JP2010019344A - 摺動式等速自在継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構造により、トラック溝の仕上げ加工時間の短縮化を図る。
【解決手段】 軸方向に延びる複数の直線状トラック溝が円筒状内周面に形成された外輪と、その外輪のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数の直線状トラック溝22を球面状外周面24に形成された内輪20と、外輪のトラック溝と内輪20のトラック溝22との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外輪の円筒状内周面と内輪20の球面状外周面24との間に介在してボールを保持するケージとを備えた摺動式等速自在継手において、内輪20のトラック溝22は、その軸方向に沿う両側縁部の軸方向中央領域Mに、トラック溝22の仕上げ加工時に加工治具が非接触となる逃げ部28が形成されている。
【選択図】 図4
【解決手段】 軸方向に延びる複数の直線状トラック溝が円筒状内周面に形成された外輪と、その外輪のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数の直線状トラック溝22を球面状外周面24に形成された内輪20と、外輪のトラック溝と内輪20のトラック溝22との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外輪の円筒状内周面と内輪20の球面状外周面24との間に介在してボールを保持するケージとを備えた摺動式等速自在継手において、内輪20のトラック溝22は、その軸方向に沿う両側縁部の軸方向中央領域Mに、トラック溝22の仕上げ加工時に加工治具が非接触となる逃げ部28が形成されている。
【選択図】 図4
Description
本発明は、例えば4WD車やFR車などの自動車で使用されるプロペラシャフト等の動力伝達軸に組み込まれ、駆動軸と被駆動軸との間で角度変位および軸方向変位を可能にした摺動式等速自在継手に関する。
例えば4WD車やFR車などの自動車で使用されるプロペラシャフトは、トランスミッションとディファレンシャル間の相対位置変化による角度変位に対応できる構造とするためにクロスグルーブ型と称される等速自在継手を具備するものがある。この等速自在継手は、通常、車両全体の重量軽減という観点から、軽量で、しかも回転バランスおよび振動特性がよく、また、衝突時の軸方向衝撃によるトランスミッションとディファレンシャル間の軸方向変位を吸収できる構造を採用している。
このクロスグルーブ型等速自在継手を図11〜図14に例示する。図11は等速自在継手の主要部構成を示す断面図、図12は内輪の断面図、図13は内輪の側面図、図14は内輪のトラック溝を示す展開図である。
この等速自在継手は、図11に示すように外輪110、内輪120、ボール130およびケージ140を主要な構成要素としている。外輪110は、その円筒状内周面に複数の直線状トラック溝112が軸方向に形成されている。内輪120は、外輪110の内周に位置し、図12および図13に示すようにその球面状外周面124に外輪110のトラック溝112と同数の直線状トラック溝122が軸方向に形成されている。この内輪120の中心孔126にはプロペラシャフトのスタブシャフト(図示せず)がセレーション嵌合される。
図14に示すように、内輪120の球面状外周面124に形成された複数のトラック溝122のうち、隣接するトラック溝122同士は、軸線Xに対して反対方向に角度(トラック交叉角α)をなす溝中心線Lを持つ。また、対をなす内輪120のトラック溝122と外輪110のトラック溝112は互いに軸線Xに対して反対方向に角度(トラック交叉角度α)をなす。これにより、対をなす内輪120のトラック溝122と外輪110のトラック溝112との交叉部にボール130が組み込まれている。内輪120と外輪110の間にケージ140が配置され、ボール130はケージ140のポケット142内に収容されている(図11参照)。
この等速自在継手では、自動車に衝撃が生じたとき、その衝撃を受けたプロペラシャフトのスタブシャフトを介して、内輪120、ボール130およびケージ140からなる内部部品が外輪110に対して軸方向にスライド移動しようとする。このスライド移動により、トランスミッションとディファレンシャルとの間の軸方向変位が吸収され、ディファレンシャルを介して車体に入力する衝撃力が低減され、車体に生じる衝撃が大幅に低減して安全性が向上する。
