以下、この発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る遊技機の一形態として例示するパチンコ遊技機、特に、いわゆる「第1種」に属するタイプのパチンコ遊技機100を示す正面図である。
この実施の形態のパチンコ遊技機100は、内部の遊技領域(後述)内に遊技球(遊技媒体)を発射して遊技を行うもので、その前面枠111の前側上半部におけるガラス板の奥側には、遊技領域1aを構成する遊技盤1が設置されている。
この遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1aでは、図示しない発射装置によって発射された遊技球が流下するようになっている。また、前記遊技領域1aには、遊技球の通過により普通変動表示ゲームの始動条件を付与する普図始動ゲート6,6、普通変動表示ゲームを表示する普通図柄(普図)表示装置7、普通図柄表示装置7での普通変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材9a,9aを開(遊技者にとって有利な開状態)閉(遊技者にとって不利な閉状態)させる始動入賞口(特図始動入賞口)を兼ねた普通変動入賞装置9、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲーム(ここでは特別変動表示ゲーム)を表示する変動表示装置としての特別図柄(特図)表示装置4、特別図柄表示装置4での特別変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口5bを閉じた状態(遊技者にとって不利な閉状態)から開放状態(遊技者にとって有利な開状態)に変換するサイクル遊技を行う特別変動入賞装置5、一般入賞口8,…、サイドランプ12,12、風車と呼ばれる打球方向変換部材14,…、多数の障害釘(図示省略)などが配設されている。また、遊技領域1aの最下端部中央にはアウト球を回収するためのアウト穴13が設けられている。
普通図柄表示装置(普通図柄表示器)7は、例えば、7セグメント型のLEDなどによって構成され、複数の普通図柄(例えば、図柄、数字、記号などの識別情報)を変動表示させる普通変動表示ゲームを行うことが可能となっている。ここでは、前記普通図柄表示装置7は、特別変動入賞装置5の開閉扉5aの左側に設けられている。また、前記特別変動入賞装置5の開閉扉5aの右側には、普図始動ゲート6,6を遊技球が通過(普図の始動入賞)して普通変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数(始動記憶数)を表示する普図始動記憶表示器(普図記憶表示器)6aが配設されている。なお、ここでは、普図の始動記憶の上限数は4個となっており、普図始動記憶表示器6aは4個のLEDで構成されている。
普通変動入賞装置9は、この実施の形態では変動表示装置(特別図柄表示装置)4の下方の遊技領域1aに配設されており、左右一対の開閉部材9a,9aを具備している。この開閉部材9a,9aは、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な閉状態)を保持しているが、普通図柄表示装置7における普通変動表示ゲームの結果として所定の結果態様(例えば、「7」等の当り結果態様)が表示された場合には、普通図柄の当りとなって、普電用ソレノイド6c(図2)の駆動により逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置9に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な開状態)に変換されるようになっている。
この実施の形態の普通変動入賞装置9は、遊技球の流入(入賞)に基づき前記特別変動表示ゲームの始動条件を付与する始動入賞口(特図の始動入賞口)も兼ね、その内部(入賞領域)に特図始動センサ9b(図2)を備えている。また、前記普図始動ゲート6内には、該普図始動ゲート6を通過した遊技球を検出するための普図始動センサ6b(図2)が設けられている。
変動表示装置(特別図柄表示装置)4は、例えば、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)からなる表示部4aを備えている。前記表示部4aは、その表示状態が変化可能となっており、ここでは、前記普通変動入賞装置(始動入賞口)9への遊技球の入賞に基づき、複数の特別図柄(例えば、図柄、数字、記号などの識別情報)を変動表示可能となっている。また、前記表示部4aには複数の変動表示領域を有し、該変動表示領域の各々に一連の図柄を順次変動表示させた後に停止させることで、特別の遊技価値を付与する大当り遊技状態(特別遊技状態)の発生に関わる変動表示ゲーム(特別変動表示ゲーム)の表示が可能となっている。
また、この実施の形態では、既に特別変動表示ゲームが行われている間や特別遊技状態が発生している間等の直ちに次の特別変動表示ゲームを開始させることができない状態中に始動入賞口を兼ねた普通変動入賞装置9へ遊技球が入賞した場合には、次の特別変動表示ゲームが実行可能な状態となるまで、始動記憶手段(ここでは、遊技制御装置20のRAM21bが相当する)が、前記普通変動入賞装置9への遊技球の入賞によって発生した特別変動表示ゲームを実行(開始)させるための権利を、始動権利(始動記憶)として記憶することが可能となっている。なお、この実施の形態の普通変動入賞装置9は、遊技球を遊技盤1の裏側に流入させるタイプの始動入賞口であって、その内部(入賞領域)に特図始動センサ9b(図2)を備えており、当該特図始動センサ9bで遊技球の入賞を検出している。また、ここでは、前記始動権利は所定の上限数の範囲内で記憶可能となっており、前記期間中、普通変動入賞装置9に上限数より多く遊技球が入賞しても始動記憶数は上限数より多くならないようにされている。
