JP2010011790A - 高精度の標的核酸の検出方法および標的核酸検出用キット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 標的核酸を検出するための方法であって、(a)標的核酸と第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドとで、第1開裂構造体を形成させる工程と、(b)5’ヌクレアーゼ活性を有する開裂剤により、工程(a)において生成された第1開裂構造体を構成している前記第1オリゴヌクレオチドを開裂させ、前記第1オリゴヌクレオチド由来の5’側部分からなる第3オリゴヌクレオチドを生成させる工程と、(c)工程(b)において生成された第3オリゴヌクレオチドを検出する工程と、を有し、前記工程(a)〜(c)をベタイン存在下で行うことを特徴とする、標的核酸の検出方法。
【選択図】なし
Description
一方で、ベタインは、PCR等に対する添加剤としては使用されているものの、インベーダアッセイにおける添加剤としては知られてはいなかった。
(1) 標的核酸を検出するための方法であって、(a)標的核酸と第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドとで、第1開裂構造体を形成させる工程と、(b)ベタイン存在下で、5’ヌクレアーゼ活性を有する開裂剤により、工程(a)において生成された第1開裂構造体を構成している前記第1オリゴヌクレオチドを開裂させ、前記第1オリゴヌクレオチド由来の5’側部分からなる第3オリゴヌクレオチドを生成させる工程と、(c)工程(b)において生成された第3オリゴヌクレオチドを検出する工程と、を有し、前記標的核酸は第1領域、第2領域および第3領域を含み、該第1領域は第2領域に隣接してその下流に位置し、該第2領域は第3領域に隣接してその下流に位置するものであり、前記第1オリゴヌクレオチドは、3’側部分に標的核酸の前記第3領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、前記第2オリゴヌクレオチドは、3’側部分に標的核酸の前記第2領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、5’側部分に標的核酸の前記第1領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、前記第1開裂構造体は、前記第2オリゴヌクレオチドが前記標的核酸の前記第1領域および前記第2領域にアニーリングし、かつ前記第1オリゴヌクレオチドが前記標的核酸の第3領域にアニーリングした時に、前記第1オリゴヌクレオチドの前記標的核酸の第3領域とアニーリングした領域の5’側部分は、前記標的核酸の第2領域にアニーリングした第2オリゴヌクレオチドの該3’側部分中の1以上のヌクレオチド配列とオーバーラップするように形成された構造体であり、前記工程(b)における第1オリゴヌクレオチドの開裂部位が、第2オリゴヌクレオチドとオーバーラップしている部位にあり、前記工程(a)〜(c)をベタイン存在下で行うことを特徴とする、標的核酸の検出方法、
(2) 前記工程(c)が、(d)工程(b)において生成された第3オリゴヌクレオチドと第4オリゴヌクレオチドと検出用核酸とで、第2α開裂構造体を形成させる工程と、(e)5’ヌクレアーゼ活性を有する開裂剤により、工程(d)において生成された第2α開裂構造体を構成している前記第4オリゴヌクレオチドを開裂させ、前記第4オリゴヌクレオチド由来の5’側部分からなる第5オリゴヌクレオチドを生成させる工程と、(f)工程(e)において生成された第5オリゴヌクレオチドを検出する工程と、を有し、前記検出用核酸は第1領域、第2領域および第3領域を含み、該第1領域は第2領域に隣接してその下流に位置し、該第2領域は第3領域に隣接してその下流に位置するものであり、前記第4オリゴヌクレオチドは、3’側部分に検出用核酸の前記第3領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、前記第3オリゴヌクレオチドは、3’側部分に検出用核酸の前記第2領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、5’側部分に検出用核酸の前記第1領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、前記第2α開裂構造体は、前記第3オリゴヌクレオチドが前記検出用核酸の前記第1領域および前記第2領域にアニーリングし、かつ前記第4オリゴヌクレオチドが前記検出用核酸の第3領域にアニーリングした時に、前記第4オリゴヌクレオチドの前記検出用核酸の第3領域とアニーリングした領域の5’側部分は、前記検出用核酸の第2領域にアニーリングした前記第3オリゴヌクレオチドの該3’側部分中の1以上のヌクレオチド配列とオーバーラップするように形成された構造体であり、前記工程(e)における第4オリゴヌクレオチドの開裂部位が、第3オリゴヌクレオチドとオーバーラップしている部位にあり、前記工程(d)〜(f)をベタイン存在下で行うことを特徴とする、前記(1)記載の標的核酸の検出方法、
