JP2010013433A - イオン性化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の方法では安定して得られ難かったテトラシアノボレート[B(CN)4-を含むイオン性化合物を、より穏やかな条件で、安定且つ安価に製造する方法を提供する。
【解決手段】Ma(CN)n(Mは、Zn,Ga,Pd,Sn,Hg,Rh,CuおよびPbのいずれかを示し、nは1〜3の整数である)と、ホウ素化合物、を含む出発原料を反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表されるイオン性化合物の製造方法。

(式中、〔Kt〕m+は有機又は無機カチオンを表し、mは1〜3の整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明はイオン性化合物の製造方法に関する。
従来、テトラシアノボレート(TCB:B[(CN)4-)をアニオン成分として含むイオン性化合物が知られている。TCBを含む化合物の合成には、ホウ素を含有する化合物と、アルカリ金属シアン化物を反応させる方法(特許文献1、非特許文献4)や、ホウ素化合物とシアン化トリメチルシランを反応させる方法(非特許文献1、2、3)などが採用されてきた。
特表2006−517546号 Z.Anorg.Allg.Chem.2003,vol.629,p677-685 J.Alloys Compd.2007.427.61-66 JACS.2000.122.7735-7741 Z.Anorg.Allg.Chem.2000,vol.626,p.560-568
アルカリ金属シアン化物は、ホウ素化合物との反応性が低いため、高温(250℃以上)で反応させたり、アルカリ金属シアン化物を過剰に使用する必要があった。一方、シアン化トリメチルシランは、反応性が高く取り扱いが難しい、高価である、といった問題があり、テトラシアノボレートを含むイオン性化合物の製造方法には改善の余地があった。
なお、非特許文献4には、KCNを用いて、テトラブチルアンモニウムテトラシアノボレート(Bu4NB(CN)4)を75%の収率で合成した旨の記載があるが、当該文献に記載の条件で追試しても上記化合物を合成することは難しく、より安定にテトラシアノボレートを含む化合物を得る方法が求められていた。
本発明は上述のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、穏やかな条件で、より安定且つ安価にテトラシアノボレートを含むイオン性化合物を製造する方法を提供することである。
上記課題を解決した本発明のイオン性化合物の製造方法とは、下記一般式(I)で表されるイオン性化合物の製造方法であって、Ma(CN)n(Maは、Zn,Ga,Pd,Sn,Hg,Rh,CuおよびPbのいずれかを示し、nは1〜3の整数である)と、ホウ素化合物、を含む出発原料を反応させるところに特徴を有する。

(式中、[Kt]m+は、有機カチオン[Ktbm+又は無機カチオン[Ktam+を表し、mは1〜3の整数である。)
上記出発原料には、さらに、一般式:Ktbb([Ktbm+は、オニウムカチオン、[Xbm-はアニオンを示し、mは1〜3の整数である。以下、同様。)で表されるイオン性物質が含まれているのが好ましく、これにより、下記一般式(II)で表される化合物が得られる。

(式中、[Ktbm+は、オニウムカチオンを表す。)
本発明法においては、有機溶媒および/又は水を含む溶媒中で上記出発原料を反応させるのが望ましく、また、上記出発原料を0℃〜200℃の温度で反応させることが推奨される。
上記イオン性物質Ktbbを構成するオニウムカチオン[Ktbm+は、下記一般式で表されるオニウムカチオンであるのが好ましい。

(式中、Rは、同一又は異なる有機基を示し、これらは互いに結合していてもよい。)
上記ホウ素化合物は、McBXc 4(Mcは、水素又はアルカリ金属原子、Xcは、水素、水酸化物イオン若しくはハロゲン原子を表す。以下同様。)、BXc 3、BXc 3−錯体、B(OR53(R5は、水素、若しくはアルキル基)、B(OR53−錯体、NaB47、ZnO・B23およびNaBO3よりなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
上記Ma(CN)nは、Zn(CN)2,Ga(CN)3,Pd(CN)2,Sn(CN)2,Hg(CN)2およびCu(CN)2よりなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましく、上記イオン性物質Ktbbは、アンモニウム化合物またはイミダゾリウム化合物であるのがより好ましく、さらに、上記ホウ素化合物としては、BXc 3又はB(OR53であるのがより望ましい。
