JP2010023463A - 自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材とそれらの製造方法 - Google Patents

自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材とそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】寸法安定性(特に線膨張係数が2×10−5/℃以下である)、軽量剛性、成形加工性に優れ、更に安価な製造加工性、品質安定性を可能とする自動車内装材用発泡シ−トの製造方法を提供する。
【解決手段】耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層11の両面に、非結晶性熱可塑性樹脂からなる非発泡層12,13を積層する自動車内装材用発泡積層シートであって、非発泡層11,12の少なくとも一方が、非結晶性熱可塑性樹脂への有機繊維不織布14,15および結晶性熱可塑性樹脂フィルム層16,17を積層される該発泡積層シートの製造方法において、押出ラミネート法により非発泡層に有機繊維不織布を積層する工程にて挟圧ロールの少なくとも一方として用いられる、反発弾性ロール31での反発弾性素材の被覆厚さを特定厚さとすることにより、該非発泡層の押出溶融状態を維持しつつ、有機繊維不織布の包含および該非発泡層との積層が連続安定的にできる。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動車内装材用発泡積層シ−トの製造方法および、該製造方法により得られる自動車内装材用発泡積層シートおよび該シートを用いた自動車内装材に関するものである。
従来の自動車内装材は、高温に長時間晒されると、耐熱性が不十分であるため、フロント部が自重で垂れ下がる(ヒートサグ)、変形を生じるなどの問題を発生する場合があった。さらに、自動車内の温度は、使用場所、季節変化、直射日光の有無等の使用環境によって大きく変化して、極端な場合には100℃の温度差が生ずる可能性があるため、このような温度変化においても寸法変化が少ない自動車内装材、すなわち、低線膨張率を有する自動車内装材が望まれている。
そこで、これらの問題を解決するために、無機質のガラス繊維と熱硬化性樹脂との複合材料をベースとした自動車内装材(例えば、特許文献1)が使用されるようになってきた。しかし、該複合材料では、寸法安定性という品質は維持できるものの、軽量化が図れないという問題があった。さらに、その製造方法に至っては、以下のように非常に複雑な制御を要するため、生産性が悪く、製造コストが高くなるという問題があった。例えば、合成と成形が一工程の断続式である。また、金型内で熱硬化性樹脂の化学反応を完結させるため、複合材料の表面と内部では温度差が異なり、成形時間を短縮することは困難である。
他方、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に、熱可塑性樹脂および有機繊維が複合化した非発泡層を積層された発泡積層シートを成形した自動車内装材(特許文献2)が提案されており、低目付の有機繊維不織布を包含させることにより、発泡積層シートの低線膨張率が達成されることが開示されている。
ただし、発泡積層シートの製造方法において、有機繊維が有していた自由な繊維間隙が熱可塑性樹脂にて埋められている包含状態を、量産的(安定的)に、かつ、安価な製造コストにて確保する点において、なお改善の余地があった。
その製造方法としては、(a)熱可塑性樹脂からなる非発泡層に有機繊維成分を積層する工程、および(b)該非発泡層および発泡シ−トを積層する工程を経るものである。
そこで、(a)非発泡層に有機繊維不織布を積層する工程において、挟圧ロールの少なくとも一方として、繊維の持ち込む空気を完全に絞り出すことができる反発弾性を有するロールを設けることにより、さらには、(a)工程の後、連続して、(b)該非発泡層および発泡シ−トを積層する工程を経ることにより、寸法安定性、軽量剛性、成形加工性に優れた自動車内装材用発泡積層シ−トを、安定的、効率的かつ安価に製造することが提案されている。
ただし、更なる市場要求により、無機質のガラス繊維と熱硬化性樹脂との複合材料と同等レベルである線膨張率が2×10−5/℃以下の自動車内装材用発泡積層シ−トが望まれ、その安定的、効率的かつ安価な製造方法に対する要求が強まっている。
以上のように、発泡積層シートの品質面および量産面での製造方法の改善が求められていた。
特開昭60−113747号公報 特開2005−350055号公報
本発明の目的は、寸法安定性(特に、線膨張係数が2×10−5/℃以下である)、軽量剛性および成形加工性に優れた自動車内装材用発泡積層シ−トに対する、安定的、効率的かつ安価に製造できる製造方法を提供するものであり、さらに、該特性を有する自動車内装材用発泡積層シートおよび該発泡積層シートを用いて成形された自動車天井材を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、連続加工方法である(a)非発泡層に有機繊維不織布を積層する工程において、挟圧ロールの少なくとも一方として、繊維の持ち込む空気を完全に絞り出すことができる反発弾性を有するロールを設けることにより、製造方法において、反発弾性を有するロールとして、金属表面外周部に反発弾性素材を厚さ1mm以上10mm未満で被覆してなるロールを使用することにより、付帯設備を増強することなく挟圧力を増大させることができ、線膨張率2×10−5/℃以下の自動車内装材を成形しうる発泡積層シートを得られることを見出し、発明を完成されるに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に、非晶性熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層が積層された発泡積層シートであり、少なくとも一方の非発泡層が、有機繊維不織布および結晶性熱可塑性樹脂を基材樹脂とするフィルムを積層された、発泡積層シートを製造する方法であって、
(a)押出ラミネート法により、非発泡層に有機繊維不織布を積層する工程において用いられる、挟圧ロールの少なくとも一方が、金属外周面に反発弾性を有する素材を厚さ1mm以上10mm未満で被覆してなる反発弾性を有するロールであることを特徴とする、自動車内装材用発泡積層シートの製造方法、
[2] (a)非発泡層に有機繊維不織布を積層する工程の後、連続して、(b)該非発泡層および発泡シ−トを積層する工程を、経ることを特徴とする、[1]に記載の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法、
[3] (a)工程および(b)工程連続に行うために、多段ロ−ルを用いることを特徴とする、[1]または[2]記載の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法、
[4] 発泡層を構成する耐熱性樹脂が、ポリスチレン系樹脂およびポリフェニレンエーテル系樹脂の混合樹脂からなる変性ポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法、