そして、特別図柄表示装置4の上部には、普通変動入賞装置9に遊技球が入賞して特別変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数(特図始動記憶数)を点灯表示する特図始動記憶表示器(特図記憶表示器)4bが設けられている。なお、この実施の形態では、始動権利の上限数は4個となっており、始動記憶表示器4bは4個のLEDで構成されている。そして、始動権利が1増加する毎に1のLEDが点灯表示され、始動権利が1消化される毎に1のLEDが消灯するようになっている。また、この実施の形態では、前記特図始動記憶表示器4b以外に、前記変動表示装置4の表示部4aにも、始動権利の増減に合わせて始動権利表示マーク(黒丸マーク)が表示されるようになっている。
さらに、この実施の形態では、前記変動表示装置(特別図柄表示装置)4において、変動表示ゲームが終了する前に当該変動表示ゲームの結果を報知(ここでは表示)する事前報知(表示)が可能となっている。ここでは、前記事前報知は、遊技者による操作手段200(後述)の操作に応じて表示状態が変化する補助表示ゲームを前記変動表示装置(特別図柄表示装置)4に新たに表示することで行われ、後述する表示制御装置40に含まれる報知手段に制御されるようになっている。
また、ここでは、変動表示ゲームの始動権利を上限数(ここでは4個)の範囲内で記憶可能な前記始動記憶手段と、前記始動権利の記憶毎に、変動表示ゲームの結果(例えば、最終結果が特別表示結果となるか否か、途中結果がリーチ表示結果となるか否か等)を決定するための乱数を抽出する乱数抽出手段(ここでは、遊技制御装置20が相当する)と、を備えており、報知手段は、前記乱数抽出手段による抽出結果に基づいて前記始動記憶手段に記憶されている始動権利に対する事前報知を行うようになっており、当該事前報知を、その事前報知の対象の始動権利について行われる変動表示ゲームより以前に実行されている変動表示ゲーム中に行うようになっている。すなわち、ここでは、変動表示ゲームが未処理となっている始動権利について、当該始動権利が変動表示ゲームとして表示されたときに特別表示結果となるか否かを報知するようになっており、現在変動表示中の変動表示ゲームの結果については、事前報知されないようになっている。
前記したように、この遊技機100には、遊技者の操作に基づき前記事前報知を行うための操作手段200を備えている。この実施の形態では、前記上皿ユニット130の左端部に操作ボタンが設けられており、当該操作ボタンが操作手段200を構成している。また、この実施の形態では、補助表示ゲームが表示されているときに、前記操作ボタン(操作手段)200を押すと、画面上で消しゴムが始動権利表示マーク(黒丸で表示されている)を擦って黒色を消す動作をするようになっており、操作ボタンを適宜回数押すことにより前記黒丸マークの下に隠れていた事前報知の表示がなされるようにされている。なお、前記操作手段200の操作は、必ず行うべきものではなく、事前報知において操作手段200の操作をせずに放置しておくと、事前報知は進行せずに途中終了し、そのまま変動表示ゲームの表示結果が導出される。
さらに、この実施の形態では、所定遊技条件の成立に基づき遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生する特定遊技状態発生手段(ここでは遊技制御装置20が相当する)を備えている。所定遊技条件の成立としては、例えば、特別変動表示ゲームの表示結果が特別表示結果(ぞろ目等)となる場合において、さらに当該特別表示結果が奇数図柄のぞろ目である場合等が挙げられる。なお、この実施の形態では、特定遊技状態は、特別遊技状態終了後に発生するようになっている。
特定遊技状態としては、例えば、特別遊技状態(大当り遊技状態)の終了後に、普通変動入賞装置9の開閉部材9a,9aが開状態に変換する機会を増加させたり(例えば、一の変換機会(例えば、普通変動表示ゲームにおいて普通図柄の当りが1回導出されたとき)における開状態への変換回数を1回から3回に増加させる)、或いは、開閉部材9a,9aが開状態に変換する期間を長くする(例えば、0.5秒から5秒に変更する)ことで、始動入賞口としての普通変動入賞装置9へ遊技球が入賞し易いようにした始動入賞容易化状態を発生させるようにしたものがある。また、特別遊技状態の発生確率が上がる(例えば、1/300から1/50に確率が上がる)特図確率変動状態、普図の当りの発生確率が上がる(例えば、1/10から9/10に確率が上がる)普図確率変動状態、普通変動表示ゲームの変動時間が通常時よりも短縮される(例えば、30秒から5秒に短縮される)ことで単位時間当たりに普通変動入賞装置が開状態に開放される機会を増加させた普図時短状態等がある。なお、特定遊技状態としては、前記した複数の状態の何れかを組み合わせて行っても良い。また、特定遊技状態には、特別変動表示ゲームの実行回数や時間等で期限設定がされているパターンと、特別遊技状態が所定回数(例えば1回)発生するまで続けられるパターンの双方が含まれる。
特別変動入賞装置5はアタッカー形式の開閉扉(可動部材)5aによって開閉される大入賞口5bを備えている。また、開閉扉5aは、可動部材用ソレノイド5e(図2)の駆動により、その上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっている。そして、前記普通変動入賞装置9への遊技球の入賞に基づいて行われる、特別図柄表示装置4の表示部4aにおける特別変動表示ゲームの表示結果(特別図柄表示装置4の表示部4aの各変動表示領域における特別図柄の停止態様)が予め定められた特別表示結果(例えば、特別図柄が「6,6,6」のぞろ目等の特定の組合せ態様)となって大当り遊技状態(特別遊技状態)が発生した場合に、大入賞口5bを閉じた状態(遊技者にとって不利な閉状態)から多数の遊技球を獲得し易い開放状態(遊技者にとって有利な開状態)に変換するサイクル遊技が行われるようになっている。
この大入賞口5bの内部(入賞領域)には、該大入賞口5bに入った遊技球のうち一般入賞領域に流入した遊技球を検出するための一般入賞口センサ(カウントセンサ)5c(図2)と、大入賞口5bに入った遊技球のうち継続入賞領域(V入賞領域,特別入賞口ともいう)に流入した遊技球を検出するための特別入賞口センサ(継続センサ)5d(図2)、及び特別入賞口に遊技球が流入した後は遊技球を前記特別入賞口に流入させないようにして特別入賞口への遊技球の入賞率を調整する入賞率調整用ソレノイド5f等が配設されている。また、各一般入賞口8,…の内部(入賞領域)には、該一般入賞口8,…に入った遊技球を検出するための入賞口センサ8a,…(図2)が配設されている。
