JP2010019269A - 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置およびその組立方法 - Google Patents

回転速度検出装置付き車輪用軸受装置およびその組立方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010019269A
JP2010019269A JP2008177518A JP2008177518A JP2010019269A JP 2010019269 A JP2010019269 A JP 2010019269A JP 2008177518 A JP2008177518 A JP 2008177518A JP 2008177518 A JP2008177518 A JP 2008177518A JP 2010019269 A JP2010019269 A JP 2010019269A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal
fitted
slinger
cover member
press
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008177518A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeaki Fukushima
茂明 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2008177518A priority Critical patent/JP2010019269A/ja
Priority to PCT/JP2009/002957 priority patent/WO2010004696A1/ja
Publication of JP2010019269A publication Critical patent/JP2010019269A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】磁気エンコーダを軸受外方から遮蔽して保護すると共に、検出部に異物が侵入するのを防止し、回転速度検出の信頼性および耐久性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置およびその組立方法を提供する。
【解決手段】シール板31の端部にカバー部材27が装着され、カバー部材27が非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑からプレス加工によって断面略L字状に形成され、シール板31に圧入される嵌合部27aと、この嵌合部27aから径方向内方に延びる円板状の遮蔽部27bとを有し、この遮蔽部27bが内輪6との間に僅かなすきまを介して対峙してラビリンスシールが形成され、外方部材4と内輪6との開口部を閉塞すると共に、磁気エンコーダ33の径方向内端部に環状凸部33aが形成され、カバー部材27の遮蔽部27bに僅かな軸方向すきまを介して対峙してラビリンスシールが構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承すると共に、この車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置、詳しくは、磁気エンコーダを軸受外方から遮蔽して保護すると共に、検出部に異物が侵入するのを防止した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置およびその組立方法に関するものである。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承すると共に、車輪の回転速度を検出し、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御する回転速度検出装置が軸受内部に内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が一般的に知られている。従来、このような車輪用軸受装置は、転動体を介して転接する内方部材および外方部材の間にシール装置が設けられ、円周方向に磁極を交互に並べてなる磁気エンコーダを前記シール装置に一体化させている。この磁気エンコーダに対面配置され、車輪の回転に伴う磁気エンコーダの磁極変化を検出する回転速度センサは、懸架装置を構成するナックルに車輪用軸受装置が装着された後、当該ナックルに装着されている。
このような回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一例として図10に示すような構造が知られている。この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、回転部材となる内輪101と、固定部材としての外輪102と、内外輪101、102間の環状の軸受内空間を密封する密封装置Mとを備えている。
この密封装置Mは、内輪101に固定される第一のシール部材104と、第一のシール部材104との間で接触シール領域Fを形成する第二のシール部材105と、第二のシール部材105を一体に固定し、この第二のシール部材105と共に外輪102に固定されるカバー部材121とで構成され、所謂パックシールとして提供されるものである。
第一のシール部材104は内輪101と共に回転するスリンガで、内輪101に嵌合固定される内径に形成された第一円筒部106と、この第一円筒部106から外輪102の方向に向けて径方向に延設される環状の第一円板部107を備えた断面略T字形状に形成されている。すなわち、第一円筒部106が、内輪101の外径端部領域で軸受内方に向けて所定長さ延設された位置で折り畳まれた状態に曲げ加工されてなり、その円筒部外径106aを構成する側から、外輪102の方向に向けて径方向に第一円板部107が延設されると共に、円筒部内径106bを構成する側から、内輪端面101aの方向に向けて径方向に位置決め用円板部108が一体に延設されている。第一のシール部材104の第一円板部107の側面には多極磁石エンコーダ109が加硫成形により一体に固着されている。
カバー部材121は、外輪102に内嵌される円筒部110と、この円筒部110から内輪101の方向に向けて径方向に延設された円板状の遮蔽部111と、この遮蔽部111の内径全域から延設された環状一体のシールリップ112とで構成されている。遮蔽部111は、軸受の端部領域Fを周方向全域に亙って覆い隠す程度の環状面部を有する円板状に形成されている。
磁気センサ103(図中二点鎖線にて示す)は、多極磁石エンコーダ109に向けて固定側(車体側)に配置されている。そして、遮蔽部111と多極磁石エンコーダ109とは可能な限り近接させ、磁気センサ103までの距離を可能な限り短くして磁気信号精度の信頼性を高めている。
シールリップ112は、遮蔽部111にゴム材料をもって加硫成形され、リップ基端側112aからリップ先端112bに向けてカバー部材121の内方に傾斜状に形成されている。そして、このシールリップ112が、第一のシール部材104の位置決め用円板部108に摺接して接触のシール領域113を形成している。
第二のシール部材105は、カバー部材121の円筒部110内径に嵌合固定され、カバー部材121と共に外輪102の内径端部領域に固定状態で配される第二円筒部114と、この第二円筒部114から径方向に延設される第二円板部115とからなる断面逆L字形状に形成されている芯金116と、この芯金116に加硫成形された弾性部材117とで構成されている。
弾性部材117は、ダストシールとして機能する第一リップ117aと、オイルシールとして機能する第二リップ117bと、第二円板部115から外輪102の方向に向けて傾斜状に突設され、ダストシールとして機能する第三リップ117cとを一体に有している。第一リップ117a、第二リップ117bは、第一のシール部材104の第一円筒部106の外径に接触し、そして、第三リップ117cは、第一のシール部材104の第一円板部107に接触し、それぞれ接触のシール領域118、119、120を形成している。
このような構成を採用することにより、多極磁石エンコーダ109は、カバー部材121によって遮蔽され、その磁極が軸受外方に露出しないように保護されているため、磁極面への塵埃等の付着が防止されると共に、各リップ117a、117b、117cによるシール領域も、軸受端部領域F内で径方向の制限を受けないため、シール性能を充分かつ容易に満たすことができる。
特開2007−292144号公報
然しながら、こうした従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置では、多極磁石エンコーダ109を軸受外方から遮蔽して保護するために、カバー部材121は、内輪101との間で接触のシール領域113を形成するシールリップ112を備えているため、すなわち、カバー部材121が、第一のシール部材104の位置決め用円板部108に摺接するシールリップ112を備えているため、シールの摺動トルクが増加することになる。また、このシールリップ112内に泥水が浸入した場合、シールリップ112によって反って排出され難い。
