JP2011208674A - 等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手 Download PDF

Info

Publication number
JP2011208674A
JP2011208674A JP2010074534A JP2010074534A JP2011208674A JP 2011208674 A JP2011208674 A JP 2011208674A JP 2010074534 A JP2010074534 A JP 2010074534A JP 2010074534 A JP2010074534 A JP 2010074534A JP 2011208674 A JP2011208674 A JP 2011208674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
track groove
joint member
track
constant velocity
velocity universal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010074534A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Ishijima
実 石島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2010074534A priority Critical patent/JP2011208674A/ja
Publication of JP2011208674A publication Critical patent/JP2011208674A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Forging (AREA)

Abstract

【課題】ガタ打ち音の発生を抑えることができ、しかも、動力源の不安定なトルク出力時の振動を低減し、さらには強度的に優れ、耐久性を有する等速自在継手を提案する。
【解決手段】外側継手部材13のトラック溝12と内側継手部材16のトラック溝15とにおいて、トルク伝達ボール17の半径をRとしたときに、1.15R<r<2.0Rとなる曲率半径rのトラック溝底部35、38を設ける。各トラック溝12、l5においてはトラック溝底部35、38からトラック溝開口側に向かって徐々に拡大する傾斜面状となるトラック溝開口部36、36、39、39を設ける。トラック溝開口部36、39の曲率半径をr1としたときに、1.00R<r1<1.15Rとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用される等速自在継手に関する。
等速自在継手には、ツェッパ型(BJ)やアンダーカットフリー型(UJ)等の固定型等速自在継手、ダブルオフセット型(DOJ)やクロスグローブ型(LJ)等の摺動型等速自在継手がある。
ツェッパタイプの固定型等速自在継手は、内球面に複数のトラック溝が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された外側継手部材と、外球面に外側継手部材のトラック溝と対をなす複数のトラック溝が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外側継手部材の内球面と内側継手部材の外球面との間に介在してボールを保持するケージとを備えている。
このような等速自在継手において、従来には、温度上昇の抑制、耐久性、回転バランス性能、NVH性能の向上等を図ることができるものが種々提案されている(特許文献1〜特許文献3)。
特許文献1では、少なくとも3組のトラックを、対向間隔が一定する第1案内面と、その両端に連続する一対の円弧状第2案内面とでボール転走面を形成するオフセットサーキュラーコンタクトトラックとし、各トラックとボールとの間に略等しい円周方向すきまを設けたものである。また、オフセットサーキュラーコンタクトトラックのそれぞれに半径方向の予圧を付与しているものである。
特許文献2では、少なくとも3組のアンギュラコンタクトトラックを、円周方向中央部に対向間隔が一定するボール案内面と、そのボール案内面の周方向両端にボールに対してアンギュラコンタクトされる一対の相反する方向に傾斜するボール転走面をボールとの間にトラックのすきまを設けて形成したものである。これによって、アンギュラコンタクトトラックは、オフセットアンギュラコンタクトトラックとしている。また、オフセットアンギュラコンタクトトラックに半径方向の予圧を付与しているものである。
