JP2010016079A - 発光素子、および発光素子の製造方法 - Google Patents

発光素子、および発光素子の製造方法 Download PDF

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浩一 五所野尾
Miki Moriyama
実希 守山
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尚嗣 溝渕
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Abstract

【課題】n電極、p電極の位置を最適化して発光の均一性をさらに高めること。
【解決手段】発光素子1の平面形状は、長辺の長さをLとする長方形である。n電極10、p電極11は、長方形の長辺方向の対称軸L1上に配置されている。また、p電極11は、短辺1aから距離dの位置に配置され、n電極10は、短辺1bから距離(L−2d)/2の位置に配置されている。ここで距離dは、p電極11を一方の短辺1aに配置し、n電極10をもう一方の短辺1bに配置した発光素子の、対称軸L1での電流密度が最小となる位置をxminとして、d=xmin/2である。このようにn電極10、p電極11を配置することで、電流密度の均一性を高めることができ、より均一な発光を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、III 族窒化物半導体からなる発光素子の製造方法に関するもので、p電極およびn電極の位置を最適化する発光素子の製造方法である。
従来より、III 族窒化物半導体からなる発光素子の構造として、p電極とn電極がともに同一面側に形成され、p型層の全面にITOなどからなる透明電極が形成された構造が知られている。この透明電極により、光取り出しを妨げることなく面方向に電流を広げることができ、均一な発光を得ることができる。
このような構造の発光素子では、p電極の位置によって発光素子の面方向における電流密度の分布が異なる。したがって、p電極の位置を最適化することにより、さらに発光の均一性を高めることが可能である。特許文献1には、p電極を発光素子の外周からn電極側に一定距離に配置することで、電流分布をより均一にできることが示されている。
特開2008−10840
しかし、特許文献1ではp電極の配置にn型層や透明電極のシート抵抗が考慮されていない。そのため、特許文献1に示されたp電極の位置が発光を均一にするのに最適な位置であるとは限らなかった。また、特許文献1ではn電極を外周に隣接した位置としており、n電極の位置を変更することに関して言及されていない。
そこで本発明の目的は、発光を均一にするのにより適した位置にp電極、n電極を形成する発光素子の製造方法を実現することにある。
第1の発明は、第1伝導型層、活性層、第2伝導型層の順に積層された半導体層と、第2伝導型層上に形成され透光性を有した電流拡散層と、電流拡散層上に形成された第2伝導型電極と、第1伝導型層に接続する第1伝導型電極とを備え、第2伝導型電極と第1伝導型電極が同一面側に形成され、平面形状が矩形である発光素子の製造方法において、矩形のある一辺を第1の辺、第1の辺の対辺を第2の辺とし、第2伝導型電極を第1の辺に接して配置し、第1伝導型電極を第2の辺に接して配置した場合の、第1の辺と第2の辺に直交する対称軸における電流密度が最小となる位置をxとして、第2伝導型電極を対称軸上であって、第1の辺から位置xまでの距離の1/2の位置に形成する、または、第1伝導型電極を対称軸上であって、第2の辺から位置xまでの距離の1/2の位置に形成する、ことを特徴とする発光素子の製造方法である。
ここで、第1伝導型がn型であれば第2伝導型はp型であり、第1伝導型がp型であれば第2伝導型はn型である。
半導体層の材料は、従来より発光素子の材料として採用されているものであればよい。たとえば、近紫外〜緑色の発光素子に用いられているIII 族窒化物半導体などを用いることができる。III 族窒化物半導体とは、GaN、AlGaN、InGaN、AlGaInNなど、一般式Alx Gay In1-x-y N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で表されるものである。III 族窒化物半導体層の主要な層は、一般的にGaとNを必須成分とする半導体で構成されている。n型不純物としては、Siなどが用いられ、p型不純物としてはMgなどが用いられる。
