JP2010012475A - 鋳型製造用フラン樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

鋳型製造用フラン樹脂組成物及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】混練造型時のホルムアルデヒドガスを低減させ、且つ保存安定性および硬化性も良好な鋳型製造用フラン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】フラン樹脂を含む組成物に、ホルムアルデヒド捕捉剤を添加してなる鋳型製造用フラン樹脂組成物であって、ホルムアルデヒド捕捉剤を添加する際、フラン樹脂を含む組成物のpHが7未満である、鋳型製造用フラン樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、鋳型を製造する際、耐火性材料に添加するために使用するフラン樹脂組成物に関するものである。さらに、フラン樹脂組成物を用いた鋳型製造用混練砂及び鋳型の製造方法に関する。
自硬性鋳型は、ケイ砂等の耐火性材料に、フルフリルアルコール等の酸硬化性樹脂とリン酸やベンゼンスルホン酸等の硬化剤を添加混練した後、この混練砂を型に充填し、樹脂を硬化させて製造される。しかし、フルフリルアルコールを主体とする樹脂は、硬化速度の調整が難しく、鋳型強度が低くなるという傾向があり、これを改善するために、尿素を共縮合した尿素・ホルマリン変性フラン樹脂が一般的に用いられている(非特許文献1参照)。
更に、酸硬化型樹脂を含む粘結剤組成物の硬化特性を改善するために、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、尿素、グリオキサール、ホルムアルデヒドを特定の比率で反応させた組成物とフルフリルアルコールとを併用した鋳型製造用粘結剤が開示されている。また、特許文献2には、フルフリルアルコールを主成分として得られる鋳型製造用粘結剤に、特定の硬化促進剤を含有させることが開示されている。
特公昭51−26122号公報 特開平8−57577号公報 「鋳型造型法」、社団法人日本鋳造技術協会、平成8年11月18日、134〜135項、第4版
上記の通り、自硬性鋳型用の粘結剤として用いられるフラン樹脂は、通常、フルフリルアルコールに、尿素やホルムアルデヒドを共縮合して得られるが、鋳型製造時(樹脂硬化時)に反応副生成物としてホルムアルデヒドガスが発生する。作業者の作業環境改善の点から職域内のホルムアルデヒド濃度を低減することが望ましい。このホルムアルデヒドガスは、フラン樹脂中に含有されている遊離ホルムアルデヒド及びフラン樹脂の脱水縮合反応から生成するホルムアルデヒドガスである。これらの問題を解決するためには、フラン樹脂硬化反応の架橋密度を低下させ、硬化時の脱水縮合反応を抑制して低減させる方法があるが、フラン樹脂の硬化性が遅くなり、要求特性を満たせなくなるという欠点がある。また、遊離ホルムアルデヒドを低減させる方法として、尿素等のホルムアルデヒド捕捉剤を配合することも考えられるが、尿素は保存安定性が悪いため、樹脂組成物に濁りや沈殿が生じるため製造ラインにおける安定供給ができないという欠点がある。すなわち、鋳型製造用フラン樹脂では、ホルムアルデヒド捕捉の観点から尿素の併用は望ましいものであるが、尿素を添加した鋳型製造用フラン樹脂組成物は、保存安定性の点で問題がある。
本発明の目的は、鋳型製造用フラン樹脂組成物において、混練造型時のホルムアルデヒドガスを低減させ、且つ保存安定性および硬化性も良好な鋳型製造用フラン樹脂組成物を提供することである。さらに前記鋳型製造用フラン樹脂組成物を用いた鋳型製造用混練砂及び鋳型の製造方法を提供することである。
本発明は、以下に関する。
(1)フラン樹脂を含む組成物に、ホルムアルデヒド捕捉剤を添加してなる鋳型製造用フラン樹脂組成物であって、ホルムアルデヒド捕捉剤を添加する際、フラン樹脂を含む組成物のpHが7未満であることを特徴とする鋳型製造用フラン樹脂組成物。
