JP2010017640A - 可塑剤回収システムおよび可塑剤回収方法 - Google Patents

可塑剤回収システムおよび可塑剤回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストかつ高回収率で可塑剤を回収することができる可塑剤回収システムおよび可塑剤回収方法を提供する。
【解決手段】第1冷却コイル27が気化した可塑剤を含む空気と、可塑剤を遠心分離した後の空気とを循環熱媒体を介して熱交換する。第2冷却コイル29が第1冷却コイル27を経た空気を、冷凍機により冷却された冷媒を介して冷却する。遠心分離機31が第2冷却コイル29でで冷却された空気から、凝縮した可塑剤を遠心分離する。ケーシング11が第1冷却コイル27および第2冷却コイル29で凝縮した可塑剤および遠心分離機31で分離した可塑剤を受ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、フタル酸ブチルベンジルなどの可塑剤を回収するための可塑剤回収システムおよび可塑剤回収方法に関する。
従来、マイクロチップコンデンサ等の薄膜の積層セラミック電子部品を製造するときのカレンダー加工工程で、フタル酸ブチルベンジル(BBP)などの可塑剤が多量に使用されている(例えば、非特許文献1、特許文献1または2参照)。この可塑剤は、その後の印刷乾燥工程等で発散し、他の排出ガスとともに工場等から排出されている。
例えば、可塑剤のフタル酸ブチルベンジルは、プラスチックやシリコンなどの合成樹脂を溶かす性質があり、排気系統のパッキンなどを侵すおそれがある。また、工場等から排出された後に、河川や土壌を汚染するおそれもある。この対策として、触媒等を利用した蓄熱燃焼装置で排気中の可塑剤を燃焼させる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法によれば、排気ガスに含まれる可塑剤の濃度をほぼゼロにすることができる。
なお、可塑剤を含むガスから可塑剤を回収する方法として、ガスを冷却して可塑剤を凝縮させて回収するものがある(例えば、特許文献4または5参照)。また、空気中のオイルミスト等を回収する装置として、遠心ファンやフィルタにより、空気とオイルミスト等とを分離してオイルミスト等を回収するものがある(例えば、特許文献6乃至10参照)。
沖山聰明編著、「プラスチックフィルム−加工と応用−」、第二版、技報堂出版株式会社、1995年4月5日、p.70-74 特開2006−310764号公報 特開2003−224030号公報 特開2005−140417号公報 特開2005−794号公報 特許第4004282号公報 特開平7−68115号公報 特開2001−293394号公報 特開2000−117028号公報 特開平7−289832号公報 特開平10−192628号公報
しかしながら、特許文献3に記載のような蓄熱燃焼装置で可塑剤を燃焼させる方法では、燃焼装置の製造費や運転費などのコストが嵩むという課題があった。また、可塑剤を燃焼させるため、可塑剤を回収することができないという課題もあった。特許文献4および5に記載の可塑剤を凝縮させて回収する方法では、可塑剤を十分に回収することができず、無害化するためには回収率をさらに高める必要があるという課題があった。また、特許文献6乃至10に記載の遠心ファンやフィルタにより分離する装置を可塑剤に適用しても、無害化できる程度の可塑剤の回収率は見込めないという課題があった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、低コストかつ高回収率で可塑剤を回収することができる可塑剤回収システムおよび可塑剤回収方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る可塑剤回収システムは、気化した可塑剤を含む空気から可塑剤を回収するための可塑剤回収システムであって、前記可塑剤を凝縮させるよう前記空気を冷却する冷却部と、前記冷却部で冷却された前記空気から、凝縮した前記可塑剤を遠心分離する遠心分離機と、前記冷却部で凝縮した可塑剤および前記遠心分離機で分離した可塑剤を受ける回収手段とを、有することを特徴とする。
本発明に係る可塑剤回収方法は、気化した可塑剤を含む空気から可塑剤を回収するための可塑剤回収方法であって、前記可塑剤を凝縮させるよう前記空気を冷却する冷却工程と、前記冷却工程で冷却された前記空気から、凝縮した前記可塑剤を遠心分離する遠心分離工程と、前記冷却工程で凝縮した可塑剤および前記遠心分離工程で分離した可塑剤を受ける回収工程とを、有することを特徴とする。
