JP2010019391A - 高強度セルフフォーミングねじによるねじ締結構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】相手部材の形状を変更することなく、加工工程の削減を図り、ボルト高強度化と疲労強度の向上を実現し、さらに、ねじ山の嵌合長さを従来のものと較べて大幅に変わらないものにでき、その結果、サイズダウンが図れ、車両の軽量化に大きく寄与するねじ締結構造体を提供する。
【解決手段】締結用ボルトに、熱処理前転造により製造された、自らめねじを形成してゆく強度14Tのセルフフォーミングねじを用い、セルフフォーミングねじがねじ込まれる部材を、鋳抜きもしくは鍛造穴あけ加工されたままのねじ成形されていない下穴5を有する部材4とし、取付け部材6締結後のねじ締結構造体は、セルフフォームにて形成されためねじとおねじとの引っ掛かり率が75〜90%であり、かつ、ねじと下穴の嵌合長さがd〜2.2d(鋼鉄製の鋳造または鍛造部材の場合、dはねじ径)またはd〜2.5d(アルミダイキャスト製部材の場合)とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、高強度セルフフォーミングねじ(ボルト)を用いて締結を行うねじ締結構造体に関する。
従来、強度の高いボルトを用いてエンジン周辺部位の締結を行うねじ締結構造体においては、強度の高いボルトは、ナットのめねじや相手部材にタップ立てされためねじと螺合されて用いられていた。このような、ナットやタップ立てされためねじ穴のめねじ部は、当然のことながら、切削加工により形成されている。例えば、エンジン周辺部位のアルミダイキャスト部材、シャシーや足回り部材、鍛造部材、等に、タップ切削加工によりめねじ穴を形成する場合には、穴径の精度が要求されるため、図7に示すように、ダイキャスト部材等の相手部材に、鋳抜き(もしくは鍛造穴あけ加工)、ドリルによる下穴加工、下穴洗浄、タップ加工、ねじ穴洗浄等の多くの製作上の工程が必要であった。
また、車両を軽量化したり、より高い締め付け力で締結を行ったりするために、ボルトをより強高度化、サイズダウン化しようとする試みがなされている。この点は、例えば、特開2005−29870号公報等に記載されているように、周知の技術課題である。それゆえ、現時点で実用化ぎりぎりの強度となる、強度14T(最小引張強さ1400N/mm、硬さ44〜47HRC)の高強度ボルトを、従来のボルトに換えて使用することで、従来のものよりも格段にボルトのサイズダウンを推し進めようとすることは、低燃費、環境問題等の観点からも、避けて通れない当然の課題となっており、近年、ボルトの強高度化の限界への開発は、進めていかなければならない技術上の問題となっている。
しかし、ボルトを高強度化しサイズダウンを図ろうとすれば、当然、それに合わせてナット部材もサイズダウンしなければならず、このため、ナット部材においては、必然的にめねじ穴のねじ山もサイズダウンされることとなる。その結果、単にボルトのみを高強度化すれば、螺合し合うねじ山嵌合部の負荷荷重が増加し、ナット部材の嵌合第1山の谷部に大きな荷重負荷が偏って発生し、当該箇所に疲労破壊の発生する恐れが生じてしまう。また、疲労破壊のみならず、締結のための静的な締め付け時にも、14Tの締付力に耐えることができず、めねじ部分に破壊を起こす恐れもある。そのため、螺合し合うねじ山の嵌合部を長く(アルミ製めねじの場合、ねじ径の2.5〜3倍、鋼鉄製の場合、2.2倍以上に)して、1山当たりの負荷荷重値を低減させる必要が生じる。このような場合には、めねじ部材を兼ねる相手部材のねじ穴周りに、穴の深さを長くすることに起因する大掛かりな設計変更が必要とされ、さらに、はめあい長さ(嵌合部)が従来よりも長くなるために、サイズダウンに逆行するような結果を生じさせるような不都合が起きていた。
