JP2004099887A - 接着剤組成物およびこれを用いた飾り石の固着方法、装飾品、ならびに装飾品用補修剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明に係る接着剤組成物は、硬化収縮率が10%未満のバインダーと、粒径が100μm以下のアルミニウム微粒子とを含有し、前記アルミニウム微粒子が、前記バインダー100重量部に対して100〜500重量部含まれることを特徴としている。また、前記バインダーはエポキシ樹脂と硬化剤とからなることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
完成するに至った。
本発明に用いられるアルミニウム微粒子は、粒径が100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは2〜10μmである。アルミニウム微粒子の粒径が上記範囲を超えると、アルミニウム微粒子の光沢性が低下するとともに、粒径の大きな微粒子を含む接着剤組成物は微粒子とバインダーが分離しやすく、その硬化物の輝きは不均一となる。
本発明に用いられるバインダーは、硬化収縮率が10%未満、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下の樹脂組成物であって、可視光透明性を有する。このようなバインダーとしては、たとえば、エポキシ樹脂と硬化剤とからなる通常のエポキシ樹脂接着剤組成物であって、透明性を有する液状エポキシ樹脂接着剤組成物が挙げられる。このような
エポキシ樹脂接着剤組成物は、熱硬化型、光硬化型のいずれのエポキシ樹脂組成物であってもよい。
本発明に係る接着剤組成物は、前記アルミニウム微粒子とバインダーとを混合することによって製造することができる。前記アルミニウム微粒子は、バインダー100重量部に対して100〜500重量部含まれる。アルミニウム微粒子の含有量が、上記下限未満になると光の反射量が低下し、飾り石の輝きが鈍くなる。アルミニウム微粒子の含有量が、上記上限を超えると接着剤組成物の流動性が低下し、接着剤を接着部位に塗布または注入することが困難となる。
本発明に係る飾り石の固着方法は、前記接着剤組成物を用いて、飾り石を装飾品用基体に固着する方法である。
れないが、たとえば、時計用外装部品、ブレスレット、鞄などの金具などが挙げられる。
本発明に係る装飾品は、前記接着剤組成物を用いて飾り石を装飾品用基体に固着されたものである。このような装飾品としては、時計、ブレスレット、鞄用金具などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。まず、実施例および比較例で用いた材料を示す。
エポキシ樹脂バインダーA:
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート828)50重量部と、下記式
ペンタエリスリトールトリアクリレート50重量部と、下記式
前記エポキシ樹脂バインダーAを100重量部と、東洋アルミニウム社製アルミニウム微粒子(商品名:0670TS)を篩い分けして得られたアルミニウム微粒子(粒径2〜5μm)100重量部とを攪拌混合機で5分間攪拌して混合し、エポキシ樹脂接着剤組成物1を調製した。
プッシュプルゲージ(アイコーエンジニアリング社製、型番:9500)を用いて、外装部品の裏側の穴から、固着した飾り石を押し飾り石が外装部品から脱離した時の接着力を測定した。
飾り石を固着した外装部品を1mの高さから自由落下させ、外装部品からの飾り石の脱離の有無を確認した。
外装部品に固着した飾り石の側面からペンライト(ストリームライト社製、商品名:スタイラス)を用いて光を照射し、このときの飾り石の輝きを飾り石の上面から目視により観察した。時計装飾用ダイヤモンドと比較し、下記基準に基づいて評価した。
B:ダイヤモンドよりも輝きが劣る。
まず、硬化前の接着剤組成物の比重を測定した。次に、この接着剤組成物を100℃で
1時間加熱して硬化物を調製した。この硬化物の比重を測定して、硬化収縮率を算出した。
アルミニウム微粒子の替わりに、福田金属社製の銀粉(商品名:シルコートAgC−B)を篩い分けして得られた銀微粒子(粒径2〜5μm)100重量部を混合した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂接着剤組成物aを調製し、ガラス製飾り石を時計用外装部品に固着した。実施例1と同様にして、各物性を測定し、評価した。結果を表1に示す。
アルミニウム微粒子の替わりに、福田金属社製の銅粉(商品名:EFC−3000)を篩い分けして得られた銅微粒子(粒径2〜5μm)100重量部を混合した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂接着剤組成物bを調製し、ガラス製飾り石を時計用外装部品に固着した。実施例1と同様にして、各物性を測定し、評価した。結果を表1に示す。
エポキシ樹脂バインダーAの替わりに、100重量部のアクリル系接着剤Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、各物性を測定し、評価した。結果を表1に示す。
エポキシ樹脂接着剤の替わりに、100重量部のEVA系ホットメルト接着剤(ノガワケミカル社製、商品名:DA574B)を用いた以外は、実施例1と同様にしてEVA系ホットメルト接着剤とアルミニウム微粒子とを混合したが、攪拌時に粘度が高くなり、接着剤組成物の調製は困難であった。