本発明の製造方法によれば、従来技術と比較して、安価な原料を用いて、より穏やかな条件で安定してテトラシアノボレートイオン([B(CN)4-)を有するイオン性化合物を製造することができる。したがって、本発明のイオン性化合物の工業的な製造も可能となる。
本発明のイオン性化合物の製造方法は、下記一般式(I)で表されるテトラシアノボレートイオンを有するイオン性化合物の製造方法であって、Ma(CN)n(Maは、Zn,Ga,Pd,Sn,Hg,Rh,CuおよびPbのいずれかを示し、nは1〜3の整数である)と、ホウ素化合物、を含む出発原料を反応させるところに特徴を有する。

(式中、[Kt]m+は、有機カチオン[Ktbm+又は無機カチオン[Ktam+を表し、mは1〜3の整数である。)
本発明者らは、テトラシアノボレートイオン有するイオン性化合物を得るにあたって、従来、出発原料として使用されてきたシアン化カリウム(KCN)などのアルカリ金属シアン化物に替えて、特定の金属(Zn,Ga,Pd,Sn,Hg,Rh,CuおよびPbのいずれか)を含むシアン化物Ma(CN)nを使用することで、穏やかな反応条件で、且つ、安定に上記一般式(I)の化合物が得られることを見出した。
本発明に係るシアン化物Ma(CN)nとしては、HOMO−2ndHOMO間のエネルギー準位が小さい、すなわち、HSAB則に基づけば軟らかい金属カチオンに分類される金属カチオンのシアン化物を用いればよい。上記特定の金属カチオンのシアン化物を使用することで、アルカリ金属シアン化物を用いる場合に比べて反応が速やかに進行するからである。上記金属カチオンが好ましい理由としては、詳細な理由は明らかではないが、本発明者らは次のように考えている。一般に、HSAB則に基づけば、アルカリ金属は、硬いカチオンに分類され、上記本発明に係るシアン化物に含まれる特定の金属は軟らかいカチオンに分類され、生成物であるテトラシアノボレートアニオン(TCB)は、軟らかいアニオンに分類される。そして、軟らかい酸と塩基との組み合わせは、安定なイオン性化合物を形成し易いため、硬いカチオンであるLi,NaおよびKなど従来用いられていたアルカリ金属シアン化物よりも、上記本発明に係るシアン化物の反応が進行し易かったものと考えられる。
上記シアン化物Ma(CN)nの中でも好ましいものは、Zn(CN)2,Ga(CN)3,Pd(CN)2,Sn(CN)2,Hg(CN)2およびCu(CN)2よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記ホウ素化合物は、特に限定はされないが、McBXc 4(Mcは、水素又はアルカリ金属原子、Xcは、水素、水酸化物イオン若しくはハロゲン原子を表す。以下、同様。)、BXc 3、BXc 3−錯体、B(OR53(R5は、水素、若しくはアルキル基を示す。以下、同様。)、B(OR53−錯体、NaB47、ZnO・B23およびNaBO3よりなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。McBXc 4としては、HBF4、KBF4、KBBr4、NaB(OH)4、KB(OH)4、LiB(OH)4、LiBF4、NaBH4等が挙げられ、BXc 3としては、BH3、BF3、BCl3、BBr3、BI3等が挙げられ、BXb 3−錯体としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トリプロピルエーテル、トリブチルエーテル等のエーテル類、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、アニリン、モルホリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン、グアニジン、ピロリジン、メチルピロリジン等のアミン類と、前記BXb 3との錯体、B(OR53としては、ホウ酸、炭素数1〜10のアルコキシ基を有するホウ素化合物等が挙げられる。これらの中でも、反応性が比較的高いBF3、BCl3、BBr3、B(OMe)3、B(OEt)3、NaBH4、BH3、Na247、B(OH)3が好ましく、BF3、BCl3、BBr3、B(OMe)3、B(OEt)3がより好ましい。
本発明に係るイオン性化合物を製造するに当たっては、上記出発原料に、さらに、一般式:Ktbb([Ktbm+は、オニウムカチオン、[Xbm-はアニオンを示し、mは1〜3の整数である。以下、同様。)で表されるイオン性物質を含んでいるのが好ましい。すなわち、上記イオン性物質を出発原料として用いることで、オニウムカチオンを有するTCB化合物を1段階で製造することができる、Ma(CN)とイオン性物質Ktbb間の相互作用により、シアノ化反応が生じ易くなる、等が挙げられる。上記イオン性物質を構成するオニウムカチオン[Ktbm+およびアニオン[Xbm-については、後述する。
