JP2010018595A - N,n’−ジアルキルヒドラジン化合物の製造方法およびピラゾリジンジオン化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、N,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を簡便かつ高収率に製造する方法に関するものである。また、該化合物とマロン酸エステルとを反応させることにより製造されるピラゾリジンジオン化合物に関するものである。
アジン化合物からN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を合成する方法に関しては、いくつかの方法が知られている。例えば非特許文献1には、ジアルキルアジン化合物に対してPtO2触媒を用いる接触還元によりN,N’−ジプロピルヒドラジンを合成する方法が記載されている。しかし、PtO2触媒を用いる方法では、単離収率が30%と低収率になる問題があった。また、非特許文献2や非特許文献3には、ジアルキルアジン化合物の還元剤としてLiAlH4を用いてN,N’−ジアルキルヒドラジンを合成する方法が記載されている。これらの方法は、PtO2触媒を用いる接触還元に比べて収率は向上するものの、反応後の後処理が煩雑で大量生産に耐え得る合成法ではない。
一方、非特許文献4には、ジアリールアジン化合物に対して、パラジウム−炭素触媒を用いる接触還元によりN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を合成する方法が記載されている。しかし、N,N’−ジアルキルアジン化合物に対して、パラジウム−炭素触媒やラネーニッケル触媒を用いる接触還元によりN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を合成する方法は知られていない。
J.Chem.Soc.,4191-4198(1952) J.Heterocycl.Chem.,1485-1486(1979) Can.J.Chem.,545-549(1954) J.Heterocycl.Chem.,547-550(1983)
一方、非特許文献4には、ジアリールアジン化合物に対して、パラジウム−炭素触媒を用いる接触還元によりN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を合成する方法が記載されている。しかし、N,N’−ジアルキルアジン化合物に対して、パラジウム−炭素触媒やラネーニッケル触媒を用いる接触還元によりN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を合成する方法は知られていない。
J.Chem.Soc.,4191-4198(1952) J.Heterocycl.Chem.,1485-1486(1979) Can.J.Chem.,545-549(1954) J.Heterocycl.Chem.,547-550(1983)
従って、本発明の目的は、効率的かつ高収率で、特定のN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を製造する方法を提供することにある。さらに、該化合物とマロン酸エステルとを反応させることにより製造されるピラゾリジンジオン化合物を提供することにある。
従来のこうした課題を克服すべく検討を行った結果、反応溶媒として炭素数1〜5のアルコール、触媒としてパラジウム−炭素またはラネーニッケルを用いて接触還元することにより、N,N’−ジアルキルアジン化合物を原料にして簡便かつ高収率にN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を合成できることを見出した。
本発明の課題は、下記の手段によって解決された。
[1]下記一般式(2)で表されるアジン化合物を、炭素数1〜5のアルコール中で、パラジウム−炭素触媒またはラネーニッケル触媒を用いて接触還元することを特徴とする下記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物の製造方法。
(式中、Rは、直鎖、分岐または環状の置換または無置換のアルキル基を表す。)
[2]下記一般式(3)で表されるアルデヒド化合物を、炭素数1〜5のアルコール中でヒドラジンと反応させて前記一般式(2)で表されるアジン化合物を製造し、これを取り出すことなく、パラジウム−炭素触媒またはラネーニッケル触媒を用いて接触還元する、[1]項に記載の製造方法。
(式中、Rは、直鎖、分岐または環状の置換または無置換のアルキル基を表す。)
[3]前記一般式(1)〜(3)におけるRが、炭素数3〜7の直鎖または分岐の無置換アルキル基である、[1]又は[2]項に記載の製造方法。
[4]前記一般式(1)〜(3)におけるRが、−CH2CH2CH3又は−CH(C2H5)CH2CH2CH2CH3である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
[5]前記アルコールがエタノールである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6]前記ラネーニッケル触媒を用いて接触還元する、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の製造方法。
[7]前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の製造方法で製造したN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物と、マロン酸ジメチル又はマロン酸ジエチルとを反応させることにより製造される、下記一般式(4)で表されるピラゾリジンジオン化合物。
