JP2010020304A - 現像剤の製造方法 - Google Patents

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孝安 青木
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隆 占部
Motonari Udo
基成 宇土
Yasuhito Noda
康仁 野田
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Asumi Matsumoto
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Abstract

【課題】粒子径にばらつきが少なく、良好な定着性を有し、良好な画質が得られる現像剤を製造する方法を提供する。
【解決手段】高圧型湿式微粒化装置10に、トナー材料分散液を導入して機械的せん断に供し、粒状の混合物を微粒化して、粒状の混合物の粒径よりも小さい粒径を有する微粒子を含む分散液を調製する工程を具備し、トナー材料分散液を導入する前に、高圧型湿式微粒化装置10に、予め、アルカリ性水溶液を満たしておく。その後、該微粒子を凝集することによりトナーを得る。
【選択図】図2

Description

本発明は、少なくとも現像剤用のバインダー樹脂を含有する粒子を含む分散液を、高圧型湿式微粒化機により、高温高圧下にて微粒化せしめ、現像剤を製造する方法に関する。
電子写真法では、像担持体上に電気的な潜像を形成し、ついで潜像をトナーによって現像し、紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱・加圧等の手段によって定着する。使用するトナーは、従来の単色ブラックのみならず、フルカラー画像を形成するために、複数色のトナーを用いて画像を形成している。
トナーは、キャリア粒子と混合して使用される2成分系現像剤と、磁性トナー又は非磁性トナーとして使用される1成分系現像剤とがある。これらトナーの製法は、通常、混練粉砕法により製造される。この混練粉砕法は、バインダー樹脂、顔料、ワックスなどの離型剤、帯電制御剤等を溶融混練し、冷却後に微粉砕し、これを分級して所望のトナー粒子を製造する方法である。混練粉砕法により製造されたトナー粒子表面には、目的に応じ、表面に無機及び/又は有機の微粒子が添加され、トナーが得られる。
混練粉砕法により製造されるトナー粒子の場合、通常、その形状は不定型であり、その表面組成は不均一である。使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件により、トナー粒子の形状や表面組成は微妙に変化するが、形状を意図的に制御することは困難である。
また、特に粉砕性の高い材料を用いた場合、現像機内での種々のストレスにより、さらに微粉化されたり、形状が変化し、その結果、2成分系現像剤においては、微粉化されたトナーがキャリア表面へ固着して現像剤の帯電劣化が加速されたり、1成分系現像剤においては、粒度分布が拡大し、微粉化されたトナーが飛散したり、トナー形状の変化に伴い現像性が低下し、画質が劣化するという問題が生じていた。
また、トナーがワックスなどの離型剤を含む場合、バインダー樹脂と離型剤の界面にて粉砕が起き易いため、トナーの表面に離型剤が露出することがある。特に高弾性を有する粉砕されにくい樹脂と、ポリエチレンワックスのような脆いワックスからなるトナーの場合、トナーの表面にポリエチレンの露出が多く見られる。このようなトナーは、定着時の離型性や感光体上からの未転写トナーのクリーニングには有利であるものの、トナーの表面のポリエチレンワックスが、現像機内でのせん断力等の機械力により、トナーから脱離し、現像ロール、像担持体、及びキャリア等に容易に移行し得る。このため、ポリエチレンワックスによる、現像ロール、像担持体、及びキャリア等汚染が生じ易く、現像剤としての信頼性が低下することがあった。
このような事情の下、近年、トナー粒子の形状及び表面組成を意図的に制御したトナーの製造方法として、乳化重合凝集法が提案されている(例えば、特許文献1ないし3参照)。
乳化重合凝集法は、乳化重合により樹脂分散液を作成し、一方、溶媒に着色剤を分散させた着色剤分散液を作成し、これらを混合してトナー粒径に相当する凝集粒子を形成した後、加熱することによって凝集粒子を融着せしめ、トナー粒子を得る方法である。この乳化重合凝集法によると、加熱温度条件を選択することにより、トナー形状を不定形から球形まで任意に制御することができる。
乳化重合凝集法では、少なくとも樹脂微粒子の分散液、及び着色剤の分散液を所定の条件で凝集・融着させることにより得ることができる。しかしながら、乳化重合凝集法は合成し得る樹脂の種類に制約があり、スチレンアクリル系共重合体の製造には好適だが、定着性が良好であることが知られているポリエステル樹脂を適用することができない。
これに対し、ポリエステル樹脂を用いたトナーの製造方法として、有機溶剤に溶解させた溶液に顔料分散液等を添加し、これに水を加える転相乳化法があるが、有機溶剤を除去、回収する必要がある。有機溶剤を使用せずに水系媒体中で機械的攪拌により微粒子を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)が、溶融状態の樹脂等を攪拌装置に供給する必要があり、ハンドリングが困難であった。また、形状制御に対する自由度も低く、トナー形状を不定形から球形まで任意に制御することができなかった。
上記問題点を改善した方法が提案されている製法がある(例えば、特許文献5参照)。この製法は、トナー成分材料を溶融混練又は混合した後、加熱により溶融状態にして機械的に微粒子化し、凝集させトナーを作成する。この製法は、有機溶媒を使用することなく、小粒径化、及び形状制御が可能で、表面組成のばらつきが少なく、良好な定着性及び画質を有する現像剤の製造方法を提供することが可能である。
しかしながら、上記製法の微粒化装置において、バッチ式の高速攪拌機を使用すると、高温かつ高アルカリ下で微粒化を行うため、ポリエステルの種類によっては加水分解が生じ、定着性が悪化することがあった。
一方、高圧式の微粒化機を用いた場合、連続的に処理を行い、高温かつ高アルカリ下で滞留する時間が短いため、加水分解が起き難いという利点があるが、一方、冷却時に粒子が粗大化して、高圧式の微粒化機の配管中に滞留する場合があった。また、処理液投入後の初期段階において、微粒化後の微粒子の粒子径がばらつくため、微粒子の粒度分布がブロードかつ粗大化し、最終的なトナーの粒子径もブロードかつ粒子径が大きくなってしまうという問題があった。
その粒子径にばらつきが少なく、良好な定着性を有し、良好な画質が得られる現像剤を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の現像剤の製造方法は、バインダー樹脂と着色剤を含有する粒状の混合物、水系媒体、及びアルカリ性pH調整剤を混合してトナー材料分散液を調製する工程、
呼び水としてアルカリ性水溶液を満たした高圧型湿式微粒化装置に、前記トナー材料分散液を導入して機械的せん断に供し、該粒状の混合物を微粒化して、該粒状の混合物の粒径よりも小さい粒径を有する微粒子を含む分散液を調製する工程、及び
該微粒子を用いてトナーを作成する工程を具備することを特徴とする。
本発明によれば、粒子径にばらつきが少なく、良好な定着性を有し、良好な画質が得られる現像剤を製造する方法を提供することができる。
本発明の製造フローの一例を表す図である。 高圧型湿式微粒化機の一例を表す図である。 得られた微粒子の粒子径の変化をプロットした図。 本発明に用いられる凝集反応器の一例を示す図である。 エッジドタービン翼の外観を表す斜視図である。
