JP2010015862A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】光取り出し効率が高く、製造が容易であり、特にトップエミッションタイプに好適な有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層16と、前記有機エレクトロルミネッセンス層を介して対向配置され、少なくとも前記発光層からの光を取り出す側が光透過性を有する一対の電極14,18と、前記発光層からの光を取り出す側の電極の外側に配置され、分子量が2000以下の1種以上の有機材料からなる光散乱層20と、を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子22。好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子が基板12上に設けられており、光散乱層が、発光層に対して基板とは反対側に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いた表示装置(発光装置)が開発されている。例えば、ガラス等の基板上に、陽極、有機エレクトロルミネッセンス層(例えば、正孔輸送層、発光層、及び電子輸送層)、陰極等が積層され、両極の引出配線(端子)を介して外部の配線と接続し、電界を印加することにより電極間に挟まれた領域の発光層において正孔と電子が再結合して発光する。
このような有機EL素子を製造する場合、例えば、基板上に陽極をストライプ状に形成した後、マスク蒸着等により、赤(R)、緑(G)、青(B)に対応した有機エレクトロルミネッセンス層(有機EL層)が繰り返し現れるように各色に対応した材料でパターニングを行う。次いで、有機EL層上に陰極を形成し、さらに、各電極の端子(外部接続端子)に制御配線、信号配線等の外部配線を接続する。これにより、RGBに対応した有機EL素子が並んで画素を構成し、カラー表示を行うことができる。
有機EL素子を用いた装置において、視認性の向上や、光取り出し効率の向上のため、種々の提案がなされている。
例えば、光取り出し側の基板の表面にレンズシート等によって光散乱部を設けたり、基板の内部に不透明粒子を分散させた有機EL装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、アルミナなどの光散乱粒子を樹脂中に分散させた光散乱層を光取り出し側に設けた有機EL多色ディスプレイパネルが提案されている(特許文献2参照)。
特開平8−83688号公報 特開2007−273397号公報
例えば、光散乱性を有する基板を用いる場合、発光層と光散乱部との距離が大きくなり易く、光散乱効果を十分発揮し難い。また、例えば、光散乱性を有するフィルムを有機EL素子上に加圧接着すると、素子に悪影響を与えるおそれがある。
また、光散乱粒子を樹脂中に分散させて光散乱層を形成する場合、成膜性が悪くなり易い。また、トップエミッションタイプの素子を製造する場合、光散乱層をウエットプロセスで形成しようとすると、有機EL層の劣化を招いてしまう。
本発明は、光取り出し効率が高く、製造が容易であり、特にトップエミッションタイプに好適な有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下の有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
<1> 発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、
前記有機エレクトロルミネッセンス層を介して対向配置され、少なくとも前記発光層からの光を取り出す側が光透過性を有する一対の電極と、
前記発光層からの光を取り出す側の電極の外側に配置され、分子量が2000以下の1種以上の有機材料からなる光散乱層と、
を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
<2> 前記光散乱層と、前記発光層からの光を取り出す側の電極との間隔が、1000nm以下であることを特徴とする<1>に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
<3> 前記光散乱層の厚さが、1nm〜10μmであることを特徴とする<1>又は<2>に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
<4> 前記光散乱層を構成する有機材料の吸収スペクトルの長波長端が、450nm以下であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
<5> 前記有機エレクトロルミネッセンス素子が基板上に設けられており、前記光散乱層が、前記発光層に対して前記基板とは反対側に配置されていることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
<6> 前記光散乱層が、該光散乱層を構成する有機材料の結晶化又は相分離により光散乱性を有することを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明によれば、光取り出し効率が高く、製造が容易であり、特にトップエミッションタイプに好適な有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)について説明する。
図1は、本発明に係る有機EL素子を備えた発光パネルの構成の一例を概略的に示している。この発光パネル10は、支持基板12上に有機EL素子22が設けられており、支持基板12とは反対側の面から光が取り出されるトップエミッションタイプである。有機EL素子22は、発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層(有機EL層)16と、有機EL層16を介して対向配置された一対の電極14,18と、発光層からの光を取り出す側の電極18の外側に配置され、分子量が2000以下の1種以上の有機材料からなる光散乱層20と、を有している。また、大気中の酸素や水分による有機EL素子22の劣化を防ぐため、有機EL素子22を覆うように封止基板24が設けられている。
