JP2010014809A - 液晶表示素子及びプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】反射型の液晶表示素子1に強い光が照射されると、液晶パネル2に温度分布が生じて、表示の輝度むらや応答速度むらが発生し、画像品質が低下した。
【解決手段】表面の表示領域Aに入射した光を変調して画像光として反射する液晶パネル2と、この液晶パネル2の裏面の側に設置した放熱部4との間、熱伝導性充填材5を充填し、更に、放熱部4の液晶パネル2側の表面を、周辺部に対して凸状の湾曲した形状とすることにより、液晶パネル2の温度分布を均一化して、表示の輝度むら等を低減した。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶パネル部において発生する熱を放熱するための放熱部を備えた液晶表示素子に関し、特に、光源からの光を入射して画像信号により変調された画像光を反射する反射型の液晶表示素子及びこれを用いたプロジェクタに関する。
液晶表示素子はパーソナルコンピュータやテレビの表示素子として広く実用化されてきている。反射型の液晶表示素子を光変調素子として用いて、大画面表示を行うプロジェクタやプロジェクション型テレビが実用化されてきている。この種の液晶表示素子として、TFTやMOS型トランジスタを液晶層側の基板面に形成して、各画素電極に与える画像信号を制御可能に構成した液晶パネルを用いたアクティブ型液晶表示素子が使用される。近年、表示装置の軽量小型化の要請に伴い、この種の液晶表示素子も軽量小型化が図られている。また、映画館やホールに使用する大画面投影装置としても、液晶表示素子を用いることが検討されている。これらの投影装置は、液晶パネルの表示面の大きさに対する投影画像の大きさの比率、即ち投影像の拡大比率が大きくなってきている。また、投影像の高輝度化の要請も強い。これに伴い、液晶表示素子の単位面に照射される光の強度が強くなり、液晶パネルの表示領域の温度が上昇する。
液晶表示面の温度が許容温度以上に上昇すると、液晶パネル又は液晶パネルを保持する保持部材との間に応力が発生して表示面が歪んでしまう。また、2枚の基板間に挟持された液晶や液晶層の層厚が変化して、表示領域において表示ができなくなる、或いは表示の輝度むらや応答速度むらが発生する。また、2枚の基板間に液晶を封入するシール部が劣化して、液晶層内に不純物が侵入する、等の不具合が発生しやすくなる。
図6は、液晶パネル51の背面側に放熱部52を設けた液晶表示素子50の模式的な縦断面図である。液晶表示素子50は、液晶パネル51と、液晶パネル51を支持する支持部54と、液晶パネル51から放熱部52に熱を伝達する熱伝導性充填材53と、液晶パネル51の表示領域に光をマスキングする光遮蔽用のマスク55等から構成されている。液晶パネル51の端部裏面は熱伝導性の支持部54と面接触し、支持部54は放熱部52に面接触する。放熱部52の液晶パネル51と反対側の表面には放熱用のフィンが形成されている。
液晶パネル51は、光源からの光を上方から入射し、画像光として変調された光を上方へ反射する。光源から入射する光は光強度が強く、液晶パネル51は加熱される。この液晶パネル51に発生した熱は、矢印で示すように、液晶パネル51の端部において接触する支持部54に放熱され、更に支持部54から放熱部52に放熱される。また、液晶パネル51の中央部の熱は、熱伝導性充填材53を介して放熱部52の液晶パネル51側の表面から放熱される。この構成により、上方からの光照射により発生した熱を下部の放熱部52に放熱して、液晶パネル51が許容温度以上に上昇することを防止する。また、熱伝導性充填材53として粘性材料を使用しているため、液晶パネル51が加熱されて熱膨張が生じたとしても、放熱部52との間の熱膨張差により液晶パネル51に加わる応力も低減される。
