JP2010013496A - 精密部品用接着剤組成物および時計用文字板 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱温度が低いプラスチック製の時計用文字板に使用できる接着性にすぐれた精密機器用接着剤組成物を提供する。
【解決手段】精密機器用接着組成物は、(A)(1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはビスフェノールF型エポキシ樹脂と、(2)2モルのビスフェノールAのジグリシジルエーテルと1モルのダイマー酸を反応させた特定のジエポキシを含有する主剤と、(B)変性脂肪族ポリアミン系硬化剤であって25℃の粘度が100から300mPa・sであるアミン系硬化剤と、(C)蛍光特性を有する無機材料とを含有する組成物。
【選択図】なし
【解決手段】精密機器用接着組成物は、(A)(1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはビスフェノールF型エポキシ樹脂と、(2)2モルのビスフェノールAのジグリシジルエーテルと1モルのダイマー酸を反応させた特定のジエポキシを含有する主剤と、(B)変性脂肪族ポリアミン系硬化剤であって25℃の粘度が100から300mPa・sであるアミン系硬化剤と、(C)蛍光特性を有する無機材料とを含有する組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、精密部品を接着するための接着剤組成物およびこれを用いた時計用文字板に関する。より詳しくは、文字板用基体に植え物を接着するための接着剤組成物およびこの接着剤組成物を用いて植え物を基体に接着した時計用文字板に関する。
アナログ時計には、通常、図1に示すような文字板が装着されている。時計用文字板1は、植え物2が基体11に接着されたものである。植え物2としては、たとえば、時刻を示すための時字21、日付表示窓の窓枠22、ロゴマーク23および必要に応じて使用される飾り石などの装飾品が挙げられる。
図2および図3を用いて、時字21を例に植え物2を基体11に接着する方法を説明する。図3に示すように、時計用の基体11に形成した穴11aに時字21の足21aを、基体11の表側から挿入し、文字板用基体11に時字21をはめ込む。次に、基体11の裏側から、時字21の足21aにカシメを施して時字21を仮止めする。ここで、「カシメ」とは、接合部分にはめこまれた爪や金具を工具で打ったり締めたりして接合部を固く留めることをいう。
その後、ゴム系接着剤を有機溶剤に溶解した溶液を、基体11の裏側からディスペンサなどを用いて注入して接着部位に接着剤を拡散させた後、乾燥機で有機溶剤を蒸発させて基体11に時字21を接着する。
このような従来の接着方法では、有機溶剤を使用するため、この有機溶剤によって時計用文字板が変色するという問題があった。また、ゴム系接着剤は時間とともに劣化して接着力が低下するという問題があった。その結果、長期間使用した時計に衝撃が加わると、植え物が基体から脱離するという問題があった。この問題を解決するため、時計に衝撃が加わっても植え物が脱離しないように植え物を小さくする方法が採られていた。また、薄い板状の植え物に粘着性のシールを貼り、これを基板に装着して時計用文字板を製造する方法も採られていた(たとえば特許文献1参照)。
しかしながら、これらの方法は植え物と基体との接着性を改善したものではなく、衝撃による脱離を防ぐに留まっている。また、植え物が小さいために作業性が悪く、さらに大きな植え物については依然として基体から脱離するという問題が残っていた。さらに、小さな植え物や薄い板状の植え物を用いた文字板は、立体感、質感、高級感に劣るという問題があった。
また、従来の接着方法では植え物の足にカシメを施すため、植え物の足の長さが重要であり、足の寸法精度を保持する必要があった。
一方、従来から、アミン化合物を硬化剤とする種々のエポキシ樹脂接着剤が知られている。たとえば、特許文献2には、2官能エポキシ樹脂、アミンアダクト系硬化剤、チクソトロピー剤、無機質充填剤および有機質顔料を含む電子回路形成用一液性接着剤が記載されている。しかしながら、この接着剤は、チクソトロピー性が高く、精密部品の隙間に接着剤を注入して接着部位に接着剤を拡散させるには、流動性が不十分であった。また、この接着剤は硬化時間が非常に短く、接着剤が十分に拡散する前に接着剤が硬化するという問題があった。
この問題を解決するために、特許文献3に示した接着剤組成物とこれを用いた時計用文字板、および時計用文字板の製造方法が提案されている。この接着剤を用いることで多くの文字板を精度良く製造することができるようになり一定の効果があった。しかし、近年、光発電素子と2次電池とを具備させた光発電式の時計を提供する場合には問題となる。
