JP2010011909A - ミシンのオープナー機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】オープナーの先端部の位置調節を容易且つ正確に行う。
【解決手段】外釜70の回転に伴う回転が規制された中釜60に周期的に突起部61を針板突起81から引き離す方向に引き寄せるオープナー10と、オープナー10の動作を付与する伝達機構30と、伝達機構に対してオープナーを回動可能且つ回動半径方向に移動調節可能に取り付ける固定手段51と、先端部の押し当てによりオープナーの回動角度を定める角度調節体58と、先端部の押し当てにより前記回動半径方向に沿った位置を定める位置調節体56とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、オープナーを備えたミシンのオープナー機構に関する。
ミシンの水平釜は、中釜と外釜から構成され、中釜には針板下面に設けられた凹部に嵌合する突起が設けられ、当該突起がストッパとなって外釜による供回りを防止している。一方、水平釜は、外釜が捕捉した上糸のループを中釜がくぐることにより上糸と下糸の結節を形成している。そして、水平釜機構は、突起が上糸ループをくぐる動作を邪魔しないように、突起の外釜回転方向下流側の端縁部を凹部の内面から引き離す方向に引き寄せるオープナーを備えている。
このオープナーは、その先端部が針上下動と同じ周期で所定の軌跡を描いて運動することで周期的に中釜を係止して、突起を凹部の内面から引き離すように構成されている。
ところで、上記オープナーの先端部は位置をわずかに変更しても、中釜との接触状況が大きく変化してしまい、突起を凹部内面から引き離すタイミングや引き離しを継続している期間が大きく変動してしまうことから、オープナーの先端位置調節は非常に微細な調節が要求され、困難を伴うものであった。
このため、従来のオープナー機構では、オープナーの基端部に長穴を設け、オープナーの支持腕に対して固定ネジで締結を行う構造を取り、オープナーの先端部を長穴に沿って位置調節可能とすると共に固定ネジを中心する回動方向に沿って位置調節を可能としていた。そして、オープナーとその支持腕の双方におおむね一文字に並ぶようにスリットを形成し、ドライバーの先端における一方の側端部をオープナー側のスリットに挿入し、他方の側端部を支持腕側のスリットに挿入してドライバーを回転させることによりオープナーをスライド移動させて位置調節を行っていた(例えば特許文献1参照)。
特開平8−243284号公報
しかしながら、従来のオープナー機構では、支持腕に設けられたオープナー固定部の側面嵌合のがたにより、固定ネジを締める際に時計回りにオープナーが回ってしまい、またそのネジ締めによる回転量が一定しない事から、調節作業時には、両方のスリットにドライバーを差し込んで位置を固定したままオープナーを時計回りに押付けたまま固定ネジを締めなければならず、作業性が悪く、特に一人での作業が困難であった。
また、ドライバーにより手作業でオープナーの位置を保持することから、固定ネジを締める際に微小な回動を生じ易く、回動中心でズレを生じると先端部では大きく狂いを生じてしまうことから、オープナーの先端部を予定した位置に調節することが困難となっていた。
本発明は、オープナーの先端位置調節を容易且つ正確に行うことをその目的とする。
請求項1記載の発明は、外釜の回転に伴う回転が規制された中釜に、前記ミシン針の上下動に同期して周期的に係合して、前記突起部の外釜回転方向下流側部分と前記嵌合部とを引き離す方向に引き寄せるオープナーと、前記オープナーに対して、前記周期的な引き寄せ動作を付与する伝達機構とを備えるミシンのオープナー機構において、前記伝達機構に対して前記オープナーを回動調節可能に取り付けると共に回動半径方向に移動調節可能に取り付けるオープナーの固定手段と、先端部の押し当てにより前記オープナーの回動角度を定める角度調節体と、先端部の押し当てにより前記回動半径方向に沿った位置を定める位置調節体とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