上記出発原料の配合割合は、1:1〜100:1(シアン化物Ma(CN)n:ホウ素化合物、モル比)とするのが好ましい。より好ましくは1:1〜50:1であり、さらに好ましくは1:1〜20:1であり、さらに一層好ましくは1:1〜10:1である。シアン化物Ma(CN)nの配合量が少なすぎると、目的のイオン性化合物の生成量が少なくなったり、副生物(例えば、トリシアノボレート、ジシアノボレート等)が生成する場合があり、一方多すぎると、CN由来の不純物量が増加し、目的生成物の精製が困難になる傾向がある。上記出発原料にイオン性物質が含まれる場合、当該イオン性物質Ktbbの配合割合は、ホウ素化合物に対して、100:1〜1:100(イオン性物質:ホウ素化合物、モル比)とするのが好ましい。より好ましくは50:1〜1:50であり、さらに好ましくは20:1〜1:20である。イオン性物質の配合量が少なすぎる場合は、所望のイオン性化合物の生成量が少なくなり、一方多すぎる場合は、イオン性物質に由来する不純物量が増え、目的生成物の精製が困難になることがある。
本発明のイオン性化合物の製造方法では、反応を均一に進行させるため、反応溶媒を用いるのが好ましい。反応溶媒としては、上記出発原料が溶解するものであれば特に限定されず、水又は有機溶媒が用いられる。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、へキサン等の炭化水素系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素系溶媒、ジエチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。上記反応溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記出発原料を反応させる際の条件は特に限定されず、反応の進行状態に応じて適宜調節すればよいが、例えば、反応温度は、0℃〜200℃とするのが好ましい。より好ましくは20℃〜150℃であり、さらに好ましくは50℃〜130℃である。反応時間は0.2時間〜200時間とするのが好ましく、より好ましくは0.5時間〜150時間であり、さらに好ましくは1時間〜100時間である。
本発明の製造方法において、上記金属シアン化物とホウ素化合物とを出発原料として用いた場合には、一般式:Kta[B(CN)4m([Ktam+は、上述の金属イオン、Zn,Ga,Pd,Sn,Hg,Rh,Cu,Pbのいずれかであり、mは上述の通りである)で表されるイオン性化合物が生成する。このイオン性化合物Kta[B(CN)4mを、一般式:Ktbb([Ktbm +はオニウムカチオンを表し、[Xbm-はアニオンを示す。)で表されるイオン性物質と反応させてカチオン交換することで、所望の有機カチオンを有するイオン性化合物Ktb[B(CN)4]が得られる。
すなわち、本発明には、上記シアン化物Ma(CN)nとホウ素化合物とを反応させて、本発明に係るイオン性化合物Kta[B(CN)4mを製造する態様、上記金属シアン化物Ma(CN)nとホウ素化合物との反応によりKta[B(CN)4mを得た後、これをイオン性物質Ktbbと反応させてカチオン交換反応を行い本発明に係るイオン性化合物Ktb[B(CN)4mを製造する態様、上記金属シアン化物Ma(CN)n、ホウ素化合物およびイオン性物質Ktbbを反応させて、1段階で本発明に係るイオン性化合物Ktb[B(CN)4mを製造する態様の3態様が含まれる。したがって、本発明のイオン性化合物Ktm+[B-(CN)4mには、[Kt]m+が有機カチオン[Ktbm+の場合と、無機カチオン[Ktam+の場合の双方が含まれる。
上記Ktbbで表されるイオン性物質に含まれるオニウムカチオン[Ktbm+としては、下記一般式(III)で表されるオニウムカチオンを含むものであるのが好ましい。尚、オニウムカチオンとは、C,Si,N,P,S又はO等の非金属原子または半金属原子のカチオンを有する有機基を意味する。
式中、Lは、C,Si,N,P,S又はOを表し、R6は、同一又は異なる有機基を示し、これらは互いに結合していてもよく、sはLに結合するR6の数を表し、s=(Lの価数)+1−(Lに直接結合する二重結合の数)であり、2〜4の整数である。なお、Lの価数とは、LがS,Oの場合は2であり、LがN,Pの場合は3であり、LがC,Siの場合は4となる。