(3) 前記工程(c)が、(g)工程(b)において生成された第3オリゴヌクレオチドと第6オリゴヌクレオチドとで、第2β開裂構造体を形成させる工程と、(h)5’ヌクレアーゼ活性を有する開裂剤により、工程(g)において生成された第2β開裂構造体を構成している前記第6オリゴヌクレオチドを開裂させ、前記第6オリゴヌクレオチド由来の5’側部分からなる第7オリゴヌクレオチドを生成させる工程と、(i)工程(h)において生成された第7オリゴヌクレオチドを検出する工程と、を有し、前記第6オリゴヌクレオチドは、第1領域、第2領域および第3領域を含み、該第1領域は第2領域に隣接してその下流に位置し、該第2領域は第3領域に隣接してその下流に位置するものであり、該第1領域は前記第3オリゴヌクレオチドに完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、該第2領域は分子内ヘアピン構造を形成し得るヌクレオチド配列を有し、前記第2β開裂構造体は、前記第3オリゴヌクレオチドが前記第6オリゴヌクレオチドの前記第1領域にアニーリングし、かつ前記第6オリゴヌクレオチドの前記第2領域が分子内ヘアピン構造を形成した時に、前記第6オリゴヌクレオチドの前記第3領域が、前記第6オリゴヌクレオチドの第1領域にアニーリングした前記第3オリゴヌクレオチドの該3’側部分中の1以上のヌクレオチド配列とオーバーラップするように形成された構造体であり、前記工程(h)における第6オリゴヌクレオチドの開裂部位が、第3オリゴヌクレオチドとオーバーラップしている部位にあり、前記工程(g)〜(i)をベタイン存在下で行うことを特徴とする、前記(1)記載の標的核酸の検出方法、
(4) 前記工程(c)が、(j)工程(b)において生成された第3オリゴヌクレオチドと第8オリゴヌクレオチドとで、第2γ開裂構造体を形成させる工程と、(k)5’ヌクレアーゼ活性を有する開裂剤により、工程(j)において生成された第2γ開裂構造体を構成している前記第8オリゴヌクレオチドを開裂させ、前記第8オリゴヌクレオチド由来の5’側部分からなる第9オリゴヌクレオチドを生成させる工程と、(l)工程(k)において生成された第9オリゴヌクレオチドを検出する工程と、を有し、前記第3オリゴヌクレオチドは、第1領域、第2領域および第3領域を含み、該第1領域は第2領域に隣接してその下流に位置し、該第2領域は第3領域に隣接してその下流に位置するものであり、該第2領域は該第1領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、前記第8オリゴヌクレオチドは、3’側部分に第3オリゴヌクレオチドの前記第3領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、前記第2γ開裂構造体は、前記第3オリゴヌクレオチドの前記第1領域が前記第2領域にアニーリングして分子内ヘアピン構造を形成し、かつ前記第8オリゴヌクレオチドが前記第3オリゴヌクレオチドの前記第3領域にアニーリングした時に、前記第8オリゴヌクレオチドの前記第3オリゴヌクレオチドの第3領域とアニーリングした領域の5’側部分は、前記第3オリゴヌクレオチドの第2領域にアニーリングした前記第1領域中の1以上のヌクレオチド配列とオーバーラップするように形成された構造体であり、前記工程(k)における第8オリゴヌクレオチドの開裂部位が、第3オリゴヌクレオチドとオーバーラップしている部位にあり、前記工程(j)〜(l)をベタイン存在下で行うことを特徴とする、前記(1)記載の標的核酸の検出方法、
(5) ベタインの終濃度が0.5〜1.5Mであることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれか記載の標的核酸の検出方法、
(6) 前記標的核酸が、遺伝子多型を含む核酸であることを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれか記載の標的核酸の検出方法、
(7) 前記(1)〜(6)のいずれか記載の標的核酸の検出方法に用いられるキットであって、前記第1オリゴヌクレオチド、前記第2オリゴヌクレオチド、5’ヌクレアーゼ活性を有する開裂剤、反応用バッファー、およびベタインからなる群より選択される1以上を含むことを特徴とする標的核酸検出用キット、
を提供する。