また、特に限定されないが、パチンコ遊技機100の横隣には、遊技球貸出用のプリペイドカード(図示省略)が挿入されるカード挿入口501を有するカードユニット500が設けられている。また、パチンコ遊技機100の前面下部には上皿ユニット130が設けられ、この上皿ユニット130には、排出された遊技球(賞球、貸球)を貯留する上皿105が設けられている。この上皿105には、カード挿入口501にプリペイドカードを挿入した状態で押圧操作することで上皿105への貸球の排出動作を要求する球貸スイッチ108b、カード挿入口501に挿入されたプリペイドカードの返却動作を要求するためのカード返却スイッチ108c、カード挿入口501に挿入されたプリペイドカードに関する情報を表示する貸球用表示部108a、上皿105の遊技球を抜き取って下皿107に流下させるための球抜き操作レバー11等がそれぞれ設けられている。
また、ここでは、前記上皿ユニット130の左端部に、後述する事前報知を行う際に遊技者が操作する操作手段(ここでは、操作ボタン)200が設けられている。さらに、上皿ユニット130の下側には、上皿105に収容しきれない遊技球を収容する下皿107、遊技領域1aに向けて遊技球を発射する発射装置(図示省略)において発射操作を行うための操作ハンドル104、灰皿10などが設置されている。この灰皿10の後方には、各種音声報知(例えば、賞球排出報知、異常報知など)や遊技演出を行うためのスピーカ61(図2)が設置されている。
図2は、このパチンコ遊技機に設置された遊技制御装置20、表示制御装置40(ここでは遊技制御装置20とは別個に設けられている)と他の装置の主要制御ブロック図である。
遊技制御装置20は、内部にCPU(Central Processing Unit)21a、RAM(Random Access Memory)21b及びROM(Read Only Memory)21cを備えた遊技用マイクロコンピュータ21、入出力I/F23、発振器22等により構成されて、遊技の進行等、遊技に関する統括的な制御を行うものである。
CPU21aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特別変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)や普通変動表示ゲームのゲーム内容決定に関与する各種乱数値なども生成している。RAM21bは、普通変動入賞装置9内に設けられた特図始動センサ9bのオン信号の記憶(特図始動記憶)及び普図始動ゲート6,6に設けられた普図始動センサ6b,6bのオン信号の記憶(普図始動記憶)の記憶領域、CPU21aで生成される各種乱数値の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域、並びに、CPU21aの作業領域を備えている。ROM21cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、特別変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)や普通変動表示ゲームのゲーム内容を決定するための各種判定値などが書き込まれている。
また、入出力I/F23は、入力I/F及び出力I/Fで構成されている。前記入力I/Fには、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、特図始動センサ9b、普図始動センサ6b,6b、特別入賞口センサ5d、一般入賞口センサ5c、入賞口センサ8a,…、排出制御装置30のセンサ部などが接続され、それら各センサから出力される検出信号が入力I/Fを介してCPU21aに出力されるようになっている。
一方、出力I/Fには、CPU21aから出力される各種の制御信号が入力され、それら制御信号は、出力I/Fから、図示しない出力ポート及びドライバーを介して、普通図柄表示器(普通図柄表示装置)7、普電用ソレノイド6c、普図記憶表示器(普図始動記憶表示器)6a、特図記憶表示器(特図始動記憶表示器)4b、可動部材用ソレノイド5e、入賞率調整用ソレノイド5f、排出制御装置30、表示制御装置40、外部出力端子81などに出力されている。なお、この実施の形態では、遊技制御装置20から表示制御装置40を介して、装飾制御装置50及び音制御装置60を制御するように構成されており、これによって、遊技制御装置20の負担が少なくなるようにされている。また、表示制御装置40に装飾制御装置50及び音制御装置60の機能を備えて、表示制御装置40を各種演出を統括して制御する演出制御装置としても良い。
前記排出制御装置30は、遊技制御装置20のCPU21aから出力される賞球制御指令やカードユニット500等から出力される貸球制御指令に基づいて、球排出ユニット(図示省略)から所要数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行うものである。また、排出制御装置30は、排出された遊技球数を所定のセンサ部で計数して、遊技制御装置20側に出力する制御も行うようになっている。
装飾制御装置50は、表示制御装置40から出力される装飾制御指令に基づいて、各種装飾ランプ・LED51(例えば、サイドランプ12)の発光状態を制御するものである。また、音制御装置60は、表示制御装置40から出力される音制御指令に基づいて、スピーカ61から出力される効果音や音声の制御を行うものである。また、外部出力端子81は、遊技制御装置20からパチンコ遊技機の外部に対し出力される外部情報を中継するものである。
この遊技制御装置20のCPU21aは、例えば、特図始動センサ9bや普図始動センサ6b,6bからのオン信号(始動信号)の入力等に基づき、RAM21bに記憶されている乱数値を抽出し、該抽出した乱数値と、予めROM21cに記憶されている判定値との比較により、遊技者に対して付与する遊技価値(例えば、特図の大当たりなど)を決定すると共に、該決定に基づいて、表示制御装置40に表示に関するデータを送って変動表示装置4に変動表示を行わせたり、変動表示装置4を介して音制御装置60に音に関するデータを送ってスピーカより出力される効果音を制御したり、変動表示装置4を介して装飾制御装置50に装飾に関するデータを送ってサイドランプ12,12等の各種装飾ランプ・LEDの点灯・点滅状態を制御したりする。