(2)ホルムアルデヒド捕捉剤が、多価フェノール類である前記の鋳型製造用フラン樹脂組成物。
(3)フラン樹脂100重量部に対し、ホルムアルデヒド捕捉剤を0.1〜20重量部添加することを特徴とする前記の鋳型製造用フラン樹脂組成物。
(4)さらに、カップリング剤を添加することを特徴とする前記の鋳型製造用フラン樹脂組成物。
(5)前記の鋳型製造用フラン樹脂組成物と、硬化剤と、耐火性粒状材料とを含有する鋳型製造用混練砂。
(6)鋳型製造用フラン樹脂組成物100重量部に対し、硬化剤の含有量が10〜60重量部である前記の鋳型製造用混練砂。
(7)前記の鋳型製造用混練砂を所定の型に充填し、硬化させる工程を有する、鋳型の製造方法。
本発明によれば、尿素のような原因物質を添加しない鋳型製造用フラン樹脂組成物であって、濁りや沈殿を抑制し、且つ鋳型強度等の硬化性を損なうことがなく、混練造型時に発生するホルムアルデヒドガスを低減させた(作業環境に優れた)鋳型製造用フラン樹脂組成物が得られる。
本発明に使用されるフラン樹脂としては、フルフラール樹脂、フルフラールフェノール樹脂、フルフラールケトン樹脂、フルフリルアルコール樹脂、フルフリルアルコールフェノール樹脂などが挙げられる。そして、本発明に使用されるフラン樹脂は、一般的にフルフリルアルコールを主成分として重縮合して得られるものである。例えば、「第4版鋳型造型法」(平成8年11月18日、社団法人 日本鋳造技術協会発行)の135項等に記載されている通り、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類とを主成分として重縮合して得られるものである。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキザール、フルフラール等の従来公知のアルデヒド化合物を使用することができる。特に、本発明においては、ホルムアルデヒドを使用するのが好ましい。フルフリルアルコール、尿素及びアルデヒド類を重縮合させると、各成分の配合割合にもよるが、フルフリルアルコールの縮合物、フルフリルアルコールとジメチロール尿素との重縮合物、尿素とホルムアルデヒド類の縮合物、各縮合物が更に重縮合した重縮合物、各成分の未反応物、水等の混合物としてフラン樹脂を含む組成物が得られる。
本発明に使用されるホルムアルデヒド捕捉剤としては、多価フェノール類が好ましい。添加量は、フラン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部であり、より好ましくは1〜10重量部である。ホルムアルデヒド捕捉剤の添加量が0.1重量部未満であるとホルムアルデヒド捕捉能力が小さくなる。一方、20重量部を超えると鋳型強度が低くなり、硬化性が遅くなる傾向にある。
また、ホルムアルデヒド捕捉剤の添加時期は、系内が酸性条件下の時に添加するのが効果的である。中性又はアルカリ性の時、添加するとホルムアルデヒド捕捉剤のホルムアルデヒド捕捉能力が小さくなる傾向がある。よって、ホルムアルデヒド捕捉剤は、フラン樹脂を含む組成物のpHが7未満である時に添加する。好ましくは、フラン樹脂を含む組成物のpHが1〜6、より好ましくはpHが2〜6、特に好ましくはpHが3〜5の時である。
本発明で使用する多価フェノール類は、特に限定されるものではないが、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、オルシン、ウルシオール、ピロガロール、フロログルシン、ヒドロキシヒドロキノン等が挙げられるが、特にレゾルシノール、カテコールがホルムアルデヒド捕捉能力に優れている。これらの多価フェノール類を単独でまたはこれらの2種以上の混合物、混融物等が使用できる。