特許文献3では、外輪側サーキュラコンタクトトラックおよび内輪側サーキュラコンタクトトラックの周方向中央部に対向間隔が一定するボール案内面を形成する。そして、そのサーキュラコンタクトトラックとアンギュラコンタクトトラックに半径方向の与圧を付与し、サーキュラコンタクトトラックとアンギュラコンタクトトラックのボールに対する円周方向トラックすきまを略等しくしたものである。
実開平4-116018号公報 実開平3-105724号公報 実開平4-105725号公報
しかしながら、前記特許文献1〜特許文献3に記載の構造のものでは、回転方向ガタの低減が困難であり、ショックトルク入力時など、ガタ打ち音の発生が懸念される。また、自動車における動力源の低トルク領域における不安定なトルク出力特性に起因して、車両の振動が発生することがある。
本発明の課題は、ガタ打ち音の発生を抑えることができ、しかも、動力源の不安定なトルク出力時の振動を低減し、さらには強度的に優れ、耐久性を有する等速自在継手を提案する。
本発明の等速自在継手は、内径面にトラック溝を形成した外側継手部材と、外径面にトラック溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝とこれに対応する内側継手部材のトラック溝とが協働して形成されるトルク伝達ボールトラックに配設されるトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持するケージとを備えた等速自在継手であって、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との少なくとも一方において、前記トルク伝達ボールの半径をRとしたときに、1.15R<r<2.0Rとなる曲率半径rのトラック溝底部を設け、かつ、トラック溝底部からトラック溝開口側に向かって徐々に拡大する傾斜面状となるトラック溝開口部を設け、トラック溝開口部の曲率半径をr1としたときに、1.00R<r1<1.15Rとしたものである。
本発明の等速自在継手は、トラック溝底部におけるボール接触領域では、曲率半径はボールの半径よりも大きく、トルク変動による接触位置変化を大きくできて、動力源で発生する角速度変動やトルク変動を継手内部で吸収することができる。また、トラック溝開口部では、曲率半径がボールの半径に近似しているので、大トルクが負荷されて、トラック溝開口部でボールと接触する場合における面圧低減ができる。
無負荷時において、外側継手部材のトラック溝とトルク伝達ボール、および内側継手部材のトラック溝とトルク伝達ボールがそれぞれ接触するトラックすきまとすることができる。また、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との少なくとも一方が、熱処理後における仕上加工が施されていても、鍛造成形後の熱処理のままであってもよい。
外側継手部材における内径面とトラック溝との境界部と、内側継手部材における外径面とトラック溝との境界部とにそれぞれアール状のトラックチャンファを形成するのが好ましく、外側継手部材および内側継手部材におけるトラック溝と前記トラックチャンファとは、それぞれ、鍛造成形時の同時成形であるのが好ましい。
等速自在継手として、トラック溝底が円弧部のみであるツェッパ型やトラック溝底が円弧部及び直線部とからなるアンダーカットフリー型の固定式等速自在継手であってもよい。
また、等速自在継手として、外側継手部材の内径面が円筒形状であって、そのトラック溝が軸方向に延び、内側継手部材の内径面が球面形状であって、そのトラック溝が軸方向に延び、ケージの球面状外周面の曲率半径中心と球面状内周面の曲率半径中心を、継手中心を挟んで軸方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットさせたダブルオフセット型の摺動式等速自在継手であってもよい。
さらに、等速自在継手として、軸線に対して互いに逆方向に傾斜したトラック溝を円周方向に交互に形成した内周面を有する外側継手部材と、軸線に対して互いに逆方向に傾斜したトラック溝を円周方向に交互に形成した外周面を有する内側継手部材と、軸線に対して互いに逆方向に傾斜した内側継手部材のトラック溝と外側継手部材のトラック溝との交差部に組み込んだトルク伝達ボールとを備えたクロスグローブ型の摺動式等速自在継手であってもよい。
自動車用駆動軸のアウトボード側の等速自在継手及びインボード側の等速自在継手の少なくも一方に用いることができ、自動車のプロペラシャフト用等速自在継手に用いることができる。
トルク伝達ボールは3個〜10個であるのが好ましい。
本発明の等速自在継手では、動力源の低トルク領域で発生する角速度変動やトルク変動を継手内部で吸収して、タイヤ側への伝達(車体の振動)を低減することが出来る。また、トラック溝開口部でボールと接触する場合における面圧低減ができ、高い耐久性を確保できる。トラック溝とボールが常に接触する構造とすることで、ガタ打ち音の発生を抑制することが可能となる。