この時計を製造するに当たり第一番目の性能として文字板に光透過性を求めるようになった。この様な文字板はプラスチック製でこの様な文字板に特許文献3の接着剤を使用すると硬化する時の温度条件が高く文字板の種類によっては使用できないといった問題がある。また、従来の方法で接着しようとした場合、これまでの問題点の他、溶剤がプラスチック部品を侵してしまうといった問題がある。
特許文献3の接着剤では、硬化条件が120℃以下で好ましくは90℃から110℃の範囲で硬化できるが、プラスチックの特性も考慮すると70℃以下で硬化できることが好ましい。
本発明は、上記の問題に鑑み、プラスチック文字板に植え字を固定することのできる接着剤を提供することにある。
本出願人は、上記問題点を解決するために検討を重ね、以下の手段をとればプラスチックでできた文字板に植え字を接着でき、良好な文字板を得ることができるようになった。
すなわち本発明の精密部品用接着剤組成物は、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはビスフェノールF型エポキシ樹脂と、下記化学式1で表されるエポキシ樹脂とを含有する主剤(A)と、
変性脂肪族ポリアミン系硬化剤であって25℃の粘度が100から300mPa・sであるアミン系硬化剤(B)と、
蛍光特性を有する無機材料(C)とを含有することを特徴とする。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはビスフェノールF型エポキシ樹脂と、下記化学式1で表されるエポキシ樹脂とを含有する主剤(A)と、
変性脂肪族ポリアミン系硬化剤であって25℃の粘度が100から300mPa・sであるアミン系硬化剤(B)と、
蛍光特性を有する無機材料(C)とを含有することを特徴とする。
また、蛍光特性を有する無機材料が、BaMgAl10O17:Eu、Y2O2S:Eu、BaMgAl10 O17:Eu,Mn、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、Zn2SiO4:Mn、Ca10(PO4)6FCl:Sb,M n、Y2O2:Euから選ばれることが好ましい。
また、化学式1の主剤(A)に於ける含有量が30wt%以上40wt%以下である
ことが好ましい。
ことが好ましい。
また、蛍光特性を有する無機材料の接着剤全体に占める含有量が2wt%以上10w
t%以下であることが好ましい。
t%以下であることが好ましい。
また、変性脂肪族ポリアミン系硬化剤の理論活性水素等量が50g/eq以上65g/
eq以下であることが好ましい。
eq以下であることが好ましい。
また、本発明の時計用文字板は、上記の精密部品用接着剤組成物を用いて、植え物を文字板用基体に接着したことを特徴としている。
本発明に係る精密部品用接着剤組成物を用いることによって、耐用温度が低いプラスチック製文字板であっても接着することができるとともに、光発電機能を有する時計用の文字板に対してカシメを施すことなく強固に精密部品を接着することもができる。
また、蛍光体を含有した場合は接着剤の塗布状態をブラックライトで確認できるため、接着剤の塗布不良も起こらないようにできる。
また、蛍光体を含有した場合は接着剤の塗布状態をブラックライトで確認できるため、接着剤の塗布不良も起こらないようにできる。
さらに、本発明に係る時計用文字板を用いることにより、長期間使用しても植え物が脱離することがないため、光発電機能を有する時計に関しても時計を修理する必要性が少なくなる。
本発明に係る精密部品用接着剤組成物は、主剤(A)と硬化剤(B)と添加剤成分(C)からなるエポキシ系の接着剤である。
(A)主剤:
本発明に係わる精密部品用接着剤組成物は、主剤として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはビスフェノールF型エポキシ樹脂と、上記化学式1で表されるエポキシ樹脂を含有する。
(A)主剤:
本発明に係わる精密部品用接着剤組成物は、主剤として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはビスフェノールF型エポキシ樹脂と、上記化学式1で表されるエポキシ樹脂を含有する。
本発明に用いられるビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、通常の液状エポキシ樹脂接着剤に用いられるビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられ、常温で液状のものが好ましい。
本発明では、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)、YD−128、YD−8215(以上、東都化成社製)などの市販品を用いることができる。
本発明では、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)、YD−128、YD−8215(以上、東都化成社製)などの市販品を用いることができる。