本発明に係る可塑剤回収システムおよび可塑剤回収方法では、可塑剤を含む空気を冷却することにより、飽和蒸気圧を低下させて可塑剤の凝縮を促進することができる。凝縮した可塑剤を含む空気を遠心分離することにより、その空気から凝縮した可塑剤を分離することができる。分離された可塑剤を回収することにより再利用することができる。
可塑剤の沸点は高温であり、常温近傍で冷却させることができるため、燃焼装置を使用して燃焼させるのに比べ、装置の製造コストや運転コストを抑えることができ、低コストである。また、遠心分離に、ターボファンなどの市販の安価な装置を利用することにより、コストをより低減することができる。温度が低いほど飽和蒸気圧が下がるため、可塑剤を含む空気をできるだけ低温に冷却することにより、可塑剤の回収率を高めることができる。可塑剤を回収することにより、排気の清浄度を高めることができ、排気系統の破損や、河川や土壌の汚染等を防止することができる。
可塑剤は、いかなる種類のものであってもよいが、例えば、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、パラプレックスG−25、G−50、トリクレジルホスフェート(TCP)、ブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)などである。また、本発明において、「空気」は、常温で気体をなし、気化した可塑剤を含む気体であり、通常の空気と成分が異なっていてもよい。
本発明に係る可塑剤回収システムで、前記冷却部は前記空気の上流側から下流側に向かって第1冷却部と第2冷却部とを有し、前記第1冷却部は、ランアラウンド回路の一部を構成し、前記ランアラウンド回路は、気化した可塑剤を含む空気と冷えた循環熱媒体とを熱交換する前記第1冷却部と、前記可塑剤を遠心分離した後の空気と温まった前記循環熱媒体とを熱交換する加温コイルと、前記第1冷却部と前記加温コイルとを連結して成り前記循環熱媒体が循環するよう設けられた循環路を有する循環手段とを有し、前記第2冷却部は前記第1冷却部を経た空気を冷凍機により冷却する構成を有することが好ましい。冷凍機は、第1冷却部を経た空気を冷媒を介して冷却することが好ましい。
本発明に係る可塑剤回収方法で、前記冷却工程が、気化した可塑剤を含む空気と、可塑剤を遠心分離した後の空気とを循環熱媒体を介して熱交換して熱回収する第1冷却工程と、前記第1冷却工程後の空気を冷却する第2冷却工程とを有することが好ましい。
この2段階で冷却する可塑剤回収システムおよび可塑剤回収方法では、高温の気化した可塑剤を含む空気を、冷凍機で冷凍する媒体を用いて冷却する際に、熱回収を行うことで熱効率を高めることができ、運転コストをより低減することができる。なお、媒体は、水などの液体であっても気体であってもよい。
本発明に係る可塑剤回収システムは、気化した可塑剤を含む空気の流路を形成するとともに前記回収手段を構成するケーシングを有し、前記ケーシングは、複数の筒体を下流側の筒体の上流端部が上流側の筒体の下流端部の外面に重なるよう接続して構成され、前記冷却部と前記遠心分離機とを内部に収納し前記冷却部の下流に前記遠心分離機を配置していることが好ましい。
この構成では、ケーシングの各構成部材の連結部で、ケーシングの下流側の筒体と上流側の筒体との間の空気漏れを防ぐパッキング剤やコーキング材に、凝縮して液化した可塑剤を触れにくくすることができるため、空気をケーシングの外部に漏れにくくすることができる。
本発明に係る可塑剤回収システムでは、前記第1冷却部の下流および前記第2冷却部の下流に各冷却部の輻射により冷却され各冷却部を経た空気を受ける金属製フィルタを有することが好ましい。
この構成では、各金属製フィルタが第1冷却部および第2冷却部の輻射により冷却されるので、通過する空気の冷却効率をより高めることができる。また、金属製フィルタに凝縮した可塑剤が遮り効果で分離付着するため、可塑剤の回収率をより高めることができる。
本発明に係る可塑剤回収システムおよび可塑剤回収法方法は、可塑剤がフタル酸ブチルベンジル(Butyl benzyl phthalate;BBP)のとき、特に回収を効果的に行うことができる。フタル酸ブチルベンジルの沸点は370℃と高温であり、常温近傍で冷却させることができるため、燃焼装置を使用して燃焼させるのに比べ、低コストで回収することができる。