トラック溝が、熱処理後における仕上加工が施されているものであれば、ボールの転動を滑らかに行うことができ、鍛造成形後の熱処理のままであれば、旋削加工や研削加工を省略することができて、加工性に優れる。
トラック溝との境界部にアール状のトラックチャンファを形成するものでは、高トルク負荷時のボールとの接触楕円のはみ出しによる応力集中を緩和することができる。これによって、より高い耐久性を確保することが可能となる。
トルク伝達ボールが3個〜10個であればよいので、設計自由度が大となって、設計性に優れる。また、種々のタイプの等速自在継手に対応することができる。
本発明の第1の固定型等速自在継手の要部拡大簡略断面図である。 前記固定型等速自在継手の外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝の簡略断面図である。 トラック溝の変形例を示す簡略断面図である。 前記固定型等速自在継手の断面図である。 前記固定型等速自在継手の外側継手部材のトラック溝の簡略展開図である。 本発明の第2の固定型等速自在継手の断面図である。 本発明の第1の摺動型等速自在継手の断面図である。 前記図7に示す摺動型等速自在継手の内部部品を示す断面図である。 本発明の第2の摺動型等速自在継手の断面図である。 前記摺動型等速自在継手の正面図である。 前記摺動型等速自在継手のトラック溝の展開図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図4は本発明の等速自在継手であるツェッパ型の固定式等速自在継手を示している。この等速自在継手は、内径面11に複数のトラック溝12が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された外側継手部材13と、外径面14に外側継手部材13のトラック溝12と対をなす複数のトラック溝15が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された内側継手部材16と、外側継手部材13のトラック溝12と内側継手部材16のトラック溝15とが協働して形成されるボールトラックにそれぞれ配されたトルク伝達ボール17と、外側継手部材13の内径面11と内側継手部材16の外径面14との間に介在してボール17を保持するケージ18とを備えている。
また、内側継手部材16はシャフト嵌入用孔部19が設けられ、このシャフト嵌入用孔部19の内径面に雌スプライン23が形成されている。内側継手部材16のシャフト嵌入用孔部19にシャフト25の端部雄スプライン25aが嵌入され、この端部雄スプライン25aが内側継手部材16の雌スプライン23に嵌合する。なお、端部雄スプライン25aの端部には周方向溝26が設けられ、この周方向溝26に止め輪27が装着されている。
外側継手部材13において、図5に示すように、開口縁全周に沿って形成される入口チャンファ(カップ入口チャンファ)30が形成され、内径面11とトラック溝12との境界部には、トラックチャンファ31が形成され、トラック溝12とカップ入口チャンファ30との境界部にはトラック入口チャンファ32が形成されている。
また、内側継手部材16において、外径面14とトラック溝15との境界部とにトラックチャンファ33(図3参照)が形成される。
外側継手部材13のトラック溝12を、図1と図2に示すように、トラック溝底側の傾斜が小さいトラック溝底部35と、トラック溝開口側の除々に傾斜が大きくなるトラック溝開口部36,36とに分離している。すなわち、トラック溝底部35においては、ボール17の半径をRとし、トラック溝底部35の曲率半径をrとしたときに、1.15R<r<2.0Rとする。
トラック溝開口部36においては、トラック溝底側からトラック溝開口側に向かって傾斜が大きくなるように曲率を変化させている。ボール17の半径をRとし、トラック溝開口部36,36の曲率半径をr1としたときに、1.00R<r1<1.15Rとする。
ところで、外側継手部材13においては、トラック溝12、入口チャンファ(カップ入口チャンファ)30、トラックチャンファ31、及びトラック入口チャンファ32が冷間鍛造仕上げにより形成される。特に、外側継手部材13のトラック溝12とトラック入口チャンファ32とを同時冷間鍛造仕上げにより形成し、外側継手部材13のトラック溝12とトラックチャンファ31を同時冷間鍛造仕上げにより形成する。
ところで、外側継手部材13の鍛造仕上げには、既設の製造装置(例えば、特開2009−185933号公報に開示された製造装置等)にて行うことができる。この場合、複数の分割パンチのトラック溝形成部の形状を、単純アールトラック形状部35と楕円トラック形状部36,36とを形成することができる形状に変更すればよい。
