JP2010019491A - 保護膜付き製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】保護膜に摩耗や擦傷が生じたり、調理中に食品の焦げ付き汚れ等が付着した際であっても、これらの磨耗痕、擦傷痕、汚れ等が目立たち難く、かつ簡便に汚れを除去することが可能な保護膜付き製品を提供する。
【解決手段】製品の基体と、該基体の表面に成膜された無機質薄膜からなる保護膜とから構成された保護膜付き製品であって、前記無機質薄膜の光沢度グロス値と、前記基体の光沢度グロス値との差が15以下とする。
【選択図】なし
【解決手段】製品の基体と、該基体の表面に成膜された無機質薄膜からなる保護膜とから構成された保護膜付き製品であって、前記無機質薄膜の光沢度グロス値と、前記基体の光沢度グロス値との差が15以下とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、保護膜付き製品に関し、特に、製品の基体の表面に成膜された無機質薄膜からなる保護膜が摩耗したり、各種の汚れが該保護膜に付着しても、摩耗痕、擦傷痕、汚れが目立たず、また、汚れの除去が容易な保護膜付き製品に関する。
従来から、各種製品を磨耗、擦傷、汚れから保護するため、酸化ジルコニウムを主成分とする被膜や、酸化ケイ素を主成分とする保護被膜が、製品の基体の表面に成膜された保護膜付き製品が知られている。
例えば特許文献1〜3には、ジルコニウム酸化物を主成分とする薄膜が、製品の基体の表面上に成膜された保護膜付き製品が開示されており、この保護膜付き製品にあっては例えば食品の焦げ付き汚れを簡単に除去することができるとされている。
特開2001−227750号公報
特開2007−161770号公報
特開2008−111011号公報
例えば特許文献1〜3には、ジルコニウム酸化物を主成分とする薄膜が、製品の基体の表面上に成膜された保護膜付き製品が開示されており、この保護膜付き製品にあっては例えば食品の焦げ付き汚れを簡単に除去することができるとされている。
しかしながら、従来の保護膜付き製品にあっては、保護膜が何らかの理由で磨耗したり、例えば食品の焦げ付き等の各種の汚れが付着すると、磨耗痕、擦傷痕、汚れが目立たちやすく、また、汚れを除去することが困難であるという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、保護膜に摩耗や擦傷が生じたり、調理中に食品の焦げ付き汚れ等が付着した際であっても、これらの磨耗痕、擦傷痕、汚れ等が目立たち難く、かつ簡便に汚れを除去することが可能な保護膜付き製品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題解決のため鋭意検討したところ、無機質材料からなる無機質薄膜(保護膜)の光沢度グロス値と製品の基体の光沢度グロス値との差を所定値以下とすると、上記課題を効率よく解決し得ることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の請求項1に係る保護被膜付き製品は、製品の基体と、該基体の表面に成膜された無機質薄膜からなる保護膜とから構成された保護膜付き製品であって、前記無機質薄膜の光沢度グロス値と、前記基体の光沢度グロス値との差が15以下であることを特徴とする。
前記の無機質薄膜の平均膜厚は20nm以下であることが好ましい。
前記の無機質薄膜は、酸化ジルコニウム及び/または酸化ハフニウムを70質量%以上含有することが好ましい。
前記の無機質薄膜の平均膜厚は20nm以下であることが好ましい。
前記の無機質薄膜は、酸化ジルコニウム及び/または酸化ハフニウムを70質量%以上含有することが好ましい。
本発明の保護膜付き製品によれば、製品の基体の表面に無機質薄膜からなる保護膜が成膜され、無機質薄膜の光沢度グロス値と基体の光沢度グロス値との差が15以下であるので、無機質薄膜が何らかの理由で磨耗しても磨耗痕、擦傷痕が目立たず、また、無機質薄膜表面に各種の汚れが付着しても、水拭き程度の清掃手段で汚れを容易に除去することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、説明する。
この実施の形態に係る保護膜付き製品は、製品の基体と、この製品の基体の表面に成膜された無機質薄膜からなる保護膜とから概略構成されている。また、無機質薄膜の光沢度グロス値と基体の光沢度グロス値との差が15以下である。
製品の基体としては特に制限されるものでなく、例えば、結晶化ガラス製品、金属製品、或いは釉懸けされた製品等を例示することができ、より具体的には、コンロ天板、コンロ部品、オーブン内部品、キッチンで使用される食器、フライパン、鍋、調理用プレート、魚焼き用グリルの水入れ皿などは勿論のこと、食品の調理に用いられる器具、さらにはストーブ、ボイラーなどの熱機関、または、タイルや衛生陶器、ホーロー製品などを例示することができる。
無機質薄膜(保護膜)は、その平均膜厚が20nm以下、好ましくは5nm以上かつ20nm以下であることが好ましい。