[5] 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、フェニレンエーテル系樹脂25〜70重量部およびスチレン系樹脂75〜30重量部である(両樹脂の合計量は100重量部)ことを特徴とする、[4]に記載の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法。
[6] 非発泡層を構成する非晶性熱可塑性樹脂が、ポリスチレン系樹脂、耐熱ポリスチレン系樹脂および変性ポリフェニレンエーテル系樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法、
[7] [1]〜[6]のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡シートの製造方法により得られることを特徴とする、自動車内装材用発泡シート、および
[8] [7]記載の自動車内装材用発泡積層シートに、表皮材を積層した後、成形することにより得られることを特徴とする、自動車内装材
に関する。
(a)非発泡層に有機繊維不織布を積層する工程において、挟圧ロールの少なくとも一方として、金属外周面に反発弾性素材を厚さ1mm以上10mm被覆してなる反発弾性を有するロールを用いることにより、さらには、(a)工程の後、連続して、(b)該非発泡層および発泡シ−トを積層する工程を経ることにより、寸法安定性(特に、線膨張係数が2×10−5/℃以下である)、軽量剛性および成形加工性に優れた自動車内装材用発泡積層シ−トを、安定的、効率的かつ安価に製造することができる。
本発明の自動車内装材用発泡積層シ−トおよび自動車内装材を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の1実施形態に係る自動車内装材用発泡積層シート(27)の構成を示すものであり、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(11)の両面に、非晶性熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層(12)および非発泡層(13)が積層されてなる。なお、非発泡層(12)は、有機繊維不織布層(14)および結晶性樹脂フィルム層(16)が積層されてなる。
図2は、本発明の1実施形態に係る自動車内装材用発泡積層シート(27)の構成を示すものであり、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(11)の両面に、非晶性熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層(12)および非発泡層(13)が積層されてなる。なお、非発泡層(12)および非発泡層(13)は、有機繊維不織布層(14、15)および結晶性樹脂フィルム層(16、17)が積層されてなる。
図3は、本発明の1実施形態に係る自動車内装材(28)の構成を示すものであり、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(11)の両面に非晶性熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層(12)および非発泡層(13)が積層されてなる。なお、非発泡層(12)および非発泡層(13)が、有機繊維不織布層(14、15)および結晶性樹脂フィルム層(16、17)が積層されてなる。また、結晶性樹脂フィルム層(16)は、接着剤層の役割も担い、室内側非発泡層(12)には、結晶性樹脂フィルム層(16)を介して表皮材層(26)が積層されてなる。なお、結晶性樹脂フィルム層(17)は、異音防止材の役割も担う。
図4は、本発明の1実施形態に係る自動車内装材(28)の構成を示すものであり、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(11)の両面に非晶性熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層(12)および非発泡層(13)が積層されてなる。なお、室外側非発泡層(12)のみが、有機繊維不織布層(14)および結晶性樹脂フィルム層(16)が積層されてなる。また、室内側非発泡層(13)は接着剤層(25)を介して表皮材層(26)が積層されてなる。なお、結晶性樹脂フィルム層(17)は、異音防止材層の役割も担う。
本発明の自動車内装材用発泡積層シ−トおよび自動車内装材を構成する各要素に関する説明は後述するものとして、まず、本発明における自動車内装材用発泡積層シートの製造方法について説明するが、本発明の実施はこれに限定されるものではない。
本発明における自動車内装材用発泡積層シートの製造方法は、(a)非発泡層に有機繊維不織布を積層する工程および、(b)該非発泡層および発泡シ−トを積層する工程を、含むものである。
本発明における自動車内装材用発泡積層シートの製造方法は、(a)工程として、非発泡層を形成する非晶性熱可塑性樹脂を、押出機中にて溶融状態とした後、Tダイ等からフィルム状に押出して、有機繊維不織布と共に挟圧ロール間で圧着する、いわゆる「押出ラミネート法」(以降、「Tダイ・バインダー加工法」と称する場合もある)を用い、その際、挟圧ロールの少なくとも一方に、反発弾性を有するロールを用いることが好ましい。
反発弾性を有するロールを用いることにより、Tダイ等から押し出された該熱可塑性樹脂の幅方向の厚み方向の凸凹の度合いを低下させることができ、また、同時に、有機繊維不織布内の繊維同士の隙間部分に由来する空気を追い出すことができ、得られた自動車内装材の寸法安定性を確保することができる。
さらに、該反発弾性ロールの硬度、圧着圧力を調整して、反発弾性ロールの接地変形度合いを改善することにより、前記効果を向上させることができる。
反発弾性ロールとは、例えば、金属面の表面外周部に、反発弾性を有する素材を配したロールであって、必要に応じて、例えば、内部に電気ヒーター、蒸気、温水を配置できる構造を有するロール形態である。
反発弾性を有する素材の具体例としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、多硫化ゴム、サーモエラストマー(熱可塑性弾性体)、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、等を利用することもできる。また、これら素材をスポンジ状に成形加工を施したものも有効である。
反発弾性を有する素材の硬度は、ゴム硬度計(テックロック社製)を用いJIS−K6301Aに準じて求めた硬度として、100未満が好ましく、90以下がより好ましい。また、硬度は40以上が好ましく、45以上がより好ましい。硬度が40未満の場合、挟み込むロールの線圧と樹脂層へ繊維包含する応力が著しく低下する傾向がある。
反発弾性を有する素材の被覆厚さの上限値としては、10mm未満が好ましく、9mm以下がより好ましい。被覆厚みを10mm未満とすることにより、挟圧力を改善することができ、得られる自動車内装材の線膨張率を2×10−5/℃以下とすることができる。
反発弾性を有する素材の被覆厚さの下限値としては、1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。被覆厚みが1mm未満では、一対のロール間での摩擦等により、ロールの交換周期が短くなり、製造コストの悪化を招く恐れがある。