本発明の鋳型製造用フラン樹脂組成物は、ホルムアルデヒド捕捉剤(多価フェノール)を、フラン樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部添加することにより、樹脂組成物の濁りや沈殿を抑制し、且つ混練造型時のホルムアルデヒドガスの発生を低減した、作業環境に優れた鋳型製造用フラン樹脂組成物を得ることができる。本発明の効果が発現する理由は定かではないが、多価フェノール類がフラン樹脂組成物中に残存する遊離ホルムアルデヒドと反応して、混練造型時のホルムアルデヒドガスが低減されるということが考えられる。
本発明の鋳型製造用フラン樹脂組成物は、さらに、鋳型強度を向上させる目的で、カップリング剤を添加すること好ましい。カップリング剤としては、例えば、ビニル基含有トリメトキシシラン[A‐171、A‐172、A‐174(いずれも商標)、日本ユニカー株式会社製;S210(商標)、チッソ株式会社製]、ビニル基含有トリエトキシシラン[A‐151(商標)、日本ユニカー株式会社製;S220(商標)、チッソ株式会社製]、エポキシ基含有トリメトキシシラン[A‐186、A‐187(いずれも商標)、日本ユニカー株式会社製;S510、S520、S530(いずれも商標)、チッソ株式会社製]、メルカプト基含有トリメトキシシラン[A‐189(商標)、日本ユニカー株式会社製;S810(商標)、チッソ株式会社製]、アミノ基含有トリメトキシシラン[A‐1120(商標)、日本ユニカー株式会社製;S310、S311、S320、S321、S360(いずれも商標)、チッソ株式会社製]、アミノ基含有トリエトキシシラン[A‐1100、A‐1160(いずれも商標)、日本ユニカー株式会社製;S330(商標)、チッソ株式会社製;KBE−903,KBE−603,KBE−403(商標)、信越化学工業株式会社製]、メタクリロキシ系トリメトキシシラン[S710(商標)、チッソ株式会社製]等が挙げられる。
本発明の鋳型製造用フラン樹脂組成物は、これを含有する鋳型製造用粘結剤を提供できる。更に、本発明のフラン樹脂組成物と硬化剤と耐火性粒状材料を併用することで、鋳型製造用混練砂を構成することができる。本発明に係わるフラン樹脂組成物を用いて鋳型を製造する場合、この樹脂組成物を硬化させるための硬化剤としては、従来公知の燐酸系化合物やスルホン酸系化合物等の硬化剤を使用することできる。また、鋳型製造用混練砂における硬化剤の添加量は、フラン樹脂組成物100重量部に対して10〜60重量部が好ましく、15〜40重量部がより好ましい。添加量が、10重量部未満では、硬化不良という不具合が発生するおそれが、60重量部を超えると、臭気が増加してしまうという不具合が発生するおそれがある。
燐酸系化合物としては、燐酸、縮合燐酸、メチル燐酸やエチル燐酸等の燐酸エステル、燐酸カリウムや燐酸水素カリウム等の燐酸塩等が挙げられる。また、スルホン酸系化合物としては、メタンスルホン酸やエタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸等の芳香族スルホン酸、硫酸等の無機酸等が挙げられる。
市販品としては、スルホン酸系硬化剤SH−42K、スルホン酸系硬化剤SH−40K、スルホン酸系硬化剤SH−22K(日立化成工業株式会社製)が挙げられる。
上記したフラン樹脂組成物と硬化剤と耐火性粒状材料とを混練して、鋳型製造用混練砂を得ることができる。耐火性粒状材料としては、石英質を主成分とするケイ砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等の新砂または再生砂等の従来公知のものを用いることができる。再生砂としては、通常の機械的磨耗式あるいは焙焼式で得られるものを使用するが、磨耗式で再生されたものの方が収率も高く、経済的に優れ、一般的であり好ましい。
通常、硬化剤と耐火性粒状材料を混練した後、鋳型製造用フラン樹脂組成物を添加し、鋳型製造用混練砂とする。なお、このホルムアルデヒド捕捉剤は、鋳型製造時の砂の選択では新砂100%でも再生砂100%、または新砂と再生砂の混合系でも良好な効果を示す。