また、従来、疲労強度向上の目的で、ボルトを熱処理後に転造することで、ねじ谷部に残留応力を持たせ、疲労強度を向上させていた。例えば、エンジンのボルトでは、繰り返し数5×10での疲れ強さが50MPa程度あれば、使用に耐えうるといわれており、実際の疲労強度はこれ以上の特性を持つことが要求される。疲労強度50MPaは、転造後熱処理品の平均的な実力レベルである。しかし、これらは、組み合わされるナットの相対ピッチ誤差や、ボルトナット締結体のばね定数、締結軸力のばらつきにより変動するため、より高い疲労限の向上を得るために熱処理後転造を行っている。しかし、強度14T(最小引張強さ1400N/mm、硬さ44〜47HRC)の高強度ボルトでは、熱処理後転造は、転造工具の磨耗が激しく、その工具寿命は転造後熱処理のものに較べて1/10にも低下してしまう。このような点から14Tの強度を持つボルトに対して、熱処理後転造を行い疲労強度を向上させるといった方策は、量産面、コスト面からも現実的なものではない。また、疲労強度を向上させる別の方法として、特開2007−321858号公報に示されるように、ボルトとナットのピッチ誤差を利用し、嵌合ねじ谷部にかかる応力荷重分担率の不均一度合いを低減させるものがあった。しかし、この方策で用いられるピッチ誤差の値はμmでの管理が必要であり、この方策も、量産面、コスト面から現実的なものではない。したがって、疲労限の向上を図るための有効な方策はなかなか存在しないのが現状である。
特開2005−29870号公報 特開2007−321858号公報
本発明は、以上の点に鑑み、相手部材(ナット部材)の形状を変更することなく、加工工程の削減を図り、ボルトの高強度化と疲労破壊発生の回避を実現し、さらに、ねじ山の嵌合長さを従来のものと較べて大幅に変わらないものとすることで、サイズダウンを安全かつより効果的にし、車両の軽量化に大きく寄与するねじ締結構造体を提供するものである。
そのために、本発明は、締結用ボルトに、熱処理前転造により製造された、自らめねじを形成してゆく強度14Tのセルフフォーミングねじを用い、セルフフォーミングねじがねじ込まれる部材を、鋳抜きもしくは鍛造穴あけ加工されたままのねじ成形されていない下穴を有する部材としたものである。
この結果、セルフフォーミングねじがねじ込まれる相手部材の形状をあえて変更する必要もない上、当該相手部材における加工工程の削減も図れ、しかも、自らめねじを形成してゆく強度14Tのセルフフォーミングねじにより、おねじとめねじの接触面にクリアランスが発生せず、締結を強固にしながら、最も応力が集中する第1嵌合ねじ谷部の応力が分散させられて低減するため、ボルトの高強度化と締結ねじ山の疲労強度向上を実現するとともに、ねじ山の嵌合長さを従来のものと較べて大幅に変わらないものにできる結果、サイズダウンがより効果的に図れて、車両の軽量化に大きく寄与することとなる。
本発明の有利な実施形態は、添付の図を参照した次の説明から明らかである。
図1は、本発明に用いられるセルフフォーミングねじ1であり、このセルフフォーミングねじ1は、熱処理前転造によって製作され、強度が14T(最小引張強さ1400N/mm、硬さ44〜47HRC)である鋼製のねじである。また、そのねじ部は、テーパ状のセルフフォーミング部3と、通常の締結をおこなうための平行ねじ部2とからなり、セルフフォーミング部3は1〜5ピッチの範囲にわたって形成され、その最大の外径又は仮想外径は平行ねじ部2のおねじの外径よりも1〜10%大きくなるように構成されている。この仮想外径とは、例えば、セルフフォーミング部3が、そのねじ部に突起を設けたものであるような場合には、突起の先端が仮想的に作る円柱の直径のことを意味する。また、セルフフォーミング部3のねじ及び軸の形状が三角形(おむすび型)であるような場合には、三角形の3つの頂部が仮想的に作る円柱の直径のことを意味する。このセルフフォーミング部の最大の外径あるいは仮想外径は、平行ねじ部2のおねじの外径よりも1〜10%大きくすることで、平行ねじ部のねじ込みを手助けし、また、後述するねじの「引っ掛かり率」を規定する。この最大の外径(あるいは仮想外径)が、平行ねじ部2のおねじの外径よりも10%以内であれば、セルフフォームによる塑性変形後のスプリングバックにより、平行部はクリアランスのない嵌合となるが、もし、10%よりも大きくなると、スプリングバックにて許容できる範囲外となり、クリアランスが発生し、最も応力が集中する第1嵌合ねじ谷部にかかる応力を効果的に低減できない。さらに、ねじ部には摩擦安定剤(摩擦低減剤)が塗布され、ねじ込みトルクの低減とトルク係数の安定化を図り、締結による発生軸力や摩擦係数のばらつきを抑制している。