本発明の現像剤の製造方法は、バインダー樹脂と着色剤を含有する粒状の混合物、水系媒体、及びアルカリ性pH調整剤を混合してトナー材料分散液を調製する工程、
高圧型湿式微粒化装置に、トナー材料分散液を導入して機械的せん断に供し、粒状の混合物を微粒化して、粒状の混合物の粒径よりも小さい粒径を有する微粒子を含む分散液を調製する工程、及び
該微粒子を用いてトナーを作成する工程を具備し、
トナー材料分散液を導入する前に、高圧型湿式微粒化装置に、予め、呼び水としてアルカリ性水溶液を満たしておくことを特徴とする。
本発明に使用される高圧型湿式微粒化装置は、高圧ポンプとしてプランジャー式ポンプを使用する。このため、呼び水が必要である。
この呼び水とトナー材料分散液の界面では、トナー材料分散液に含まれる微粒化に必要な界面活性剤やアルカリ性の中和剤等の構成材料が呼び水によって希釈されることになる。本発明では、呼び水としてアルカリ性水溶液を用いているので、トナー材料分散液の界面付近でPHが低下することなく分散液の分散性を維持し得るので、得られる微粒子の粒子径にばらつきが少なくなる。もし、呼び水として、中性あるいは酸性溶液を使用すると、高圧型湿式微粒化装置に導入された呼び水とトナー材料分散液の界面付近は、トナー材料分散液が呼び水で希釈されてPHが低下する。これにより、分散液の分散性が低下し、得られる微粒子の粒子径にばらつきを生じると考えられる。
本発明によれば、呼び水としてアルカリ性の水溶液を使用することにより、微粒化後の粒子径のばらつきを抑え、粒度分布をシャープにすることができる。
以下、図面を参照し、本発明をより詳細に説明する。
本発明の製造フローの一例を表す図を図1に示す。
図示するように、本発明の現像剤の製造方法では、まず、少なくともバインダー樹脂を含有する、粒状化された混合物を調製する(ACT−1)。
粒状化された混合物は、例えばバインダー樹脂及び着色剤を含有する混合物を溶融混練して粗粉砕する工程により得られる。粒状化された混合物は、好ましくは、0.01mmないし2mmの体積平均粒径を有する。体積平均粒径が0.01mm未満であると、水系媒体中に分散させるために強い攪拌が必要となり、攪拌により発生した泡が混合品の分散を低下させる傾向があり、2mmを超えると、せん断部に設けられたギャップと比較して粒子径が大きいため、せん断部に粒子が詰まったり、混合物の内部と外部での受けたエネルギーの違いにより、組成や粒子径の不均一な粒子が発生したりする傾向がある。
粒状化された混合物は、より好ましくは、0.02mmないし1mmの体積平均粒径を有する。
次に、粒状化された混合物を水系媒体中に分散させ、粒状化された混合物の分散液を形成する(ACT2−1)。
粒状化された混合物の分散液を形成する工程において、水系媒体に、少なくとも界面活性剤を添加し、任意に、アルカリ性のpH調整剤を添加することができる。
界面活性剤を添加することにより、粒子表面に吸着した界面活性剤の働きにより容易に水系媒体中に分散することができる。トナー成分であるバインダー樹脂や離形剤は親水性が低く、界面活性剤無しで、水中に分散させるのは困難である。
この時の界面活性剤濃度は臨界ミセル濃度以上であることが望ましい。ここで臨界ミセル濃度とは、水中でミセルを形成する界面活性剤濃度を指し、表面張力や電気伝導度の測定により得ることができる。この濃度以上の界面活性剤が含まれていると、さらに分散が容易となる。
一方、アルカリ性のpH調整剤を添加することにより、バインダー樹脂表面の解離性官能基の解離度を増加させたり、極性を高めたりすることにより、自己分散性を向上することができる。この工程で入れることは必須ではないが、分散液を高圧型湿式微粒化機に導入する前までには入れられる。
続いて、得られた分散液の脱泡を行う(ACT2−2)。トナー成分であるバインダー樹脂や離形剤は親水性が低いため、界面活性剤を用いて水中に分散することが可能となるが、混合時に少なからず泡がみを起こしてしまう。この泡が混入した状態で、後工程の高圧微粒化機で微粒化処理を行うと、高圧ポンプのプランジャーで空打ちが生じ、プランジャーの動作が不安定となる。特に脈流を無くすためにプランジャーを複数連装している場合、複数のプランジャーの動きを制御しているため、空打ちが起きると微粒化処理ができない場合もある。また、高圧型湿式微粒化機は逆支弁を有するため、処理液に泡が混入していると、この逆支弁に粒子が付着しやすくなり、逆支弁に詰まりが起きる。逆支弁に詰まりが発生すると、処理液が流れなくなり微粒化処理が出来なくなる場合もある。
脱泡方法は、真空減圧脱泡、遠心脱泡、消泡剤の添加等がある。泡が除去できればどの方法でも良いが、消泡剤を添加する場合は、後工程に影響の無いものを選ぶ必要がある。また、トナーに残留して帯電特性等が悪化しないことも重要である。簡易的な方法としては、減圧脱泡が良い。攪拌機を有する耐圧容器内に処理液を投入し、攪拌しながら、真空ポンプにて−0.09MPa程度まで減圧をし、脱泡を行う。
この分散液を形成した後、必要に応じ湿式粉砕をしても良い。粉砕しさらに粒径を小さくすることにより、この後の処理が安定することがある。
続いて、得られた分散液を機械的せん断に供し、該粗く粒状化された混合物を微細に粒状化して、微粒子を形成する(ACT−3)。
本発明に用いられる機械的せん断装置は、高圧型湿式微粒化機を指す。高圧型湿式微粒化機とは、粗粒子を含む分散液を高圧ポンプにより、10MPa〜300MPaの圧力をかけながら、微小なノズルを通過させることにより、せん断をかけ微粒子化する装置である。
本発明に用いられる高圧型湿式微粒化機の一例を図2に示す。
図示するように、高圧ホモジナイザー10は、ホッパータンク1、送液ポンプ、高圧ポンプ3、加熱部4、微粒化部5、減圧部6、冷却部7、及び減圧部8を順に配置した構成と、各部を接続する配管とを含む。
ホッパータンク1は、処理液を投入するタンクである。装置稼動時は、装置内に空気を送り込まないよう常に液を満たしておく必要が有る。処理液の粒子径が大きく、沈降性があるものの場合は、さらに攪拌機を設けることができる。
送液ポンプ2は、高圧ポンプ1に処理液を連続的に送るために設置する。また、高圧ポンプ3に設けられた図示しない逆止弁での詰まりを回避するためにも有効である。このポンプ2としては、例えばダイアフラムポンプ、チュービングポンプ、ギアポンプ等が使用できる。
高圧ポンプ3は、プランジャー式ポンプであり、図示しない処理液入口及び処理液出口に逆止弁を有する。プランジャーの数は生産規模に応じ、1から10個使用される。脈流を極力減らすために、2個以上あることが望ましい。
加熱部4は、オイルバス等の加熱器具内に熱交換面積を多くとるためにらせん状に形成された高圧配管9が設置されている。この加熱部4は、分散液の流れる方向に対し、高圧ポンプ3の上流側または下流側のどちらでも問題が無いが、少なくとも微粒化部5の上流側である必要がある。高圧ポンプ3の上流側に加熱部4を設置する場合は、ホッパー1に加熱装置を付与しても良いが、高温下での滞留時間が長いため、バインダー樹脂の加水分解が起こり易くなる。
微粒化部5には、強力なせん断をかけるための微小な径を有するノズルが含まれている。ノズルの径及び形状は様々あるが、ノズル径は0.05mmから0.5mmが望ましく、形状は、通過型ノズル、または衝突型ノズルが望ましい。また、このノズルは多段で構成しても良く、多段にする場合は異なるノズル径を複数並べても良い。複数並べる方法は並列でも直列でも良い。ノズルの材質は高圧に耐えることが可能なダイヤモンド等が使用される。