無機質薄膜の平均膜厚が20nmを超えると、無機質薄膜が何らかの理由で磨耗したり、各種の汚れが付着すると、磨耗痕、擦傷痕、汚れが目立ちやすくなる。また、無機質薄膜に衝撃が加わった際には、微細なクラックが該無機質薄膜に入り易くなる。さらに、無機質薄膜の光沢度グロス値と製品の基体の光沢度グロス値との差を15以下とすることが極めて困難となる。
一方、無機質薄膜の膜厚が5nmを下回ると、製品の基体を磨耗、擦傷、汚れ等から保護することが困難となるので好ましくない。
無機質薄膜の平均膜厚が20nmを超えると、無機質薄膜が何らかの理由で磨耗したり、各種の汚れが付着すると、磨耗痕、擦傷痕、汚れが目立ちやすくなる。また、無機質薄膜に衝撃が加わった際には、微細なクラックが該無機質薄膜に入り易くなる。さらに、無機質薄膜の光沢度グロス値と製品の基体の光沢度グロス値との差を15以下とすることが極めて困難となる。
一方、無機質薄膜の膜厚が5nmを下回ると、製品の基体を磨耗、擦傷、汚れ等から保護することが困難となるので好ましくない。
また、無機質薄膜の光沢度グロス値と製品の基体の光沢度グロス値との差が15以下、好ましくは10以下であることが必要である。ここで、光沢度グロス値とは、JIS Z8741でいう、入射光角、受光角が共に60°である場合の鏡面光沢度を称する。
光沢度グロス値の差が15を上回ると、無機質薄膜の表面からの反射が大きくなり、無機質薄膜が磨耗した際、磨耗部分と未磨耗部分からの光の反射量差が大きいために、磨耗痕や擦傷痕が非常に目立ちやすくなる。また、無機質薄膜に付着した汚れも非常に目立ちやすくなる。
光沢度グロス値の差が15を上回ると、無機質薄膜の表面からの反射が大きくなり、無機質薄膜が磨耗した際、磨耗部分と未磨耗部分からの光の反射量差が大きいために、磨耗痕や擦傷痕が非常に目立ちやすくなる。また、無機質薄膜に付着した汚れも非常に目立ちやすくなる。
無機質薄膜の組成としては、酸化ジルコニウム(ZrO2)及び/または酸化ハフニウム(HfO2)を70質量%以上、好ましくは75質量%以上含むのが好適である。酸化ジルコニウム及び/または酸化ハフニウムの含有量が70質量%を上回ると、無機質薄膜の機械的強度や耐薬品性に優れるので好ましい。
一方、無機質薄膜中における、酸化ジルコニウム及び/または酸化ハフニウムの含有量が70質量%を下回ると、各種の汚れが付着すると水拭き程度の簡単な清掃手段で汚れを除去することが困難となるので好ましくない。
一方、無機質薄膜中における、酸化ジルコニウム及び/または酸化ハフニウムの含有量が70質量%を下回ると、各種の汚れが付着すると水拭き程度の簡単な清掃手段で汚れを除去することが困難となるので好ましくない。
無機質薄膜中における、酸化ジルコニウム及び酸化ハフニウム以外の他の成分としては、酸化ケイ素(SiO2)や酸化アルミニウム(Al2O3)が好適である。その理由は、酸化ケイ素や酸化アルミニウムは、酸化ジルコニウムや酸化ハフニウムを主成分として含む無機質薄膜の機械的強度や耐薬品性を向上させることができるからである。
このような特性を備えた保護膜付き製品は、例えば、次のようにして製造することができる。
すなわち、無機質薄膜の光沢度グロス値と基体の光沢度グロス値との差に影響を与えるファクターとしては、無機質薄膜の膜厚、材質、表面平滑性等の表面状態や、基体の材質、表面平滑性等の表面状態や、無機質薄膜を形成する塗布液の塗布方法などがあるので一概には言えないが、通常、無機質薄膜を形成する成分を酸化物換算(即ち、後述する粘度調整用のバインダー樹脂を含まない)で0.01質量%以上0.5質量%以下含有し、粘度が50mPaS以上5000mPaS以下である塗布液を、基体の表面に塗布する。塗布方法としては、均一な膜厚の無機質薄膜を形成できれば特に限定されるものではなく、例えばローラー塗り、刷毛塗り、スポンジ塗り、へら塗り等が挙げられる。その後、200℃以上の温度で熱処理して、無機質薄膜からなる保護膜を製品の基体の表面上に成膜することにより製造することができる。
すなわち、無機質薄膜の光沢度グロス値と基体の光沢度グロス値との差に影響を与えるファクターとしては、無機質薄膜の膜厚、材質、表面平滑性等の表面状態や、基体の材質、表面平滑性等の表面状態や、無機質薄膜を形成する塗布液の塗布方法などがあるので一概には言えないが、通常、無機質薄膜を形成する成分を酸化物換算(即ち、後述する粘度調整用のバインダー樹脂を含まない)で0.01質量%以上0.5質量%以下含有し、粘度が50mPaS以上5000mPaS以下である塗布液を、基体の表面に塗布する。塗布方法としては、均一な膜厚の無機質薄膜を形成できれば特に限定されるものではなく、例えばローラー塗り、刷毛塗り、スポンジ塗り、へら塗り等が挙げられる。その後、200℃以上の温度で熱処理して、無機質薄膜からなる保護膜を製品の基体の表面上に成膜することにより製造することができる。