また、内側継手部材16においても、トラック溝15とトラックチャンファ33とは同時冷間鍛造仕上げにより形成する。内側継手部材16の鍛造仕上げには、既設の製造装置(例えば、特開2007−260698号公報に開示された製造装置等)にて行うことができる。この場合、ダイスのトラック溝形成部の形状を、単純アールトラック形状部38と楕円トラック形状部39,39とを形成することができる形状に変更すればよい。
また、各トラック溝12,15の内面は熱処理が施される。この熱処理は表面硬化処理であり、浸炭焼入焼戻し処理であっても、表面硬化処理が高周波焼入焼戻し処理であってもよい。高周波焼入れ焼戻し処理は、高周波誘導加熱を利用して被加熱物の表面を焼入れ温度まで急速加熱し、さらに急速冷却することにより表面層に焼入れ硬化層を作る処理である。耐摩耗性を向上させ、機械的性質を高めることができる。また、浸炭焼入処理とは、低炭素材料の表面から炭素を浸入/拡散させ、その後に焼入れを行う処理である。鋼の場合、炭素濃度の高い表面付近は硬くて圧縮の残留応力をもち、また炭素濃度の低い内部は、じん性の高い低炭素マルテンサイトとなる。これにより、強靭で耐摩耗の高い特性を与えることができる。このような焼入処理を行うことによって、形成される外側継手部材の耐久性の向上を図ることができる。
このような熱処理後においては、旋削加工や研削加工等による仕上加工が施されていても、鍛造成形後の熱処理のままであってもよい。トラック溝12,15が、熱処理後における仕上加工が施されているものであれば、ボール17の転動を滑らかに行うことができ、鍛造成形後の熱処理のままであれば、旋削加工や研削加工を省略することができて、加工性に優れる。
ところで、前記等速自在継手では、無負荷時においても、外側継手部材13のトラック溝12とトルク伝達ボール17、及び内側継手部材16のトラック溝15とトルク伝達ボール17が接触するトラックすきま(PCDすきま)とする。すなわち、トラックすきま(PCDすきま)を0とする。この場合、僅かに締代としてもよい。外側継手部材13と内側継手部材16のトラックPCD寸法による組み合わせと、ボール寸法にて、組み合わせ調整することになる。
本発明の等速自在継手は、トラック溝底部35、38におけるボール接触領域では、トルク変動による接触位置変化を大きくでき、動力源で発生する角速度変動やトルク変動を継手内部で吸収することができる。これによって、タイヤ側への伝達(車体の振動)を低減することが出来る。また、トラック溝開口部36,39では、曲率半径がボール17の半径に近似しているので、大トルクが負荷されて、トラック溝開口部36,39でボール17と接触する場合における面圧低減ができる。これによって、高い耐久性を確保できる。
ところで、トラック溝底部35、38において、曲率半径rが1.15R以下であれば、曲率半径rが小さすぎて、ボール17の半径に近似してトルク変動による接触位置変化を大きくでず、曲率半径rが2.0R以上であれば、曲率半径rが大きすぎて、トラック溝幅が大きくなる。また、トラック溝開口部36,39において、曲率半径rが1.00R以下であれば、曲率半径rがボール17の半径よりも小さすぎて、ボール17の滑らかな転動が損なわれ、曲率半径rが1.15R以上であれば、曲率半径rが大きくなりすぎて面圧低減を図ることができない。
無負荷時において、外側継手部材13のトラック溝12とトルク伝達ボール17、および内側継手部材16のトラック溝15とトルク伝達ボール17がそれぞれ接触するトラックすきまとすることによって、トラック溝12、15とボール17が常に接触する構造となる。これによって、ガタ打ち音の発生を抑制することが可能となる。
前記等速自在継手においては、図3に示すように、外側継手部材13における内径面11とトラック溝12との境界部と、内側継手部材16における外径面14とトラック溝15との境界部とにそれぞれアール状のトラックチャンファ31、33を形成するのが好ましい。
このようにトラックチャンファ31、33を設けることによって、高トルク負荷時のボール17との接触楕円のはみ出しによる応力集中を緩和することができる。これによって、より高い耐久性を確保することが可能となる。
次に、図6はアンダーカットフリータイプの固定式等速自在継手であって、この等速自在継手は、内球面(内径面)41に複数のトラック溝42が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された外側継手部材43と、外球面44に外側継手部材43のトラック溝42と対をなす複数のトラック溝45が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された内側継手部材46と、外側継手部材43のトラック溝42と内側継手部材46のトラック溝45との間に介在してトルクを伝達する複数のボール47と、外側継手部材43の内球面41と内側継手部材46の外球面44との間に介在してボール47を保持するケージ48とを備えている。ケージ48には、ボール47が収容されるポケット49が周方向に沿って複数配設されている。
