JP2010010646A - 面発光レーザ、面発光レーザアレイ、光走査装置、画像形成装置、光伝送モジュール及び光伝送システム - Google Patents

面発光レーザ、面発光レーザアレイ、光走査装置、画像形成装置、光伝送モジュール及び光伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】製造が容易で歩留まりが大きく、長寿命の面発光レーザを提供する。
【解決手段】被選択酸化層108は、上部半導体DBRの低屈折率層の一部をなし、被選択酸化層108が含まれる低屈折率層は、被選択酸化層108に隣接する2つの中間層107mと、各中間層107mに隣接する2つの低屈折率層107cとを有している。そして、各中間層107mにおけるAlの含有率は、被選択酸化層108におけるAlの含有率よりも17%小さい。また、各低屈折率層107cにおけるAlの含有率は、被選択酸化層108におけるAlの含有率よりも25%小さい。これにより、被選択酸化層108が選択酸化される際に、被選択酸化層108のXY面内の酸化速度、及び酸化層の厚さの制御性を向上させることができる。従って、容易に酸化層の厚さのばらつきを小さくすることが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、面発光レーザ、面発光レーザアレイ、光走査装置、画像形成装置、光伝送モジュール及び光伝送システムに係り、更に詳しくは、基板に対して垂直方向に光を出力する面発光レーザ、前記面発光レーザが集積された面発光レーザアレイ、該面発光レーザアレイを有する光走査装置、画像形成装置、光伝送モジュール、及び光伝送システムに関する。
垂直共振器型の面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)は、基板に対して垂直方向に光を出力する半導体レーザであり、基板に対して平行方向に光を出力する端面発光型の半導体レーザに比べて、(1)低価格、(2)低消費電力、(3)小型で高性能、(4)2次元集積化が容易、という特徴を有し、近年注目されている。
面発光レーザは、電流流入効率を高めるために狭窄構造体を有している。この狭窄構造体としては、Al(アルミニウム)As(ヒ素)層の選択酸化による狭窄構造体(以下では、便宜上「酸化狭窄構造体」ともいう。例えば、特許文献1参照)が良く用いられている。この酸化狭窄構造体は、p−AlAsからなる被選択酸化層が側面に露出している所定の大きさのメサを形成した後、高温の水蒸気雰囲気中に置いて、被選択酸化層に含まれるAlをメサ側面から選択的に酸化させ、メサの中心付近に、被選択酸化層における酸化されていない領域を残留させたものである。この酸化されていない領域が、面発光レーザの駆動電流の通過領域(電流通過領域、電流注入領域)となる。
また、酸化狭窄構造体におけるAlの酸化物(Al)の屈折率は、1.6程度であり、半導体層に比べて低い。これにより、共振器構造体の内部に横方向の屈折率差が生じ、光がメサ中央に閉じ込められる。その結果、低い閾値電流、高い発光効率等の優れた特性を実現することが可能となる。
また、単一の基本横モード発振を得るためには、電流通過領域の大きさを小さくし、高次モードに対する回折損失を大きくする必要がある。通常、電流通過領域の大きさは、一辺又は直径として発振波長の3〜4倍まで狭くすることが必要とされている。具体的には、発振波長が0.85μmの場合で3.5μm以下、発振波長が1.3μmの場合で5μm以下となる。これにより、同時に、閾値電流が小さくなる。
特許文献2には、発光効率の低下を防ぐことを目的として、電流狭窄層の両面に、Alの組成比が0.38のAlGaAs薄膜からなる中間薄膜が厚さ20nm〜30nmで設けられている面発光レーザが開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示されている面発光レーザでは、低屈折率層はすべて酸化されるので酸化層の厚さが厚くなり、酸化による体積収縮によって生じる歪が活性層に悪影響を及ぼし、特性の劣化が加速されるおそれがあった。また、電流狭窄層が電界強度分布の腹の位置から節の位置に亘って存在することとなり、回折損失が大きく、シングルモード出力が低いという不都合があった。
特許文献3には、低いAl含有量(例えば0〜35%、有益なのは約15%)の第1の層と中程度のAl含有量(例えば65%前後、望ましくは85%未満)の第2の層との間に配置された高濃度にドーピングされた高いAl含有量(例えば95%より高く、有益なのは約98%)の酸化アパーチャ形成層のある分布ブラッグ反射器を有した酸化層閉じ込め型VCSELが開示されている。また、この酸化層閉じ込め型VCSELでは、第1の層と酸化アパーチャ形成層との間に遷移層が設けられている。この遷移層は、厚さ約20nmの相対的に薄い層であり、その厚さに亘り実質的に直線的に変化するAl濃度の変化を伴う層である。
ところで、半導体分布ブラッグ反射鏡における電気抵抗を低減するためのいわゆる組成傾斜層は、ドーピングを選択的に高めることが好ましく(例えば、特許文献4参照)、かつ吸収損失を増加させないためには電界強度分布の節の位置に設けることが好ましい。また、酸化狭窄構造体も、回折損失を低減するためには電界強度分布の節の位置に設けることが好ましい。
しかしながら、特許文献3に開示されている酸化層閉じ込め型VCSELでは、酸化アパーチャ形成層(酸化狭窄構造体に相当)と遷移層(組成傾斜層に相当)は隣接しているため、両者を同時に電界強度分布の節の位置に設けることはできない。
ところで、AlとAsを含む被選択酸化層の酸化速度は、膜厚、Al及びAsの組成、酸化温度等に極めて敏感である(例えば、非特許文献1参照)。また、被選択酸化層の酸化速度は、酸化処理直前の被選択酸化層の側面に形成されている自然酸化膜の膜厚にも影響される。
被選択酸化層の酸化量が狙い(目標)から外れ、電流通過領域の面積がばらつくと、活性層における発振に寄与する部分の面積がばらつくこととなる。その結果、光出力などの素子特性にばらつきを生じ、製品の歩留まりが低下する。特にシングルモード素子はマルチモード素子に比べて電流通過領域の面積が小さいので、被選択酸化層の酸化量のばらつきが素子特性のばらつきに与える影響は極めて大きい。また、電流通過領域の面積が大きい方にずれた場合は、マルチモード動作する素子になってしまい、シングルモード素子は特に歩留まりが低い。
米国特許第5493577号明細書 特開平11−26879号公報 特表2006−504281号公報 特許第2757633号明細書 J.Select、「Topics Quantum Electron」、IEEE、vol.3、p.916−926、1997
数多くの従来の面発光レーザを調査すると、電流通過領域の面積が同じであっても、シングルモード出力などの光学特性がばらつくことがあった。そこで、発明者等は、種々の実験等を行った結果、被選択酸化層の厚さ、Al組成、酸化条件を一定にしても、ロット間及び同一ロット内で、酸化層の厚さにばらつきがあり、この酸化層の厚さのばらつきが光学特性のばらつきの一要因であるという新たな知見を得た。そして、酸化層の厚さのばらつきは、特に酸化開始部(メサ外周部)で顕著であった。また、被選択酸化層における酸化開始部(メサ外周部)から酸化終端部(メサ中央部)にかけて酸化層の厚さが不均一になるものもみられた。
本発明は、上述した発明者等の得た新規知見に基づいてなされたもので、第1の観点からすると、活性層を含む共振器構造体、低屈折率層と高屈折率層を組として複数の組からなり前記共振器構造体を挟んで設けられた半導体分布ブラッグ反射鏡、及びアルミニウムを含む被選択酸化層の選択酸化によって形成された狭窄構造体を有する面発光レーザにおいて、前記被選択酸化層は、前記半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率層の一部をなし、前記被選択酸化層が含まれる低屈折率層は、前記被選択酸化層の一側及び他側の少なくともいずれかに隣接する第1の層と、該第1の層に隣接する第2の層とを有し、前記第1の層におけるアルミニウムの含有率は、前記被選択酸化層におけるアルミニウムの含有率よりも小さく、前記第2の層におけるアルミニウムの含有率よりも大きいことを特徴とする面発光レーザである。