塗布液中における、無機質薄膜を形成する成分の含有量を、酸化物換算量で0.01質量%以上0.5質量%以下とすることで、基体の表面に効率よく塗布液を塗布できると共に、無機質薄膜の光沢度グロス値と、製品の基体の光沢度グロス値との差を15以下とすることができる。
無機質薄膜を形成する成分の含有量が0.01質量%を下回ると、塗装効率が低下し、0.5質量%を上回ると薄膜状の無機質薄膜を成膜することが困難となり、無機質薄膜の光沢度グロス値と、製品の基体の光沢度グロス値との差を15以下とすることが困難となるので好ましくない。
無機質薄膜を形成する成分の含有量が0.01質量%を下回ると、塗装効率が低下し、0.5質量%を上回ると薄膜状の無機質薄膜を成膜することが困難となり、無機質薄膜の光沢度グロス値と、製品の基体の光沢度グロス値との差を15以下とすることが困難となるので好ましくない。
また、塗布液の粘度を50mPaS以上5000mPaSとすることで、基体の表面に効率よく塗布液を塗布できると共に、無機質薄膜の光沢度グロス値と、製品の基体の光沢度グロス値との差を15以下とすることができる。
塗布液の粘度が50mPaSを下回ると塗装効率が低下してしまい、塗布液の粘度が5000mPaSを上回ると平均膜厚が20nm以下の緻密な無機質薄膜を成膜することが困難となり、無機質薄膜の光沢度グロス値と製品の基体の光沢度グロス値との差を15以下とすることが困難となるので好ましくない。
塗布液の粘度が50mPaSを下回ると塗装効率が低下してしまい、塗布液の粘度が5000mPaSを上回ると平均膜厚が20nm以下の緻密な無機質薄膜を成膜することが困難となり、無機質薄膜の光沢度グロス値と製品の基体の光沢度グロス値との差を15以下とすることが困難となるので好ましくない。
塗布液の塗布方法としては、基体表面に平均膜厚が20nm以下の無機質薄膜を成膜しやすく、かつ無機質薄膜の光沢度グロス値と、製品の基体の光沢度グロス値との差を、15以下とすることができるため、ローラー塗り、刷毛塗り、スポンジ塗り、へら塗り等の塗布方法で基体に塗布することが、好ましい。
無機質薄膜を形成する成分としては、例えば、酸化ジルコニウムゾル(平均粒径が5nm以下のゾルが好ましい)、あるいはジルコニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド加水分解物、ジルコニウムアルコキシドのキレート化合物及びジルコニウムアルコキシド加水分解物のキレート化合物から選ばれるジルコニウム成分や、酸化ハフニウムゾルあるいはハフニウムアルコキシド、ハフニウムアルコキシド加水分解物、ハフニウムアルコキシドのキレート化合物及びハフニウムアルコキシド加水分解物のキレート化合物から選ばれるハフニウム成分を酸化物換算、即ち、酸化ジルコニウム及び/または酸化ハフニウム換算で70質量%以上含むものを好適に例示することができる。
ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシドとしては、特に制限されるものではないが、ジルコニウムまたはハフニウムのテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムまたはハフニウムのテトラプロポキシドを好適に例示することができる。これらのアルコキシドは、適度な加水分解速度を有し、しかも、取り扱いやすいことにより、均一である薄膜を成膜することができる。
ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシド加水分解物としては、特に制限されるものではないが、ジルコニウムまたはハフニウムのテトラノルマルブトキシドの加水分解物、ジルコニウムまたはハフニウムのテトラプロポキシドの加水分解物を好適に例示することができる。加水分解率としては、特に制限はなく、0モル%超〜100モル%の範囲内のものを使用することができる。
ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシド、ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシド加水分解物は吸湿性が高く非常に不安定であり、塗布液の貯蔵安定性に劣るため、ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシドのキレート化合物、ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシド加水分解物のキレート化合物を用いるのが好適である。
ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシドのキレート化合物とは、ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシドと、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のエタノールアミン、アセチルアセトン等のβ−ジケトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチル、フェノキシ酢酸エチル等のβ−ケト酸エステル、酢酸、乳酸、クエン酸、安息香酸、リンゴ酸等のカルボン酸等からなる加水分解抑制剤との反応生成物を例示することができる。ここに、加水分解抑制剤とは、ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシドとキレート化合物を形成し、このキレート化合物の加水分解反応を抑制する作用を有した化合物である。
ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシド加水分解物のキレート化合物とは、ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシド加水分解物と、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のエタノールアミン、アセチルアセトン等のβ−ジケトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチル、フェノキシ酢酸エチル等のβ−ケト酸エステル、酢酸、乳酸、クエン酸、安息香酸、リンゴ酸等のカルボン酸等からなる加水分解抑制剤との反応生成物を例示することができる。ここに、加水分解抑制剤とは、ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシド加水分解物とキレート化合物を形成し、このキレート化合物の加水分解反応を抑制する作用を有した化合物である。
ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシドのキレート化合物、ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシド加水分解物のキレート化合物としては、ジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシドまたはジルコニウムまたはハフニウムのアルコキシド加水分解物を溶媒中に溶解し、さらに加水分解抑制剤を添加し、得られた溶媒中にてキレート化反応を生じさせたものであってもよい。
ジルコニウム成分としては、ジルコニウムアルコキシド及び/またはジルコニウムアルコキシドの加水分解物が用いられる。また、ハフニウム成分としてハフニウムアルコキシド及び/またはハフニウムアルコキシド加水分解物が用いられる。この際、これらの加水分解反応を制御する触媒が添加されていてもよい。
この触媒としては、塩酸、硝酸等の無機酸、クエン酸、酢酸等の有機酸等を例示することができる。触媒の添加量は、通常、塗布液中の無機質薄膜を形成する成分に対して0.01〜10質量%程度であり、過剰の添加は、無機質薄膜を形成する際に熱処理を行う熱処理炉を腐食する虞があるので好ましくない。
この触媒としては、塩酸、硝酸等の無機酸、クエン酸、酢酸等の有機酸等を例示することができる。触媒の添加量は、通常、塗布液中の無機質薄膜を形成する成分に対して0.01〜10質量%程度であり、過剰の添加は、無機質薄膜を形成する際に熱処理を行う熱処理炉を腐食する虞があるので好ましくない。
無機質薄膜を形成する成分中には、酸化物換算で30質量%未満の、ジルコニウム成分及び/またはハフニウム成分以外のその他の成分を含有することができる。
その他の成分としては、酸化アルミニウムゾル(平均粒径が5nm以下のゾルが好ましい)、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシド加水分解物、アルミニウムアルコキシドのキレート化合物及びアルミニウムアルコキシド加水分解物のキレート化合物から選ばれるアルミニウム成分や、酸化ケイ素ゾル、シリコンアルコキシド、シリコンアルコキシド加水分解物、シリコンアルコキシドのキレート化合物及びシリコンアルコキシド加水分解物のキレート化合物から選ばれるケイ素成分を例示することができる。
その他の成分としては、酸化アルミニウムゾル(平均粒径が5nm以下のゾルが好ましい)、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシド加水分解物、アルミニウムアルコキシドのキレート化合物及びアルミニウムアルコキシド加水分解物のキレート化合物から選ばれるアルミニウム成分や、酸化ケイ素ゾル、シリコンアルコキシド、シリコンアルコキシド加水分解物、シリコンアルコキシドのキレート化合物及びシリコンアルコキシド加水分解物のキレート化合物から選ばれるケイ素成分を例示することができる。
塗布液の粘度は50mPaS以上、かつ5000mPaS以下とするのが好適であるが、通常の溶媒だけで当該の粘度を得るのは困難である。このため、高粘性の溶媒や、高粘性の樹脂バインダーを適宜添加することができる。樹脂バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルポロリドン、ヒドロキシメチルセルロース、ゴム等特に制限はない。