さらに、このシールリップ112を有するカバー部材121が第二のシール部材105と一体に加締固定されているため、第一のシール部材104を第二のシール部材105との位置関係を保ちながら直接押圧することはできない。したがって、多極磁石エンコーダ109とカバー部材121とのエアギャップを適切に管理しながら、確実にユニット化された密封装置Mを軸受に圧入固定することは困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、磁気エンコーダを軸受外方から遮蔽して保護すると共に、検出部に異物が侵入するのを防止し、回転速度検出の信頼性および耐久性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置およびその組立方法を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材とで形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、これらシールのうちインナー側のシールが、断面略L字状に形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる内径部とを有する芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、断面略L字状に形成され、前記内輪の外径に圧入される円筒部、およびこの円筒部から径方向外方に延びる立板部を有するスリンガとからなると共に、前記シール部材が、径方向外方に傾斜して延び、前記スリンガの立板部に摺接されるサイドリップと、前記スリンガの円筒部に摺接されるラジアルリップとを一体に有し、前記スリンガの立板部に接合された磁気エンコーダを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記外方部材または前記シール板のインナー側の端部にカバー部材が装着され、このカバー部材が、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑からプレス加工によって断面略L字状に形成され、前記外方部材または前記シール板に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる円板状の遮蔽部とを有し、この遮蔽部が前記内輪との間に僅かなすきまを介して対峙してラビリンスシールが形成され、前記外方部材と内輪との開口部を閉塞すると共に、当該カバー部材と前記スリンガとの間にシール手段が構成されている。
このように、インナー側のシールが、断面略L字状に形成され、外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる内径部とを有する芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、断面略L字状に形成され、内輪の外径に圧入される円筒部、およびこの円筒部から径方向外方に延びる立板部を有するスリンガとからなると共に、シール部材が、径方向外方に傾斜して延び、スリンガの立板部に摺接されるサイドリップと、スリンガの円筒部に摺接されるラジアルリップとを一体に有し、スリンガの立板部に接合された磁気エンコーダを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、外方部材またはシール板のインナー側の端部にカバー部材が装着され、このカバー部材が、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑からプレス加工によって断面略L字状に形成され、外方部材またはシール板に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる円板状の遮蔽部とを有し、この遮蔽部が内輪との間に僅かなすきまを介して対峙してラビリンスシールが形成され、外方部材と内輪との開口部を閉塞すると共に、当該カバー部材とスリンガとの間にシール手段が構成されているので、カバー部材を通して磁気エンコーダの磁気情報を磁気センサでキャッチすることができると共に、磁気エンコーダを軸受外方から遮蔽して保護し、検出部に異物が侵入するのを防止して回転速度検出の信頼性および耐久性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明のように、前記磁気エンコーダの径方向内端部に環状のシール部が突設され、前記カバー部材の遮蔽部との間でシール手段が構成されていても良い。
また、請求項3に記載の発明のように、前記シール部が、前記遮蔽部または内輪に所定のシメシロを介して摺接するシールリップを備えていても良い。
また、請求項4に記載の発明のように、前記シール部が、前記遮蔽部に僅かな軸方向すきまを介して対峙するラビリンスシールを備えていても良い。
好ましくは、請求項5に記載の発明のように、前記磁気エンコーダが、エラストマに磁性体粉が混入されて加硫接着によって前記立板部に一体に接合され、周方向に交互に等ピッチで磁極N、Sが着磁されたロータリエンコーダで構成されると共に、前記シール部の周辺のみが前記磁性体粉の混練比を下げてハイブリッド構造とされていれば、シール部の柔軟性を高めることができ、密封性を向上させることができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記スリンガの立板部の基部が重合されてインナー側に突条部が形成され、この突条部が僅かな軸方向すきまを介して前記遮蔽部に対峙され、ラビリンスシールが構成されていても良いし、また、請求項7に記載の発明のように、前記遮蔽部の内径端部がアウター側に傾斜されて突条部が形成され、この突条部が僅かな軸方向すきまを介して前記スリンガの立板部に対峙され、ラビリンスシールが構成されていても良い。これにより、遮蔽部と内輪との間に形成されるラビリンスシールと相俟って、カバー部材の内径端から検出部に異物が侵入するのを確実に防止することができる。
また、請求項8に記載の発明のように、前記芯金の嵌合部の複数箇所に穿孔が形成され、前記シール部材の一部をこの穿孔を介して外径側に膨出させて前記外方部材の端部内周に弾性接触されていれば、芯金とシール部材との耐剥離性と、膨出したシール部材による外方部材とシール板との水密性が向上する。
また、請求項9に記載の発明のように、前記芯金とカバー部材のそれぞれの嵌合部に鉤状の係合部が形成され、これらの係合部を介して前記芯金に前記カバー部材が圧入固定されていれば、圧入長さの不足する場合であっても、効果的にカバー部材の抜け止めを図ることができる。
また、請求項10に記載の発明のように、前記カバー部材の外周に径方向外方に突出するシール部が加硫接着により一体に接合され、前記外方部材の端部内周に弾性接触されていれば、外方部材と芯金との嵌合部から雨水等が浸入するのを防止することができる。
また、請求項11に記載の発明のように、前記外方部材のインナー側の端部外周に前記カバー部材が圧入されると共に、当該カバー部材を介して前記外方部材が前記ナックルに嵌合されていれば、アルミ合金等の軽合金製からなるナックルとの組合せの場合、外方部材に特殊な表面処理等を施さなくても、異種金属の組み合せによるガルバニック腐食によって、ナックルが早期に電食を起こすのを防止することができる。
また、請求項12に記載の発明のように、前記遮蔽部の路面から最も近い側の周方向の一箇所にドレーン孔が形成されていれば、車両走行中にカバー部材内に泥水等の異物が入り込んだとしても容易に外部に排出され、長時間に亘って滞留することはない。したがって、異物が車両停止時に固着して周辺部品に悪影響を及ぼすのを防止することができ、一層信頼性を向上させることができる。