上記R6で示す「有機基」とは、水素、又は、炭素原子を少なくとも1個有する基を意味する。上記「炭素原子を少なくとも1個有する基」は、例えば、アミノ基、イミノ基、アミド基、エーテル結合を有する基、チオエーテル結合を有する基、エステル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、ジスルフィド基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン酸基などの官能基や、ハロゲン原子などの他の原子を有していてもよい。
上記オニウムカチオンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、下記一般式(IV)〜(VI)で表されるオニウムカチオンが好ましいものとして挙げられる。
(IV)一般式;


で表される14種類の複素環オニウムカチオンの内の少なくとも一種。
(V)一般式;

で表される9種類の飽和環オニウムカチオンの内の少なくとも一種。
上記一般式中、R7〜R18は、同一若しくは異なって、有機基であり、互いに結合していてもよい。
(VI)上記一般式(III)においてR6が、同一又は異なる有機基である鎖状オニウムカチオン。
上記有機基は、一般式(III)に関して例示したものと同様のものが挙げられる。より詳しくは、有機基は、上述の官能基や、窒素、酸素、硫黄原子などのヘテロ原子及びハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖又は環状(但し、R6が互いに結合して環を形成しているものを除く)の炭化水素基、あるいは炭化フッ素基であるのが好ましく、より好ましいものは炭素数1〜8の炭化水素基、炭化フッ素基であり、さらに好ましいものは炭素数1〜9の炭化水素基、炭化フッ素基である。また、上記炭化水素基、炭化フッ素基は、アルコキシ基、アミノ基、エーテル基、アミド基、エステル基、スルホン基、ニトロ基、ニトロソ基等の置換基を有していてもよい。
例えば、上記一般式(III)においてLがNである鎖状オニウムカチオン(VII)としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラヘプチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、メトキシエチルジエチルメチルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ジメチルジステアリルアンモニウム、ジアリルジメチルアンモニウム、2−メトキシエトキシメチルトリメチルアンモニウムおよびテトラキス(ペンタフルオロエチル)アンモニウム等の第4級アンモニウム類、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジブチルメチルアンモニウム等の第3級アンモニウム類、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジブチルアンモニウム等の鎖状第2級アンモニウム類、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ヘキシルアンモニウム、オクチルアンモニウム第1級アンモニウム類、N−メトキシトリメチルアンモニウム、N−エトキシトリメチルアンモニウム、N−プロポキシトリメチルアンモニウムおよびNH4で表されるアンモニウム化合物等が挙げられる。
上記(IV)〜(VI)のオニウムカチオンの中でも、窒素原子を含むオニウムカチオンがより好ましく、更に好ましいものとして、下記一般式;
(式中、R7〜R18は、上記と同様である。)で表される5種類のオニウムカチオンの少なくとも1種が挙げられる。上記R7〜R18の有機基としては、水素原子、フッ素原子、アミノ基、イミノ基、アミド基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、スルホン基、スルフィド基や、直鎖、分岐鎖又は環状で、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜18の炭化水素基、炭化フッ素基等が好ましく、より好ましくは水素原子、フッ素原子、シアノ基、スルホン基、炭素数1〜8の炭化水素基、炭化フッ素基である。
一方、本発明で使用するイオン性物質Ktbbを構成するアニオン[Xbm-としては、ハロゲンイオン、シアン化物イオン(CN-)、水酸化物イオン(OH-)、シアン酸イオン(OCN-)、チオシアン酸イオン(SCN-)、アルコキシイオン(RO-)、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、アルキル硫酸イオン、アルキル炭酸イオン等が挙げられる。これらの中でも、入手が容易であることからハロゲンイオンが好適であり、ハロゲンイオンの中でも、ClまたはBrが特に好ましい。