本発明によれば、低コストかつ高回収率で可塑剤を回収することができる可塑剤回収システムおよび可塑剤回収方法を提供することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の可塑剤回収システムおよび可塑剤回収方法を示している。
図1に示すように、可塑剤回収システム10は、気化した可塑剤を含む空気から可塑剤を回収するための可塑剤回収システムである。可塑剤は、フタル酸ブチルベンジルである。可塑剤回収システム10は、ケーシング11と冷却部12と遠心分離機13と第1フィルタ14と加温コイル15と第2フィルタ16と循環手段17と冷却手段18と温度計19とを有している。
図1に示すように、ケーシング11は、可塑剤を含む空気が内部を通過するよう設けられている。ケーシング11は、空気が送られる上流から下流に向かって順に、筒状の供給管21と冷却部筒体22と分離部筒体23と加温部筒体24と排気管25とを有し、この順に連結されている。ケーシング11は、供給管21から内部に供給された空気が、冷却部筒体22、分離部筒体23、加温部筒体24の内部を通って、排気管25から排気されるようになっている。ケーシング11は、冷却部12で凝縮した可塑剤および遠心分離機13で分離した可塑剤を受ける回収手段を兼ねている。ケーシング11は、分離された可塑剤を回収するための複数の回収孔26を有する。なお、冷却部筒体22は、さらに小さい部材に分割されている。図1に示すように、ケーシング11の各構成部材は、下流側の筒体の上流端部が上流側の筒体の下流端部の外面に重なるよう接続してある。各構成部材は、下流側の筒体の上流端部が上流側の筒体の下流端部の外面に重なるところの2重部分の隙間に、パッキング剤やコーキング材を充填することにより気密性を保つよう連結されている。
図1に示すように、冷却部12は、ケーシング11の冷却部筒体22の内部に収納されており、第1冷却コイル(第1冷却部)27と第1金属製フィルタ28と第2冷却コイル(第2冷却部)29と第2金属製フィルタ30とを有している。第1冷却コイル27は、供給管21から供給された空気が、フィンで連結されたチューブ外側のコイル額縁内を通過するよう設けられている。第1冷却コイル27は、フィンで連結されたチューブ外側のコイル額縁内を通過する空気を循環手段17により冷却して、可塑剤を凝縮させるようになっている。第1金属製フィルタ28は、アルミウール製の濾材と皿状の金属枠とから成り、第1冷却コイル27を通過した空気をアルミウール製の濾材を通過させつつ皿状の金属枠に衝突させて皿からあふれるように流すよう、第1冷却コイル27の直下流に設けられている。第1金属製フィルタ28は、第1冷却コイル27および第2冷却コイル29の輻射により冷却され、第1冷却コイル27を経た空気を受ける。第1金属製フィルタ28には、凝縮した可塑剤が遮り効果で分離付着するようになっている。
第2冷却コイル29は、第1金属製フィルタ28をあふれて流出した空気が、フィンで連結されたチューブ外側のコイル額縁内を通過するよう、第1金属製フィルタ28の直下流に設けられている。第2冷却コイル29は、フィンで連結されたチューブ外側のコイル額縁内を通過する空気を冷却手段18によりさらに冷却して、可塑剤をさらに凝縮させるようになっている。第2金属製フィルタ30は、アルミウール製の濾材と皿状の金属枠とから成り、第2冷却コイル29を通過した空気をアルミウール製の濾材を通過させつつ皿状の金属枠に衝突させて皿からあふれるように流すよう、第2冷却コイル29の直下流に設けられている。第2金属製フィルタ30は、第2冷却コイル29の輻射により冷却され、第2冷却コイル29を経た空気を受ける。第2金属製フィルタ30は、凝縮した可塑剤が遮り効果で分離付着するようになっている。
図1に示すように、遠心分離機13は、ターボファン31と分離遮り板32とを有している。ターボファン31は、片吸込型であり、冷却部筒体22の内部の下流側端部に収納されている。ターボファン31は、冷却部12で冷却された空気を吸い込んで回転させ、凝縮した可塑剤を遠心分離して、ケーシング11の分離部筒体23の内部に吹き出すよう構成されている。分離遮り板32は、分離部筒体23の内部の、ターボファン31からの吹き出しが当たる位置に設けられ、ターボファン31で遠心分離された可塑剤が遮り効果で分離付着するようになっている。これにより、遠心分離機13は、空気中の可塑剤と空気とを分離することができる。また、遠心分離機13は、ターボファン31のインペラにより加速された空気に同伴された凝縮した可塑剤を、ターボファン31のケース内部に衝突させて分離し、ターボファン31の吸込口から冷却部筒体22の下流側端部へ落下させるようになっている。