光散乱層20は、駆動の際、発光層からの光を散乱させる性質を有する層であり、より具体的には、発光層で生じた発光が光散乱層20内の光散乱粒子(いわゆる結晶化、相分離等により生じた分子の集合体)にあたることによって光が散乱する層である。このような光散乱層20を有しない従来の有機EL素子では発光層との隣接層界面あるいは有機EL層と電極界面で反射し、有機EL層内を導波して外部に取り出されない発光をも外部に取り出すことを可能とし、有機EL素子の光取り出し効率を向上させることができる。
以下、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子についてより具体的に説明する。
<支持基板>
有機EL素子22を形成するための支持基板12は、有機EL素子22を支持することができる強度を有するものであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
支持基板12としてガラスを用いる場合、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。
有機材料からなる支持基板12を用いる場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。特にプラスチック製の支持基板12を用いる場合には、水分や酸素の透過を抑制するため、支持基板12の片面又は両面に透湿防止層又はガスバリア層を設けることが好ましい。透湿防止層又はガスバリア層の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物を好適に用いることができる。透湿防止層又はガスバリア層は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
また、熱可塑性の支持基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
支持基板12の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL素子22の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、支持基板12の形状としては、取り扱い性、有機EL素子22の形成容易性等の観点から、板状であることが好ましい。支持基板12の構造は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。また、支持基板12は、単一部材で構成されていてもよいし、2つ以上の部材で構成されていてもよい。
なお、図1に示した発光パネル10のように、支持基板12とは反対側から光を取り出すトップエミッションタイプとする場合には、支持基板12側から発光を取り出す必要がないため、例えば、ステンレス、Fe、Al、Ni、Co、Cuやこれらの合金等の金属基板やシリコン基板を用いることもできる。金属製の支持基板であれば、厚みが薄くても、強度が高く、大気中の水分や酸素に対して高いガスバリア性を有するものとなる。なお、金属製の支持基板を用いる場合には、支持基板12と下部電極14との間に電気絶縁性を確保するための絶縁膜を設けておく必要がある。
本発明に係る有機EL素子は、例えば以下のような層構成に加え、発光層からの光を取り出す側の電極(陽極又は陰極)の外側に、分子量が2000以下の1種以上の有機材料からなる光散乱層20を配置した構成を採用することができる。ただし、光散乱層20以外の層構成は以下に限定されず、目的等に応じて適宜決めればよい。
・陽極/発光層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
<電極>
下部電極14と上部電極18は、一方を陽極とし、他方を陰極とする。図1に示すようなトップエミッションタイプの発光パネル10では、発光層の光は上部電極18側から取り出されるため、少なくとも上部電極18は発光層の光に対する透過性を有するように電極材料及び厚みを選択して形成する。上部電極18の光透過率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。一方、下部電極14は発光層からの光を透過する必要はなく、光反射性を有することが好ましい。
−陽極−
陽極は、有機EL層に正孔を供給する電極としての機能を有するものであれば、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL素子の用途、目的等に応じて公知の電極材料から適宜選択することができる。
陽極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。具体例として、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
陽極を形成する方法としては、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式が挙げられ、陽極を構成する材料との適性等を考慮して適宜選択すればよい。例えば、陽極材料としてITOを用いる場合には、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って陽極を形成することができる。
陽極を形成する位置は、有機EL素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができ、支持基板12の全体に形成してもよいし、一部に形成してもよい。
陽極を形成する際のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよい。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等を行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陽極の厚みは、陽極を構成する材料等に応じて適宜選択すればよいが、通常は10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
また、陽極の抵抗値は、有機EL層に確実に正孔を供給するために、10Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。