冷却部7には、冷水が連続的に流されるバス内に熱交換面積を多くとるためにらせん状に形成された配管11が設置されている。
必要に応じ、上記冷却部7の前後に減圧部6,8を設けねことができる。減圧部6,8の構成としては、微粒化部7のノズル径より、大きくかつ接続配管径より小さい流路を有するセル、または2方向バルブを1つ以上配置する。
この高圧型湿式微粒化機による処理は以下のように行う。
まず、高圧型湿式微粒化機内にアルカリ性の呼び水を満たす。呼び水とは、処理液を流す前に、高圧型湿式微粒化機の配管内にあらかじめ満たしておく水溶液のことを指す。呼び水は高圧型湿式微粒化機において必ず必要で、処理液を投入するホッパーと微粒化部のノズルの間の配管内は少なくとも満たす必要がある。呼び水が無いと高圧ポンプが空打ちをして液を押し出すことができなくなる。
この呼び水のpHは9から11が望ましい。pHが9より小さい場合、微粒化の粒子径の分布がブロードになる。一方、pHが11より大きいとバインダー樹脂の加水分解が起こり、定着性が悪化する。
この際にアルカリ性に調整するpH調整剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミン化合物等が望ましい。アミン化合物として、例えば、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン,イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパンなどが挙げられる。また、アルカリ性を示す界面活性剤も使用できる。
また、この呼び水内に界面活性剤が含まれているとさらに良い。界面活性剤により粒度分布がシャープになる。界面活性剤の添加量は少なくとも臨界ミセル濃度以上であることが望ましい。
さらに、呼び水内に添加するアルカリ性のpH調整剤及び界面活性剤は、ACT2−2で分散液に添加するpH調整剤及び界面活性剤の組成と同じ組成を有することが望ましい。
次に、処理液をホッパーに投入し、微粒化処理を行う。
まず、処理液は、バインダー樹脂のガラス転移温度Tg以上に加熱される。加熱を行う理由は、バインダー樹脂を溶融させる目的がある。
この加熱温度は、バインダー樹脂の溶融特性により異なる。融け易い樹脂は低い温度でも問題無いが、溶け難い樹脂は高い温度が必要となる。また、連続的に熱交換器を通過させ加熱する方法の場合、分散液の流速及び熱交換の配管の長さにも影響する。流速が速い場合や配管が短い場合は高い温度が必要で、逆に流速が遅い場合や配管が長い場合は充分に分散液が加熱されるため、低い温度で処理が可能となる。流量が300から400cc/min、熱交換配管が3/8インチ・12mの高圧配管、バインダー樹脂のTgが60℃、トナーの軟化点Tmが130℃の場合、加熱温度は、100℃から200℃で良い。加熱温度は、好ましくは、ガラス転移温度TgないしTg+150℃の範囲である。加熱温度が高すぎると、バインダー樹脂の加水分解する傾向がある。加熱温度がTgないしTg+150℃程度であれば、定着性が悪化するような問題がない。
トナーの軟化点測定は、島津製作所製フローテスターCFT−500の昇温法により行い、フローチャートよりプランジャー降下量の2mmに相当する曲線上の点を軟化点とする。
次に、この加熱された分散液を10MPa以上の圧力をかけながらせん断を与える。この時、せん断を与えるのはノズルである。10MPa以上の高圧をかけながら、ノズルを通過することにより、溶融したトナー成分が微粒化される。この時の圧力は10MPaから300MPaあると良い。
最後にTg以下まで冷却する。この冷却により、溶融した微粒子が固化される。処理液が急速に冷却されるため、冷却による凝集や合一が起こり難くなる。
必要に応じ、上記冷却部の前後に背圧を付与したり、減圧を行っても良い。背圧または減圧とは、ノズル通過後にすぐに大気圧開放するのではなく、1段階(背圧)または、多段階(減圧)で大気圧付近に戻すことを意味する。背圧部または減圧部通過後の圧力は0.1MPa〜10MPa、望ましくは0.1〜5MPaである。この減圧部は径の異なるセル又はバルブを複数個並べるとさらに良い。多段階で減圧することにより粗粒子が少なく粒度分布がシャープな微粒子を得ることができる。
この高圧型湿式微粒化機の洗浄にはアルカリ性の洗浄液を使用すると良い。配管内の汚れが落ち易くなり、次の処理液でのコンタミを最小限に抑えることができる。
以上により2μm以下の微粒子を得ることが可能となる。
次に、この微粒子を凝集せしめ、凝集粒子を形成する(ACT−4)。この工程は、得られた微粒子を凝集することによりトナーに必要な粒子径まで成長させることを目的とする。凝集粒子は、凝集剤の添加、加熱等により微粒子の安定性を崩し凝集化を行うことにより得られる。この工程では、必要に応じ、バインダー樹脂、着色剤、離形剤、帯電制御剤等を含有する微粒子分散液を追添加しても良い。
まず、微粒子分散液に凝集剤を添加する。凝集剤の添加量は、この微粒子の分散安定性により変わり、分散安定性が高い場合は多く、低い場合は少なくなる。また、凝集剤の種類によっても異なる。凝集剤として硫酸アルミニウムを使用する場合、微粒子に対して0.1〜50wt%、望ましくは、0.5〜10wt%添加すると良い。凝集剤を添加した後、例えば硫酸アルミニウムのような強い凝集性の凝集剤の場合、0.1〜10μmの粒子径が得られる。一方、例えば塩化ナトリウムなど弱い凝集性の凝集剤の場合、凝集剤添加時に凝集が起こらないこともある。凝集剤を添加する際、微粒子の急激な凝集を防ぐため、ローターステーター型の分散機を使用すると良い。また、同じく急激な凝集を防ぐために、凝集剤を添加する前に、微粒子分散液にpH調整、界面活性剤の添加を行っても良い。これらの操作により、最終的に得られるトナーの粒子径を均一にすることが可能となる。
次に、加熱による凝集を行う。加熱により、2μmからターゲットの粒子径までの粒子径を有する凝集粒子を作成する。
次に、加熱による融着を行う。この凝集粒子に、必要に応じpH調整剤、界面活性剤等の安定化剤の添加を行い、凝集粒子を安定化させた後、少なくともバインダー樹脂のTg以上に加熱を行うことにより、凝集粒子の表面を融着する。この融着により、最終的なターゲットの粒子径になる。
ちなみに、微粒子の種類や固形分濃度、凝集剤の種類によっては、凝集と融着が同時に行われることもある。
また、この凝集及び融着における攪拌条件は粒子径及び粒度分布に大きな影響を与える。攪拌速度は適度なせん断を与える条件が良く、せん断が弱すぎると粒径が大きくなり、かつ粗粒ができ易い。一方、強すぎると粒径が小さくなり、かつ微粉ができ易くなる。また、反応槽にはバッフルを設置すると良い。バッフルは、泡がみを抑制する効果、槽内の攪拌状態を均一にする効果、かつせん断を強くする効果がある。攪拌条件の他に、昇温速度や添加剤の投入速度等も粒子径及び粒度分布に大きな影響を与える。
必要に応じ凝集粒子表面を樹脂にて被覆させることができる。被覆させる第一の方法としては、凝集粒子分散液へ樹脂粒子等を添加し、凝集剤の添加、pH調整等により、凝集粒子表面に樹脂粒子等を付着させた後、樹脂粒子等を凝集粒子表面に融着させることにより得る方法。第二の方法としては、凝集粒子含有溶液へ重合性単量体を添加することにより、凝集粒子表面を単量体により包括または膨潤させた後、単量体を重合することにより得る方法。第三の方法としては、凝集粒子を融着させた後、その粒子を洗浄乾燥し、ハイブリダイザー等を用い機械的に融着粒子表面に樹脂粒子等を付着させて得る方法がある。
この中でも、第一の方法が簡易的で高い被覆率のトナーを得ることができる。この方法における、被覆させる樹脂粒子は、上述の高圧型湿式微粒化機により得ることができる。高圧型湿式微粒化機の構成も上述の構成が望ましい。
