JP2010023745A - 車両用セキュリティシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス割れを正確に報知することのできる車両用セキュリティシステムを提供する。
【解決手段】ECU11は、車室内空気圧が第1閾値Th1を下回る変化を検出した場合、車両Cは窓ガラスが破壊された状態にあると判断する。また、ECU11は、車室内空気圧が第2閾値Th2を上回る変化をした場合、さらに、空気圧センサ10によって検出された車室内空気圧の波形特徴とメモリ13に記憶保持されている車室内空気圧の波形特徴とを対比する波形マッチングを行ない、車両Cが車両叩きを受けた状態であるか否かを判断する。そして、ECU11は、波形マッチングが成立する場合、車両Cは破壊されない衝撃である車両叩きを受けた状態にあると判断する。
【選択図】図1
【解決手段】ECU11は、車室内空気圧が第1閾値Th1を下回る変化を検出した場合、車両Cは窓ガラスが破壊された状態にあると判断する。また、ECU11は、車室内空気圧が第2閾値Th2を上回る変化をした場合、さらに、空気圧センサ10によって検出された車室内空気圧の波形特徴とメモリ13に記憶保持されている車室内空気圧の波形特徴とを対比する波形マッチングを行ない、車両Cが車両叩きを受けた状態であるか否かを判断する。そして、ECU11は、波形マッチングが成立する場合、車両Cは破壊されない衝撃である車両叩きを受けた状態にあると判断する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車室内の空気圧に基づき車両に異常が生じたか否かを判断し、異常が生じたと判断した場合、車両周囲への報知やユーザへの通知を行なう車両用セキュリティシステムに関する。
従来、この種の車両用セキュリティシステムとして、特許文献1に記載の技術が知られている。この文献の技術を含め、従来一般に知られている技術では、車両の車室内の空気圧である車室内空気圧を検出し、その変化量が所定の閾値を超過した場合、車両に異常が生じたと判断する。異常が生じたと判断すると、車両周囲へ報知したり、無線通信機能を用いてユーザに通知したりする。
登録実用新案第3105130号公報
ところで、上記従来技術では、例えば歩行者が車両の窓に衝撃を加えたり、ボールが車両に当たったりしただけで、車室内空気圧の変化量が所定の閾値を超過することがある。そして、この場合であっても、上記従来技術は、車両周囲へ報知したり、ユーザに通知したりしてしまう。こうした報知や通知に気付いたユーザが車両に戻り車体を確認しても、窓ガラスは割れておらず、当該車両用セキュリティシステムの誤報知や誤検知であったと捉えられてしまうことが多い。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ガラス割れを正確に報知することのできる車両用セキュリティシステムを提供することにある。
本発明者らは、前述の目的を達成するため検討を重ねたところ、窓ガラスが破壊されると、車室内空気圧が基準値よりも低く設定された第1閾値を下回るという知見を見出した。この理由は明らかではないが、次のように推定している。すなわち、車両の窓及びドアが閉じられて車室内が密閉状態となると、車室内の温度が上昇するとともに、この車室内温度の上昇に伴って車室内の空気圧も増大する。そして、車室内空気圧は、車室内の温度で定まる値に落ち着くことになる。車室内圧力が落ち着いた状態において、例えば車両の窓ガラスが破壊されると、車室内空気圧は大気圧よりも高いことから、車室内の空気は、破壊された箇所から車室外へ流出し、車室内の空気圧は急激に低下する。本発明はかかる知見に基づいて成されている。
そこで、請求項1に記載の発明では、車両の車室内の空気圧である車室内空気圧を検出する車室内空気圧センサと、前記車室内空気圧が基準値よりも低く設定された第1閾値を下回る変化をした場合、前記車両は窓ガラスが破壊された状態にあると判断する判断制御手段と、前記判断制御手段によって前記車両は窓ガラスが破壊された状態にあると判断された場合、その旨の車両周囲への報知を行なう車載報知手段とを備えることを特徴とする。
車両用セキュリティシステムとしての上記構成では、判断制御手段によって、車室内空気圧が基準値よりも低く設定された第1閾値を下回る変化をした場合、車両は窓ガラスが破壊された状態にあると判断され、窓ガラスが破壊された状態にあると判断されると、車載報知手段によって、その旨の車両周囲への報知が行なわれる。そのため、ガラス割れを正確に報知することができるようになる。
また、本発明者らは、車両が破壊されない衝撃である車両叩きを受けると、ガラス割れの場合とは反対に、車室内空気圧が高くなるという知見を見出した。この理由も明らかではないが、次のように推定している。すなわち、車室内圧力が落ち着いた状態において、例えば歩行者によって車両の窓に衝撃が加えられたり、ボールが車両に当たったりした場合、この程度の衝撃では窓ガラス(車両)は破壊されないものの、窓ガラスが撓むため、車室内の容積が一時的に小さくなる。ここで、車室内の密閉状態は保たれていることから、車室内の容積が一時的に小さくなると、車室内圧力は一時的に高くなる。本発明はかかる知見に基づいて成されている。
そこで、請求項1に記載の構成において、請求項2に記載の発明では、前記判断制御手段は、前記車室内空気圧が前記基準値よりも高く設定された第2閾値を上回る変化を検出したことに基づいて、前記窓ガラスは破壊されない衝撃である車両叩きを受けた状態にあると判断し、前記車載報知手段は、前記判断制御手段によって車両叩きを受けた状態にあると判断した場合、その旨の車両周囲への報知を行なうことを特徴とする。
車両用セキュリティシステムとしての上記構成では、判断制御手段によって、車室内圧力が基準値よりも高く設定された第2閾値を上回る変化を検出した場合、車両は破壊されない衝撃である車両叩きを受けた状態にあると判断され、車両叩きを受けた状態にあると判断されると、車載報知手段によって、その旨の車両周囲への報知が行なわれる。そのため、車両叩きを正確に報知することができるようになる。
上記請求項2に記載の構成において、請求項3に記載の発明では、前記車両叩きを受けた状態における車室内空気圧の波形特徴を少なくとも含む、各種車両状態における車室内空気圧の波形特徴を、その車両状態の種類に対応付けて記憶保持する記憶保持手段をさらに備え、前記判断制御手段は、前記車室内空気圧が前記基準値よりも高く設定された第2閾値を上回る変化を検出し、さらに、前記車室内空気圧センサによって検出された車室内空気圧の波形特徴と前記記憶保持手段に記憶保持されている車室内空気圧の波形特徴とを対比する波形マッチングを行ない、前記車両が車両叩きを受けた状態であるか否かを判断することを特徴とする。