この等速自在継手では、対をなす内輪120のトラック溝122と外輪110のトラック溝112が互いに軸方向で反対方向に角度(トラック交叉角度α)をなしている構造上、継手内部のすきまを締め代で設定できる(PCDすきまを締め代にできるため、継手内部の円周方向ガタがない)ため、高速で回転するプロペラシャフトに適している。
このタイプの等速自在継手は、内部すきまを締め代で設定する関係上、継手内部での構成部品、特に内輪120のトラック溝122と外輪110のトラック溝112で高精度が要求される。そのため、内輪120のトラック溝122と外輪110のトラック溝112を加工する方法としては、熱処理後に研削または焼入れ鋼切削による仕上げ加工を施して高精度化を図る場合がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−64263号公報
ところで、前述した等速自在継手における内輪120のトラック溝122は、球面状外周面124に対して軸方向に沿って直線状に形成されていることから、軸方向中央領域Mで最も深く、その軸方向中央領域Mから軸方向両端領域Nへ向けて漸次浅くなっていく形状となっている。
そのため、内輪120のトラック溝122を熱処理後に研削または焼入鋼切削により仕上げ加工する場合、トラック溝122が深い軸方向中央領域Mでの加工がトラック溝122全体の加工時間に大きく影響し、トラック溝122の仕上げ加工時間の増加を招き、加工治具の寿命も短くしていた。
そこで、本発明はこの問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、簡単な構造により、トラック溝の仕上げ加工時間の短縮化および加工治具の長寿命化を図り得る摺動式等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、軸方向に延びる複数の直線状トラック溝が円筒状内周面に形成された外側継手部材と、その外側継手部材のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数の直線状トラック溝を球面状外周面に形成された内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外側継手部材の円筒状内周面と内側継手部材の球面状外周面との間に介在してボールを保持するケージとを備えた摺動式等速自在継手において、内側継手部材のトラック溝は、その軸方向に沿う両側縁部の少なくとも軸方向中央領域に、トラック溝の仕上げ加工時に加工治具が非接触となる逃げ部が形成されていることを特徴とする。
前述した構成における逃げ部としては、トラック溝の周方向外側に向けて拡開する段差形状、テーパ形状あるいは曲線形状のいずれかとすることが望ましい。このようにすれば、簡易な形状の逃げ部を実現できる。なお、逃げ部は、機械加工あるいは鍛造成形により形成することが望ましい。このようにすれば、トラック溝に逃げ部を容易に形成することが可能となる。
本発明の摺動式等速自在継手における内側継手部材のトラック溝は、球面状外周面に対して軸方向に沿って直線状に形成されていることから、軸方向中央領域で最も深く、その軸方向中央領域から軸方向両端領域へ向けて漸次浅くなっていく形状となっている。この等速自在継手におけるトルク伝達の負荷容量は、トラック溝が浅い軸方向両端領域で決まることから、トラック溝が浅い軸方向両端領域での溝深さを確保しておけば、トラック溝が深い軸方向中央領域では負荷容量が十分に確保される。
そこで、内側継手部材のトラック溝は、その軸方向に沿う両側縁部の少なくとも中央領域に、トラック溝の仕上げ加工時に加工治具が非接触となる逃げ部が形成されていることにより、負荷容量を低下させない範囲で、トラック溝の仕上げ加工時に加工治具が接触する領域を減少させることができ、その仕上げ加工時間の短縮化および加工治具の長寿命化が図れてトラック溝の仕上げ加工性を向上させることができる。
本発明における逃げ部は、トラック溝の両側縁部の軸方向中央領域に形成されるが、等速自在継手の使用条件(トラック溝の使用頻度)によっては、トラック溝の両側縁部の軸方向中央領域だけでなく軸方向両端領域を含めた軸方向全領域に亘って形成されていてもよい。この場合、トラック溝の深さを、溝中心線を基準とする左右で同一とすることが望ましい。例えば、トラック溝の軸方向両端領域に逃げ部を形成しない場合、その軸方向両端領域でのトラック溝の深さは、溝中心線Lを基準とする左右で異なっている。ここで、トルク伝達における負荷容量はトラック溝の浅い側で決まることから、トラック溝の深い側に位置する片側縁部は継手の性能および耐久性に関与しない。そのため、トラック溝の両側縁部の軸方向中央領域だけでなく軸方向両端領域まで逃げ部を形成する場合には、トラック溝の深さを、溝中心線を基準とする左右で同一とすることが有効である。このようにすれば、トラック溝の仕上げ加工時に加工治具が接触する領域をより一層減少させることができる。