この被覆によりトナー表面の着色剤や離形剤を内包させることが可能となり、連続通紙時の画像の安定性が向上する。
凝集融着粒子を形成した後、この分散液を例えば5℃ないしガラス転移点以下まで冷却し(ACT5)、その後、例えばフィルタープレスを用いて洗浄し(ACT6)、乾燥する(ACT7)ことにより、トナー粒子が得られる。
本発明で使用される製造装置は公知のものが使用できるが、例えば以下の装置が挙げられる。
高圧型湿式微粒化機としては、本発明の構成を設置可能でかつ湿式で微粒化できれば特に限定されないが、例えば、ナノマイザー(吉田機械興行社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)、NANO3000(美粒社製)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ホモゲナイザー(イズミフードマシナリー社製)等が挙げられる。
混練機としては、溶融混練が可能であれば特に限定されないが、例えば1軸押出機、2軸押出機、加圧型ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー等が挙げられる。具体的には、FCM(神戸製鋼所社製)、NCM(神戸製鋼所社製)、LCM(神戸製鋼所社製)、ACM(神戸製鋼所社製)、KTX(神戸製鋼所社製)、GT(池貝社製)、PCM(池貝社製)、TEX(日本製鋼所社製)、TEM(東芝機械社製)、ZSK(ワーナー社製)、及びニーデックス(三井鉱山社製)などが挙げられる。
乾式粉砕機としては、乾式で粉砕可能であれば特に限定されないが、例えば、ボールミル、アトマイザー、バンタムミル、パルベライザー、ハンマーミル、ロールクラッシャー、カッターミル、ジェットミル等が挙げられる。
分散機、混合機、湿式粉砕機としては、湿式で分散、混合、粉砕が可能であれば得に限定されないが、例えば、ローターステーター型攪拌機、メディア攪拌機等が挙げられる。ローターステーター型攪拌機としては、ウルトラタラックス(IKAジャパン社製)、TKオートホモミクサー(プライミックス社製)、TKパイプラインホモミクサー(プライミックス社製)、TKフィルミックス(プライミックス社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)、クレアSS5(エム・テクニック社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)が挙げられる。メディア攪拌機としては、ビスコミル(アイメックス製)、アペックスミル(寿工業社製)、スターミル(アシザワ、ファインテック社製)、DCPスーパーフロー(日本アイリッヒ社製)、エムピーミル(井上製作所社製)、スパイクミル(井上製作所社製)、マイティーミル(井上製作所社製)、SCミル(三井鉱山社製)等が挙げられる。
洗浄装置としては、例えば、遠心分離装置やフィルタープレスなどが好適に用いられる。洗浄液としては、例えば水、イオン交換水、精製水、酸性に調整された水や塩基性に調整された水などが使用される。
乾燥装置としては、例えば真空乾燥機や気流式乾燥機、流動乾燥機などが好適に用いられる。
乾式混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、リボコーン(大川原製作所社製)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン社製)、タービュライザー(ホソカワミクロン社製)、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製)、スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製)、レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられる。
本発明で使用される材料は、重合性単量体、連鎖移動剤、架橋剤、重合開始剤、界面活性剤、凝集剤、pH調整剤、消泡剤、樹脂、着色剤、離形剤等トナー材料として公知のものを全て使用できる。
ビニル系重合性単量体としては、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、フェニルスチレン、クロロスチレン等の芳香族系ビニル単量体類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のエステル系単量体類、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボン酸含有単量体類、アミノアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等のアミン系単量体類及びそれらの誘導体を単独または複数混合することにより使用できる。重縮合系の重合性単量体としては、アルコール成分として、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−ブテンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール類、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の芳香族ジオール類、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコール等及びそれらの誘導体を単独または複数混合することにより使用できる。カルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸類、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類、トリメリット酸、ピロリメット酸等の3価以上の多価カルボン酸類及びそれらの誘導体を単独または複数混合することにより使用できる。
連鎖移動剤としては、四臭化炭素、ドデシルメルカプタン、トリクロロブロモメタン、ドデカンチオール等が使用される。
架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、ジビニルナフタレン、ジエチレングリコールメタクリレート等の不飽和結合2個以上有するものが使用される。
重合開始剤は、重合方法により使い分ける必要があり、水溶性開始剤・油溶性開始剤の二種類がある。水溶性開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2−アゾビス(2−アミノプロパン)等のアゾ系化合物、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイト等が使用される。また、油溶性開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ系化合物、ベンゾイルペルオキシド、ジクロロベンゾイルペルオキシド等の過酸化物が使用される。また、必要であればレドックス系開始剤を使用することもできる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が使用できる。アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルケニルコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸塩等がある。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、アルキル4級アンモニウム塩等がある。両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド等がある。非イオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等がある。これらは単独または複数併用して使用できる。