第1フィルタ14は、アルミフィルタから成り、ケーシング11の加温部筒体24の内部の上流部に設けられている。第1フィルタ14は、遠心分離機13で可塑剤を遠心分離した後の空気を通過させるようになっている。第1フィルタ14は、空気中に残存する凝縮した可塑剤が付着するようになっている。
加温コイル15は、第1フィルタ14を通過した空気が、フィンで連結されたチューブ外側のコイル額縁内を通過するよう、加温部筒体24の内部の第1フィルタ14の下流に設けられている。
第2フィルタ16は、バグフィルタから成り、加温コイル15で加温された空気を通過させるよう、加温部筒体24の内部の加温コイル15の下流に設けられている。第2フィルタ16は、空気中に残存する凝縮した可塑剤を付着するようになっている。
図1に示すように、循環手段17は、冷却部12の第1冷却コイル27のチューブと加温コイル15のチューブとを連結して成り、内部をポンプにより循環熱媒体が循環するよう設けられた循環路33と、循環路33の内部を循環する循環熱媒体とを有している。循環熱媒体は、水から成る。これにより、第1冷却コイル27は、加温コイル15で冷却された後の循環熱媒体がチューブ内部を循環することにより、フィンで連結されたチューブ外側のコイル額縁内を通過する空気を冷却可能になっている。また、加温コイル15は、第1冷却コイル27で温められた循環熱媒体がチューブ内部を循環することにより、フィンで連結されたチューブ外側のコイル額縁内を通過する空気を加温するようになっている。
冷却手段18は、第2冷却コイル29のチューブと冷凍機とを連結して成り、内部を冷媒が循環するよう設けられた冷却路34と、冷却路34の内部を循環する冷媒とを有している。第2冷却コイル29は、フィンで連結されたチューブ外側のコイル額縁内を通過する空気を、チューブ内を流れる冷凍機で冷却された冷媒と熱交換することで、冷却するようになっている。これにより、第2冷却コイル29は、冷却路34を流れる冷媒により、フィンで連結されたチューブ外側のコイル額縁内を通過する空気を第1冷却コイル27より低い温度まで冷却するようになっている。
温度計19は、ケーシング11の内部の、第1金属製フィルタ28の下流、第2金属製フィルタ30の下流、および加温コイル15の下流に設けられている。温度計19は、第1冷却コイル27と第1金属製フィルタ28とを通過した空気、さらに第2冷却コイル29と第2金属製フィルタ30とを通過した空気、および加温コイル15を通過した空気の温度を測定するようになっている。
なお、第1冷却コイル27、加温コイル15および循環路33は、ランアラウンド回路の一部を構成している。このランアラウンド回路は、気化した可塑剤を含む空気とチューブ内を流れる冷えた循環熱媒体とを熱交換する第1冷却コイル27と、可塑剤を遠心分離した後の空気とチューブ内を流れる温まった循環熱媒体とを熱交換する加温コイル15と、第1冷却コイル27と加温コイル15とを連結して成り循環熱媒体が循環するよう設けられた循環路33と、循環熱媒体と、循環用のポンプとから構成されている。ランアラウンド回路は、循環熱媒体が第1冷却コイル27と加温コイル15とを連結した循環路33をポンプにより循環しているだけであるが、循環路33の近傍に配置された第2冷却コイル29の冷熱を熱源として、循環熱媒体により第1冷却コイル27で冷却を行い、そのときの冷熱を加温コイル15で熱回収して空気の加温を行うようになっている。
本発明の実施の形態の可塑剤回収方法は、本発明の実施の形態の可塑剤回収システム10により実施される。まず、気化した可塑剤を含む空気を、供給管21からケーシング11の内部に供給する。循環手段17および冷却手段18を利用して、第1冷却コイル27および第2冷却コイル29により、それぞれ通過する空気を冷却して可塑剤を凝縮させる。第2冷却コイル29では、第1冷却コイル27より低い温度まで空気を冷却させる。可塑剤を含む空気を冷却することにより、飽和蒸気圧を低下させて可塑剤の凝縮を促進させることができる。
空気が冷却部12を通過するとき、第1金属製フィルタ28および第2金属製フィルタ30に、それぞれ凝縮した可塑剤が付着し、第1金属製フィルタ28および第2金属製フィルタ30の皿状の枠や、ケーシング11に落ちて可塑剤を回収することができる。第1金属製フィルタ28および第2金属製フィルタ30は、輻射効率が高いため、第1金属製フィルタ28および第2金属製フィルタ30からの輻射により、空気の冷却効率をより高めることができる。
