以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1(a)は、本発明の実施形態に適用可能なデジタルビデオカメラ100の一例の外観を示す外観図である。図1(a)の例では、デジタルビデオカメラ100は、筐体の正面側にレンズ部30が設けられ、背面側および上部に各種のボタン21a〜21d、ボタン22〜26が設けられる。なお、ここでは便宜上、デジタルビデオカメラ100の被写体に向けられる側を正面側、撮影者に向けられる側を背面側とする。また、筐体の側面に、表示部10が設けられる。表示部10は、筐体に対して開閉可能に構成され、開いた状態で、ユーザは、表示部10の表示を見ることができる。
筐体の上部に設けられるボタン23〜25は、それぞれ、表示部10に後述する画像パラメータ設定画面を表示させる設定ボタン23、撮影の開始/停止を指示する撮影ボタン24、ならびに、電源のON/OFFを指示する電源ボタン25である。撮影ボタン24は、例えば押下される度に撮影の開始と停止とが交互に指示される。
筐体の背面側に設けられるボタン21a〜21dは、デジタルビデオカメラ100の動作モードに応じた複数の機能が割り当てられる。例えば、設定ボタン23が操作されて画像パラメータを設定する設定モードになった場合、表示部10に表示される設定画面に対する項目選択のための方向指示の機能が割り当てられる。すなわち、ボタン21a〜21dは、それぞれ上下左右の方向を指示する十字ボタンとして機能され、設定画面における項目間の移動を指示することができる。この場合、ボタン21a〜21dの中心に設けられるボタン22は、選択される項目に対する決定ボタンとして機能する。以降、ボタン22を、適宜、決定ボタン22と記述する。
また例えば、デジタルビデオカメラ100が記録モードにある場合、ボタン21a〜21dのうち上下方向を指示するボタン21aおよび21b、あるいは、左右方向を指示するボタン21cおよび21dの組み合わせて、ズーム操作が行われる。
さらに、デジタルビデオカメラ100が再生モードにある場合、ボタン21a〜21dは、再生制御を指示するボタンとして機能する。例えば、図1(b)に一例が示されるように、ボタン21aが再生および一時停止、ボタン21bが停止、ボタン21cが高速逆転再生(巻き戻し)、ボタン21dが高速再生(早送り)を指示する。
筐体の背面側に設けられる解析ボタン26は、記録された動画像データからの画像パラメータの抽出を指示する。この画像パラメータ抽出については、後述する。
図2は、本発明に適用可能なデジタルビデオカメラ100の一例の構成を示す。CPU15は、このデジタルビデオカメラ100の全体の動作を制御する。すなわち、CPU15は、ROM16に予め記憶されたプログラムに従い、RAM17をワークメモリとして用いて動作し、デジタルビデオカメラ100の各部の動作を制御する。操作部20は、上述したボタン21a〜21d、ボタン22〜26が設けられ、ボタンに対する操作に応じた制御信号を出力し、CPU15に供給する。CPU15は、この制御信号に応じて、このデジタルビデオカメラ100の動作を制御することができる。操作部20およびCPU15により、ユーザ操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段が構成される。
OSD生成部18は、CPU15の命令に従い、表示部10にOSD(On Screen Display)表示させる画像データを生成する。例えば、OSD生成部18は、このデジタルビデオカメラ100に対して各種設定を行うためのメニュー画面をOSD表示させる画像データを、CPU15の命令に基づき生成する。また例えば、OSD生成部18およびCPU15でグラフ画像生成手段が構成され、OSD生成部18は、CPU15の命令に従い、画像パラメータに基づくグラフをOSD表示させるグラフ画像データを生成する。OSD生成部18で生成されたOSD表示のための画像データは、後述する表示部10に供給される。以下、OSD表示のための画像データを、OSD画像データと呼ぶ。
先ず、記録側の構成について説明する。光学系1は、図1のレンズ部30に対応し、光学レンズ、ズーム機構、オートフォーカス機構および絞り機構を有する。ズーム機構、オートフォーカス機構および絞り機構の動作は、CPU15により制御される。
撮像部2は、光学系1を介して入射された光を電気信号に変換するCCDといった撮像素子と、撮像素子を駆動し画素毎の電荷の読み出しを行う駆動回路と、撮像素子から出力された撮像信号に所定の処理を施し画像データとする撮像信号処理部とを有する。駆動回路によりフレームタイミングで連続的に撮像素子からの電荷の読み出しを行うことで、動画像データを生成することができる。また、撮像素子を駆動する駆動回路は、撮像素子に対する電子シャッタ機能を有する。例えば、この駆動回路は、CPU15の命令に従い、指定されたシャッタ速度で撮像の制御を行う。
撮像部2から出力された動画像データは、画像処理部3に供給される。画像処理部3は、撮像素子から出力された動画像データに対してガンマ補正やノイズ除去処理、ホワイトバランス処理、画質補正処理など所定の信号処理を施す。画像処理部3で信号処理された動画像データは、動画符号化部4、静止画符号化部5および表示部10にそれぞれ供給される。
また、画像パラメータ抽出手段としての画像処理部3は、撮像部2から出力された動画像データの各フレームから、画像パラメータの抽出を行うことができる。抽出された画像パラメータは、例えばCPU15に供給される。画像パラメータの具体的な例については、後述する。
画像処理部3から供給された動画像データと、OSD生成部18から供給されたOSD画像データとが表示部10に供給される。表示手段および表示制御手段としての表示部10は、表示制御部と、LCDといった表示デバイスおよびその駆動回路とからなる。撮影時のモニタ画像を表示するための動画像データと、OSD画像データとが表示部10で1画面に合成されて表示される。
動画符号化部4は、画像処理部3から供給された動画像データを所定の圧縮符号化方式で圧縮符号化して出力する。圧縮符号化方式としては、MPEG2方式やH.264|AVC方式などが適用可能である。動画符号化部4で圧縮符号化された圧縮動画像データは、記録再生制御部6に供給される。
画像処理部3は、CPU15からの命令に基づき、撮像部2から供給された動画像データから指定されたフレームを抽出し、当該フレームによる静止画像データを出力することができる。この静止画像データは、静止画符号化部5に供給される。また、静止画符号化部5には、後述する画像処理部13からの静止画像データも供給される。静止画符号化部5は、供給された静止画像データを所定の圧縮符号化方式で圧縮符号化して出力する。圧縮符号化方式としては、JPEG方式などが適用可能である。静止画符号化部5で圧縮符号化された圧縮静止画像データは、記録再生制御部6に供給される。
記録再生制御部6は、CPU15の命令に従い、動画用記録媒体7や静止画用記録媒体8に対するデータの読み書きを制御する。記録再生制御部6は、例えば、動画符号化部4から供給された圧縮動画像データを動画用記録媒体7に記録し、静止画符号化部5から供給された圧縮静止画像データを静止画用記録媒体8に記録するように制御する。動画用記録媒体7および静止画用記録媒体8として適用可能な記録媒体は、脱着可能な不揮発性メモリ、ディスク記録媒体、脱着可能またはデジタルビデオカメラ100に内蔵されるハードディスクなど、特に限定されない。また、動画用記録媒体7および静止画用記録媒体8を、同一の記録媒体の異なる領域としてもよい。