凝集剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、硫酸ナトリウム等の1価の塩。塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム、塩化亜鉛、塩化第二鉄、硫酸第二鉄等の2価の塩。硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の3価の塩が使用できる。また、ポリヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩等の有機凝結剤や、有機の高分子凝集剤が使用できる。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、りん酸等の酸性類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミン化合物等のアルカリ類を使用することができる。アミン化合物として、例えば、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン,イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパンなどが挙げられる。また、酸性またはアルカリ性を示す界面活性剤も使用できる。
消泡剤としては、低級アルコール系消泡剤、有機極性化合物系消泡剤、鉱物油系消泡剤、シリコーン系消泡剤などがある。低級アルコール系消泡剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどが使用できる。有機極性化合物系消泡剤としては、2−エチルヘキサノール、アミルアルコール、ジイソブチルカルビノール、トリブチルフォスフェート、オレイン酸、トール油、金属セッケン、ソルビタンラウリン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸トリエステル、低分子ポリエチレングリコールオレイン酸エステル、ノニルフェノールEO低モル付加物、プルロニック型EO低モル付加物、ポリプロピレングリコール、及びその誘導体等が使用できる。鉱物油系消泡剤としては、鉱物油の界面活性剤配合品、鉱物油と脂肪酸金属塩の界面活性剤配合品等が使用できる。シリコーン系消泡剤としては、シリコーン樹脂、シリコーン樹脂の界面活性剤配合品、シリコーン樹脂の無機粉末配合品等が使用できる。
バインダー樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・アクリル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリエチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン・ノルボルネン共重合体、ポリエチレン・ビニルアルコール共重合体などのエチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びマレイン酸系樹脂が挙げられる。これら樹脂は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂を重合するには、上述の重合性単量体、連鎖移動剤、架橋剤、重合開始剤等が使用できる。また、これら樹脂のガラス転移温度は40〜80℃、軟化点は80〜180℃がよい。特に、定着性が良好なポリエステル樹脂が望ましい。また、ポリステル樹脂の酸価が1以上有ると良い。酸価を有することにより、微粒化におけるアルカリ性pH調整剤の効果が発揮され、小粒径の微粒子を得ることができる。また、高圧型湿式微粒化機の最大の欠点である詰まりを回避できる。
着色剤としては、カーボンブラックや有機もしくは無機の顔料や染料などがあげられる。例えばカーボンブラックでは、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。また、イエロー顔料の例としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、81、83、93、95、97、98、109、117、120、137、138、139、147、151、154、167、173、180、181、183、185、C.I.バットイエロー1、3、20などが挙げられる。これらを単独で、あるいは混合して使用することもできる。また、マゼンタ顔料の例としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、150、163、184、185、202、206、207、209、238、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35がなど挙げられる。これらを単独で、あるいは混合して使用することもできる。また、シアン顔料の例としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45などが挙げられる。これらを単独で、あるいは混合して使用することもできる。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、酸価ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックスの如き植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ぺトロラクタムの如き鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものなどがあげられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸、ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコールの如き飽和アルコール、ソルビトールの如き多価アルコール、リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(−般に金属石けんといわれているもの)、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス、ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
さらに、必要に応じて電荷調整剤、外添剤等を添加できる。
帯電制御剤としては、例えば含金属アゾ化合物が用いられ、金属元素が鉄、コバルト、クロムの錯体、錯塩、あるいはその混合物が望ましい。その他、含金属サリチル酸誘導体化合物も使用可能であり、金属元素がジルコニウム、亜鉛、クロム、ボロンの錯体、錯塩、あるいはその混合物が望ましい。
外添剤は、トナー粒子に対して流動性や帯電性を調整するために、トナー粒子表面に、トナー全重量に対し、0.01〜20重量%の無機微粒子を添加混合すると良い。このような無機微粒子としてはシリカ、チタニア、アルミナ、及びチタン酸ストロンチウム、酸化錫等を単独であるいは2種以上混合して使用することができる。無機微粒子は疎水化剤で表面処理されたものを使用することが環境安定性向上の観点から好ましい。また、このような無機酸化物以外に1μm以下の樹脂微粒子をクリーニング性向上のために外添してもよい。
実施例