、オープナーは、前記固定手段としての止めネジを支軸として回動調節可能に支持されると共に、前記固定ネジを挿入可能な長穴部により回動半径方向に移動調節可能に支持されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記オープナーは、前記回動調節又は移動調節のいずれか一方によりその先端部が前記中釜の半径方向に沿って位置変位を生じ、前記回動調節又は移動調節の他方によりその先端部が前記中釜の半径方向に直交する方向に位置変位を生じるように、前記伝達機構に支持されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1,2又は3記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記角度調節体と位置調節体とは、それぞれ角度調節ネジと位置調節ネジであることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記角度調節ネジと位置調節ネジとは、先割れ形状であることを特徴とする。
請求項1記載の発明は、オープナーが回動調節可能に支持されると共に回動半径方向に移動調節可能に支持されていることから、オープナーの先端部を二自由度で移動調節することが可能となり、当該調節により中釜に対する引き寄せ動作の開始タイミングや開始期間を任意に設定することが可能となる。
さらに、角度調節体と位置調節体との押し当てにより伝達機構に対してオープナーの回動角度と半径方向の位置とが決定されるので、角度及び位置について微細な調節を可能とする。そして、固定作業時には、固定手段と共に二カ所で押し当てられた二つの調節体によりオープナーの調節位置が保持されるので、位置ズレを生じることなくオープナーの固定を可能とする。また、位置ズレを生じても、各調節体に当接するようにオープナーの位置を戻せばいいので、調節状態の再現も容易である。従って、オープナーの先端位置調節を容易且つ正確に行うことが可能となる。
請求項2記載の発明は、長穴部と止めネジの構成により長穴部の長手方向に沿って回動半径方向への移動調節を可能とし、止めネジを中心とする回動角度の調節を可能とする。さらに、支軸が止めネジであることから、オープナーの調節構造及び固定構造を少ない部品点数で簡易に実現することが可能となる。
請求項3記載の発明は、オープナーに対する回動調節と移動調節によりオープナーの先端部を中釜の半径方向又はその直交方向と個別に移動させることができるので、半径方向への移動によりオープナーの係合期間の調節を行い、直交方向への移動により係合の開始及び終了のタイミング調節を個別に行うことができ、調節作業をより容易に行うことが可能となる。
請求項4記載の発明は、角度調節体と位置調節体とがそれぞれ角度調節ネジと位置調節ネジであることから、回転調節により容易且つ微細な調節作業を行うことができる。さらに、調節中で各ネジは位置保持力があるため、調節作業時に何らかの外力を受けることで狂いを生じる事態を回避でき、作業性が良く且つ正確な調節作業を行うことが可能となる。
請求項5記載の発明は、前記角度調節ネジと位置調節ネジとは、先割れ形状であることから、外側への弾性を付加することができ、脱落や弛みを防止・抑制することが可能となる。
(発明の実施の形態の全体構成)
以下、図1から図4を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳しく説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。また、本実施形態においては、各図中に示したXYZ軸を基準にしてミシンの水平釜の各部の方向を定めるものとする。ミシンを水平面に設置した状態において、Z軸方向は鉛直方向となる上下方向を示し、Y軸方向はミシンアーム部の長手方向と一致する左右方向を示し、X軸方向は水平且つY軸方向に直交する前後方向(布送り方向)を示す。また、図中矢印Fは布送り方向を示す。
(ミシンの水平釜)