また、外側継手部材43のトラック溝42は、奥側が円弧部42aとされ、開口側が直線部42bとされる。内側継手部材46のトラック溝45は、奥側が直線部45aとされ、開口側が円弧部45bとされる。内側継手部材46のトラック溝45の曲率中心O1および外側継手部材43のトラック溝42の曲率中心O2は、継手中心Oに対して等距離F、Fだけ軸方向に逆向きにオフセットされている。
この場合も、トラック溝42、45は図1と図2に示すように、トラック溝底側にトラック溝底部35、38を形成するとともに、トラック溝開口側のトラック溝開口部36,36、39,39を備えるものである。
さらには、外側継手部材43において、開口縁全周に沿って形成される入口チャンファ(カップ入口チャンファ)50が形成され、内径面41とトラック溝42との境界部には、トラックチャンファが形成され、トラック溝42とカップ入口チャンファ50との境界部にはトラック入口チャンファが形成されている。また、内側継手部材46において、外径面44とトラック溝45との境界部とにトラックチャンファが形成される。
この場合も、トラック溝42、入口チャンファ(カップ入口チャンファ)、トラックチャンファ、及びトラック入口チャンファ、外側継手部材43の開口端面43aが冷間鍛造仕上げにより形成される。特に、外側継手部材43のトラック溝42とトラック入口チャンファとを同時冷間鍛造仕上げにより形成し、外側継手部材43のトラック溝42とトラックチャンファ、内側継手部材46のトラック溝45とトラックチャンファを同時冷間鍛造仕上げにより形成する。
次に、図7はダブルオフセットタイプの摺動式等速自在継手を示し、この等速自在継手は、外側継手部材110と、内側継手部材120と、トルク伝達要素としてのボール130と、ボール130を保持するケージ132とを主要な構成要素とする摺動式等速自在継手である。
外側継手部材110は、円筒形状の内周面(内径面)112を有し、その円周方向に等間隔で、軸方向に延びるトラック溝114が形成してある。ここでは外側継手部材110はフランジタイプであって、一体に形成したフランジ116を介して当該継手で連結すべき2軸の一方(駆動軸または従動軸)とトルク伝達可能に接続するようになっている。以下の説明では、外側継手部材110のフランジ116側(図7では右側)を外側継手部材奥側、その反対側(図7では左側)を外側継手部材入口側と呼ぶこととする。フランジタイプの外側継手部材110は両端で開口しているため、内部にグリースを充填する必要上、外側継手部材奥側の開口部にキャップ118が装着してある。なお、セレーション軸を形成したステム部をもったタイプの外側継手部材もある。
内側継手部材120は球面状の外周面(外径面)122を有し、その円周方向に等間隔で、軸方向に延びるトラック溝124が形成してある。内側継手部材120は、軸心部分に形成したセレーション孔126を介して、当該継手で連結すべき2軸のもう一方(従動軸または駆動軸)とトルク伝達可能に接続するようになっている。
外側継手部材110のトラック溝114と内側継手部材120のトラック溝124は対をなし、各対のトラック溝114、124間に1個のボール130が組み込んである。ボールの数は任意であるが、一般に6または8個のボール130が使用され、すべてのボール130はケージ132により同一平面内に保持される。
ケージ132は、ボール130を収容するためのポケット134が円周方向に所定間隔で形成してある。ケージ132の外周面136は外側継手部材110の内周面(内径面)112と接する凸球面部分を有し、ケージ132の内周面138は内側継手部材120の外周面122と接する凹球面部分を有する。外周面136の凸球面部分の球面中心と内周面138の凹球面部分の球面中心は、継手中心Oを挟んで軸方向両側に等距離だけオフセットさせてある。ポケット134は、ボール中心の軸方向の位置が、ケージ132の外周面136の凸球面部分の球面中心から内周面138の凹球面部分の球面中心までの距離の二等分位置に配置されるように設定してある。
この場合も、トラック溝114、124は、図1と図2に示すように、トラック溝底側にトラック溝底部35、38を形成するとともに、トラック溝開口側のトラック溝開口部36,36、39,39を備えるものである。
さらには、外側継手部材110において、開口縁全周に沿って形成される入口チャンファ(カップ入口チャンファ)が形成され、内径面(内周面)112とトラック溝114との境界部には、トラックチャンファが形成され、トラック溝114とカップ入口チャンファとの境界部にはトラック入口チャンファが形成されている。また、内側継手部材120において、外径面122とトラック溝124との境界部とにトラックチャンファ33(図示省略)が形成される。
次に、図9〜図11にクロスグルーブ型等速自在継手の例を示す。クロスグルーブ型等速自在継手は、外側継手部材210と、内側継手部材220と、トルク伝達要素としてのボール230と、ボール230を保持するケージ232を主要な構成要素としている。