また、鋳型製造用混練砂を得る際に、本発明のフラン樹脂組成物の他に、得られる鋳型強度を向上させる目的で、シランカップリング剤を添加しても良い。シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。その添加量は、フラン樹脂組成物100重量部に対して、通常0.05〜2重量部が使用される。0.05重量部未満ではシランカップリング剤による接着力向上の効果が少なく、2重量部を超えると得られるフラン樹脂組成物は高価格となってしまい好ましくない。
このようにして得られた鋳型製造用混練砂を用いて、一般的な自硬性鋳型製造法で鋳型を製造することができる。即ち、鋳型製造用混練砂を所定の型に充填し、配合混練されている鋳型製造用フラン樹脂組成物を、所定の硬化剤の作用によって硬化させ、鋳型を得ることができる。
本発明の実施例を以下に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
攪拌器、還流冷却器、温度計を備えた四つ口フラスコに尿素(日産化学株式会社製)500.4g、37%ホルマリン(和光純薬株式会社製)1418g及び12.8重量%水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬株式会社製)1.902gを配合し、攪拌しながら油浴上で加熱、90℃で30分間反応を行った。反応終了後、フルフリルアルコール(蝶理株式会社製)2117g、8重量%塩酸(和光純薬株式会社製)2.55gを添加し、pH4〜5に調整し、フラン樹脂を含む組成物を作製した。
前記フラン樹脂を含む組成物に、ホルムアルデヒド捕捉剤としてカテコール(和光純薬株式会社製)を添加し、100℃にて1時間反応を行った後、内温が150℃になるまで常圧濃縮を行った。さらに、これにカップリング剤S310(チッソ株式会社製)を添加し、鋳型製造用フラン樹脂組成物Aを作製した。
なお、その際の添加量は、フラン樹脂100重量部に対し、カテコールを3重量部、カップリング剤S310;0.2重量部であった。
実施例2
攪拌器、還流冷却器、温度計を備えた四つ口フラスコに尿素(日産化学株式会社製)500.4g、37%ホルマリン(和光純薬株式会社製)1418g及び12.8重量%水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬株式会社製)1.902gを配合し、攪拌しながら油浴上で加熱、90℃で30分間反応を行った。反応終了後、フルフリルアルコール(蝶理株式会社製)2117g、8重量%塩酸(和光純薬株式会社製)2.55gを添加し、pH4〜5に調整しフラン樹脂を含む組成物を作製した。
前記フラン樹脂を含む組成物に、ホルムアルデヒド捕捉剤としてカテコール(和光純薬株式会社製)を添加し、100℃にて1時間反応を行った後、内温が150℃になるまで常圧濃縮を行った。さらに、これにカップリング剤S310(チッソ株式会社製)を添加し、鋳型製造用フラン樹脂組成物Bを作製した。
なお、その際の添加量は、フラン樹脂100重量部に対し、カテコールを0.1重量部、カップリング剤S310;0.2重量部であった。
実施例3
攪拌器、還流冷却器、温度計を備えた四つ口フラスコに尿素(日産化学株式会社製)500.4g、37%ホルマリン(和光純薬株式会社製)1418g及び12.8重量%水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬株式会社製)1.902gを配合し、攪拌しながら油浴上で加熱、90℃で30分間反応を行った。反応終了後、フルフリルアルコール(蝶理株式会社製)2117g、8重量%塩酸(和光純薬株式会社製)2.55gを添加し、pH4〜5に調整しフラン樹脂を含む組成物を作製した。
前記フラン樹脂を含む組成物に、ホルムアルデヒド捕捉剤としてカテコール(和光純薬株式会社製)を添加し、100℃にて1時間反応を行った後、内温が150℃になるまで常圧濃縮を行った。さらに、これにカップリング剤S310(チッソ株式会社製)を添加し、鋳型製造用フラン樹脂組成物Cを作製した。