本実施形態では、二本針ミシンに搭載される水平釜機構100を例に説明する。二本針ミシンは、二本の針を上下に駆動して平行な二本の縫い目を形成するミシンであって、各針に個別に対応する二つの水平釜を備えているが、これらは二本針の針落ちを挟んで左右対称に配置され同様の構成を有するため、本実施形態では説明の簡略化のために一方の水平釜のみ図示及び説明するものとする。
図1は本実施形態たるミシンの水平釜機構100の平面図である。
図1に示すように、水平釜1は、ミシン針により形成される上糸ループを回転により捕捉する剣先71を有する外釜70と、外釜70内に配置されると共に、針板80の下面に設けられた嵌合部である針板突起81,82の間に遊嵌されることで外釜70の回転に伴う自身の回転を規制する突起部である中釜突起61を有する中釜60とからなり、水平釜機構100は、かかる水平釜1と、ミシン針の上下動に同期して周期的に中釜突起61の外釜回転方向下流側部分と針板突起81とを引き離す方向に引き寄せるオープナー10と、オープナー10に引き寄せ動作を付与する伝達機構30と、オープナー10の先端部の位置調節を行う位置調節機構50と備えている。
かかる水平釜機構100は、ミシンの針板80の下方に設けられ、縫製時に送り歯40の針穴に挿入されたミシン針から上糸を補足してループ形成を行うと共に下糸を上糸ループにくぐらせる機能を有している。また、水平釜1は、ミシンが水平面上に設置された状態において、外釜70の回転中心線が垂直上下方向に沿うようにミシンの内部に装備されている。以下、各部を詳しく説明する。
(外釜)
図1に示すように、外釜70は、その全体形状が略円筒状であり、当該円筒形状の中心線を軸として回転駆動される。即ち、外釜70は、その底部側が閉塞されると共にその底面に同心で固定連結された釜軸72を中心に回転駆動を行う。
釜軸72は、ミシンを水平面に設置した状態で垂直となるようにミシン機枠内に支持されており、ミシン針を上下動させる駆動軸としてのミシン主軸(図示省略)から図示しない釜軸ギヤを介した周知の伝達機構により回転駆動力が伝達される。かかる伝達機構は、ミシン主軸の回転数に対して二倍速の回転数で釜軸72を回転駆動する。つまり、外釜70は、ミシン針の上下動の周波数の二倍の回転数で回転駆動するようになっている。
外釜70の外周面には、周方向よりやや外側に向かって剣先71が延設されており、当該剣先71の先端部の軌跡がミシン針の針落ち位置をわずかに逸れて通過するように設定されている。これにより、外釜70が回転した際に剣先71においてミシン針から上糸を捕捉することが可能となっている。なお、外釜70は、剣先71の延設方向(図1における時計回り方向A)に向かって回転駆動される。
また、外釜70の内周面には、該外釜70内に同軸で配置される中釜60の外周面と摺接するレース面(図示省略)が当該外釜70の内周に沿って設けられている。
(中釜)
中釜60は、外釜70の開放された上部から当該中釜60の上部を覗かせた状態で外釜70の内部に格納されている。
かかる中釜60は、外釜70に対して回転可能に格納されており、その上部には当該中釜60の半径方向外側に向かって外釜70との連動回転規制用の中釜突起61が延設されている。これに対して、針板80の下面側には、該中釜突起61と嵌合する嵌合部としての一対の針板突起81,82が設けられており、これら二つの針板突起81,82の間に中釜突起61が遊嵌されている。各針板突起81,82は、両者間の隙間が中釜突起61の幅よりも広い間隔で設けられており、一方の針板突起81は、中釜突起61に対して外釜70の回転方向下流側に位置し、他方の針板突起82は、中釜突起61に対して外釜70の回転方向上流側に位置している。即ち、中釜60は、中釜突起61が一対の針板突起81,82の間に遊嵌された状態において、わずかながらにその隙間分の揺動が可能となっている。
また中釜60には、外釜70の回転駆動時において、該外釜70の内周に形成されたレース面と該中釜60の外周面との間の摩擦により、外釜70から回転駆動力が伝達される。このため、縫製中において後述するオープナー10によって引き寄せられる以外は、中釜突起61が外釜70の回転方向下流側に位置する針板突起81に当接した状態(図1の状態)が維持されるようになっている。