なお、各屈折率層の間に、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層が設けられている場合には、各屈折率層の光学厚さはいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んでも良い。ところで、光学厚さとその層の実際の厚さについては以下の関係がある。光学厚さがλ/4のとき、その層の実際の厚さdは、d=λ/4N(但し、Nはその層の媒質の屈折率)である。
これによれば、被選択酸化層は、半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率層の一部をなし、被選択酸化層が含まれる低屈折率層は、被選択酸化層の一側及び他側の少なくともいずれかに隣接する第1の層と、該第1の層に隣接する第2の層とを有している。そして、第1の層におけるアルミニウムの含有率は、被選択酸化層におけるアルミニウムの含有率よりも小さく、第2の層におけるアルミニウムの含有率よりも大きくなるように設定されている。この場合は、被選択酸化層が選択酸化される際に、被選択酸化層の面内方向の酸化速度、及び酸化層の厚さの制御性を上げることができる。従って、容易に酸化層の厚さのばらつきを小さくすることが可能となる。すなわち、製造が容易で歩留まりを大きくすることができる。また、活性層に対する歪の影響を低減でき、長寿命化を図ることが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、本発明の面発光レーザが集積された面発光レーザアレイである。
これによれば、本発明の面発光レーザが集積されたものであるため、製造が容易で歩留まりが大きく、長寿命化を図ることが可能となる。
本発明は、第3の観点からすると、光によって被走査面を走査する光走査装置であって、本発明の面発光レーザアレイを有する光源と;前記光源からの光を偏向する偏向器と;前記偏向器で偏向された光を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備える光走査装置である。
これによれば、本発明の面発光レーザアレイを備えているため、高コスト化を招くことなく、高密度の光走査を安定して行うことが可能となる。
本発明は、第4の観点からすると、像担持体と;前記像担持体に対して画像情報が含まれる光を走査する本発明の光走査装置と;を備える第1の画像形成装置である。
本発明は、第5の観点からすると像担持体と;本発明の面発光レーザアレイと;画像情報に応じて前記面発光レーザアレイを駆動し、前記像担持体を露光する露光装置と;を備える第2の画像形成装置である。
上記第1及び第2の画像形成装置によれば、いずれも本発明の面発光レーザアレイを備えているため、高コスト化を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
本発明は、第6の観点からすると、入力される電気信号に応じた光信号を生成する光伝送モジュールであって、本発明の面発光レーザアレイと;前記面発光レーザアレイを、前記入力される電気信号に応じて駆動する駆動装置と;を備える光伝送モジュールである。
これによれば、本発明の面発光レーザアレイを備えているため、高コスト化を招くことなく、高品質の光信号を安定して生成することが可能となる。
本発明は、第7の観点からすると、本発明の光伝送モジュールと;前記光伝送モジュールで生成された光信号を伝達する光伝達媒体と;前記光伝達媒体を介した光信号を電気信号に変換する変換器と;を備える光伝送システムである。
これによれば、本発明の光伝送モジュールを備えているため、高コスト化を招くことなく、高品質の光伝送を安定して行うことが可能となる。
《面発光レーザ》
「第1の実施形態」
図1は、本発明の第1の実施形態に係る面発光レーザ100の概略構成を示す断面図である。なお、本明細書では、レーザ発振方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直な面内における互いに直交する2つの方向をX軸方向及びY軸方向として説明する。
面発光レーザ100は、設計上の発振波長が850nm帯の面発光レーザであり、基板101上に、下部半導体DBR103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、上部半導体DBR107、コンタクト層109などの半導体層が、順次積層されている。なお、以下では、これら複数の半導体層が積層されているものを、便宜上「積層体」ともいう。また、図2は、活性層105近傍を拡大した図であり、図3は、上部半導体DBR107の一部を拡大した図である。
基板101は、n−GaAs単結晶基板である。
下部半導体DBR103は、n−Al0.9Ga0.1Asからなる低屈折率層103aとn−Al0.1Ga0.9Asからなる高屈折率層103bのペアを40.5ペア有している。そして、各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層(図2参照)が設けられている。なお、各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、発振波長をλとするとλ/4の光学厚さとなるように設定されている。
下部スペーサ層104は、Al0.4Ga0.6Asからなる層である。
活性層105は、3層のGaAs量子井戸層105aと4層のAl0.3Ga0.7As障壁層105bとからなる層である(図2参照)。
上部スペーサ層106は、Al0.4Ga0.6Asからなる層である。
下部スペーサ層104と活性層105と上部スペーサ層106とからなる部分は、共振器構造体とも呼ばれており、その厚さが1波長光学厚さとなるように設定されている。なお、活性層105は、高い誘導放出確率が得られるように、電界の定在波分布の腹に対応する位置である共振器構造体の中央に設けられている。
この共振器構造体は、下部半導体DBR103と上部半導体DBR107に挟まれている。
上部半導体DBR107は、低屈折率層と高屈折率層のペアを24ペア有している。そして、低屈折率層と高屈折率層との間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層(図3参照)が設けられている。
上部半導体DBR107における低屈折率層の1つには、p−AlAsからなる被選択酸化層108が厚さ20nmで挿入されている。この被選択酸化層108の挿入位置は、上部スペーサ層106から光学的に5λ/4離れている。そして、被選択酸化層108が含まれる低屈折率層は、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、3λ/4の光学厚さとなるように設定されている。
また、被選択酸化層108、及び被選択酸化層108が含まれる低屈折率層の+Z側の組成傾斜層が、ともに電界強度分布の節に対応する位置となるように設定されている(図3参照)。
上部半導体DBR107における被選択酸化層108が含まれる低屈折率層を除く各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、λ/4の光学厚さとなるように設定されている。
被選択酸化層108の−Z側及び+Z側には、p−Al0.83Ga0.17Asからなる厚さ20nmの中間層107mが設けられている。