特許文献1の図7には、有機EL素子に放熱フィンを設けた構造が示されている。ガラス基板の表面に発光層LTを形成し、その上に放熱フィンを積層している。有機ELの発光層LTは発光面の周辺部よりも中央部において熱が溜まりやすい。そこで、放熱フィンの放熱面積を、周辺部よりも中央部を大きくして、中央部に溜まった熱を逃がしやすくすることが記載されている。また、特許文献2には、サーマルヘッドの冷却方法が記載されている。サーマルヘッドの主走査方向に温度差による濃度分布が発生する。この濃度分布を低減させるために、サーマルヘッドの主走査方向に分割ヒートシンクを密着形成し、サーマルヘッドの温度が上昇するに従い、バイメタルによりヒートシンクがサーマルヘッドに密着するように構成し、温度上昇した領域を冷却させる。
特許3849143号公報(図7) 特開2006−334847号公報
しかし、液晶表示素子を反射型表示素子として使用する場合の光源は、均一な強度分布を持っておらず、中央部の光強度が周辺部の光強度よりも高い。また、図6に示す冷却構造で使用している熱伝導性充填材53は、周囲の支持部や放熱部と比較して熱伝導率が低い。そのために、中央部は周辺部よりも熱が溜まりやすくなる。その結果、表示領域の中央部は周辺部よりも温度が高くなる。このような温度分布が生ずると、液晶パネル51の表示画像に輝度むらや応答速度のむら発生し、表示品質が低下する。
特許文献1に記載された冷却構造は、中央部の放熱を周辺部よりも促進させるために、中央部の放熱フィンの高さを高くして放熱面積を拡大させている。そのため、放熱部は体積が増大し、かつ重量も重くなる。また、この放熱部は、熱量が中央部に多量に流入した場合の放熱部自体の温度分布の均一化を図るものである。しかし、液晶パネルの場合は、この種の放熱部材を直接液晶パネルに固定すると、熱膨張差により液晶パネルに応力が加わり、この応力に起因して表示輝度むらが発生する。また、図6に示す液晶パネルように、熱伝導性充填材53を介して放熱部を設置した場合には、既に説明したように液晶パネルからの放熱が熱伝導性充填材53により規制される。そのために、中央部に熱が溜まりやすく、液晶パネルに温度分布が生じる。また、特許文献2のバイメタルによるヒートシンクは、構造が複雑となること、また、バイメタルが液晶パネルに接触するだけでは、液晶パネルの温度分布を高精度に制御することが困難である。そのために、特許文献1や特許文献2の放熱手段を液晶パネルには適用し難い。
本発明は上記課題を解決するために以下の手段を講じた。
請求項1の発明においては、表面の表示領域に入射した光を画像光に変調して反射する液晶パネルと、前記液晶パネルの端部を支持する支持部と、前記表示領域に対応する表面を備え、前記液晶パネルの裏面の側に設置された放熱部と、前記液晶パネルの裏面と前記放熱部の表面との間に充填された熱伝導性充填材と、を備え、前記放熱部の表面は、前記表示領域に対応する領域において中央部がその周辺部に対して凸状に湾曲する形状を備えている液晶表示素子とした。
請求項2の発明においては、表面の表示領域に入射した光を画像光に変調して反射する液晶パネルと、前記液晶パネルの端部を支持する支持部と、前記表示領域に対応する表面を備え、前記液晶パネルの裏面の側に設置された放熱部と、前記液晶パネルの裏面と前記放熱部の表面との間に充填された熱伝導性充填材と、を備え、前記熱伝導性充填材は、前記表示領域に対応する領域において中央部から周辺部に向かって厚さが厚くなる液晶表示素子とした。
請求項3の発明においては、前記熱伝導性充填材は、シリコーングリースであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示素子とした。
請求項4の発明においては、前記熱伝導性充填材は、前記表示領域に対応する領域において中央部から周辺部に向かって厚くなるように形成され、前記領域の幅に対する前記中央部と周辺部との間の厚さの差の割合が0.1%〜1.5%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子とした。