本発明に係るイオン性物質Ktbbとしては、上記[Ktbm+および[Xbm-の組合わせからなるものが好ましく用いられるが、特に好ましいものとしては、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、トリエチルメチルアンモニウムクロリド及びトリエチルメチルアンモニウムブロミド等の鎖状第4級アンモニウムとハロゲンイオンとの塩、トリエチルアンモニウムクロリド、トリエチルアンモニウムブロミド、ジブチルメチルアンモニウムクロリド、ジブチルメチルアンモニウムブロミド、ジメチルエチルアンモニウムクロリド及びジメチルエチルアンモニウムブロミド等の鎖状第3級アンモニウムとハロゲンイオンとの塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−エチルイミダゾリウムブロミド、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムクロリド及び1,2,3−トリメチルイミダゾリウムブロミド等のイミダゾリウムとハロゲンイオンとの塩、N,N−ジメチルピロリジニウムクロリド、N,N−ジメチルピロリジニウムブロミド、N−エチル−N−メチルピロリジニウムクロリド及びN−エチル−N−メチルピロリジニウムブロミド等のピロリジニウムとハロゲンイオンとの塩が挙げられる。
上記イオン性物質Ktbbは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
尚、上記イオン性化合物Kta[B(CN)4mとイオン性物質Ktbbとを反応させて本発明に係るイオン性化合物を得る際のこれらの配合割合は、50:1〜1:50(イオン性化合物Kta[B(CN)4m:イオン性物質Ktbb、モル比)とするのが好ましい。より好ましくは20:1〜1:20であり、さらに好ましくは10:1〜1:10である。イオン性物質が少なすぎる場合には、有機カチオンの交換反応が速やかに進行し難い場合があり、一方過剰に用いると、未反応のイオン性物質が生成物に混入し、精製が困難になる傾向がある。
有機カチオンの交換反応は、溶媒の存在下、イオン性化合物Kta[B(CN)4mとイオン性物質Ktbbとを混合すればよい。この際の温度としては、0℃〜200℃(より好ましくは10℃〜100℃)であり、0.1時間〜48時間(より好ましくは0.1時間〜24時間)反応させればよい。溶媒としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、2−ブタノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、などのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルムなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒、へキサンなどの脂肪族炭化水素系等の有機溶媒が好ましく用いられる。
上記本発明に係るシアン化物Ma(CN)nをCN試薬として用いる本発明の製造方法によれば、アルカリ金属シアン化物(KCN)では安定して目的物が得られなかった反応条件でも、テトラシアノボレートイオン([B(CN)4)を有するイオン性化合物を得ることができる。
上述のようにして得られた本発明に係るイオン性化合物は、純度を高めるため精製してもよい。精製法は特に限定されないが、例えば、水、有機溶媒、およびこれらの混合溶媒での洗浄、再沈殿法、分液抽出法、再結晶法、晶析法及びクロマトグラフィーによる精製法が挙げられる。
本発明に係るイオン性化合物Kt[B(CN)4m(すなわち、Kta[B(CN)4mおよびKtb[B(CN)4m)は、カチオンKtを選択することで、100℃以下で液体の状態をとるイオン性液体となる点が特徴の一つとして挙げられる。したがって、上記製造方法により得られる本発明に係るイオン性化合物は、一次電池、リチウム(イオン)二次電池や燃料電池などの充放電機構を有する電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、太陽電池、エレクトロクロミック表示素子などの電気化学デバイスを構成する材料として好適に用いられる。