陽極側から光を取り出す場合は、その光透過率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載されている事項を本発明でも適用することができる。例えば、耐熱性の低いプラスチック製の支持基板を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
−陰極−
陰極は、通常、有機EL層16に電子を注入する電極としての機能を有し、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL素子の用途、目的等に応じて公知の電極材料の中から適宜選択することができる。陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としてアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点から、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点でアルミニウムを主体とする材料が好ましい。アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。なお、陰極の材料については、例えば、特開平2−15595号公報及び特開平5−121172号公報に詳述されており、これらの公報に記載の材料は本発明においても適用することができる。
陰極の形成方法については特に制限はなく、公知の方法に従って形成することができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD法、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、陰極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時に又は順次、スパッタ法等に従って陰極を形成することができる。
陰極の厚みは、陰極を構成する材料や光の取り出し方向に応じて適宜選択すればよく、通常は1nm〜5μm程度である。
陰極を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよい。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等によって行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陰極の形成位置は特に制限はなく、有機EL層16上の全体に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
陰極と有機EL層16との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで形成してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と解することもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
上記により形成した陰極層の上に、導電性を高めるために、他の単数または複数の導電層を形成して多層構造としてもよい。このとき導電層を形成する材料としては、上記の陰極材料の他に、前記した陽極用材料や他の一般的な導電性材料を用いることができる。導電層の形成方法としては、例えば、前記した陰極の形成方法として例示した方法を適用することができる。
<有機エレクトロルミネッセンス層>
有機EL層16は、陽極と陰極の間に挟まれ、少なくとも発光層を含む構成とする。有機EL層16を構成する発光層以外の層としては、前述したように、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。好ましい層構成として、例えば、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が挙げられ、さらに、例えば正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間に、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には電子注入層を有してもよい。また、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
このような有機EL層16を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても形成することができる。
有機EL層16を構成する各層の材質、厚み等は特に限定されず、公知のものから選択することができる。
−発光層−
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
発光層は、発光材料のみで構成されていても良く、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でも良い。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であっても良く、ドーパントは1種であっても2種以上であっても良い。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料(バインダー)を含んでいても良い。
また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
蛍光発光材料の例としては、例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
また、燐光発光材料は、例えば、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。
遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金である。
ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry, Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer-Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
燐光発光材料は、発光層中に、0.1〜40質量%含有されることが好ましく、0.5〜20質量%含有されることがより好ましい。