また、本発明のうち請求項13記載の方法発明は、外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材とで形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、これらシールのうちインナー側のシールが、断面略L字状に形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる内径部とを有する芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、断面略L字状に形成され、前記内輪の外径に圧入される円筒部、およびこの円筒部から径方向外方に延びる立板部を有するスリンガとからなると共に、前記シール部材が、径方向外方に傾斜して延び、前記スリンガの立板部に摺接されるサイドリップと、前記スリンガの円筒部に摺接されるラジアルリップとを一体に有し、前記スリンガの立板部に接合された磁気エンコーダを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の組立方法において、前記シール板とスリンガが予め組み立てられ、その後、前記シール板に、円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる円板状の遮蔽部とを有するカバー部材が圧入される工程と、前記遮蔽部に当接する押圧治具によって前記シールが前記外方部材と内輪との開口部に圧入され、前記押圧治具が前記外方部材のインナー側の端面に当接した時点で前記シールの圧入が完了する工程とを備え、前記カバー部材と前記スリンガまたは磁気エンコーダとの間にラビリンスシールが構成されると共に、前記押圧治具のシール押圧面が僅かな傾斜角を有する円錐形状に形成されているので、遮蔽部が弾性変形してスリンガまたは磁気エンコーダに接触し、シール板とスリンガとの位置関係が保持された状態で精度良くシールを外方部材と内輪にそれぞれ圧入することができると共に、圧入後、押圧治具をシールから離反させることによってカバー部材の遮蔽部が初期の形状に弾性復帰し、磁気エンコーダと磁気センサとのエアギャップだけでなく、スリンガまたは磁気エンコーダとの間のラビリンスすきまを所定値に設定することができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材とで形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、これらシールのうちインナー側のシールが、断面略L字状に形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる内径部とを有する芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、断面略L字状に形成され、前記内輪の外径に圧入される円筒部、およびこの円筒部から径方向外方に延びる立板部を有するスリンガとからなると共に、前記シール部材が、径方向外方に傾斜して延び、前記スリンガの立板部に摺接されるサイドリップと、前記スリンガの円筒部に摺接されるラジアルリップとを一体に有し、前記スリンガの立板部に接合された磁気エンコーダを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記外方部材または前記シール板のインナー側の端部にカバー部材が装着され、このカバー部材が、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑からプレス加工によって断面略L字状に形成され、前記外方部材または前記シール板に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる円板状の遮蔽部とを有し、この遮蔽部が前記内輪との間に僅かなすきまを介して対峙してラビリンスシールが形成され、前記外方部材と内輪との開口部を閉塞すると共に、当該カバー部材と前記スリンガとの間にシール手段が構成されているので、カバー部材を通して磁気エンコーダの磁気情報を磁気センサでキャッチすることができると共に、磁気エンコーダを軸受外方から遮蔽して保護し、検出部に異物が侵入するのを防止して回転速度検出の信頼性および耐久性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、前記外方部材および内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材とで形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、これらシールのうちインナー側のシールが、断面略L字状に形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる内径部とを有する芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、断面略L字状に形成され、前記内輪の外径に圧入される円筒部、およびこの円筒部から径方向外方に延びる立板部を有するスリンガとからなると共に、前記シール部材が、径方向外方に傾斜して延び、前記スリンガの立板部に摺接されるサイドリップと、前記スリンガの円筒部に摺接されるラジアルリップとを一体に有し、前記スリンガの立板部に接合された磁気エンコーダを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記シール板のインナー側の端部にカバー部材が装着され、このカバー部材が、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑からプレス加工によって断面略L字状に形成され、前記シール板に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる円板状の遮蔽部とを有し、この遮蔽部が前記内輪との間に僅かなすきまを介して対峙してラビリンスシールが形成され、前記外方部材と内輪との開口部を閉塞すると共に、前記磁気エンコーダの径方向内端部に環状凸部が形成され、前記カバー部材の遮蔽部に僅かな軸方向すきまを介して対峙してラビリンスシールが構成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2(a)は、図1のA部を示す要部拡大図、(b)は、(a)の変形例を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は駆動輪用であって、ハブ輪1と複列の転がり軸受2とをユニット化した、所謂第3世代と称される構成を備えている。
複列の転がり軸受2は、外方部材4と内方部材3と複列の転動体(ボール)5、5とを備えている。外方部材4はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、外周にナックル(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ4bを一体に有し、内周に複列の外側転走面4a、4aが一体に形成されている。これら複列の外側転走面4a、4aは、高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。
内方部材3は、ハブ輪1と、このハブ輪1に嵌合された内輪6とからなる。ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ7を一体に有し、この車輪取付フランジ7の円周等配位置にハブボルト8が植設されている。また、外周に前記複列の外側転走面4a、4aに対向する一方(アウター側)の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成されている。一方、内輪6は外周に前記複列の外側転走面4a、4aに対向する他方(インナー側)の内側転走面6aが形成され、ハブ輪1の小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入されている。
外方部材4の複列の外側転走面4a、4aと、これらに対向する複列の内側転走面1a、6a間には複列の転動体5、5がそれぞれ収容され、保持器9、9によって転動自在に保持されている。また、外方部材4と内方部材3との間に形成される環状空間の開口部にはシール10、11が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、アウター側のシール10が摺接するシールランド部から内側転走面1aおよび小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。これにより、シール10のシールランド部となる車輪取付フランジ7のインナー側の基部7aの耐摩耗性が向上するばかりでなく、車輪取付フランジ7に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪1の耐久性が一層向上する。なお、内輪6および転動体5はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。
ハブ輪1の内周にはセレーション(またはスプライン)1cが形成され、等速自在継手12を構成する外側継手部材13がセレーション1cを介して内嵌されている。等速自在継手12は、外側継手部材13と、継手内輪14、ケージ15およびトルク伝達ボール16とを備えている。外側継手部材13は、カップ状のマウス部17と、このマウス部17の底部となる肩部18およびこの肩部18から軸方向に延びるステム部19が一体に形成されている。そして、肩部18が内輪6の大端面6bに突き合わせ状態になるまで衝合されると共に、ステム部19の外周に形成されたセレーション(またはスプライン)19aがハブ輪1のセレーション1cに噛合され、ステム部19の端部に締結された固定ナット20によって所定の軸受予圧が付与された状態で、ハブ輪1と外側継手部材13が軸方向に分離可能に結合されている。
本実施形態では、図2(a)に拡大して示すように、インナー側のシール11は、互いに対向配置された環状のシール板21とスリンガ22とからなるパックシールで構成されている。シール板21は外方部材4に装着された芯金23と、この芯金23に加硫接着により一体に接合されたシール部材24とからなる。芯金23は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)等の防錆能を有する鋼板からプレス加工にて断面略L字状に形成されている。