また、逃げ部をトラック溝の軸方向全領域に亘って形成する場合、トラック溝は、軸方向全領域に亘って一定の深さであってもよく、軸方向中央領域で最も深く、その軸方向中央領域から軸方向両端領域へ向けて漸次浅くしてもよい。トラック溝が軸方向全領域に亘って一定の深さを有する場合と、トラック溝が軸方向中央領域で最も深く、その軸方向中央領域から軸方向両端領域へ向けて漸次浅くした場合とは、等速自在継手の使用条件(トラック溝の使用頻度)によっていずれかを選択すればよい。
なお、本発明は、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝とが、軸線に対して互いに反対方向に角度をなす溝中心線を有し、両トラック溝の交叉部にボールが組み込まれているクロスグルーブ型等速自在継手に適用することが好適である。
本発明によれば、内側継手部材のトラック溝は、その軸方向に沿う両側縁部の少なくとも軸方向中央領域に、トラック溝の仕上げ加工時に加工治具が非接触となる逃げ部が形成されていることにより、負荷容量を低下させない範囲で、トラック溝の仕上げ加工時に加工治具が接触する領域を減少させることができ、その仕上げ加工時間の短縮化および加工工具の長寿命化が図れてトラック溝の仕上げ加工性を向上させることができる。
その結果、内側継手部材のトラック溝形成が容易で製造コストの低減化が図れ、負荷容量を低下させることなく、所期の性能を持つ安価な摺動式等速自在継手を提供できる。
図1〜図4は本発明に係る摺動式等速自在継手の実施形態を説明するためのもので、図1はクロスグルーブ型等速自在継手の主要部構成を示す断面図、図2は内輪の断面図、図3は内輪の側面図、図4は内輪のトラック溝を示す展開図である。
この等速自在継手は、図1に示すように外側継手部材である外輪10、内側継手部材である内輪20、ボール30およびケージ40を主要な構成要素としている。外輪10は、その円筒状内周面に複数の直線状トラック溝12が軸方向に形成されている。内輪20は、外輪10の内周に位置し、図2および図3に示すようにその球面状外周面24に外輪10のトラック溝12と同数の直線状トラック溝22が軸方向に形成されている。この内輪20の中心孔26にプロペラシャフトのスタブシャフト(図示せず)がセレーション嵌合される。
図4に示すように、内輪20の球面状外周面24に形成された複数のトラック溝22のうち、隣接するトラック溝22同士は、軸線Xに対して反対方向に角度(トラック交叉角α)をなす溝中心線Lを持つ。また、対をなす内輪20のトラック溝22と外輪10のトラック溝12は軸線Xに対して反対方向に角度(トラック交叉角度α)をなす。これにより、対をなす内輪20のトラック溝22と外輪10のトラック溝12との交叉部にボール30が組み込まれている。内輪20と外輪10の間にケージ40が配置され、ボール30はケージ40のポケット42内に収容されている。
この等速自在継手では、自動車に衝撃が生じたとき、その衝撃を受けたプロペラシャフトのスタブシャフトを介して、内輪20、ボール30およびケージ40からなる内部部品が外輪10に対して軸方向にスライド移動しようとする。このスライド移動により、トランスミッションとディファレンシャルとの間の軸方向変位が吸収され、ディファレンシャルを介して車体に入力する衝撃力が低減され、車体に生じる衝撃が大幅に低減して安全性が向上する。
この等速自在継手では、対をなす内輪20のトラック溝22と外輪10のトラック溝12が互いに軸方向で反対方向に角度(トラック交叉角度α)をなしている構造上、継手内部のすきまを締め代で設定する関係上、継手内部での構成部品、特に内輪20のトラック溝22と外輪10のトラック溝12で高精度が要求される。このように、内輪20のトラック溝22と外輪10のトラック溝12を高精度に仕上げ加工するため、内外輪20,10のトラック溝22,12を熱処理後に研削または焼入れ鋼切削による仕上げ加工を行うようにしている。
そこで、この実施形態における等速自在継手では、両トラック溝22,12を熱処理後の研削または焼入れ鋼切削により仕上げ加工する時、その加工時間の短縮化を図るため、内輪20のトラック溝22を以下のような形状とした。図5は内輪20の球面状外周面24に形成された一つのトラック溝22を径方向外側から見た部分拡大図であり、図4に示された二つのトラック溝22のうちの一方(図示右側)のトラック溝22を示す。