また、本発明の標的核酸検出用キットを用いることにより、従来法よりも簡便かつ高精度に、標的核酸を検出することが可能となる。
以下、工程ごとに説明する。
以下、工程ごとに説明する。
まず、工程(g)として、工程(b)において生成された第3オリゴヌクレオチドと第6オリゴヌクレオチドとで、第2β開裂構造体を形成させる。ここで、第6オリゴヌクレオチドは、第1領域(以下、P6−1領域、ということがある。)、第2領域(以下、P6−2領域、ということがある。)および第3領域(以下、P6−3領域、ということがある。)を含み、P6−1領域はP6−2領域に隣接してその下流に位置し、P6−2領域はP6−3領域に隣接してその下流に位置するものであり、P6−1領域は第3オリゴヌクレオチドに完全に相補的なヌクレオチド配列を有するものであり、P6−2領域は分子内ヘアピン構造を形成し得るヌクレオチド配列を有するものである。
まず、工程(j)として、工程(b)において生成された第3オリゴヌクレオチドと第8オリゴヌクレオチドとで、第2γ開裂構造体を形成させる。ここで、第3オリゴヌクレオチドは、第1領域(以下、P3−1領域、ということがある。)、第2領域(以下、P3−2領域、ということがある。)および第3領域(以下、P3−3領域、ということがある。)を含み、P3−1領域はP3−2領域に隣接してその下流に位置し、P3−2領域はP3−3領域に隣接してその下流に位置するものであり、P3−2領域はP3−1領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有するものである。また、第8オリゴヌクレオチドは、3’側部分に第3オリゴヌクレオチドのP3−3領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有するものである。
Homo sapiens taste receptor type2, member 38(TAS2R38)(GeneBankアクセッション番号:NM_176817)のTAS−1変異またはTAS−2変異を、本発明の標的核酸の検出方法のうち、工程(g)〜(i)を用いる方法により検出した。なお、TAS−1変異はG/C型のSNPであり、TAS−2変異はA/G型のSNPである。
まず、TAS−1変異(C型)を含む人工ポリヌクレオチド106またはTAS−2変異(G型)を含む人工ポリヌクレオチド116を合成した。これらの人工ポリヌクレオチドを、それぞれ、10pmol/μL、5pmol/μL、1pmol/μL、500fmol/μL、100fmol/μLとなるように超蒸留水で希釈した。
TAS−1変異を検出するためのTAS−1(+)反応溶液として、インベーダ反応に必要な第1オリゴヌクレオチドとして、TAS−1変異(C型)とハイブリダイズし得るプローブ1、およびTAS−1変異(G型)とハイブリダイズし得るプローブ2、第2オリゴヌクレオチドとしてプローブ3、第6オリゴヌクレオチドとして、FAM標識されたFRETプローブ1(サードウェイブ社製)、およびRED標識されたFRETプローブ2(サードウェイブ社製)を添加したPrimer Mix(サードウェイブ社製)を1μL、10×Invader Plusバッファー(サードウェイブ社製)を1μL、上記各濃度の人工ポリヌクレオチド106溶液を1μL、5Mのベタインを2μL、40×Invader Plus酵素Mixを0.25μLに、10μLになるように超蒸留水を添加して混合した。対照として、ベタインのみを添加していないTAS−1(−)反応溶液も同様に調製した。
TAS−2変異を検出するためのTAS−2(+)反応溶液として、インベーダ反応に必要な第1オリゴヌクレオチドとして、TAS−2変異(G型)とハイブリダイズし得るプローブ4、およびTAS−2変異(A型)とハイブリダイズし得るプローブ5、第2オリゴヌクレオチドとしてプローブ6、第6オリゴヌクレオチドとして、FAM標識されたFRETプローブ1、およびRED標識されたFRETプローブ2を添加したPrimer Mix(サードウェイブ社製)を1μL、10×Invader Plusバッファー(サードウェイブ社製)を1μL、上記各濃度の人工ポリヌクレオチド116溶液を1μL、5Mのベタインを2μL、40×Invader Plus酵素Mixを0.25μLに、10μLになるように超蒸留水を添加して混合した。対照として、ベタインのみを添加していないTAS−2(−)反応溶液も同様に調製した。
なお、これらのプローブ等のヌクレオチド配列を表1に示す。プローブ1、2、4および5中の下線が、インベーダ反応により切断されて産生される第3オリゴヌクレオチドとなる部位である。また、人工ポリヌクレオチド106および116中、括弧で括られたヌクレオチドがSNPであり、二重下線部が、第2オリゴヌクレオチドとアニーリング部位である。