再生側の構成について説明する。記録再生制御部6は、CPU15からの命令に基づき、指定された圧縮動画像データを動画用記録媒体7から読み出し、動画復号部11に供給する。動画復号部11は、供給された圧縮動画像データを記録時の符号化方式に応じて復号し、ベースバンドの動画像データとする。このベースバンドの動画像データは、画像処理部13に供給され、色調補正、コントラスト調整、シャープネス(エッジ強調)処理など所定の画質調整処理を施される。これらの画質調整は、例えば操作部20に対する操作に応じたCPU15の制御によりなされる。画像処理部13から出力された動画像データは、表示部10に供給され、必要に応じてOSD生成部18から供給されたOSD画像データと合成されて表示される。
画像処理部13は、上述の画像処理部3と同様にして、CPU15からの命令に基づき、動画復号部11から供給された動画像データから指定されたフレームを抽出し、当該フレームによる静止画像データを出力することができる。この静止画像データは、静止画符号化部5に供給される。画像処理部13、CPU15および操作部20で、フレーム抽出手段が構成される。
また、画像パラメータ抽出手段としての画像処理部13は、上述の画像処理部3と同様に、動画復号部11から供給された動画像データの各フレームから、画像パラメータの抽出を行うことができる。抽出された画像パラメータは、例えばCPU15に供給される。
静止画像データの再生も、同様である。すなわち、記録再生制御部6は、CPU15からの指示に基づき静止画用記録媒体8から圧縮静止画像データを読み出し、静止画復号部12に供給する。静止画復号部12は、供給された圧縮静止画像データを記録時の符号化方式に応じて復号し、ベースバンドの静止画像データとする。このペースバンドの静止画像データは、画像処理部13に供給され上述のような所定の画像処理を施され、表示部10に供給される。
ここで、画像処理部3または画像処理部13で抽出される画像パラメータについて説明する。画像パラメータは、動画像データの各フレームの特性を表すものであって、動画像撮影時の撮影条件情報である撮影パラメータと、撮影によって得られた動画像データを構成する各フレームに対して画像解析を行うことで得られる解析パラメータとからなる。撮影パラメータは、換言すれば、動画像データが生成された際の生成条件を示す情報であるといえる。画像処理部3は、撮影パラメータおよび解析パラメータの抽出が行われる。画像処理部13は、解析パラメータの抽出が行われる。
撮影パラメータの種類は、例えば「シャッタ速度」、「レンズF値」、「ISO感度」、「レンズ焦点距離」および「画素数」である。「シャッタ速度」は、撮影時に、1フレーム分の撮影を行う際に撮像素子に対して露光を与えた時間である。例えば、露光制御を自動的に行うような場合、撮像素子に対する露光量が一定範囲内に収まるように、シャッタ速度を自動制御することができる。一例として、画像処理部3において撮像部2から供給された動画像データに対して、フレーム毎に輝度成分の解析を行い、解析結果に基づきシャッタ速度を制御する。シャッタ速度の数値が大きいほど、画像がブレ易くなる。
「レンズF値」は、光学系1のレンズに入射される光量を数値化したものであり、数値が大きいほど光量が少ないことを意味する。「ISO感度」は、撮像素子の感度であり、数値が大きいほど感度が高いことを意味する。ISO感度が高いほど、ノイズの影響を受け易くなる。ISO感度は、上述のシャッタ速度の場合と同様に、撮像部2から供給された動画像データの輝度成分に基づき自動的に制御される。
「レンズ焦点距離」は、光学系1による画角であり、光学ズーム操作を行った場合には、このレンズ焦点距離の値が変化する。ワイド側で値が小さくなり、テレ側で値が大きくなる。また、値が一定値で、光学ズーム操作を行っていないことを示す。「画素数」は、撮像素子の有効画素のうち動画像データのフレームに用いられた画素数であり、デジタルズームを行った場合に、値が変化する。テレ側で値が小さくなり、ワイド側で値が大きくなる。値が一定値で、デジタルズーム操作を行っていないことを示す。
解析パラメータの種類は、例えば「シャープネス」、「明るさ」および「ブレ」である。「シャープネス」とは、動画像データのフレームにおいて、例えば輝度値が不連続的に変化するエッジ部分での輝度値の変化量であり、数値が大きいほど輪郭が明確であることを意味する。例えば、「シャープネス」は、判定対象領域内の各画素位置におけるエッジ量の平均値を用いて表すことができる。エッジ量は、その画素位置における輝度値の変化の大きさを示す値である。ある画素位置におけるエッジ量としては、その画素位置の近傍における各画素の輝度値との差分を用いることができる。
「ブレ」は、動画像データのフレーム間における画像の動き量であり、数値が大きいほど、動き量が大きいことを意味する。これは、換言すれば、「ブレ」値が大きいほど、当該動画像データによる動画像がブレている可能性が高いといえる。例えば、任意のフレームとその前のフレームについて、判定対象領域内の任意の画素位置における輝度値の変化量から、画像の動きを推定することができる。この推定した動きから動き量を求め、「ブレ」に関するパラメータを得る。なお、上述の動き検出は、勾配法に基づいているが、ブロックマッチングなどの他の動き検出方法を用いてもよい。例えば、動画符号化部4において符号化を行う際に検出する動きベクトルを用いて動き量を求めてもよい。
「明るさ」は、動画像データのフレームにおける平均輝度値であり、数値が大きいほど明るい画像であることを意味する。
<第1の実施形態>
次に、本発明の第1の実施形態について説明する。本第1の実施形態は、上述した記録時の構成に係るもので、記録時に、撮影による動画像データから画像パラメータを抽出し、抽出された画像パラメータに基づき画像パラメータの時系列的な変化を示すグラフを作成する。このグラフを表示するためのグラフ画像を、撮影による画像をモニタするモニタ画像に対して合成して表示させる。ユーザは、静止画像を抽出するタイミングを、このグラフ画像に基づき決めることで、良好な画質の静止画像を取得することができる。また、当該グラフ画像が撮影のモニタ画像に合成されて表示されるので、モニタ画像に基づき構図が適切であるタイミングを指定して、静止画像を取得することができる。
図3は、本第1の実施形態による処理を概略的に示す。撮影ボタン24が操作されて動画像の撮影が開始されると(ステップS10)、撮影により得られる動画像データのフレームから画像パラメータを抽出する(ステップS11)。抽出した画像パラメータに基づき、当該画像パラメータの時系列的な変化を示すグラフを作成し、グラフ画像を表示部10にOSD表示させる(ステップS12)。撮影停止の指示がなければ(ステップS13)、処理はステップS11に戻され、次のフレームに対する処理が行われる。撮影停止の指示がなされれば、動画像の撮影が終了されると共に、画像パラメータの時系列的変化を示すグラフ画像の表示が終了される(ステップS14)。
図4は、本第1の実施形態を実現するためのデジタルビデオカメラ100の一例の機能を示す機能ブロック図である。本第1の実施形態では、デジタルビデオカメラ100は、情報処理部110、静止画像処理部120、動画像処理部130、グラフ抽出部140、ユーザインターフェイス(UI)処理部150および撮像処理部160の各機能部を備える。これら各機能部は、互いにデータのやりとりが可能に接続されている。