車両用セキュリティシステムとしての上記構成では、判断制御手段は、閾値による判断に加え、車室内空気圧センサによって検出された車室内空気圧の波形特徴と記憶保持手段に記憶保持されている車室内空気圧の波形特徴とを対比する波形マッチングによる判断も行なう。ここで、記憶保持手段には、車室内空気圧センサによって検出された車室内空気圧の波形特徴が車両状態の種類に対応付けて記憶保持されており、少なくとも、車両叩きを受けた状態における車室内空気圧の波形特徴が記憶保持されている。そのため、車両叩きを受けた状態であるか否かの判断精度をより高めることができるようになる。
上記請求項3に記載の構成において、請求項4に記載の発明のように、前記記憶保持手段に記憶保持される波形特徴には、前記車両叩きを受けた場合の波形特徴に加え、車両ドアが開いている状態から閉じられた場合の波形特徴、及び、車室内が空調されている場合の波形特徴が含まれており、前記判断制御手段は、前記車両が車両叩きを受けた状態であるか否かについての判断だけでなく、前記車両ドアが開いている状態から閉じられた場合であるか否かについての判断、車室内が空調されているか否かについての判断も行なうことが望ましい。
なお、上記請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、請求項5に記載の発明のように、前記車両に搭載され、無線通信機能を有する携帯機との間で無線通信を行なう車載無線通信手段と、前記判断制御手段によって前記車両は窓ガラスが破壊された状態にあると判断された場合、前記車載通信手段を用いて前記携帯機を携帯するユーザへその旨の通知を行なう通知手段とをさらに備えることが望ましい。これにより、携帯機を携帯するユーザは、車両は窓ガラスが破壊された状態にあると判断された場合、その旨を知ることができるようになる。
一方、上記請求項2に記載の構成において、請求項6に記載の発明では、前記車室内空気圧の波形特徴を、車両が受ける衝撃の程度、その衝撃を生成した手段、及び、その衝撃を受けた箇所に対応付けて記憶保持する記憶保持手段をさらに備え、前記判断制御手段は、前記車室内空気圧が基準値よりも高く設定された第2閾値を上回る変化を検出し、さらに、前記車室内空気圧センサによって検出された車室内空気圧の波形特徴と前記記憶保持手段に記憶保持されている車室内空気圧の波形特徴とを対比する波形マッチングを行なうことで、車両が受けた衝撃の発生手段、車両が受けた衝撃の程度、及び、衝撃を受けた箇所を判断することとした。
車両用セキュリティシステムとしてのこのような構成では、判断制御手段は、閾値による判断に加え、車室内空気圧センサによって検出された車室内空気圧の波形特徴と記憶保持手段に記憶保持されている車室内空気圧の波形特徴とを対比する波形マッチングによる判断も行なう。ここで、記憶保持手段には、車室内空気圧センサによって検出された車室内空気圧の波形特徴が、車両が受ける衝撃の程度、その衝撃を生成した手段、及び、その衝撃を受けた箇所に対応付けて記憶保持されている。したがって、判断制御手段は、車両叩きを受けた状態であるか否かを判断することができるだけでなく、車両が受ける衝撃の程度、その衝撃を生成した手段、及び、その衝撃を受けた箇所についても判断することができるようになる。
具体的には、上記請求項6に記載の構成において、請求項7に記載の発明のように、前記記憶保持手段に記憶保持される波形特徴には、ハンマーによる窓叩きを受けた場合の波形特徴、手による窓叩きを受けた場合の波形特徴、及び、天井叩きを受けた場合の波形特徴が含まれており、前記判断制御手段は、前記車両が車両叩きを受けた状態であるか否かについての判断だけでなく、さらに、車両叩きの種類がハンマーによる窓叩きであるか、手による窓叩きであるか、天井叩きであるかについての判断も行ない、前記車載報知手段は、前記判断制御手段によって前記車両が車両叩きを受けた状態にあるとの判断結果だけでなく、車両叩きの種類の報知も行なうことが望ましい。これにより、車両用セキュリティシステムは、ハンマーによる窓叩きを受けた場合、手による窓叩きを受けた場合、及び、天井叩きを受けた場合等々、車両が受ける衝撃の程度、その衝撃を生成した手段、及び、その衝撃を受けた箇所について判断し、この判断された車両の状態についての車両周囲への報知を行なうことができるようになる。
上記請求項6または7に記載の構成において、請求項8に記載の発明のように、前記車載報知手段は、前記判断制御手段によって判断された、衝撃の発生手段、衝撃の程度、及び、衝撃を受けた箇所に応じた車両周囲への警告を行なうことが望ましい。これにより、車両へ衝撃を加えた者に対し、効果的に警告することができるようになる。
上記請求項8に記載の構成において、請求項9に記載の発明のように、前記車両に搭載され、無線通信機能を有する携帯機との間で無線通信を行なう車載無線通信手段と、前記判断制御手段によって前記車両叩きの種類が判断された場合、前記車載通信手段を用いて前記携帯機を携帯するユーザへ前記車両叩きの種類の通知を行なう通知手段とをさらに備えることが望ましい。これにより、携帯機を携帯するユーザは、車両が受けた衝撃の発生手段、車両が受けた衝撃の程度、及び、衝撃を受けた箇所について、詳細に知ることができるようになる。
上記請求項8に記載の構成では、全ての場合について、判断制御手段によって判断された車両状態に応じた警告を、車載報知手段によって実行する構成とすることも可能である。同様に、上記請求項9に記載の構成では、全ての場合について、判断制御手段によって判断された車両状態を、車載無線通信手段によって携帯機に通知する構成とすることも可能である。しかしながら、ユーザの中には、こうした警告及び通知を全ての場合について行なう必要はないと考えるユーザもいる。
その点、上記請求項9に記載の構成において、請求項10に記載の発明では、前記車載報知手段による前記警告が実行される条件である複数の警告実行条件の中から1つを選択可能な警告実行条件選択手段、及び、前記車載無線通信手段による前記通知が実行される条件である複数の通知実行条件の中から1つを選択可能な通知実行条件選択手段をさらに備え、前記判断制御手段は、前記警告実行条件選択手段によって選択された警告実行条件が成立する場合、前記車載報知手段によって前記警告を実行するとともに、前記通知実行条件選択手段によって選択された通知実行条件が成立する場合、前記車載無線通信手段によって前記通知を実行することとした。