被選択酸化層108が含まれる低屈折率層における各中間層107mに隣接する層107c(以下では、「低屈折率層107c」という)は、p−Al0.75Ga0.25Asからなる層である。
上部半導体DBR107における被選択酸化層108が含まれる低屈折率層以外の低屈折率層107aは、p−Al0.9Ga0.1Asからなる層である。また、上部半導体DBR107における高屈折率層107bは、p−Al0.1Ga0.9Asからなる層である。
すなわち、被選択酸化層108は、上部半導体DBR107の低屈折率層の一部をなし、被選択酸化層108が含まれる低屈折率層は、被選択酸化層108に隣接する2つの中間層107mと、各中間層107mに隣接する2つの低屈折率層107cとを有している。そして、中間層107mにおけるAlの含有率は、被選択酸化層108におけるAlの含有率よりも17%小さい。また、低屈折率層107cにおけるAlの含有率は、被選択酸化層108におけるAlの含有率よりも25%小さい。
コンタクト層109は、p−GaAsからなる層である。
次に、面発光レーザ100の製造方法について簡単に説明する。
(1)上記積層体を有機金属気相成長法(MOCVD法)あるいは分子線エピタキシャル成長法(MBE法)による結晶成長によって作成する。
ここでは、III族の原料には、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)を用い、V族の原料にはアルシン(AsH)ガスを用いている。また、p型ドーパントの原料には四臭化炭素(CBr)を用い、n型ドーパントの原料にはセレン化水素(HSe)を用いている。
(2)積層体の表面に一辺が20μmの正方形状のレジストパターンを形成する。
(3)Clガスを用いるECRエッチング法で、上記レジストパターンをフォトマスクとして四角柱状のメサを形成する。ここでは、エッチングの底面は下部スペーサ層104中に位置するようにした。
(4)フォトマスクを除去する。
(5)積層体を水蒸気中で熱処理する。ここでは、メサの外周部から被選択酸化層108及び中間層107m中のAlが選択的に酸化される。そして、メサの中央部に、Alの酸化層108aによって囲まれた酸化されていない領域108bを残留させる。これにより、発光部の駆動電流の経路をメサの中央部だけに制限する、いわゆる酸化狭窄構造体が形成される。上記酸化されていない領域108bが電流通過領域(電流注入領域)である。なお、酸化層108aは、被選択酸化層108及び中間層107m中のAlの酸化物を含んでいる。
(6)気相化学堆積法(CVD法)を用いて、SiNあるいはSiOからなる保護層111を形成する(図1参照)。
(7)ポリイミド112で平坦化する(図1参照)。
(8)メサ上部にP側電極コンタクトの窓開けを行う。ここでは、フォトレジストによるマスクを施した後、メサ上部の開口部を露光してその部分のフォトレジストを除去した後、BHFにてポリイミド112及び保護層111をエッチングして開口する。
(9)メサ上部の光出射部となる領域に一辺10μmの正方形状のレジストパターンを形成し、p側の電極材料の蒸着を行なう。p側の電極材料としてはCr/AuZn/Auからなる多層膜、もしくはTi/Pt/Auからなる多層膜が用いられる。
(10)光出射部の電極材料をリフトオフし、p側の電極113を形成する(図1参照)。
(11)基板101の裏側を所定の厚さ(例えば100μm程度)まで研磨した後、n側の電極114を形成する(図1参照)。ここでは、n側の電極114はAuGe/Ni/Auからなる多層膜である。
(12)アニールによって、p側の電極113とn側の電極114のオーミック導通をとる。これにより、メサは発光部となる。
(13)チップ毎に切断する。
このようにして製造された複数の面発光レーザ100について、それぞれの酸化狭窄構造体をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察した。その結果、酸化が開始されるメサ外周部での酸化層108aの厚さは60nm〜70nmであり、ばらつきの程度は小さかった。また、上記電流通過領域108bは、所望の大きさの正方形状であった。そして、閾値電流などの特性のばらつきは小さかった。
なお、比較例1として、図4に示されるように、中間層107mを設けない場合には、酸化狭窄構造体における酸化が開始されるメサ外周部での酸化層の厚さは40nm〜50nmであり、ばらつきの程度は小さかった。しかしながら、この場合には、XY面内での酸化速度のばらつきが大きく、電流通過領域は、メサ形状を反映せず正方形状とはならなかった。すなわち、所望の大きさ及び形状の電流通過領域を得ることができなかった。そして、閾値電流などの特性のばらつきは極めて大きかった。この場合は、エピ構造としては制御性の悪い構造であると言える。
また、比較例2として、図5に示されるように、図4における低屈折率層107cを、p−Al0.83Ga0.17Asからなる低屈折率層107dに代えた場合には、電流通過領域は、面発光レーザ100と同様にほぼ正方形状であったが、酸化が開始されるメサ外周部での酸化層の厚さは80nm〜160nmと大きくばらついていた。そして、酸化終端部では被選択酸化層と同等の厚さであった。すなわち、酸化層は、酸化開始部から酸化終端部へ向かって厚さが徐々に薄くなるテーパー状であった。これは被選択酸化層108において、XY面内でメサの中心に向かって酸化が進むのと同時に積層方向(ここでは、Z軸方向)へも酸化が進んでいることを示す。酸化層が薄いほどシングルモード出力は大きく、光発散角は狭くなる傾向があり、シングルモード出力及び光発散角はいずれもばらつきが大きかった。また、メサ外周部での酸化層の厚さが厚いものは、短寿命であった。
これらのことから、被選択酸化層108に隣接して中間層107mを設けることで、(1)XY面内での酸化速度を高い精度で制御することができるとともに、(2)酸化層108aの厚さを薄い状態で均一にできることがわかる。
ここでは、Alの含有率が83%の中間層107mを被選択酸化層108に隣接して設けたことでXY面内の酸化がスムーズに進行し、中間層107mが20nmと薄く、そして中間層107mに隣接してAlの含有率が75%の低屈折率層107cがあるため、積層方向(ここでは、Z軸方向)にあまり酸化が進まなかったものと考えられる。
これにより、電流通過領域108bの面積、及び酸化層108aの厚さの制御性を高めることができ、閾値電流、シングルモード出力、光発散角、寿命などの特性ばらつきを小さくすることができた。
なお、被選択酸化層108におけるAlの含有率と中間層107mにおけるAlの含有率との差は、5%以上で、かつ20%以下であることが好ましい。また、被選択酸化層108におけるAlの含有率と低屈折率層107cにおけるAlの含有率との差は、20%を超えることが好ましい。
以上説明したように、本第1の実施形態に係る面発光レーザ100によると、被選択酸化層108は、上部半導体DBR107の低屈折率層の一部をなし、被選択酸化層108が含まれる低屈折率層は、被選択酸化層108に隣接する2つの中間層107mと、各中間層107mに隣接する2つの低屈折率層107cとを有している。そして、各中間層107mにおけるAlの含有率は、被選択酸化層108におけるAlの含有率よりも17%小さい。また、各低屈折率層107cにおけるAlの含有率は、被選択酸化層108におけるAlの含有率よりも25%小さい。これにより、被選択酸化層108が選択酸化される際に、被選択酸化層108のXY面内の酸化速度、及び酸化層の厚さの制御性を向上させることができる。従って、容易に酸化層の厚さのばらつきを小さくすることが可能となる。すなわち、製造が容易で歩留まりを大きくすることができる。また、活性層に対する歪の影響を低減でき、長寿命化を図ることが可能となる。