エポキシ樹脂接着剤の替わりに、100重量部のクロロプレン系ゴム(ノガワケミカル社製、商品名:DW246)を用いた以外は、実施例1と同様にしてEVA系ホットメルト接着剤とアルミニウム微粒子とを混合したが、攪拌時に粘度が高くなり、接着剤組成物の調製は困難であった。
粒径が2〜5μmのアルミニウム微粒子の替わりに、東洋アルミニウム社製アルミニウム微粒子(商品名:5207N)を篩い分けして得られたアルミニウム微粒子(粒径2〜10μm)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂接着剤組成物2を調製し、ガラス製飾り石を時計用外装部品に固着した。実施例1と同様にして、各物性を測定し、評価した。結果を表2に示す。
粒径が2〜5μmのアルミニウム微粒子の替わりに、東洋アルミニウム社製アルミニウム微粒子(商品名:MG1000)を篩い分けして得られたアルミニウム微粒子(粒径20〜30μm)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂接着剤組成物3を調製し、ガラス製飾り石を時計用外装部品に固着した。実施例1と同様にして、各物性を測定し、評価した。結果を表2に示す。
粒径が2〜5μmのアルミニウム微粒子の替わりに、東洋アルミニウム社製アルミニウム微粒子(商品名:1950M)を篩い分けして得られたアルミニウム微粒子(粒径50〜80μm)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂接着剤組成物4を調製し、ガラス製飾り石を時計用外装部品に固着した。実施例1と同様にして、各物性を測定し、評価した。結果を表2に示す。
粒径が2〜5μmのアルミニウム微粒子の替わりに、東洋アルミニウム社製アルミニウム微粒子(商品名:1950M)を篩い分けして得られたアルミニウム微粒子(粒径80〜100μm)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂接着剤
組成物5を調製し、ガラス製飾り石を時計用外装部品に固着した。実施例1と同様にして、各物性を測定し、評価した。結果を表2に示す。
粒径が2〜5μmのアルミニウム微粒子の替わりに、金属アルミニウム切削し、得られた切屑を篩い分けして得られたアルミニウム微粒子(粒径130〜150μm)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂接着剤組成物2を調製し、ガラス製飾り石を時計用外装部品に固着した。実施例1と同様にして、各物性を測定し、評価した。結果を表2に示す。
アルミニウム微粒子100重量部の替わりに、表3に示す量のアルミニウム微粒子を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂接着剤組成物6〜10を調製し、ガラス製飾り石を時計用外装部品に固着した。実施例1と同様にして、各物性を測定し、評価した。結果を表3に示す。
アルミニウム微粒子100重量部の替わりに、表3に示す量のアルミニウム微粒子を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂接着剤組成物c〜dを調製し、ガラス製飾り石を時計用外装部品に固着した。実施例1と同様にして、各物性を測定し、評価した。結果を表3に示す。
ガラス製飾り石の裏面に、アルミニウム薄膜を蒸着させた。次に、実施例1と同様にして、時計用外装部品の穴にエポキシ樹脂バインダーAを注入した。この穴に、裏面にアルミニウム薄膜を有するガラス製飾り石を外装部品の表側から挿入した。その後、100℃で1時間加熱してバインダーAを硬化させ、ガラス製飾り石を時計用外装部品に固着した
。
実施例1〜10で作製した、ガラス製飾り石を固着した時計用外装部品を90℃で1500時間保存し、保存後の時計用外装部品について飾り石の脱離の有無を確認した。その結果、いずれの外装部品についても飾り石の脱離は見られなかった。また、接着力を測定
したところ、保存前後で接着力の変化は見られなかった。
比較例9で作製した、アルミニウム薄膜を有するガラス製飾り石を固着した時計用外装部品を90℃で1500時間保存し、保存後の時計用外装部品について飾り石の脱離の有無を確認し、接着力を測定した。その結果、飾り石の脱離は見られなかったものの、保存後の接着力は保存前に比べて低下した。
Claims (7)
- 硬化収縮率が10%未満のバインダーと、粒径が100μm以下のアルミニウム微粒子とを含有し、
前記アルミニウム微粒子が、前記バインダー100重量部に対して100〜500重量部含まれることを特徴とする接着剤組成物。 - 前記バインダーが、エポキシ樹脂と硬化剤とからなることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
- 請求項1または2に記載の接着剤組成物の硬化物を介して飾り石が基体に固着された装飾品。
- 請求項1または2に記載の接着剤組成物の硬化物を介して飾り石が固着された時計用外装部品を有する時計。
- 請求項1または2に記載の接着剤組成物を用いて、飾り石を装飾品用基体に固着することを特徴とする飾り石の固着方法。
- 硬化収縮率が10%未満のバインダーと、粒径が100μm以下のアルミニウム微粒子とを含有し、
前記アルミニウム微粒子が、前記バインダー100重量部に対して100〜500重量部含まれることを特徴とする装飾品用補修剤。 - 前記バインダーが、エポキシ樹脂と硬化剤とからなることを特徴とする請求項6に記載の装飾品用補修剤。
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