例えば、特図の大当たり判定用乱数値と特図の大当たり判定値とが一致する場合には、表示制御装置40に表示に関するデータを送って、変動表示装置4に表示させる変動表示ゲームを特別の識別情報の組み合わせ態様(例えば、「7,7,7」などの特別結果態様)で停止させ、大当たり遊技状態と呼ばれる特別遊技状態を発生させる。この特別遊技状態は、特別変動入賞装置5の開閉扉5aが所定時間(例えば、29.5秒間)開放して閉じるサイクルを1ラウンドとし、各ラウンド中、遊技球が大入賞口5b中の特別入賞口の特別入賞口センサ5dに検出されることを条件に所定ラウンド(例えば、15ラウンド)まで継続される遊技状態である。但し、各ラウンド中、大入賞口5bに遊技球が所定個数(例えば、10個)入賞したときはその時点でそのラウンドを終了する。各ラウンド中、大入賞口5bへの入賞個数は、特別入賞口センサ5d及び一般入賞口センサ5cにより検出されてRAM21bに記憶され、所定個数に達すると開閉扉5aが閉じられてそのラウンドの特別遊技状態が終了する。このように、このパチンコ遊技機においては、特別図柄表示装置(変動表示装置)4に表示される、複数の識別情報による変動表示ゲームの結果が、予め定められた特別表示結果となることに関連して、遊技者に有利な特別遊技状態が発生して遊技者に対し所定の遊技価値(賞球の大量獲得の機会など)を付与可能となる。
表示制御装置40は、遊技制御装置20からの表示指令信号に基づき特別図柄表示装置(変動表示装置)4の表示部4aの表示制御を行うものであり、ここでは、報知手段を含んでいる。この表示制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びDMAC(Direct Memory Access Controller)、発振器、VDC(Video Digital Controller)、フォントROM、VDCの電気信号(入力信号)を光信号(出力信号)に変換させる際のγ補正を行うγ補正回路、インターフェイスなどを備えている。
なお、表示制御装置40、装飾制御装置50及び音制御装置60の構成については、遊技制御装置20からそれぞれの制御装置に対して個別に制御信号を出力するようになっていても良いし、前記3つの制御装置が一体化した構成(例えば3つの制御装置を演出制御装置として1の制御装置に統合する)となっていても良いが、この実施の形態では、遊技制御装置20からの指令に基づき、表示制御装置40が、装飾制御装置50及び音制御装置60を制御するように構成されている。これにより、特別図柄表示装置4の表示部4aにおける表示と連動した装飾制御や音制御をよりスムーズに行うことができるようになっている。また、このような構成によって、遊技制御装置20の負担を少なくすることができる。なお、この発明における表示制御装置とは、少なくとも変動表示装置(この実施の形態では、特別図柄表示装置4)を制御する機能を有し、前記したような、この実施の形態における表示制御装置40、装飾制御装置50、音制御装置60や前記した演出制御装置等を包含する装置を指すものとする。
また、ここでは、前記操作手段200を操作したことによる入力信号は、表示制御装置40のみに入力されるようになっている。これにより、さらに遊技制御装置20の負担を少なくすることができると共に、変動表示ゲームと補助ゲームの表示や操作手段200に基づく処理を効率よく実行することができる。また、大当り(特別遊技状態の発生)の抽選機能を有する遊技制御装置20に対しては外部入力が行われないこととなるので、不正行為を防止する効果も生じる。
CPUは、その内部に制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタなどを備え、遊技制御装置20とインターフェイスを介して接続され、遊技制御装置20の制御下、特別図柄表示装置4の表示制御を行っている。その制御データは発振器からのパルスに同期させてVDCに送られる。ROMには、特別図柄表示装置4の表示制御を行うための表示制御プログラムや表示制御データ等が書き込まれている。RAMは、各種データを一時的に記憶する記憶領域とCPUの作業領域などを備えている。DMACは、遊技用マイクロコンピュータ21からの表示制御情報(指令)に対し、CPUとのアクセスなしで直接各メモリーやVDC等の間で表示制御データのやり取りを行っている。
フォントROMには、特別変動表示ゲーム用の図柄の表示データ、背景画像の表示データ、リーチ状態画像の表示データ、遊技内容を説明する文字の表示データなどが書き込まれている。VDCの内部には、スプライトRAM、パレットRAM、V−RAM等が備えられていて、次のような画像データ制御を行っている。即ち、VDCは、CPUからの指令信号を受けて、フォントROMから特別図柄や背景画像の表示データを取り出して編集する。そして、その指令信号に含まれる配色データに基づいて、その編集した画像データに対し配色の指定をパレットRAMで行い、次いでスプライトRAMにて特別図柄やキャラクタ等の画像編集を行う。この編集された画像データ信号はγ補正回路で補正された後、V_SYNCやH_SYNCと同期させて特別図柄表示装置4に送信され、この特別図柄表示装置4の表示部4aにおいて表示される。なお、遊技制御装置20を始めとするこれら各制御装置は、電源供給装置90から電源を供給されている。また、電源供給装置90内には、前記電源供給装置90からの通常の電源供給がストップした際に作動するバックアップ電源91が備えられている。
この実施の形態に係るパチンコ遊技機100では、報知手段(ここでは、前記表示制御装置40に含まれる)によって、変動表示ゲームの結果を事前に報知可能となっている。また、前記報知手段は、前記操作手段200の操作に基づいて前記事前報知を行うようになっている。さらに、報知手段によって事前報知される変動表示ゲームの結果としては、変動表示ゲームの最終結果(特別表示結果となるか否か)と、変動表示ゲームの途中結果(途中結果の具体例としては、例えばリーチ表示結果となるか否か)が挙げられるが、ここでは、変動表示ゲームの最終結果と途中結果の双方が事前報知可能となっている。また、ここでは、前記表示制御装置40は、前記操作手段200の操作に応じて表示状態が変化する補助表示ゲームを前記変動表示装置4に新たに表示することで前記事前報知を行うようになっている。以下、この補助表示ゲームによって行われる、変動表示ゲームの結果に対する事前報知について、図5〜図10を参照しながら、図3及び図4のフローチャートに沿って説明する。