車両用セキュリティシステムとしてのこのような構成では、ユーザは、警告実行条件選択手段によって、複数の警告実行条件の中から自己の意向に適う警告実行条件を1つ選択する。同様に、ユーザは、通知実行条件選択手段によって、複数の通知実行条件の中から自己の意向に適う通知実行条件を1つ選択する。ユーザが警告実行条件及び通知実行条件を選択すると、選択された警告実行条件が成立した場合にのみ、車載報知手段によって警告が実行され、選択された通知条件が成立した場合にのみ、車載無線通信手段によって通知が実行されるようになる。このように、ユーザは、車両へ衝撃を加えた者に対する警告や携帯機を携帯するユーザへの通知内容を選択することができるようになる。なお、警告実行条件の選択と通知実行条件の選択を別個に行なうのではなく、一括して選択することとしてもよい。
上記請求項2に記載の構成では、第2閾値を固定された値とした構成とすることもできる。しかしながら、ユーザの中には、車両が車両叩きを受けた状態にあると判断される衝撃のレベル、すなわち第2閾値を調整したい、と考えるユーザもいる。その点、上記請求項2に記載の構成において、請求項11に記載の発明のように、第2閾値を調整可能な閾値調整手段をさらに備えることが望ましい。これにより、ユーザが自己の好みに応じて第2閾値を調整することが可能な構成とすることもできる。なお、閾値調整手段として、例えばスライダスイッチを採用してもよい。
なお、ユーザ(手動)による第2閾値の調整に限らない。他に例えば、請求項12に記載の発明のように、車両の位置に応じて第2閾値が調整されることとしてもよい。すなわち、請求項12に記載の発明では、車両の位置を検出する位置検出手段をさらに備え、前記閾値調整手段は、前記位置検出手段によって車両が市街地に検出される場合、第2閾値を、市街地以外に検出される場合に比較して高く設定することとした。
市街地においては、人通りが多く、ちょっとした衝撃が頻発することが考えられる。そのため、車両叩きを受けた状態にあると判断されにくい方が望ましい。一方、市街地外においては、人通りが少なく、ちょっとした衝撃が頻発するとは考えにくい。そのため、車両叩きを受けた状態にあると判断されやすい方が望ましい。
その点、上記請求項12に記載の構成によれば、第2閾値は、市街地において高く設定される一方、市街地外において低く設定される。そのため、市街地において車両叩きを受けた状態にあると判断されにくくなる一方、市街地外において車両叩きを受けた状態にあると判断されやすくなる。このように、車両の位置に応じて第2閾値を調整することができるようになる。
ところで、車両の窓ガラスは割れにくく製造されており、車両の窓ガラスを割るには、複数回にわたって衝撃が加えられることが多い。そのため、1度目の衝撃は偶然であったとしても、2度目以降の衝撃は故意であることが多い。
その点、請求項2〜4及び6〜12のいずれかに記載の構成において、請求項13に記載の発明では、通常モードとリトライ監視モードとの間で、動作モードを設定する動作モード設定手段をさらに備え、前記通常モードは、前記判断制御手段によって前記車両が車両叩きを受けた状態にあると判断された場合であっても、前記車載報知手段によって前記車両の状態についての車両周囲への報知を行なわない動作モードであり、前記リトライ監視モードは、前記判断制御手段によって前記車両が車両叩きを受けた状態にあると判断された場合、前記車載報知手段によって前記車両の状態についての車両周囲への報知を行なう動作モードであり、前記動作モード設定手段は、前記動作モードが前記通常モードに設定されている間に、前記判断制御手段によって前記車両が車両叩きを受けた状態にあると判断された場合、前記動作モードを前記リトライ監視モードに設定し、前記動作モードが前記リトライ監視モードに設定されている間に、前記判断制御手段によって前記車両が車両叩きを受けた状態にあると最後に判断されてから所定時間経過した場合、前記動作モードを前記通常モードに設定することを特徴とする。
車両用セキュリティシステムとしてのこのような構成では、動作モードが通常モードに設定されている間に、車両が車両叩きを受けた状態にあると判断された場合、車載報知手段によって車両状態が報知されることなく、動作モードがリトライ監視モードに設定される。このリトライ監視モードに設定されている間に、車両が車両叩きを受けた状態にあると判断された場合、車載報知手段によって車両状態が報知される。なお、車両が車両叩きを受けた状態にあると最後に判断されてから所定時間経過した場合には、動作モードが通常モードに設定される。このように、車両が車両叩きを受けた状態にあると判断されても、1度目の判断である場合には、車載報知手段によって車両の状態についての車両周囲への報知が行なわれることはない。しかしながら、1度目の判断を受けて以降、所定時間が経過する前に、再びその判断を受けた場合には、車載報知手段によって車両の状態についての車両周囲への報知が行なわれることになる。これにより、実情に即して車両周囲への報知を行なうことができるようになる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る車両用セキュリティシステムの第1の実施の形態について、図1〜図5を参照しつつ説明する。なお、図1は、車両用セキュリティシステム1の概略図であり、図2は、車両側装置100の構成を示すブロック図である。はじめに、これら図1及び図2を参照しつつ、車両用セキュリティシステム1の構成及び機能について説明する。
以下、本発明に係る車両用セキュリティシステムの第1の実施の形態について、図1〜図5を参照しつつ説明する。なお、図1は、車両用セキュリティシステム1の概略図であり、図2は、車両側装置100の構成を示すブロック図である。はじめに、これら図1及び図2を参照しつつ、車両用セキュリティシステム1の構成及び機能について説明する。
図1に示されるように、車両用セキュリティシステム1は、車両Cに搭載される車両側装置100と、車両側装置100との間で無線通信可能な通信センター200と、この通信センター200との間で無線通信可能であり、ユーザによって携帯可能な携帯機300とを有して構成されている。