請求項5の発明においては、前記放熱部は、前記液晶パネルと反対側の裏面に放熱フィンを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示素子とした。
請求項6の発明においては、光源と、表面に表示領域に入射した前記光源からの光を画像光に変調して反射する液晶パネルと、前記液晶パネルの端部を支持する支持部と、前記表示領域に対応する表面を備え、前記液晶パネルの裏面の側に設置された放熱部と、前記液晶パネルの裏面と前記放熱部の表面との間に充填された熱伝導性充填材と、前記反射された画像光を投影する投影レンズと、を備え、前記放熱部の表面は、前記表示領域に対応する領域において中央部がその周辺部に対して凸状に湾曲する形状を備えているプロジェクタとした。
本発明においては、液晶パネルと、これを支持する支持部と、液晶パネルの裏面の側に設置した放熱部と、液晶パネルと放熱部との間の間隙に充填した熱伝導性充填材と、を備えている。更に、放熱部の表示領域に対応する表面は、周辺部に対して中央部が凸状の形状を有している。これにより、熱伝導性充填材の厚さは、液晶パネルの表示領域のうち、熱が溜まりやすい中央部のほうが周辺部よりも薄くなる。その結果、周辺部よりも中央部の放熱が促進されて温度分布の均一化を図ることができ、表示の輝度むらや表示応答速度のむらを低減して表示品質を向上させることができる。
以下、本発明について図面を用いて具体的に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示素子1を表す模式的な縦断面図である。液晶表示素子1は、液晶パネル2と、液晶パネル2を支持する支持部3と、支持部3及び液晶パネル2の裏面側に設置された放熱部4と、液晶パネル2の裏面と放熱部4の表面との間に充填された熱伝導性充填材5とを備えている。液晶パネル2は反射型であり、有効な表示領域Aに光が照射される。放熱部4は、液晶パネル2の表示領域Aに対応する表面が凸状に湾曲している。そのために、熱伝導性充填材5は、表示領域Aの中央部に対応する領域は薄く、中央部から周辺部に向かって厚くなるように構成される。
液晶パネル2の上部から光が照射されると、液晶パネルが加熱される。液晶パネル2は支持部3により保持されており、液晶パネル2で生成された熱は支持部3を介して放熱部4に放熱される。一方、表示領域Aにおいては、熱伝導性充填材5の表示領域Aに対応する中央部のほうが周辺部よりも熱伝導性が高くなる。そのために、上部から光が照射されて液晶パネル2が加熱されたときに、表示領域Aの中央部に溜まりやすい熱は速やかに放熱され、表示領域Aの周辺部の逃げやすい熱は相対的に保持されて、温度の均一化が図られる。その結果、液晶表示素子1の表示の輝度むらや表示応答速度むらが低減し、表示品質を向上させることができる。
液晶パネル2は、シリコン半導体基板とガラスからなる透明基板とをシール材を介して張り合わせ、この2枚の基板間に液晶層を封入したアクティブ液晶表示素子を使用した。シリコン半導体基板の液晶層側の表面には、多数の表示画素とこの表示画素の夫々にMOSトランジスタとコンデンサーを形成している。対向する透明基板の液晶層側には、インジウムスズ酸化物からなる透明電極を形成した。画素電極はアルミニウムからなる反射面により形成した。また、液晶パネル2として、アモルファスシリコンやポリシリコンからなるTFTを各画素電極に構成したアクティブ液晶パネルとすることができる。
支持部3及び放熱部4は熱伝導性の高いアルミニウム等の金属材料を使用した。支持部3は、液晶パネル2の裏面端部と面接触するように保持されている。支持部3は放熱部4の外周部において面接触し、接着剤等により固定されている。放熱部4の裏面には、放熱フィン6が一体的に形成されている。この構成により、熱は液晶パネル2の端部から支持部3に放熱され、更に放熱部4に放熱される。支持部3と放熱部4とを一体的に形成してもよい。