(式中、Rは、直鎖、分岐または環状の置換または無置換のアルキル基を表す。)
[1]下記一般式(2)で表されるアジン化合物を、炭素数1〜5のアルコール中で、パラジウム−炭素触媒またはラネーニッケル触媒を用いて接触還元することを特徴とする下記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物の製造方法。
[2]下記一般式(3)で表されるアルデヒド化合物を、炭素数1〜5のアルコール中でヒドラジンと反応させて前記一般式(2)で表されるアジン化合物を製造し、これを取り出すことなく、パラジウム−炭素触媒またはラネーニッケル触媒を用いて接触還元する、[1]項に記載の製造方法。
[3]前記一般式(1)〜(3)におけるRが、炭素数3〜7の直鎖または分岐の無置換アルキル基である、[1]又は[2]項に記載の製造方法。
[4]前記一般式(1)〜(3)におけるRが、−CH2CH2CH3又は−CH(C2H5)CH2CH2CH2CH3である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
[5]前記アルコールがエタノールである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6]前記ラネーニッケル触媒を用いて接触還元する、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の製造方法。
[7]前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の製造方法で製造したN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物と、マロン酸ジメチル又はマロン酸ジエチルとを反応させることにより製造される、下記一般式(4)で表されるピラゾリジンジオン化合物。
本発明の製造方法によれば、前記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を簡便に効率よくかつ高収率に得ることができる。また、得られた前記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を原料として、前記一般式(4)で表されるピラゾリジンジオン化合物を効率的かつ高収率に得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の方法は、下記一般式(2)で表されるアジン化合物を、炭素数1〜5のアルコール中で、パラジウム−炭素触媒またはラネーニッケル触媒を用いて接触還元して、下記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を製造する方法である。
本発明の方法は、下記一般式(2)で表されるアジン化合物を、炭素数1〜5のアルコール中で、パラジウム−炭素触媒またはラネーニッケル触媒を用いて接触還元して、下記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を製造する方法である。
前記一般式(2)で表されるアジン化合物は、下記一般式(3)で表されるアルデヒド化合物を、炭素数1〜5のアルコール中でヒドラジンと反応させて調製することができる。本発明では、このようにして前記一般式(2)で表されるアジン化合物を調製した反応液にパラジウム−炭素触媒またはラネーニッケル触媒を添加して接触還元反応を行い、前記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を製造することが好ましい。この方法によれば、前記一般式(2)で表されるアジン化合物を取り出し精製する工程が不要であり、効率的に前記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を製造することができる。
本発明の方法により得られた前記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を用いて、下記一般式(4)で表されるピラゾリジンジオン化合物を製造することができる。
(式中、Rは、直鎖、分岐または環状の置換または無置換のアルキル基を表す。)
まず、前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物について説明する。
前記一般式(1)中、Rは、直鎖、分岐または環状の置換または無置換のアルキル基を表す。Rが置換アルキル基である場合における置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアミノ基などが挙げられる。好ましい置換基は、アルコキシ基またはアミノ基である。
前記一般式(1)中、Rは、直鎖、分岐または環状の置換または無置換のアルキル基を表す。Rが置換アルキル基である場合における置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアミノ基などが挙げられる。好ましい置換基は、アルコキシ基またはアミノ基である。
前記アリール基として好ましくは、炭素数6〜30の置換または無置換のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基等が挙げられる。
前記アルコキシ基として好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