塗布液中における溶媒としては、無機質薄膜を形成する成分が溶解または分散する溶媒であれば特に制限なく用いることができ、例えば水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、他にも、セロソルブ類、ケトン類、グリコール類、高級アルコール類、エステル類等を例示することができる。また、塗装条件に合わせて、高沸点や低沸点の溶剤を用いることができる。
熱処理温度は好適には200℃以上である。熱処理温度が200℃を下回ると、無機質薄膜の膜強度が低下する。
一方、熱処理温度が高すぎると、製品の基体が変形する場合があるため、製品の基体に応じて調整する。たとえば、製品の基体がステンレス製品の場合は、熱処理温度が200℃以上250℃以下、アルミニウム製品の場合は、200℃以上400℃以下、釉懸け製品の場合は200℃以上500℃以下、結晶化ガラス製品の場合は800℃以下が好適である。なお、熱処理時の雰囲気は特に制限されず、通常、大気雰囲気中で行う。
一方、熱処理温度が高すぎると、製品の基体が変形する場合があるため、製品の基体に応じて調整する。たとえば、製品の基体がステンレス製品の場合は、熱処理温度が200℃以上250℃以下、アルミニウム製品の場合は、200℃以上400℃以下、釉懸け製品の場合は200℃以上500℃以下、結晶化ガラス製品の場合は800℃以下が好適である。なお、熱処理時の雰囲気は特に制限されず、通常、大気雰囲気中で行う。
以下、実施例、比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明する。
「実施例1」
ジルコニウムゾルとしてナノジルコニア水分散液(住友大阪セメント社製、平均一次粒子径3nm)を固形分濃度が0.2質量%となるように水で希釈した。次いで、ヒドロキシエチルセルロースを添加し、粘度を3000mPaSに調整した塗布液を作製した。この塗布液中における無機質薄膜を形成する成分の含有量は、酸化物換算(即ち、粘度調整用のバインダー樹脂を含まない)で0.2質量%であった。
この塗布液を、ショット社製の黒色結晶化ガラス板にローラー塗布し、大気雰囲気下、700℃の温度下で30分間焼き付け、黒色結晶化ガラス板上に無機質薄膜を成膜し、実施例1の保護膜付き製品を得た。
実施例1の保護膜付き製品における、無機質薄膜(酸化ジルコニウム(ZrO2)薄膜)の膜厚を、光学式膜厚測計(フィルムメトリックス社製;F−20)を用いて測定したところ、15nmであった。
また、実施例1の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム(ZrO2)薄膜)の光沢度グロス値を、JIS Z8741に準じて(HOLIBA GLOSS CHECKER IG-310を使用、入射光角、受光角は共に60度)測定したところ110であり、また、成膜前の黒色結晶化ガラス板の光沢度グロス値は100であり、光沢度グロス値の差は10であった。
「実施例1」
ジルコニウムゾルとしてナノジルコニア水分散液(住友大阪セメント社製、平均一次粒子径3nm)を固形分濃度が0.2質量%となるように水で希釈した。次いで、ヒドロキシエチルセルロースを添加し、粘度を3000mPaSに調整した塗布液を作製した。この塗布液中における無機質薄膜を形成する成分の含有量は、酸化物換算(即ち、粘度調整用のバインダー樹脂を含まない)で0.2質量%であった。
この塗布液を、ショット社製の黒色結晶化ガラス板にローラー塗布し、大気雰囲気下、700℃の温度下で30分間焼き付け、黒色結晶化ガラス板上に無機質薄膜を成膜し、実施例1の保護膜付き製品を得た。
実施例1の保護膜付き製品における、無機質薄膜(酸化ジルコニウム(ZrO2)薄膜)の膜厚を、光学式膜厚測計(フィルムメトリックス社製;F−20)を用いて測定したところ、15nmであった。
また、実施例1の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム(ZrO2)薄膜)の光沢度グロス値を、JIS Z8741に準じて(HOLIBA GLOSS CHECKER IG-310を使用、入射光角、受光角は共に60度)測定したところ110であり、また、成膜前の黒色結晶化ガラス板の光沢度グロス値は100であり、光沢度グロス値の差は10であった。
「実施例2」
ジルコニウムテトラブトキシド6.0質量部、アセト酢酸エチル3質量部、イソプロピルアルコール89.0質量部を室温(25℃)下で30分間混合し、ジルコニウムテトラブトキシドとアセト酢酸エチルとのキレート化合物を生成させた。次いで、テトラエトキシシラン2.0質量部を添加して混合溶液を得た。この混合溶液を、ブチルセロソルブで100倍に希釈した後、バインダーとしてメチルセルロースを添加して、粘度を100mPaSに調整した塗布液を作製した。この塗布液中における無機質薄膜を形成する成分の含有量は、酸化物換算(即ち、粘度調整用のバインダー樹脂を含まない)で0.25質量%であった。また、塗布液中における、ジルコニウム成分を酸化ジルコニウム(ZrO2)に、珪素成分を珪素酸化物(SiO2)にそれぞれ換算したときの、酸化ジルコニウムの酸化ジルコニウムと珪素酸化物の合計量に対する比率は75質量%であった。