また中釜60は、その上部に当該中釜60及び外釜70の回転軸と同軸上に突設された支軸を有している。支軸には図示しない下糸供給源としてのボビンが交換可能且つ回転自在に装備される。また、支軸の先端にはボビンケース65が着脱自在に固定され、該ボビンケース65と中釜60とによりボビンを格納保持するようになっている。
ボビンケース65の上部外縁には鍔状且つ半径方向外側に凸となる角部を有する当接部(羽部)66が設けられている。かかる当接部66は、図1に示すように、中釜突起61よりも回転方向上流側において後述するオープナー10の先端部11と対向する位置に設けられている。そして、ミシン主軸の回転に伴い駆動されるオープナー10の先端部11が当接部66に作用することで、中釜60には周期的に回動力すなわち外釜回転方向上流側に向かう引っ張り力が付与されるようになっている。
(オープナー及び伝達機構)
オープナー10は、その先端部で中釜60の当接部66に係合し、当該当接部66を引っかけるようにして引き寄せることで、上述した水平釜1の中釜突起61と該中釜突起61に外釜回転方向下流側から当接する針板突起81との間に外釜70の回転に同期して周期的に隙間を形成するものである。
一方、伝達機構30は、図1に示すように、釜軸72に固定された偏心カム31と、当該偏心カム31を一端部において包持すると共に他端部で位置調節機構50を介してオープナー10を保持する中釜案内腕32と、一端部で中釜案内リンク軸34に揺動可能に支持されると共に他端部を中釜案内腕32の中間部にピン37を介して回動可能に連結された中釜案内リンク33とを備えている。なお、かかる伝達機構30は、偏心カム31をリンクの一節と見なしてとらえると、当該偏心カム31、中釜案内腕32、中釜案内リンク33からなるクランクレバー型の四節リンク機構と考えることができ、ミシンモータからのトルクを利用して偏心カム31を回転させると、中釜案内腕32を介してオープナー10の先端部に長円運動を付与することが可能となっている。また、釜軸72から動力を得ているので、縫い針の上下動に同期してその二倍の回転速度でオープナー10に長円運動を付与することを可能としている。
上記オープナー10の先端部11は、中釜60側に湾曲しており、釜軸72の回転に伴う偏心カム31の回転により、中釜案内リンク33に規制されて中釜案内腕32が揺動するときに、中釜当接部66に当接される先端部11が、図2に示すように楕円の運動軌跡を描くようになっている。即ち、外釜回転方向(図1における矢印A方向)と逆方向に中釜60を回転させて、中釜突起61を針板突起81から離す際の先端部11は、外釜70の回転方向Aと同じく時計方向回りの楕円軌道D1を描くようになっている。
ここで、図2に示すように、上記楕円軌道D1は、中釜当接部66の回動軌跡に沿った方向に長くなっている(長径が中釜当接部66の回動軌跡の接線方向におおむね平行となっている)。この楕円軌道D1から明らかなように、先端部11の速度は中釜当接部66に当たる直前に速度が遅い状態へと減速されるようになっている。従って、先端部11と中釜当接部66との衝突音は緩和される。また、図2に示すように、先端部11が中釜当接部66に当接するときの速度成分は、X方向よりもY方向の方が大きいので、中釜突起61と係止部材12との間を上糸が渡る時間を充分に確保しつつ、中釜60の揺動量を小さく抑えることができるから、下糸張力が安定し、良好な縫い目を形成することができる。また、先端部11は、中釜当接部66に当接した後、X軸方向への移動速度が加速されるが、中釜当接部66を離れる前には、再び遅い速度に減速されるので、中釜60はゆっくりと回転されることとなり、中釜60が勢いよく回転することによる中釜突起61と針板突起82との衝突も回避することができ、大きな衝突音を発生することがない。
なお、上記のように、オープナー10は、楕円軌道Dの一部のみで中釜当接部66と係合し、中釜60に対しては回転方向逆側への引き寄せしか作用しないので、係合が外れると中釜60は外釜70の供回り作用により速やかに回転して、中釜突起61の外釜回転方向下流側部分が針板突起81に当接した状態に復帰させることができるようになっている。