電流拡散層には、第1伝導型、第2伝導型の半導体層や、透明電極などを用いることができる。また、透明電極には、ITO、IZO、TNO(ニオブ添加酸化チタン)などの導電性酸化物や、Ni/Au、Co/Auなどの金属薄膜を用いることができる。また、複数の透明電極材料を積層したものであってもよい。電流拡散層は、面方向に電流を拡散されるための層であり、なるべく広く形成されていることが望ましい。
位置xは、現実に電流密度が最小となる位置である必要はなく、シミュレーションやモデル化して方程式を解くなどの方法によって求めた位置であってよい。
第2の発明は、第1の発明において、第2伝導型電極を対称軸上であって、第1の辺から位置xまでの距離の1/2の位置に形成し、かつ、第1伝導型電極を対称軸上であって、第2の辺から位置xまでの距離の1/2の位置に形成する、ことを特徴とする発光素子の製造方法である。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、位置xは、第1の辺からの距離が、1/(2a)*ln{(1+beaL)/(b+eaL)}+L/2、の位置であることを特徴とする発光素子の製造方法である。ただし、a={(ρp+ρn)/ρc}1/2 、b=ρp/ρn、L:対称軸方向の発光素子の長さ、ρp:電流拡散層のシート抵抗、ρn:第1伝導型層のシート抵抗、ρc:第2伝導型電極を第1の辺に接して配置し、第1伝導型電極を第2の辺に接して配置した場合の発光素子の単位面積あたりの抵抗、である。ρcは、駆動電圧をVf、駆動電流をIf、発光面積をSとして、Vf/(If*S)で定義される値である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明において、第2伝導型電極と第1伝導型電極のうち少なくとも一方を、第1の辺に平行な直線状に形成する、ことを特徴とする発光素子の製造方法である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明において、第1伝導型はn型、第2伝導型はp型であり、半導体層はIII 族窒化物半導体層であり、電流拡散層は透明電極であることを特徴とする発光素子の製造方法である。
第6の発明は、第5の発明において、透明電極は、ITOであることを特徴とする発光素子の製造方法である。
第7の発明は、n型層、活性層、p型層の順に積層されたIII 族窒化物半導体層と、p型層上の全面に形成された透明電極と、透明電極上に形成されたp電極と、n型層に接続するn電極とを備え、p電極とn電極が同一面側に形成され、平面形状が矩形である発光素子において、矩形のある一辺を第1の辺、第1の辺の対辺を第2の辺とし、p電極を第1の辺に接して配置し、n電極を第2の辺に接して配置した場合の、第1の辺と第2の辺に直交する対称軸における電流密度が最小となる位置をxとして、p電極は対称軸上であって、第1の辺から位置xまでの距離の1/2の位置に形成され、n電極は対称軸上であって、第2の辺から位置xまでの距離の1/2の位置に形成されている、ことを特徴とする発光素子である。
第8の発明は、第7の発明において、位置xは、第1の辺からの距離が、1/(2a)*ln{(1+beaL)/(b+eaL)}+L/2、の位置であることを特徴とする発光素子である。ただし、a={(ρp+ρn)/ρc}1/2 、b=ρp/ρn、L:対称軸方向の発光素子の長さ、ρp:透明電極のシート抵抗、ρn:n型層のシート抵抗、ρc:p電極を第1の辺に接して配置し、n電極を第2の辺に接して配置した場合の発光素子の単位面積あたりの抵抗、である。
第8の発明は、第6の発明または第7の発明において、p電極とn電極のうち少なくとも一方は、第1の辺に平行な直線状に形成されていることを特徴とする発光素子である。
第9の発明は、第6の発明から第8の発明において、透明電極は、ITOであることを特徴とする発光素子である。
第1の発明によると、面方向における電流密度の差を小さくするのに適した位置に第1伝導型電極または第2伝導型電極を形成することができるので、対称軸方向の電流密度の均一性が高くなり、発光の均一性をより一層高めることができる。また、素子の信頼性や発光効率が向上し、駆動電圧が低減される。この駆動電圧の低減効果は、駆動電圧が高いほど大きい。