前記アリールオキシ基として好ましくは、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールオキシ基であり、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含み、好ましくはアミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアニリノ基であり、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
Rとして好ましくは、直鎖、分岐または環状の無置換アルキル基であり、より好ましくは、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状の無置換アルキル基であり、特に好ましくは、炭素数3〜7の直鎖または分岐の無置換アルキル基であり、最も好ましくは、−CH2CH2CH3又は−CH(C2H5)CH2CH2CH2CH3である。なお、式中の2つのRは同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
また、前記一般式(2)〜(4)におけるRは、前記一般式(1)で表されるRと同義であり、好ましい例も同じである。
以下に、前記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物、前記一般式(2)で表されるジアルキルアジン化合物、前記一般式(4)で表されるピラゾジリンジオン化合物の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物は、置換基の種類によっては、互変異性体として存在することがある。純粋な形態の任意の互変異性体、互変異性体の任意の混合物は、いずれも前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物に包含される。また、前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物の塩、水和物も本発明に含まれる。
また、本発明では、前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物は、構造中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していてもよい。
前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物には、その合成過程や単離法などによって対塩を伴っているものも含まれる。対塩はいずれのものでもよいが、例えば、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、スルホン酸イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、金属イオン、アンモニウムイオンなどが挙げられる。構造によっては分子内塩を形成しても良い。
次に、前記一般式(2)で表されるアジン化合物から前記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物を製造する方法について詳しく述べる。
本発明に用いられる反応溶媒は、炭素数1〜5の低級アルコールである。好ましい具体例としては、メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール、ブタノール等が挙げられる。好ましくはエタノール又はi−プロピルアルコールであり、特に好ましくはエタノールである。また、反応溶媒としては、低級アルコールと水との混合溶媒を用いることもできる。ただし、反応溶媒の含水率は、50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
反応溶媒の使用量は、特に限定されず適宜選択することができるが、通常は前記一般式(2)で表されるアジン化合物に対して質量比で1〜50倍程度が適当であり、3〜30倍が好ましく、5〜20倍が特に好ましい。
反応溶媒の使用量は、特に限定されず適宜選択することができるが、通常は前記一般式(2)で表されるアジン化合物に対して質量比で1〜50倍程度が適当であり、3〜30倍が好ましく、5〜20倍が特に好ましい。
本発明に用いられる触媒は、パラジウム−炭素触媒またはラネーニッケル触媒である。前記一般式(2)中のRが直鎖の無置換アルキル基の場合は、ラネーニッケル触媒を用いることが好ましい。
触媒の使用量は、特に限定されず適宜選択することができるが、通常は前記一般式(2)で表されるアジン化合物に対して触媒を質量比で0.01%〜30%程度が適当であり、0.1%〜20%が好ましく、0.5%〜15%が特に好ましい。
触媒の使用量は、特に限定されず適宜選択することができるが、通常は前記一般式(2)で表されるアジン化合物に対して触媒を質量比で0.01%〜30%程度が適当であり、0.1%〜20%が好ましく、0.5%〜15%が特に好ましい。
反応温度は、特に限定されず適宜選択することができるが、通常は0℃〜100℃程度であり、好ましくは20℃〜80℃、特に好ましくは30℃〜60℃である。反応時間も特に限定されないが、通常は0.5時間〜20時間程度であり、好ましくは1時間〜10時間、特に好ましくは2時間〜6時間である。
反応容器としてはオートクレーブを用いることができ、容器内を水素で充填することが好ましい。水素圧は、反応温度や触媒の使用量に依存するため、特に限定されず適宜選択することができるが、通常は1気圧〜100気圧程度であり、好ましくは3気圧〜75気圧であり、特に好ましくは5気圧〜50気圧である。
前記一般式(2)で表されるアジン化合物、触媒および炭素数1〜5のアルコールの反応系内への添加順序は任意であり、特に限定されない。