まず、変動表示ゲームでは、変動表示ゲームの開始条件(始動入賞口9への遊技球の入賞、又は始動権利がある場合の前の変動表示ゲームの終了等)が成立する(図3のS1でYに進む)と、例えば、図5の(a)に示すように、特別図柄表示装置4の表示部4aにおける左変動表示領域R1、中変動表示領域R2、右変動表示領域R3の各変動表示領域で、複数の図柄で構成された図柄列が上から下へ回転して変動開始する。
次に、事前報知条件の判定処理(図3のS2)を行う。ここでは、前記変動表示ゲームの始動権利を所定の上限数(ここでは4個)の範囲内で記憶可能な始動記憶手段(ここでは遊技制御装置20のRAM21bが相当する)と、前記始動権利の記憶毎に、前記変動表示ゲームの結果を決定するための乱数を抽出する乱数抽出手段(ここでは遊技制御装置20が相当する)と、を備えており、前記報知手段は、前記乱数抽出手段による抽出結果に基づいて前記始動記憶手段に記憶されている始動権利に対する事前報知を行うようになっており、当該事前報知を、その事前報知の対象の始動権利について行われる変動表示ゲームより以前に実行されている変動表示ゲーム中に行うようになっている。なお、ここでは、事前報知条件の判定処理は、各変動表示領域R1〜R3の図柄が全て変動しているときに行う。
図4に示すように、事前報知条件の判定処理では、まず、始動記憶手段における始動記憶(始動権利)の記憶数が3個以上あるか否かの判定を行う(S21)。ここで、始動記憶が2個以下である場合には、事前報知条件を成立させずに当該判定処理を終了させる。
一方、始動記憶が3個以上ある場合には、次に、始動記憶(始動権利)の中に当り(特別表示結果)となるものがあるかどうかの判定を行う(S22)。ここでは、始動入賞口9に遊技球の入賞があってその始動権利が遊技制御装置20の始動記憶手段に記憶される際に、変動表示ゲームにおける停止図柄データについては、すぐに表示制御装置40の報知手段に表示制御信号の一部として入力されており、この報知手段に入力されている停止図柄データの中に当り(特別表示結果)となるものがあるかどうかを判定する。そして、始動記憶の中に当りとなるものがある場合には、相対的に事前報知条件が成立し易い方の乱数に基づく振分処理(S23)を行い、20%の確率で事前報知条件を成立させる(S24)。
また、S22で始動記憶の中に当りとなるものがない場合には、相対的に事前報知条件が成立し難い方の乱数に基づく振分処理(S25)を行い、5%の確率で事前報知条件を成立させる(S24)。すなわち、ここでは、始動記憶手段の中に当り(特別表示結果)となる始動権利が記憶されている方が、当りとなる始動権利が記憶されていない場合と比べて、事前報知が行われやすい(高い確率で事前報知を行う)ようになっている。
この事前報知条件の判定処理が終了すると、事前報知条件が成立しているか否かの判定を行う(図3のS3)。ここで、事前報知条件が成立していない場合は、事前報知なしの変動表示ゲームがそのまま行われ、図5の(b)に示すように、各変動表示領域R1〜R3で、例えば左図柄Z1、右図柄Z3、中図柄Z2の順で図柄を停止させ、変動表示ゲームの結果を導出する。なお、事前報知なしの変動表示ゲームの場合は、始動権利を表示する始動権利表示マーク(黒丸マーク)G1,G2,G3,G4(ここでは始動権利が4つ記憶されている)は、縮小表示状態のままである。
一方、事前報知条件が成立しているか否かの判定(S3)で、事前報知条件が成立している場合は、操作有効化手段(ここでは、表示制御装置40が相当する)が操作部(操作手段、ここでは操作ボタン)200の入力を有効化すると共に、事前報知が可能なチャンスタイム(補助表示ゲーム)の開始となる(S4,S5)。なお、ここでは、所定の確率で成立する事前報知条件が成立することによって、操作有効化手段が操作手段200を有効にするようになっており、当該操作手段200が有効となることにより、前記事前報知が可能となるようにされている。また、前記したように、始動記憶手段の中に当り(特別表示結果)となる始動権利が記憶されている方が、当りとなる始動権利が記憶されていない場合と比べて、操作有効化手段による、操作手段の有効化が行われやすい(高い確率で操作手段を有効にする)ようになっている。
そして、図6の(a)に示すように、画面上部に「チャンスタイム!!」という文字情報G5が表示されると共に、画面下部の始動権利表示マーク(黒丸マーク)G1〜G4が、拡大表示状態となる。また、効果音及びランプ、LED等の装飾表示も行う。なお、ここでは、図6の(a)では、始動記憶手段に記憶されている始動権利はG1,G2,G3の3つである(G4は白丸であり、始動権利が記憶されていないことを示している)が、その後、始動入賞口9に遊技球が入賞して、図6の(b)の状態になったときには、始動記憶手段に記憶されている始動権利はG1,G2,G3,G4の4つになっている。
それから、図6の(b)に示すように、1番左側の(1番古い始動権利である)始動権利表示マークG1の所に事前報知を行うための演出画像として消しゴムKが表示される。それと共に、画面上部の文字情報G5が「チャンスタイム!!操作部を操作せよ」という表示になる。ここで、遊技者が操作部(操作ボタン)200の操作を行う(操作部の入力が有る)と(図3のS6でYに進む)、図6の(c)に示すように、消しゴムKが黒丸マークの黒色を消すような動作を行い、所定回数(例えば、3回)操作ボタンを押すと、黒丸マークの下に隠れていた事前報知の表示が現れる(G1)。ここでは、G1で表す始動権利は「外れ」と表示され、1番左側の始動権利(次に変動表示ゲームが行われる始動権利)に対する変動表示ゲームの結果(最終結果)が外れであることが事前報知される。