この塗布液を、結晶化ガラス製のIH式(電磁誘導加熱式)コンロ天板上に、へらを用いて塗布し、大気雰囲気中、700℃の温度下で20分間焼き付け、コンロ天板上に無機質薄膜を成膜し、実施例2の保護膜付き製品を得た。
実施例2の保護膜付き製品における、無機質薄膜(酸化ジルコニウム−酸化珪素の複合薄膜)の膜厚を実施例1に準じて測定したところ、15nmであった。
また、実施例2の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム−酸化珪素の複合薄膜)の光沢度グロス値を実施例1に準じて測定したところ105であり、また、成膜前のコンロ天板の光沢度グロス値は95であり、光沢度グロス値の差は10であった。
ジルコニウムテトラブトキシド6.0質量部、アセト酢酸エチル3質量部、イソプロピルアルコール89.0質量部を室温(25℃)下で30分間混合し、ジルコニウムテトラブトキシドとアセト酢酸エチルとのキレート化合物を生成させた。次いで、テトラエトキシシラン2.0質量部を添加して混合溶液を得た。この混合溶液を、ブチルセロソルブで100倍に希釈した後、バインダーとしてメチルセルロースを添加して、粘度を100mPaSに調整した塗布液を作製した。この塗布液中における無機質薄膜を形成する成分の含有量は、酸化物換算(即ち、粘度調整用のバインダー樹脂を含まない)で0.25質量%であった。また、塗布液中における、ジルコニウム成分を酸化ジルコニウム(ZrO2)に、珪素成分を珪素酸化物(SiO2)にそれぞれ換算したときの、酸化ジルコニウムの酸化ジルコニウムと珪素酸化物の合計量に対する比率は75質量%であった。
この塗布液を、結晶化ガラス製のIH式(電磁誘導加熱式)コンロ天板上に、へらを用いて塗布し、大気雰囲気中、700℃の温度下で20分間焼き付け、コンロ天板上に無機質薄膜を成膜し、実施例2の保護膜付き製品を得た。
実施例2の保護膜付き製品における、無機質薄膜(酸化ジルコニウム−酸化珪素の複合薄膜)の膜厚を実施例1に準じて測定したところ、15nmであった。
また、実施例2の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム−酸化珪素の複合薄膜)の光沢度グロス値を実施例1に準じて測定したところ105であり、また、成膜前のコンロ天板の光沢度グロス値は95であり、光沢度グロス値の差は10であった。
「実施例3」
実施例1の塗布液を、スポンジを用いてホーロー製ガスコンロ板上に塗布した。そして、このホーロー天板を大気雰囲気中、500℃で40分間焼き付け、ホーロー製ガスコンロ板上に無機質薄膜を成膜し、実施例3の保護膜付き製品を得た。
この実施例3の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム(ZrO2)薄膜)の膜厚を実施例1に準じて測定したところ、10nmであった。
一方、実施例3の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム(ZrO2)薄膜)の光沢度グロス値を実施例1に準じて測定したところ80であり、また、成膜前のホーロー製ガスコンロ板の光沢度グロス値は78であり、光沢度グロス値の差は2であった。
実施例1の塗布液を、スポンジを用いてホーロー製ガスコンロ板上に塗布した。そして、このホーロー天板を大気雰囲気中、500℃で40分間焼き付け、ホーロー製ガスコンロ板上に無機質薄膜を成膜し、実施例3の保護膜付き製品を得た。
この実施例3の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム(ZrO2)薄膜)の膜厚を実施例1に準じて測定したところ、10nmであった。
一方、実施例3の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム(ZrO2)薄膜)の光沢度グロス値を実施例1に準じて測定したところ80であり、また、成膜前のホーロー製ガスコンロ板の光沢度グロス値は78であり、光沢度グロス値の差は2であった。
「実施例4」
ジルコニウムテトラブトキシド6.0質量部、アセト酢酸エチル3質量部、イソプロピルアルコール88.4質量部を室温(25℃)下で30分間混合し、ジルコニウムテトラブトキシドとアセト酢酸エチルとのキレート化合物を生成させた。次いで、テトラエトキシシラン2.6質量部を添加して混合溶液を得た。この混合溶液を、ブチルセロソルブで100倍に希釈した後、バインダーとしてメチルセルロースを添加して粘度を100mPaSに調整して塗布液を得た。この塗布液中における無機質薄膜形成成分の含有量は、酸化物換算(即ち、粘度調整用のバインダー樹脂を含まない)で0.27質量%であった。また、この塗布液中における、ジルコニウム成分を酸化ジルコニウム(ZrO2)に、珪素成分を珪素酸化物(SiO2)にそれぞれ換算したときの、酸化ジルコニウムの、酸化ジルコニウムと珪素酸化物の合計量に対する比率は74質量%であった。
