支持フィルム及び保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを挙げることができる。なお、支持フィルム及び保護フィルムはマッド処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。
支持フィルムの厚さは特に限定されないが、通常10〜150μmであり、好ましくは25〜50μmの範囲で用いられる。また保護フィルムの厚さは1〜40μmとするのが好ましい。
上記した支持フィルム(Y)は、回路基板にラミネートした後に、或いは加熱硬化することにより絶縁層を形成した後に、剥離される。接着フィルムを加熱硬化した後に支持フィルム(Y)を剥離すれば、硬化工程でのゴミ等の付着を防ぐことができる。硬化後に剥離する場合、通常、支持フィルムには予め離型処理が施される。
次に、上記のようして得られた接着フィルムを用いて多層プリント配線板を製造する方法は、例えば、層(X)が保護フィルムで保護されている場合はこれらを剥離した後、層(X)を回路基板に直接接するように、回路基板の片面又は両面に、例えば真空ラミネート法によりラミネートする。ラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。またラミネートを行う前に接着フィルム及び回路基板を必要により加熱(プレヒート)しておいてもよい。
ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力を好ましくは1〜11kgf/cm2(9.8×10〜107.9×10N/m2)とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートすることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物をダイアタッチ材として使用する場合には、例えば、微細導電性粒子を該エポキシ樹脂組成物中に分散させ異方性導電膜用組成物とする方法、室温で液状である回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性導電接着剤とする方法が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物をプリント回路基板用組成物に加工するには、例えばプリプレグ用樹脂組成物とすることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は常温(25℃)で液状であり、かつ、流動性が高いため、無溶媒でワニス化することができるが、粘度調整のためにメチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤を一部併用してもよい。得られた該ワニスを、紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布などの各種補強基材に含浸し、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好ましくは50〜170℃で加熱することによって、硬化物であるプリプレグを得ることができる。この時用いる樹脂組成物と補強基材の質量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20〜60質量%となるように調製することが好ましい。また該エポキシ樹脂組成物を用いて銅張り積層板を製造する場合は、上記のようにして得られたプリプレグを、常法により積層し、適宜銅箔を重ねて、1〜10MPaの加圧下に170〜250℃で10分〜3時間、加熱圧着させることにより、銅張り積層板を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物をレジストインキとして使用する場合には、例えば該エポキシ樹脂を硬化剤としてカチオン重合触媒を用い、更に、顔料、タルク、及びフィラーを加えてレジストインキ用組成物とした後、スクリーン印刷方式にてプリント基板上に塗布した後、レジストインキ硬化物とする方法が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物からビルドアップ基板用層間絶縁材料を得る方法としては例えば、ゴム、フィラーなどを適宜配合した当該硬化性樹脂組成物を、回路を形成した配線基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる。その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する。前記めっき方法としては、無電解めっき、電解めっき処理が好ましく、また前記粗化剤としては酸化剤、アルカリ、有機溶剤等が挙げられる。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成することにより、ビルドアップ基盤を得ることができる。但し、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行う。また、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170〜250℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を作製することも可能である。