外側継手部材210はここではディスクタイプで、円筒形の内周面(内径面)212にトラック溝214a、214bが形成してある。外側継手部材210のトラック溝214a、214b間に位置するようにして、ボルト孔216が円周方向に等配してある。また、外側継手部材210の一方の端部にはエンドキャップ234が取り付けてあり、他方の端部にはブーツアダプタ236が取り付けてある。なお、外側継手部材は、ここに例示したディスクタイプのほか、フランジタイプやベルタイプもある。
内側継手部材220は略球面状の外周面222にトラック溝224a、224bが形成してある。内側継手部材220はスプライン孔を有し、破線で示すようにシャフトのスプライン軸とトルク伝達可能に嵌合するようになっている。
外側継手部材210の軸線に対して傾いたトラック溝214aと、外側継手部材210の軸線に対して前記トラック溝214aとは逆方向に傾いたトラック溝214bとが、円周方向に交互に配置してある。同様に、内側継手部材220の軸線に対して傾いたトラック溝224aと、軸線に対して前記トラック溝224aとは逆方向に傾いたトラック溝224bとが、円周方向に交互に配置してある。
図11を参照すると、軸線に対する各トラック溝214a、214b;224a、224bの交差角が符号βで表してある。互いに逆方向に傾いた外側継手部材210のトラック溝214aと内側継手部材220のトラック溝224aとが対をなし、両者のなす角を2βで表してある。同様に互いに逆方向に傾いた外側継手部材210のトラック溝214bと内側継手部材220のトラック溝224bとが対をなし、両者のなす角を2βで表してある。
対をなす外側継手部材210のトラック溝214aと内側継手部材220のトラック溝224aとの交差部および外側継手部材210のトラック溝214bと内側継手部材220のトラック溝224bとの交差部にそれぞれボール230が組み込んである。図10はボール230の数が6の場合を例示したものである。
この場合も、トラック溝214、224は、図1と図2に示すように、トラック溝底側にトラック溝底部35、38を形成するとともに、トラック溝開口側のトラック溝開口部36,36、39,39を備えるものである。
さらには、外側継手部材210において、開口縁全周に沿って形成される入口チャンファ(カップ入口チャンファ)が形成され、内径面(内周面)212とトラック溝214との境界部には、トラックチャンファが形成され、トラック溝214とカップ入口チャンファ30との境界部にはトラック入口チャンファが形成されている。また、内側継手部材220において、外径面222とトラック溝224との境界部とにトラックチャンファを形成される。
なお、図7から図11に示す各等速自在継手においても、トラック溝、入口チャンファ(カップ入口チャンファ)、トラックチャンファ、及びトラック入口チャンファ、外側継手部材の開口端面を冷間鍛造仕上げにより形成するのが好ましい。
このように、アンダーカットフリー型の固定式等速自在継手であっても、ダブルオフセットタイプの摺動式等速自在継手であっても、クロスグルーブタイプの摺動式等速自在継手であっても、前記図1に示すツェッパタイプの固定式等速自在継手と同様の作用効果を奏する。このように、本発明は、種々のタイプの等速自在継手に対応することができる。このため、自動車用駆動軸のアウトボード側の等速自在継手及びインボード側の等速自在継手の少なくも一方に用いたり、自動車のプロペラシャフト用等速自在継手に用いたりすることができる。なお、自動車等の車両に組付けた状態で車両の外側となる方をアウトボード側、自動車等の車両に組付けた状態で車両の内側となる方をインボード側という。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、前記実施形態では、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝とにおいて、トラック溝底部とトラック溝開口部を有するものとしたが、外側継手部材のトラック溝をトラック溝底部とトラック溝開口部を有するものとし、内側継手部材のトラック溝をこのようなトラック溝底部とトラック溝開口部を有さない単一アール形状としたり、内側継手部材のトラック溝をトラック溝底部とトラック溝開口部を有するものとし、外側継手部材のトラック溝をこのようなトラック溝底部とトラック溝開口部を有さない単一アール形状としたりしてもよい。また、チャンファのアール部の曲率半径としては、トラック溝と内径面(又は外径面)とが滑らかに連続するものであれば種々変更することができる。
11 内径面
12、15 トラック溝
13 外側継手部材
14 外径面
16 内側継手部材
17 トルク伝達ボール
18 ケージ
31、33 トラックチャンファ
35,38 トラック溝底部
36,39 トラック溝開口部