この塗布液をショット社製の黒色結晶化ガラス板上にローラーで塗布し、大気雰囲気中、700℃の温度下で20分間焼き付け、黒色結晶化ガラス板上に無機質薄膜を成膜し、実施例4の保護膜付き製品を得た。
実施例4の保護膜付き製品における、無機質薄膜(酸化ジルコニウム−酸化珪素の複合薄膜)の膜厚を実施例1に準じて測定したところ、18nmであった。
また、実施例4の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム−酸化珪素の複合薄膜)の光沢度グロス値を実施例1に準じて測定したところ103であり、また、成膜前の黒色結晶化ガラス板の光沢度グロス値は100あり、光沢度グロス値の差は3であった。
ジルコニウムテトラブトキシド6.0質量部、アセト酢酸エチル3質量部、イソプロピルアルコール88.4質量部を室温(25℃)下で30分間混合し、ジルコニウムテトラブトキシドとアセト酢酸エチルとのキレート化合物を生成させた。次いで、テトラエトキシシラン2.6質量部を添加して混合溶液を得た。この混合溶液を、ブチルセロソルブで100倍に希釈した後、バインダーとしてメチルセルロースを添加して粘度を100mPaSに調整して塗布液を得た。この塗布液中における無機質薄膜形成成分の含有量は、酸化物換算(即ち、粘度調整用のバインダー樹脂を含まない)で0.27質量%であった。また、この塗布液中における、ジルコニウム成分を酸化ジルコニウム(ZrO2)に、珪素成分を珪素酸化物(SiO2)にそれぞれ換算したときの、酸化ジルコニウムの、酸化ジルコニウムと珪素酸化物の合計量に対する比率は74質量%であった。
この塗布液をショット社製の黒色結晶化ガラス板上にローラーで塗布し、大気雰囲気中、700℃の温度下で20分間焼き付け、黒色結晶化ガラス板上に無機質薄膜を成膜し、実施例4の保護膜付き製品を得た。
実施例4の保護膜付き製品における、無機質薄膜(酸化ジルコニウム−酸化珪素の複合薄膜)の膜厚を実施例1に準じて測定したところ、18nmであった。
また、実施例4の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム−酸化珪素の複合薄膜)の光沢度グロス値を実施例1に準じて測定したところ103であり、また、成膜前の黒色結晶化ガラス板の光沢度グロス値は100あり、光沢度グロス値の差は3であった。
「比較例」
実施例1の塗布液の固形分濃度を0.4質量%とした。即ち、塗布液中における無機質薄膜形成成分の含有量を酸化物換算(即ち、粘度調整用のバインダー樹脂を含まない)で0.4質量%とした他は、実施例1と同様にして、比較例の保護膜付き製品を得た。
この比較例の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム(ZrO2)薄膜)の膜厚を実施例1に準じて測定したところ、25nmであった。
また、比較例の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム(ZrO2)薄膜)の光沢度グロス値を実施例1に準じて測定したところ124であり、光沢度グロス値の差は24であった。
実施例1の塗布液の固形分濃度を0.4質量%とした。即ち、塗布液中における無機質薄膜形成成分の含有量を酸化物換算(即ち、粘度調整用のバインダー樹脂を含まない)で0.4質量%とした他は、実施例1と同様にして、比較例の保護膜付き製品を得た。
この比較例の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム(ZrO2)薄膜)の膜厚を実施例1に準じて測定したところ、25nmであった。
また、比較例の保護膜付き製品における無機質薄膜(酸化ジルコニウム(ZrO2)薄膜)の光沢度グロス値を実施例1に準じて測定したところ124であり、光沢度グロス値の差は24であった。
「評価」
上記で作製した実施例1〜4、比較例の保護膜付き製品の磨耗痕の目立ち難さ、擦傷痕の目立ち難さ、汚れ付着の目立ち難さ、焦げ付き汚れの除去容易性を評価した。評価結果を表1に示した。評価方法は、次のとおりである。
(1)擦傷痕の目立ち難さ
無機質薄膜の表面を、炭化カルシウム微粒子を含むクレンザーで1000回(荷重100g/cm2)こすった後、無機質薄膜の磨耗状況を目視観察した。擦傷痕が目だって観察された場合は×、目立たなかった場合を○とした。
(2)磨耗痕の目立ち難さ
無機質薄膜表面を、前記クレンザーで1000回(荷重100g/cm2)こすった後、無機質薄膜の磨耗状況を目視観察した。摩耗痕が目だって観察された場合は×、目立たなかった場合を○とした。
(3)汚れ付着の目立ち難さ
無機質薄膜の表面上に醤油を1ml滴下し、大気中350℃で1時間焦げ付かせ、焦げ付き汚れの付着状況を目視観察した。汚れの付着が目だって観察された場合は×、目立たなかった場合を○とした。
(4)焦げ付き汚れの除去容易性