(位置調節機構)
オープナー10の先端部の位置調節を行う位置調節機構50について、図1〜4に基づいて説明する。図3は水平釜機構100の斜視図、図4は中釜案内腕32の拡大平面図である。
調節機構50は、中釜案内腕32に対してオープナー10を固定する固定手段51と、オープナー10の長手方向(延出方向)に沿って移動調節を行う位置調節手段54と、オープナー10の支軸となる止めネジとしての段ネジ53(後述)を中心とする回動角度調節を行う角度調節手段としての角度調節ネジ58とを備えている。
固定手段51は、オープナー10の基端部近傍に設けられた当該オープナー10の長手方向に沿って形成された長穴部52と、当該長穴部52に挿入な支軸部を有する段ネジ53と、中釜案内腕32の揺動端部上面に形成されたオープナー10を嵌合させる嵌合溝部59とを有している。段ネジ53は、その先端部に雄ネジが形成され、中釜案内腕32側に設けられたネジ穴53bに螺入可能となっている。また、段ネジ53は、その中間部がネジが形成されていない支軸部53aとなっており、その外径は長穴部52の短径の幅にほぼ等しく且つ長穴部52に挿入可能な径に設定されている。
そして、段ネジ53は、締結すると上下からオープナー10を挟み込んで中釜案内腕32に対して移動及び回動不能に固定することができ、弛めると、支軸53aを中心としてオープナー10を回動可能とする共に長穴部52に沿って移動調節可能とする。
位置調節手段54は、オープナー10の基端部を下方に屈曲してなる平面部55と、当該平面部に設けられたネジ穴に螺入された位置調節ネジ56とを有している。平面部55は、オープナー10の長手方向に対して直交しており、中釜案内腕32の揺動端部の側面に近接対向している。位置調節ネジ56は、平面部55に対して垂直となるようにネジ穴に螺入されており、当該位置調節ネジ56の中心線方向と前述した長穴部52の長手方向とが一致している。そして、回転操作を加えると、その先端部を中釜案内腕32の揺動端部の側面に押し当てることができるようになっており、先端部が押し当てられた状態でさらに位置調節ネジ56をさらに螺入する方向に回し込むと、反作用でオープナー10が長穴部52を通じて後退移動して位置調節を行えるようになっている。なお、逆方向に位置調節するには、オープナー10を前方に押して位置調節ネジ56の先端部を中釜案内腕32の揺動端部の側面に押し当てながら逆方向に回転を加えれば良い。
また、この位置調節ネジ56は、先割れ形状となっており、ネジ穴に対して弾性力を付加する構造となっている。従って、位置調節ネジ56の弛みや脱落を防止・抑制することが可能となっている
嵌合溝部59は、中釜案内腕32の揺動端部の上面においてオープナー10を向けるべき方向(先端部11が中釜当接部66の近傍となる方向)に沿って形成されている。前述した段ネジ53のネジ穴53bは、嵌合溝部59の内底面上に形成されている。そして、嵌合溝部59におけるネジ穴53bの形成位置における溝幅は、オープナー10の基端部の横幅とほぼ等しく設定されており(はめ込み可能な程度の余裕はある)、当該ネジ穴53bの形成位置から溝の進路方向の前後両側に向かうにつれて溝幅が拡開するように設定されている。つまり、段ネジ53を支軸としてオープナー10が回動して角度調節が行われるため、嵌合溝部59の両側が拡開する形状とすることで回動を許容する構造となっている。
角度調節ネジ58は、中釜案内腕32の揺動端部の側面から嵌合溝部59の内側まで貫通したネジ穴に螺入されており、当該角度調節ネジ58の先端部がオープナー10の側面に当接するように位置設定されている。この角度調節ネジ58は、X−Y平面に平行であってオープナー10に対してほぼ直交する方向に向けられており、且つその先端部が段ネジ53よりもオープナー10の先端側寄りの位置(基端部よりの位置でも良い)でその側面に当接するよう配置されている。