また、第2の発明のように、第1伝導型電極と第2伝導型電極の両方を最適な位置に形成することで、発光の均一性をさらに高めることができる。
また、第3の発明によると、第1伝導型電極、第2伝導型電極の位置を式により一意的に決めることができ、容易に位置を決めることができる。
また、第4の発明によると、第1の辺に平行な方向の電流密度をより均一にすることができる。
また、第5の発明のように、透明電極には低抵抗で透光性の高いITOを用いることができる。
また、第7の発明から第10の発明によると、発光の均一性が高い発光素子を実現することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1の発光素子1の平面図であり、図2は、発光素子1の断面図である。まず、発光素子1の構造について説明する。
発光素子1は、サファイアからなる成長基板12上にバッファ層(図示せず)を介して形成されたIII 族窒化物半導体層(n型層13、活性層14、p型層15)と、電極(n電極10、p電極11、透明電極16)とにより構成されている。n型層13、p型層15、n電極10、p電極11、透明電極16は、それぞれ本発明の第1伝導型層、第2伝導型層、第1伝導型電極、第2伝導型電極、電流拡散層に相当している。
III 族窒化物半導体層は、成長基板12上にバッファ層(図示せず)を介してn型層13、活性層14、p型層15が順に積層された構造である。n型層13、活性層14、p型層15の構造には、従来より知られる種々の構造を用いることができる。n型層13、p型層15は単層であってもよいし、複層であってもよく、超格子層を含んでいてもよい。たとえば、n型層13はn型コンタクト層とn型クラッド層で構成され、p型層15はp型クラッド層とp型コンタクト層で構成されたものを用いることができる。また、活性層14はMQWやSQWなどの構造を用いることができる。n型層13のシート抵抗ρnは20Ω/□である。
発光素子1の一部領域はエッチングされていて、n型層13の一部が露出している。この露出したn型層13上にn電極10が形成されている。
透明電極16は、ITO(酸化インジウムスズ)からなり、p型層15上のほぼ全面にわたって形成されている。透明電極16の材料は、ITO以外にもIZO(酸化インジウム亜鉛)、TNO(ニオブ添加酸化チタン)などの導電性酸化物や、Ni/AuやCo/Auなどの金属薄膜を用いることができる。また、複数の透明電極材料が積層されたものを用いてもよい。透明電極16のシート抵抗ρpは30Ω/□である。
また、発光素子1は、図1に示すように平面形状が長方形であり、同一面側にn電極10、p電極11が配置されている。発光素子1の長方形短辺の長さWは230μm、長辺の長さLは650μmである。n電極10の平面形状は各辺が長方形の長辺もしくは短辺に平行な正方形であり、その一辺の長さは50μmである。また、p電極11の平面形状は円であり、その直径は50μmである。n電極10とp電極11は、長方形の長辺に平行な対称軸L1上に配置されている。p電極11は、対称軸L1に直交する2辺のうちの一方である短辺1a(本発明の第1の辺に相当する)から距離dの位置に配置されていて、n電極10は、短辺1aの対辺である短辺1b(本発明の第2の辺に相当する)から距離(L−2d)/2の位置に配置されている。
ここで、距離dは、以下の式によって求められる値である。
d=1/(4a)*ln{(1+beaL)/(b+eaL)}+L/4、
a={(ρp+ρn)/ρc}1/2
b=ρp/ρn、
L:対称軸L1方向の発光素子1の長辺の長さ、
ρp:透明電極16のシート抵抗、
ρn:n型層13のシート抵抗、
ρc:p電極11を短辺1aに接して配置し、n電極10を短辺1bに接して配置した場合の発光素子1の単位面積あたりの抵抗。
また、ρcは、駆動電圧Vf、駆動電流If、発光面積S(=W*L)として、
ρc=Vf/(If*S)、
である。
発光素子1は、次のようにして作製した。
まず、成長基板12上にMOCVD法によってバッファ層、n型層13、活性層14、p型層15を形成した。原料ガスには、Ga源としてTMG(トリメチルガリウム)、Al源としてTMA(トリメチルアルミニウム)、In源としてTMI(トリメチルインジウム)、N源としてアンモニア、n型ドーパントであるSi源としてシラン、p型ドーパントであるMg源としてCp2 Mg、を用いた。