この実施形態では、図3および図4に示すように、内輪20のトラック溝22の軸方向に沿う両側縁部、つまり、トラック溝22と球面状外周面24との境界部位の軸方向中央領域Mに、トラック溝22の仕上げ加工時に加工治具(研削砥石または切削カッター)が非接触となる逃げ部28を形成している。この逃げ部28の具体的な形状としては、図6(a)に示すようにトラック溝22の周方向外側に向けて拡開する段差形状を有する逃げ部28a、同図(b)に示すようにトラック溝22の周方向外側に向けて拡開するテーパ形状を有する逃げ部28b、同図(c)に示すようにトラック溝22の周方向外側に向けて拡開する曲線形状を有する逃げ部28cが可能である。また、これら逃げ部28は、機械加工あるいは鍛造成形により形成することが可能である。
ここで、このクロスグルーブ型等速自在継手における内輪20のトラック溝22は、球面状外周面24に対して軸方向に沿って直線状に形成されていることから、軸方向中央領域Mで最も深く、その軸方向中央領域Mから軸方向両端領域Nへ向けて漸次浅くなっていく形状となっている。この等速自在継手におけるトルク伝達の負荷容量は、トラック溝22が浅い軸方向両端領域Nで決まることから、トラック溝22が浅い軸方向両端領域Nでの溝深さを確保しておけば、トラック溝22が深い軸方向中央領域Mでは負荷容量が十分に確保される。
そこで、トラック溝22の仕上げ加工時に加工治具が非接触となる逃げ部28を、トラック溝22の軸方向に沿う両側縁部の軸方向中央領域Mに形成することにより、負荷容量を低下させない範囲で、トラック溝22の仕上げ加工時に加工治具が接触する領域を減少させることができ、その仕上げ加工時間の短縮化および加工治具の長寿命化が図れてトラック溝22の仕上げ加工性を向上させることができる。
前述した実施形態では、トラック溝22の仕上げ加工時に加工治具が非接触となる逃げ部28を、トラック溝22の両側縁部の軸方向中央領域Mに形成した場合について説明したが、等速自在継手の使用条件によっては、図7および図8(a)〜(c)に示す他の実施形態も可能である。図8(a)は図7のA1−A1線に沿う断面図、図8(b)は図7のB1−B1線に沿う断面図、図8(c)は図7のC1−C1線に沿う断面図である。
ここで、等速自在継手の使用条件とは、例えば継手のスライド範囲内におけるトラック溝22の使用頻度などがある。つまり、トラック溝22において、軸方向中央領域Mも軸方向両端領域Nも満遍なく使用される場合には、図7に示すトラック溝22の形状が有効である。
この実施形態では、トラック溝22の仕上げ加工時に加工治具が非接触となる逃げ部28dを、トラック溝22の両側縁部の軸方向中央領域Mだけでなく軸方向両端領域Nを含めた軸方向全領域M,Nに亘って形成している。この場合、トラック溝22の深さは、軸方向中央領域Mおよび軸方向両端領域Nにおいて溝中心線Lを基準とする左右で同一にすることが有効である(図中の破線参照)。
例えば、トラック溝22の軸方向両端領域Nに逃げ部28dを形成しない場合、その軸方向両端領域Nでのトラック溝22の深さは、溝中心線Lを基準とする左右で異なっている〔図8(a)に示すA1−A1断面位置では図示左側でトラック溝22が深く、図示右側でトラック溝22が浅くなり、また、図8(c)に示すC1−C1断面位置では図示左側でトラック溝22が浅く、図示右側でトラック溝22が深くなる〕。
ここで、トルク伝達における負荷容量はトラック溝22の浅い側で決まることから、トラック溝22の深い側に位置する片側縁部は継手の性能および耐久性に関与しない。そのため、トラック溝22の両側縁部の軸方向中央領域Mだけでなく軸方向両端領域Nまで逃げ部28dを形成する場合には、トラック溝22の深さを、図8(a)〜(c)の破線で示すように溝中心線Lを基準とする左右で同一とする〔図8(a)に示すA1−A1断面位置では図示左側で逃げ部28dが深く、図示右側で逃げ部28dが浅くなり、また、図8(c)に示すC1−C1断面位置では図示左側で逃げ部28dが浅く、図示右側で逃げ部28dが深くなる〕ことが有効である。このようにすれば、トラック溝22の仕上げ加工時に加工治具が接触する領域をより一層減少させることができる。