図2は、本発明に用いられる材料強度の低い鋳造部材4、たとえば、アルミダイキャスト部材を示し、この鋳造部材4には鋳抜きされたままの下穴5(図面のテーパは、強調して示してある。)が設けられ、セルフフォーミングねじ1に対するナット部材として形成されている。セルフフォーミングねじ1は、この鋳造部材4に設けられた下穴5に直接ねじ込まれ、自らめねじを形成しつつ取付け部材6を鋳造部材4に締結する。あるいは、複数の取付け部材(図示せず。)を、セルフフォーミングねじ1と鋳造部材4とで締結する。このように、ボルトをセルフフォーミングボルトとしたことで、下穴5に下穴加工やめねじを形成するタップ加工、これらに付随する洗浄を行う必要がなくなり、加工工程の省略とコストの低減が図れる。
締結されたセルフフォーミングねじ1と鋳造部材4は、セルフフォーミングによる締結の結果として、おねじとめねじの接触面にクリアランスが発生しなくなることから、締結は強固となり、図4に示すように、最も応力が集中する第1嵌合ねじ谷部の応力が分散させられて低減される締結となる。この結果、鋳造部材4の第1嵌合ねじ山の谷部にかかる最大主応力は、図4からわかるように、756MPa(切削めねじの場合)から597MPaに減少させることができ、上記最大主応力を約21%も減らすことができる。その結果、締結の締め付け時にも、14Tの締付力に耐えることができ、めねじ部分に破壊が起こらない。さらに、めねじとおねじにおける疲労強度は、約17%の大幅な向上が図れる。また、ボルトとナット(切削めねじ)にピッチ誤差を与える従来のものに較べても、嵌合ねじ山の谷部にかかる最大主応力は大きく低減し、応力の平均値も明らかに低減していることが、図4のグラフからわかる。したがって、鋳造部材4が材料強度の低い部材、たとえば、アルミダイキャスト部材である場合、ねじと下穴の嵌合長さも、螺合し合うねじ山の嵌合部を長くすることなく、d〜2.5d(dはねじ径)程度の嵌合長さで済み、従来のものと較べて大幅な変化を生じないので、鋳造部材4の大掛かりな設計変更を行うこともなく、コストの上昇を避けられる。
図3は、セルフフォームにて形成されためねじとおねじとの引っ掛かり率を説明するための図である。ここで、おねじとめねじが螺合し合う「引っ掛かり高さ」(実際の接触高さ)をH1’とし、基準ねじ山を有するおねじ(ボルト)の基準となる高さを「基準引っ掛かり高さ」H1とすれば、ねじの「引っ掛かり率」は、H1’のH1に対するパーセンテージ、すなわち、(H1’/H1)×100%であらわされるものと定義する。そして、本発明のように、セルフフォームにて形成されためねじとおねじとの引っ掛かり率を75〜90%とすることで、下穴径とねじ部寸法の組み合わせが最適化され、従来の締結よりも優れたねじ込み特性と締結特性が得られ、これらの特性の安定化につながったのである。この「引っ掛かり率」を90パーセント以上にすると、ねじ込みトルクが大きくなりすぎてねじ込み作業性に劣り、鋳抜きされた下穴の精度にねじ込みトルクが大きく影響され、また、この「引っ掛かり率」を75パーセント以下にすると、発生軸力の安定性を損ない、締結特性がばらつくとともに、十分な締結力を得られない恐れがある。また、締結をおこなう際の軸力のばらつきは、疲労強度に大きな悪影響を及ぼすとともに、リーク性能が要求される締結部位では致命的な欠陥となる。