本発明に用いられるビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、通常の液状エポキシ樹脂接着剤に用いられるビスフェノールF型エポキシ樹脂が挙げられ、常温で液状のものが好ましい。
本発明では、ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、エピコート806、エピコート807(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、YD−8170C(東都化成社製)などの市販品を用いることができる。
本発明では、ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、エピコート806、エピコート807(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、YD−8170C(東都化成社製)などの市販品を用いることができる。
主剤には化学式1で示される化合物を含有することが好ましく、この化合物の添加量と
しては主剤(A)に対して30wt%以上40wt%以下が好ましい。化学式1で示される化合物の含有量を多くすると硬化後の樹脂全体の硬度が高くなる。硬すぎると時計を落とすなどの衝撃で硬化後の樹脂が割れて、植え字が取れる場合がある。これを防止するためには30wt%以上含有している必要がある。一方、含有量が多すぎると硬化後の硬度が柔らかすぎて植え字を文字板上に固定する力が弱くなることから、リペアなどの時に文字板を取り外した時に植え字が脱落してしまう恐れがある。このことから、化学式1で表される化合物は主剤全体に対して40wt%以下で含有されていることが好ましい。
しては主剤(A)に対して30wt%以上40wt%以下が好ましい。化学式1で示される化合物の含有量を多くすると硬化後の樹脂全体の硬度が高くなる。硬すぎると時計を落とすなどの衝撃で硬化後の樹脂が割れて、植え字が取れる場合がある。これを防止するためには30wt%以上含有している必要がある。一方、含有量が多すぎると硬化後の硬度が柔らかすぎて植え字を文字板上に固定する力が弱くなることから、リペアなどの時に文字板を取り外した時に植え字が脱落してしまう恐れがある。このことから、化学式1で表される化合物は主剤全体に対して40wt%以下で含有されていることが好ましい。
(B)変性脂肪族ポリアミン系硬化剤:
本発明に用いるポリアミン系硬化剤は変性脂肪族ポリアミン系硬化剤であって25℃の粘度が100から300mPa・sのものが好ましい。
本発明に用いるポリアミン系硬化剤は変性脂肪族ポリアミン系硬化剤であって25℃の粘度が100から300mPa・sのものが好ましい。
粘度が低すぎると接着剤組成物の粘度が高くなり、塗布が思うようにできないことがある。プラスチックはもともと金属よりも濡れ性が悪い特徴を有していることから、粘度は100から300mPa・s程度の粘度範囲のものが好ましい。低いと流れすぎてしまい、高すぎると塗布したい部位まで接着剤が浸透しないといった問題がある。
変性ポリアミンの活性水素等量は、主剤との反応に影響する。このため変性ポリアミンの活性水素等量は50g/eq以上65g/eq以下であることが好ましい。量が少ないと硬化速度が下がり接着時間が延びるので量産には向かない。また多すぎると樹脂の硬化するまでの時間が短くなることから接着剤組成物を使用できる時間が短くなることから製造には向かなくなる。両者を満たす範囲として50g/eq以上65g/eq以下であることが好ましい。
(C)蛍光特性を有する無機材料を添加させることにより接着剤の塗布状態を紫外線を照射して蛍光させて確認できる。
蛍光特性を有する材料としては、有機、無機の材料があるが、有機材料を使用してみたところ加熱硬化後の蛍光特性が下がりすぎて接着剤の塗布状態を十分に確認することができなくなったことと、有機物であるためにプラスチック文字板と相互作用して文字板を変色させた結果を得た(サンシャインウェザー試験)ので使用不可と判断し本発明の組成物にはこの様な問題が無かった無機材料だけが使用できる。
蛍光特性を有する材料としては、有機、無機の材料があるが、有機材料を使用してみたところ加熱硬化後の蛍光特性が下がりすぎて接着剤の塗布状態を十分に確認することができなくなったことと、有機物であるためにプラスチック文字板と相互作用して文字板を変色させた結果を得た(サンシャインウェザー試験)ので使用不可と判断し本発明の組成物にはこの様な問題が無かった無機材料だけが使用できる。
蛍光特性を有する無機材料としては、例えばBaMgAl10O17:Eu、Y2O2S:Eu、BaMgAl10O17:Eu,Mn、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、Zn2SiO4:Mn、Ca10(PO4)6FCl:Sb,Mn、Y2O2:Euがありこれらの中から選ぶことができる。