図2に示されるように、車両側装置100は、空気圧センサ10と、ECU11と、ライト14と、ホーン15と、無線通信機16とを備える。
このうち、車室内空気圧センサ(以下、単に空気圧センサと記載)10は、車室内の適宜の箇所に配設されており、車室内の空気の圧力を検出する。そして、空気圧センサ10は、制御装置(以下、ECUと記載)11へ、この検出した空気圧を出力する。なお、空気圧センサ10については公知であるため、ここでの詳しい説明を割愛する。
ECU11は、CPU12及びメモリ13等を有するコンピュータであり、このメモリ13等に予め記憶保持されたプログラムに従って種々の処理を実行する。このECU11によって実行される処理のうちセキュリティ処理については、図3を参照して後述する。
また、ECU11は、後述のセキュリティ処理中に波形マッチングを行なう。波形マッチングとは、空気圧センサ10によって検出された車室内空気圧の波形特徴とメモリ13に記憶保持されている車室内空気圧の波形特徴とを対比する処理であり、メモリ13には、この波形マッチングを行なう際に必要となる、各種車両状態における車室内空気圧の波形特徴がその車両状態の種類に対応付けて記憶保持されている。具体的には、メモリ13には、例えば車両叩きを受けた場合の波形特徴、車両ドアが開いている状態から閉じられた場合の波形特徴、及び、車室内が空調されている場合の波形特徴が記憶保持されている。
ライト(車載報知手段)14は、例えば車両Cの前方を照射する前照灯であり、ECU11によってその点消灯が制御される。後述するように、例えば車両Cは窓ガラスが破壊された(割れた)状態にあるとECU11によって判断された場合、短い所定周期をもって、ライト14が点消灯される。一方、例えば車両Cが破壊されない衝撃である車両叩きを受けた状態にあるとECU11によって判断された場合、長い所定周期をもって、ライト14が点消灯される。このように、車両状態に応じた点消灯パターンにてライト14が点消灯されることで、車両状態について車両C周囲への報知が行なわれる。なお、こうした点消滅パターンは任意である。また、本実施の形態では、ライト14として前照灯を採用したが、これに限らず、ライト14として車幅灯を採用してもよい。
ホーン(車載報知手段)15は、ECU11によってその音声出力が制御される。後述するように、例えば車両Cは窓ガラスが破壊された状態にあるとECU11によって判断された場合、ホーン15による警笛が短い所定周期によって実行される。一方、例えば車両Cが破壊されない衝撃である車両叩きを受けた状態にあるとECU11によって判断された場合、ホーン15による警笛が長い所定周期によって実行される。このように、車両状態に応じた警笛パターンにてホーン15から警笛が吹鳴されることで、車両状態について車両C周囲への報知が行なわれる。なお、こうした吹鳴パターンは任意である。また、後述するように、ホーン15は、ECU11によって判断された、衝撃の発生手段、衝撃の程度、及び、衝撃を受けた箇所に応じた車両C周囲への警告を行なう。
無線通信機(車載無線通信手段)16は、車両Cに搭載され、通信センター200との間で無線にて各種データの送受信を実行する。この通信センター200は、ユーザが携帯する携帯機300との間で無線通信可能であるため、車両側装置100(詳しくはECU11)は、無線通信機16を介して、携帯機300との間で無線通信が可能である。後述するように、ECU11は、車両Cは窓ガラスが破壊された状態にあると判断された場合、無線通信機16を用いて携帯機300を携帯するユーザへその旨の通知を行なう。そのため、ECU11が特許請求の範囲に記載した通知手段に対応する。
以下、本実施の形態の車両用セキュリティシステム1の動作について、図3を参照しつつ説明する。なお、図3は、車両用セキュリティシステム1(詳しくはECU11)によって実行されるセキュリティ処理S1の処理手順を示すフローチャートであり、ECU11は、イグニッションスイッチのオンオフにかかわらず、このセキュリティ処理S1を所定周期ごとに繰り返し実行する。
図3に示されるように、セキュリティ処理S1が実行開始されると、ECU11は、まず、ステップS10の判断処理として、車室内は負圧であるか否かが判断される。具体的には、ECU11は、空気圧センサ10にて検出される車室内空気圧を取り込み、この取り込んだ車室内空気圧が基準値Thよりも高いか否かを判断する。本実施の形態では、このステップS10の判断処理において使用する基準値Thとして大気圧程度に固定値を採用している。しかしながら、固定値に限らず、車室内の温度を予め検出し、この検出した温度に基づき算出する基準値Thを採用してもよい。ちなみに、車両Cの窓及びドアが閉じられて車室内が密閉状態となると、車室内の温度が上昇するとともに、この車室内温度の上昇に伴って車室内の空気圧も増大する。そして、車室内空気圧は、車室内の温度で定まる基準値Thに落ち着くことになる。
ここで、空気圧センサ10にて検出される車室内空気圧が上記基準値Thを下回ると判断される場合(ステップS10の判断処理で「Yes」)、すなわち、車室内空気圧が負圧であると判断される場合、ECU11は、続くステップS11の判断処理として、車室内空気圧が基準値Thよりも低く設定された第1閾値Th1を下回る変化を検出するか否かを判断する。なお、本実施の形態では、第1閾値Th1は、実験に基づき決定した一定値を採用している。他に例えば、車室内外の温度差から推定できる空気圧の変化量や、駐車時からの空気圧の変化量に基づき定めた一定値を採用してもよい。
そして、車室内空気圧に第1閾値Th1を下回る変化を検出する場合(ステップS11の判断処理で「Yes」)、ECU11は、車両Cは窓ガラスが破壊された状態にあると判断し、続くステップS12の処理として、ライト14及びホーン15によって車両C周囲への報知を行なう。ちなみに、図4(a)に、密閉状態にある車室の窓ガラスが破壊された場合における、車室内空気圧の推移の一例を示す。この図4(a)に示されるように、密閉状態における車室の窓ガラスが破壊されると、車室内の空気圧には基準値Thよりも低く設定された第1閾値Th1を下回る変化が検出される。したがって、先のステップS11の判断処理において空気圧センサ10にて検出される車室内空気圧が第1閾値Th1を下回ると判断される場合、ECU11は、車両Cは窓ガラスが破壊された状態にあると判断することが可能である。また、ECU11は、車両C周囲への報知に併せて、無線通信機16による携帯機300への通知を行なう。具体的には、図5(a)に示すように、ECU11は、携帯機300に例えば「あなたの愛車はガラスが割られました!!」といった通知を行なう。