なお、その際の添加量は、フラン樹脂100重量部に対し、カテコールを20重量部、カップリング剤S310;0.2重量部であった。
実施例4
攪拌器、還流冷却器、温度計を備えた四つ口フラスコに尿素(日産化学株式会社製)500.4g、37%ホルマリン(和光純薬株式会社製)1418g及び12.8重量%水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬株式会社製)1.902gを配合し、攪拌しながら油浴上で加熱、90℃で30分間反応を行った。反応終了後、フルフリルアルコール(蝶理株式会社製)2117g、8重量%塩酸(和光純薬株式会社製)2.55gを添加し、pH4〜5に調整しフラン樹脂を含む組成物を作製した。
前記フラン樹脂を含む組成物に、ホルムアルデヒド捕捉剤としてレゾルシノール(和光純薬株式会社製)を添加し、100℃にて1時間反応を行った後、内温が150℃になるまで常圧濃縮を行った。さらに、これにカップリング剤S310(チッソ株式会社製)を添加し、鋳型製造用フラン樹脂組成物Dを作製した。
なお、その際の添加量は、フラン樹脂100重量部に対し、レゾルシノールを3重量部、カップリング剤S310;0.2重量部であった。
比較例1
攪拌器、還流冷却器、温度計を備えた四つ口フラスコに尿素(日産化学株式会社製)500.4g、37%ホルマリン(和光純薬株式会社製)1418g及び12.8重量%水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬株式会社製)1.902gを配合し、攪拌しながら油浴上で加熱、90℃で30分間反応を行った。反応終了後、フルフリルアルコール(蝶理株式会社製)2117g、8重量%塩酸(和光純薬株式会社製)2.55gを添加し、pH4〜5に調整しフラン樹脂を含む組成物を作製した。
前記フラン樹脂を含む組成物を、さらに100℃にて1時間反応を行った後、内温が150℃になるまで常圧濃縮を行った。さらに、これにカップリング剤S310(チッソ株式会社製)を添加し、鋳型製造用フラン樹脂組成物Eを作製した。
なお、その際の添加量は、フラン樹脂100重量部に対し、カップリング剤S310;0.2重量部であった。
比較例2
攪拌器、還流冷却器、温度計を備えた四つ口フラスコに尿素(日産化学株式会社製)500.4g、37%ホルマリン(和光純薬株式会社製)1418g及び12.8重量%水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬株式会社製)1.902gを配合し、攪拌しながら油浴上で加熱、90℃で30分間反応を行った。反応終了後、フルフリルアルコール(蝶理株式会社製)2117g、8重量%塩酸(和光純薬株式会社製)2.55gを添加し、pH4〜5に調整しフラン樹脂を含む組成物を作製した。
前記フラン樹脂を含む組成物を、さらに100℃にて1時間反応を行った後、内温が150℃になるまで常圧濃縮を行った。さらに、これにカップリング剤S310(チッソ株式会社製)と尿素(和光純薬株式会社)を添加し、鋳型製造用フラン樹脂組成物Fを作製した。
なお、その際の添加量は、フラン樹脂100重量部に対し、尿素を3重量部、カップリング剤S310;0.2重量部であった。
比較例3
攪拌器、還流冷却器、温度計を備えた四つ口フラスコに尿素(日産化学株式会社製)500.4g、37%ホルマリン(和光純薬株式会社製)1418g、及び12.8重量%水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬株式会社製)1.902gを配合し、攪拌しながら油浴上で加熱、90℃で30分間反応を行った。反応終了後、フルフリルアルコール(蝶理株式会社製)2117gを添加し、さらにpH7〜8に調整してフラン樹脂を含む組成物を作製した。
前記フラン樹脂を含む組成物に、ホルムアルデヒド捕捉剤としてカテコール(和光純薬株式会社製)を添加し、100℃にて1時間反応を行った後、内温が150℃になるまで常圧濃縮を行った。さらに、これにカップリング剤S310(チッソ株式会社製)を添加し、鋳型製造用フラン樹脂組成物Gを作製した。