熱伝導性充填材5として、比較的熱伝導性が高いシリコーングリースを使用することができる。シリコーングリースは、シリコーンオイルを主成分として増粘剤を混入したものである。シリコーングリースは、100Pa・s〜1000Pa・sの粘性が好ましい。100Pa・s以下では流動性が高く、隙間から漏れ出しやすく、1000Pa・sを超えると、液晶パネル2に応力歪を与えて表示の輝度むらが発生しやすくなる。熱伝導性充填材5は、液晶パネル2と放熱部4との間に気泡等が混入しないようにして充填する。また、熱伝導性充填材5としてシリコーングリースの他に熱伝導性アクリル系樹脂等を使用することができる。
図2は、熱伝導率λ(W/m・k)の熱伝導を説明するための立方体を表す。立方体の上面の面積をS(m)、上面の高温部の温度をT1(K)、底面の低温部の温度をT2(K)、上面と底面との距離をL(m)、熱伝導による伝熱量をQとした場合、上面と底面との温度差ΔTは、ΔT=(Q×L)/(S×λ)、により表すことができる。即ち、上面と底面との間の温度差は、上面と底面との間の距離L及び伝熱量Qに比例する。従って、発熱量の大きい表示領域の中央部の間隙を狭くし、発熱量が相対的に小さい周辺部の間隙を広くすることにより、表示領域の温度勾配を低減して面内温度を均一化することができる。
そこで、放熱部4は、表示領域Aに対応する表面を凸状に湾曲させている。湾曲は、円弧状であってもよいし、放物線状であってもよい。要するに、光の照射により液晶パネル2が発熱し、その温度分布に合う形状とする。通常、入射する光の光軸の光強度が最も強いので、凸状湾曲の頂点を表示領域Aの中央部とする。
図3は、図1に示す液晶表示素子1の表示領域の位置と液晶パネル2の温度との関係を表すグラフである。横軸が液晶パネル2の有効な表示領域Aの幅を表し、縦軸が温度を表す。液晶パネル2の表示領域Aは、35mmの幅を有する。グラフRefは、放熱部4の表面を平坦面とした場合の液晶パネル2の温度分布を表し、グラフR1は、放熱部4の表面の周辺部に対する凸部の高さを0.1mmとした場合、グラフR2は、凸部の高さを0.2mmとした場合である。なお、放熱部4の凸部の頂点と液晶パネル2の裏面との間の間隔は概ね0.2mmとしている。また、液晶パネル2の裏面は平坦面である。
図3から、放熱部4の表面を平坦面とした場合には、グラフRefに示されるように、液晶パネル2の中央部と周辺部では概ね1.5℃の温度差が生じている。これに対して、凸部の高さが0.1mmの場合には温度差が約0.7℃であり、凸部の高さが0.2mmの場合は温度差が約0.5℃となった。従って、放熱部4の表面を凸状の湾曲とすることは、液晶パネル2の温度を均一化するのに極めて有効であることがわかる。
表示領域Aの幅が、例えば1〜2インチである場合に、表示領域Aに対応する放熱部4の表面の、周辺部に対する凸部の頂点の高を0.05mm〜0.5mmの範囲に設定する。より好ましくは、0.1mm〜0.3mmに設定する。凸部の高さを0.05mm以下にすると液晶パネル2の温度分布を均一化する効果が薄れ、0.5mm以上とすると表示領域Aの中央部に対して周辺部の温度が上昇し、再び温度分布が現れる。なお、このように放熱部4を凸状に形成した場合に、その頂点と液晶パネル2の裏面との間の間隙、即ち熱伝導性充填材5の厚さは、例えば0.05mm〜0.5mmとする。間隙を0.05mmよりも狭くすると、液晶パネル2の裏面と放熱部4の表面とが直接接触して液晶パネル2に温度むらが発生しやすくなり、0.5mmよりも広くすると、熱伝導性が低下して熱が液晶パネル2に溜まり、温度分布が生じやすくなる。
なお、上記図3は、放熱部4の液晶パネル側の表面形状に基づいて説明したが、これを熱伝導性充填材5の厚さに置き換えて説明することができる。即ち、グラフRefは、液晶パネル2の裏面と放熱部4の表示領域に対応する表面との間に充填される熱伝導性充填材5の厚さが均一の場合である。グラフR1は、熱伝導性充填材5の厚さが表示領域に対応する領域の中央部から周辺部に向かって厚くなるように形成される場合の、中央部と周辺部の厚さの差が0.1mmの場合である。グラフR2は、同様に、中央部と周辺部の厚さの差が0.2mmの場合である。更に、中央部と周辺部の間の厚さの差を0.05mm〜0.5mmの範囲に設定するのが好ましく、より好ましくは0.1mm〜0.3mmに設定する。これを、表示領域の幅に対する中央部と周辺部との間の厚さの差の割合で表すと、好ましくは0.1%〜1.5%の範囲に設定し、より好ましくは0.3%〜0.9%の範囲に設定する。