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
なお、バインダー樹脂の分子量はGPC法(ポリスチレン換算)によって得られた値であり、バインダー樹脂のTgはDSC法により得られた値である。
混合物粗粒子Aの作成
ポリエステル樹脂
(Mw:26000、Tg:61℃、Tm:120℃、AV:15) 90重量部
P.B.15:3(クラリアント社製) 5重量部
ライスワックス 5重量部
以上を混合した後、120℃に温度設定した2軸混練機にて溶融混練し、混練品を得た。
得られた混練品をホソカワミクロン製バンタムミルにて平均体積粒径0.1mm以下に粗粉砕し、粗粒子を得た。
実施例1
混合物粗粒子A30重量部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3重量部、アルカリ性のpH調整剤としてジメチルアミノエタノール0.5重量部、イオン交換水66.5重量部を混合させ、分散液を調製した。
この分散液を攪拌機付きのデシケーターにセットし、緩やかに攪拌を行いながら、真空ポンプにて−0.09MPaまで減圧を行い、脱泡処理を10分間行った。
一方、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.3重量部、アルカリ性のpH調整剤としてジメチルアミノエタノール0.7重量部、イオン交換水95重量部を混合し、1リットルの呼び水を作成した。呼び水のpHは9.8であった。
次に、原料投入部としてホッパー、加熱部としてオイルバス中に浸された12mの熱交換用高圧配管、加圧部として0.13μmと0.28μmを連装したノズルを含む高圧配管、減圧部として0.4、1.0、0.75、1.5、1.0μmの孔径を有するセルを連装した中圧配管、冷却部として水道水にて冷却可能な12mの熱交換配管が設置されたNANO3000中に呼び水を400cc満たした。
呼び水が満たされた装置にて、粗粒子分散液1リットルを、ホッパーに投入し、連続的に、180℃、150MPaにて微粒化、減圧、冷却を行い、粗粒子分散液1リットルがホッパー内から無くなり次第、再度ホッパー内に残りの呼び水を600cc投入し、微粒化処理を行った。得られた分散液を連続的に100ccおきに少量抜き取り、島津製作所製SALD7000にて得られた微粒子の粒子径の測定を行った。得られた微粒子の粒子径の変化をプロットした図を図3に、○印で示す。抜き取った微粒子の粒子径が非常に安定していることがわかる。また、呼び水が大半を占める初期の500cc及び最後の800ccを除いた分散液700ccの粒子径を同様に測定したところ、50%体積平均径0.296μm、CVが37.5%であり、シャープな粒度分布であった。
得られた微粒化分散液35重量部とイオン交換水65重量部を混合し、IKA製ホモジナイザー(T25)6500rpmで攪拌しながら凝集剤の硫酸アルミニウム5%水溶液10重量部を添加した後、得られた分散液を、図4に示す凝集反応器に収容した。
図示するように、この凝集反応器23には、エッジドタービン翼21と板バッフル22が4枚が設置されている。この反応器23中で、分散液を攪拌速度700rpmで攪拌しながら、60℃まで加熱した。図5は、エッジドタービン翼21の外観を表す斜視図を示す。
その後、安定化剤のポリカルボン酸ナトリウム10%水溶液を20重量部添加し、さらに95℃まで加熱を行い、凝集融着粒子を得た。コールター社マルチサイザー3にて粒子径を測定したところ、50%体積平均径Dvが5.1μm、CVが21%のシャープな粒度分布であった。
得られた分散液の固形分について、ろ過及びイオン交換水による洗浄を繰り返し行い、ろ液の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄した。その後、真空乾燥機にて含水率が1.0重量%以下になるまで乾燥させ、乾燥粒子を得た。
乾燥後、添加剤として、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部をトナー粒子表面に付着させ、所望のトナーを得た。
得られたトナーを評価用として定着温度を制御できるように改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO 281cに投入し、画質を評価した結果、文字画像の細線やハーフトーンの再現性が良好な画像であった。
実施例2
混合物粗粒子A30重量部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3重量部、アルカリ性のpH調整剤として水酸化ナトリウム0.3重量部、イオン交換水66.7重量部を混合させ、分散液を調製した。
この分散液を攪拌機付きのデシケーターにセットし、緩やかに攪拌を行いながら、真空ポンプにて−0.09MPaまで減圧を行い、脱泡処理を10分間行った。
一方、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.3重量部、アルカリ性のpH調整剤として水酸化ナトリウム0.4重量部、イオン交換水95.3重量部を混合し、1リットルの呼び水を作成した。呼び水のpHは10.8であった。
次に、原料投入部としてホッパー、加熱部としてオイルバス中に浸された12mの熱交換用高圧配管、加圧部として0.13μmと0.28μmを連装したノズルを含む高圧配管、減圧部として0.4、1.0、0.75、1.5、1.0μmの孔径を有するセルを連装した中圧配管、冷却部として水道水にて冷却可能な12mの熱交換配管が設置されたNANO3000中に呼び水を400cc満たした。
呼び水が満たされた装置にて、粗粒子分散液1リットルを、ホッパーに投入し、連続的に、180℃、150MPaにて微粒化、減圧、冷却を行い、粗粒子分散液1リットルがホッパー内から無くなり次第、再度ホッパー内に残りの呼び水を600cc投入し、微粒化処理を行った。呼び水が大半を占める初期の500cc及び最後の800ccを除いた分散液700ccの粒子径を島津製作所製SALD7000にて測定したところ、50%体積平均径0.227μm、CVが49.0%であり、シャープな粒度分布であった。
得られた微粒化分散液35重量部とイオン交換水65重量部を混合し、IKA製ホモジナイザー(T25)6500rpmで攪拌しながら凝集剤の硫酸アルミニウム5%水溶液10重量部を添加した後、実施例1と同様の、エッジドタービン翼と板バッフル4枚が設置された反応器にて、攪拌速度700rpmで攪拌しながら、60℃まで加熱を行った。その後、安定化剤のポリカルボン酸ナトリウム10%水溶液を20重量部添加し、さらに95℃まで加熱を行い、凝集融着粒子を得た。コールター社マルチサイザー3にて粒子径を測定したところ、50%体積平均径Dvが4.5μm、CVが25%のシャープな粒度分布であった。
得られた分散液の固形分について、ろ過及びイオン交換水による洗浄を繰り返し行い、ろ液の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄した。その後、真空乾燥機にて含水率が1.0重量%以下になるまで乾燥させ、乾燥粒子を得た。
乾燥後、添加剤として、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部をトナー粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得た。
得られた電子写真用トナーを評価用として定着温度を制御できるように改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO 281cに投入し、画質を評価した結果、文字画像の細線やハーフトーンの再現性が良好な画像であった。