UI処理部150は、操作処理部151および表示処理部152を有する。操作処理部151は、例えばCPU15および操作部20に対応する。すなわち、UI処理部150は、ユーザによるボタン21a〜21d、ボタン22〜26に対する操作を操作処理部151において受け付け、当該操作に応じて各機能部を制御する。また、表示処理部152は、例えば表示部10に対応し、動画像や静止画像、OSD画像の表示部10に対する表示を行う。
情報処理部110は、情報記録部111および情報管理部112を有する。情報記録部111は、例えば動画用記録媒体7や静止画用記録媒体8そのものである。情報管理部112は、例えばCPU15および記録再生制御部6に対応し、情報記録部111に対する動画像データや静止画像データの記録を行うと共に、記録されたデータの読み出しや削除を行う。
静止画像処理部120は、静止画像抽出部121および静止画像記録処理部122を有し、例えばCPU15および画像処理部3に対応する。静止画像抽出部121は、例えばユーザによる決定ボタン22の操作のタイミングに応じて、撮影中の動画像データのフレームを静止画像データとして抽出する。静止画像記録処理部122は、静止画像抽出部121で抽出された静止画像データを、情報管理部112を介して情報記録部111に供給する。
動画像処理部130は、動画像表示制御部131および画像パラメータ抽出部132を有し、例えばCPU15および画像処理部3に対応する。動画像表示制御部131は、撮像部2から出力された動画像データを表示処理部152に供給する。画像パラメータ抽出部132は、撮像部2から供給された動画像データの各フレームに対して画像解析を行って解析パラメータを抽出すると共に、動画像撮影時の撮影条件を示す情報である撮影パラメータを抽出する。これら解析パラメータおよび撮影パラメータは、フレーム毎の画像パラメータとして後述するグラフ生成部141に供給される。
グラフ抽出部140は、グラフ生成部141およびグラフ再生制御部142を有し、例えばCPU15およびOSD生成部18に対応する。グラフ生成部141は、画像パラメータ抽出部132から出力された画像パラメータに基づき、各画像パラメータの時系列グラフを生成する。グラフ再生制御部142は、グラフ生成部141で生成された時系列グラフの表示形式を、指定された表示形式に変換する。グラフの表示形式の指定は、例えばユーザによる操作部20に対する操作によりなされる。
表示形式が変換された時系列グラフのデータは、例えばCPU15の制御によりOSD生成部18でOSD画像データとされる。この時系列グラフのOSD画像データは、表示部10で画像処理部3から供給される動画像データの対応するフレームと同期させて合成され、表示部10に表示される。
撮像処理部160は、例えば撮像部2および画像処理部3に対応し、撮像部2から出力された動画像データを表示処理部152に供給する。また、撮影ボタン24が操作され、撮影開始が指示されたときには、撮像部2から出力された動画像データを表示処理部152に供給すると共に、情報管理部112を介して情報記録部111に供給する。さらに、当該動画像データから画像パラメータを抽出するために、当該動画像データを画像パラメータ抽出部132に供給する。
図5は、本発明の第1の実施形態による、撮影時に動画像から静止画像を抽出するために表示部10に表示される実行画面200の例を示す。表示部10に対して、撮像部2から出力された動画像データが画像処理部3を介して供給され、実行画面200上に動画像210として表示される。ここでは、実行画面200における左上側から右下側に自動車が走行しているシーンを撮影したものとする。図5(a)は、あるフレームにおける動画像210の表示例を示し、図5(b)は、図5(a)のフレームから数秒後における動画像210の表示例を示す。
また、実行画面200において、時系列グラフ画像211が動画像210に重ねて同一画面内に表示される。時系列グラフ画像211は、動画像210の動画像データの各フレームから抽出された画像パラメータに基づき、CPU15において生成されたグラフデータにより、OSD生成部18で生成され、表示部10にOSD表示される。時系列グラフ画像211は、動画像210として表示される動画像データのフレームに同期して、表示が順次更新される。
時系列グラフ画像211において、横軸である時間軸212は、時間の経過を示す。本第1の実施形態では、時間軸212は、現在を示す位置を一方の端点とし、この一方の端点から他方の端点に向けて時間を遡るように構成される。図5の例では、時間軸212において、時系列グラフ画像211の右端が現在の時刻を示し、左方向に時間を遡る。時間軸212の下には、現在の時刻に対する時間差が表示されている。例えば、現在を示す時間軸212の右端に対し、「0s(秒)」が表示される。「−5s」と表示される位置は、現在に対して5秒過去の時刻を示す。
時系列グラフ画像211の縦軸は、画像パラメータの値を示す画像パラメータ軸213である。この図5の例では、画像パラメータとして「シャッタ速度」が選択され、シャッタ速度の値が所定に正規化されて示される。画像パラメータ軸213の実行画面200に対して上側がシャッタ速度が遅いことを示し、下側がシャッタ速度が速いことを示す。なお、この図5に示されるような、被写体に動きがある動画像データのフレームを静止画像データとして抽出する場合、シャッタ速度がより速い部分で抽出を行うと、ブレを小さく抑えることができる。
時系列グラフ画像211において、グラフ線215は、撮影により得られた動画像データの各フレームから抽出した画像パラメータを示す値を、時間軸212と画像パラメータ軸213とに対応させてグラフ化した線である。画像パラメータを示す値の時間の経過に伴う更新に伴い、過去のデータが左方向に順次シフトされて表示される。
なお、時系列グラフ画像211は、背景として表示される動画像210を明確に確認可能に表示することが好ましい。一例として、時系列グラフ画像211を、全て線画で構成することが考えられる。これに限らず、既知のアルファブレンディング技術を用いて、時系列グラフ画像211を動画像210に対して所定の透過率で透過させて表示させてもよい。線画表示と透過表示とを組み合わせて用いてもよい。
図6は、本第1の実施形態による、撮影時に動画像データから静止画像データを抽出する際の一例の処理を示すフローチャートである。以下、このフローチャートと上述の図5を用いて当該処理について説明を行う。なお、時系列グラフ画像211において、画像パラメータとして「シャッタ速度」が選択されているものとする。
先ず、ユーザにより撮影ボタン24が操作されることにより、動画像の撮影が開始される(ステップS20)。撮影が開始されると、次のステップS21で、撮影に伴い撮像部2から出力された動画像データの表示制御が行われる。すなわち、撮像部2から出力された動画像データのフレームが画像処理部3を介して表示部10に供給され、例えば図5(a)に例示される動画像210として表示される。それと共に、撮像部2から出力された動画像データは、画像処理部3を介して動画符号化部4に供給されて所定に圧縮符号化される。動画符号化部4から出力された圧縮動画像データは、記録再生制御部6に供給され、動画用記録媒体7に記録される。
また、撮影の開始に伴い、撮像部2から出力された動画像データのフレームが画像処理部3で解析され、画像パラメータが抽出される。この画像パラメータは、CPU15に供給される。CPU15は、供給された画像パラメータに基づき時系列グラフ画像211を表示するためのグラフデータを生成する。このデータは、OSD生成部18に供給され、時系列グラフ画像211を表示するためのOSD画像データが生成される。このOSD画像データは、表示部10に供給され、動画像210に重ねて表示される。