また、放熱部4の表示領域に対応する表面を凸状の湾曲面とすることに代えて、液晶パネル2の裏面を凸状の湾曲面とし、放熱部4の表面を平坦面としても、本発明の効果を得ることができる。要は、熱伝導性充填材5の厚さを、中央部が薄く周辺部が厚くなるように構成すればよい。液晶パネル2の下側基板としてシリコン単結晶板を使用する場合に、このシリコン単結晶板の裏面を凸状に湾曲して形成すればよい。
図4は、本発明の実施形態に係る液晶表示素子1の模式的な分解斜視図である。同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図4に示すように、液晶パネル2は支持部3に収納され、支持部3は放熱部4の上に設置される。液晶パネル2の上部には、液晶パネル2の有効な表示領域A以外の領域に照射される光を遮蔽するためのマスク11が設置される。支持部3及び放熱部4はアルミニウムやステンレス等の金属材料から形成されている。支持部3は枠状の形状を有しており、内側には液晶パネル2を支持するための段差部7が設けられている。また、対向する両辺には液晶表示素子1を固定するための4箇所の取付け部8が形成されている。放熱部4の表面は、外周の平坦部9と、中央部であり、液晶パネル2の表示領域に対応する突出部10が形成されている。突出部10の表面は凸状に湾曲しており、熱伝導性充填材を介して液晶パネル2と熱的に接触する。外周の平坦部9は、支持部3を受けて支持部3から熱を放熱できるように構成されている。放熱部4の裏面側には多数の突条からなる放熱フィン6が形成されている。これにより、外部から光が照射されて液晶パネル2が発熱し、この熱は熱伝導性充填材を介して放熱部4に放熱されるとともに、支持部3を介しても放熱部4に放熱される。なお、熱伝導性充填材は、液晶パネル2の裏面と放熱部4の突出部10との間にのみ充填してもよいし、突出部1と支持部3の段差部7の端部との間隙を埋めるように充填してもよい。
液晶表示素子1をこのように構成することにより、液晶パネル2の有効な表示領域は均一な温度分布となり、表示の輝度むらや応答速度のむらを低減することができる。また、放熱部4を送風ファンにより冷却する場合に、送風ファンの駆動能力を低減する、或いは送風ファンを小型化することができる。これにより、送風ファンの静粛性が向上し、加えて低消費電力及び小型化を図ることができる。なお、本発明による液晶表示素子1は上記構成に限定されず、例えば支持部3と放熱部4とを一体的に構成してもよいし、放熱部4の熱容量が十分大きければ、必ずしも放熱フィン6を構成しなくともよい。
図5は、本発明の実施形態に係る液晶表示素子1を用いたプロジェクタ30を表す模式的なブロック図である。本実施形態においては、例えば、図1又は図4において説明した液晶表示素子1を使用する。従って、液晶表示素子1の構成については、図1又は図4と同様なので、説明を省略する。
プロジェクタ30は、光源31と、赤色R、緑色G、青色Bに分離するダイクロイックミラー32〜34と、偏光ビームスプリッタ35と、RGBごとに設置された3枚の液晶表示素子1R、1G、1Bと、合成プリズム36と、投影レンズ37から構成されている。光源31は、RGBの波長光を含むハロゲンランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、又はLED等から構成される。光源31の光は、ダイクロイックミラー32によりRGとBとに分離され、RGに分離された光はダイクロイックミラー33により更にRとGに分離される。Rに分離された光は、偏光ビームスプリッタ35Rにより偏光光に変換されて液晶表示素子1Rに照射される。Gに分離された光は、偏光ビームスプリッタ35Gにより偏光光に変換されて液晶表示素子1Gに照射される。Bに分離された光は、ダイクロイックミラー34又は反射面により反射され、偏光ビームスプリッタ35Bにより偏光光に変換されて、液晶表示素子1Bに照射される。