また、発光層に含有されるホスト材料としては、例えば、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するものや、後述の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層の項で例示されている材料が挙げられる。
発光層の厚さは特に限定されるものではないが、通常、1nm〜500nmであることが好ましく、5nm〜200nmであることがより好ましく、10nm〜100nmであることが更に好ましい。
−正孔注入層、正孔輸送層−
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、フェニルアゾールやフェニルアジンを配位子に有するIr錯体に代表される各種金属錯体等を含有する層であることが好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであることが好ましく、5nm〜200nmであることがより好ましく、10nm〜200nmであることが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであることが好ましく、0.5nm〜200nmであることがより好ましく、1nm〜200nmであることが更に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−電子注入層、電子輸送層−
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
電子注入層、電子輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであることが好ましく、5nm〜200nmであることがより好ましく、10nm〜100nmであることが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであることが好ましく、0.2nm〜100nmであることがより好ましく、0.5nm〜50nmであることが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−正孔ブロック層−
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであることが好ましく、5nm〜200nmであることがより好ましく、10nm〜100nmであることが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
<光散乱層>
本発明に係る有機EL素子22は、有機EL層16がいずれの層構成であっても、発光層からの光を取り出す側の電極の外側には、分子量が2000以下の1種以上の有機材料からなる光散乱層20を形成する。光を取り出す側の電極18の外側に、上記のような比較的低分子量の有機材料からなる光散乱層20が配置されていることで、光散乱層20を構成する有機材料の結晶化や相分離などにより光散乱性を呈し、発光層からの光を効率的に取り出すことができる。なお、光散乱層20を2層以上設けてもよい。この場合、各層を構成する有機材料は分子量が2000以下であれば、同じ種類でも良いし、異なる種類でも良い。
光散乱層20を構成する材料としては、分子量が2000以下であって、成膜したときに光散乱性を有する有機材料を用いる。特に、トップエミッションタイプの有機EL素子22を製造する場合、上部電極18上に光散乱層20を形成するとなると、既に有機EL層等が形成されているため、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式によって成膜することは有機EL層16や電極18の劣化を招いてしまう。しかし、分子量が2000以下の有機材料であれば、真空蒸着によって成膜することができるので、有機EL層16や電極18を劣化させずに光散乱層20を容易に形成することができる。
光散乱層20の厚さは、使用する材料等にもよるが、発光層からの光を確実に散乱させる一方、光透過性が低下することを抑制するため、1nm〜10μmが好ましく、5nm〜1μmがより好ましく、10nm〜0.5μmが特に好ましい。
また、光散乱層20を構成する材料は、分子量が2000以下であり、成膜後、光散乱性を発揮するものであれば特に限定されないが、発光層からの光を吸収してしまうと、輝度の低下を招いてしまう。従って、光散乱層20を構成する有機材料は、吸収スペクトルの長波長端が450nm以下であるものが好ましい。
本発明に係る光散乱層20を構成する有機材料について、以下、具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
(A)シロキサン化合物

(B)シリコン化合物

(C)アルキル構造を有する炭化水素化合物
分子量が2000以下のアルキル構造を有する炭化水素化合物は、蒸着によって比較的低温で成膜できる観点から、二重結合を含まず、エチレン(−CHCH−)構造を含む飽和炭化水素化合物であることが好ましく、直鎖飽和炭化水素化合物であることがより好ましい。アルキル構造を有する炭化水素化合物が、飽和炭化水素化合物であれば、成膜後、光散乱層20を構成する観点から、室温(25℃)において固体であることが好ましい。例えば、以下の構造のものが挙げられる。
n−C3062、n−C4082
(D)芳香族化合物

(E)アダマンタン化合物

(F)上記材料を含む混合膜
光散乱層20は、上記のような分子量が2000以下であり、光散乱性を有する一種類の有機材料を用いて形成してもよいし、上記材料を二種以上用いて共蒸着によって混合膜として形成してもよいし、単独または複数の上記材料と、分子量が2000以下で、かつ、単独では通常は光散乱性を有する膜を形成し得ない材料を組み合わせた二種以上の有機材料を用いて共蒸着によって混合膜として形成してもよい。例えば、以下のような組成の混合膜により光散乱層を形成することができる。
50wt%E−1+5wt%n−C3062
mCP+5wt%n−C3062
mCP+50wt%E−1
CBP+50wt%A−3
上記mCPおよびCBPは、それぞれ単独での通常の蒸着条件による成膜では必ずしも白濁膜を形成しないが、上記材料と混合して製膜することにより白濁膜を形成させることができる。