次のステップS22で、CPU15は、静止画像データの抽出が指示されたか否かを判断する。静止画像データの抽出は、例えば決定ボタン22が操作されることで指示される。一例として、ユーザは、表示部10に表示中の動画像210と時系列グラフ画像211とを見て、静止画像データを抽出すべきタイミングで決定ボタン22を操作する。CPU15は、操作部20から決定ボタン22に対する操作に応じた制御信号が供給されたら、静止画像データの抽出が指示されたと判断する。
静止画像データの抽出が指示されたと判断したら、処理はステップS24に移行され、動画像データから静止画像データが抽出される。例えば、CPU15は、画像処理部3に対して静止画像データの抽出を命令する。この命令に応じて、画像処理部3は、撮像部2から供給された動画像データのフレームを抽出する。例えば、画像処理部3は、この命令がCPU15から供給された時点で撮像部2から供給されているフレームを抽出する。抽出されたフレームは、1つの静止画像データに変換されて静止画符号化部5に供給され、所定に圧縮符号化されて記録再生制御部6により静止画用記録媒体8に記録される。そして、処理はステップS21に戻され、動画像データの次のフレームに対する処理が行われる。
なお、画像処理部3から静止画像データが出力されてから以降の処理、すなわち静止画符号化部5での圧縮符号化処理、ならびに、記録再生制御部6による記録処理は、図6のフローチャートの他の処理と並行して行うことができる。
一方、ステップS22で静止画像データの抽出を行わないと判断されれば、処理はステップS23に移行され、動画像の撮影を終了するか否かが判断される。若し撮影を終了すると判断されたら、処理はステップS25に移行される。ステップS25では、動画像の撮影の終了処理が行われると共に時系列グラフ画像211の表示が終了され、一連の処理が終了する。撮影終了は、例えば撮影ボタン24に対して撮影停止操作がなされることで指示される。
一方、ステップS23で動画像の撮影を終了しないと判断されたら、処理はステップS21に戻され、次のフレームに対する処理が行われる。
ここで、図5(a)の例では、時系列グラフ画像211から、シャッタ速度の値が徐々に減少し、シャッタ速度が徐々に速くなる傾向にあることが分かる。しかしながら、図5(a)における現在(0s)のシャッタ速度では未だ静止画像にブレがある可能性が高いので、この時点では静止画像データの抽出を行わない方がよいと判断できる。ユーザがこのように判断した場合、決定ボタン22が操作されないので、上述したステップS22では、静止画像データの抽出が行われないと判断され、処理がステップS21に戻されることになる。
一方、図5(b)の例では、時系列グラフ画像211から、シャッタ速度の値が小さい状態で安定していることが分かる。この時点で静止画像データを抽出すると、上述の図5(a)の例の場合よりシャッタ速度が高速となっているため、よりブレの少ない静止画像データが抽出できることが期待される。ユーザがこのように判断し、決定ボタン22を操作すると、上述したステップS22において静止画像データの抽出が行われると判断され、処理がステップS24に移行される。
このように、本第1の実施形態では、動画像の撮影時にユーザが動画像から静止画像を抽出する際に、撮影している動画像を表示部10に表示すると共に、対応する動画像から抽出した画像パラメータの時系列グラフを、OSD表示する。
例えば、デジタルビデオカメラ100が小さな画面の表示部10を備える場合、表示部10の画面に撮影中の動画像が表示されていても、ユーザは、当該動画像の画質を判断することが困難である。本第1の実施形態のように、画像パラメータを用いた時系列グラフをOSD表示することで、画面に表示されているフレームの画質を判断することを可能にすると共に、過去のフレームの画質との比較を行うことが可能となる。
また、本第1の実施形態によれば、画像パラメータの時系列グラフの表示と共に、撮影中の動画像も表示部10に表示される。これにより、動画像の撮影を行うと同時に、静止画像として抽出するフレームの構図を確認すると共に、現在のフレームが過去のフレームに比べて画質の優劣があるのかを判断できる。つまり、ユーザは、構図と画質の両方の観点から抽出する静止画像を絞り込めるので、品質の高いフレームを静止画像として抽出して記録することが可能となる。
時系列グラフ画像211の表示形式は、ユーザ操作により変更することが可能である。図7は、時系列グラフ画像211の表示形式を設定するための設定画面300の一例を示す。
この設定画面300は、動画像の撮影前あるいは撮影中に設定ボタン23を操作することで、表示部10に表示される。例えば、CPU15は、設定ボタン23に対する操作に応じて操作部20から供給される制御信号に従い、OSD生成部18に対して設定画面300を表示するためのOSD画像データを生成するように命令する。この命令に従い、OSD生成部18で当該OSD画像データが生成される。生成されたOSD画像データは、表示部10に供給される。
設定領域310は、グラフの種類を設定するための領域である。ボタン21a〜21dからなる十字ボタンを操作して設定領域310上にカーソル301を合わせてから、決定ボタン22を操作することで、グラフの種類に関する選択肢が表示される。グラフの種類の選択肢は、例えば「棒グラフ」と「線グラフ」である。これらのうち、ユーザの所望するグラフの種類にカーソル301を合わせてから、決定ボタン22を操作することで、グラフの種類が設定される。図7の例では、グラフの種類として「線グラフ」が設定されている。
設定領域320は、グラフ化する、すなわち、時系列グラフ画像211の縦軸として用いる画像パラメータを設定するための領域である。時系列グラフ画像211の縦軸として選択可能な画像パラメータとしては、例えば撮影パラメータでは、「シャッタ速度」、「レンズF値」、「ISO感度」、「レンズ焦点距離」および「画素数」が考えられる。また、解析パラメータでは、「シャープネス」、「明るさ」および「ブレ」が考えられる。上述と同様に、十字ボタンおよび決定ボタン22を用いて、時系列グラフ画像211の縦軸として用いる画像パラメータを設定する。図7の例では、画像パラメータとして「シャッタ速度」が設定されている。
設定領域330は、横軸である時間軸の範囲を設定するための領域である。設定領域330における選択肢は、例えば「2秒」、「10秒」および「50秒」である。図7の例では、時間軸の範囲として「10秒」が設定されている。
ボタン350は、上述の設定領域310、320および330に設定された内容を有効として設定画面300における設定処理を終了する。例えば、ボタン350を操作することで、上述の設定領域310、320および330に設定された内容に基づき、CPU15において、時系列グラフ画像211を描画する際の各種パラメータが変更される。
一方、ボタン351は、上述の設定領域310、320および330に設定された内容を無効として、設定画面300における設定処理を終了する。この場合には、CPU15は、例えば上述の設定領域310、320および330に設定された内容を破棄し、時系列グラフ画像211を描画する際の各種パラメータを変更しない。