インベーダ反応により、人工ポリヌクレオチド106に対して特異的にプローブ1がアニールした場合には、プローブ1から切断された第3オリゴヌクレオチドがRED標識されたFRETプローブ2に対して侵入オリゴヌクレオチドとして働くため、REDシグナルを測定することにより、TAS−1変異(C型)を検出することができる。一方、人工ポリヌクレオチド106に対して非特異的にプローブ2がアニールした場合には、プローブ2から切断された第3オリゴヌクレオチドがFAM標識されたFRETプローブ1に対して侵入オリゴヌクレオチドとして働くため、FAMシグナルが検出される。
同様に、人工ポリヌクレオチド116に対して特異的にプローブ4がアニールした場合には、プローブ4から切断された第3オリゴヌクレオチドがFAM標識されたFRETプローブ2に対して侵入オリゴヌクレオチドとして働くため、FAMシグナルを測定することにより、TAS−2変異(G型)を検出することができる。一方、人工ポリヌクレオチド116に対して非特異的にプローブ5がアニールした場合には、プローブ5から切断された第3オリゴヌクレオチドがRED標識されたFRETプローブ1に対して侵入オリゴヌクレオチドとして働くため、REDシグナルが検出される。
図5に、各反応溶液(A:TAS−1、B:TAS−2)に、1Mベタインを添加した場合(+)又は添加しなかった場合(−)における測定結果を、反応溶液に添加した人工ポリヌクレオチド溶液の濃度毎に示した。図5中、縦軸は検出した蛍光強度であり、左カラムがFAM蛍光測定の結果を、右カラムがRED蛍光測定の結果を、それぞれ示している。
TAS−1においては、いずれの反応溶液においても、正常反応産物であるREDシグナルは高く、TAS−1変異(C型)が検出されていた。また、非特異的反応物であるFAMシグナルは、ベタイン添加の有無にかかわらず低かった。
一方、TAS−2においては、いずれの反応溶液においても、正常反応産物であるFAMシグナルは高く、TAS−2変異(G型)は検出されていたが、1Mベタインを添加しなかった反応溶液(−)では、鋳型である人工ポリヌクレオチド量が多いほど非特異的反応物であるREDシグナル上昇が明確であったが、1Mベタインを添加した反応溶液(+)では、REDシグナルが明らかに抑制されていた。
したがって、これらの結果から、ベタインを添加することにより、インベーダ反応における非特異的反応が抑制され、核酸検出精度を向上させ得ることが明らかである。
ベタインはPCR増幅剤として知られているが、上述したように、ベタインはクリベースの制御機能を示すため、Invader Plus(サードウェイブ社製)を用いて遺伝子変異を検出する場合、PCRとインベーダ反応の双方に対する影響が予測される。そこで、互いに負の影響を及ぼさないか検証するために、米国Coriell Bankより入手した精製済みゲノムDNA4種類(NA17204、NA17221、NA17252およびNA17266)を用いて、PCRサイクル数を変動してインベーダ反応を行った。なお、TAS−2変異が、NA17204はヘテロタイプ、NA17221およびNA17252はA型ホモタイプ、NA17266はG型ホモタイプである。
具体的には、実施例1におけるTAS−2(+)反応溶液またはTAS−2(−)反応溶液に、それぞれ、人工ポリヌクレオチド116に代えて10ngの各ゲノムをそれぞれ添加し、かつ、PCR増幅プライマーとして、表1記載のフォワードプライマー2とリバースプライマー2をさらに添加したものを、反応溶液とした。すなわち、特異的にインベーダ反応が起こった場合には、NA17204ではFAMシグナルとREDシグナルの両方が、NA17221およびNA17252ではREDシグナルが、NA17266ではFAMシグナルが検出される。
調製した各反応溶液を、それぞれ、95℃2分間、次に、95℃15秒間、72℃45秒間を、25、30、35、または40サイクル繰り返し、その後99℃10分間、最後に63℃10分間、反応させた。結果解析アルゴリズムはTWT推奨法に基づき行い、以下のように判定した。
Ratio≦0.2→RED;0.5≦Ratio≦2.0→ヘテロ;
Ratio≧5.0→FAM
この結果、PCRサイクル数が少ないほど、ベタイン添加により、ホモ判定の明確化が得られた。即ち、PCR産物量が少ないほど、ベタインはInvader反応の特異性を促進し得ることが推測される。
実施例2は、ベタイン濃度を1Mとして行った。そこで、次に、Invader Plusに添加する最適添加量を検証した。鋳型として、NA17266を用いた。なお、NA17266は、TAS−1変異およびTAS−2変異のいずれもG型ホモタイプである。