一方、シール部材24は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の合成ゴムからなり、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ24aと、二股状に形成されたグリースリップ24bと中間リップ24cとを一体に有している。なお、シール部材24の材質としては、NBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等をはじめ、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはEPM(エチレン・プロピレンゴム)やシリコンゴム等を例示することができる。
一方、スリンガ22は断面略L字状に形成され、内輪6の外径に圧入される円筒部22aと、この円筒部22aから径方向外方に延びる立板部22bとを備えている。そして、シール部材24のサイドリップ24aが立板部22bに摺接されると共に、中間リップ24cが円筒部22aに摺接されている。また、グリースリップ24bは円筒部22aに所定の径方向すきまを介して対峙され、ラビリンスシールが構成されている。さらに、スリンガ22における立板部22bは、後述するカバー部材27と僅かな径方向すきまを介して対峙され、ラビリンスシール25が構成されている。
また、立板部22bのインナー側の側面には、合成ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入された磁気エンコーダ26が加硫接着等によって一体に接合されている。この磁気エンコーダ26は、周方向に交互に等ピッチで磁極N、Sが着磁され、車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダが構成されている。
スリンガ22は、強磁性体の鋼板、例えば、フェライト系のステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて形成されている。これにより、スリンガ22が発錆するのを防止し、シール11の摺動トルクを抑えつつ強固な密封性を達成することができると共に、磁気エンコーダ26の磁気出力が強くなり安定した検出精度を確保することができる。
ここで、シール板21にカバー部材27が装着されている。このカバー部材27は、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)からプレス加工によって断面略L字状に形成され、シール板21の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部27aと、この嵌合部27aから径方向内方に延び、内輪6との間に僅かな径方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシールを構成する円板状の遮蔽部27bとを有している。そして、遮蔽部27bのインナー側に磁気センサ28が配設され、磁気エンコーダ26に所定の軸方向すきま(エアギャップ)を介して対峙されると共に、磁気エンコーダ26を遮蔽するように外方部材4と内輪6との開口部が閉塞され、さらに、磁気エンコーダ26の径方向内端部にシールリップ26aが突設され、カバー部材27の遮蔽部27bに所定のシメシロを介して摺接されている。
また、磁気エンコーダ26は、シールリップ26aが突設される径方向内端部周辺のみ磁性体粉の混練比を下げてハイブリッド構造とされている。これにより、シールリップ26aの柔軟性を高めることができ、密封性を向上させることができる。磁気センサ26は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子と、この磁気検出素子の出力波形を整える波形成形回路が組み込まれたICとからなる。なお、ここでは磁気エンコーダ26をゴム製としたものを例示したが、これに限らず、例えば、ゴムに変えて合成樹脂製やフェライト等からなる強磁性体粉を金属バインダーで固めた燒結金属製であっても良い。
このような構成を採用することにより、カバー部材27を通して磁気エンコーダ26の磁気情報を磁気センサ28でキャッチすることができると共に、磁気エンコーダ26を軸受外方から遮蔽して保護し、検出部に異物が侵入するのを防止して回転速度検出の信頼性および耐久性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
磁気エンコーダ26に形成されるシールリップ26aはこの構成に限らず、例えば、図2(b)に示すようなものでも良い。すなわち、この磁気エンコーダ29の内径端部にカバー部材27の遮蔽部27bに僅かな軸方向すきまを介して対峙する環状凸部29aと、内輪6の外径に所定のシメシロを介して摺接されるシールリップ29bとが突設されている。これにより、遮蔽部27bと内輪6との間に形成されるラビリンスシールと相俟って、カバー部材27の内径端から検出部に異物が侵入するのを確実に防止することができ、回転速度検出の信頼性が一層向上する。
図3(a)は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す要部拡大図、(b)は、(a)のシール板を示す部分拡大図、図4(a)は、図3(a)の路面側を示す要部拡大図、(b)は、(a)のIV−IVから見た矢視図、図5(a)は、図3(a)の変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の他の変形例を示す要部拡大図、図6は、シールの組立方法を示す説明図である。なお、この実施形態は、前述した第1の実施形態(図2)と基本的にはシールの構成が一部異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
インナー側のシール30は、互いに対向配置された環状のシール板31とスリンガ22とからなるパックシールで構成されている。シール板31は外方部材4に装着された芯金32と、この芯金32に加硫接着により一体に接合されたシール部材24とからなる。芯金32は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)等の防錆能を有する鋼板からプレス加工にて断面略L字状に形成されている。
ここで、カバー部材27はシール板31を構成する芯金32の端部内周に装着されている。この芯金32は、図3(b)に拡大して示すように、カバー部材27の嵌合部27aが圧入される部位が露出すると共に、複数箇所に穿孔32aが形成され、シール部材24の一部をこの穿孔32aを介して外径側に膨出させて外方部材4の端部内周に弾性接触されている。これにより、カバー部材27の抜け耐力が増すと共に、芯金32とシール部材24との耐剥離性と、膨出したシール部材24による外方部材4とシール板31との水密性が向上する。なお、磁気エンコーダ33の径方向内端部には環状凸部33aが形成され、カバー部材27の遮蔽部27bに僅かな軸方向すきまを介して対峙してラビリンスシールが構成されている。
また、図4(a)、(b)に示すように、カバー部材27における遮蔽部27bの路面から最も近い側の周方向の一箇所に長円形あるいはまゆ形のドレーン孔34が形成されている。これにより、車両走行中にカバー部材27内に泥水等の異物が入り込んだとしても容易に外部に排出され、長時間に亘って滞留することはない。したがって、異物が車両停止時に固着して周辺部品に悪影響を及ぼすのを防止することができ、一層信頼性を向上させることができる。
図5は、前述したシール11の変形例を示す要部拡大図である。(a)は、前述したシール11のスリンガ22の構成が一部異なる。このシール35は、互いに対向配置された環状のシール板31とスリンガ36とからなるパックシールで構成されている。スリンガ36は、強磁性体の鋼板、例えば、フェライト系のステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて断面略L字状に形成され、内輪6の外径に圧入される円筒部22aと、この円筒部22aから径方向外方に延びる立板部36aとを備えている。ここで、立板部36aの基部が重合されてインナー側に突条部37が形成されている。そして、この突条部37が僅かな軸方向すきまを介してカバー部材27の遮蔽部27bに対峙され、ラビリンスシールが構成されている。これにより、遮蔽部27bと内輪6との間に形成されるラビリンスシールと相俟って、カバー部材27の内径端から検出部に異物が侵入するのを確実に防止することができる。
