JP2010012094A - 車両用シートのシートクッション構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シートクッションの側方下部側に配設する合成樹脂製フィニッシャによる取付工数の増加及び外観品質の悪化を防止する。
【手段】 トリムカバーのまちと合成樹脂製フィニッシャとを一体に、合成樹脂材を含浸させて凹凸状に成形した成形不織布1で一体成形し、該成形不織布1の下部に伸縮部1Aを設け、この伸縮部1Aをスライドレールの可動レール53側に固定したことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は自動車用シートなどの車両用シートにおけるシートクッション構造に関する。
従来の一般的な自動車用シートのシートクッションは、シートクッション自体の外側に、シートクッションと別体の合成樹脂製フィニッシャを取付けて、シートクッションの側方より露出するリクライニングデバイス、スライドレール、リフターなどの機構部品を被覆している(例えば、特開2006−88943号公報)。
従って、従来のシートクッションはフィニッシャによって機構部品を被覆してシートクッションの外観品質を向上させているが、フィニッシャは合成樹脂で、シートクッションの外面を構成する布などの柔軟部材製トリムカバーに対して別体感が強く、デザイン上の制約を受けやすい。
また、フィニッシャ及びトリムカバーの端末は各々ピン、フック、止めねじ等によってシートクッションのフレームなどに取付ける必要があり、その取付に工数を要する不具合があった。
更に、ハイト機構を有するシートにおいては、シートクッションを上昇させた際に、同時にフィニッシャも上昇するため、スライド機構が露出し、シートの外観品質が損なわれる不具合もあった。
そこで、本発明はシートクッションの側方下部側に配設する前記合成樹脂製フィニッシャによる不具合を除去することを目的とする。
以上の目的を達成するための本請求項1に係る車両用シートのシートバック構造はシートクッションの側面を構成するトリムカバーのまちと、シートクッション側部の外方且つ下方より露出する機構部品をカバーするフィニッシャとを、合成樹脂材を含浸させて凹凸状に成形した成形不織布で、一体に成形し、該成形不織布の下部に伸縮部を設け、この伸縮部の下方にフック部を延設し、該フック部をスライドレールの可動レール側に固定してなる構成である。
本請求項2の発明は、前記成形不織布は、シートクッションの発泡体製パッドを被覆するトリムカバー部と、このトリムカバー部と一体でシートクッションの機構部品を被覆するフィニッシャ部と、フィニッシャ部の下部に延設した伸縮部と、この伸縮部の下部に延設したフック部とからなり、その各部の物性を変化させて成形してなる構成である。
本請求項3の発明は、前記伸縮部は蛇腹状に成形し、その内側に伸縮材を一体に設けてなる構成である。
本請求項3の発明は、前記成形不織布はシートクッションの左右両側面及び前側面に渉って設けてなる構成である。
本請求項1の発明によれば、従来のシートクッションにおけるトリムカバーのまちと、フィニッシャとが一体に成形不織布で形成されているため、シートクッションに対する取付が簡単で、取付工数を低減できる。
また、伸縮部を一体に有しフック部をスライドレールの可動レールに固定しているため、ハイト機構付のシートクッションの場合には、シートクッションを上昇させてもスライドレールが露出することがなく、スライドレールのカバー部材が不要になる。
本請求項2の発明によれば、サイド部、フィニッシャ部などの物性をその機能によって変化させることにより、シートクッションの部位に応じた強度、感触などを有するものが提供できる。
本請求項3の発明によれば、伸縮部が蛇腹状に成形してなるから、サイド部、フィニッシャ部と共に一体成形でき、その成形性が良好となる。
本請求項4の発明によれば、シートクッションの前側及び左右側面を一体に成形できるため、成形性が良いし、シートクッションの外観品質も向上する。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る自動車用シートのシートクッションを示し、このシートクッションSCの上面を構成するトリムカバーの身頃、額縁2は、従来のこの種のシートに使用されている織物地、裏側に発泡体製ワディングを有する積層体…など表皮材で形成されている。
図1は本発明に係る自動車用シートのシートクッションを示し、このシートクッションSCの上面を構成するトリムカバーの身頃、額縁2は、従来のこの種のシートに使用されている織物地、裏側に発泡体製ワディングを有する積層体…など表皮材で形成されている。
この身頃、額縁2の左右両側端及び前端には成形不織布1が一体に縫着され、この成形不織布1が従来のトリムカバーのまちとフィニッシャとを構成している。
なお、図1において、図中SBは操作レバー7の操作により傾動するシートバック、6はシートクッションSCを昇降させるリフター(不図示)の操作レバーを各々示す。
前記成形不織布1は、合成樹脂材を含浸させて凹凸状にプレスなどで成形したもので、硬質且つ保形性を有するように、例えば実開平7−15448号に開示されている材質、成形方法によって成形している。