また、被選択酸化層108が含まれる低屈折率層の光学厚さが3λ/4であるため、被選択酸化層108、及び被選択酸化層108が含まれる低屈折率層の+Z側の組成傾斜層をともに電界強度分布の節に対応する位置とすることができる。これにより、被選択酸化層108による回折損失、及び高濃度ドーピングされた組成傾斜層での吸収損失をともに低減することが可能となる。なお、被選択酸化層108が含まれる低屈折率層の光学厚さが、発振波長λ、1以上の整数nを用いて、(2n+1)λ/4であれば、被選択酸化層108、及び被選択酸化層108が含まれる低屈折率層の+Z側の組成傾斜層をともに電界強度分布の節に対応する位置とすることが可能である。
なお、上記第1の実施形態では、中間層を被選択酸化層の上下(両方)に設ける場合について説明したが、これに限らず、片側だけに設けても良い。
また、上記第1の実施形態では、被選択酸化層108が含まれる低屈折率層が、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、3λ/4の光学厚さとなるように設定されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、被選択酸化層108が含まれる低屈折率層の光学厚さが、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、λ/4となる場合が、図6に示されている。
図6では、被選択酸化層108は、上部スペーサ層106から光学的にλ/4離れた位置に挿入されている。そして、被選択酸化層108の−Z側に前記中間層107m及び前記低屈折率層107cが設けられている。また、被選択酸化層108の+Z側には、組成傾斜層を介して高屈折率層107bが設けられている。この場合であっても、被選択酸化層108のXY面内の酸化速度、及び酸化層の厚さの制御性を従来よりも向上させることができる。
「第2の実施形態」
図7は、本発明の第2の実施形態に係る面発光レーザ200の概略構成を示す断面図である。
面発光レーザ200は、設計上の発振波長が780nm帯の面発光レーザであり、基板201上に、下部半導体DBR203、下部スペーサ層204、活性層205、上部スペーサ層206、上部半導体DBR207、コンタクト層209などの半導体層が、順次積層されている。また、図8は、活性層205近傍を拡大した図であり、図9は、上部半導体DBR207の一部を拡大した図である。
基板201は、n−GaAs単結晶基板である。
下部半導体DBR203は、n−AlAsからなる低屈折率層203aとn−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層203bのペアを40.5ペア有している。そして、低屈折率層と高屈折率層との間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層(図8参照)が設けられている。なお、各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、発振波長をλとするとλ/4の光学厚さとなるように設定されている。
下部スペーサ層204は、(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなる層である。
活性層205は、3層のGaInPAs量子井戸層205aと4層のGa0.6In0.4P障壁層205bとからなる層である。量子井戸層205aは、基板201に対して圧縮歪みを有する組成であり、バンドギャップ波長が約780nmである。また、障壁層205bは量子井戸層205aと格子整合し、引っ張り歪みを有している。
上部スペーサ層206は、(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなる層である。
下部スペーサ層204と活性層205と上部スペーサ層206とからなる部分は、共振器構造体とも呼ばれており、その厚さが1波長光学厚さとなるように設定されている。なお、活性層205は、高い誘導放出確率が得られるように、電界の定在波分布の腹に対応する位置である共振器構造体の中央に設けられている。
上部半導体DBR207は、低屈折率層と高屈折率層のペアを24ペア有している。そして、各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層(図9参照)が設けられている。
上部半導体DBR207における低屈折率層の1つには、p−AlAsからなる被選択酸化層208が厚さ30nmで挿入されている。この被選択酸化層208の挿入位置は、上部スペーサ層206から光学的に5λ/4離れている。被選択酸化層208が含まれる低屈折率層は、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、3λ/4の光学厚さとなるように設定されている。
また、被選択酸化層208、及び被選択酸化層208が含まれる低屈折率層の+Z側の組成傾斜層が、ともに電界強度分布の節に対応する位置となるように設定されている(図9参照)。
被選択酸化層208が含まれる低屈折率層を除く各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、λ/4の光学厚さとなるように設定されている。
被選択酸化層208の−Z側及び+Z側には、p−Al0.83Ga0.17Asからなる厚さ40nmの中間層207mが設けられている。
被選択酸化層208が含まれる低屈折率層における各中間層207mに隣接する層207c(以下では、「低屈折率層207c」という)は、p−Al0.75Ga0.25Asからなる層である。
上部半導体DBR207における被選択酸化層208が含まれる低屈折率層以外の低屈折率層207aは、p−Al0.9Ga0.1Asからなる層である。また、高屈折率層107bは、p−Al0.3Ga0.7Asからなる層である。
すなわち、被選択酸化層208は、上部半導体DBR207の低屈折率層の一部をなし、被選択酸化層208が含まれる低屈折率層は、被選択酸化層208に隣接する2つの中間層207mと、各中間層207mに隣接する2つの低屈折率層207cとを有している。そして、各中間層207mにおけるAlの含有率は、被選択酸化層208におけるAlの含有率よりも17%小さい。また、各低屈折率層207cにおけるAlの含有率は、被選択酸化層208におけるAlの含有率よりも25%小さい。
コンタクト層209は、p−GaAsからなる層である。
なお、図7における符号208aはAlの酸化層、符号208aは電流通過領域、符号211は保護層、符号212はポリイミド、符号213はp側の電極、符号214はn側の電極である。
面発光レーザ200は、上記面発光レーザ素子100と同様にして製造することができる。
以上説明したように、本第2の実施形態に係る面発光レーザ200によると、被選択酸化層208は、上部半導体DBR207の低屈折率層の一部をなし、被選択酸化層208が含まれる低屈折率層は、被選択酸化層208に隣接する2つの中間層207mと、各中間層207mに隣接する2つの低屈折率層207cとを有している。そして、各中間層207mにおけるAlの含有率は、被選択酸化層208におけるAlの含有率よりも17%小さい。また、各低屈折率層207cにおけるAlの含有率は、被選択酸化層208におけるAlの含有率よりも25%小さい。これにより、被選択酸化層208が選択酸化される際に、被選択酸化層208のXY面内の酸化速度、及び酸化層の厚さの制御性を向上させることができる。従って、容易に酸化層の厚さのばらつきを小さくすることが可能となる。すなわち、製造が容易で歩留まりを大きくすることができる。また、活性層に対する歪の影響を低減でき、長寿命化を図ることが可能となる。
また、被選択酸化層208が含まれる低屈折率層の光学厚さが3λ/4であるため、被選択酸化層208、及び被選択酸化層208が含まれる低屈折率層の+Z側の組成傾斜層をともに電界強度分布の節に対応する位置とすることができ、被選択酸化層208による回折損失、及び組成傾斜層による吸収損失をともに低減することができる。