無機質薄膜の表面上に醤油を1ml滴下し、大気中350℃で1時間焦げ付かせ、次いで、水を含ませた布切れでこの焦げ付き汚れを水拭きし、除去の容易性を評価した。容易に汚れを除去できた場合を○、やや困難であったが、水拭きで汚れを除去できた場合を△、水拭きでは汚れを完全に除去できなかった場合を×とした。
上記で作製した実施例1〜4、比較例の保護膜付き製品の磨耗痕の目立ち難さ、擦傷痕の目立ち難さ、汚れ付着の目立ち難さ、焦げ付き汚れの除去容易性を評価した。評価結果を表1に示した。評価方法は、次のとおりである。
(1)擦傷痕の目立ち難さ
無機質薄膜の表面を、炭化カルシウム微粒子を含むクレンザーで1000回(荷重100g/cm2)こすった後、無機質薄膜の磨耗状況を目視観察した。擦傷痕が目だって観察された場合は×、目立たなかった場合を○とした。
(2)磨耗痕の目立ち難さ
無機質薄膜表面を、前記クレンザーで1000回(荷重100g/cm2)こすった後、無機質薄膜の磨耗状況を目視観察した。摩耗痕が目だって観察された場合は×、目立たなかった場合を○とした。
(3)汚れ付着の目立ち難さ
無機質薄膜の表面上に醤油を1ml滴下し、大気中350℃で1時間焦げ付かせ、焦げ付き汚れの付着状況を目視観察した。汚れの付着が目だって観察された場合は×、目立たなかった場合を○とした。
(4)焦げ付き汚れの除去容易性
無機質薄膜の表面上に醤油を1ml滴下し、大気中350℃で1時間焦げ付かせ、次いで、水を含ませた布切れでこの焦げ付き汚れを水拭きし、除去の容易性を評価した。容易に汚れを除去できた場合を○、やや困難であったが、水拭きで汚れを除去できた場合を△、水拭きでは汚れを完全に除去できなかった場合を×とした。
表1から、実施例1〜3の保護膜付き製品において、磨耗痕の目立ち難さ、擦傷痕の目立ち難さ、汚れ付着の目立ち難さ、焦げ付き汚れの除去容易性は良好であった。実施例4の保護膜付き製品においても、磨耗痕の目立ち難さ、擦傷痕の目立ち難さ、汚れ付着の目立ち難さは良好であったが、焦げ付き汚れの除去がやや困難であったが、汚れを除去することができた。比較例の保護膜付き製品にあっては、磨耗痕の目立ち難さ、擦傷痕の目立ち難さ、汚れ付着の目立ち難さは不良であり、磨耗痕や擦傷痕、汚れの付着が目立った。一方で、焦げ付き汚れは、容易に除去することができた。
本発明の保護膜付き製品は、製品の基体と、該基体の表面に成膜された無機質薄膜とから構成された保護膜付き製品であって、無機質薄膜の光沢度グロス値と、基体の光沢度グロス値との差が15以下であることにより、無機質薄膜が何らかの理由で磨耗しても磨耗痕、擦傷痕が目立たず、また、無機質薄膜表面に各種の汚れが付着しても、水拭き程度の清掃手段で汚れを容易に除去することができるものであるから、食品の調理に用いられる調理器具や各種厨房設備の付帯部品はもちろんのこと、この調理器具以外の防汚性が要求される各種部材や各種部品等に対しても適用可能であり、その工業的意義は極めて大きいものである。
Claims (3)
- 製品の基体と、該基体の表面に成膜された無機質薄膜からなる保護膜とから構成された保護膜付き製品であって、
前記無機質薄膜の光沢度グロス値と、前記基体の光沢度グロス値との差が15以下であることを特徴とする保護膜付き製品。 - 前記無機質薄膜の平均膜厚は20nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の保護膜付き製品。
- 前記無機質薄膜は、酸化ジルコニウム及び/または酸化ハフニウムを70質量%以上含有することを特徴とする請求項1または2に記載の保護膜付き製品。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008180495A JP2010019491A (ja) | 2008-07-10 | 2008-07-10 | 保護膜付き製品 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0541156A (ja) * | 1991-08-07 | 1993-02-19 | Sony Corp | 陰極線管の表面塗膜の形成方法 |
JP2001227750A (ja) * | 2000-02-17 | 2001-08-24 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 加熱調理機器 |
JP2001328843A (ja) * | 2000-03-14 | 2001-11-27 | Teikoku Chem Ind Corp Ltd | ディスプレイ用ガラス部材およびその製造方法 |
-
2008
- 2008-07-10 JP JP2008180495A patent/JP2010019491A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0541156A (ja) * | 1991-08-07 | 1993-02-19 | Sony Corp | 陰極線管の表面塗膜の形成方法 |
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