冷却部12を通過して冷却された空気をターボファン31で吸い込んで回転させ、凝縮した可塑剤を含む空気から可塑剤を遠心分離して、分離遮り板32に向かって吹き出す。これにより、可塑剤を分離遮り板32に遮り効果で分離付着させて回収することができる。可塑剤を分離した後の空気は、第1フィルタ14を通過する。これにより、空気中に残存する凝縮した可塑剤が第1フィルタ14に付着し、可塑剤をさらに回収することができる。第1フィルタ14を通過した空気は、加温コイル15により加温される。加温コイル15で加温された空気は、第2フィルタ16を通過する。これにより、空気中に残存する凝縮した可塑剤が第2フィルタ16に付着し、可塑剤をさらに回収することができる。第2フィルタ16を通過した空気は、排気管25から排気される。
可塑剤回収システム10では、循環手段17により第1冷却コイル27のチューブ内部と加温コイル15のチューブ内部とに循環熱媒体を循環させ、加温コイル15で冷却された後の循環熱媒体により、第1冷却コイル27のフィンで連結されたチューブ外側のコイル額縁内を通過する空気を冷却し、第1冷却コイル27で温められた後の循環熱媒体により、加温コイル15のフィンで連結されたチューブ外側のコイル額縁内を通過する空気を加温する。これにより、高温の気化した可塑剤を含む空気を、冷凍機で冷凍する媒体を用いて冷却する際に、熱回収を行うことで熱効率を高めることができ、運転コストを低減することができる。
可塑剤回収システム10では、第1金属製フィルタ28、第2金属製フィルタ30、分離遮り板32、第1フィルタ14および第2フィルタ16に付着して分離された可塑剤を、ケーシング11で受けて、回収孔26から回収することができる。これにより、回収した可塑剤を再処理し、再利用することができる。可塑剤の沸点は高温であり、常温近傍で冷却することができるため、燃焼装置を使用して燃焼させるのに比べ、装置の製造費や運転費を抑えることができ、低コストである。また、市販の安価なターボファン31を利用することにより、コストをより低減することができる。
温度が低いほど飽和蒸気圧が下がるため、冷却部12で可塑剤を含む空気をできるだけ低温に冷却することにより、可塑剤の回収率を高めることができる。可塑剤を回収することにより、排気の清浄度を高めることができ、排気系統の破損や、河川や土壌の汚染等を防止することができる。
ケーシング11の各構成部材は、下流側の筒体の上流端部が上流側の筒体の下流端部の外面に重なるよう接続してあるため、各構成部材の連結部で空気がケーシング11の外部に漏れにくい。また、可塑剤が、各構成部材を気密的に連結するパッキング剤やコーキング材に直接触れないため、パッキング剤やコーキング材が可塑剤により溶出するのを防ぎ、パッキング剤やコーキング材の寿命を延ばすことができる。
温度計19により、循環手段17による空気の冷却効果および加温効果、冷却手段18による冷却効果を把握することができる。なお、温度計19の測定結果に基づいて、循環手段17の循環熱媒体の温度や冷却手段18の冷媒の温度を調整可能になっていてもよい。この場合、空気の温度を調整して、可塑剤の回収率や、排気管25への可塑剤の付着防止効果を高めることができる。
以下に、本発明の実施の形態の可塑剤回収システム10を用いた可塑剤回収方法の一例について説明する。
32mg/m3の濃度でフタル酸ブチルベンジルを含む75℃の空気から、フタル酸ブチルベンジルの回収を行った。冷却手段18で冷却路34に流す冷媒の第2冷却コイル29の入口温度を7℃とすると、第2冷却コイル29の出口の冷却路34を流れる冷媒の温度は25℃であり、循環手段17で第1冷却コイル27に流す循環熱媒体の、第1冷却コイル27の入口温度は25℃であった。
このとき、温度計19により測定された、第1金属製フィルタ28を通過したときの空気の温度は42℃、第2金属製フィルタ30を通過したときの空気の温度は20℃、加温コイル15を通過したときの空気の温度は38℃であった。また、排気の温度は38℃であった。第1冷却コイル27のチューブ内部を循環した後の循環手段17の循環熱媒体の温度は60℃、加温コイル15の内部を循環した後の循環手段17の循環熱媒体の温度は25℃であった。排気中のフタル酸ブチルベンジルの濃度は、3.2mg/m3であった。