前記消しゴムKはG1で表される始動権利の事前報知が終了すると、次にその隣、すなわち、左から2番目の(2番目に古い始動権利である)始動権利表示マークG2の所に移動し、操作手段(操作ボタン)200の操作に応じて、ここも黒丸マークの黒色が消されるようになっている(G2)。ここでは、G2で表す始動権利は「当り」と表示され、左側から2番目の始動権利(次の次に変動表示ゲームが行われる始動権利)に対する変動表示ゲームの結果(最終結果)が当りであることが事前報知される。
なお、この実施の形態では、事前報知で報知される変動表示ゲームの結果(事前報知で黒丸マークの黒色が消された後の表示態様)は、複数種類、ここでは「当り」、「リーチ」、「?」、「外れ」の4種類が用意されており、「当り」及び「外れ」は変動表示ゲームの最終結果を事前報知し、「リーチ」は変動表示ゲームの途中結果を事前報知している。また、その始動権利の変動表示ゲームが大当りとなるものか、リーチ状態(リーチ表示結果)となった後に外れとなるものか、リーチ状態にならずに外れとなるものかによって、表示態様の種類及びその選択率が異なるようになっている。なお、「?」は当りやリーチとなる可能性がある、という意味の表示であり、この表示がなされたときは、事前報知が行われたとは言えない。また、ここで、リーチ状態(リーチ表示結果)とは、例えば、前記変動表示ゲームの途中結果が、変動表示している複数の変動表示領域における識別情報のうち、1の変動表示領域の識別情報を変動させたままにして、残りの変動表示領域の識別情報を所定の組み合わせ(例えば同一数字)で停止表示させる等の表示状態となること(例えば「7,−,7」(−は未停止状態)となる等)をいう。
具体的には、図7の表に示すように、その始動権利の変動表示ゲームが大当りとなる場合には、10%の選択率で「?」、70%の選択率で「リーチ」、20%の選択率で「当り」と表示されるようになっている(図7の(a))。また、その始動権利の変動表示ゲームがリーチ状態となった後に外れとなる場合には、40%の選択率で「?」、60%の選択率で「リーチ」と表示されるようになっている(図7の(b))。さらに、その始動権利の変動表示ゲームがリーチ状態とならずに外れとなる場合には、70%の選択率で「外れ」、30%の選択率で「?」と表示されるようになっている(図7の(c))。このようにすることにより、事前報知の後で、その後の結果が外れとなることがわかってしまうことにより変動表示ゲームに対する興味がなくなることを防ぐことができる。
前記したようにして、操作部200の入力に対応した事前報知(図3のS7)を行っていく。ここでは、最高4つの始動権利に対する事前報知を行うことができるようになっている。そして、遊技者が操作手段200の操作をしたか否かに関わらず、所定期間が経過すると、変動表示ゲームが終了する(図3のS8でYに進む)。その後、チャンスタイム(補助表示ゲーム)終了(図3のS9)となり、操作部の入力を無効化(図3のS10)して事前報知(表示)処理を終了する。なお、操作手段200の操作を行わなければ、事前報知は行われない(ここでは、消しゴムが動作しない)ようになっている。
また、ここでは、前記報知手段は、前記操作手段の操作回数に応じて、前記事前報知を段階的に表示するようにしている。具体的には、図8の(a)に示すように、操作手段200を1回操作する(操作ボタンを1回押す)と画面上の消しゴムKが、始動権利表示マーク(黒丸マーク)G1の左上部分を少し消すようになっており、また、もう1回ボタンを押す(操作合計2回)と、左上から斜めに黒丸の半分くらいを消すようになっており、さらに、もう1回ボタンを押す(操作合計3回)と、黒丸全部を消すようになっている。このように、操作手段の操作回数に応じて黒丸マークを段階的に消して、黒丸マークの下に隠れている事前報知(「当り」や「外れ」等の表示)を徐々に見せるようにすると、遊技者に期待感を持たせ、より一層遊技の興趣性を高めることとなる。
また、前記報知手段は、前記操作手段の操作態様に応じて、前記事前報知の程度を変化させるようにしても良い。例えば、以下に説明するようなものが挙げられる。ここでは、図8の(b)に示すように、操作手段を1回操作する(操作ボタンを1回押す)と画面上の消しゴムが、始動権利表示マークの上側1/3を消すようになっており、このとき、消しゴムで消した部分(始動権利表示マークの上側1/3)に「当り」又は「外れ」の文字が書かれており、事前報知されるようになっている。なお、この場合の「当り」や「外れ」の表示は、確実な情報ではなく、当る可能性が高い、程度のものである。また、もう1回操作ボタンを押す(操作合計2回)と、もう1段階(黒丸の上側2/3まで)始動権利表示マークを消すようになっており、この2回目の操作で消した部分に、もう1回「当り」又は「外れ」の文字が書かれている。さらに、もう1回操作ボタンを押す(操作合計3回)と、もう1段階(黒丸全部)始動権利表示マークを消すようになっており、この3回目の操作で消した部分に、さらにもう1回「当り」又は「外れ」の文字が書かれている。
そして、図8の(b)に示すように、その時の当たりと外れの組合せにより、当該始動権利に対する事前報知の信頼度(事前報知した始動記憶の変動表示ゲームの結果が当りとなる可能性)を示すようになっている。すなわち、3回の操作で表示された「当り」の文字が多いほど、当該始動権利の変動表示ゲームが当り(特別表示結果)となる可能性が高くなる(信頼度が上がる)ようになっている。なお、3回の操作において、「当り」,「当り」,「当り」と3回全てで当りの文字が書かれていた場合には、100%の確率で当り(特別表示結果)とすることが望ましい。また、ここで、操作手段200の操作を1回で止めておけば、信頼度の低い事前報知がなされた状態とすることができる。そして、操作手段の操作を2回、3回と増やしていく毎に、当該事前報知の信頼度を高いものにすることができる。
さらに、操作手段の操作態様に応じて、事前報知の程度を変化させるパターンとしては、次のようなものもある。ここでは、図9の(a)に示すように、まず、操作ボタン200を押していくと、画面左側の始動権利表示マークG1から順に消しゴムKが黒色を消していき、消した下から当りとなる可能性が確率表示(%表示)で出現する(1回目の事前報知)。ここで、操作ボタン200の操作を止めると、事前報知は確率表示で終了する。しかし、G1〜G4の4つの始動権利の黒色を全て消した後、さらに操作手段による操作を続けると、図9の(b)に示すように、%表示の下から当該始動権利の変動表示ゲームが当りとなるか外れとなるかの結果が出現するようになっている(2回目の事前報知)。なお、このときの当り及び外れ表示には、がせ情報はなく、100%信頼できる情報となっている。