分子量が2000以下の有機材料で、通常の蒸着条件による成膜では必ずしも白濁膜を形成しない材料を用いて光散乱層20を形成する際、光散乱性の付与の観点から、蒸着速度は、0.5Å/sec以下で形成することが好ましい。このような低い蒸着速度であれば、結晶化あるいは相分離した状態の白濁した層が形成され易く、光散乱性を効果的に発揮することができる。蒸着速度の下限値は、生産性等の観点から、0.05Å/sec以上とすることが好ましい。
なお、上記のような分子量が2000以下の有機材料を蒸着して透明状態の膜を形成した後、その透明な有機膜を高温処理(例えば50〜150℃)により白濁化させて光散乱層20としてもよい。
支持基板12上に、下部電極14、有機EL層16、及び上部電極18を順次形成した後、上記のような有機材料を用い、例えば図1に示したように上部電極18上に光散乱層20を形成する。
<保護層>
本発明の有機EL素子22における光散乱層20は、発光層からの光を取り出す側の電極18よりも外側に配置されていればよく、必ずしも上部電極18上に直接設ける必要はない。例えば、図2に示されるように、上部電極18上に、酸素や水分の侵入を抑制する保護層19等を設け、その上に光散乱層20形成してもよい。
保護層19を形成する材料の具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO等の金属酸化物、SiN、SiN等の金属窒化物、MgF、LiF、AlF、CaF等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層19の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
なお、保護層19を設ける場合、トップエミッションタイプでは、発光層からの光は保護層19を経由して外に取り出されるため、保護層19は光透過性をできるだけ低下させない材料や厚みを選択する。
保護層19の厚みは、その材質にもよるが、厚過ぎると光透過性の低下の要因となるだけでなく、発光層と光散乱層20との間の距離が大きくなり、光散乱効果の低下を招くおそれがある。光散乱層20による光散乱効果を向上させるため、光散乱層20と、発光層からの光を取り出す側の電極18との間隔は、1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以下であり、電極18上に直接光散乱層20を形成することが最も好ましい。
図3に示すように、上部電極18上に光散乱層20を形成し、光散乱層20上に保護層19を形成してもよい。このように上部電極18上に直接光散乱層20を形成すれば、光散乱効果を十分発揮することができるとともに、保護層19によって高いガスバリア効果等を得ることができる。ただし、この場合も、保護層19を介して光が取り出されることになるため、保護層19の材質及び厚みは光透過性をできるだけ妨げないように選択すればよい。
<封止基板等>
光散乱層20を形成した後、水分や酸素による有機EL素子22の劣化を抑制するため、封止基板24により被覆して封止してもよい。図1に示すようなトップエミッションタイプの場合、封止基板24としては、ガラス、プラスチック等の光透過性を有する基板を用いる。
樹脂フィルム製の封止基板24としては、PET、PEN、PES等、支持基板12と同様の材質を用いることができる。
封止基板24の厚みは、光透過性、強度、軽量化などの観点から、好ましくは0.05〜2mmである。
なお、封止基板24として樹脂フィルムを用いる場合には、バリア性を高めるため、バリア層を設けた樹脂フィルムを用いることが好ましい。バリア層の厚みは、その材質や要求されるバリア性に応じて決めればよいが、通常は100nm〜5μm、より好ましくは1μm〜5μmである。
封止の際、封止基板24と支持基板12との間の空間には、気体又は液体の不活性流体を充填する。不活性ガスとして、例えばアルゴン、窒素等が挙げられる。また、不活性液体として、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
さらに、各電極14,18に対して、それぞれ制御配線、信号配線等の外部配線を接続する。これにより、有機EL素子を備えた発光パネルを製造することができる。陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
なお、本発明に係る有機EL素子を備えた発光パネルを製造する場合、その駆動方式は限定されず、パッシブマトリクス方式及びアクティブマトリクス方式のいずれも採用することができる。
本発明の有機EL素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は薄膜トランジスタによりアクティブマトリックスへ適用することができる。薄膜トランジスタの活性層としてアモルファスシリコン、高温ポリシリコン、低温ポリシリコン、微結晶シリコン、酸化物半導体、有機半導体、カーボンナノチューブ等を適用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例では、ガラス基板(25mm×25mm×0.7mm)上に、下記の標準構成を有するトップエミッションタイプの有機EL素子を形成した(カッコ内は各層の厚みである)。なお、各有機EL層は真空蒸着装置(1×10−6torr)を用いて形成した。
標準構成:ガラス/Al(100nm)/MoOを10質量%含む2−TNATA(50nm)/NPD(30nm)/Alq(50nm)/LiF(0.5nm)/Al(1.5nm)/ITO(100nm)
<比較例1>
上記標準構成のトップエミッション素子を形成した後、封止用ガラス基板及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ社製)を用いて封止した。
両電極に外部配線を接続し、一定電流密度(5mA/cm)における発光輝度を測定した。発光輝度の測定は、分光輝度計SR3(トプコン社製)を用いて行った。
<実施例1>
上記標準構成のトップエミッション素子を形成した後、ITO膜上に化合物E−1膜(100nm、白濁)を真空蒸着法によって成膜した。次いで、封止用ガラス基板及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ社製)を用いて封止した。
両電極に外部配線を接続し、一定電流密度(5mA/cm)における発光輝度測定した。光取り出し効率については、駆動電流が同条件であるときの発光輝度の上昇分から評価した。