挟圧ロール間の圧着圧力は、0.05MPa以上が好ましく、0.1MPa以上がより好ましい。圧着圧力は、例えば、反発弾性ロールの軸受け台に滑り抵抗を改善するレールを設置したり、押し作動装置である空気シリンダー、油圧シリンダーのシャフト断面積を増加させることにより、調節することができる。
本発明における自動車内装材用発泡積層シートの製造方法においては、さらに、同一ライン中において、(a)非発泡層に、有機繊維不織布を積層する工程の後、連続して、(b)該非発泡層および発泡シ−トを積層する工程を、経ることが好ましい。
本発明の製造方法においては、(a)工程の後、連続して、(b)工程を行うことにより、非発泡層を形成する熱可塑性樹脂の軟化状態を保持でき、有機繊維体の層間への空気の残存(点在)を低減できるため、安定した品質の確保しつつ、安価な製造加工コストにて発泡積層シートを得ることができる。また、(a)工程の後、一旦室温(ガラス転位温度未満)まで冷却された後、熱可塑性樹脂を再び加熱するというエネルギー損出を削減できると共に、従来法による一度巻き取った積層体を再度繰り出すといった作業上の無駄をなくすことによるサイクルタイムの向上も、見込むことができる。
本発明の製造方法における(a)工程および(b)工程における積層方法としては、非発泡層を形成する非晶性熱可塑性樹脂を、押出機中にて溶融状態とした後、Tダイ等からフィルム状に押出して、積層対象物と共にロール間で圧着する、いわゆる「押出ラミネート法」(以降、「Tダイバインダー加工法」と称する場合もある)であることが好ましい。
本発明における自動車内装材用発泡積層シートの製造方法の代表例を、図5または図6の概略図に基づいて説明する。
図5においては、有機繊維不織布14と結晶性熱可塑性樹脂フィルム16を予め積層させたシートを、反発弾性を有する挟圧ロール31および挟圧ロール(金属ロール)32の間に繰り出し、さらに、Tダイ等からフィルム状に押し出された非晶性熱可塑性樹脂非発泡樹脂層12を挟圧ロール31および挟圧ロール32の間に導入し、結晶性熱可塑性樹脂フィルム16、有機繊維不織布14、非晶性熱可塑性樹脂非発泡層12の順となるように挟圧ロール31および挟圧ロール32とで圧着することにより、非発泡層に有機繊維不織布および結晶性熱可塑性樹脂フィルムを積層する[(a)工程]。引き続き、得られた積層体を、挟圧ロール32と挟圧ロール35との間に引き込み、他方より、発泡シート11をロール35に沿わせながら、非発泡層12側に接するようにロール35および挟圧ロール32との間に繰り出して、挟圧ロール35と挟圧ロール32とで圧着、引き取りする[(b)工程]ことにより、本発明の自動車内装材用発泡積層シートを得る。
図6においては、有機繊維不織布14を、反発弾性を有する挟圧ロール31および挟圧ロール(金属ロール)32の間に繰り出し、さらに、Tダイ等からフィルム状に押し出された非晶性熱可塑性樹脂非発泡樹脂層12を挟圧ロール31および挟圧ロール32の間に導入し、有機繊維不織布14および非晶性熱可塑性樹脂非発泡層12を挟圧ロール31と挟圧ロール32とで圧着することにより、非発泡層に有機繊維不織布を積層する[(a)工程]。引き続き、得られた積層体を、挟圧ロール32とロール35との間に引き込み、他方より、発泡シート11をロール35に沿わせながら、非発泡層12側に接するようにロール35および挟圧ロール32との間に繰り出して、有機繊維不織布14、非晶性熱可塑性樹脂非発泡層12、発泡シートの順となるようにロール33と挟圧ロール32とで圧着、引き取り[(b)工程]、積層シートを得る。さらに、得られた積層体シートをロール33とロール35との間に引き込み、結晶性樹脂フィルム16をロール33に沿わせながら、有機繊維不織布14側に接するように、ロール35およびロール33との間に繰り出して、ロール35とロール33とで圧着、引き取りすることにより、本発明の自動車内装材用発泡積層シートを得る。
本発明の製造方法においては、Tダイ等から押し出された溶融状態の非晶性熱可塑性樹脂非発泡層の樹脂温度を、(a)工程、さらには(b)工程においても、該非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上に維持することが好ましく、ガラス転移温度より10℃以上高く維持することがより好ましく、15℃以上高くすることがさらに好ましい。
非晶性熱可塑性樹脂の樹脂温度をガラス転位温度以上に維持することにより、非発泡層への有機繊維体の包含度合いをさらに改善すると共に、非発泡層と発泡層との接着性を改善することができる。
その方策として、例えば、(a)工程における挟圧ロール31およびロール32の温度を、非発泡層を構成する非晶性樹脂のガラス転移温度よりも5℃以上高くに調整することが好ましく、10℃以上高く調整することがより好ましい。挟圧ロールの温度が、非晶性樹脂のガラス転移温度より5℃高くない場合には、有機繊維不織布中の単一繊維同士の隙間部分に介在する残存空気量が多くなり、得られた発泡積層シートの十分な寸法安定性を得るのが難しく、自動車内装用材として高温時に於ける形状を維持できない場合がある。
また、多段ロールを構成する他のロール33および35に関しても、同様に温度調整することが好ましい。
他の方策としては、例えば、(b)工程において、非発泡層と発泡層との界面(すなわち非発泡層が外気にさらされる面)側に、電気ヒーター、蒸気、温水等の熱源を設置することにより保温することが好ましい。
次に、本発明の自動車内装材用発泡積層シ−トおよび自動車内装材を構成する各要素に関して説明する。
本発明の発泡層(11)の基材樹脂として使用される耐熱性樹脂は、耐熱性を有するとして当業者に知られるいずれの樹脂をも用いることができる。該耐熱性樹脂の具体例としては、例えば、(i)スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体等の耐熱ポリスチレン系樹脂、(ii)ポリスチレンあるいは耐熱ポリスチレンとポリフェニレンエーテル(以下、「PPE」と略す場合がある)との混合樹脂、PPEへのスチレングラフト重合物などのスチレン・フェニレンエーテル共重合体、等の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下、「変性PPE系樹脂」と略す場合がある)、(iii)ポリカーボネート樹脂および(iv)ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートで例示されるポリエステル樹脂などがあげられる。これらの樹脂は、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうちでも、変性PPE系樹脂が、耐熱性、剛性等の品質に優れている上に、加工性および製造が容易である点から、好ましい。さらに、変性PPE系樹脂としては、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂が、製造が容易であるなどの点から、好ましい。
変性PPE系樹脂中のPPE系樹脂としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、 ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)等が挙げられ、これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性PPE系樹脂において、PPE系樹脂との混合樹脂を形成するポリスチレン系樹脂(以下、「PS系樹脂」と略す場合がある)は、スチレンまたはその誘導体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン等を主成分とする樹脂である。したがって、PS系樹脂は、スチレンまたはスチレン誘導体だけからなる単独重合体に限らず、他の単量体と共重合することにより得られた共重合体であってもよい。