本発明のエポキシ樹脂組成物から光半導体装置を製造するには、上記エポキシ樹脂組成物を、例えば、リード線などの電極を取り付けた光半導体に、本発明のエポキシ樹脂組成物でトランスファー成形、注型などのモールド方法によって封止し、硬化する方法や、予め光半導体を回路基板に実装し、それを本発明のエポキシ樹脂組成物で封止し、硬化する方法が挙げられる。具体的には、光半導体素子をセットした型枠に流し込んだのち、上記温度条件で加熱硬化することにより得ることができる。
光半導体装置は、前記した通り、具体的にはLED、フォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトカプラー、CCD、EPROM、フォトセンサーなどの受光素子や発光素子等を封止した光半導体装置が挙げられ、これらのなかでもとりわけLED装置、特に高輝度LED装置がとりわけ好ましく、特に波長350〜550nmに主発光ピークを有する青色乃至白色のLED装置、及び、4元系LED装置であることが特に好ましい。
また、前記した繊維強化プラスチック製部材は、前記エポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなる複合材料を加熱・硬化されてなる構造部材である。ここで、強化繊維としては、機械強度や耐久性に優れることから、炭素繊維を用いるのが好ましいが、その他強化繊維として、適度に接着性を高めるために表面処理を施したガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維なども用いることができる。また、炭素繊維は、いわゆる黒鉛繊維を包含するものであり、具体的には、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系などの各種のものが使用できる。中でも、容易に高強度の炭素繊維が得られるポリアクリロニトリル系のものが好ましく使用される。
また、強化繊維は、有撚糸、解撚糸、又は無撚糸などいずれでも良いが、解撚糸や無撚糸が、繊維強化プラスチック製部材の成形性と機械強度を両立することから、好ましい。さらに、強化繊維の形態は、繊維方向が一方向に引き揃えたものや、織物が使用できる。織物では、平織り、朱子織りなどから、使用する部位や用途に応じて自由に選択することができる。
また、繊維強化プラスチック製部材用途における該部材中の繊維基材の量は、特に限定されるものではないが、40〜70質量%の範囲であり、特に、強度の点から50〜70質量%の範囲であることが好ましい。
また、炭素繊維は、軽量な釣竿、ゴルフシャフトなどのスポーツ用品を製造するために、少量の材料で充分な製品の剛性を発現させ得るように、弾性率の高いものを用いるのが好ましい。かかる観点から、炭素繊維の引張弾性率は、好ましくは200〜800GPa、より好ましくは225〜800GPaであるのが良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物から繊維強化プラスチック製部材を製造する方法は、例えば、型に繊維骨材を敷き、硬化剤を混合した樹脂を脱泡しながら多重積層してゆくハンドレイアップ法やスプレーアップ法、あらかじめ骨材と樹脂材料とを混合したシート状のものを金型で圧縮成型するSMCプレス法、繊維を敷き詰めた合わせ型に樹脂を注入するRTM法、繊維にマトリクス(接着剤)を含浸させてプリプレグを製造し、これを大型のオートクレーブで焼き固める方法が挙げられる。
ここで、繊維強化プラスチック製部材の具体的用途としては、釣竿、ゴルフシャフト、自転車フレームなどのスポーツ用品、自動車、航空機のフレーム又はボディー材、風力発電機ブレードなどが挙げられる。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り重量基準である。尚、各物性評価は以下の条件にて測定した。
1)ワニス粘度:25℃にてE型粘度計(東機産業(株)製「TV−20形」コーンプレートタイプを使用して測定した。
2)動的粘弾性測定(DMA):硬化物をダイヤモンドカッターで幅5mm、長さ50mmに切り出し、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「DMS6100」を用いて、測定温度範囲:室温〜300℃、昇温速度:3℃/min.、周波数:1Hz(正弦波)、歪振幅:10μm、硬化物の両持ち曲げによる動的粘弾性を測定した。tanδ最大値の温度をTgとした。
3)熱機械分析(TMA):セイコー電子工業(株)製熱機械分析装置「TMA/SS6100」を用いて、昇温速度3℃/分により測定し、40〜60℃までに変化させた際の線膨張係数(α1:ガラス領域での線膨張係数)と220〜240℃までに変化させた際の線膨張係数(α2:高温(ゴム)領域での線膨張係数)を測定した。
実施例1及び2
下記表1に示す配合に従い、各成分を、撹拌機を用いて配合してエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いてワニス粘度を評価した。