添加量は、2wt%以上から10wt%以下の範囲で添加されていることが好ましい。光発電に用いられる文字板は光透過性に優れているものの、着色などが施されている為蛍光体の量が少ないと視認性に乏しく、接着剤の有無を確認しにくい。このため蛍光特性を有する無機材料としては2wt%以上添加されていることが好ましい。
一方、添加量が多すぎると流動特性が変化したり、接着力が低下するため使用することが難しくなる。このため最適な量としては10wt%以下の添加量であることが望ましい。
以上に開示した接着剤組成物は55℃から硬化することができる。プラスチック製の文字板の耐熱温度は80℃ほどあるので、文字板製造に適している。60℃で接着すれば硬化炉の温度に多少ばらつきがあっても1時間の加熱で硬化できるので歩留まり良く良品の文字板を製造することができる。
以上に開示した接着剤組成物は55℃から硬化することができる。プラスチック製の文字板の耐熱温度は80℃ほどあるので、文字板製造に適している。60℃で接着すれば硬化炉の温度に多少ばらつきがあっても1時間の加熱で硬化できるので歩留まり良く良品の文字板を製造することができる。
本発明に係わる時計用文字板は、上記精密接着剤組成物を用いて植え物を文字板用基体
に接着したものである。このときの接着力は1kgf以上であることが好ましい。接着力が1kgf以上であると、植え物は文字板用基体に強固に接着され、脱離することがない。
また、本発明に係る時計用文字板は、接着剤が劣化することがないため、長期にわたり、植え物と時計用基体とが接着され、植え物が基体から脱離することがない。このため光発電を行えるようにした時計に適用することで信頼性の高い製品を市場に送り出せることになる。
に接着したものである。このときの接着力は1kgf以上であることが好ましい。接着力が1kgf以上であると、植え物は文字板用基体に強固に接着され、脱離することがない。
また、本発明に係る時計用文字板は、接着剤が劣化することがないため、長期にわたり、植え物と時計用基体とが接着され、植え物が基体から脱離することがない。このため光発電を行えるようにした時計に適用することで信頼性の高い製品を市場に送り出せることになる。
まず本発明に用いた文字板の製造方法について説明する。
本発明に係る時計用文字板は、上記精密部品用接着剤組成物を用いて、たとえば、下記の方法(以下、「製造方法1」という。)により製造することができる。下記製造方法1は、植え物として時字用植え物を用いて説明するが、植え物はこれに限定されるものではない。
本発明に係る時計用文字板は、上記精密部品用接着剤組成物を用いて、たとえば、下記の方法(以下、「製造方法1」という。)により製造することができる。下記製造方法1は、植え物として時字用植え物を用いて説明するが、植え物はこれに限定されるものではない。
工程(I):
図2および図3に示す文字板用の基体11の穴11aに、図3に示すように時字用植え物21の足21aを基体の表側から挿入する。このとき、植え物の足21aにカシメを施してもよいが、本発明に係る精密部品用接着剤組成物を用いることによって、カシメを施すことなく植え物2を基体11に接着することができる。これによって、カシメを施す工程を省くことができるとともに、植え物の足の長さを厳密なものにする必要がなく、植え物の品質管理が容易となる。
図2および図3に示す文字板用の基体11の穴11aに、図3に示すように時字用植え物21の足21aを基体の表側から挿入する。このとき、植え物の足21aにカシメを施してもよいが、本発明に係る精密部品用接着剤組成物を用いることによって、カシメを施すことなく植え物2を基体11に接着することができる。これによって、カシメを施す工程を省くことができるとともに、植え物の足の長さを厳密なものにする必要がなく、植え物の品質管理が容易となる。
工程(II):
工程(I)で得た基体の裏側から、植え物の足21aと基体との隙間に精密部品用接着剤組成物を注入する。このとき注入される接着剤組成物の量は、植え物の大きさによって適宜決定される。精密部品用接着剤組成物を注入する方法は特に限定されないが、ディスペンサやピンなどを用いる方法が挙げられる。
工程(I)で得た基体の裏側から、植え物の足21aと基体との隙間に精密部品用接着剤組成物を注入する。このとき注入される接着剤組成物の量は、植え物の大きさによって適宜決定される。精密部品用接着剤組成物を注入する方法は特に限定されないが、ディスペンサやピンなどを用いる方法が挙げられる。
工程(III):
工程(II)で、接着剤組成物を注入した後、得られた基体を加熱する。このときの加熱温度は、80℃以下、好ましくは55℃〜70℃が望ましい。更に好ましくは60℃が好ましい。加熱温度が上記下限未満になると、接着剤組成物が硬化せず、植え物を文字板に接着することができない。また、加熱温度が上記上限を超えるとプラスチック製の時計用文字板が変色、変質したりすることがある。