このように、空気を20℃まで冷却させることにより、空気に含まれるフタル酸ブチルベンジルの濃度を10分の1まで低下させることができ、フタル酸ブチルベンジルを約90%回収することができた。回収されたフタル酸ブチルベンジルを再処理することにより、フタル酸ブチルベンジルを再利用することができる。フタル酸ブチルベンジルを回収することにより、排気の清浄度を高めることができ、フタル酸ブチルベンジルによる排気系統の破損や、河川や土壌の汚染等を防止することができる。
フタル酸ブチルベンジルの沸点が370℃と高温であり、常温近傍で冷却させることができるため、燃焼装置を使用して燃焼させるのに比べ、装置の製造費や運転費を抑えることができ、低コストである。実際に、燃焼装置を使用する場合に比べ、10%以下のコストでフタル酸ブチルベンジルを回収することができた。
本発明の実施の形態の可塑剤回収システムおよび可塑剤回収方法を示す概略側面図である。
符号の説明
10 可塑剤回収システム
11 ケーシング
12 冷却部
13 遠心分離機
14 第1フィルタ
15 加温コイル
16 第2フィルタ
17 循環手段
18 冷却手段
21 供給管
22 冷却部筒体
23 分離部筒体
24 加温部筒体
25 排気管
26 回収孔
27 第1冷却コイル
28 第1金属製フィルタ
29 第2冷却コイル
30 第2金属製フィルタ
31 ターボファン
32 分離遮り板
33 循環路
34 冷却路

Claims (8)

  1. 気化した可塑剤を含む空気から可塑剤を回収するための可塑剤回収システムであって、
    前記可塑剤を凝縮させるよう前記空気を冷却する冷却部と、
    前記冷却部で冷却された前記空気から、凝縮した前記可塑剤を遠心分離する遠心分離機と、
    前記冷却部で凝縮した可塑剤および前記遠心分離機で分離した可塑剤を受ける回収手段とを、
    有することを特徴とする可塑剤回収システム。
  2. 前記冷却部は前記空気の上流側から下流側に向かって第1冷却部と第2冷却部とを有し、
    前記第1冷却部は、ランアラウンド回路の一部を構成し、
    前記ランアラウンド回路は、気化した可塑剤を含む空気と冷えた循環熱媒体とを熱交換する前記第1冷却部と、前記可塑剤を遠心分離した後の空気と温まった前記循環熱媒体とを熱交換する加温コイルと、前記第1冷却部と前記加温コイルとを連結して成り前記循環熱媒体が循環するよう設けられた循環路を有する循環手段とを有し、
    前記第2冷却部は前記第1冷却部を経た空気を冷凍機により冷却する構成を有することを、
    特徴とする請求項1記載の可塑剤回収システム。
  3. 気化した可塑剤を含む空気の流路を形成するとともに前記回収手段を構成するケーシングを有し、前記ケーシングは、複数の筒体を下流側の筒体の上流端部が上流側の筒体の下流端部の外面に重なるよう接続して構成され、前記冷却部と前記遠心分離機とを内部に収納し前記冷却部の下流に前記遠心分離機を配置していることを、
    特徴とする請求項1または2記載の可塑剤回収システム。
  4. 前記第1冷却部の下流および前記第2冷却部の下流に各冷却部の輻射により冷却され各冷却部を経た空気を受ける金属製フィルタを有することを、
    特徴とする請求項2または3記載の可塑剤回収システム。
  5. 前記可塑剤がフタル酸ブチルベンジルであることを、特徴とする請求項1、2、3または4記載の可塑剤回収システム。
  6. 気化した可塑剤を含む空気から可塑剤を回収するための可塑剤回収方法であって、
    前記可塑剤を凝縮させるよう前記空気を冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程で冷却された前記空気から、凝縮した前記可塑剤を遠心分離する遠心分離工程と、
    前記冷却工程で凝縮した可塑剤および前記遠心分離工程で分離した可塑剤を受ける回収工程とを、
    有することを特徴とする可塑剤回収方法。
  7. 前記冷却工程が、気化した可塑剤を含む空気と、可塑剤を遠心分離した後の空気とを循環熱媒体を介して熱交換して熱回収する第1冷却工程と、前記第1冷却工程後の空気を冷却する第2冷却工程とを有することを、
    特徴とする請求項6記載の可塑剤回収方法。
  8. 前記可塑剤がフタル酸ブチルベンジルであることを、特徴とする請求項6または7記載の可塑剤回収方法。
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