なお、上記第1及び第2の実施形態では、レーザ発振方向に直交する断面でのメサ形状が正方形の場合について説明したが、これに限らず、例えば円形、楕円形、長方形など任意の形状であっても良い。
また、上記第1及び第2の実施形態では、メサを形成する際に、エッチング底面を下部スペーサ層中とする場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、エッチング底面が下部半導体DBRに達するまでエッチングしても良い。
また、上記第1及び第2の実施形態では、面発光レーザの発振波長が850nm帯及び780nm帯の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、650nm帯、980nm帯、1.3μm帯、1.5μm帯等の波長帯であっても良い。この場合、活性層を構成する半導体材料は、発振波長に応じた半導体材料を用いることができる。例えば、650nm帯ではAlGaInP系混晶半導体材料、980nm帯ではInGaAs系混晶半導体材料、1.3μm帯及び1.5μm帯ではGaInNAs(Sb)系混晶半導体材料を用いることができる。
《面発光レーザアレイ》
「第3の実施形態」
図10には、本発明の第3の実施形態に係る面発光レーザアレイ500の概略構成が示されている。
面発光レーザアレイ500は、複数(ここでは32個)の発光部が同一基板上に配置されている。
面発光レーザアレイ500は、図11に示されるように、M方向からS方向に向かって傾斜角α(0°<α<90°)をなす方向であるT方向に沿って8個の発光部が等間隔に配置された発光部列を4列有している。そして、これら4列の発光部列は、S方向に等間隔に配置されている。すなわち、32個の発光部は、T方向とS方向とにそれぞれ沿って2次元的に配列されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。
ここでは、2次元配列におけるS方向の発光部間隔dは24μm、M方向の発光部間隔Xは30μmである(図11参照)。また、32個の発光部をS方向に延びる仮想線上に正射影したときの間隔cは3μmである(図11参照)。
各発光部は、図11のA−A断面図である図12に示されるように、前述した面発光レーザ200と同様な構造を有している。
そして、面発光レーザアレイ500は、面発光レーザ200と同様な方法で製造することができる。
ところで、発光部と発光部の間の溝は、各発光部の電気的及び空間的分離のために、5μm以上とすることが好ましい。あまり狭いと製造時のエッチングの制御が難しくなるからである。また、メサの大きさ(1辺の長さ)は10μm以上とすることが好ましい。あまり小さいと動作時に熱がこもり、特性が低下するおそれがあるからである。
以上説明したように、本第3の実施形態に係る面発光レーザアレイ500は、面発光レーザ200が集積された面発光レーザアレイであるため、面発光レーザ200と同様な効果を有している。また、面発光レーザアレイ500では、各発光部における電流通過領域の面積、及び酸化層の厚さのばらつきが小さく、閾値電流、シングルモード出力、光発散角、寿命などの特性がそろっている。
ところで、酸化層の最大厚さと寿命との関係が図13に示されている。この図13は、前記比較例2の面発光レーザが集積された面発光レーザアレイを複数ロット製造し、それぞれの酸化層の最大厚さ及び寿命を測定したものである。図13におけるシンボルの違いは製造ロットの違いを示している。また、各発光部の光出力が一定となるように駆動電流をフィードバック制御し、少なくとも1つの発光部の駆動電流が最初の値の120%以上となったときの経過時間を寿命としている。
さらに、別の実験から、酸化層の最大厚さが60nmのときの寿命は、酸化層の最大厚さが80nmのときの寿命とほぼ同じであった。
これらのことから、酸化層の最大厚さは110nm以下であるのが好ましい。本第3の実施形態に係る面発光レーザアレイ500では、酸化層の最大厚さは70〜90nmであった。
また、酸化狭窄構造体における電流通過領域を取り囲む酸化層は、被選択酸化層のAlの酸化物及び中間層のAlの酸化物を含んでいるため、被選択酸化層の厚さと各中間層の厚さの合計は、110nm以下であるのが好ましい。
従って、面発光レーザアレイ500は、従来の面発光レーザアレイよりも製造が容易で歩留まりが大きく、長寿命である。
なお、上記第3の実施形態では、面発光レーザアレイ500が32個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
「第4の実施形態」
図14には、本発明の第4の実施形態に係る面発光レーザアレイ600の概略構成が示されている。
面発光レーザアレイ600では、複数(ここでは10個)の発光部が同一基板上に1次元配列されている。
面発光レーザアレイ600の各発光部は、設計上の発振波長が1.3μm帯の面発光レーザであり、図14のA−A断面図である図15に示されるように、基板301上に、下部半導体DBR303、下部スペーサ層304、活性層305、上部スペーサ層306、上部半導体DBR307、コンタクト層309などの半導体層が、順次積層されている。また、図16は、活性層305近傍を拡大した図であり、図17は、上部半導体DBR307の一部を拡大した図である。
基板301は、n−GaAs単結晶基板である。
下部半導体DBR303は、n−Al0.9Ga0.1Asからなる低屈折率層303aとn−GaAsからなる高屈折率層303bのペアを36.5ペア有している。そして、各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層が設けられている。なお、各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、発振波長をλとするとλ/4の光学厚さとなるように設定されている。
下部スペーサ層304は、GaAsからなる層である。
活性層305は、3層のGaInNAs量子井戸層305aと4層のGaAs障壁層305bとからなる層である。
上部スペーサ層306は、GaAsからなる層である。
下部スペーサ層304と活性層305と上部スペーサ層306とからなる部分は、共振器構造体とも呼ばれており、その厚さが1波長光学厚さとなるように設定されている。なお、活性層305は、高い誘導放出確率が得られるように、電界の定在波分布の腹に対応する位置である共振器構造体の中央に設けられている。
上部半導体DBR307は、低屈折率層と高屈折率層のペアを26ペア有している。そして、各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層が設けられている。
上部半導体DBR307における低屈折率層の1つには、p−AlAsからなる被選択酸化層308が厚さ20nmで挿入されている。この被選択酸化層308の挿入位置は、上部スペーサ層306から光学的に5λ/4離れている。被選択酸化層308が含まれる低屈折率層は、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、3λ/4の光学厚さとなるように設定されている。
被選択酸化層308が含まれる低屈折率層を除く各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、λ/4の光学厚さとなるように設定されている。
被選択酸化層308の−Z側及び+Z側には、p−Al0.8Ga0.2Asからなる厚さ35nmの中間層307mが設けられている。
被選択酸化層308が含まれる低屈折率層における各中間層307mに隣接する層307c(以下では、「低屈折率層307c」という)は、p−Al0.6Ga0.4Asからなる層である。