各液晶表示素子1R、1G、1Bは、RGBの各画像信号に応じて入射光の偏光方向を変調して、夫々対応する偏光ビームスプリッタ35R、35G、35Bに変調光として反射する。各偏光ビームスプリッタ35R、35G、35Bは、夫々の液晶表示素子1R、1G、1Bから入射した変調光を可視化して合成プリズム36の対応面に射出する。合成プリズム36は、各色の変調光を合成して投影レンズ37に向けて射出し、スクリーン38に投影像が投影される。これにより、明るさのむらやコントラストのむらを低減し、画像品質を向上させた投影像を投影することができる。
本発明の実施形態に係る液晶表示素子の模式的な縦断面図である。 熱伝導率λの熱伝導を説明するための立方体を表す。 本発明の実施形態に係る液晶表示素子の、表示領域の位置と液晶パネルの温度との関係を表すグラフである。 本発明の実施形態に係る液晶表示素子の模式的な分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るプロジェクタの模式的なブロック図である。 従来公知の液晶表示素子の模式的な縦断面図である。
符号の説明
1 液晶表示素子
2 液晶パネル
3 支持部
4 放熱部
5 熱伝導性充填材
6 放熱フィン
30 プロジェクタ

Claims (6)

  1. 表面の表示領域に入射した光を画像光に変調して反射する液晶パネルと、
    前記液晶パネルの端部を支持する支持部と、
    前記表示領域に対応する表面を備え、前記液晶パネルの裏面の側に設置された放熱部と、
    前記液晶パネルの裏面と前記放熱部の表面との間に充填された熱伝導性充填材と、を備え、
    前記放熱部の表面は、前記表示領域に対応する領域において中央部がその周辺部に対して凸状に湾曲する形状を備えている液晶表示素子。
  2. 表面の表示領域に入射した光を画像光に変調して反射する液晶パネルと、
    前記液晶パネルの端部を支持する支持部と、
    前記表示領域に対応する表面を備え、前記液晶パネルの裏面の側に設置された放熱部と、
    前記液晶パネルの裏面と前記放熱部の表面との間に充填された熱伝導性充填材と、を備え、
    前記熱伝導性充填材は、前記表示領域に対応する領域において中央部から周辺部に向かって厚さが厚くなる液晶表示素子。
  3. 前記熱伝導性充填材は、シリコーングリースであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示素子。
  4. 前記熱伝導性充填材は、前記表示領域に対応する領域において中央部から周辺部に向かって厚くなるように形成され、前記領域の幅に対する前記中央部と周辺部との間の厚さの差の割合が0.1%〜1.5%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  5. 前記放熱部は、前記液晶パネルと反対側の裏面に放熱フィンを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  6. 光源と、
    表面に表示領域に入射した前記光源からの光を画像光に変調して反射する液晶パネルと、
    前記液晶パネルの端部を支持する支持部と、
    前記表示領域に対応する表面を備え、前記液晶パネルの裏面の側に設置された放熱部と、
    前記液晶パネルの裏面と前記放熱部の表面との間に充填された熱伝導性充填材と、
    前記反射された画像光を投影する投影レンズと、を備え、
    前記放熱部の表面は、前記表示領域に対応する領域において中央部がその周辺部に対して凸状に湾曲する形状を備えているプロジェクタ。
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