また、前記PPE系樹脂に重合、好ましくはグラフト重合させるスチレン系単量体の具体例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。これらのうちではスチレンが、汎用性、コストの点から好ましい。
本発明の発泡層(11)に使用される基材樹脂である変性PPE系樹脂におけるPPE系樹脂とPS系樹脂との混合割合(PPE系樹脂とPS系樹脂との合計量が100重量部)は、PPE系樹脂25〜70重量部およびPS系樹脂75〜30重量部が好ましく、PPE系樹脂35〜60重量部およびPS系樹脂65〜40重量部がより好ましく、PPE系樹脂38〜58重量部およびPS系樹脂62〜42重量部がさらに好ましい。変性PPE系樹脂中におけるPPE系樹脂が25重量部よりも少ないと、耐熱性が劣る傾向にあり、PPE系樹脂が70重量部よりも多いと、加熱流動時の粘度が上昇し発泡成形が困難になる傾向がある。
本発明の発泡層(11)を得る際に使用される発泡剤としては、炭化水素系発泡剤が好ましく、例えば、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロフロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロジフロロエタンなどがあげられる。
これらのなかでも、発泡剤の溶解度を示すKB値が20以上50以下であることが好ましく、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン等があげられる。特に、イソブタンおよびイソブタンとノルマルブタンの混合体であって、イソブタンの比率の高いものが発泡剤の適度な溶解性および発泡剤の逸散性が小さく、発泡層の経時変化に伴う発泡性の変化が小さいことから好ましい。
また、この範囲よりもKB値の高いものと低いものとを2種以上適宜混合して、前記範囲としたものも使用することができる。
本発明の発泡層(11)を得る際の炭化水素系発泡剤の使用量は、変性PPE系樹脂100重量部に対して、2〜5重量部であることが好ましい。炭化水素系発泡剤の使用量が2重量部より少ないと、成形時のニ次発泡倍率が低くなりすぎる場合もあり、良好な成形性を得るのに影響を与える傾向があり、5重量部を超えると、押出発泡が不安定になったり、発泡シートの表面荒れが発生する傾向がある。
本発明における発泡シート(11)を形成する一次発泡層[本発明の発泡積層シートを自動車内装材として成形する際に、加熱による発泡(二次発泡)が生ずることから、成形前の発泡層を「一次発泡層」と呼ぶことがある]、の厚みは、1〜5mmが好ましく、1.5〜3.5mmがより好ましい。1次発泡層の厚さが1mm未満では、強度および断熱性に劣り自動車内装材用発泡積層シートとして適当でない場合がある。一方、5mmを超えると、成形加熱時に熱がかかる際に発泡(2次発泡)するが、発泡層(11)の厚み方向の中心部まで伝わり難く、そのため充分な加熱が行なえず、成形性が悪くなる場合がある。また、充分な加熱を行うべく加熱時間を長くすると、発泡層表面のセルに破泡等が生じ、製品として許容できるものが得られ難くなる場合がある。
本発明における発泡層(11)を形成する一次発泡層の発泡倍率は、3〜20倍が好ましく、5〜15倍がより好ましい。1次発泡層の発泡倍率が3倍未満では、柔軟性に劣り、曲げなどによる破損が生じ易い傾向があり、また、軽量化の効果が少ない。1次発泡層の発泡倍率が20倍を越えると、強度が低下したり、中心部まで加熱しにくいために成形性が低下する傾向がある。
本発明における発泡層(11)を形成する一次発泡層の独立気泡率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。独立気泡率が70%未満では、断熱性、剛性に劣るとともに、成形加熱によって目的とする2次発泡倍率を得ることが困難となり、成形性に劣る傾向がある。
本発明における発泡層(11)を形成する一次発泡層のセル径は、0.05〜0.9mmが好ましく、0.1〜0.7mmがより好ましい。セル径が0.05mm未満の場合、充分な強度が得られ難く、0.9mm以上の場合、断熱性に劣る傾向がある。
本発明における発泡層(11)を形成する一次発泡層中の残存揮発成分量は、発泡層全重量に対して1〜5重量%が好ましく、2〜4重量%がより好ましい。残存揮発成分が1重量%未満では、2次発泡倍率が低くなりすぎることも有り得るため、良好な成形性を得るのに影響を与える場合がある。また、残存揮発成分が5重量%を越えると、非発泡層との間に空気だまりが発生したり、経時による寸法安定性が悪くなる傾向がある。
なお、残存揮発成分の量は、ガスクロマトグラフィーにより測定しても良いが、通常、発泡層試験片を、変性PPE系樹脂が軟化し始める温度以上、かつ変性PPE系樹脂の分解温度以下の温度範囲で加熱して、揮発成分を充分に揮発させ、加熱前後の重量差により測定することができる。
本発明において使用される発泡層(11)の基材樹脂には、必要に応じて気泡調整剤、耐衝撃性改良剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を添加してもよい。
本発明における非発泡層(12、13)に用いられる非結晶性熱可塑性樹脂としては、PS系樹脂、耐熱PS系樹脂、変性PPE系樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ただし、発泡層(11)として変性PPE系樹脂を使用する場合は、非発泡層(12および13)に用いられる非結晶性熱可塑性樹脂としては、該樹脂層との接着性および寸法安定性の観点から、PS系樹脂、耐熱PS系樹脂、変性PPE系樹脂が好ましく使用される。PPE系樹脂とスチレン系化合物を主体とする単量体またはその重合体で重合または混合による変性を行ったものであり、例えば、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂、PPE系樹脂にスチレン系単量体を重合させたPPE−スチレン共重合体、この共重合体とPS系樹脂またはPPE系樹脂との混合物、その共重合体とPPE系樹脂とPS系樹脂との混合物などがあげられる。これらのうちでは、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂が、製造が容易であるなどの点から、好ましい。これらPPE系樹脂、PS系樹脂の具体例や好ましいものの例示などは、発泡層(11)において説明した場合と同様である。ただし、PS系樹脂の好ましい具体例として、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)で代表されるスチレン−ブタジエン共重合体が、耐衝撃性改善効果が大きいという点から好ましい。
本発明の非発泡層(12、13)には、2次発泡させた積層シートを自動車内装材として成形する際のパンチング加工や、積層シートや成形体を輸送する際に、非発泡層の割れなどを防止する観点から、ゴム成分を含有することが好ましい。