この成形不織布1はシートクッションSCの側面を構成するトリムカバーのまちに相当するトリムカバー部1Cと、このトリムカバー部1Cと一体でシートクッションSC側部の外方且つ下方より露出するリクライニングデバイス、スライドレール、リフターなどの機構部品(不図示)を被覆するフィニッシャ部1Bと、その下方の伸縮部1A及びフック部11とから構成されている。
以上のトリムカバー部1Cは図2に示すように、シートクッションSCの発泡体製パッド50を被覆する部位であり、フィニッシャ部1Bはトリムカバー1Cに延設され、更に、その下部には伸縮部1A、フック部11が各々一体成形されている。
そして、例えば、トリムカバー部1Cは触感を良好にするため、フィニッシャ部1Bに対して柔軟性を有するように成形不織布1の厚みを薄くしたり、合成樹脂の含有量を少なくしたりするのが好ましい。
また、伸縮部1Aは伸縮し易い形状、例えば蛇腹状に成形し、上下方向に伸縮し易い物性に、成形不織布を成形する。
即ち、トリムカバー部1C、フィニッシャ部1B、伸縮部1A、フック部11の各部分の機能に応じて物性を変化させて成形不織布1を成形する。
そして、例えば伸縮部1Aなどの如く、成形不織布自体のバネ性では不足する個所には、伸縮部1Aの内側に補助部材として、ウェビング3を縫着してバネ性を付与するようにするのが望ましい。
フック部11は環状に成形されており、その内部にワイヤ4を挿入し、ワイヤ4はスライドレールの可動レール54と一体のブラケット53に溶接されている。図中55は可動レール54がスライドする固定レールで、車床側に固定されている。
図2において、図中51はシートクッションSCのフレーム、52はフレーム51に張架したバネを各々示す。
斯して、トリムカバー部1Cによってパッド50の側面は被覆され、フレーム51の外側に配設されるリクライニングデバイスなどの機構部品などはフィニッシャ部1Bでカバーされる。
そして、シートクッションSCをリフターによって上昇させると、伸縮部1Aがそれによって伸長するため、スライドレールが露出することがない。
また、従来のトリムカバーのまちと、フィニッシャとが成形不織布1で一体成形されているため、シートクッションの組付が簡単、容易になり、組付工数を低減できるし、トリムカバー部1C、フィニッシャ部1B、伸縮部1A、フック部11を一体成形できるため、成形性も良好になる。
更に、成形不織布1でシートクッションSCの前面、左右両側面を一体に成形できるため、成形性、組付性を向上できる。
1…成形不織布、1A…伸縮部、1B…フィニッシャ部、1C…トリムカバー部、
11…フック部、53…スライドレールの可動レール。
11…フック部、53…スライドレールの可動レール。
Claims (4)
- シートクッションの側面を構成するトリムカバーのまちと、シートクッション側部の外方且つ下方より露出する機構部品をカバーするフィニッシャとを、合成樹脂材を含浸させて凹凸状に成形した成形不織布で、一体に成形し、該成形不織布の下部に伸縮部を設け、この伸縮部の下方にフック部を延設し、該フック部をスライドレールの可動レール側に固定してなる車両用シートのシートクッション構造。
- 前記成形不織布はシートクッションの発泡体製パッドを被覆するトリムカバー部と、このトリムカバー部と一体でシートクッションの機構部品を被覆するフィニッシャ部と、フィニッシャ部の下部に延設した伸縮部と、この伸縮部の下部に延設したフック部とからなり、この各部の物性を変化させて成形してなる請求項1記載の車両用シートのシートクッション構造。
- 前記伸縮部は蛇腹状に成形し、その内側に伸縮材を一体に設けてなる請求項1、2記載の車両用シートのシートクッション構造。
- 前記成形不織布はシートクッションの左右両側面及び前側面に渉って設けてなる請求項1、2、3記載の車両用シートのシートクッション構造。
Priority Applications (1)
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JP2008175722A JP2010012094A (ja) | 2008-07-04 | 2008-07-04 | 車両用シートのシートクッション構造 |
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JP2008175722A JP2010012094A (ja) | 2008-07-04 | 2008-07-04 | 車両用シートのシートクッション構造 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102781283A (zh) * | 2010-03-09 | 2012-11-14 | 万国卡车知识产权有限公司 | 用于将座垫附连于座椅框架的弹性闭锁件和方法 |
JP2017226380A (ja) * | 2016-06-24 | 2017-12-28 | 株式会社タチエス | 車両用シート |
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2008
- 2008-07-04 JP JP2008175722A patent/JP2010012094A/ja active Pending
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