次に、p型層15上の全面にわたって透明電極16を蒸着法によって形成した。次に、短辺1bから距離(L−2d)/2の位置を中心とする領域をエッチングしてn型層13を露出させた。次に、リフトオフ法によって露出したn型層13上にn電極10を形成し、同じくリフトオフ法によって、透明電極16上であって短辺1aから距離dの位置にp電極11を形成した。
次に、dを決定する式をどのようにして導出したかについて説明する。
まず、p電極11を短辺1aに配置し、n電極10を短辺1bに配置した場合の発光素子10について、対称軸L1での電流密度が最小となる位置を求める。これは、発光素子10の長辺方向の微小区間について図3に示す電気回路でモデル化することで求める。モデル化した電気回路は、図3のように、ρpが直列に接続され、ρnが直列に接続され、直列に接続されたρpと直列に接続されたρnの間にρcが接続された構成である。ρpが直列に接続された部分は透明電極16の部分、ρnが直列に接続された部分はn型層13の部分、ρcは縦の素子構造部分に相当している。短辺1aからの距離をxとして、xにおけるρpを流れる電流をIp(x)、xにおけるρnを流れる電流をIn(x)、ρcを流れる電流をIc(x)、ρcのρp側の電圧をVp(x)、ρcのρn側の電圧をVn(x)、とすると、以下の5つの式が成り立つ。
Vp(x)−Vn(x)=ρc*Ic(x)
V’p(x)=−ρp*Ip(x)
V’n(x)=−ρn*In(x)
I’p(x)=−Ic(x)
I’n(x)=Ic(x)
さらに、この5つの式から、
I’’c(x)=a2 *Ic(x)、a2 =(ρp+ρn)/ρc
が導かれる。
この微分方程式を、Ip(L)=0、In(0)=0、Vn(L)=0のもとで解き、Ic(x)が最小となるxminを求めると、
xmin=1/(2a)*ln{(1+beaL)/(b+eaL)}+L/2
である。なお、b=ρp/ρnと置いた。このxminが対称軸L1での電流密度が最小となる位置である。
次に、n電極10、p電極11の位置をそれぞれ変えた場合の電流密度の均一性をシミュレーションにより求め、最も均一となるn電極10、p電極11の位置と、xminとを比較検討した。その結果、p電極11については、短辺1aとxminの中間の位置、n電極10については、短辺1bとxminの中間の位置に配置すると、十分な均一性が得られることがわかった。この結果から、
d=xmin/2
=1/(4a)*ln{(1+beaL)/(b+eaL)}+L/4
となる。
図4は、p電極11を短辺1aに配置し、n電極10を短辺1bに配置した場合の発光素子10について、20mA流したときの、対称軸L1での電流密度の分布をシミュレーションした結果である。横軸は短辺1aからの距離を示している。図4のように、電流密度が最小となるのは350μmの位置であることがわかる。また、発光素子10の20mAでの駆動電圧は3.62Vであり、単位面積あたりの抵抗ρcは0.27Ω・cm2 であった。
一方、ρp=30Ω/□、ρn=20Ω/□、ρc=0.27Ω・cm、L=650μmをxminの式に代入して発光素子10の電流密度が最小となる位置を求めると、386μmである。よってn電極10の位置は、短辺1bからxmin/2の位置、すなわち短辺1aから518μmの位置となる。式によって求めたn電極10の位置518μmとシミュレーションによって求めたn電極10の位置500μmとの差は18μmであり、これはL(=650μm)の3%以下で十分に小さい。p電極11の位置についても同様である。
図5は、n電極10の位置を短辺1aから500μmまたは518μmの位置に固定して、p電極11の位置を変更した場合の電流密度の均一性を示すグラフであり、横軸は短辺1aからp電極11までの距離を示す。短辺1aから500μmの位置は、シミュレーションによる電流密度が最小となる位置と短辺1bとの中間の位置であり、短辺1aから518μmの位置は、上記式により求めたxminと短辺1bとの中間の位置である。電流密度の均一性は、電流密度の最大値をimax、最小値をiminとして、(imax−imin)/(imax+imin)*100で定義される値であり、この値が低いほど電流密度分布が均一である。図5のように、n電極10の位置を518μmとした場合はp電極11を約180μmの位置に、n電極10の位置を500μmとした場合はp電極11を約200μmの位置にすると、最も電流密度分布が均一となることがわかる。