非発泡層中のゴム成分の含有量は、耐熱樹脂100重量部に対して、0.3〜15重量部が好ましく、0.4〜13重量部がより好ましく、0.6〜11重量部がさらに好ましい。
ゴム成分としては、天然ゴム、合成ゴムのようなゴムや、ゴム粒子のまわりにスチレン、メチルメタクリレートなどのオレフィン二重結合を持つ単量体をグラフト重合させたものなどが好適に使用される。ゴムの具体例としては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、水添スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリルゴムなどがあげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのうちでも、PS系樹脂、耐熱PS系樹脂、変性PPE樹脂との相溶性の高さ、汎用性などの観点から、スチレン−ブタジエンゴム、水添スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
本発明における非発泡層(12、13)の目付は、10〜200g/mが好ましく、20〜150g/mがより好ましい。非発泡層の目付が10g/mより少ない場合には、発泡層との接着強度が低下する傾向があり、積層ロール(35)の温調を都度調節する手間があることや、発泡層の動きを抑制する効果が充分ではなく寸法安定性が得られない傾向がある。一方、200g/mより大きい場合には、基材の軽量化に不利となると共に、非溶融性有機繊維不織布層の積層による寸法安定化の効果が発現しにくくなる傾向がある。
本発明における非発泡層を形成する非晶性熱可塑性樹脂には、必要に応じて、耐衝撃性改良剤、充填剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、安定剤、臭気低減剤等を、単独または2種以上組み合わせて添加してもよい。
本発明における非発泡層の基材樹脂である非晶性熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度(以下、Tgと称する場合がある)が85〜130℃であることが好ましく、100〜130℃であることがより好ましい。非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgが85℃未満では、有機繊維と複合化されても、目的とする高温時の寸法安定性が得られない傾向がある。また、ガラス転移温度Tgが130℃を超えると、成形加工時に歪を残して延伸成形を受ける可能性があり、その結果、寸法安定性が劣る可能性がある。
なお、本発明におけるガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に準じ、示差走査熱量分析(DSC)を用いて測定した測定値である。
本発明における非発泡層(12、13)の少なくとも一方は、有機繊維不織布層(14、15)および結晶性樹脂フィルム層(16、17)が積層されてなる。
本発明においては、非発泡層の少なくとも一方を、有機繊維不織布層および結晶性樹脂フィルム層を積層することにより、自動車内装材の0℃〜80℃における線膨張率を効率的に低減することができる。そのメカニズムは明らかではないが、前記積層構造が、成形時に延伸されて扁平となった発泡層(11)内部の気泡が加熱時に扁平率を解消する方向に形状を変化させることに起因する、発泡層(11)の加熱収縮を抑制する働きを有するものと推察される。
本発明における有機繊維不織布(14、15)としては、非溶融性有機繊維が好ましく用いられる。ここで、非溶融性有機繊維とは、発泡積層シートを構成する発泡層および非発泡層の基材樹脂(非晶性樹脂)の溶融温度よりも高い温度においても溶融せずにその形態を保持し得る繊維をいい、竹、綿花、カポック綿、亜麻、大麻、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、ニュージーランド麻、マゲー麻、羊毛、もみ、つが、トウヒ、ブナ等の天然繊維、天然素材からの繊維体、例えば、セルロース系の再生繊維であるレーヨン等があげられる。これらの非溶融性有機繊維においては、加工性およびコストの面から、レーヨンが最も好ましく用いられる。
本発明における非発泡層を補強する非溶融性有機繊維不織布は、繊維同士が立体的に交絡することにより、繊維構成自身が一定の高温剛性を保持していることが好ましい。
繊維の立体的な交絡状態は、種々の方法で作成できる。例えば、繊維は、熱プレスや接着剤を介して交絡させることもできるが、成形加工における熱や応力により交絡状態が崩れ、不安定であり好ましくない。繊維同士が物理的に交絡した状態が、成形加工に影響されないため、最も好ましい形態である。具体的には、有機繊維体を高圧柱状水流加工またはニードリング加工することによって、繊維同士を物理的に交絡させて製造することができる。
繊維同士の交絡状態は使用される繊維の繊度に影響されるため、本発明における非溶融性有機繊維の繊度は適宜選択されるが、1〜20デニ−ル(1.1〜22dtex)が好ましく、更に、繊維同士の交絡の容易性から1〜7デニ−ル(1.1〜7.7dtex)がより好ましい。非溶融性有機繊維の繊度が1デニ−ル(1.1dtex)未満では、極細の特殊繊維を用いた上に、繊維同士の交絡に特殊な加工が必要となり、コストアップとなる傾向がある。繊度が20デニ−ル(22dtex)を超えると、嵩高くなり、繊維の交差が不完全となり寸法安定性の効果が発現しにくい傾向がある。
本発明における非溶融性有機繊維の繊繊維長は、20〜100mmが好ましく、30〜50mmであるのがより好ましい。繊維長が20mm未満では、不織布に充分な強度を与えにくくなる傾向がある。また、繊維長が100mmを超えると、繊維相互間の交絡が不十分となり、高強度の不織布が得られにくくなる傾向がある。すなわち、高圧柱状水流加工またはニードリング加工による繊維相互間の交絡は、構成繊維の自由端の運動によって促進されるため、繊維長が長すぎると、自由端の割合が少なくなり、このため、交絡が充分に促進されない可能性がある。
本発明における非溶融性有機繊維不織布層(14、15)として、クロスウェブを高圧柱状水流加工またはニードリング加工することによって、繊維同士を物理的に交絡させ製造されるものを使用することにより、繊維配向の調整が可能となり、自動車内装材の線膨張率の異方性を調整することができる。
ここで、クロスウェブとは、カード機のカーディングによってある程度繊維の方向が揃えられたカードウェブを、クロスラッパーと称される機械を用いて交互に斜めに数枚〜数十重ねに折り畳み(クロスラッピング)ながら、連続したクロスウェブに形成されたものである。このクロスウェブは、クロスラッパーから取り出された後に数工程を経て最終的には不織布にされるが、その中間材料となるものであり、繊維配向の調整が可能なものである。
本発明においては、クロスウェブに対して高圧柱状水流を付与することにより、クロスウェブ中の繊維が相互に密接に交絡される。このように繊維相互間が緊密に交絡するのは、繊維ウェブ中において、構成繊維が未結合の状態となっており高圧柱状水流の付与によって、繊維の自由端が運動し、相互に絡み合うためと考えられる。ここで、高圧柱状水流とは、微細な直径のノズル孔を通して高圧で水を噴出させて得られるものである。具体的には、直径0.01〜0.3mm程度のノズルを用いて、圧力10〜200kg/cmで水を噴出させて得られるものである。このようにして製造された不織布を以後、スパンレース不織布と記載する。