また、ここでは、事前報知をそれ以前に実行されている変動表示ゲーム中に行うようにしている。すなわち、図10のタイムチャートに示すように、例えば始動記憶がない状態で始動入賞A1が生じると、遊技制御装置20から変動開始コマンド、変動パターンコマンド、停止図柄データ等のデータA2が表示制御装置40に発信されて変動表示ゲームAが開始される。そして、所定時間経過後に変動停止コマンドA3が発信されて変動表示ゲームAが終了する。ここで、変動表示ゲームAが行われている間に始動入賞B1が検出された場合、その始動入賞B1に対する変動表示ゲームの結果が事前に決定され、その決定された結果が、すぐに停止図柄データB2として遊技制御装置20から表示制御装置40に発信される。そして、この停止図柄データから当該変動表示ゲームBの結果を導出して、それに合わせて始動入賞B1について事前報知を行う。それから、変動表示ゲームAが終了後、遊技制御装置20から変動開始コマンド、変動パターンコマンド等のデータB3が表示制御装置40に発信されて変動表示ゲームBを開始するようになっている。
しかし、これに限らず、現在変動表示中の変動表示ゲームについても、事前報知を行うようになっていても良い。このときには、図11に示すように、まだ変動表示ゲームが開始されていない始動権利G1〜G4(ここでは上限数である4個の始動権利が溜まっている)の上方に現在変動中の始動記憶分G0の事前報知が行えるようになっている。
また、この実施の形態では、操作手段による操作を有効にするか否かの判断は、事前報知条件が成立していれば、同時に操作手段も有効化されるようになっていた。しかし、これに限らず、事前報知条件が成立していても、操作手段を有効化するために、操作有効化手段(表示制御装置40が相当する)で他の条件による判断を課すようにしても良い。また、このとき、前記操作有効化手段は、前記始動記憶手段に特別表示結果となる始動権利が記憶されている場合には、特別表示結果となる始動権利が記憶されていない場合よりも、高い確率で前記操作手段を有効にするようになっていても良い。
以上のように、この実施の形態における遊技機によれば、遊技者による操作手段の操作に基づいて変動表示ゲームの結果に関わる事前報知が行われることとなるので、遊技者がゲームへ介入して遊技を楽しむことができると共に、従来にない斬新な事前報知が行え、興趣性を向上させることができる。また、事前報知を望まない遊技者に対しては事前報知を行わないようにすることも可能であり、全ての遊技者に対して不満感を与えることがない。
また、この実施の形態では、前記報知手段は、前記変動表示ゲームの最終結果が前記特別表示結果となることを事前に報知するようにしたので、遊技者は、極めて高い期待感をもって操作手段を操作することとなり興趣性を向上させることができる。
さらに、前記報知手段が、前記変動表示ゲームの途中結果がリーチ表示結果となることを事前に報知するようにすれば、遊技者は高い期待感をもって操作手段を操作することとなり興趣性を向上させることができる。また、結果的に外れとなるリーチの場合にも遊技者の操作により事前報知を行うことも可能であるので、遊技者が期待感をもって操作手段を操作する機会を頻繁にすることが可能となる。
またさらに、前記報知手段が、前記操作手段の操作態様に応じて、前記事前報知の程度を変化させるようにすれば、興趣性を極めて高めることができる。また、遊技者の好みに応じて、事前報知の程度を調整することができる。
また、この実施の形態では、遊技の進行を制御する遊技制御装置と、前記報知手段を含むと共に前記遊技制御装置からの表示制御信号に基づいて前記変動表示装置の表示制御を行う表示制御装置と、を備え、前記表示制御装置は、前記操作手段からの操作信号を入力する入力手段を備え、該入力手段からの入力信号に基づいて前記事前報知を所定の画像表示により行うようにしたので、より明確に事前報知を行うことができると共に、遊技者はより興味をもって操作手段を操作することとなり興趣性を高めることができる。また、操作手段の操作がどのように影響しているかを分かり易くすることができる。
さらに、この実施の形態では、前記表示制御装置は、前記操作手段の操作に応じて表示状態が変化する補助表示ゲームを前記変動表示装置に新たに表示することで前記事前報知を行うようにしたので、補助表示ゲームの表示により興趣性を高めた態様で事前報知を行うことが可能となる。また遊技内容も多彩化し、遊技者もより興味をもって操作手段を操作することとなる。
またさらに、この実施の形態では、前記変動表示ゲームの始動権利を所定の上限数の範囲内で記憶可能な始動記憶手段と、前記始動権利の記憶毎に、前記変動表示ゲームの結果を決定するための乱数を抽出する乱数抽出手段と、を備え、前記報知手段は、前記乱数抽出手段による抽出結果に基づいて前記始動記憶手段に記憶されている始動権利に対する事前報知を行うものとし、当該事前報知をそれ以前に実行されている変動表示ゲーム中に行うようにしたので、事前報知をより多彩化することが可能となり興趣性を高めることができる。また、多数の始動権利がある状態でまとめて事前報知を行うことが可能であるので、特別表示結果となることを事前報知する機会を多くすることができ、遊技者の期待感を高めることができる。
また、所定条件の成立に基づき、前記操作手段を有効にする操作有効化手段を備え、前記報知手段は、前記操作有効化手段が前記操作手段を有効にした場合に、前記事前報知を行うようにすれば、常に操作手段の操作が有効であると、事前報知が頻繁に行われ過ぎてしまい、事前報知の信頼性を低下させてしまうが、そのようなことを防止でき、より信頼性の高い事前報知が行える。
ここで、「所定条件の成立」とは、例えば、所定の当り確率が設定された乱数の中から当り値を引いた場合、変動表示ゲームにおいて特定の外れ結果が導出された場合、始動記憶数が上限数(或いは上限近く)になった場合、等の条件を満たした場合が挙げられる。また、「操作手段を有効にする」とは、操作手段の操作を事前報知に対して有効にする(すなわち、操作入力信号を受け付ける)ことである。