工程(II)で、接着剤組成物を注入した後、得られた基体を加熱する。このときの加熱温度は、80℃以下、好ましくは55℃〜70℃が望ましい。更に好ましくは60℃が好ましい。加熱温度が上記下限未満になると、接着剤組成物が硬化せず、植え物を文字板に接着することができない。また、加熱温度が上記上限を超えるとプラスチック製の時計用文字板が変色、変質したりすることがある。
また、加熱時間は30分〜60分が好ましい。加熱時間が30分未満では十分に接着剤組成物を硬化させることができず、60分を超えると製造速度が落ちて不利になることがある。
加熱装置としては、接着剤組成物を十分に硬化させることができ、時計用文字板や植え物が変色、変質しない装置であれば、特に制限されず、たとえば、オーブン、ホットプレート、温風加熱装置が挙げられる。
上記温度に設定された加熱装置に、工程(II)で得られた基体を入れると基体の温度が上昇し始める。この温度上昇によって接着剤組成物の粘度が低下し、接着剤組成物が流動して、接着部位11bに接着剤組成物が拡散する。その後、基体の温度が硬化温度に達すると接着剤組成物が硬化して、時字用植え物21を文字板用基体11に接着する。
また、本発明に係る時計用文字板は、製造方法1によって製造することができるが、精
密部品用接着剤組成物を植え物の接着部位11bに直接塗布した後、植え物を文字板用基体にはめ込み、この基体を加熱して植え物を文字板用基体に接着して製造することもできる(以下、「製造方法2」という。)。接着剤組成物を塗布する方法としては、特に制限されないが、スクリーン印刷法が挙げられる。
密部品用接着剤組成物を植え物の接着部位11bに直接塗布した後、植え物を文字板用基体にはめ込み、この基体を加熱して植え物を文字板用基体に接着して製造することもできる(以下、「製造方法2」という。)。接着剤組成物を塗布する方法としては、特に制限されないが、スクリーン印刷法が挙げられる。
上記製造方法1および2のうち、製造方法1が好ましい。製造方法1により時計用文字板を製造することによって、接着部位から接着剤がはみ出すことなく、また、接着部位以外に接着剤組成物を誤って塗布することがないため、得られる時計用文字板の外観を損なうことがなく、植え物を文字板用基体に接着することができる。
特に蛍光体を含有したものは、接着部位に塗布されている接着剤の量をブラックライトを照射するなどして塗布状態の確認をすることができるので接着の精度を大幅に向上することができる。
実施例1から実施例45
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1から実施例45
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。
主剤として、ビスフェノールA(BPA)とビスフェノールF(BPF)型からなるエポキシ樹脂に化学式1で示されるエポキシ樹脂を30wt%から40wt%の割合で添加した主剤と、100から300mPa・sで活性水素当量が50から65g/eqの変性脂肪族ポリアミン系硬化剤と蛍光特性を有する無機材料を2から10wt%の範囲で添加して、接着剤を調整した。
次に、ポリカーボネート樹脂製の文字板の穴(220μm径)に植え物(表面がロジウム製)の足(190μm径)を文字板の表面側から挿入した。文字板の裏側から接着剤をディスペンサを用いて注入した。その後60℃で60分間加熱して接着剤を硬化させて植え物を文字板の表面に接着し、時計用文字板を作成した。
この時計用文字板を表面から観察し、植え物から接着剤がはみ出していないかどうかを確認した。また、プッシュプルゲージ(アイコーエンジニアリング社製、型番:9500)を用いて、時計用文字板の裏側から植え物の足を押し、植え物が文字板から脱離したときの荷重を測定し、植え物と文字板との接着性を評価した。さらに文字板を1mの高さから自由落下させ、文字板からの植え物の脱離の有無を確認した。
さらに、プラスチック製の時計用文字板(シチズン時計社製、エコドライブ用ポリカーボネート樹脂製文字板)に接着剤を塗布して作成した文字板を用いて時計を作成し、サンシャインウェザー試験機(スガ試験機社製)に入れ100時間のサンシャインウェザー試験(約63℃、光量:300W/m2)を実施した。この試験前後の文字板の色差を積分球を装着した測色計で測定した。
これらの結果を表1から表6に示す。実施例1から18において化学式1の添加量を30wt%から40wt%の範囲で接着力が1kg以上で、脱離も発生せず良好な結果を得た。以上の結果から、化学式1の量は30から40wt%が良好であることがわかる。実施例19から30では、無機材料でなる蛍光体を変えた時の結果を示している。いずれの場合も良好に接着をすることができた。実施例31から33において蛍光体の量を2から10wt%まで変化させたときの結果である。この範囲であれば良好に接着できることが判った。実施例34から45では理論活性水素量が50以上65g/eq以下で良好な結果を得た。