このエポキシ樹脂組成物を、厚さ3mmのスペーサー(シリコーンチューブ)をガラス板で挟んだ型の間隙に流し込み、100℃で1時間保持して硬化させ、型から硬化物を取り出し、タックフリー状になっているのを確認した後、更に、170℃に昇温し、170℃に到達した後、該温度で1時間保持して得られた硬化物を試験片として用い、各種の評価試験を行った。結果を表1に示す。
実施例3
下記表1に示す配合に従い、各成分を、撹拌機を用いて配合してエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いてワニス粘度を評価した。
このエポキシ樹脂組成物を、厚さ3mmのスペーサー(シリコーンチューブ)をガラス板で挟んだ型の間隙に流し込み、100℃で1時間保持して硬化させ、型から硬化物を取り出し、タックフリー状になっているのを確認した後、更に、170℃に昇温し、170℃に到達した後、該温度で1時間保持して得られた硬化物を試験片として用い、各種の評価試験を行った。結果を表1に示す。
実施例4
下記表1に示す配合に従い、各成分を、撹拌機を用いて配合してエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いてワニス粘度を評価した。
このエポキシ樹脂組成物を、厚さ3mmのスペーサー(シリコーンチューブ)をガラス板で挟んだ型の間隙に流し込み、80℃で2時間保持して硬化させ、型から硬化物を取り出し、タックフリー状になっているのを確認した後、更に、140℃に昇温し、140℃に到達した後、該温度で3時間保持して得られた硬化物を試験片として用い、各種の評価試験を行った。結果を表1に示す。
比較例1
下記表2に示す配合に従い、各成分を配合し、撹拌機を用いて配合してエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いてワニス粘度を評価した。
また、このエポキシ樹脂組成物を、実施例1で用いた型の間隙に流し込み、110℃で3時間保持して硬化させ、型から硬化物を取り出した後、更に、165℃に昇温し、165℃に到達した後、該温度で2時間保持して硬化を行い、得られた硬化物を試験片として用い、各種の評価試験を行った。結果を表2に示す。
比較例2
下記表2に示す配合に従い、各成分を配合し、撹拌機を用いて配合してビニルエステル樹脂組成物を得た。このビニルエステル樹脂組成物を用いてワニス粘度を評価した。
このビニルエステル樹脂組成物を、実施例1で用いた型の間隙に流し込み、65℃で2時間保持して硬化させ、型から硬化物を取り出した後、更に、150℃に昇温し、150℃に到達した後、該温度で1時間保持して硬化を行い、得られた硬化物を試験片として用い、各種の評価試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2010024316
Figure 2010024316
なお、上記表1及び表2に示す各成分は、以下の通りである。
脂環式エポキシ樹脂 : (3,4−エポキシシクロヘキサン)メチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシル−カルボキシレート(商品名「セロキサイド2021P」、ダイセル化学工業(株)製)
反応性シリコーン : メタクリル基含有シリコーンオイル(信越化学製、商品名「X−22−2475」)
酸無水物 : テトラハイドロフタル酸無水物
過酸化物 : 1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン(商品名「パーヘキサHC」日油(株)製))
カチオン硬化触媒 : スルホニウム塩系カチオン硬化触媒(三新化学社製「SI−100L」)

Claims (6)

  1. 環状脂肪族構造を有するエポキシ樹脂(A)、酸基含有ラジカル重合性単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. エポキシ樹脂(A)、酸基含有ラジカル重合性単量体(B)の合計100質量部に対して、前記エポキシ樹脂(A)を10〜60質量部、
    前記酸基含有ラジカル重合性単量体(B)を1〜35質量部
    となる割合で含有する請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 酸基含有ラジカル重合性単量体(B)が、(メタ)アクリル酸である請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 上記(A)〜(C)の各成分に加え、更に無機充填剤(D)を含有する請求項1〜4の何れか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1つに記載のエポキシ樹脂組成物をイン・サイチュー反応させることにより得られる硬化物。
  6. 請求項1〜4の何れか1つに記載のエポキシ樹脂組成物をイン・サイチュー反応させることを特徴とする硬化物の製造方法。
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