以上に述べた説明をまとめたものを図5に示している。図5に示した表は、セルフフォーミング部の外径、引っ掛かり率、はめ合い長さ、摩擦安定剤の有無について、各条件を設定し、締結特性及び作業性に関わるねじ込みトルク、トルク係数、発生軸力のばらつき、めねじ強度、疲労強度に関する試験をおこなった結果である。めねじとなる材料には、現行ボルトにて使用されているアルミダイキャスト材(ADC12)を使用した。図5の表に示される(a)ねじ込みトルクの測定に関しては、JISB1058に規定されるプリベイリングトルク形鋼製六角ナットの性能で、JISB1058の表8に規定される強度区分05、10及び12に対するねじ込みトルク最大値よりも低くなるかどうかを試験した。(b)摩擦係数に関しては、JISB1084に規定されるねじ部品の締付け試験方法によって測定した。検討した摩擦係数の基準値は、切削めねじを使用した現行ボルトの摩擦係数である0.180としている。(c)発生軸力のばらつきに関しては、JISB1084に規定されるねじ部品の締付け試験方法によった。切削めねじを使用した現行ボルト(強度区分10.9のもので、ねじ山数n=10)の設定トルク値における軸力のばらつき(軸力最大値と最小値の差)よりも小さくなるかどうかを、試験の基準とした。(d)めねじ強度に関しては、ボルトを嵌合させた状態でボルト軸方向に引張荷重を負荷させ、めねじ破壊の最大荷重を測定し、その破壊荷重が強度区分14.9(応力値1400MPa)のボルト引張荷重最小値(M10×P1.5: 81.2kN)の1.5倍以上となることを基準とした。この81.2kNという数値は、M10×P(ピッチ)1.5の有効断面積58.0mmに強度区分14.9の引張荷重(応力値)1400N/mmをかけた値である。(e)疲労強度に関しては、JISB1081に規定されるねじ部品の「引張疲労試験方法及び結果の評価」により試験した。平均荷重が0.2%耐力の40%、繰返し数5×10回のとき、目標の疲労限は50MPaとした。図5に示された表の結果をみればわかるように、「総合評価」が現行品よりも優れている二重丸(◎)のものは、本発明を措いて他にない。この表において、はめあい長さが2.5d以上のものに関する試験結果は灰色に塗りつぶして示しているが、はめあい長さが2.5d以上のものに関しては本発明の目的である嵌合長さの低減に反するものであるから、単なる参考例としての数値と評価にすぎない。
また、めねじとなる材料に、現行ボルトにて用いられている鋼鉄製材を使用した場合における、上記試験(a)〜(e)に関する測定結果を図6に示した。部材4が、鋳抜きもしくは鍛造穴あけ加工されたままのねじ成形されていない下穴5を有する鋼鉄製部材であれば、ねじと下穴の嵌合長さは、螺合し合うねじ山の嵌合部を長くすることなく、d〜2.2d(dはねじ径)程度の嵌合長さで済ませることが出来る。この場合にも、従来のものと較べて大幅な変化を生じないので、部材4の大掛かりな設計変更を行うこともなく、コストの上昇を避けられる。図6に示された表の結果から、「総合評価」が現行品よりも優れている二重丸(◎)のものは、やはり、本発明を措いて他にない。図6の表においても、はめあい長さが2.2d以上のものに関する試験結果を示しているが、はめあい長さが2.2d以上のものに関しては本発明の目的である嵌合長さの低減に反するものであるから、これらは単なる参考例としての数値と評価にすぎない。
このように、本発明によって規定されるねじと下穴の嵌合長さ(d〜2.2dまたはd〜2.5d)、セルフフォームによって形成されためねじとおねじの引っ掛かり率(75〜90%)により、セルフフォームによって形成されるめねじの破壊限界荷重は、前記部材4の材質及び強度を変えることなく、14Tボルト締結部材として要求される締付限界強度である1400MPaを保障する。
以上、図1〜7に基づいて本発明の実施例および従来例の説明をしてきたが、本発明は、以上の実施例に限定されるものではない。鋳造部材は、アルミダイキャスト製に限られることなく、通常の鋳物製部材でもよい。また、鋳造部材に限らず、鍛造穴あけ加工によりねじ成形されていない下穴をもつ鍛造部材でもよいことは、上述したとおりである。この場合、セルフフォーミングねじは、セルフフォーミング部である先端部分を高周波焼入れにより硬くしたものが使用される。また、あえて車両を例にして説明したが、もちろん、本締結構造体は、車両に限られるものでもない。