図6は、p電極11の位置を短辺1aから175μmまたは193μmの位置に固定してn電極の位置を変更した場合の電流密度の均一性を示すグラフであり、横軸は短辺1aからn電極10までの距離を示す。短辺1aから175μmの位置は、シミュレーションによる電流密度が最小となる位置と短辺1aとの中間の位置であり、短辺1aから518μmの位置は、上記式により求めたxminと短辺1aとの中間の位置である。図6のように、p電極11の位置を193μmとした場合はn電極10を510〜530μmの位置に、p電極11の位置を175μmとした場合はp電極10を約510μmの位置にすると、最も電流密度分布が均一となることがわかる。
図7は、p電極11の位置を固定してn電極の位置を変更した場合の電流密度の均一性を示すグラフであり、横軸は短辺1aからn電極10までの距離を示し、範囲は480μm〜560μmである。p電極11の位置は、短辺1aから156μm、169μm、182μm、195μm、208μmの位置とした。図7から、p電極11の位置を182μm、n電極の位置を520μmとした場合に最も電流密度分布が均一となることがわかる。
p電極11を短辺1aとxminの中間の位置(短辺1aから193μmの位置)とし、n電極10を短辺1bとxminの中間の位置(短辺1aから518μmの位置)とした場合の電流密度の均一性を図7から推測し、最も電流密度の均一性が低くなる場合とを比較すると、式によりxminを求めてp電極11、n電極10の位置を決めたとしても、シミュレーションによって求めた電流密度の均一性の最小値との差はそれほど大きくなく、十分な均一性が得られている。
以上のように、式によって電流密度が最小となる位置xminを求め、短辺1aとxminの中間の位置にp電極11を形成し、短辺1bとxminの中間の位置にn電極10を形成することで、シミュレーションを用いることなく一意的にn電極10、p電極を決定することができ、電流密度の均一性が高く、発光が均一である発光素子1を製造することができる。
図8は、実施例2の発光素子2の平面図である。発光素子2の平面形状は、一辺の長さがLの正方形である。n電極20は、エッチングにより露出したn型層23上に形成されていて、その平面形状は正方形である。n電極20は、正方形のある辺に平行な対称軸L2上であって、対称軸L2に直交する正方形の2辺のうち、一方の辺2bから距離(L−2d)/2の位置に配置されている。p電極21は、透明電極26上であって、辺2bの対辺である辺2a側の角部2cに円形に形成されていて、その円形部から辺2aに沿った直線状の延伸電極部21aを有している。また、p電極21は、辺2aから距離dの位置に配置されている。距離dは、実施例1と同様の式によって求められる値である。すなわち、p電極21を辺2aに配置し、n電極20を辺2bに配置した場合の発光素子について、対称軸L2での電流密度が最小となる位置を実施例1に示した式によって求め、その位置の半分の位置から辺2aまでの距離がdとなる。
この発光素子2もまた、実施例1の発光素子1と同様に、電流密度の均一性が高く、発光が均一な発光素子である。また、p電極21が直線状に形成されているため、辺2aに平行な方向の電流密度がより均一となる。
図9は、実施例3の発光素子3の平面図であり、図10は図9におけるB−B断面図である。発光素子3の平面形状は、短辺の長さがLの長方形である。
p電極31は、透明電極36上であって、長方形の一方の長辺3a側の角部3cに円形に形成されていて、その円形部から長辺3aに沿った直線状の延伸電極部31aを有している。また、p電極21は、辺3aから距離dの位置に配置されている。
n電極30は、エッチングにより露出したn型層33上に形成されている。n電極30は、角部3cの対角方向の角部3dに正方形に形成され、この正方形部から長辺3aの対辺である長辺3bに沿った直線状の延伸電極部30aを有している。また、n電極30は、長辺3bから距離(L−2d)/2の位置に配置されている。