実施例3
混合物粗粒子A30重量部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3重量部、アルカリ性のpH調整剤としてジメチルアミノエタノール0.5重量部、イオン交換水66.5重量部を混合させ、分散液を調製した。
この分散液を攪拌機付きのデシケーターにセットし、緩やかに攪拌を行いながら、真空ポンプにて−0.09MPaまで減圧を行い、脱泡処理を10分間行った。
一方、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3重量部、アルカリ性のpH調整剤としてジメチルアミノエタノール0.7重量部、イオン交換水99重量部を混合し、1リットルの呼び水を作成した。呼び水のpHは9.7であった。
次に、原料投入部としてホッパー、加熱部としてオイルバス中に浸された12mの熱交換用高圧配管、加圧部として0.13μmと0.28μmを連装したノズルを含む高圧配管、減圧部として0.4、1.0、0.75、1.5、1.0μmの孔径を有するセルを連装した中圧配管、冷却部として水道水にて冷却可能な12mの熱交換配管が設置されたNANO3000中に呼び水を400cc満たした。
呼び水が満たされた装置にて、粗粒子分散液1リットルを、ホッパーに投入し、連続的に、180℃、150MPaにて微粒化、減圧、冷却を行い、粗粒子分散液1リットルがホッパー内から無くなり次第、再度ホッパー内に残りの呼び水を600cc投入し、微粒化処理を行った。呼び水が大半を占める初期の500cc及び最後の800ccを除いた分散液700ccの粒子径を島津製作所製SALD7000にて測定したところ、50%体積平均径0.352μm、CVが42.3%であり、シャープな粒度分布であった。
得られた微粒化分散液35重量部とイオン交換水65重量部を混合し、IKA製ホモジナイザー(T25)6500rpmで攪拌しながら凝集剤の硫酸アルミニウム5%水溶液10重量部を添加した後、実施例1と同様の、エッジドタービン翼と板バッフル4枚が設置された反応器にて、攪拌速度700rpmで攪拌しながら、60℃まで加熱を行った。その後、安定化剤のポリカルボン酸ナトリウム10%水溶液を20重量部添加し、さらに95℃まで加熱を行い、凝集融着粒子を得た。コールター社マルチサイザー3にて粒子径を測定したところ、50%体積平均径Dvが5.5μm、CVが26%のシャープな粒度分布であった。
得られた分散液の固形分について、ろ過及びイオン交換水による洗浄を繰り返し行い、ろ液の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄した。その後、真空乾燥機にて含水率が1.0重量%以下になるまで乾燥させ、乾燥粒子を得た。
乾燥後、添加剤として、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部をトナー粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得た。
得られた電子写真用トナーを評価用として定着温度を制御できるように改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO 281cに投入し、画質を評価した結果、文字画像の細線やハーフトーンの再現性が良好な画像であった。
比較例1
混合物粗粒子A30重量部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3重量部、アルカリ性のpH調整剤としてジメチルアミノエタノール0.5重量部、イオン交換水66.5重量部を混合させ、分散液を調製した。
この分散液を攪拌機付きのデシケーターにセットし、緩やかに攪拌を行いながら、真空ポンプにて−0.09MPaまで減圧を行い、脱泡処理を10分間行った。
一方、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.3重量部、イオン交換水95.7重量部を混合し、1リットルの呼び水を作成した。呼び水のpHは6.5であった。
次に、原料投入部としてホッパー、加熱部としてオイルバス中に浸された12mの熱交換用高圧配管、加圧部として0.13μmと0.28μmを連装したノズルを含む高圧配管、減圧部として0.4、1.0、0.75、1.5、1.0μmの孔径を有するセルを連装した中圧配管、冷却部として水道水にて冷却可能な12mの熱交換配管が設置されたNANO3000中に呼び水を400cc満たした。
呼び水が満たされた装置にて、粗粒子分散液1リットルを、ホッパーに投入し、連続的に、180℃、150MPaにて微粒化、減圧、冷却を行い、粗粒子分散液1リットルがホッパー内から無くなり次第、再度ホッパー内に残りの呼び水を600cc投入し、微粒化処理を行った。得られた分散液を連続的に100ccおきに少量抜き取り、島津製作所製SALD7000にて粒子径の測定を行った。得られた粒子径の変化を図3に×印でプロットした。抜き取った粒子の粒子径がばらついており、実施例と比較すると、粒子径も大きめになっていることがわかる。また、呼び水が大半を占める初期の500cc及び最後の800ccを除いた分散液700ccの粒子径を同様に測定したところ、50%体積平均径0.537μm、CVが68.0%であり実施例と比較するとブロードかつ平均粒子径が大きめとなってしまった。
得られた微粒化分散液35重量部とイオン交換水65重量部を混合し、IKA製ホモジナイザー(T25)6500rpmで攪拌しながら凝集剤の硫酸アルミニウム5%水溶液10重量部を添加した後、エッジドタービン翼と板バッフル4枚が設置された反応器にて、攪拌速度700rpmで攪拌しながら、60℃まで加熱を行った。その後、安定化剤のポリカルボン酸ナトリウム10%水溶液を20重量部添加し、さらに95℃まで加熱を行い、凝集融着粒子を得た。コールター社マルチサイザー3にて粒子径を測定したところ、50%体積平均径Dvが8.5μm、CVが47%のブロードな粒度分布であった。
得られた分散液の固形分について、ろ過及びイオン交換水による洗浄を繰り返し行い、ろ液の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄した。その後、真空乾燥機にて含水率が1.0重量%以下になるまで乾燥させ、乾燥粒子を得た。
乾燥後、添加剤として、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部をトナー粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得た。
得られた電子写真用トナーを評価用として定着温度を制御できるように改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO 281cに投入し、画質を評価した結果、文字画像の細線やハーフトーンの再現性が実施例より悪化していた。
比較例2
混合物粗粒子A30重量部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3重量部、アルカリ性のpH調整剤としてジメチルアミノエタノール0.5重量部、イオン交換水66.5重量部を混合させ、分散液を調製した。
この分散液を攪拌機付きのデシケーターにセットし、緩やかに攪拌を行いながら、真空ポンプにて−0.09MPaまで減圧を行い、脱泡処理を10分間行った。
一方、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.3重量部、アルカリ性のpH調整剤としてジメチルアミノエタノール0.01重量部、イオン交換水95.69重量部を混合し、1リットルの呼び水を作成した。呼び水のpHは7.6であった。