41 内球面(内径面)
42、45 トラック溝
42a 円弧部
42b 直線部
43 外側継手部材
44 外径面(外球面)
45b 円弧部
45a 直線部
46 内側継手部材
47 ボール
48 ケージ
110 外側継手部材
112 内径面
114、124 トラック溝
120 内側継手部材
122 外径面(外周面)
130 ボール
132 ケージ
136 外周面
138 内周面
210 外側継手部材
212 内径面
214a、214b トラック溝
220 内側継手部材
222 外径面(外周面)
224a、224b トラック溝
230 ボール
232 ケージ

Claims (13)

  1. 内径面にトラック溝を形成した外側継手部材と、外径面にトラック溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝とこれに対応する内側継手部材のトラック溝とが協働して形成されるトルク伝達ボールトラックに配設されるトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持するケージとを備えた等速自在継手であって、
    外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との少なくとも一方において、前記トルク伝達ボールの半径をRとしたときに、1.15R<r<2.0Rとなる曲率半径rのトラック溝底部を設け、かつ、トラック溝底部からトラック溝開口側に向かって徐々に拡大する傾斜面状となるトラック溝開口部を設け、トラック溝開口部の曲率半径をr1としたときに、1.00R<r1<1.15Rとしたことを特徴とする等速自在継手。
  2. 無負荷時において、外側継手部材のトラック溝とトルク伝達ボール、および内側継手部材のトラック溝とトルク伝達ボールがそれぞれ接触するトラックすきまとしたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との少なくとも一方が、熱処理後における仕上加工が施されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手。
  4. 外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との少なくとも一方が、鍛造成形後の熱処理のままであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手。
  5. 外側継手部材における内径面とトラック溝との境界部と、内側継手部材における外径面とトラック溝との境界部とにそれぞれアール状のトラックチャンファを形成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  6. 外側継手部材および内側継手部材におけるトラック溝と前記トラックチャンファとは、それぞれ、鍛造成形時の同時成形であることを特徴とする請求項6に記載の等速自在継手。
  7. トラック溝底が円弧部のみであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  8. トラック溝底が円弧部及び直線部とからなることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  9. 外側継手部材の内径面が円筒形状であって、そのトラック溝が軸方向に延び、内側継手部材の内径面が球面形状であって、そのトラック溝が軸方向に延び、ケージの球面状外周面の曲率半径中心と球面状内周面の曲率半径中心を、継手中心を挟んで軸方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットさせたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  10. 軸線に対して互いに逆方向に傾斜したトラック溝を円周方向に交互に形成した内周面を有する外側継手部材と、軸線に対して互いに逆方向に傾斜したトラック溝を円周方向に交互に形成した外周面を有する内側継手部材と、軸線に対して互いに逆方向に傾斜した内側継手部材のトラック溝と外側継手部材のトラック溝との交差部に組み込んだトルク伝達ボールとを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  11. 自動車用駆動軸のアウトボード側の等速自在継手及びインボード側の等速自在継手の少なくも一方に用いたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  12. 自動車のプロペラシャフト用等速自在継手に用いたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  13. トルク伝達ボールが3個〜10個のいずれかであることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の等速自在継手。