一方、先のステップS11の判断処理において、空気圧センサ10にて検出される車室内空気圧が上記基準値Thを下回ると判断される場合(ステップS11の判断処理で「No」)、車室内空気圧は負圧であるものの、第1閾値Th1を下回るほどの変化ではなかったため、ECU11は、窓ガラスが破壊された状態にはないと判断し、セキュリティ処理S1を一旦終了する。
また、先のステップS10の判断処理において、車室内は負圧ではないと判断される場合、すなわち、車室内は正圧であると判断される場合、ECU11は、続くステップS13の判断処理として、車室内空気圧が基準値Thよりも高く設定された第2閾値Th2を上回る変化を検出するか否かを判断する。
ちなみに、図4(b)に、破壊されない衝撃である車両叩きを車両が受けた場合における、車室内空気圧の推移の一例を示す。この図4(b)に示されるように、破壊されない衝撃である車両叩きを車両が受けた場合、車室内の空気圧には基準値Thよりも高く設定された第2閾値Th2を上回る変化が検出される。なお、本実施の形態では、第2閾値Th2は、車両Cの窓ガラスが割れない程度の衝撃を加える実験によって定められた固定値を採用している。第2閾値Th2は、車両Cの窓ガラスが割れるほどの衝撃と、車両Cの窓ガラスが割れない程度の衝撃とを差別化することの可能な値である。したがって、先のステップS13の判断処理において空気圧センサ10にて検出される車室内空気圧が上記第2閾値Th2を上回ると判断される場合、ECU11は、車両Cは車両叩きを受けた状態にあると判断することが可能である。
ただし、本実施の形態では、車室内空気圧に第2閾値Th2を上回る変化を検出する場合(ステップS13の判断処理で「Yes」)、ECU11は、さらに、続くステップS14の処理として、波形マッチングを実行する。具体的には、ECU11は、波形マッチングとして、空気圧センサ10によって検出された車室内空気圧の波形特徴とメモリ13に記憶保持されている車室内空気圧の波形特徴とを対比する。そして、ECU11は、車両Cが車両叩きを受けた状態であるか否か、車両ドアが開いている状態から閉じられた場合であるか否か、車室内が空調されているか否かについての判断を行なう。
なお、車両Cが車両叩きを受けた状態である場合、空気圧センサ10にて検出された空気圧は、先の図4(b)に示した波形特徴を有する。また、車両ドアが開いている状態から閉じられた場合、車室内空気圧は第2閾値Th2を遥かに上回る推移を示す。さらに、車室内が空調されている場合、車室内空気圧は基準値Thを上回ったり下回ったりする推移を示す。
こうして各種判断を行い、波形マッチングにより、車両Cが車両叩きを受けた状態であると判断した場合、ECU11は、ステップS15の処理として、ライト14及びホーン15によって車両C周囲へのその旨の報知を行なう。また、ECU11は、車両C周囲への報知に併せて、無線通信機16による携帯機300への通知を行なう。具体的には、図5(b)に示すように、ECU11は、携帯機300に例えば「あなたの愛車が衝撃を受けました!!」といった通知を行なう。
(第2の実施の形態)
以下、本発明に係る車両用セキュリティシステムの第2の実施の形態について、図6を参照して説明する。なお、図6は、本実施の形態の車両側装置100aの構成を示すブロック図である。この図6に示されるように、本実施の形態の車両側装置100aも、先の第1の実施の形態の車両側装置100(図2)に準じた構成を有している。ただし、本実施の形態は、第1の実施の形態と以下の点で異なっている。
(第2の実施の形態)
以下、本発明に係る車両用セキュリティシステムの第2の実施の形態について、図6を参照して説明する。なお、図6は、本実施の形態の車両側装置100aの構成を示すブロック図である。この図6に示されるように、本実施の形態の車両側装置100aも、先の第1の実施の形態の車両側装置100(図2)に準じた構成を有している。ただし、本実施の形態は、第1の実施の形態と以下の点で異なっている。
すなわち、先の第1の実施の形態では、各種車両状態における車室内空気圧の波形特徴がその車両状態の種類に対応付けてメモリ13に記憶保持されていたが、本実施の形態では、車室内空気圧の波形特徴が、車両が受ける衝撃の程度、その衝撃を生成した手段、及び、その衝撃を受けた箇所に対応付けられて記憶保持されている。
具体的には、図7(a)に示すように、ハンマーによる窓叩きを受けた場合の波形特徴がメモリ13に記憶保持されている。この場合、車室内空気圧は、上記第2閾値Th2よりもさらに高く設定された第3閾値Th3を上回る変化をする。また、図7(b)に示すように、弱い窓叩きを受けた場合の波形特徴がメモリ13に記憶保持されている。この場合、車室内空気圧は、ハンマーによる窓叩きと波形特徴が類似しているが、第2閾値Th2を上回るものの、第2閾値Th2よりもさらに高く設定された第3閾値Th3には到達しない変化をする。また、図7(c)に示すように、手による窓叩きを受けた場合の波形特徴がメモリ13に記憶保持されている。この場合、車室内空気圧は、第3閾値Th3を上回る変化と第3閾値Th3を下回る変化を交互に繰り返す。また、図7(d)に示すように、天井叩きを受けた場合の波形特徴がメモリ13に記憶保持されている。車室内空気圧は、この場合、不規則に変化する。
ちなみに、本実施の形態では、第3閾値Th3は、車両Cの窓ガラスが割れない程度の衝撃をハンマーにて加える実験、ハンマーにて加える衝撃よりも弱い衝撃を加える実験、車両Cの窓ガラスが割れない程度の衝撃を手にて加える実験、及び、車両Cの天井に衝撃を加える実験によって定められた固定値を採用している。第3閾値Th3は、これら車両が受けた衝撃の発生手段、車両が受けた衝撃の程度、及び、衝撃を受けた箇所を差別化することが可能な値である。
そして、ECU11aは、車室内空気圧が第2閾値Th2を上回る変化を検出した場合、空気圧センサ10によって検出された車室内空気圧の波形特徴とメモリ13に記憶保持されている車室内空気圧の波形特徴とを対比する波形マッチングを行なうことで、車両が受けた衝撃の発生手段(ハンマーによる衝撃か、手による衝撃か)、車両が受けた衝撃の程度(強い車両叩きか、弱い車両叩きか)、衝撃を受けた箇所(窓ガラスか、天井か)を判断する。