具体的には、実施例1における各反応溶液に、それぞれ、人工ポリヌクレオチド106に代えて10ngのNA17266を添加し、PCR増幅プライマーとして、表1記載のフォワードプライマー1とリバースプライマー1をさらに添加し、ベタインの終濃度を、0、0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2Mとなるように添加したものを、反応溶液として調製した。調製した各反応溶液を、95℃2分間、次に、95℃15秒間、72℃45秒間を35サイクル繰り返し、その後99℃10分間、最後に63℃10分間、反応させた。なお、TAS−1変異検出において、特異的にインベーダ反応が起こった場合には、NA17266ではFAMシグナルが検出される。また、TAS−2変異検出において、特異的にインベーダ反応が起こった場合にも、NA17266ではFAMシグナルが検出される。
この結果、ベタイン終濃度が0〜0.4Mの条件では、バックグラウンドの大きな違いは認められなかったが、0.6M以上では、有意にバックグラウンドが制御されていることが確認できた。但し、1M以上の高ベタイン濃度では、特異的反応の値も減少する傾向が観察された。
したがって、これらの結果から、s/n比の大きな改善も可能となるため、ベタインの終濃度は0.8〜1.0Mであることが特に好ましいことが分かった。
Claims (7)
- 標的核酸を検出するための方法であって、
(a)標的核酸と第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドとで、第1開裂構造体を形成させる工程と、
(b)5’ヌクレアーゼ活性を有する開裂剤により、工程(a)において生成された第1開裂構造体を構成している前記第1オリゴヌクレオチドを開裂させ、前記第1オリゴヌクレオチド由来の5’側部分からなる第3オリゴヌクレオチドを生成させる工程と、
(c)工程(b)において生成された第3オリゴヌクレオチドを検出する工程と、
を有し、
前記標的核酸は第1領域、第2領域および第3領域を含み、該第1領域は第2領域に隣接してその下流に位置し、該第2領域は第3領域に隣接してその下流に位置するものであり、
前記第1オリゴヌクレオチドは、3’側部分に標的核酸の前記第3領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、
前記第2オリゴヌクレオチドは、3’側部分に標的核酸の前記第2領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、5’側部分に標的核酸の前記第1領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、
前記第1開裂構造体は、前記第2オリゴヌクレオチドが前記標的核酸の前記第1領域および前記第2領域にアニーリングし、かつ前記第1オリゴヌクレオチドが前記標的核酸の第3領域にアニーリングした時に、前記第1オリゴヌクレオチドの前記標的核酸の第3領域とアニーリングした領域の5’側部分が、前記標的核酸の第2領域にアニーリングした第2オリゴヌクレオチドの該3’側部分中の1以上のヌクレオチド配列とオーバーラップするように形成された構造体であり、
前記工程(b)における第1オリゴヌクレオチドの開裂部位が、第2オリゴヌクレオチドとオーバーラップしている部位にあり、
前記工程(a)〜(c)をベタイン存在下で行うことを特徴とする、標的核酸の検出方法。 - 前記工程(c)が、
(d)工程(b)において生成された第3オリゴヌクレオチドと第4オリゴヌクレオチドと検出用核酸とで、第2α開裂構造体を形成させる工程と、
(e)5’ヌクレアーゼ活性を有する開裂剤により、工程(d)において生成された第2α開裂構造体を構成している前記第4オリゴヌクレオチドを開裂させ、前記第4オリゴヌクレオチド由来の5’側部分からなる第5オリゴヌクレオチドを生成させる工程と、
(f)工程(e)において生成された第5オリゴヌクレオチドを検出する工程と、
を有し、
前記検出用核酸は第1領域、第2領域および第3領域を含み、該第1領域は第2領域に隣接してその下流に位置し、該第2領域は第3領域に隣接してその下流に位置するものであり、
前記第4オリゴヌクレオチドは、3’側部分に検出用核酸の前記第3領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、
前記第3オリゴヌクレオチドは、3’側部分に検出用核酸の前記第2領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、5’側部分に検出用核酸の前記第1領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、
前記第2α開裂構造体は、前記第3オリゴヌクレオチドが前記検出用核酸の前記第1領域および前記第2領域にアニーリングし、かつ前記第4オリゴヌクレオチドが前記検出用核酸の第3領域にアニーリングした時に、前記第4オリゴヌクレオチドの前記検出用核酸の第3領域とアニーリングした領域の5’側部分は、前記検出用核酸の第2領域にアニーリングした前記第3オリゴヌクレオチドの該3’側部分中の1以上のヌクレオチド配列とオーバーラップするように形成された構造体であり、