ボタン350または351が操作されると、表示部10の表示は、例えば設定ボタン23を操作する前の表示に戻される。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本第2の実施形態は、上述した再生時の構成に係るもので、記録媒体に記録された動画像データの再生時に、当該動画像データから画像パラメータを抽出する。そして、上述の第1の実施形態と同様にして、抽出された画像パラメータに基づく時系列グラフ画像を作成し、この時系列グラフ画像を動画像データの再生画像に対して重ねて表示させる。ユーザは、静止画像を、この時系列グラフ画像に基づき抽出することで、良好な画質の静止画像を取得することができる。また、当該グラフ画像が再生画像に合成されて表示されるので、構図が適切であるタイミングを指定して、静止画像を取得することができる。
図8は、本第2の実施形態による処理を概略的に示す。例えば動画像の選択画面において、再生する動画像が選択された状態で解析ボタン26が操作されると(ステップS30)、選択された動画像の画像パラメータが抽出される(ステップS31)。例えば、CPU15の制御に基づき、記録再生制御部6により、動画用記録媒体7から選択された動画像に対応する圧縮動画像データが読み出され、動画復号部11で復号されてベースバンドの動画像データとされ、画像処理部13に供給される。画像処理部13は、供給された動画像データの各フレームから画像パラメータを抽出し、CPU15に供給する。
なお、本第2の実施形態においては、動画像データから抽出される画像パラメータは、動画像データの各フレームを解析して得られる解析パラメータである。撮影パラメータが動画像データと共に記録されている場合には、画像パラメータとして、解析パラメータと共にこの撮影パラメータを抽出してもよい。
抽出された画像パラメータは、例えばRAM17に記憶したり、動画用記録媒体7または静止画用記録媒体8に記録するなどして、保持する(ステップS32)。ここでは、抽出された画像パラメータをRAM17に記憶して保持するものとする。例えば、CPU15は、画像処理部3から供給された各フレームの画像パラメータを、動画像データの対応するフレームにそれぞれ対応付けてRAM17に記憶する。画像パラメータと動画像データのフレームとの対応付けは、例えば動画像データの圧縮符号化がMPEG2方式やH.264|AVC方式で行われている場合、ピクチャの再生時刻を指定するPTSを用いることが考えられる。
画像パラメータがRAM17に保持されると、当該動画像データの再生が開始され、再生された動画像が表示部10に表示される。この動画像の表示に対して、RAM17に保持された画像パラメータに基づく時系列グラフ画像が重ねて表示される(ステップS33)。
例えば、CPU15の制御に基づき、記録再生制御部6により、上述の処理により画像パラメータを抽出した圧縮動画像データが読み出され、動画復号部11で復号されてベースバンドの動画像データとされ、画像処理部13を介して表示部10に供給される。また、CPU15は、表示部10に現在表示されている動画像データのフレームに対応する画像パラメータと、当該フレームの前後の所定時間内のフレームに対応する画像パラメータとをそれぞれRAM17から読み出す。そして、RAM17から読み出された画像パラメータに基づき、OSD生成部18において、時系列グラフを表示するための時系列グラフ画像データが生成される。この時系列グラフ画像データが表示部10に供給される。
なお、ここでは、先ず、再生の対象となる動画像データの全体から画像パラメータを抽出して保持し、次に、当該動画像データの再生と共に、保持された画像パラメータに基づく時系列グラフ画像を表示させるようにしている。これは、この例に限定されず、例えば動画像データを再生しながら、再生されるフレームについて画像パラメータを抽出し、動画像と共に表示するようにもできる。抽出された画像パラメータを動画像データのフレームに対応付けてRAM17などに保持することで、正逆方向の再生に対応させることができる。
また、画像パラメータは、動画像データの記録時に予め抽出しておくことも可能である。例えば、記録時に、CPU15は、画像処理部3から供給された画像パラメータを、撮像部2から出力される動画像データのフレームに対応付けて記録再生制御部6に供給し、動画用記録媒体7または静止画用記録媒体8などに記録させる。こうすることにより、再生時にも、同様にして動画像データからの静止画像データの抽出を行うことができる。
記録時における画像パラメータと動画像データのフレームとの対応付けは、例えば撮像部2から出力される動画像データのフレームを撮影開始時からカウントしたカウント値を用いて行うことが考えられる。また、動画符号化部4がMPEG2やH.264|AVC方式で動画像データの圧縮符号化を行う場合、上述のPTSを用いて、画像パラメータと動画像データのフレームとの対応付けを行うこともできる。
図9は、本第2の実施形態を実現するためのデジタルビデオカメラ100の一例の機能を示す機能ブロック図である。なお、図9において、上述した図4の機能ブロック図と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。図9の再生側の機能ブロック図は、図4の記録側の機能ブロック図における動画像表示制御部131の代わりに、動画像再生制御部171を有する点と、図4の機能ブロック図における撮像処理部160が存在しない点とが異なる。
動画像処理部170は、動画像再生制御部171および画像パラメータ抽出部172を有し、例えばCPU15、画像処理部13、記録再生制御部6および動画復号部11に対応する。動画像再生制御部171は、情報記録部111に記録された動画像データを選択するための選択画面を表示する画像データを表示処理部152に出力し、表示部10に表示させる。選択画面は、情報記録部111に記録された各動画像データのインデックス画像が表示される。
また、動画像再生制御部171は、当該選択画面において選択された動画像データを情報記録部111から読み出して再生し、表示処理部152に出力して表示部10に表示させる。さらに、動画像再生制御部171は、ボタン21a〜21dに対してなされた操作に応じて、動画像データの再生や停止、正逆方向それぞれへの高速再生などの処理を行う。
図10は、本発明の第2の実施形態による、再生時に動画像から静止画像を抽出するために表示部10に表示される実行画面600の例を示す。表示部10に対して、動画復号部11から出力された動画像データが画像処理部13を介して供給され、実行画面600上に動画像250として表示される。ここでは、実行画面600において、左上側から右下側に自動車が走行しているシーンを1倍速で再生した動画像が表示されているものとする。図10(a)は、あるフレームにおける動画像250の表示例を示し、図10(b)は、図10(a)のフレームから2秒後、図10(c)はさらに2秒後の動画像250の表示例を示す。
また、上述の図5と同様にして、実行画面600において、時系列グラフ画像261が動画像に重ねて表示される。時系列グラフ画像261において、横軸である時間軸262は、実行画面600に表示中の動画像データの表示時刻を示す。なお、ここでいう表示時刻とは、例えば1つの動画像データの先頭フレームを基準とした相対的な表示時刻である。本第2の実施形態では、時間軸262は、表示中の動画像データの表示時刻を含む一定の時間範囲を示す。
横軸に垂直の再生軸264は、表示中の動画像データの現在の表示時刻を示す。より具体的には、図10では、時間軸262において再生軸264との交点が表示中の動画像データの現在の表示時刻を示し、再生軸264より右側が未来の表示時刻を示し、左側が過去の表示時刻を示す。図10(a)を例に取ると、時間軸262の左端および右端は、それぞれ動画像データの先頭フレームから8秒および18秒が経過したフレームであることを示し、現在表示されているフレームは、先頭フレームから13秒目のフレームであることを示す。この例では、時間軸262が示す時刻は、動画像データによる動画像の表示に伴い順次、変化する。