また、本実施の形態では、車両側装置100aは、例えば図8に示すロータリースイッチにて構成される切替スイッチ(実行レベル選択手段)17を備える。ユーザは、この切替スイッチ17のつまみを回すことにより、例えば通知不要レベル、通常レベル、過敏レベル及び超過敏レベルの中から1つの実行レベルを選択することが可能である。
ここで、通知不要レベルに設定されると、ECU11aは、車両Cがどのような状態にあっても、ライト14による車両C周囲への報知及びホーン15による車両C周囲への警告を行なうだけで、無線通信機16による携帯機300への通知を行なわない。
また、通常レベルに設定されると、ECU11aは、窓ガラスが割れた状態であると判断された時及び強い車両叩きを受けたと判断された時に、ライト14による車両C周囲への報知及びホーン15による車両C周囲への警告並びに無線通信機16による携帯機300への通知を行なう。
また、過敏レベルに設定されると、ECU11aは、窓ガラスが割れた状態であると判断された時にのみ、ライト14による車両Cへの報知及びホーン15による車両C周囲への警告並びに携帯機300への通知を行なう。
さらに、超過敏レベルに設定されると、ECU11aは、窓ガラスが割れた状態であると判断される時及び軽い車両叩きを受けたと判断された時に、ライト14による報知及びホーン15による車両C周囲への警告並びに無線通信機16による携帯機300への通知を行なう。
これにより、ユーザは、車両C周囲への報知、車両C周囲への(特に車両Cへ衝撃を加えた者に対する)警告、携帯機300(を携帯するユーザ)への通知内容及び態様を選択することができる。
また、本実施の形態では、車両側装置100aは、例えば図9に示すスライダスイッチ(閾値調整手段)18を備える。ユーザは、このスライダスイッチ18のつまみを上下にスライドさせることにより、上記第2閾値Th2を調整することが可能である。これにより、ECU11によって車両が車両叩きを受けた状態にあると判断される衝撃のレベルを調整することができる。
以下、本実施の形態の車両用セキュリティシステム1の動作について、図10を参照しつつ説明する。なお、図10は、車両用セキュリティシステム1によって実行されるセキュリティ処理S2の処理手順を示すフローチャートである。
この図10に示されるように、本実施の形態によって実行されるセキュリティ処理S2も、第1の実施の形態によって実行されるセキュリティ処理S1に準じた処理となっている。ただし、ステップS24の処理として実行される波形マッチング、及び、ステップS25の処理として実行される報知及び警告並びに通知が異なっている。以下の説明では、第1の実施の形態と重複する説明を割愛する。
先のステップS13の判断処理において、車室内空気圧に第2閾値Th2を上回る変化をする場合(ステップS13の判断処理で「Yes」)、ECU11aは、さらに、続くステップS24の処理として、波形マッチングを実行する。具体的には、ECU11aは、波形マッチングとして、空気圧センサ10によって検出された車室内空気圧の波形特徴とメモリ13に記憶保持されている車室内空気圧の波形特徴とを対比する。そして、ECU11aは、車両が受けた衝撃の発生手段(ハンマーによる衝撃か、手による衝撃か)、車両が受けた衝撃の程度(強い車両叩きか、弱い車両叩きか)、衝撃を受けた箇所(窓ガラスか、天井か)を判断する。なお、ECU11aは、先の図7(a)〜(d)に示す波形特徴を用いて波形マッチングを実行する。
こうした波形マッチングにより、車両が受けた衝撃の発生手段、車両が受けた衝撃の程度、衝撃を受けた箇所を判断した場合、ECU11aは、ステップS25の処理として、ライト14による車両C周囲への報知、ホーン15による車両C周囲への警告及び無線通信機16による携帯機300への通知を行なう。
具体的には、ECU11aは、車両Cが弱い窓叩きを受けたと判断する場合、図11(a)に示すように、ホーン15から例えば「注意してください!」といった報知を車両Cの周囲に行なう。また、ECU11aは、車両Cが強い窓叩きを受けたと判断する場合、図11(b)に示すように、「通報しますよ!!」といった警告を車両Cの周囲に行なう。また、ECU11aは、車両Cがハンマーによる窓叩きを受けたと判断する場合、ホーン15によって警報を即座に鳴らす。
また、ECU11aは、車両Cがハンマーによる窓叩きを受けたと判断する場合、図12(a)に示すように、無線通信機16から例えば「あなたの愛車はハンマーによる衝撃を受けました!!」といった即座に通知を行なう。また、ECU11aは、車両Cの天井に衝撃を受けたと判断する場合、図11(b)に示すように、「あなたの愛車は天井に衝撃を受けました!!」といった通知を行なう。
そして、ライト14による車両C周囲への報知、及び、ホーン15による車両C周囲への警告、並びに、無線通信機16による車両毎の通知等々を行なうと、ECU11aは、このセキュリティ処理S2を終了する。
なお、本発明に係る車両用セキュリティシステム1は、上記第2の実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記第2の実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
上記第2の実施の形態では、先の図8に示すように、ロータリースイッチにて構成された切替スイッチ17を採用していたが、これに限らない。他に例えば、図8に対応する図として図13(a)に示すように、メータカスタマイズ式にて構成された切替スイッチ17aを採用してもよい。この場合、ユーザは、メータのパネルに表示される図示しないカーソルを上方向に移動させる上方向移動ボタン、下方向に移動させる下方向移動ボタン、及び、カーソルが合わせられた実行レベルを選択決定する選択決定ボタンを手動操作することで、メータのパネルに一覧表示される複数の実行レベルから1つを選択する。また他にも、図8に対応する図として図13(b)に示すように、携帯機式にて構成された切替スイッチ17bを採用してもよい。すなわち、切替スイッチ17の所在は、車両側装置100aであろうと、携帯機300であろうと、任意である。