次に、原料投入部としてホッパー、加熱部としてオイルバス中に浸された12mの熱交換用高圧配管、加圧部として0.13μmと0.28μmを連装したノズルを含む高圧配管、減圧部として0.4、1.0、0.75、1.5、1.0μmの孔径を有するセルを連装した中圧配管、冷却部として水道水にて冷却可能な12mの熱交換配管が設置されたNANO3000中に呼び水を400cc満たした。
呼び水が満たされた装置にて、粗粒子分散液1リットルを、ホッパーに投入し、連続的に、180℃、150MPaにて微粒化、減圧、冷却を行い、粗粒子分散液1リットルがホッパー内から無くなり次第、再度ホッパー内に残りの呼び水を600cc投入し、微粒化処理を行った。呼び水が大半を占める初期の500cc及び最後の800ccを除いた分散液700ccの粒子径を島津製作所製SALD7000にて同様に測定したところ、50%体積平均径0.513μm、CVが65.7%であり実施例と比較するとブロードかつ平均粒子径が大きめとなってしまった。
得られた微粒化分散液35重量部とイオン交換水65重量部を混合し、IKA製ホモジナイザー(T25)6500rpmで攪拌しながら凝集剤の硫酸アルミニウム5%水溶液10重量部を添加した後、エッジドタービン翼と板バッフル4枚が設置された反応器にて、攪拌速度700rpmで攪拌しながら、60℃まで加熱を行った。その後、安定化剤のポリカルボン酸ナトリウム10%水溶液を20重量部添加し、さらに95℃まで加熱を行い、凝集融着粒子を得た。コールター社マルチサイザー3にて粒子径を測定したところ、50%体積平均径Dvが8.6μm、CVが51%のブロードな粒度分布であった。
得られた分散液の固形分について、ろ過及びイオン交換水による洗浄を繰り返し行い、ろ液の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄した。その後、真空乾燥機にて含水率が1.0重量%以下になるまで乾燥させ、乾燥粒子を得た。
乾燥後、添加剤として、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部をトナー粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得た。
得られた電子写真用トナーを評価用として定着温度を制御できるように改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO 281cに投入し、画質を評価した結果、文字画像の細線やハーフトーンの再現性が実施例より悪化していた。
比較例3
混合物粗粒子A30重量部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3重量部、アルカリ性のpH調整剤としてジメチルアミノエタノール0.5重量部、イオン交換水66.5重量部を混合させ、分散液を調製した。
この分散液を攪拌機付きのデシケーターにセットし、緩やかに攪拌を行いながら、真空ポンプにて−0.09MPaまで減圧を行い、脱泡処理を10分間行った。
一方、界面活性剤及びアルカリ性のpH調整剤を添加しないで、イオン交換水のみで1リットルの呼び水を作成した。呼び水のpHは6.1であった。
次に、原料投入部としてホッパー、加熱部としてオイルバス中に浸された12mの熱交換用高圧配管、加圧部として0.13μmと0.28μmを連装したノズルを含む高圧配管、減圧部として0.4、1.0、0.75、1.5、1.0μmの孔径を有するセルを連装した中圧配管、冷却部として水道水にて冷却可能な12mの熱交換配管が設置されたNANO3000中に呼び水を400cc満たした。
呼び水が満たされた装置にて、粗粒子分散液1リットルを、ホッパーに投入し、連続的に、180℃、150MPaにて微粒化、減圧、冷却を行い、粗粒子分散液1リットルがホッパー内から無くなり次第、再度ホッパー内に残りの呼び水を600cc投入し、微粒化処理を行った。呼び水が大半を占める初期の500cc及び最後の800ccを除いた分散液700ccの粒子径を島津製作所製SALD7000にて同様に測定したところ、50%体積平均径0.541μm、CVが71.3%であり実施例と比較するとブロードかつ平均粒子径が大きめとなってしまった。
得られた微粒化分散液35重量部とイオン交換水65重量部を混合し、IKA製ホモジナイザー(T25)6500rpmで攪拌しながら凝集剤の硫酸アルミニウム5%水溶液10重量部を添加した後、エッジドタービン翼と板バッフル4枚が設置された反応器にて、攪拌速度700rpmで攪拌しながら、60℃まで加熱を行った。その後、安定化剤のポリカルボン酸ナトリウム10%水溶液を20重量部添加し、さらに95℃まで加熱を行い、凝集融着粒子を得た。コールター社マルチサイザー3にて粒子径を測定したところ、50%体積平均径Dvが8.9μm、CVが48%のブロードな粒度分布であった。
得られた分散液の固形分について、ろ過及びイオン交換水による洗浄を繰り返し行い、ろ液の導電率が50μS/cmとなるまで洗浄した。その後、真空乾燥機にて含水率が1.0重量%以下になるまで乾燥させ、乾燥粒子を得た。
乾燥後、添加剤として、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部をトナー粒子表面に付着させ、所望の電子写真用トナーを得た。
得られた電子写真用トナーを評価用として定着温度を制御できるように改造した東芝テック社製複合機e−STUDIO 281cに投入し、画質を評価した結果、文字画像の細線やハーフトーンの再現性が実施例より悪化していた。
1…ホッパー、2…送液ポンプ、3…高圧ポンプ、4…加熱部、5…微粒化部、6,8…減圧部、7…冷却部、9,11…配管、10…高圧型湿式微粒化機
特開昭60−225170号公報 特開昭63−282749号公報 特開平6−282099号公報 特開平9−311502号公報 特開2007−323071号公報

Claims (7)

  1. バインダー樹脂と着色剤を含有する粒状の混合物、水系媒体、及びアルカリ性pH調整剤を混合してトナー材料分散液を調製する工程、
    アルカリ性水溶液を満たした高圧型湿式微粒化装置に、前記トナー材料分散液を導入して機械的せん断に供し、該粒状の混合物を微粒化して、該粒状の混合物の粒径よりも小さい粒径を有する微粒子を含む分散液を調製する工程、及び
    該微粒子を用いてトナーを作成する工程を具備することを特徴とする現像剤の製造方法。
  2. 前記アルカリ性水溶液は、9ないし11のpHを有することを特徴とする請求項1の方法。
  3. 前記アルカリ性水溶液は、少なくとも界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記アルカリ性水溶液は、前記分散液に添加される界面活性剤及びpH調整剤と同様の組成をもつ界面活性剤及びpH調整剤のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 該微粒子を凝集することによりトナーを得ることを特徴とするトナーの製造方法。
  6. 前記粒状の混合物は、バインダー樹脂及び着色剤を溶融混練した後粉砕することにより得られることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記機械的せん断は、バインダー樹脂のガラス転移点以上の温度及び10MPa以上の圧力下で行われる請求項1に記載の方法。
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