(b)は、前述したシール11のカバー部材27の構成が一部異なる。このシール38は、互いに対向配置された環状のシール板31とスリンガ22とからなるパックシールで構成され、シール板31の芯金32にカバー部材38が圧入されている。カバー部材38は、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)からプレス加工によって断面略L字状に形成され、芯金32の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部27aと、この嵌合部27aから径方向内方に延び、内輪6との間に僅かな径方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシールを構成する円板状の遮蔽部38aとを有している。ここで、遮蔽部38aの内径端部がアウター側に傾斜されて突条部39が形成されている。そして、この突条部39が僅かな軸方向すきまを介してスリンガ22の立板部22bに対峙され、ラビリンスシールが構成されている。これにより、遮蔽部38aと内輪6との間に形成されるラビリンスシールと相俟って、カバー部材38の内径端から検出部に異物が侵入するのを確実に防止することができる。
次に図6を用いて図3(a)に示すシール30の組立方法を説明する。
(a)まず、シール板31とスリンガ22が予め組み立てられ、その後、シール板31の芯金32にカバー部材27が圧入され、押圧治具40によってシール30が外方部材4と内輪6との開口部に装着される。ここで、押圧治具40のシール押圧面40aは、僅かな傾斜角θを有する円錐形状に形成されている。
(b)シール板31の芯金32とカバー部材27の遮蔽部27bは、押圧治具40のシール押圧面40aに当接した状態で外方部材4と内輪6に圧入されるが、シール押圧面40aの傾斜角θによって遮蔽部27bは弾性変形し、磁気エンコーダ33の環状凸部33aに接触した状態で圧入される。すなわち、遮蔽部27bと磁気エンコーダ33との接触によって、シール板31とスリンガ22との位置関係が保持された状態で精度良くシール30を外方部材4と内輪6にそれぞれ圧入することができる。
(c)押圧治具40が外方部材4のインナー側の端面4cに当接した時点でシール30の圧入が完了するが、圧入後、押圧治具40をシール30から離反させることによってカバー部材27の遮蔽部27bが初期の形状に弾性復帰し、磁気エンコーダ33と磁気センサ(図示せず)とのエアギャップおよび磁気エンコーダ33の環状凸部33aとカバー部材27とのラビリンスすきまを所定値に設定することができる。
図7は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す要部拡大図である。なお、この実施形態は、前述した第2の実施形態(図3)と基本的にはカバー部材の構成が異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
インナー側のシール41は、互いに対向配置された環状のシール板31とスリンガ22とからなるパックシールで構成されている。ここで、カバー部材42は外方部材4に装着されている。このカバー部材42は、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)からプレス加工によって断面略L字状に形成され、外方部材4の端部外周に圧入される円筒状の嵌合部42aと、この嵌合部42aから径方向内方に延びる円板状の遮蔽部42bとを有している。カバー部材42はその遮蔽部42bが外方部材4のインナー側の端面4cに密着するまで圧入され、遮蔽部42bの内径端部が内輪6との間に僅かな径方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシールを構成している。
このように外方部材4の端部外周に圧入されるカバー部材42により、前述した実施形態と同様、外方部材4と内輪6の開口部が閉塞されて磁気エンコーダ33を軸受外方から遮蔽して保護すると共に、カバー部材42を通して磁気エンコーダ33の磁気情報を磁気センサ28でキャッチすることができ、検出部に異物が侵入するのを防止して回転速度検出の信頼性および耐久性を向上させることができる。また、カバー部材42が外方部材4に外嵌固定されることにより、カバー部材42を不要とする仕様のシール41との兼用ができ、標準化によるシール41の低コスト化を図ることができる。
さらに、ナックル(図示せず)がアルミ合金等の軽合金製からなる場合、外方部材2に特殊な表面処理等を施さなくても、異種金属の組み合せによる腐食、すなわち、鋼製の外方部材2と軽合金製のナックルが、お互い接触させた状態で2種の金属が腐食環境に曝された場合、電位差の低い方の金属(この場合、軽合金製のナックル)はアノード(陽極)となって早期に腐食を起こす、所謂、ガルバニック腐食によって、ナックルが早期に電食を起こすのを防止することができる。
図8(a)は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第4の実施形態を示す要部拡大図、(b)は、(a)の部分拡大図、図9(a)は、図8(a)の変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の部分拡大図である。なお、この実施形態は、前述した第1の実施形態(図2)および第2の実施形態(図3)と基本的にはカバー部材の嵌合部の構成が異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
インナー側のシール43は、図8(a)に示すように、互いに対向配置された環状のシール板44とスリンガ22とからなるパックシールで構成されている。シール板44は外方部材4に装着された芯金45と、この芯金45に接合されたシール部材24とからなる。芯金45は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)等の防錆能を有する鋼板からプレス加工にて断面略L字状に形成されている。この芯金45は、外方部材4の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部45aと、この嵌合部45aから径方向内方に延びる内径部45bとを有している。シール部材24はこの内径部45bに加硫接着により一体に接合されている。
また、カバー部材46は芯金45の嵌合部45aに内嵌されている。このカバー部材46は、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)からプレス加工によって断面略L字状に形成され、芯金45の嵌合部45aに圧入される円筒状の嵌合部46aと、この嵌合部46aから径方向内方に延びる円板状の遮蔽部27bとを有している。そして、嵌合部46aの基部に径方向外方に突出するシールリップ46bが加硫接着により一体に接合されると共に、外方部材4の端部内周に弾性接触され、外方部材4とシール板44との嵌合部から雨水等が浸入するのを防止している。
ここで、図8(b)に示すように、芯金45の嵌合部45aの内周面に鉤状の係合部47が形成されると共に、この芯金45に嵌合されるカバー部材46の嵌合部46aの外周面に鉤状の係合部48が形成されている。そして、これらの係合部47、48が係止されている。このように、カバー部材46が芯金45に鉤状の係合部47、48を介して圧入固定されているので、圧入長さの不足する場合であっても、効果的にカバー部材46の抜け止めを図ることができ、カバー部材46の内径端から検出部に異物が侵入するのを確実に防止することができる。
図9(a)は、図8(a)の変形例を示す要部拡大図である。このシール49は、互いに対向配置された環状のシール板50とスリンガ22とからなるパックシールで構成されている。すなわち、シール板50は外方部材4に装着された芯金51と、この芯金51に接合されたシール部材24とからなる。芯金51は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)等の防錆能を有する鋼板からプレス加工にて断面略L字状に形成されている。この芯金51は、外方部材4の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部51aと、この嵌合部51aから径方向内方に延びる内径部45bとを有している。
また、カバー部材52は芯金51の嵌合部51aに外嵌されている。このカバー部材52は、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)からプレス加工によって断面略L字状に形成され、芯金51の嵌合部51aに圧入される円筒状の嵌合部52aと、この嵌合部52aから径方向内方に延びる円板状の遮蔽部27bとを有している。そして、嵌合部52aの外周に径方向外方に突出するシール部52bが加硫接着により一体に接合されて外方部材4の端部内周に弾性接触され、外方部材4とシール板50との嵌合部から雨水等が浸入するのを防止している。