上記第2の実施の形態(変形例を含む)では、切替スイッチ17〜17bによって、ホーン15による車両C周囲への警告が実行される条件である複数の警告実行条件、及び、無線通信機16による携帯機300への通知が実行される条件である複数の通知実行条件がそれぞれ組み合わされた複数の実行レベルから1つを選択していたが、これに限らない。他に例えば、車両用セキュリティシステムは、上記切替スイッチに替えて、ホーン15による車両C周囲への警告が実行される複数の警告実行条件の中から1つ選択可能な警告実行条件選択手段、及び、無線通信機16による携帯機300への通知が実行される複数の通知実行条件の中から1つを選択可能な通知実行条件選択手段を備えることにしてもよい。これにより、ユーザは、「窓ガラスが割れた状態であると判断された時、ハンマーによる窓叩きを受けた状態であると判断された時、及び、天井叩きを受けた状態であると判断された時に、ホーン15による車両C周囲への警告を実行する」、「窓ガラスが割れた状態であると判断された時、及び、ハンマーによる窓叩きを受けた状態であると判断された時に、ホーン15による車両C周囲への警告を実行する」など、複数の警告実行条件の中から1つを選択することができる。また、ユーザは、「窓ガラスが割れた状態であると判断された時、及び、ハンマーによる窓叩きを受けた状態であると判断された時に、無線通信機16による携帯機300への通知を実行する」、「車両がどのような状態であれ、無線通信機16による携帯機300への通知を実行しない」など、複数の通知実行条件の中から1つを選択することができる。
上記第2の実施の形態(変形例を含む)では、車両側装置100aは、先の図9に示すスライダスイッチ18を備え、ユーザは、このスライダスイッチ18を上下にスライドさせることで、上記第2閾値を調整することが可能であったが、この第2閾値の調整はユーザ(手動)に限らない。例えばナビゲーション装置(位置検出手段)を車両Cに搭載し、車両Cが市街地に検出される場合、車両Cが市街地以外に検出される場合に比較して、第2閾値Th2を高く設定することとしてもよい。
(第3の実施の形態)
以下、本発明に係る車両用セキュリティシステムの第3の実施の形態について説明する。
(第3の実施の形態)
以下、本発明に係る車両用セキュリティシステムの第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、ECU11(あるいはECU11a)は、通常モードと監視モードとの間で動作モードを自動に設定する(動作モード設定手段)。詳しくは、ECU11は、その動作モードが通常モードに設定されているとき、車両Cが車両叩きを受けた状態にあると判断した場合であっても、ライト14による車両C周囲への報知やホーン15による車両C周囲への警告を行なわない。一方、ECU11は、その動作モードが監視モードに設定されているとき、車両Cが車両叩きを受けた状態にあると判断した場合、ライト14による車両C周囲への報知やホーン15による車両C周囲への警告を行なう。
以下、図14を参照してさらに説明する。なお、この図14は、本実施の形態の車両側装置100によって実行されるセキュリティ処理S1aである。図14に示されるように、先のステップS14の処理(図3参照)を終えると、ECU11は、続くステップS341の処理として、動作モードが上記リトライ監視モードに設定されているか否かを判断する。
ここで、動作モードが上記リトライ監視モードに設定されておらず、通常モードに設定されている場合(ステップS341の判断処理で「No」)、ECU11は、続くステップS342の判断処理として、車両Cが衝撃を受けたと判断されたか否かを判断する。車両Cが衝撃を受けたと判断されなかった場合(ステップS342の判断処理で「No」)、ECU11は、そのまま、このセキュリティ処理S1aを終了する。
一方、先のステップS342の判断処理として、車両Cが衝撃を受けたと判断された場合(ステップS342の判断処理で「Yes」)、ECU11は、ステップS343の処理として、リトライ監視モードに突入し、そのまま、このセキュリティ処理S1aを終了する。
先のステップS341の判断処理において、動作モードが上記リトライ監視モードに設定されている場合(ステップS341の判断処理で「Yes」)、ECU11は、続くステップS344の判断処理として、車両Cが衝撃を受けたか否かを判断する。車両Cが衝撃を受けたと判断されなかった場合(ステップS344の判断処理で「No」)、ECU11は、続くステップS345の判断処理として、車両Cが衝撃を受けていないと判断してから一定時間経過しているか否かを判断する。ここで、一定時間経過していないと判断される場合(ステップS345の判断処理で「No」)、ECU11は、先のステップS344の判断処理を再度実行する。すなわち、ECU11は、一定時間経過したと判断されるまで、ステップS344の判断処理及びステップS345の判断処理を繰り返し実行する。一方、ステップS345の判断処理において、一定時間経過したと判断される場合、ECU11は、続くステップS346の処理として、リトライ監視モードを解除し、動作モードを通常モードに設定し、そのまま、このセキュリティ処理S1aを終了する。
先のステップS344の判断処理において、車両Cが衝撃を受けたと判断する場合(ステップS345の判断処理で「Yes」)、ECU11は、ステップS347の処理として、ECU11は、ライト14による車両C周囲への報知及びホーン15による車両C周囲への警告並びに無線通信機16による携帯機300への通知を行なう。ちなみに、この通知では、例えば「あなたの愛車がリトライ監視中に衝撃を受けました!!」といった通知を行なう。
1…車両用セキュリティシステム、10…空気圧センサ、11、11a…ECU、12…CPU、13…メモリ、14…ライト、15…ホーン、16…無線通信機、17〜17b…切替スイッチ、18…スライダスイッチ、100、100a…車両側装置、200…通信センター、300…携帯機。
Claims (13)
- 車両の車室内の空気圧である車室内空気圧を検出する車室内空気圧センサと、
前記車室内空気圧が基準値よりも低く設定された第1閾値を下回る変化をした場合、前記車両は窓ガラスが破壊された状態にあると判断する判断制御手段と、
前記判断制御手段によって前記車両は窓ガラスが破壊された状態にあると判断された場合、その旨の車両周囲への報知を行なう車載報知手段とを備えることを特徴とする車両用セキュリティシステム。 - 請求項1に記載の車両用セキュリティシステムにおいて、
前記判断制御手段は、前記車室内空気圧が前記基準値よりも高く設定された第2閾値を上回る変化を検出したことに基づいて、前記窓ガラスは破壊されない衝撃である車両叩きを受けた状態にあると判断し、
前記車載報知手段は、前記判断制御手段によって車両叩きを受けた状態にあると判断した場合、その旨の車両周囲への報知を行なうことを特徴とする車両用セキュリティシステム。 - 請求項2に記載の車両用セキュリティシステムにおいて、