距離dは、p電極31を長辺3aに配置し、n電極30を長辺3bに配置した場合の発光素子について、長辺に直交する長方形の対称軸L3での電流密度が最小となる位置を実施例1に示した式によって求め、その位置の半分の位置から長辺3aまでの距離である。
次に、延伸電極部30aが形成されている領域の構造について図10を参照に説明する。延伸電極部30aが形成されている領域は、成長基板32上にバッファ層(図示せず)を介してn型層33、活性層34、p型層35が順に形成され、一部領域がn型層33に達する深さまでエッチングされている。このエッチングにより露出したn型層33a上に、n電極30の延伸電極部30aが形成されている。エッチングによる溝は、絶縁膜37によって埋められている。p型層35上および絶縁膜37上には透明電極36がされている。このように、延伸電極部30a上に絶縁膜37を介して透明電極36が形成された構造であるため、n電極30に延伸電極部30aを設けたとしても、透明電極36による発光素子3の面方向への電流拡散の効果を損なうことはない。
この発光素子3もまた、実施例1の発光素子1と同様に、電流密度の均一性が高く、発光が均一な発光素子である。また、n電極30、p電極31が直線状に形成されているため、この発光素子3のようにn電極30、p電極31が短辺方向に対向した配置であっても、長辺方向の電流密度を均一にすることができる。
なお、いずれの実施例においても、p電極を距離dの位置、n電極を距離(L−2d)/2の位置に配置しているが、p電極、n電極の一方のみをそのような配置としてもよい。また、実施例ではp電極を円形、n電極を正方形としたが、これらの形状に限るものではなく、任意の形状としてよい。
また、いずれの実施例においても成長基板としてサファイアを用いているが、他の異種基板を用いてもよく、GaNなどのIII 族窒化物半導体基板を用いてもよい。導電性基板を用いる場合は、ρnをn型層のシート抵抗ではなく、n型層と導電性基板とを含めた全体のシート抵抗としてxminを求める式に適用すればよい。また、サファイア基板を用いる場合には凹凸が施されていてもよく、その場合、実効的なn型層のシート抵抗をρnとしてxminを求める式に適用すればよい。
また、いずれの実施例においても、透明電極上に保護膜を設けるようにしてもよい。
また、実施例はいずれもIII 族窒化物半導体発光素子であるが、それ以外のAlGaAsやAlGaInPなどの半導体材料を用いた発光素子に対しても本発明は適用することができる。
また、発光素子の構造は、実施例に示したものに限るものではない。たとえば、p型層上に電流拡散層としてn型層を設けてトンネル接合を形成した構造の発光素子であってもよい。また、p型層の抵抗を十分に低くできる場合には、p型層を電流拡散層として透明電極を設けない構造の発光素子としてもよい。また、p電極の下部に絶縁体などを設け、その部分が発光しないような構造としてもよい。また、実施例では基板上にn型層、活性層、p型層の順に積層された半導体層であったが、基板上にp型層、活性層、n型層の順に積層された半導体層を有した構造の発光素子であってもよい。
本発明は、表示装置や照明装置などに用いることができる。
発光素子1の構造を示す平面図。 発光素子1の構造を示す断面図。 発光素子10の長辺方向の微小区間についてモデル化した電気回路図。 電流密度の分布を示すグラフ。 電流密度の均一性のp電極11位置依存性を示すグラフ。 電流密度の均一性のn電極10位置依存性を示すグラフ。 電流密度の均一性のn電極10位置依存性を示すグラフ。 発光素子2の構造を示す平面図。 発光素子3の構造を示す平面図。 発光素子3のB−Bにおける断面を示す図。
符号の説明
10、20、30:n電極
11、21、31:p電極
12:成長基板
13:n型層
14:活性層
15:p型層
16、26、36:透明電極
L1、L2、L3:対称軸

Claims (10)

  1. 第1伝導型層、活性層、第2伝導型層の順に積層された半導体層と、前記第2伝導型層上に形成され透光性を有した電流拡散層と、前記電流拡散層上に形成された第2伝導型電極と、前記第1伝導型層に接続する第1伝導型電極とを備え、前記第2伝導型電極と前記第1伝導型電極が同一面側に形成され、平面形状が矩形である発光素子の製造方法において、
    前記矩形のある一辺を第1の辺、前記第1の辺の対辺を第2の辺とし、