ここで、図9(b)に示すように、芯金51の嵌合部51aの外周面に鉤状の係合部53が形成されると共に、この芯金51に嵌合されるカバー部材52の嵌合部52aの内周面に鉤状の係合部54が形成されている。そして、これらの係合部53、54が係止されている。このように、カバー部材52が芯金51に鉤状の係合部53、54を介して圧入固定されているので、前述した実施形態と同様、圧入長さの不足する場合であっても、効果的にカバー部材52の抜け止めを図ることができ、カバー部材52の内径端から検出部に異物が侵入するのを確実に防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、内輪回転構造の第2または3世代構造からなる回転速度検出装置付き車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 (a)は、図1のA部を示す要部拡大図である。 (b)は、(a)の変形例を示す要部拡大図である。 (a)は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す要部拡大図である。 (b)は、(a)のシール板を示す部分拡大図である。 (a)は、図3(a)の路面側を示す要部拡大図である。 (b)は、(a)のIV−IVから見た矢視図である。 (a)は、図3(a)の変形例を示す要部拡大図である。 (b)は、(a)の他の変形例を示す要部拡大図である。 シールの組立方法を示す説明図である。 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す要部拡大図である。 (a)は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第4の実施形態を示す要部拡大図である。 (b)は、(a)の部分拡大図である。 (a)は、図8(a)の変形例を示す要部拡大図である。 (b)は、(a)の部分拡大図である。 従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を示す要部拡大図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、6a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c、19a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・セレーション
2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
4a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
4b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
4c・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・インナー側の端面
5・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
6・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
6b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大端面
7・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
7a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・インナー側の基部
8・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
9・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
10・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
11、30、35、38、41、43、49・・・・・・・インナー側のシール
12・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
13・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
14・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
15・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
16・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
17・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
18・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・肩部
19・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ステム部
20・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
21、31、44、50・・・・・・・・・・・・・・・・シール板
22、36・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
22a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・円筒部
22b、36a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・立板部
23、32、45、51・・・・・・・・・・・・・・・・芯金
24・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シール部材
24a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
24b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・グリースリップ
24c・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中間リップ
25・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ラビリンスシール
26、29、33・・・・・・・・・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
26a、29b、46b・・・・・・・・・・・・・・・・シールリップ
27、38、42、46、52・・・・・・・・・・・・・カバー部材
27a、42a、45a、46a、51a、52a・・・・嵌合部
27b、38a、42b・・・・・・・・・・・・・・・・遮蔽部
28・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・磁気センサ
29a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・環状凸部
29b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シールリップ
32a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・穿孔
34・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ドレーン孔
37、39・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・突条部
40・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・押圧治具
40a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シール押圧面
47、48、53、54・・・・・・・・・・・・・・・・係合部
101・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
101a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内輪端面
102・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外輪
103・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・磁気センサ
104・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一のシール部材
105・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第二のシール部材
106・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1円筒部
106a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・円筒部外径
106b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・円筒部内径