また、一般にイオン性液体は、イオン性の結合を持つ液体であるという特徴から、電気化学的、熱的安定性が高く、さらに、二酸化炭素などの特定のガスを選択的に吸収する性質を有することも知られており、上記本発明の製造方法により得られるイオン性化合物も、これらと同様の特徴を有する。
したがって、本発明に係るイオン性化合物の用途としては、先に挙げた電気化学材料用途の他にも、熱的安定性が高いことを利用した、繰り返し利用可能な有機合成の反応溶媒や、機械可動部のシール剤や潤滑剤としての使用、電気化学特性と熱的安定性とを併せ持つことを利用したポリマーへの導電性付与剤としての使用、ガス吸収能を有することから二酸化炭素などのガス吸収剤としての使用など、様々な用途に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[NMR測定]
Varian社製「Unity Plus」(400MHz)を用いて、1H−NMRおよび13C−NMRスペクトルを測定し、プロトンのピーク強度に基づいて試料の構造を分析した。11B−NMRスペクトルの測定には、Bruker社製「Advance 400M」(400MHz)を使用した。
[イオン伝導度の測定]
下記実施例で得られたイオン性化合物をγ−ブチロラクトン(GBL)に溶解させ、濃度35質量%のイオン性化合物溶液を調製した。
インピーダンスアナライザー(ソーラトロン社製「SI1260」)を用い、SUS電極を使用して、25℃の温度条件下、複素インピーダンス法により、イオン性化合物溶液のイオン電導度の測定を行った。
[電位窓の測定]
イオン伝導度の測定と同様にして35質量%のイオン性化合物溶液を調製した。
25℃雰囲気下、3極セルを電極としてサイクリックボルタンメトリツール(北斗電工社製「HSV-100」)により、電位窓を測定した。なお、3極セルにおける作用極には、グラッシーカーボン電極、対象極には、Ag電極を使用し、参照極には、Pt電極を使用した。
[熱分解開始温度の測定]
下記実施例で得られたイオン性化合物10mgをアルミパンに入れ、5℃/minで昇温し、初期質量から2%減少したときの温度を示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ社製「EXSTAR6000 TG/DTA」)を用いて測定した。
実施例1 テトラブチルアンモニウムテトラシアノボレート(Bu4NTCB)の合成−1
攪拌装置、滴下漏斗、および、還流管を備えた容量50mlのフラスコ内を窒素置換し、窒素雰囲気下室温で、ここに、テトラブチルアンモニウムブロミド5.1g(15.8mmol)、シアン化亜鉛(II)9.26g(78.9mmol)、トルエン10ml、三臭化ホウ素2.8g(11.2mmol)を加えた後、130℃のオイルバスで内容物を加熱しながら2日間攪拌した。2日後、フラスコ内のトルエンを減圧留去し、黒色固体を得た。得られた固体を乳鉢で粉砕した後、攪拌装置を備えたビーカーに入れ、ここにクロロホルム200mlを2回加えて、生成物をクロロホルム相に抽出した。次いで、得られたクロロホルム溶液を分液ロートに移し、200mlの水で洗浄した後、有機相を分離し、エバポレーターで濃縮し、油状の粗生成物を得た。これを、中性アルミナを充填剤とするカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ジエチルエーテルとクロロホルムの混合溶液)で精製し、生成物の含まれる留分を分取し、溶媒を留去し、乾固させて、生成物であるテトラブチルアンモニウムテトラシアノボレートを得た(黄色固体、収量:1.4g(3.9mmol)収率:35%、融点:90℃)。
1H-NMR(d6-DMSO):δ3.16(m,8H),1.56(m,8H),1.30(ddq,J=11Hz,J=11Hz,J=7.2Hz,8H),0.92(t,J=7.2Hz、12H)
13C-NMR(d6-DMSO):δ121.9(m),57.7(s),39.1(s),19.4(s),13.7(s)
11B-NMR(d6-DMSO)δ-39.6(s)
実施例2 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(EMImTCB)の合成
テトラブチルアンモニウムブロミドの代わりに1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド3.0g(15.8mmol)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレートを得た(黄色油状物、収量:1.0g(4.4mmol)、収率:38%、融点:15℃)。
1H-NMR(d6−DMSO)δ 8.41(s,1H),7.34(d,J=21.6Hz,2H),3.81(s,3H),1.45(t,J=7.2Hz,3H)