    前記第2伝導型電極を前記第1の辺に接して配置し、前記第1伝導型電極を前記第2の辺に接して配置した場合の、前記第1の辺と前記第2の辺に直交する対称軸における電流密度が最小となる位置をxとして、
    前記第2伝導型電極を前記対称軸上であって、前記第1の辺から位置xまでの距離の1/2の位置に形成する、
    または、
    前記第1伝導型電極を前記対称軸上であって、前記第2の辺から位置xまでの距離の1/2の位置に形成する、
    ことを特徴とする発光素子の製造方法。
  2. 前記第2伝導型電極を前記対称軸上であって、前記第1の辺から位置xまでの距離の1/2の位置に形成し、かつ、前記第1伝導型電極を前記対称軸上であって、前記第2の辺から位置xまでの距離の1/2の位置に形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  3. 前記位置xは、前記第1の辺からの距離が、
    1/(2a)*ln{(1+beaL)/(b+eaL)}+L/2、
    の位置であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光素子の製造方法。
    ただし、
    a={(ρp+ρn)/ρc}1/2
    b=ρp/ρn、
    L:対称軸方向の発光素子の長さ、
    ρp:電流拡散層のシート抵抗、
    ρn:第1伝導型層のシート抵抗、
    ρc:第2伝導型電極を第1の辺に接して配置し、第1伝導型電極を第2の辺に接して配置した場合の発光素子の単位面積あたりの抵抗、
    である。
  4. 前記第2伝導型電極と前記第1伝導型電極のうち少なくとも一方を、前記第1の辺に平行な直線状に形成する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  5. 前記第1伝導型はn型、前記第2伝導型はp型であり、
    前記半導体層は、III 族窒化物半導体層であり、
    前記電流拡散層は、透明電極である、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  6. 前記透明電極は、ITOであることを特徴とする請求項5に記載の発光素子の製造方法。
  7. n型層、活性層、p型層の順に積層されたIII 族窒化物半導体層と、前記p型層上に形成された透明電極と、前記透明電極上に形成されたp電極と、前記n型層に接続するn電極とを備え、前記p電極と前記n電極が同一面側に形成され、平面形状が矩形である発光素子において、
    前記矩形のある一辺を第1の辺、前記第1の辺の対辺を第2の辺とし、
    前記p電極を前記第1の辺に接して配置し、前記n電極を前記第2の辺に接して配置した場合の、前記第1の辺と前記第2の辺に直交する対称軸における電流密度が最小となる位置をxとして、
    前記p電極は前記対称軸上であって、前記第1の辺から位置xまでの距離の1/2の位置に形成され、
    前記n電極は前記対称軸上であって、前記第2の辺から位置xまでの距離の1/2の位置に形成されている、
    ことを特徴とする発光素子。
  8. 前記位置xは、前記第1の辺からの距離が、
    1/(2a)*ln{(1+beaL)/(b+eaL)}+L/2、
    の位置であることを特徴とする請求項7に記載の発光素子。
    ただし、
    a={(ρp+ρn)/ρc}1/2
    b=ρp/ρn、
    L:対称軸方向の発光素子の長さ、
    ρp:透明電極のシート抵抗、
    ρn:n型層のシート抵抗、
    ρc:p電極を第1の辺に接して配置し、n電極を第2の辺に接して配置した場合の発光素子の単位面積あたりの抵抗、
    である。
  9. 前記p電極と前記n電極のうち少なくとも一方は、前記第1の辺に平行な直線状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の発光素子。
  10. 前記透明電極は、ITOであることを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載の発光素子。
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