前記工程(e)における第4オリゴヌクレオチドの開裂部位が、第3オリゴヌクレオチドとオーバーラップしている部位にあり、
前記工程(d)〜(f)をベタイン存在下で行うことを特徴とする、請求項1記載の標的核酸の検出方法。 - 前記工程(c)が、
(g)工程(b)において生成された第3オリゴヌクレオチドと第6オリゴヌクレオチドとで、第2β開裂構造体を形成させる工程と、
(h)5’ヌクレアーゼ活性を有する開裂剤により、工程(g)において生成された第2β開裂構造体を構成している前記第6オリゴヌクレオチドを開裂させ、前記第6オリゴヌクレオチド由来の5’側部分からなる第7オリゴヌクレオチドを生成させる工程と、
(i)工程(h)において生成された第7オリゴヌクレオチドを検出する工程と、
を有し、
前記第6オリゴヌクレオチドは、第1領域、第2領域および第3領域を含み、該第1領域は第2領域に隣接してその下流に位置し、該第2領域は第3領域に隣接してその下流に位置するものであり、該第1領域は前記第3オリゴヌクレオチドに完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、該第2領域は分子内ヘアピン構造を形成し得るヌクレオチド配列を有し、
前記第2β開裂構造体は、前記第3オリゴヌクレオチドが前記第6オリゴヌクレオチドの前記第1領域にアニーリングし、かつ前記第6オリゴヌクレオチドの前記第2領域が分子内ヘアピン構造を形成した時に、前記第6オリゴヌクレオチドの前記第3領域が、前記第6オリゴヌクレオチドの第1領域にアニーリングした前記第3オリゴヌクレオチドの該3’側部分中の1以上のヌクレオチド配列とオーバーラップするように形成された構造体であり、
前記工程(h)における第6オリゴヌクレオチドの開裂部位が、第3オリゴヌクレオチドとオーバーラップしている部位にあり、
前記工程(g)〜(i)をベタイン存在下で行うことを特徴とする、請求項1記載の標的核酸の検出方法。 - 前記工程(c)が、
(j)工程(b)において生成された第3オリゴヌクレオチドと第8オリゴヌクレオチドとで、第2γ開裂構造体を形成させる工程と、
(k)5’ヌクレアーゼ活性を有する開裂剤により、工程(j)において生成された第2γ開裂構造体を構成している前記第8オリゴヌクレオチドを開裂させ、前記第8オリゴヌクレオチド由来の5’側部分からなる第9オリゴヌクレオチドを生成させる工程と、
(l)工程(k)において生成された第9オリゴヌクレオチドを検出する工程と、
を有し、
前記第3オリゴヌクレオチドは、第1領域、第2領域および第3領域を含み、該第1領域は第2領域に隣接してその下流に位置し、該第2領域は第3領域に隣接してその下流に位置するものであり、該第2領域は該第1領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、
前記第8オリゴヌクレオチドは、3’側部分に第3オリゴヌクレオチドの前記第3領域に完全に相補的なヌクレオチド配列を有し、
前記第2γ開裂構造体は、前記第3オリゴヌクレオチドの前記第1領域が前記第2領域にアニーリングして分子内ヘアピン構造を形成し、かつ前記第8オリゴヌクレオチドが前記第3オリゴヌクレオチドの前記第3領域にアニーリングした時に、前記第8オリゴヌクレオチドの前記第3オリゴヌクレオチドの第3領域とアニーリングした領域の5’側部分は、前記第3オリゴヌクレオチドの第2領域にアニーリングした前記第1領域中の1以上のヌクレオチド配列とオーバーラップするように形成された構造体であり、
前記工程(k)における第8オリゴヌクレオチドの開裂部位が、第3オリゴヌクレオチドとオーバーラップしている部位にあり、
前記工程(j)〜(l)をベタイン存在下で行うことを特徴とする、請求項1記載の標的核酸の検出方法。 - ベタインの終濃度が0.5〜1.5Mであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか記載の標的核酸の検出方法。
- 前記標的核酸が、遺伝子多型を含む核酸であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか記載の標的核酸の検出方法。
- 請求項1〜6のいずれか記載の標的核酸の検出方法に用いられるキットであって、前記第1オリゴヌクレオチド、前記第2オリゴヌクレオチド、5’ヌクレアーゼ活性を有する開裂剤、反応用バッファー、およびベタインからなる群より選択される1以上を含むことを特徴とする標的核酸検出用キット。
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