本発明においては、クロスウェブ中の繊維を相互に密接に攻落させる方法として、前述した高圧柱状水流を付与する方法に代えて、ニードルパンチによる方法を採用しても良い。ニードルパンチは、繊維ウェブにハーブ(とげ付き針やフォーク針)を何度も貫通させることによって、繊維ウェブ中の繊維を運動させ、繊維相互間を緊密に交絡させるというものである。一般的に、繊維ウェブにハーブを貫通させる回数(パンチ密度)は80〜300本/cm程度である。パンチ密度が80本/cm未満では、構成繊維の交絡が不十分で、引張強度等の機械的物性に優れた不織布が得られない傾向が生じる。一方、パンチ密度が300本/cmを越えると、短繊維相互間の交絡が進みすぎ、成形の際に歪が発生し悪影響を与える可能性がある。このように製造された不織布を以後、「ニードルパンチ不織布」と記載する。
本発明における非溶融性有機繊維不織布の目付量は、20〜100g/mが好ましく、25〜50g/mがより好ましい。繊維の目付量が20g/m未満では、単位面積当たりの繊維量が少なく、物理的に少なくなるため、非発泡層への充分な補強効果が得られない可能性がある。また、100g/mを越えると、非発泡層(12、13)との積層時に繊維の持ち込み空気量が増大するため、加工が不利になると共に、コスト的にも不利となる傾向がある。
本発明において、非晶性熱可塑性樹脂からなる非発泡層は、有機繊維不織布層および結晶性樹脂フィルム層が積層されてなる。
本発明においては、有機繊維不織布層の包含を容易にすること、および、成形後の内在歪の増大を抑制することを目的として、結晶性樹脂フィルムの積層が導入される。なお、成形後の内在歪を低減する目的に対して、結晶性樹脂フィルムの構成樹脂としては、成形加工温度の下限と想定される130℃以下において、その溶融粘度が極端に低下するものが好ましく、130℃以下の融点を有する結晶性樹脂が選定される。
また、前述したように、結晶性樹脂フィルムを使用することによって、結晶収縮等により寸法安定性に劣る可能性が考えられるが、低融点(130℃以下)の結晶性樹脂フィルムの剛性は、本発明の非晶性樹脂の剛性に対して圧倒的に低いため、結晶性樹脂フィルムの結晶収縮による影響を無視することが可能となる。
本発明において、非発泡層に有機繊維不織布および結晶性樹脂フィルムを積層することにより、樹脂中への有機繊維の包含が確実となり、非発泡層、発泡積層シートおよび自動車内装材の線膨張率を低減することができる。
本発明における非発泡層に積層される結晶性樹脂フィルム(16、17)の基材樹脂としては、結晶性樹脂であるポリオレフィン系樹脂、ポリアセタール系樹脂が好ましい。更に、コスト、汎用性、フィルム加工の容易さからポリオレフィン系樹脂が好ましい。
使用されるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密との度ポリエチレン等の単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンとメタアクリレート、アクリレート、ブテン等のオレフィンと共重合できる単量体との共重合体、プロピレンとの単独共重合体、プロピレン酢酸ビニル共重合体、プロピレンとメタアクリレート、アクリレート、ブテン等のオレフィンと共重合できる単量体との共重合体、またはこの混合物等からなるポリプロピレン系樹脂が好ましく。これらの中では、摺動性が良好で、しかも、材料費が安価である低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンホモポリプロピレン、或いはエチレン−プロピレンランダム共重合体が更に好ましい。
本発明においては、カーボンブラック等の顔料などの着色剤で着色することにより、耐光性を増すことが可能となるので、サンルーフを有する車等には好ましい。 本発明における接着層(25)としては、ホットメルト接着剤を使用することができる。また、発泡積層シートと表皮材(26)を予め積層させる場合がある。この場合に使用される接着剤としては、少なくとも分子間力、水素結合、共有結合等の化学的な結合力を有するものを用いることができる。その具体例としては、ポリオレフィン系、変性ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑性ゴム系、スチレン−ブタジエン共重合体系(以下、SBR系と略す)、スチレン−イソプレン共重合体系等などの樹脂を成分とする物があげられる。コストの点からポリオレフィン系のホットメルト接着剤が好ましい。
また、成形加工の段階で加熱圧縮され結合一体化する方法が、一般に実施され、コストおよび加工性を含めて好適である。
本発明における表皮材(26)はとしては、織布、不織布、等が挙げられることができるが、コストおよび成形加工性から不織布が好ましい。不織布の種類として、その製造加工方法により、接合バインダー接着布、ニードルパンチ布、スパンポンド布、スプレファイバー布、あるいはステッチボンド布等が挙げられ、いずれの不織布も用いることができる。
本発明において表皮材(26)として不織布を用いる場合、品質およびコストを考慮すると、不織布は100〜300g/mの目付けを有していることが好ましく、130〜180g/mの目付けを有していることがより好ましい。表皮材16として不織布の目付けが100g/m未満の場合には、内装材としての充分な感触を得ることができない場合がある。一方、目付けが300g/m超える場合には、コストアップとなるだけでなく、表皮材の成形歪みが耐熱性に影響を与える場合がある。
本発明の発泡積層シートを成形加工して自動車内装材を得る方法としては、積層発泡シ−トをクランプし、上下にヒーターを持つ加熱炉に導き、成形に適した温度(例として、120〜200℃)に加熱することにより2次発泡させた後、温度調節した金型にてプレス成形する。
成形方法の例としては、例えば、プラグ成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形などの方法が挙げられる。
本発明において、前述の(一次)発泡シートを加熱二次発泡させる際には、一次発泡シートに対して、通常1.2〜4倍に2次発泡させるのが好ましく、さらには1.5〜3倍に2次発泡させるのがより好ましい。従って、二次発泡シートの発泡倍率は、3.6〜80倍が好ましく、7.5〜45倍がより好ましい。二次発泡シートの厚さは、1.2〜20.0mmが好ましく、2.25〜10.5mmがより好ましい。
以上、本発明に係る自動車内装材用積層発泡シートの実施態様を種々説明したが、本発明は上述の態様に限定されるものではない。例えば、自動車内装材用発泡積層シートは、用途として電車などの内装材用発泡積層シートにも使用することができ、広義に解釈されるべきものである。
以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
実施例および比較例に用いた樹脂、有機繊維不織布およびフィルムを、表1に示す。
なお、表1に示した原材料に関する各符号は、以下のとおりである。
変性PPE :変性ポリフェニレンエ−テル樹脂
PS :ポリスチレン樹脂
HIPS :ハイインパクトポリスチレン樹脂
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