107・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一円板部
108・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・位置決め用円板部
109・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・多極磁石エンコーダ
110・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・円筒部
111・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・遮蔽部
112・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シールリップ
112a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・リップ基端側
112b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・リップ先端
113、118、119、120・・・・・・・・・・・・接触のシール領域
114・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第二円筒部
115・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第二円板部
116・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・芯金
117・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・弾性部材
117a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一リップ
117b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第二リップ
117c・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第三リップ
121・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カバー部材
F・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・接触シール領域
M・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・密封装置
θ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・傾斜角

Claims (13)

  1. 外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材とで形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、
    これらシールのうちインナー側のシールが、断面略L字状に形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる内径部とを有する芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、断面略L字状に形成され、前記内輪の外径に圧入される円筒部、およびこの円筒部から径方向外方に延びる立板部を有するスリンガとからなると共に、
    前記シール部材が、径方向外方に傾斜して延び、前記スリンガの立板部に摺接されるサイドリップと、前記スリンガの円筒部に摺接されるラジアルリップとを一体に有し、前記スリンガの立板部に接合された磁気エンコーダを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
    前記外方部材または前記シール板のインナー側の端部にカバー部材が装着され、このカバー部材が、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑からプレス加工によって断面略L字状に形成され、前記外方部材または前記シール板に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる円板状の遮蔽部とを有し、この遮蔽部が前記内輪との間に僅かなすきまを介して対峙してラビリンスシールが形成され、前記外方部材と内輪との開口部を閉塞すると共に、当該カバー部材と前記スリンガとの間にシール手段が構成されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  2. 前記磁気エンコーダの径方向内端部に環状のシール部が突設され、前記カバー部材の遮蔽部との間でシール手段が構成されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  3. 前記シール部が、前記遮蔽部または内輪に所定のシメシロを介して摺接するシールリップを備えている請求項2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  4. 前記シール部が、前記遮蔽部に僅かな軸方向すきまを介して対峙するラビリンスシールを備えている請求項2または3に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  5. 前記磁気エンコーダが、エラストマに磁性体粉が混入されて加硫接着によって前記立板部に一体に接合され、周方向に交互に等ピッチで磁極N、Sが着磁されたロータリエンコーダで構成されると共に、前記シール部の周辺のみが前記磁性体粉の混練比を下げてハイブリッド構造とされている請求項2乃至4いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  6. 前記スリンガの立板部の基部が重合されてインナー側に突条部が形成され、この突条部が僅かな軸方向すきまを介して前記遮蔽部に対峙され、ラビリンスシールが構成されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  7. 前記遮蔽部の内径端部がアウター側に傾斜されて突条部が形成され、この突条部が僅かな軸方向すきまを介して前記スリンガの立板部に対峙され、ラビリンスシールが構成されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  8. 前記芯金の嵌合部の複数箇所に穿孔が形成され、前記シール部材の一部をこの穿孔を介して外径側に膨出させて前記外方部材の端部内周に弾性接触されている請求項1乃至7いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  9. 前記芯金とカバー部材のそれぞれの嵌合部に鉤状の係合部が形成され、これらの係合部を介して前記芯金に前記カバー部材が圧入固定されている請求項1乃至7いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  10. 前記カバー部材の外周に径方向外方に突出するシール部が加硫接着により一体に接合され、前記外方部材の端部内周に弾性接触されている請求項9に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  11. 前記外方部材のインナー側の端部外周に前記カバー部材が圧入されると共に、当該カバー部材を介して前記外方部材が前記ナックルに嵌合されている請求項1乃至8いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  12. 前記遮蔽部の路面から最も近い側の周方向の一箇所にドレーン孔が形成されている請求項1乃至11いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  13. 外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材とで形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、
    これらシールのうちインナー側のシールが、断面略L字状に形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる内径部とを有する芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、断面略L字状に形成され、前記内輪の外径に圧入される円筒部、およびこの円筒部から径方向外方に延びる立板部を有するスリンガとからなると共に、
    前記シール部材が、径方向外方に傾斜して延び、前記スリンガの立板部に摺接されるサイドリップと、前記スリンガの円筒部に摺接されるラジアルリップとを一体に有し、前記スリンガの立板部に接合された磁気エンコーダを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の組立方法において、