次に、前記一般式(3)で表されるアルデヒド化合物とヒドラジンから前記一般式(2)で表されるアジン化合物を製造する工程について詳しく述べる。
本工程における前記一般式(3)で表されるアルデヒド化合物の使用量は、通常はヒドラジンに対してモル比で1.5倍〜3.0倍が適当であり、1.7倍〜2.5倍がより好ましく、1.8倍〜2.2倍が特に好ましい。
本工程に用いられる反応溶媒は、特に限定されず適宜選択することができるが、例えば、水、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等)、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N,N−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、1−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等が挙げられる。また、これらの溶媒を適宜組み合わせて混合物として用いてもよい。
ただし、本工程で製造した前記一般式(2)で表されるアジン化合物を反応液から取り出すことなく、引き続いてパラジウム−炭素触媒またはラネーニッケル触媒を用いた接触還元を行う観点からは、炭素数1〜5のアルコールが好ましく、エタノール又はi−プロピルアルコールが特に好ましい。
本工程における溶媒の使用量は、特に限定されず適宜選択することができるが、通常は前記一般式(3)で表されるアルデヒド化合物に対して溶媒を質量比で1〜50倍程度が適当であり、3〜30倍が好ましく、5〜20倍が特に好ましい。
ただし、本工程で製造した前記一般式(2)で表されるアジン化合物を反応液から取り出すことなく、引き続いてパラジウム−炭素触媒またはラネーニッケル触媒を用いた接触還元を行う観点からは、炭素数1〜5のアルコールが好ましく、エタノール又はi−プロピルアルコールが特に好ましい。
本工程における溶媒の使用量は、特に限定されず適宜選択することができるが、通常は前記一般式(3)で表されるアルデヒド化合物に対して溶媒を質量比で1〜50倍程度が適当であり、3〜30倍が好ましく、5〜20倍が特に好ましい。
本工程における反応温度は、特に限定されず適宜選択することができるが、通常は0℃〜80℃程度であり、好ましくは10℃〜60℃、特に好ましくは20℃〜40℃である。本工程における反応時間も特に限定されないが、通常は0.5時間〜20時間程度であり、好ましくは1時間〜10時間、特に好ましくは2時間〜6時間である。
本工程において、前記一般式(3)で表されるアルデヒド化合物、ヒドラジン及び溶媒の反応系内への添加順序は任意であり、特に限定されない。
次に、本発明で製造した前記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物と、マロン酸ジメチル又はマロン酸ジエチルとを反応させて前記一般式(4)で表されるピラゾリジンジオン化合物を製造する方法について詳しく述べる。
マロン酸ジメチル又はマロン酸ジエチルの使用量は、通常は前記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物に対してモル比で0.8倍〜10倍が適当であり、0.85倍〜8倍がより好ましく、0.9倍〜6倍が特に好ましい。
本方法に用いられる反応溶媒は、特に限定されず適宜選択することができるが、例えば、ブチロニトリル、ジクロロエタン、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、ジクロロベンゼン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N,N−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、1−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等が挙げられる。また、これらの溶媒を適宜組み合わせて混合物として用いてもよいし、無溶媒で反応を行ってもよい。
本方法に用いられる溶媒の使用量は、特に限定されず適宜選択することができるが、通常は前記一般式(1)で表される化合物に対して溶媒を質量比で1〜50倍程度が適当であり、3〜30倍が好ましく、5〜20倍が特に好ましい。
本方法に用いられる溶媒の使用量は、特に限定されず適宜選択することができるが、通常は前記一般式(1)で表される化合物に対して溶媒を質量比で1〜50倍程度が適当であり、3〜30倍が好ましく、5〜20倍が特に好ましい。
本方法における反応温度は、特に限定されず適宜選択することができるが、通常は50℃〜220℃程度であり、好ましくは80℃〜200℃、特に好ましくは100℃〜180℃である。本方法における反応時間も特に限定されないが、通常は1時間〜20時間程度であり、好ましくは2時間〜10時間、特に好ましくは3時間〜8時間である。
前記一般式(1)で表されるN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物および前記一般式(4)で表されるピラゾリジンジオン化合物は、写真用添加剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、電子材料、医農薬品等の中間体として有用である。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)例示化合物(D−2)の製造