実施例および比較例で行った評価方法を、以下に示す。
(発泡層および成形体の厚さ)
得られた一次発泡シートおよび成形体において、幅方向に20ヶ所での厚さを測定し、その測定値の平均値を算出した。
(発泡倍率)
得られた一次発泡シートの密度dfをJIS K 7222に準じて測定し、また、変性PPE系樹脂の密度dpをJIS K 7112に準じて測定し、得られた一次発泡シートの発泡倍率は、次式により算出した。
(独立気泡率)
得られた一次発泡シートの独立気泡率は、マルチピクノメーター(ベックマン社製)を使用して、ASTMD−2859に準じて求めた。
(セル径)
得られた一次発泡シート(発泡層)の断面を光学顕微鏡で観察し、20個のセル径を測定し、その測定値の平均値を算出した。
(目付)
得られた一次発泡シートにおいて、押出方向の5ヶ所より、10cm×10cmの大きさの試験片を切り出し、それらの重量を測定した後、その平均値を算出した。
(ゴム硬度)
ゴム硬度計(テックロック社製)を使用して、JIS−K6301Aに準じて求めた。
(寸法安定性評価)
自動車内装用基材として、温度変化に対する寸法変化が重要な特性である。そこで、寸法安定性の一指標として、線膨張率を評価した。
実施例または比較例において得られた成形体から、長さ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)において、長さ300mm×幅30mmの試験片を3枚ずつ採取した。
該試験片を85℃の恒温槽中24時間放置し、23℃および50%RHの雰囲気中で放冷し、23℃および50%RH雰囲気中にて、試験片に280mmの標線をつけて、標線間寸法を測定する。次に、該試験片を80℃恒温槽中に6時間放置後、80℃恒温槽中にて標線間寸法を測定する。次に、該試験片を自然放冷した後、0℃恒温槽中にて6時間放置後、0℃恒温槽中にて標線間寸法を測定する。それぞれの試験片の標線間寸法について下記式を用いて線膨張係数を計算し、長さ方向および巾方向の相加平均の値を算出した。
(常温層間剥離試験)
実施例または比較例において得られた成形体から150mm×25mmの試験片を採取し、包含または積層された包含樹脂層を短辺に平行に適当量引き剥がし、引き剥がされた包含樹脂層と繊維包含層との界面および、樹脂層と内装用基材との界面を引張試験機(島津製作所製、オートグラフDSS−2000)の治具に取り付け、引張速度200mm/分で引き剥がし、剥離強さ(N/25mm)を求めた。
(実施例1)
[発泡層の製造方法]
PPE樹脂成分40重量%、PS樹脂成分60重量%となるように、PPE樹脂(A)57.1重量部およびPS樹脂(B)42.9重量部を混合した混合樹脂100部に対して、iso−ブタンを主成分とする発泡剤(iso−ブタン/n−ブタン=85/15:重量比)3.4重量部およびタルク0.32重量部を押出機により混練し、サーキュラーダイスにより押出し、引き取りロールを介して巻取りロールにロール状に巻き取り、一次厚み2.0mm、一次発泡倍率12.9倍、独立気泡率88%、セル径0.17mm、目付け150g/m、シ−ト幅1400mmである発泡シート(11)を得た。
[発泡積層シートの製造方法]
図5に示すように、PPE系樹脂成分が20重量%、PS樹脂成分89.4重量%およびゴム成分0.6重量%となるように、PPE樹脂(A)28.6重量部、PS樹脂(B)66.4重量部およびHIPS樹脂(C)5.0重量部を混合した混合樹脂(変性PPE系樹脂)を、押出機で溶融・混練し、Tダイを用いて樹脂温度265℃にて、ライン速度4m/分にてフィルム状(目付としては60g/m)に押し出した(12)。押し出された変性PPE系樹脂フィルム(12)を、金属ロール(32)および、金属表面外周部にゴム硬度80のフッ素系ゴムを厚さ2mm被覆した反発弾性ロール(31)からなる挟圧ロール(設定温度160℃にて温度調節)間に、他方より繰り出された、予め熱ロールによりLLDPEフィルム層(F)およびクロスウェブレーヨン不織布(D)が積層された繊維積層フィルム層と共に、クロスレーヨンウェブ不織布側に導入し、圧着圧力(ロールの作動装置への送圧)0.65MPaとして圧着して、繊維包含を施した変性PPE系樹脂フィルム(ウ)とした。引き続き、変性PPE系樹脂フィルム(ウ)[非接触温度計で測定した変性PPE樹脂の表面温度は、157℃]をそのまま金属ロール(32)に抱き沿わせながら、(樹脂温度157℃)送ると共に、金属ロール(32)と接した金属ロール(35)との間[クリアランス1.7mm]に、発泡シート(11)をPPE樹脂層面側から繰り出して、圧着圧力0.65MPaにて積層した。なお、金属ロール(35)も設定温度120℃にて温度調節した。
上記の一連の操作により反対面にクロスレーヨンウェブ不織布(D)を繰出せず変性PPE系樹脂フィルム(13)を積層することにより、片面に繊維包含層を設けた発泡積層シートを得た。但し、2回目の非発泡層と発泡シートとを積層する際には、金属ロール(32)と接した金属ロール(35)とのクリアランスを2.1mmとした。
[成形体の製造方法]
圧縮成形機((株)浅野研究所製)を用いて、得られた発泡積層シートの四方をクランプして加熱炉に入れ表面温度が150℃となるように60秒加熱した後、表皮材(G)を載せた。
その後、長さ300mm×幅300mmの平板金型を用いて、金型リアランス4.5mmにて表皮材同時プラグ成形を行った。
得られた成形体に対して、有機繊維不織布−変性PPE系樹脂フィルムの層間、PPE系樹脂フィルム層−発泡層との剥離強度測定、および寸法安定性評価を実施した。その測定結果を、表2に示す。
(実施例2)
[発泡層の製造方法]
実施例1と同様の操作により、発泡シート(11)を得た。
[発泡積層シートの製造方法]
図5に示すように、PPE系樹脂成分が20重量%、PS樹脂成分89.4重量%およびゴム成分0.6重量%となるように、PPE樹脂(A)28.6重量部、PS樹脂(B)66.4重量部およびHIPS樹脂(C)5.0重量部を混合した混合樹脂(変性PPE系樹脂)を、押出機を用いて溶融・混練し、Tダイを用いて樹脂温度265℃にて、ライン速度4m/分にてフィルム状(目付としては60g/m)に押し出した(12)。押し出された変性PPE系樹脂フィルム(12)を、金属ロール(32)および、金属表面外周部にゴム硬度Hs80のフッ素系ゴムを厚さ2mm被覆した反発弾性ロール(31)からなる挟圧ロール(設定温度160℃にて温度調節)間に、他方より繰り出されたクロスウェブレーヨン不織布(D)を導入し、圧着圧力(ロールの作動装置への送圧)0.95MPaとして圧着して、繊維包含を施した変性PPE系樹脂フィルムとした。引き続き、変性PPE系樹脂フィルム[非接触温度計で測定した変性PPE樹脂の表面温度は、157℃]をそのまま金属ロール(32)に抱き沿わせながら、(樹脂温度157℃)送ると共に、金属ロール(32)と接した金属ロール(35)との間[クリアランス1.7mm]に、発泡シート(11)をPPE樹脂層面側から繰り出して、また、上部ロール(33)に沿わせてLLDPEフィルム(F)をクロスウェブレーヨン不織布側から繰り出して、圧着圧力0.95MPaにて積層した。なお、金属ロール(35)も設定温度120℃にて温度調節した。
上記の一連の操作を繰り返すことにより、両面に繊維包含層を設けた発泡積層シートを得た。但し、2回目の非発泡層と発泡シートとを積層する際には、金属ロール(32)と接した金属ロール(35)とのクリアランスを2.1mmとした。