標準構成を有する比較例1の有機EL素子の発光輝度(70cd/m)を基準とし、実施例1の有機EL素子の光取り出し効率の変化(上昇分)を測定した。
同一駆動条件で、実施例1の発光輝度は比較例1の1.5倍である。
<実施例2>
上記標準構成のトップエミッション素子を形成した後、ITO膜上に、封止膜としてSiN層(5μm)をスパッタ法によって形成した。次いで、SiN層上に、テトラフェニルアダマンタン膜(100nm、白濁)を真空蒸着法によって成膜した。実施例1と同様に封止及び外部配線との接続を行い、光取り出し効率(発光輝度)を測定した。
同一駆動条件で、実施例2の発光輝度は比較例1の1.1倍である。
<実施例3>
上記標準構成のトップエミッション素子を形成した後、ITO膜上に化合物E−1膜(100nm、白濁)を真空蒸着法によって成膜した。次いで、保護膜としてSiN層(5μm)をスパッタ法によって形成した。実施例1と同様に封止及び外部配線との接続を行い、光取り出し効率(発光輝度)を測定した。
同一駆動条件で、実施例3の発光輝度は比較例1の1.4倍である。
<実施例4>
上記標準構成のトップエミッション素子を形成した後、mCP膜(100nm)を0.1Å/sの蒸着速度で成膜した。mCP膜は白濁していた。実施例1と同様に封止及び外部配線との接続を行い、光取り出し効率(発光輝度)を測定した。
同一駆動条件で、実施例4の発光輝度は比較例1の1.4倍である。
<実施例5>
上記標準構成のトップエミッション素子を形成した後、化合物A−3膜(100nm、白濁)を真空蒸着法によって成膜した。実施例1と同様に封止及び外部配線との接続を行い、光取り出し効率(発光輝度)を測定した。
同一駆動条件で、実施例5の発光輝度は比較例1の1.4倍である。
<実施例6>
上記標準構成のトップエミッション素子を形成した後、化合物B−1膜(100nm、白濁)を真空蒸着法によって成膜した。実施例1と同様に封止及び外部配線との接続を行い、光取り出し効率(発光輝度)を測定した。
同一駆動条件で、実施例6の発光輝度は比較例1の1.5倍である。
<実施例7>
上記標準構成のトップエミッション素子を形成した後、化合物D−1膜(100nm、白濁)を真空蒸着法によって成膜した。実施例1と同様に封止及び外部配線との接続を行い、光取り出し効率(発光輝度)を測定した。
同一駆動条件で、実施例7の発光輝度は比較例1の1.4倍である。
<比較例2>
上記標準構成のトップエミッション素子を形成した後、下記構造式のペリレン系化合物を用いて蒸着により成膜した。このペリレン系化合物の膜厚は100nmであり、赤色で濁り(光散乱性)がない膜であった。
実施例1と同様に封止及び外部配線との接続を行い、光取り出し効率(発光輝度)を測定した。
同一駆動条件で、比較例2の発光輝度は比較例1の0.3倍である。
上記のように、実施例1〜7では、いずれも標準構成の比較例1の有機EL素子よりも光取り出し効率が高くなる。なお、上部電極上に保護層を介して光散乱層を形成した実施例2よりも、上部電極上に直接光散乱層を形成した実施例1、および光散乱層上に保護層を形成した実施例3の方が光取り出し効率が高かった。光散乱層が発光層に近い方が光散乱効果が得られ易く、光取り出し効率が一層向上し易いと考えられる。
一方、ペリレン系化合物を用いて成膜した比較例2では、ペリレン系化合物膜が緑色の光を吸収するため、AlqからのEL発光(緑〜黄色)の大部分が吸収されて発光輝度が大幅に低下すると考えられる。
以上、本発明について説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。例えば、本発明の有機EL素子は、ボトムエミッションタイプでもよいし、両面から発光するタイプとしてもよい。例えば、ボトムエミッションタイプでは、透明な支持基板上に、分子量が2000以下の1種以上の有機材料からなる光散乱層を形成し、光散乱層上に透明電極、有機EL層、対向電極を順次形成すればよい。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の構成の一例を示す概略図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の構成の他の例を示す概略図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の構成の他の例を示す概略図である。
符号の説明
10・・・発光パネル
12・・・支持基板
14・・・下部電極
16・・・有機エレクトロルミネッセンス層
18・・・上部電極
19・・・保護層
20・・・光散乱層
22・・・有機エレクトロルミネッセンス素子
24・・・封止基板

Claims (6)

  1. 発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス層を介して対向配置され、少なくとも前記発光層からの光を取り出す側が光透過性を有する一対の電極と、
    前記発光層からの光を取り出す側の電極の外側に配置され、分子量が2000以下の1種以上の有機材料からなる光散乱層と、
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記光散乱層と、前記発光層からの光を取り出す側の電極との間隔が、1000nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記光散乱層の厚さが、1nm〜10μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記光散乱層を構成する有機材料の吸収スペクトルの長波長端が、450nm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子が基板上に設けられており、前記光散乱層が、前記発光層に対して前記基板とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記光散乱層が、該光散乱層を構成する有機材料の結晶化又は相分離により光散乱性を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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