    前記シール板とスリンガが予め組み立てられ、その後、前記シール板に、円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる円板状の遮蔽部とを有するカバー部材が圧入される工程と、
    前記遮蔽部に当接する押圧治具によって前記シールが前記外方部材と内輪との開口部に圧入され、前記押圧治具が前記外方部材のインナー側の端面に当接した時点で前記シールの圧入が完了する工程とを備え、
    前記カバー部材と前記スリンガまたは磁気エンコーダとの間にラビリンスシールが構成されると共に、前記押圧治具のシール押圧面が僅かな傾斜角を有する円錐形状に形成されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の組立方法。
JP2008177518A 2008-07-08 2008-07-08 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置およびその組立方法 Pending JP2010019269A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008177518A JP2010019269A (ja) 2008-07-08 2008-07-08 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置およびその組立方法
PCT/JP2009/002957 WO2010004696A1 (ja) 2008-07-08 2009-06-26 磁気エンコーダ付き密封装置およびこれを用いた車輪用軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008177518A JP2010019269A (ja) 2008-07-08 2008-07-08 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置およびその組立方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010019269A true JP2010019269A (ja) 2010-01-28

Family

ID=41704390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008177518A Pending JP2010019269A (ja) 2008-07-08 2008-07-08 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置およびその組立方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010019269A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112011100378T5 (de) 2010-01-29 2012-12-06 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Phenolische Verbindung, Epoxyharz, Epoxyharz-Zusammensetzung, Prepreg, und gehärtetes Produkt daraus
JP2013194756A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Jtekt Corp 密封装置および転がり軸受装置
CN106523531A (zh) * 2016-12-29 2017-03-22 常熟长城轴承有限公司 可调心的防尘盖
US20210260919A1 (en) * 2020-02-25 2021-08-26 Aktiebolaget Skf Unitized wheel end assembly
CN113924424A (zh) * 2019-06-19 2022-01-11 Ntn株式会社 车轮用轴承装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112011100378T5 (de) 2010-01-29 2012-12-06 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Phenolische Verbindung, Epoxyharz, Epoxyharz-Zusammensetzung, Prepreg, und gehärtetes Produkt daraus
JP2013194756A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Jtekt Corp 密封装置および転がり軸受装置
CN106523531A (zh) * 2016-12-29 2017-03-22 常熟长城轴承有限公司 可调心的防尘盖
CN113924424A (zh) * 2019-06-19 2022-01-11 Ntn株式会社 车轮用轴承装置
US20210260919A1 (en) * 2020-02-25 2021-08-26 Aktiebolaget Skf Unitized wheel end assembly
US11772419B2 (en) * 2020-02-25 2023-10-03 Aktiebolaget Skf Unitized wheel end assembly

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5355987B2 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP5528278B2 (ja) 車輪用軸受装置
WO2010050201A1 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2005321375A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2015137754A (ja) 車輪用軸受装置
JP2007010480A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2010151277A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2010019269A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置およびその組立方法
JP4628049B2 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP5415748B2 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2010101332A (ja) 嵌合環およびそれを備えた車輪用軸受装置
JP2008151727A (ja) 回転速度検出装置及び回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2010151279A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2014190464A (ja) 車輪用軸受装置
WO2009119036A1 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP4498052B2 (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2009228819A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2009197941A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2008286267A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2006349061A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2006308396A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2010230080A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP5273845B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2008180544A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2009228818A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置