つまり、角度調節ネジ58に回転操作を加えると、その先端部をオープナー10の側面であって回動中心からずれた位置に押し当てることができるようになっており、角度調節ネジ58をさらに螺入する方向に回し込むと、ネジの先端部がオープナー10を押して図1における反時計方向に回動させて角度調節を行えるようになっている。なお、時計方向に角度調節するには、オープナー10に角度調節ネジ58の先端部を当接させながら時計回り方向にオープナー10を押しつつ逆方向に回転を加えれば良い。
また、この角度調節ネジ58も、先割れ形状となっており、ネジ穴に対して弾性力を付加する構造となっている。従って、位置調節ネジ56と同様に、弛みや脱落を防止・抑制することが可能となっている
(位置調節機構による調節作業)
オープナー10の先端部11の位置調節時には、まず、止めネジ53が弛められ、オープナー10の前後移動及び回動をフリーな状態とする。そして、移動調節と角度調節のいずれを先行させても良いが、ここではまず位置調節について説明する。
位置調節時には、前述したように、位置調節ネジ56に回転を加えることでオープナー10を前後に移動可能となるので、先端部11の前後位置を適宜調節する。この時、位置調節ネジ56による先端部11の移動方向は、中釜当接部66の位置における釜軸72を中心とする円弧の接線方向におおむね沿っており、位置調節ネジ56の調節操作により、図2に示す楕円軌道D1を接線方向(例えば、楕円軌道D2の位置)に沿って移動させることができる。この位置調節により、楕円軌道D1が接線方向に移動するので、オープナー10による中釜60の引き寄せ動作の開始タイミング(位相)と解放タイミング(位相)とを調節することができる。例えば、楕円軌道D2のように位置が調節されると、先端部11の移動方向の上流側に軌道が移動するので、開始タイミング及び解放タイミングの双方を遅らせることが可能となる。
次に、角度調節時には、前述したように、角度調節ネジ58に回転を加えることでオープナー10を角度変更可能となるので、先端部11の左右位置を適宜調節する。この時、角度調節ネジ58による先端部11の移動方向は、中釜当接部66の位置における釜軸72を中心とする円弧の半径方向におおむね沿っており、角度調節ネジ58の調節操作により、図2に示す楕円軌道D1を半径方向(例えば、楕円軌道D3の位置)に沿って移動させることができる。この位置調節により、楕円軌道D1が半径方向に移動するので、オープナー10による中釜60の引き寄せの実行期間(位相)を調節することができる。例えば、楕円軌道D3のように半径方向内側に位置が調節されると、引き寄せを行っている期間を長くすることができる。なお、かかる調節の際には、引き寄せ動作の開始タイミング及び解放タイミングも変化してしまうので、通常は、角度調節の際には位置調節も必須となる。
そして、オープナー10の角度及び位置が決定した後には、再び止めネジ53を締結市、調節後の状態でオープナー10を固定する。
(発明の実施形態の効果)
以上のように、本実施形態たるミシンの水平釜機構100の位置調節機構50によれば、固定手段51により、オープナー10は止めネジ53を中心とする回動調節可能に支持されると共に当該回動半の径方向に移動調節可能に支持されていることから、オープナー10の先端部11を二自由度で移動調節することが可能となり、当該調節により中釜60に対する係止の開始タイミングや開始期間を任意に設定することが可能となる。
さらに、角度調節ネジ58と位置調節ネジ56との押し当てにより中釜案内腕32に対してオープナー10の角度と移動位置とが決定されるので、角度及び位置について微細な調節を可能とする。また、固定作業時には、固定手段51と共に二カ所で押し当てられた二つの調節ネジ56,58によりオープナー10の調節位置が保持されるので、位置ズレを生じることなくオープナーの固定を可能とする。また、位置ズレを生じても、各ネジ56,58に当接するようにオープナー10の位置を戻せばいいので、調節状態の再現も容易である。従って、オープナーの先端位置調節を容易且つ正確に行うことが可能となる。