時系列グラフ画像261の縦軸は、画像パラメータの値を示す画像パラメータ軸263である。この図10の例では、画像パラメータとして「シャープネス」が選択され、シャープネス値が所定に正規化されて表示される。画像パラメータ軸263の画面に対して下側がシャープネス値が小さく、上側がシャープネス値が大きいことを示す。シャープネス値が大きいほど、その画像は輪郭が明確であることを示す。したがって、動画像データのフレームを静止画像データとして抽出する場合、輪郭が明確な大きなシャープネス値のフレームを選択するのが好ましい。
時系列グラフ画像261において、グラフ線265は、再生を行う動画像データから抽出した画像パラメータを示す値を、時間軸262と画像パラメータ軸263とに対応させてグラフ化した線である。
一例として、CPU15は、例えばRAM17に保持される画像パラメータを示す値のうち、この時系列グラフ画像261で時間軸262に応じて表示されている時間範囲内のフレームに対応する画像パラメータに基づき、グラフ線265のデータを生成する。動画像データによる動画像の表示に伴い時間軸262が示す時刻がより未来の方向に変化されると共に、グラフ線265のデータに用いる画像パラメータを、時間軸262が示す時刻に対応して順次シフトさせる。
図10の例では、図10(a)の時刻においては、動画像データの先頭を基準として8秒目のフレームから18秒目のフレームまでの画像パラメータを用いてグラフ線265のデータを生成する。2秒後の図10(b)の時刻においては、10秒目のフレームから20秒目のフレームまでの画像パラメータを用いてグラフ線265を生成する。さらに2秒後の図10(c)の時刻においては、12秒目のフレームから22秒目のフレームまでの画像パラメータを用いてグラフ線265を生成する。
図11は、本第1の実施形態による、再生時に動画像データから静止画像データを抽出する際の一例の処理を示すフローチャートである。以下、このフローチャートと上述の図10とを用いて当該処理について説明を行う。なお、時系列グラフ画像261において、画像パラメータとして「シャープネス」が選択されているものとする。また、再生を行う動画像データの選択および当該動画像データからの画像パラメータの抽出は、既に行われており、抽出された画像パラメータがRAM17に保持されているものとする。
先ず、ユーザにより再生ボタン(ボタン21a)が操作されることにより、動画像データの再生開始が指示される(ステップS40)。この再生開始指示に応じて、次のステップS21で、指示された動画像データの再生制御が行われる。すなわち、CPU15は、再生するために選択された動画像データ(圧縮静止画像データ)を読み出すように、記録再生制御部6に対して命令する。記録再生制御部6は、CPU15から命令に従い、動画用記録媒体7から指定された圧縮動画像データを読み出す。読み出された圧縮動画像データは、動画復号部11で復号されてベースバンドの動画像データとされ、画像処理部13を介して表示部10に供給され、動画像250として表示される。
それと共に、CPU15により、現在表示部10に供給されている動画像データのフレームの表示時刻に対して表示時刻が前後の所定の範囲(例えば前後の2秒間)内のフレームに対応する画像パラメータがRAM17から読み出される。そして、CPU15は、RAM17から読み出した画像パラメータに基づき時系列グラフ画像261を表示するためのグラフデータを生成する。このグラフデータは、OSD生成部18に供給され、時系列グラフ画像261を表示するためのOSD画像データが生成される。このOSD画像データは、表示部10に供給され、動画像250に対して重ねて表示される。CPU15は、動画像データの再生に伴い、RAM17から読み出す画像パラメータをフレーム単位で順次シフトさせてグラフデータを生成し、時系列グラフ画像261を更新させる。
次のステップS42で、CPU15は、静止画像データの抽出が指示されたか否かを判断する。静止画像データの抽出は、例えば決定ボタン22が操作されることで指示される。一例として、ユーザは、表示部10に表示された動画像250と時系列グラフ画像261とを見て、静止画像データを抽出すべきタイミングで決定ボタン22を操作する。CPU15は、操作部20から決定ボタン22に対する操作に応じた制御信号が供給されたら、静止画像データの抽出が指示されたと判断する。
静止画像データの抽出が指示されたと判断したら、処理はステップS44に移行され、動画像データから静止画像データが抽出される。例えば、CPU15は、画像処理部13に対して静止画像データの抽出を命令する。この命令に応じて、画像処理部13は、動画復号部11から供給された動画像データのフレームを抽出する。例えば、画像処理部3は、この命令がCPU15から供給された時点で撮像部2から供給されているフレームを抽出する。抽出されたフレームは、1つの静止画像データに変換されて静止画符号化部5に供給され、圧縮符号化されて記録再生制御部6により静止画用記録媒体8に記録される。そして、処理はステップS41に戻され、動画像データの次のフレームに対する処理が行われる。
なお、画像処理部13から静止画像データが出力されてから以降の処理、すなわち静止画符号化部5での圧縮符号化処理、ならびに、記録再生制御部6による記録処理は、図6のフローチャートの他の処理と並行して行うことができる。
一方、ステップS42で静止画像データの抽出を行わないと判断されれば、処理はステップS43に移行され、動画像の再生を終了するか否かが判断される。例えばCPU15は、操作部20からの制御信号に基づき、停止ボタン(ボタン21b)の操作を検出する。若し、停止ボタンの操作が検出されたら、動画像の再生を終了すると判断する。再生を終了すると判断されたら、処理はステップS45に移行される。ステップS45では、動画像の再生の終了処理が行われると共に時系列グラフ画像261の表示が終了され、一連の処理が終了する。
一方、ステップS43で動画像の再生を終了しないと判断されたら、処理はステップS41に戻され、次のフレームに対する処理が行われる。
ここで、図10(a)〜図10(c)を比較する。時系列グラフ画像261から、例えば図10(a)に例示される動画像250のフレームは、略2秒後に表示される動画像250のフレーム(図10(b)参照)よりもシャープネス値が小さいことが分かる。これは、図10(b)の時点で抽出する静止画像は、図10(a)の時点で抽出する静止画像よりも、輪郭が明確な画像である可能性が高いことを意味する。また、図10(a)の時点から図10(b)の時点までのシャープネス値の変化は、図10(a)の時点において時系列グラフ画像261から予め知ることができる。したがって、ユーザは、図10(a)の時点では静止画像データの抽出を行わない方がよいと、容易に判断することができる。ユーザがこのように判断した場合、図10(a)の時点では決定ボタン22が操作されないので、上述したステップS42では、静止画像データの抽出が行われないと判断され、処理がステップS41に戻されることになる。
一方、図10(b)に例示されるように、時系列グラフ画像261から、この時点でのシャープネス値は、前後の数秒間におけるシャープネス値の中で最も大きいことが分かる。また、目的の被写体が自動車である場合、構図的にも、この図10(b)の時点が最も好ましいと推測できる。そこで、この図10(c)の時点で静止画像データを抽出すると、より輪郭が明確で、構図的にも良好な静止画像が抽出できることが期待される。ユーザがこのように判断し、決定ボタン22を操作すると、上述したステップS42において静止画像データの抽出が行われると判断され、処理がステップS44に移行される。