なお、その際の添加量は、フラン樹脂100重量部に対し、カテコールを3重量部、カップリング剤S310;0.2重量部であった。
上記実施例1〜4、比較例1〜3で得られたフラン樹脂組成物A〜Gを比較するため、混練機に耐火性粒状材料としてフリーマントルケイ砂2kgとスルホン酸系硬化剤SH−22K(日立化成工業株式会社製)5.6gを入れ、30秒間混練した後、上記実施例及び比較例で得られたフラン樹脂組成物A〜Gをそれぞれ16g添加し、30秒間混練して自硬性鋳型用鋳物砂(鋳型製造用混練砂)を得た。なお添加量(含有量)としては、フラン樹脂組成物100重量部に対し、硬化剤(SH−22K)は、35重量部である。
この自硬性鋳型用鋳物砂(鋳型製造用混練砂)を直径50×高さ50(mm)の空間を有する木型に入れ、30分間または24時間、一定温度(25℃)にて、放置し直径50×高さ50(mm)の試験片を作製した。
この試験片をJIS Z 2604−1976に記載された方法で30分後、24時間後の試験片の圧縮(鋳型)強度(MPa)を測定した。またホルムアルデヒド濃度は、鋳型製造用混練砂をビニル袋内に密閉し、一定時間経過後に北川式検知管にてホルムアルデヒド濃度を測定した。またフラン樹脂組成物A〜Gの安定性は、フラン樹脂組成物を常温(10〜30℃)下にて1か月保存(密閉系)した後の外観を目視で観察した。濁りや沈殿が生じないものを○、濁りや沈殿が生じたものを×とした。
測定結果を表1に示した。
Figure 2010012475
ホルムアルデヒド捕捉剤の添加時のpHが4〜5の実施例1〜4は、発生したホルムアルデヒド濃度が1.2ppm以下と低く、またフラン樹脂組成物の濁りや沈殿も発生せず、安定性に優れていることがわかる。また、24時間後の鋳型強度も3MPa以上であり、問題ないことがわかる。それに対し、ホルムアルデヒド捕捉剤を添加しない比較例1は、発生したホルムアルデヒド濃度が2.8ppmと高いこと、また尿素を添加した比較例2は、発生したホルムアルデヒド濃度は低い(0.5ppm)が、フラン樹脂組成物の沈殿が発生したこと、またホルムアルデヒド捕捉剤の添加時のpHが7〜8の比較例3は、発生したホルムアルデヒド濃度が2.8ppmと高いことがわかる。
表1の結果から明らかな通り、本発明により、樹脂組成物の濁りや沈殿を抑制し、且つ混練造型時のホルムアルデヒドガスの発生を低減した、作業環境に優れた鋳型製造用フラン樹脂組成物の提供が可能となった。

Claims (7)

  1. フラン樹脂を含む組成物に、ホルムアルデヒド捕捉剤を添加してなる鋳型製造用フラン樹脂組成物であって、ホルムアルデヒド捕捉剤を添加する際、フラン樹脂を含む組成物のpHが7未満であることを特徴とする鋳型製造用フラン樹脂組成物。
  2. ホルムアルデヒド捕捉剤が、多価フェノール類である請求項1に記載の鋳型製造用フラン樹脂組成物。
  3. フラン樹脂100重量部に対し、ホルムアルデヒド捕捉剤を0.1〜20重量部添加することを特徴とする請求項1または2に記載の鋳型製造用フラン樹脂組成物。
  4. さらに、カップリング剤を添加することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の鋳型製造用フラン樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の鋳型製造用フラン樹脂組成物と、硬化剤と、耐火性粒状材料とを含有する鋳型製造用混練砂。
  6. 鋳型製造用フラン樹脂組成物100重量部に対し、硬化剤の含有量が10〜60重量部である請求項5に記載の鋳型製造用混練砂。
  7. 請求項5または6に記載の鋳型製造用混練砂を所定の型に充填し、硬化させる工程を有する、鋳型の製造方法。
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