JP2010074534A 2010-03-29 2010-03-29 等速自在継手 Pending JP2011208674A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010074534A JP2011208674A (ja) 2010-03-29 2010-03-29 等速自在継手

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010074534A JP2011208674A (ja) 2010-03-29 2010-03-29 等速自在継手

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011208674A true JP2011208674A (ja) 2011-10-20

Family

ID=44939956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010074534A Pending JP2011208674A (ja) 2010-03-29 2010-03-29 等速自在継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011208674A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3055582A4 (en) * 2013-11-13 2017-08-09 Steering Solutions IP Holding Corporation Improved torque-transmitting joint and joint components, methods of manufacturing, and methods of inspection

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3055582A4 (en) * 2013-11-13 2017-08-09 Steering Solutions IP Holding Corporation Improved torque-transmitting joint and joint components, methods of manufacturing, and methods of inspection

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070037626A1 (en) Constant velocity universal joint and inner member thereof
WO2009145034A1 (ja) 固定型等速自在継手
US20120329564A1 (en) Tripod constant velocity universal joint
JP2011236976A (ja) 等速自在継手
JP2007064264A (ja) 固定型等速自在継手
JP5355876B2 (ja) 等速自在継手
CN101466958A (zh) 等速万向接头
EP2749783B1 (en) Constant velocity universal joint and method for producing same
JP2011208674A (ja) 等速自在継手
JP2005180641A (ja) 等速自在継手および等速自在継手の外輪の製造方法
WO2023032631A1 (ja) トリポード型等速自在継手
JP5085465B2 (ja) トリポード型等速自在継手
WO2022202421A1 (ja) トリポード型等速自在継手
JP2009250266A (ja) トリポード型等速自在継手
JP2007170423A (ja) 等速自在継手及びその内方部材
JP2009191901A (ja) 等速自在継手のケージ、プロペラシャフトアッセンブリー、およびドライブシャフトアッセンブリー
JP2007162874A (ja) 等速自在継手及びその内方部材
JP6433689B2 (ja) 摺動式等速自在継手
JP2009085327A (ja) しゅう動式等速自在継手およびその外側継手部材
JP4920469B2 (ja) 等速自在継手用ケージおよび等速自在継手用ケージの製造方法
JP2022148776A (ja) トリポード型等速自在継手
JP2020159546A (ja) トリポード型等速自在継手
JP2010090937A (ja) トリポード型等速自在継手
KR100879631B1 (ko) 자동차용 등속 조인트
JP2007064265A (ja) 等速自在継手及びその内方部材