上部半導体DBR307における被選択酸化層308が含まれる低屈折率層以外の低屈折率層307aは、p−Al0.9Ga0.1Asからなる層である。また、高屈折率層307bは、p−GaAsからなる層である。
すなわち、被選択酸化層308は、上部半導体DBR307の低屈折率層の一部をなし、被選択酸化層308が含まれる低屈折率層は、被選択酸化層308に隣接する2つの中間層307mと、各中間層307mに隣接する2つの低屈折率層307cとを有している。そして、各中間層307mにおけるAlの含有率は、被選択酸化層308におけるAlの含有率よりも20%小さい。また、各低屈折率層307cにおけるAlの含有率は、被選択酸化層308におけるAlの含有率よりも40%小さい。
この面発光レーザアレイ600は、前述した面発光レーザ100と同様な方法で製造することができる。但し、メサの形状は円柱形状である。
以上説明したように、本第4の実施形態に係る面発光レーザアレイ600は、上記面発光レーザ100と類似した構造の発光部を複数有する面発光レーザアレイであるため、面発光レーザ100と同様の効果を有している。また、面発光レーザアレイ600では、各発光部における電流通過領域の面積、及び酸化層の厚さのばらつきが小さく、閾値電流、シングルモード出力、光発散角、寿命などの特性がそろっている。
従って、面発光レーザアレイ600は、従来の面発光レーザアレイよりも製造が容易で歩留まりが大きく、長寿命である。
なお、上記第4の実施形態では、面発光レーザアレイ600が10個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記第3及び第4の実施形態では、レーザ発振方向に直交する断面でのメサ形状が正方形及び円形の場合について説明したが、これらに限定されるものではなく、例えば楕円形あるいは長方形など任意の形状とすることができる。
また、上記第3及び第4の実施形態では、面発光レーザアレイの発振波長が780nm帯及び1.3μm帯の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、650nm帯、850nm帯、980nm帯、1.5μm帯等の波長帯であっても良い。
《画像形成装置》
「第5の実施形態」
図18には、本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングブレード1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060などを備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した上位機器(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、図18における矢印方向に回転するようになっている。
帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングブレード1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングブレード1035の順に配置されている。
帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面に、上位装置からの画像情報に基づいて変調された光束を照射する。これにより、画像情報に対応した潜像が感光体ドラム1030の表面に形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚づつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面上のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
クリーニングブレード1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031に対向する位置に戻る。
《光走査装置》
次に、前記光走査装置1010の構成について説明する。
この光走査装置1010は、一例として図19に示されるように、光源14、カップリングレンズ15、開口板16、アナモルフィックレンズ17、反射ミラー18、ポリゴンミラー13、偏向器側走査レンズ11a、像面側走査レンズ11b、及び走査制御装置(図示省略)などを備えている。そして、これらは、ハウジング30の中の所定位置に組み付けられている。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源14は、一例として上記面発光レーザアレイ500を備え、32本の光ビームを同時に出力することができる。ここでは、面発光レーザアレイ500は、前記M方向が主走査対応方向と一致し、前記S方向が副走査対応方向と一致するように配置されている。
カップリングレンズ15は、光源14から出力された光束を弱い発散光とする。光源14とカップリングレンズ15はアルミニウム製の保持部材に所定の位置関係で固定され、ユニット化されている。
開口板16は、開口部を有し、カップリングレンズ15を介した光束のビーム径を規定する。
アナモルフィックレンズ17は、開口板16の開口部を通過した光束を、反射ミラー18を介してポリゴンミラー13の偏向反射面近傍に副走査対応方向に関して結像する。
光源14とポリゴンミラー13との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。本実施形態では、偏向器前光学系は、カップリングレンズ15と開口板16とアナモルフィックレンズ17と反射ミラー18とから構成されている。
ポリゴンミラー13は、一例として内接円の半径が18mmの6面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー13は、副走査対応方向に平行な軸の周りを等速回転しながら、反射ミラー18からの光束を偏向する。
偏向器側走査レンズ11aは、ポリゴンミラー13で偏向された光束の光路上に配置されている。
像面側走査レンズ11bは、偏向器側走査レンズ11aを介した光束の光路上に配置されている。そして、この像面側走査レンズ11bを介した光束が、感光体ドラム1030の表面に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー13の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム1030上を走査する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。また、感光体ドラム1030の回転方向が「副走査方向」である。
ポリゴンミラー13と感光体ドラム1030との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。ここでは、走査光学系は、偏向器側走査レンズ11aと像面側走査レンズ11bとから構成されている。なお、偏向器側走査レンズ11aと像面側走査レンズ11bの間の光路上、及び像面側走査レンズ11bと感光体ドラム1030の間の光路上の少なくとも一方に、少なくとも1つの折り曲げミラーが配置されても良い。
この場合に、面発光レーザアレイ500では、各発光部をS方向に延びる仮想線上に正射影したときの発光部間隔が等間隔cであるので、点灯のタイミングを調整することで感光体ドラム1030上では副走査方向に等間隔で発光部が並んでいる場合と同様な構成と捉えることができる。
そして、上記間隔cが3μmであるため、光走査装置1010の光学系の倍率を約1.8倍とすれば、4800dpi(ドット/インチ)の高密度書込みができる。もちろん、T方向の発光部数を増加したり、前記間隔dを狭くして間隔cを更に小さくするアレイ配置としたり、光学系の倍率を下げる等を行えばより高密度化でき、より高品質の印刷が可能となる。なお、主走査方向の書き込み間隔は、発光部の点灯のタイミングで容易に制御できる。