13C-NMR(d6−DMSO)δ 136.5(s),132.2(m),122.9(s),45.8(s),36.8(s),15.4(s)
11B-NMR(d6−DMSO)δ -39.6(s)
実施例3 トリエチルアンモニウムテトラシアノボレート(TEATCB)の合成
テトラブチルアンモニウムブロミドの代わりにトリエチルアンモニウムブロミド2.9g(15.8mmol)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、トリエチルアンモニウムテトラシアノボレートを得た(黄色固体、収量:1.0g(4.5mmol)、収率:40%、融点:150℃)。
1H-NMR(d6−DMSO)δ 8.83(s,1H),3.10(q,J=7.2Hz,6H),1.17(t,J=7.2Hz,9H)
13C-NMR(d6−DMSO)δ 121.9(m),46.0(s),8.8(s)
11B-NMR(d6−DMSO)δ -39.6(s)
実施例4 トリエチルメチルアンモニウムテトラシアノボレート(TEMATCB)の合成
テトラブチルアンモニウムブロミドの代わりにトリエチルメチルアンモニウムブロミド3.1g(15.8mmol)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、トリエチルメチルアンモニウムテトラシアノボレートを得た(黄色固体、収量:1.2g(5.0mmol)、収率:45%、融点:115℃)。
1H-NMR(d6−DMSO)δ 3.23(q,J=6.8Hz,6H),2.86(s,3H),1.18(t,J=6.8Hz,9H)
13C-NMR(d6−DMSO)δ 112.5(m),55.2(s),46.2(s),7.7(s)
11B-NMR(d6−DMSO)δ -39.6(s)
実施例5 テトラエチルアンモニウムテトラシアノボレート(Et4NTCB)の合成
テトラブチルアンモニウムブロミドの代わりにテトラエチルアンモニウムブロミド3.3g(15.8mmol)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、テトラエチルアンモニウムテトラシアノボレートを得た(黄色固体、収量:1.1g(4.5mmol)、収率:40%)。
1H-NMR(d6−DMSO)δ 3.21(q,J=7.4Hz,8H),1.50(tt,J=7.4Hz,12H)
13C-NMR(d6−DMSO)δ 121.9(m),51.5(s),7.4(s)
11B-NMR(d6−DMSO)δ -39.6(s)
実施例6 テトラブチルアンモニウムテトラシアノボレート(Bu4NTCB)の合成-2
テトラブチルアンモニウムブロミドの代わりにテトラブチルアンモニウムクロリド4.4g(15.8mmol)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、テトラブチルアンモニウムテトラシアノボレートを得た(黄色固体、収量:1.6g(4.5mmol)、収率:40%、融点:90℃)。
生成物は、実施例1と同様のNMRスペクトル、各種物性を示していた。
実施例7 テトラブチルアンモニウムテトラシアノボレート(Bu4NTCB)の合成−3
攪拌装置、滴下漏斗、および、還流管を備えた容量50mlのフラスコ内を窒素置換し、窒素雰囲気下室温で、ここに、テトラブチルアンモニウムブロミド5.1g(15.8mmol)、シアン化亜鉛(II)9.26g(78.9mmol)、1.0Mの三塩化ホウ素p-キシレン溶液11.2ml(11.2mmol)を加えた後、150℃のオイルバスで2日間内容物を加熱しながら攪拌した。2日後、フラスコ内の有機溶媒を減圧留去し、黒色固体を得た。得られた固体を乳鉢で粉砕した後、攪拌装置を備えたビーカーに入れ、ここにクロロホルム200mlを2回加えて、生成物をクロロホルム相に抽出した。次いで、得られたクロロホルム溶液を分液ロートに移し、200mlの水で洗浄した後、有機相を分離し、エバポレーターで濃縮し、油状の粗生成物を得た。これを、中性アルミナを充填剤とするカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ジエチルエーテルとクロロホルムの混合溶液)で精製し、生成物の含まれる留分を分取し、溶媒を留去し、乾固させて、生成物であるテトラブチルアンモニウムテトラシアノボレートを得た(黄色固体、収量:2.4g(6.8mmol)収率:61%、融点:90℃)。
生成物は、実施例1と同様のNMRスペクトル、各種物性を示していた。
比較例1