加えて、所定の確率に基づき前記操作手段を有効にする操作有効化手段を備え、前記報知手段は、前記操作有効化手段が前記操作手段を有効にした場合に、前記事前報知を行うものとし、前記操作有効化手段は、前記始動記憶手段に特別表示結果となる始動権利が記憶されている場合には、特別表示結果となる始動権利が記憶されていない場合よりも、高い確率で前記操作手段を有効にするようにすれば、操作手段を操作した場合に特別表示結果を事前報知する頻度を高めることが可能となり、操作手段を操作することに対する期待感を高めることができる。
また、補助表示ゲームは、ゲームの結果に応じて変動表示ゲームの結果を事前に報知できれば、実施例以外のものでもよい。例えば、操作手段の操作に応じて動作表示する自分のキャラと、敵キャラを表示して、キャラ同士が対戦するゲームを行い、変動表示ゲームの結果が特別表示結果となる場合には、自分のキャラが勝つような結果(敵キャラが自分のキャラの攻撃により倒れる)を表示するようにする。この場合に、自分のキャラが負けた場合には、変動表示ゲームが外れとなり、決着がつかない場合(引き分け)にはリーチとなるように設定するようにしてもよい。
さらに、操作手段としては、この実施の形態で記載したもの(操作ボタンによるもの)に限らず、他の操作手段を用いても良い。例えば、上下左右自在に操作可能なスティック(ジョイスティック)を設けてもよいし、十字キーを用いてもよい。上記補助表示ゲームを対戦ゲームにより行う場合には有効である。また、遊技盤に、遊技者が遊技盤前面(ガラス前面)の所定位置に手をかざしたことを検出する光センサを備え、この光センサを操作手段としても良い。すなわち、前記所定位置に手をかざした場合に消しゴムが黒丸マークの黒色を消すような動作を行い、補助ゲームに介入するものである。このようにすれば、共通性を有する本体枠に対して、技術介入機能を有する遊技盤と、技術介入機能を有しない遊技盤とを、何ら問題なく設置することができる。
またさらに、事前報知を行う条件としては、実施例以外でもよい。例えば、予め定められた特定の外れ結果(1,2,3等)が導出表示された場合に、事前報知条件を成立させて、操作手段を有効としてもよい。或いは、リーチ状態(リーチ表示結果)となる変動表示ゲームを条件の1つとしてもよい。即ち、チャンスタイムは変動表示ゲームがリーチ状態となる場合にのみ発生するようにする。この場合には、操作手段を操作する期間が長くなるため、遊技者は余裕をもって楽しみながら操作を行える。或いは、複数種のリーチ変動態様を発生可能とし、特定のリーチ変動態様が発生した場合(或いは、特定のリーチ変動態様でのリーチ変動表示ゲームが行われている期間)に、事前報知を行うようにしてもよい。
また、特別遊技状態が特定条件を満たして発生(例えば、複数種の特別結果態様のうち特定の特別結果態様で特別遊技状態が発生)した場合に、当該特別遊技状態の終了後、次回の特別遊技状態の発生確率通常時よりも高めた確率変動状態を発生するようにし、該確率変動状態中においては、事前報知を通常時と異なる制御にしてもよい。例えば、確率変動状態中は、事前報知を行わない、または、確率変動状態中は、事前報知を行う条件を設定せずに、常に事前報知を可能にする、等が考えられる。ほかに、当り、外れ、?を表示する割合を確率変動状態中は変化させる場合が考えられる。例えば、特別結果態様となる場合は必ず「当り」を表示し、特別結果態様とならない場合は必ず「外れ」を表示するようにする。
加えて、実施例では、始動記憶が3個以上であることを、事前報知を行う1つの条件としているが、その他でもよく、例えば、始動記憶が上限数に達している場合を条件の1つとしてもよい。始動記憶が多い場合を条件の1つと設定することにより、遊技者のいわゆる止め打ちを防止できる。すなわち、事前報知の条件をクリアするために、始動記憶を多くしようと、遊技者は球を発射し続けることとなり、その結果、止め打ちを防止することができるのである。
また、チャンスタイム中に始動記憶が増加した場合に、その増加した分の始動記憶に対して、事前報知を行うようにしても良い。但し、チャンスタイム開始後所定時間(例えば、5秒)経過後に増加した始動記憶に対しては事前報知の対象外としてもよい。さらに、「当り」、「外れ」を表示させる場合に、スピーカ61(報知手段)から対応する音声を出力しても良い。
さらに、操作手段の中や周辺に発光手段(LED、ランプ)を設けて、操作手段が有効の場合には発光させるようにしてもよい。
なお、本発明は、前記実施の形態のパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの弾球遊技機や、パチスロ或いはスロットマシンなどにも適用可能である。さらに、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
また、従来の遊技機では、遊技者の意志に関わらず、変動表示ゲームの事前報知を行っているため、このような事前報知を不満に感じる遊技者も少なくないのが現状である。即ち、遊技者の中には、変動表示ゲームで行われている識別図柄の変動表示がどのようになるかを最後まで純粋に楽しみたいと思っている者もおり、このような遊技者にとっては、(例え、嘘の事前報知が含まれているとしても)変動表示ゲームの結果が事前に報知されることで、その後の楽しみを奪ってしまうことになっていた。
一方で、例えばパチンコ遊技機においては、遊技者のゲームへの介入性が低く(従来は、発射のON/OFFと発射勢の調整程度である)、ゲームへの介入性を高めることが従来からの課題であった。この発明に係る遊技機によれば、遊技者による操作手段の操作に基づいて変動表示ゲームの結果に関わる事前報知が行われることにより、遊技者の意志で変動表示ゲームの事前報知を行うことができ(つまり、遊技者の意志により、事前報知を行わないことも可能である)、従来にない斬新な遊技が行え、興趣が向上した遊技機とすることができる。また、変動表示ゲームの途中結果がリーチ表示結果となった場合に、操作手段を有効にするようにしたので、操作手段を操作する期間が長くなるため、遊技者は余裕をもって楽しみながら操作を行える。