本発明によるセルフフォーミングねじ1と部材4との締結は、鋳造部材や鍛造部材の形状を変更することなく、最も応力が集中する第1嵌合ねじ谷部の応力を分散させて低減することにより、ボルトの高強度化と疲労強度の向上が実現でき、さらにめねじ加工を廃止することで加工工程の工数削減も可能とし、あわせて、車両を軽量化したり、より高い締め付け力で締結を行ったりすることができる、というきわめて有益な結果を導き出すものである。
図1は、本発明に用いられるセルフフォーミングねじを示す。 図2は、本発明に用いられる鋳造部材を示す。 図3は、セルフフォーミングねじの「引っ掛かり率」を説明するための図である。 図4は、嵌合ねじ山毎のねじ谷部における応力値の測定結果と、その測定結果をまとめた図である。 図5は、高強度セルフフォーミングねじの最良使用適用範囲を決定するために行った、ねじ込み特性及び締結特性を示す一実施例の図である。 図6は、高強度セルフフォーミングねじの最良使用適用範囲を決定するために行った、ねじ込み特性及び締結特性を示す他の実施例の図である。 図7は、従来の鋳造部材に施される加工工程の順序を示す。
符号の説明
1 セルフフォーミングねじ
2 平行ねじ部
3 テーパ状のセルフフォーミング部
4 鋳造部材
5 下穴
6 取付け部材

Claims (3)

  1. テーパ状のセルフフォーミング部(3)と平行ねじ部(2)とからなるセルフフォーミングねじ(1)と、鋳抜きされたままのねじ成形されていない下穴(5)を有する材料強度の低い鋳造部材(4)と、前記セルフフォーミングねじと前記部材(4)によって締結される取付け部材(6)とからなる、ねじ締結構造体において、
    上記セルフフォーミングねじは、
    (a)熱処理前転造によって製作される強度14T(最小引張強さ1400N/mm、硬さ44〜47HRC)の鋼製であり、
    (b)セルフフォーミング部は1〜5ピッチの範囲であって、その最大の外径又は仮想外径は平行ねじ部外径よりも1〜10%大きくされ、
    (c)ねじ部には摩擦安定剤が塗布され、
    ねじ締結構造体は、
    (d)セルフフォームにて形成されためねじとおねじとの引っ掛かり率が75〜90%であり、かつ、
    (e)ねじと下穴の嵌合長さがd〜2.5d(dはねじ径)であり、
    (f)セルフフォーミングにより、おねじとめねじとの接触面にクリアランスは発生することなく、その結果、最も応力が集中する第1嵌合ねじ谷部の応力が分散させられて低減した、
    ことを特徴とするねじ締結構造体。
  2. テーパ状のセルフフォーミング部(3)と平行ねじ部(2)とからなるセルフフォーミングねじ(1)と、鋳抜きもしくは鍛造穴あけ加工されたままのねじ成形されていない下穴(5)を有する鋼鉄製部材(4)と、前記セルフフォーミングねじと前記部材(4)によって締結される取付け部材(6)とからなる、ねじ締結構造体において、
    上記セルフフォーミングねじは、
    (a)熱処理前転造によって製作される強度14T(最小引張強さ1400N/mm、硬さ44〜47HRC)の鋼製であり、
    (b)セルフフォーミング部は1〜5ピッチの範囲であって、その最大の外径又は仮想外径は平行ねじ部外径よりも1〜10%大きくされ、
    (c)ねじ部には摩擦安定剤が塗布され、
    ねじ締結構造体は、
    (d)セルフフォームにて形成されためねじとおねじとの引っ掛かり率が75〜90%であり、かつ、
    (e)ねじと下穴の嵌合長さがd〜2.2d(dはねじ径)であり、
    (f)セルフフォーミングにより、おねじとめねじとの接触面にクリアランスは発生することなく、その結果、最も応力が集中する第1嵌合ねじ谷部の応力が分散させられて低減した、
    ことを特徴とするねじ締結構造体。
  3. セルフフォーミングねじ(1)による締結の保障荷重が1400MPaを満足することを特徴とする請求項1または2記載のねじ締結構造体。
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