また、この場合には、レーザプリンタ1000では書きこみドット密度が上昇しても印刷速度を落とすことなく印刷することができる。また、同じ書きこみドット密度の場合には印刷速度を更に速くすることができる。
また、面発光レーザアレイ500では、各発光部間の電流通過領域の大きさのばらつきや酸化層の厚さのばらつきが小さいので発光径や各特性がそろっており、感光体ドラム1030上でのビームスポット径を均一にすることができる。
以上説明したように、本第5の実施形態に係る光走査装置1010によると、光源14が上記面発光レーザアレイ500を備えているため、高コスト化を招くことなく、高密度の光走査を安定して行うことが可能となる。
また、本第5の実施形態に係るレーザプリンタ1000によると、光走査装置1010を備えているため、結果として、高コスト化を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
また、酸化が開始されるメサ外周部での酸化層の厚さが設計値以上に厚くなることはなく、面発光レーザアレイの寿命が格段に向上するので、書込みユニットもしくは光源ユニットの再利用が可能となる。
なお、上記第5の実施形態では、光源14が32個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記第5の実施形態において、前記面発光レーザアレイ500に代えて、該面発光レーザアレイ500における発光部と同様の発光部が1次元配列された面発光レーザアレイを用いても良い。
また、上記第5の実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光走査装置1010を備えた画像形成装置であれば、結果として、高コスト化を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、多色のカラー画像を形成する画像形成装置であっても、カラー画像に対応した光走査装置を用いることにより、高コスト化を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
例えば、図20に示されるように、カラー画像に対応し、複数の感光体ドラムを備えるタンデムカラー機1500であっても良い。
このタンデムカラー機1500は、ブラック用の「感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6」と、シアン用の「感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6」と、マゼンタ用の「感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6」と、イエロー用の「感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6」と、光走査装置1010Aと、転写ベルト1580と、定着ユニット1530などを備えている。
各感光体ドラムは、図20中の矢印の方向に回転し、回転順にそれぞれ帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットが配置されている。各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。この帯電装置によって帯電された感光体ドラム表面に光走査装置1010Aにより光が照射され、感光体ドラムに潜像が形成される。そして、対応する現像装置により感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、転写ベルト1580上の記録紙に各色のトナー像が転写され、最終的に定着ユニット1530により記録紙に画像が定着される。
光走査装置1010Aは、前記光源14と同様の光源を色毎に有している。そこで、上記光走査装置1010と同様の効果を得ることができる。また、タンデムカラー機1500は、光走査装置1010Aを備えているため、上記レーザプリンタ1000と同様の効果を得ることができる。
ところで、タンデムカラー機では、各部品の製造誤差や位置誤差等によって色ずれが発生する場合がある。このような場合であっても、光走査装置1010Aの各光源が前記面発光レーザアレイ500と同様な面発光レーザアレイを有しているため、点灯させる発光部を変更することで色ずれを低減することができる。
また、上記第5の実施形態において、前記光走査装置1010に代えて、上記面発光レーザアレイ500を含む光源を有する露光装置を用いても良い。この場合でも、上記レーザプリンタ1000と同様の効果を得ることができる。
《光伝送システム》
「第6の実施形態」
図21には、本発明の第6の実施形態に係る光伝送システム2000の概略構成が示されている。この光伝送システム2000は、光送信モジュール2001と光受信モジュール2005が光ファイバケーブル2004で接続されており、光送信モジュール2001から光受信モジュール2005への一方向の光通信が可能となっている。
光送信モジュール2001は、光源2002と、外部から入力された電気信号に応じて、光源2002から出力されるレーザ光の光強度を変調する駆動回路2003とを有している。
光源2002は、一例として前述した面発光レーザアレイ600を有している。
光源2002から出力された光信号は、光ファイバケーブル2004に結合し、該光ファイバケーブル2004を導波して光受信モジュール2005に入力される。なお、光ファイバケーブル2004は、一例として図22に示されるように、面発光レーザアレイ600の複数の発光部にそれぞれ対応する複数の光ファイバを有している。
光受信モジュール2005は、光信号を電気信号に変換する受光素子2006と、受光素子2006から出力された電気信号に対して信号増幅、及び波形整形等を行う受信回路2007とを有している。
本第6の実施形態に係る光送信モジュール2001によると、光源2002が前述した面発光レーザアレイ600を有しているため、高コスト化を招くことなく、高品質の光信号を安定して生成することが可能となる。
また、本第6の実施形態に係る光伝送システム2000によると、光送信モジュール2001を備えているため、高コスト化を招くことなく、高品質の光伝送を安定して行うことが可能となる。
そこで、光伝送システム2000は、家庭用、オフィスの室内用、機器内用等の短距離のデータ通信にも有効である。
また、均一な特性を有する複数の発光部が同一基板上に集積されているため、容易に、同時に多数ビームによるデータ伝送が可能となり、高速通信ができる。
さらに、面発光レーザは低消費電力で動作するので、特に機器の中に組み込んで利用した場合、温度上昇を低減させることができる。
なお、上記第6の実施形態では、発光部と光ファイバとを1対1に対応させる場合について説明したが、発振波長の異なる複数の発光部を用いて波長多重送信することにより、伝送速度をさらに増大させることも可能である。
また、上記第6の実施形態では、一方向通信の構成例を示しているが、双方向通信の構成をとることもできる。
以上説明したように、本発明の面発光レーザ及び面発光レーザアレイによれば、従来よりも製造が容易で歩留まりが大きく、長寿命化を図るのに適している。また、本発明の光走査装置によれば、高コスト化を招くことなく、高密度の光走査を安定して行うのに適している。また、本発明の画像形成装置によれば、高コスト化を招くことなく、高品質の画像を安定して形成するのに適している。また、本発明の光伝送モジュールによれば、高コスト化を招くことなく、高品質の光信号を安定して生成するのに適している。また、本発明の光伝送システムによれば、高コスト化を招くことなく、高品質の光伝送を安定して行うのに適している。