[成形体の製造方法]
圧縮成形機((株)浅野研究所製)を用いて、得られた発泡積層シートの四方をクランプして加熱炉に入れ表面温度が150℃となるように60秒加熱した後、表皮材(G)を載せた。
その後、長さ300mm×幅300mmの平板金型を用いて、金型リアランス4.5mmにて表皮材同時プラグ成形を行った。
得られた成形体に対して、有機繊維不織布−変性PPE系樹脂フィルムの層間、PPE系樹脂フィルム層−発泡層との剥離強度測定、および寸法安定性評価を実施した。その測定結果を、表2に示す。
(実施例3)
[発泡層の製造方法]
実施例1と同様の操作により、発泡層(11)を得た。
[発泡積層シートの製造方法]
反発弾性ロール(31)として、金属表面外周部にゴム硬度Hs80のフッ素系ゴムを厚さ5mm被覆した反発弾性ロールを使用した以外は、実施例1と同様の操作により、両面に繊維包含層を設けた発泡積層シートを得た。
[成形体の製造方法]
実施例1と同様の操作により、成形体を得た。
得られた成形体に対する測定結果を、表2に示す。
(比較例1)
[発泡層の製造方法]
実施例1と同様の操作により、発泡層(11)を得た。
[発泡積層シートの製造方法]
反発弾性ロール(31)として、金属表面外周部にゴム硬度Hs80のシリコーン製ゴムを厚さ10mm被覆した反発弾性ロールを使用した以外は、実施例1と同様の操作により、両面に繊維包含層を設けた発泡積層シートを得た。
[成形体の製造方法]
実施例1と同様の操作により、成形体を得た。
得られた成形体に対する測定結果を、表2に示す。
(比較例2)
[発泡層の製造方法]
実施例1と同様の操作により、発泡シート(11)を得た。
[発泡積層シートの製造方法]
反発弾性ロール(31)として、金属表面外周部にゴム硬度Hs80のシリコーン製ゴムを厚さ10mm被覆した反発弾性ロールを使用した以外は、実施例2と同様の操作により、両面に繊維包含層を設けた発泡積層シートを得た。
[成形体の製造方法]
実施例1と同様の操作により、成形体を得た。
得られた成形体に対する測定結果を、表2に示す。
(比較例3)
[発泡層の製造方法]
実施例1と同様の操作により、発泡層(11)を得た。
[発泡積層シートの製造方法]
反発弾性ロール(31)として、金属表面外周部にゴム硬度80のフッ素系ゴムを厚さ10mm被覆した反発弾性ロールを使用した以外は、実施例1と同様の操作により、両面に繊維包含層を設けた発泡積層シートを得た。
[成形体の製造方法]
実施例1と同様の操作により、成形体を得た。
得られた成形体に対する測定結果を、表2に示す。
(比較例4)
[発泡層の製造方法]
実施例1と同様の操作により、発泡シート(11)を得た。
〔発泡積層シートの製造方法〕
反発弾性ロール(31)として、金属表面外周部にゴム硬度Hs98のフッ素系樹脂を肉厚0.5mm被覆した反発弾性ロールを使用した以外は、実施例2と同様の操作により、両面に繊維包含層を設けた発泡積層シートを得た。
[成形体の製造方法]
実施例1と同様の操作により、成形体を得た。その測定結果を、表2に示す。
ただし、金属表面外周部に硬度98のフッ素系樹脂を厚さ0.5mm被覆した反発弾性ロール(31)は、10時間連続運転した場合、摩擦により、被覆材が破損して使用できない状態になった。
図1は、本発明に係る自動車内装材用発泡積層シートの要部拡大断面説明図である。 図2は、本発明に係る自動車内装材用発泡積層シートの要部拡大断面説明図である。 図3は、本発明に係る自動車内装材の要部拡大断面説明図である。 図4は、本発明に係る自動車内装材の要部拡大断面説明図である。 図5は、本発明に係る自動車内装材用発泡積層シートを製造する製造方法および製造装置を説明する概念図 図6は、本発明に係る自動車内装材用発泡積層シートを製造する製造方法および製造装置を説明する概念図
符号の説明
11 発泡層
12(室内側)非発泡層
13(室外側)非発泡層
14(室内側)有機繊維不織布層
15(室外側)有機繊維不織布層
16(室内側)結晶性樹脂フィルム層
17(室外側)結晶性樹脂フィルム層
25 接着層
26 表皮材
27 自動車内装材用発泡積層シート
28 自動車内装材
31 反発弾性ロール
32 金属ロール
33 上部ロール
35 金属ロール

Claims (8)

  1. 耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に、非晶性熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層が積層された発泡積層シートであり、
    少なくとも一方の非発泡層が、有機繊維不織布および結晶性熱可塑性樹脂を基材樹脂とするフィルムを積層されてなる発泡積層シートを製造する方法であって、
    押出ラミネート法により、非発泡層に有機繊維不織布を積層する工程(a)において用いられる、挟圧ロールの少なくとも一方が、金属外周面に反発弾性を有する素材を厚さ1mm以上10mm未満で被覆してなる反発弾性を有するロールであることを特徴とする、自動車内装材用発泡積層シートの製造方法。
  2. (a)非発泡層に有機繊維不織布を積層する工程の後、連続して、(b)該非発泡層および発泡シ−トを積層する工程を、経ることを特徴とする、請求項1に記載の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法。
  3. (a)工程および(b)工程連続に行うために、多段ロ−ルを用いることを特徴とする、請求項1または2記載の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法。
  4. 発泡層を構成する耐熱性樹脂が、ポリスチレン系樹脂およびポリフェニレンエーテル系樹脂の混合樹脂からなる変性ポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法。
  5. 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、フェニレンエーテル系樹脂25〜70重量部およびスチレン系樹脂75〜30重量部である(両樹脂の合計量は100重量部)ことを特徴とする、請求項4に記載の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法。
  6. 非発泡層を構成する非晶性熱可塑性樹脂が、ポリスチレン系樹脂、耐熱ポリスチレン系樹脂および変性ポリフェニレンエーテル系樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡積層シートの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動車内装材用発泡シートの製造方法により得られることを特徴とする、自動車内装材用発泡シート。
  8. 請求項7記載の自動車内装材用発泡積層シートに、表皮材を積層した後、成形することにより得られることを特徴とする、自動車内装材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015221502A (ja) * 2014-05-22 2015-12-10 住ベシート防水株式会社 防水シートの製造方法および防水シート

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