ヒドラジン1水和物25.03g(0.5モル)にエタノール400mLを加えて氷冷下(内温0℃以下)で攪拌し、次いで、これにブタナール72.11g(1.0モル)をエタノール300mLに溶解した混合液を滴下した(内温2〜5℃)。この反応液を室温で3時間攪拌した後、反応液全量が1.0Lになるようにエタノールを加えて例示化合物(E−2)のエタノール溶液を調製した。
調製した例示化合物(E−2)のエタノール溶液100mL(理論モル数50ミリモル)にエタノール10mLとラネーニッケル触媒1.0gをオートクレーブ中に加えて、40気圧になるまで水素を充填し、40℃で4時間攪拌した。反応液を空冷した後、セライトろ過により触媒を除去して、例示化合物(D−2)のエタノール溶液を調製した。このエタノール溶液に濃塩酸水溶液9.5mLを添加した後、エタノールを減圧濃縮により全量を約50mLにして、さらにアセトニトリル50mLを加えると結晶が析出した。室温で30分攪拌した後、この結晶をろ取、乾燥して例示化合物(D−2)の2塩酸塩を2.71g(2工程収率62.4%)で得た。
ヒドラジン1水和物25.03g(0.5モル)にエタノール400mLを加えて氷冷下(内温0℃以下)で攪拌し、次いで、これにブタナール72.11g(1.0モル)をエタノール300mLに溶解した混合液を滴下した(内温2〜5℃)。この反応液を室温で3時間攪拌した後、反応液全量が1.0Lになるようにエタノールを加えて例示化合物(E−2)のエタノール溶液を調製した。
調製した例示化合物(E−2)のエタノール溶液100mL(理論モル数50ミリモル)にエタノール10mLとラネーニッケル触媒1.0gをオートクレーブ中に加えて、40気圧になるまで水素を充填し、40℃で4時間攪拌した。反応液を空冷した後、セライトろ過により触媒を除去して、例示化合物(D−2)のエタノール溶液を調製した。このエタノール溶液に濃塩酸水溶液9.5mLを添加した後、エタノールを減圧濃縮により全量を約50mLにして、さらにアセトニトリル50mLを加えると結晶が析出した。室温で30分攪拌した後、この結晶をろ取、乾燥して例示化合物(D−2)の2塩酸塩を2.71g(2工程収率62.4%)で得た。
(2)例示化合物(F−2)の製造
例示化合物(D−2)の2塩酸塩50.0g(0.23モル)にマロン酸ジエチル185mL(1.15モル)を加えて、反応系内を窒素置換した後、反応で生じるエタノールを留去しながら外温170℃で4時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、減圧して未反応のマロン酸ジエチルを留去後、シリカゲルカラム精製により例示化合物(F−2)を43.5g(収率88.9%)で得た。
例示化合物(D−2)の2塩酸塩50.0g(0.23モル)にマロン酸ジエチル185mL(1.15モル)を加えて、反応系内を窒素置換した後、反応で生じるエタノールを留去しながら外温170℃で4時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、減圧して未反応のマロン酸ジエチルを留去後、シリカゲルカラム精製により例示化合物(F−2)を43.5g(収率88.9%)で得た。
(3)同定データ
例示化合物(E−2)のエタノール溶液、例示化合物(D−2)の2塩酸塩、及び例示化合物(F−2)の1H−NMR測定の結果をそれぞれ図1〜3に示す。
例示化合物(E−2)のエタノール溶液、例示化合物(D−2)の2塩酸塩、及び例示化合物(F−2)の1H−NMR測定の結果をそれぞれ図1〜3に示す。
次に、本発明のN,N’−ジアルキルヒドラジン化合物およびピラゾリジンジオン化合物の合成例として、例示化合物(E−2)及び(D−2)を取り出すことなく例示化合物(F−2)を合成するスキームを以下に示す。
(例示化合物(F−2)の製造)
ヒドラジン1水和物25.03g(0.5モル)にエタノール400mLを加えて氷冷下(内温0℃以下)で攪拌し、次いで、これにブタナール72.11g(1.0モル)をエタノール300mLに溶解した混合液を滴下した(内温2〜5℃)。この反応液を室温で3時間攪拌した後、反応液全量が1.0Lになるようにエタノールを加えて例示化合物(E−2)のエタノール溶液を調製した。
調製した例示化合物(E−2)のエタノール溶液100mL(理論モル数50ミリモル)にエタノール10mLとラネーニッケル触媒1.0gをオートクレーブ中に加えて、40気圧になるまで水素を充填し、40℃で4時間攪拌した。反応液を空冷した後、セライトろ過により触媒を除去して、全量200mLになるようにエタノールを加えて、例示化合物(D−2)のエタノール溶液を調製した。
調製した例示化合物(D−2)のエタノール溶液50mL(理論モル数12.5ミリモル)に濃塩酸水溶液2.4mL(27.5ミリモル)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.24g(1.25ミリモル)、キシレン40mLを加えて、反応系内を窒素置換した後、水およびエタノール(反応で生じるエタノールを含む)を留去しながら外温160℃で4時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、減圧濃縮後、シリカゲルカラム精製により例示化合物(F−2)を1.52g(3工程収率57.3%)で得た。
ヒドラジン1水和物25.03g(0.5モル)にエタノール400mLを加えて氷冷下(内温0℃以下)で攪拌し、次いで、これにブタナール72.11g(1.0モル)をエタノール300mLに溶解した混合液を滴下した(内温2〜5℃)。この反応液を室温で3時間攪拌した後、反応液全量が1.0Lになるようにエタノールを加えて例示化合物(E−2)のエタノール溶液を調製した。