なお、例えば図10(b)の時点で決定ボタン22を操作するタイミングを逃し、表示部10の表示が例えば図10(c)に例示される状態になってしまうことも考えられる。再生時の場合には、図10(c)の時点で逆転高速再生ボタン(ボタン21c)を操作して例えば図10(a)の時点に遡って、操作をやり直すことができる。
このように、本第2の実施形態では、動画像の再生時にユーザ操作により動画像から静止画像を抽出する際、動画像を再生表示すると共に、対応する動画像から抽出した画像パラメータの時系列グラフ画像をOSD画像として表示する。
例えば、デジタルビデオカメラ100が小さな画面の表示部10を備える場合、表示部10の画面に再生中の動画像が表示されていても、ユーザは、その表示から当該動画像のフレームの画質を判断することが困難である。本第2の実施形態のように、画像パラメータを用いた時系列グラフをOSD表示することで、画面に表示されているフレームの画質を判断することを可能にすると共に、過去および未来のフレームの画質との比較を行うことが可能となる。これにより、ユーザが動画像から所望の静止画像を抽出するために、動画像のフレームを一々コマ送りして見比べる必要が無くなり、静止画像抽出の作業を効率が向上される。
また、本第1の実施形態によれば、画像パラメータの時系列グラフ表示は、再生中の動画像と共に表示部10に表示される。これにより、動画像の再生を行うと同時に、静止画像として抽出するフレームの構図を確認すると共に、現在のフレームが過去および未来のフレームに比べて画質の優劣があるのかを判断できる。つまり、ユーザは、構図と画質の両方の観点から抽出する静止画像を絞り込めるので、品質の高いフレームを静止画像として抽出して記録することが可能となる。
第1の実施形態において図7を用いて説明したのと同様に、時系列グラフ画像261の表示形式は、ユーザ操作により変更することが可能である。図12は、時系列グラフ画像261の表示形式を設定するための設定画面400の一例を示す。なお、図12において、図7と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
この図12に例示される設定画面400は、上述の図7の設定画面300に対して、再生軸264の時間軸262における位置を設定するための設定領域410が追加されている。また、時間軸262の時間範囲を設定する設定領域410の選択肢が図7の設定画面300とは異なっている。
時間軸262の時間範囲を設定する設定領域410の選択肢は、例えば「2秒」、「10秒」、「50秒」および「動画像の全記録時間」である。「動画像の全記録時間」は、例えば、1つの動画像データの先頭から終端までの記録時間である。
図10の例では、時間軸262の範囲を「10秒」に設定している。なお、設定領域410における時間軸262の範囲とは、動画像データを1倍速で再生したときの設定である。本第2の実施形態においては、再生速度が2倍速であれば、時間軸262の範囲は、設定領域410で設定された値の2倍とする(図10の例では20秒)。一方、再生速度が1/2倍速のスロー再生であれば、時間軸262の範囲は、設定領域410で設定された値の1/2倍とする(図10の例では5秒)。CPU15は、操作部20に対する再生速度の設定操作に応じて時間軸262の範囲を変更して、時系列グラフ画像261を表示するグラフデータを生成する。
これは、例えばユーザがあるフレームの近傍で1/2倍速で動画像を再生する場合、そのフレーム近傍で静止画像を抽出する可能性が高いと考えられる。そのため、より精密にフレームを決定できるようにするため、時系列グラフ画像261におけるグラフ線265の勾配を詳細に表示可能とするのが好ましい。一方、ユーザがあるフレーム近傍で2倍速で動画像を再生する場合は、そのフレーム近傍で静止画像を抽出しない可能性が高いと考えられる。そのため、時系列グラフ画像261におけるグラフ線265の勾配を大まかに表示しても構わないとする。このように、再生速度に合わせて時間軸262の範囲を変更することで、静止画像の抽出に適したフレームを簡単に探すことが可能となる。
再生軸264の位置を設定する設定領域420における選択肢は、例えば「0%」、「25%」、「50%」、「75%」および「100%」である。「0%」は、時間軸262における最小値(例えば時間軸262の左端)を意味し、「100%」は、時間軸262における最大値(例えば右端)を意味する。上述の図10の例では、再生軸264の位置は、「50%」に設定されている。ユーザが過去のフレームよりも未来のフレームに関する画像パラメータを見たい場合には、設定領域420において、値を「0%」側に設定すればよい。また、設定領域410において「動画の全記録時間」を設定した場合は、再生軸264を時間軸262方向に推移させる設定を自動で行う。
<第2の実施形態の変形例>
上述では、時系列グラフ画像261を動画像250に対して重ねて表示するようにしたが、これはこの例に限定されない。例えば、図13に例示されるように、動画像250および時系列グラフ画像261を、互いに重ならないように、それぞれ実行画面600の異なる領域に表示するようにしてもよい。この場合、時系列グラフ画像261の表示と、再生された動画像250の表示とが互いに重ならないため、動画像250における構図の確認が容易である。
また例えば、図14に例示されるように、実行画面600に表示する時系列グラフ画像として、帯状の時間軸270を用いることも考えられる。この場合、画像パラメータの値は、時間軸270における該当時刻部分の表示の濃淡で表す。一例として、画像パラメータが「シャープネス」の場合、時間軸270上でシャープネス値が大きい部分で表示を濃くし、シャープネス値が小さい部分で表示を薄くすることが考えられる。また、画像パラメータの値と時間軸270の表示の濃淡との関係をユーザに対して提示する凡例表示271を、実行画面600に対して表示させると、好ましい。
このように構成することで、時系列グラフ画像の表示面積を小さくすることができ、時系列グラフ画像と動画像272との重なり部分を少なくすることが可能である。図14の例では、時系列グラフ画像が表示部10の下端側に表示され、動画像272の中央部分に時系列グラフ画像が重ならないようにされている。動画像における主要な被写体は、再生画像の中央部分に映っていることが多いと考えられる。この図14の例では、時系列グラフ画像が動画像272における主要な被写体とが重なることが少なく、再生画像の構図を確認することが容易となる。
さらに例えば、1つの時系列グラフ画像に対して複数種類の画像パラメータを表示することもできる。図15は、実行画面600において、1つの時系列グラフ画像281に対して2つの画像パラメータを表示した例である。図15の例では、動画像290に重ねて表示される時系列グラフ画像281において、縦軸である画像パラメータ軸283は、画像パラメータの「シャープネス」を示す。グラフ線285は、この「シャープネス」を示す値を、時間軸282と対応させてグラフ化した線である。
図15の例では、画像パラメータの1つである「ブレ」を示す情報が、時系列グラフ画像281に対してさらに表示されている。すなわち、図15の例では、「ブレ」が所定量以下の範囲が、グラフ線285上に太線286で付加されて表示されている。これによれば、時間軸282における2秒目付近から7.5秒目付近までの範囲で、「ブレ」が所定量以下になっていることが分かる。