前記車両叩きを受けた状態における車室内空気圧の波形特徴を少なくとも含む、各種車両状態における車室内空気圧の波形特徴を、その車両状態の種類に対応付けて記憶保持する記憶保持手段をさらに備え、
前記判断制御手段は、前記車室内空気圧が前記基準値よりも高く設定された第2閾値を上回る変化を検出し、さらに、前記車室内空気圧センサによって検出された車室内空気圧の波形特徴と前記記憶保持手段に記憶保持されている車室内空気圧の波形特徴とを対比する波形マッチングを行ない、前記車両が車両叩きを受けた状態であるか否かを判断することを特徴とする車両用セキュリティシステム。 - 請求項3に記載の車両用セキュリティシステムにおいて、
前記記憶保持手段に記憶保持される波形特徴には、前記車両叩きを受けた場合の波形特徴に加え、車両ドアが開いている状態から閉じられた場合の波形特徴、及び、車室内が空調されている場合の波形特徴が含まれており、
前記判断制御手段は、前記車両が車両叩きを受けた状態であるか否かについての判断だけでなく、前記車両ドアが開いている状態から閉じられた場合であるか否かについての判断、車室内が空調されているか否かについての判断も行なうことを特徴とする車両用セキュリティシステム。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用セキュリティシステムにおいて、
前記車両に搭載され、無線通信機能を有する携帯機との間で無線通信を行なう車載無線通信手段と、
前記判断制御手段によって前記車両は窓ガラスが破壊された状態にあると判断された場合、前記車載通信手段を用いて前記携帯機を携帯するユーザへその旨の通知を行なう通知手段とをさらに備えることを特徴とする車両用セキュリティシステム。 - 請求項2に記載の車両用セキュリティシステムにおいて、
前記車室内空気圧の波形特徴を、車両が受ける衝撃の程度、その衝撃を生成した手段、及び、その衝撃を受けた箇所に対応付けて記憶保持する記憶保持手段をさらに備え、
前記判断制御手段は、前記車室内空気圧が基準値よりも高く設定された第2閾値を上回る変化を検出し、さらに、前記車室内空気圧センサによって検出された車室内空気圧の波形特徴と前記記憶保持手段に記憶保持されている車室内空気圧の波形特徴とを対比する波形マッチングを行なうことで、車両が受けた衝撃の発生手段、車両が受けた衝撃の程度、及び、衝撃を受けた箇所を判断することを特徴とする車両用セキュリティシステム。 - 請求項6に記載の車両用セキュリティシステムにおいて、
前記記憶保持手段に記憶保持される波形特徴には、ハンマーによる窓叩きを受けた場合の波形特徴、手による窓叩きを受けた場合の波形特徴、及び、天井叩きを受けた場合の波形特徴が含まれており、
前記判断制御手段は、前記車両が車両叩きを受けた状態であるか否かについての判断だけでなく、さらに、車両叩きの種類がハンマーによる窓叩きであるか、手による窓叩きであるか、天井叩きであるかについての判断も行ない、
前記車載報知手段は、前記判断制御手段によって前記車両が車両叩きを受けた状態にあるとの判断結果だけでなく、車両叩きの種類の報知も行なうことを特徴とする車両用セキュリティシステム。 - 請求項6または7に記載の車両用セキュリティシステムにおいて、
前記車載報知手段は、前記判断制御手段によって判断された、衝撃の発生手段、衝撃の程度、及び、衝撃を受けた箇所に応じた車両周囲への警告を行なうことを特徴とする車両用セキュリティシステム。 - 請求項8に記載の車両用セキュリティシステムにおいて、
前記車両に搭載され、無線通信機能を有する携帯機との間で無線通信を行なう車載無線通信手段と、
前記判断制御手段によって前記車両叩きの種類が判断された場合、前記車載通信手段を用いて前記携帯機を携帯するユーザへ前記車両叩きの種類の通知を行なう通知手段とをさらに備えることを特徴とする車両用セキュリティシステム。 - 請求項9に記載の車両用セキュリティシステムにおいて、
前記車載報知手段による前記警告が実行される条件である複数の警告実行条件の中から1つを選択可能な警告実行条件選択手段、及び、前記車載無線通信手段による前記通知が実行される条件である複数の通知実行条件の中から1つを選択可能な通知実行条件選択手段をさらに備え、
前記判断制御手段は、前記警告実行条件選択手段によって選択された警告実行条件が成立する場合、前記車載報知手段によって前記警告を実行するとともに、前記通知実行条件選択手段によって選択された通知実行条件が成立する場合、前記車載無線通信手段によって前記通知を実行することを特徴とする車両用セキュリティシステム。 - 第2閾値を調整可能な閾値調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用セキュリティシステム。
- 請求項11に記載の車両用セキュリティシステムにおいて、
車両の位置を検出する位置検出手段をさらに備え、
前記閾値調整手段は、前記位置検出手段によって車両が市街地に検出される場合、第2閾値を、市街地以外に検出される場合に比較して高く設定することを特徴とする車両用セキュリティシステム。 - 請求項2〜4及び6〜12のいずれかに記載の車両用セキュリティシステムにおいて、
通常モードとリトライ監視モードとの間で、動作モードを設定する動作モード設定手段をさらに備え、
前記通常モードは、前記判断制御手段によって前記車両が車両叩きを受けた状態にあると判断された場合であっても、前記車載報知手段によって前記車両の状態についての車両周囲への報知を行なわない動作モードであり、
前記リトライ監視モードは、前記判断制御手段によって前記車両が車両叩きを受けた状態にあると判断された場合、前記車載報知手段によって前記車両の状態についての車両周囲への報知を行なう動作モードであり、
前記動作モード設定手段は、前記動作モードが前記通常モードに設定されている間に、前記判断制御手段によって前記車両が車両叩きを受けた状態にあると判断された場合、前記動作モードを前記リトライ監視モードに設定し、前記動作モードが前記リトライ監視モードに設定されている間に、前記判断制御手段によって前記車両が車両叩きを受けた状態にあると最後に判断されてから所定時間経過した場合、前記動作モードを前記通常モードに設定することを特徴とする車両用セキュリティシステム。
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