また、逃げ部28dをトラック溝22の軸方向全領域M,Nに亘って形成する場合、前述の実施形態では、そのトラック溝22は、軸方向全領域M,Nに亘って一定の深さとしたが、等速自在継手の使用条件によっては、図9および図10(a)〜(c)に示す他の実施形態も可能である。図10(a)は図9のA2−A2線に沿う断面図、図10(b)は図9のB2−B2線に沿う断面図、図10(c)は図9のC2−C2線に沿う断面図である。
ここで、等速自在継手の使用条件とは、前述したように、継手のスライド範囲内におけるトラック溝22の使用頻度などがあるが、トラック溝22において、主に軸方向中央領域Mが使用されて軸方向両端領域Nがあまり使用されない場合には、図9に示すトラック溝22の形状が有効である。
この実施形態では、トラック溝22の仕上げ加工時に加工治具が非接触となる逃げ部28eを、トラック溝22の両側縁部の軸方向全領域M,Nに亘って形成しているが、前述の実施形態と異なり、トラック溝22は、軸方向中央領域Mで最も深く〔図10(b)参照〕、その軸方向中央領域Mから軸方向両端領域Nへ向けて漸次浅くしている〔図10(a)(c)参照〕。なお、この場合も、前述した図8(a)〜(c)の場合と同様、トラック溝22の深さを、図9に示すように軸方向中央領域Mおよび軸方向両端領域Nにおいて溝中心線Lを基準とする左右で同一としている〔図10(a)〜(c)参照〕。
なお、以上で説明した実施形態では、クロスグルーブ型等速自在継手に適用した場合を例示したが、このクロスグルーブ型等速自在継手と同様に、球面状外周面に直線状トラック溝を形成した内輪を構成要素として有する摺動式等速自在継手の一つであるダブルオフセット型等速自在継手にも適用可能である。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
10 外側継手部材(外輪)
12 トラック溝
20 内側継手部材(内輪)
22 トラック溝
24 球面状外周面
30 ボール
40 保持器
28(28a〜28e) 逃げ部
M 軸方向中央領域
N 軸方向両端領域
12 トラック溝
20 内側継手部材(内輪)
22 トラック溝
24 球面状外周面
30 ボール
40 保持器
28(28a〜28e) 逃げ部
M 軸方向中央領域
N 軸方向両端領域
Claims (9)
- 軸方向に延びる複数の直線状トラック溝が円筒状内周面に形成された外側継手部材と、その外側継手部材のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数の直線状トラック溝を球面状外周面に形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材の円筒状内周面と内側継手部材の球面状外周面との間に介在してボールを保持するケージとを備えた摺動式等速自在継手において、
前記内側継手部材のトラック溝は、その軸方向に沿う両側縁部の少なくとも軸方向中央領域に、トラック溝の仕上げ加工時に加工治具が非接触となる逃げ部が形成されていることを特徴とする摺動式等速自在継手。 - 前記逃げ部は、前記トラック溝の両側縁部の軸方向全領域に亘って形成され、前記トラック溝の深さを、溝中心線を基準とする左右で同一とした請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
- 前記トラック溝は、軸方向全領域に亘って一定の深さを有する請求項1又は2に記載の摺動式等速自在継手。
- 前記トラック溝は、軸方向中央領域で最も深く、その軸方向中央領域から軸方向両端領域へ向けて漸次浅くなっている請求項1又は2に記載の摺動式等速自在継手。
- 前記逃げ部は、トラック溝の周方向外側に向けて拡開する段差形状とした請求項1〜4のいずれか一項に記載の摺動式等速自在継手。
- 前記逃げ部は、トラック溝の周方向外側に向けて拡開するテーパ形状とした請求項1〜4のいずれか一項に記載の摺動式等速自在継手。
- 前記逃げ部は、トラック溝の周方向外側に向けて拡開する曲線形状とした請求項1〜4のいずれか一項に記載の摺動式等速自在継手。
- 前記逃げ部は、機械加工あるいは鍛造成形により形成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の摺動式等速自在継手。
- 前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝とは、軸線に対して互いに反対方向に角度をなす溝中心線を有し、両トラック溝の交叉部に前記ボールが組み込まれている請求項1〜8のいずれか一項に記載の摺動式等速自在継手。
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