比較例1から12
実施例1の接着剤でポリアミンの粘度が50mPa・s以下または400mPa・s以上の他は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表7から表8に示す。この結果50mPa
・s以下の場合は粘度が低すぎて接着剤が流れ出してしまい文字版が思うようにつくれなかった。また、400mPa・s以上の場合は粘度が高すぎて接着剤が広がらず植え字を固定することができなかった。
実施例1の接着剤でポリアミンの粘度が50mPa・s以下または400mPa・s以上の他は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表7から表8に示す。この結果50mPa
・s以下の場合は粘度が低すぎて接着剤が流れ出してしまい文字版が思うようにつくれなかった。また、400mPa・s以上の場合は粘度が高すぎて接着剤が広がらず植え字を固定することができなかった。
比較例13から18
実施例1の接着剤で、化学式1で示されるエポキシ樹脂の含有量が20wt%以下また
は、50wt%以上含有している主剤を使用したほかは実施例1と同様にして評価を行った。結果を表9に示す。化学式1の量が20wt%よりも少なくなると接着剤が
もろくなり植え字が脱離してしまう不良現象が発生した。また。50wt%以上添加した場合はいづれの場合も接着剤が硬化しても樹脂が柔らかく良好に固定することができず、植え字が脱離した。
実施例1の接着剤で、化学式1で示されるエポキシ樹脂の含有量が20wt%以下また
は、50wt%以上含有している主剤を使用したほかは実施例1と同様にして評価を行った。結果を表9に示す。化学式1の量が20wt%よりも少なくなると接着剤が
もろくなり植え字が脱離してしまう不良現象が発生した。また。50wt%以上添加した場合はいづれの場合も接着剤が硬化しても樹脂が柔らかく良好に固定することができず、植え字が脱離した。
比較例19から20
実施例1の接着剤で、無機の蛍光体の含有量を1.5wt%以下または15wt%以上
含有させた他は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表10に示す。1.5wt%以下の場合は蛍光力が弱く塗布状態を確認することが出来なかった。また、15wt%以上加えた場合は、接着剤の取り扱い性が低下して接着剤を良好に塗布することができず、結果としてこの場合も植え字が脱離した。
実施例1の接着剤で、無機の蛍光体の含有量を1.5wt%以下または15wt%以上
含有させた他は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表10に示す。1.5wt%以下の場合は蛍光力が弱く塗布状態を確認することが出来なかった。また、15wt%以上加えた場合は、接着剤の取り扱い性が低下して接着剤を良好に塗布することができず、結果としてこの場合も植え字が脱離した。
1 時計用文字板
2 植え物
11 基体
11a 穴
21 時字
21a 足
22 窓枠
23 ロゴマーク
2 植え物
11 基体
11a 穴
21 時字
21a 足
22 窓枠
23 ロゴマーク
Claims (6)
- 前記無機材料(C)が、BaMgAl10O17:Eu、Y2O2S:Eu、BaMgAl10O17:Eu,Mn、 BaMg2Al16O27:Eu,Mn、Zn2SiO4:Mn、Ca10(PO4)6FCl:Sb,MnまたはY2O 2:Euから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の精密部品用接着剤組成物。
- 前記化学式1で表されるエポキシ樹脂の主剤(A)における含有量が30wt%以上4
0wt%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の精密部品用接着
剤組成物。 - 前記無機材料(C)の含有量が2wt%以上10wt%以下であることを特徴とする請
求項1から請求項3のいずれか一項に記載の精密部品用接着剤組成物。 - 前記変性脂肪族ポリアミン系硬化剤の理論活性水素等量が50g/eq以上65g/e
q以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の精密部品
用接着剤組成物。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の精密部品用接着剤組成物により、植え物
が文字板用基体に接着されていることを特徴とする時計用文字板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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