本発明の第1の実施形態に係る面発光レーザの概略構成を説明するための図である。 図1における活性層近傍を拡大した図である。 図1における上部半導体DBRの一部を拡大した図である。 図1における上部半導体DBRの比較例1を説明するための図である。 図1における上部半導体DBRの比較例2を説明するための図である。 図1における上部半導体DBRの変形例を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る面発光レーザの概略構成を説明するための図である。 図7における活性層近傍を拡大した図である。 図7における上部半導体DBRの一部を拡大した図である。 本発明の第3の実施形態に係る面発光レーザアレイを説明するための図である。 図10における発光部の2次元配列を説明するための図である。 図11のA−A断面図である。 酸化層の最大厚さと寿命との関係を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態に係る面発光レーザアレイを説明するための図である。 図14のA−A断面図である。 図15における活性層近傍を拡大した図である。 図15における上部半導体DBRの一部を拡大した図である。 本発明の第5の実施形態に係るレーザプリンタの概略構成を説明するための図である。 図18における光走査装置を示す概略図である。 タンデムカラー機の概略構成を説明するための図である。 本発明の第6の実施形態に係る光伝送モジュール及び光伝送システムの概略構成を説明するための図である。 図21における光ファイバケーブルを説明するための図である。
符号の説明
11a…偏向器側走査レンズ(走査光学系の一部)、11b…像面側走査レンズ(走査光学系の一部)、13…ポリゴンミラー(偏向器)、14…光源、100…面発光レーザ、103…下部半導体DBR(半導体分布ブラッグ反射鏡の一部)、104…下部スペーサ層(共振器構造体の一部)、105…活性層、106…上部スペーサ層(共振器構造体の一部)、107…上部半導体DBR(半導体分布ブラッグ反射鏡の一部)、107a…低屈折率層、107b…高屈折率層、107c…低屈折率層(第2の層)、107m…中間層(第1の層)、108…被選択酸化層、108a…酸化層、108b…電流通過領域、200…面発光レーザ、203…下部半導体DBR(半導体分布ブラッグ反射鏡の一部)、204…下部スペーサ層(共振器構造体の一部)、205…活性層、206…上部スペーサ層(共振器構造体の一部)、207…上部半導体DBR(半導体分布ブラッグ反射鏡の一部)、207a…低屈折率層、207b…高屈折率層、207c…低屈折率層(第2の層)、207m…中間層(第1の層)、208…被選択酸化層、208a…酸化層、208b…電流通過領域、303…下部半導体DBR(半導体分布ブラッグ反射鏡の一部)、304…下部スペーサ層(共振器構造体の一部)、305…活性層、306…上部スペーサ層(共振器構造体の一部)、307…上部半導体DBR(半導体分布ブラッグ反射鏡の一部)、307a…低屈折率層、307b…高屈折率層、307c…低屈折率層(第2の層)、307m…中間層(第1の層)、308…被選択酸化層、308a…酸化層、308b…電流通過領域、500…面発光レーザアレイ、600…面発光レーザアレイ、1000…レーザプリンタ(画像形成装置)、1010…光走査装置、1010A…光走査装置、1030…感光体ドラム(像担持体)、1500…タンデムカラー機(画像形成装置)、2000…光伝送システム、2001…光送信モジュール(光伝送モジュール)、2002…光源、2003…駆動回路(駆動装置)、2004…光ファイバケーブル(光伝達媒体)、2006…受光素子(変換器の一部)、2007…受信回路(変換器の一部)、K1,C1,M1,Y1…感光体ドラム(像担持体)。

Claims (14)

  1. 活性層を含む共振器構造体、低屈折率層と高屈折率層を組として複数の組からなり前記共振器構造体を挟んで設けられた半導体分布ブラッグ反射鏡、及びアルミニウムを含む被選択酸化層の選択酸化によって形成された狭窄構造体を有する面発光レーザにおいて、
    前記被選択酸化層は、前記半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率層の一部をなし、
    前記被選択酸化層が含まれる低屈折率層は、前記被選択酸化層の一側及び他側の少なくともいずれかに隣接する第1の層と、該第1の層に隣接する第2の層とを有し、
    前記第1の層におけるアルミニウムの含有率は、前記被選択酸化層におけるアルミニウムの含有率よりも小さく、前記第2の層におけるアルミニウムの含有率よりも大きいことを特徴とする面発光レーザ。
  2. 前記被選択酸化層の厚さと前記第1の層の厚さの合計は110nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ。
  3. 前記狭窄構造体は、電流通過領域と、該電流通過領域を取り囲む酸化層とを有し、
    前記酸化層は、前記被選択酸化層の一部が酸化された酸化物、及び前記第1の層の一部が酸化された酸化物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の面発光レーザ。
  4. 前記酸化層は、最も厚い部分の厚さが110nm以下であることを特徴とする請求項3に記載の面発光レーザ。
  5. 前記被選択酸化層が含まれる低屈折率層の光学厚さは、発振波長λ、1以上の整数nを用いて、(2n+1)λ/4であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  6. 前記被選択酸化層におけるアルミニウムの含有率と前記第1の層におけるアルミニウムの含有率との差は、5%以上であり、かつ20%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  7. 前記被選択酸化層におけるアルミニウムの含有率と前記第2の層におけるアルミニウムの含有率との差は、20%を超えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の面発光レーザが集積された面発光レーザアレイ。
  9. 光によって被走査面を走査する光走査装置であって、
    請求項8に記載の面発光レーザアレイを有する光源と;
    前記光源からの光を偏向する偏向器と;
    前記偏向器で偏向された光を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備える光走査装置。
  10. 像担持体と;
    前記像担持体に対して画像情報が含まれる光を走査する請求項9に記載の光走査装置と;を備える画像形成装置。
  11. 像担持体と;
    請求項8に記載の面発光レーザアレイと;
    画像情報に応じて前記面発光レーザアレイを駆動し、前記像担持体を露光する露光装置と;を備える画像形成装置。
  12. 前記画像情報は、多色のカラー画像情報であることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成装置。
  13. 入力される電気信号に応じた光信号を生成する光伝送モジュールであって、
    請求項8に記載の面発光レーザアレイと;
    前記面発光レーザアレイを、前記入力される電気信号に応じて駆動する駆動装置と;を備える光伝送モジュール。
  14. 請求項13に記載の光伝送モジュールと;
    前記光伝送モジュールで生成された光信号を伝達する光伝達媒体と;
    前記光伝達媒体を介した光信号を電気信号に変換する変換器と;を備える光伝送システム。
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