また、位置調節機構50では、オープナー10の先端部11の移動調節により中釜60の当接部66の位置における接線方向に、回動角度調節により中釜半径方向に、移動させることができるので、半径方向への移動によりオープナーの係合期間の調節を行い、接線方向への移動により係合の開始及び終了のタイミング調節を個別に行うことができ、各々の当接作業における作用効果が個別化して明確となり、調節作業をより容易に行うことが可能となる。
なお、オープナー10の先端部11の移動調節により先端部11が半径方向に移動し、角度調節により接線方向に移動するように構成しても良い。
(その他)
図5は上述した水平釜機構100における各構成について変更例を示した平面図である。
即ち、図示のように、角度調節手段58Aを、角度調節体としてのボス状のピン58Aaとこれを固定する固定ネジ58Baとから構成しても良い。ピン58Aaは、角度調節ネジ58と同じ位置、同じ向きでネジ穴に替えて設けられた貫通穴に挿入され、先端部がオープナー10の側面に押し当てられると共に、固定ネジ58Baがピン58Aaの外周面側から締結を行い固定するようになっている。かかる構成も、角度調節ネジ58と同様の効果を上げることが可能である。
また、前述した嵌合溝部59では、その両端部を拡開させてオープナー10の回動を可能としていたが、図5の例では、嵌合溝部59Aをストレート(両側の内側面が互いに平行)に形成されており、その代わりに、オープナー10の基端部12Aの横幅が、長穴部52の位置において最も広くされ、オープナー10の両端部に向かうにつれてそれぞれ幅が狭くなる形状(いわゆる鼓状)に形成されている。かかる構成の場合も、オープナー10の回動を許容することが可能である。
本実施形態たるミシンの水平釜機構を示す平面図である。 中釜の平面図である。 水平釜機構の斜視図である。 中釜案内腕の拡大平面図である。 水平釜機構の一部の構成における変更例を示した平面図である。
符号の説明
1 水平釜
10 オープナー
11 先端部
30 伝達機構
32 中釜案内腕
50 調節機構
51 固定手段
52 長穴部
53 段ネジ(止めネジ)
54 位置調節手段
56 位置調節ネジ(位置調節体)
58 角度調節ネジ(角度調節体)
60 中釜
61 中釜突起(突起部)
66 当接部
70 外釜
71 剣先
80 針板
81,82 針板突起(嵌合部)
100 ミシンの水平釜機構

Claims (5)

  1. 外釜の回転に伴う回転が規制された中釜に前記ミシン針の上下動に同期して周期的に係合して、前記突起部の外釜回転方向下流側部分と前記嵌合部とを引き離す方向に引き寄せるオープナーと、
    前記オープナーに対して、前記周期的な引き寄せ動作を付与する伝達機構とを備えるミシンのオープナー機構において、
    前記伝達機構に対して前記オープナーを回動調節可能に取り付けると共に回動半径方向に移動調節可能に取り付けるオープナーの固定手段と、
    先端部の押し当てにより前記オープナーの回動角度を定める角度調節体と、先端部の押し当てにより前記回動半径方向に沿った位置を定める位置調節体とを備えることを特徴とするミシンのオープナー機構。
  2. 前記オープナーは、前記固定手段としての止めネジを支軸として回動調節可能に支持されると共に、前記固定ネジを挿入可能な長穴部により回動半径方向に移動調節可能に支持されることを特徴とする請求項1記載のミシンのオープナー機構。
  3. 前記オープナーは、前記回動調節又は移動調節のいずれか一方によりその先端部が前記中釜の半径方向に沿って位置変位を生じ、前記回動調節又は移動調節の他方によりその先端部が前記中釜の半径方向に直交する方向に位置変位を生じるように、前記伝達機構に支持されていることを特徴とする請求項1又は2記載のミシンのオープナー機構。
  4. 前記角度調節体と位置調節体とは、それぞれ角度調節ネジと位置調節ネジであることを特徴とする請求項1,2又は3記載のミシンのオープナー機構。
  5. 前記角度調節ネジと位置調節ネジとは、先割れ形状であることを特徴とする請求項4記載のミシンのオープナー機構。
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