調製した例示化合物(E−2)のエタノール溶液100mL(理論モル数50ミリモル)にエタノール10mLとラネーニッケル触媒1.0gをオートクレーブ中に加えて、40気圧になるまで水素を充填し、40℃で4時間攪拌した。反応液を空冷した後、セライトろ過により触媒を除去して、全量200mLになるようにエタノールを加えて、例示化合物(D−2)のエタノール溶液を調製した。
調製した例示化合物(D−2)のエタノール溶液50mL(理論モル数12.5ミリモル)に濃塩酸水溶液2.4mL(27.5ミリモル)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.24g(1.25ミリモル)、キシレン40mLを加えて、反応系内を窒素置換した後、水およびエタノール(反応で生じるエタノールを含む)を留去しながら外温160℃で4時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、減圧濃縮後、シリカゲルカラム精製により例示化合物(F−2)を1.52g(3工程収率57.3%)で得た。
(1)例示化合物(D−6)の製造
ヒドラジン1水和物46.2g(0.92モル)にエタノール900mLを加えて氷冷下(内温0℃以下)で攪拌し、次いで、これに2−エチルヘキサナール236.7g(1.84モル)をエタノール600mLに溶解した混合液を30分かけて滴下した(内温2〜5℃)。この反応液を室温で2時間攪拌した後、反応液全量が2.0Lになるようにエタノールを加えて例示化合物(E−6)のエタノール溶液を調製した。
調製した例示化合物(E−6)のエタノール溶液110mL(理論モル数50ミリモル)とエタノール10mLとパラジウム−炭素触媒1.0gをオートクレーブ中に加えて、40気圧になるまで水素を充填し、80℃で5時間攪拌した。反応液を空冷した後、セライトろ過により触媒を除去して、例示化合物(D−6)のエタノール溶液を調製した。このエタノール溶液にナフタレン1,5−ジスルホン酸4水和物18g(50ミリモル)を添加した後、エタノールを減圧濃縮して全量を約100mLにして、さらにアセトニトリル200mLを加えると結晶が析出した。室温で30分攪拌した後、この結晶をろ取、乾燥して例示化合物(D−6)のナフタレン1,5−ジスルホン酸塩を14.9g(2工程収率56.3%)で得た。
ヒドラジン1水和物46.2g(0.92モル)にエタノール900mLを加えて氷冷下(内温0℃以下)で攪拌し、次いで、これに2−エチルヘキサナール236.7g(1.84モル)をエタノール600mLに溶解した混合液を30分かけて滴下した(内温2〜5℃)。この反応液を室温で2時間攪拌した後、反応液全量が2.0Lになるようにエタノールを加えて例示化合物(E−6)のエタノール溶液を調製した。
調製した例示化合物(E−6)のエタノール溶液110mL(理論モル数50ミリモル)とエタノール10mLとパラジウム−炭素触媒1.0gをオートクレーブ中に加えて、40気圧になるまで水素を充填し、80℃で5時間攪拌した。反応液を空冷した後、セライトろ過により触媒を除去して、例示化合物(D−6)のエタノール溶液を調製した。このエタノール溶液にナフタレン1,5−ジスルホン酸4水和物18g(50ミリモル)を添加した後、エタノールを減圧濃縮して全量を約100mLにして、さらにアセトニトリル200mLを加えると結晶が析出した。室温で30分攪拌した後、この結晶をろ取、乾燥して例示化合物(D−6)のナフタレン1,5−ジスルホン酸塩を14.9g(2工程収率56.3%)で得た。
(2)同定データ
例示化合物(E−6)のエタノール溶液および例示化合物(D−6)のナフタレン1,5−ジスルホン酸塩の1H−NMR測定の結果をそれぞれ図4及び5に示す。
例示化合物(E−6)のエタノール溶液および例示化合物(D−6)のナフタレン1,5−ジスルホン酸塩の1H−NMR測定の結果をそれぞれ図4及び5に示す。
Claims (7)
- 前記一般式(1)〜(3)におけるRが、炭素数3〜7の直鎖または分岐の無置換アルキル基である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記一般式(1)〜(3)におけるRが、−CH2CH2CH3又は−CH(C2H5)CH2CH2CH2CH3である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記アルコールがエタノールである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記ラネーニッケル触媒を用いて接触還元する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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JP2008182838A JP2010018595A (ja) | 2008-07-14 | 2008-07-14 | N,n’−ジアルキルヒドラジン化合物の製造方法およびピラゾリジンジオン化合物 |
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WO2019058885A1 (ja) * | 2017-09-25 | 2019-03-28 | 富士フイルム株式会社 | 化合物の製造方法、および、化合物 |
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2008
- 2008-07-14 JP JP2008182838A patent/JP2010018595A/ja active Pending
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