攪拌装置、滴下漏斗、および、還流管を備えた容量100mlの三口フラスコに、室温で、シアン化カリウム10.4g(160mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド10.2g(32mmol)、三臭化ホウ素5.7g(22.7mmol)およびトルエン18.9g(205mmol)を加えた後、130℃のオイルバスで内容物を加熱し還流させながら7日間攪拌した。7日後、フラスコ内のトルエンを減圧留去し、ここに100mlのクロロホルムを加え、室温で30分間攪拌した。次いで、溶液をろ過して沈殿物を除去した後、ろ液を濃縮し、油状の粗生成物を得た。これを、中性アルミナを充填剤とするカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ジエチルエーテル:クロロホルム=1:1(体積比))で精製したが、テトラブチルアンモニウムテトラシアノボレートは全く生成しておらず、出発原料であるテトラブチルアンモニウムブロミドが残存していることが確認された。
また、上記沈殿物および精製物について、11B-NMRによる分析を行ったが、テトラシアノボレートに由来するピークは確認できなかった。
尚、反応容器を密閉型の耐圧容器(容量:100ml、テフロン(登録商標)内筒、ステンレス鋼製)に変更して同様の反応を試みたが、やはり、生成物は得られなかった。
各実施例で得られたイオン性化合物について上記測定方法によって測定した各種物性を表1に示す。
本発明の製造方法によれば、アルカリ金属シアン化物を出発原料とする場合(反応温度:250℃)に比べて低い温度(130℃〜150℃)で反応を進行させることができる。また、高価なシアン化トリメチルシランを使用することなく、テトラシアノボレートを有するイオン性化合物を安定して得ることができる。本発明の製造方法により得られるテトラシアノボレートを有するイオン性化合物は、電気化学デバイスの構成材料、有機合成の溶媒の代替溶媒、ポリマーへの導電性付与剤、ガス吸収剤など様々な用途に好適に用いられる。

Claims (9)

  1. a(CN)n(Maは、Zn,Ga,Pd,Sn,Hg,Rh,CuおよびPbのいずれかを示し、nは1〜3の整数である)と、
    ホウ素化合物、
    を含む出発原料を反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表されるイオン性化合物の製造方法。

    (式中、[Kt]m+は、有機又は無機カチオンを表し、mは1〜3の整数である。)
  2. 上記出発原料として、さらに、一般式:Ktbb([Ktbm+はオニウムカチオン、[Xbm-はアニオンを示し、mは1〜3の整数である。以下、同様。)で表されるイオン性物質を用い、下記一般式(II)で表される化合物を得る請求項1に記載のイオン性化合物の製造方法。

    (式中、[Ktbm+は、オニウムカチオンを表す。)
  3. 有機溶媒及び/又は水を含む溶媒中で上記出発原料を反応させる請求項1または2に記載のイオン性化合物の製造方法。
  4. 上記出発原料を0℃〜200℃の温度で反応させる請求項1〜3のいずれかに記載のイオン性化合物の製造方法。
  5. 上記イオン性物質Ktbbを構成するオニウムカチオン[Ktbm+が、下記一般式で表されるオニウムカチオンである請求項2〜4のいずれかに記載のイオン性化合物の製造方法。

    (式中、Rは、同一又は異なる有機基を示し、これらは互いに結合していてもよい。)
  6. 上記ホウ素化合物が、McBXc 4(Mcは、水素又はアルカリ金属原子、Xcは、水素、水酸化物イオン若しくはハロゲン原子を表す。以下同様。)、BXc 3、BXc 3−錯体、B(OR53(R5は、水素、若しくはアルキル基)、B(OR53−錯体、Na247、ZnO・B23およびNaBO3よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載のイオン性化合物の製造方法。
  7. 上記Ma(CN)nが、Zn(CN)2,Ga(CN)3,Pd(CN)2,Sn(CN)2,Hg(CN)2およびCu(CN)2よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載のイオン性化合物の製造方法。
  8. 上記イオン性物質Ktbbが、アンモニウム化合物またはイミダゾリウム化合物である請求項2〜7のいずれかに記載のイオン性化合物の製造方法。
  9. 上記ホウ素化合物がBXc 3又はB(OR53である請求項1〜8のいずれかに記載のイオン性化合物の製造方法。
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