動画像290が、輪郭の不明瞭な雲の動画を1倍速で再生表示した画像であるものとして、この図15による時系列グラフ画像281の解釈の例について説明する。実行画面600において、動画像290から静止画像を抽出する場合、動画像290が輪郭の不明瞭な動画であることから、「シャープネス」が大きい必要は無いと考えられる。一方、被写体である雲の画像に「ブレ」が生じていては、静止画像として良好な品質ではないため、「ブレ」はなるべく小さい方がよいと考えられる。
このような考えに基づき、ユーザは、時系列グラフ画像281に表示される画像パラメータのうち「シャープネス」ではなく「ブレ」を参考にして、動画像290がブレの小さいフレームであるか否かを判断することができる。これにより、動画像290からユーザの目的に沿った静止画像を抽出することが可能となる。図15の例では、再生軸284が時間軸282と交差する5秒目近傍が、ユーザの目的に沿ったブレの少ない静止画像データの抽出が可能であると期待される。
このように、複数の画像パラメータを1つの時系列グラフ画像に表示することで、再生中の動画像に応じて、静止画像の抽出の際に参考にする画像パラメータを選択することができる。これにより、ユーザが所望する静止画像に適した動画像のフレームをより的確に判断することが可能となる。
図16は、複数の画像パラメータを同時に表示する時系列グラフ画像281の表示形式を設定するための設定画面500の一例の構成を示す。なお、図16において、上述の図7および図12と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この図16に例示される設定画面500は、上述の図12の設定画面400に対して、第2の画像パラメータとしての付加情報を設定するための設定領域550、551および552が追加されている。すなわち、設定領域320により設定された第1の画像パラメータに対して付加する第2のパラメータの設定を、設定領域550、551および552を用いて行う。
設定領域550は、設定領域320において設定された第1の画像パラメータのグラフ線に付加する第2の画像パラメータを選択する領域である。設定領域550における選択肢は、例えば「シャープネス」、「ブレ」および「明るさ」である。設定領域551は、設定領域550で選択した第2の画像パラメータの境界値を選択する領域である。設定領域551における選択肢の種類は、設定領域550で設定した第2の画像パラメータの種類に応じて変化する。第2の画像パラメータとして「ブレ」を選択した場合には、設定領域551における選択肢は、例えば「1/2ピクセル」、「1ピクセル」および「2ピクセル」である。設定領域552は、設定領域551において選択した境界値に関して、時系列グラフ画像281上で強調して表示する範囲を選択する領域である。設定領域552における選択肢は、例えば「以上」、「一定」および「以下」である。
図15の例では、設定領域320で第1の画像パラメータが「シャープネス」に設定され、設定領域550で、第1の画像パラメータに対して付加して表示する第2の画像パラメータとして「ブレ」が選択されている。さらに、設定領域551で、設定領域550にて選択された第2の画像パラメータに対する境界値として「1ピクセル」が選択され、設定領域552で、「以下」が選択されている。以上の設定から、図15の例では、「ブレが1ピクセル以下」の条件を満たすフレームに対応して、グラフ線285上に太線が表示される。
なお、図13、図14および図15を用いて説明した時系列グラフ画像の表示方法は、上述した第1の実施形態にも適用できるものである。
<他の実施形態>
上述では、本発明がデジタルビデオカメラに適用されるように説明したが、本発明は、他の電子機器にも適用可能なものである。例えば、動画像データの記録再生が可能とされたカメラ機能付き携帯電話端末やデジタルスチルカメラ、PDA(Personal Digital Assistant)などにも、本発明を適用可能である。また、第2の実施形態については、動画像データの再生機能は持つが記録機能を持たない動画像再生装置にも適用可能である。
さらに、各実施形態に係る、画像パラメータを時系列に並べてグラフ化して動画像と共に表示し、この表示を利用して動画像から静止画像を抽出する機能を、パーソナルコンピュータ用のアプリケーションとして提供することも可能である。
従って、上述の各実施形態をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給されるコンピュータプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、上述の各実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。
なお、上述の各実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能であれば、どのような形態であってもよい。例えば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等で構成することができるが、これらに限るものではない。
上述の各実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、記憶媒体又は有線/無線通信によりコンピュータに供給される。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、MO、CD、DVD等の光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリなどがある。
有線/無線通信を用いたコンピュータプログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバを利用する方法がある。この場合、本発明を形成するコンピュータプログラムとなりうるデータファイル(プログラムファイル)をサーバに記憶しておく。プログラムファイルとしては、実行形式のものであっても、ソースコードであっても良い。
そして、このサーバにアクセスしたクライアントコンピュータに、プログラムファイルをダウンロードすることによって供給する。この場合、プログラムファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに分散して配置することも可能である。
つまり、上述の各実施形態を実現するためのプログラムファイルをクライアントコンピュータに提供するサーバ装置も本発明の一つである。
また、上述の各実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを暗号化して格納した記憶媒体を配布し、所定の条件を満たしたユーザに、暗号化を解く鍵情報を供給し、ユーザの有するコンピュータへのインストールを許可してもよい。鍵情報は、例えばインターネットを介してホームページからダウンロードさせることによって供給することができる。
また、上述の各実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、すでにコンピュータ上で稼働するOSの機能を利用するものであってもよい。
さらに、上述の各実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、その一部をコンピュータに装着される拡張ボード等のファームウェアで構成してもよいし、拡張ボード等が備えるCPUで実行するようにしてもよい。