JP2010010542A - 電子機器の壁掛け構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子機器の壁掛け構造において、外観の見映えが悪くならないようにし、かつ筺体を組み立てるための作業時間を短縮させる。
【解決手段】 リアーケース3の背面板21には、壁52にねじ止めするための挿通孔が設けられ、上面板24の内側にはフロントケース2の係合溝18が係合する係合突起28が突設されている。リアーケース3の底面板31には、係合片37を収納する凹部32が設けられ、凹部32は蓋41によって覆われる。凹部32にねじ39によってねじ止めされた係合片37の先端部37bは、フロントケース2に固定された仕切部材4の係合部材48に係合し、両ケース2,3が結合される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電子機器を家屋の壁や支柱等に掛ける電子機器の壁掛け構造に関するものである。
従来の電子機器の壁掛け構造としては、特許文献1に示されたものがある。これを図8に基づいて説明する。同図に全体を符号101で示す電子機器は、背面側が開口したフロントケース102と、このフロントケース102の開口を覆うようにフロントケース102にねじ止めされるリアーパネル103とを備え、リアーパネル103の上下には壁掛け用の支持片104,105が突設されている。このような構成において、フロントケース102に立設したスタッド106に、リアーケース103に設けた挿通孔107から挿通させたねじを螺合させることにより、フロントケース102にリアーケース103を取り付けて筺体を形成する。筺体形成後に、リアーパネル103を壁に対接させ、支持片104のフック孔104aと支持片105の支持孔105aに挿通させたねじを壁(いずれも図示せず)にねじ込むことにより、電子機器1を壁に掛けるようにしていた。
特開2006−203127号公報
上述した従来の電子機器の壁掛け構造においては、壁掛け用の支持片104,105がリアーパネル103の輪郭からはみ出た構造であるため、電子機器1を壁に掛けた状態でこれら支持片104,105が視認されることになり、外観の見映えが悪いという問題があった。また、フロントケース102にリアーパネル103を取り付けるのに、複数本のねじを必要とするため、ねじの本数分だけ作業時間が余計にかかるという問題もあった。
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、外観の見映えが悪くならないようにし、かつ筺体を組み立てるための作業時間を短縮させた電子機器の壁掛け構造を提供するところにある。
この目的を達成するために、本発明は、前面板とこの前面板の周縁から突設され枠状に形成された囲い壁とによって背面側が開口したフロントケースと、背面板とこの背面板の周縁から突設され枠状に形成された囲い壁とによって前面側が開口し背面板が支持部材に支持されるリアーケースとを備え、互いの開口を覆うように前記リアーケースの囲い壁によって前記フロントケースの囲い壁を囲むように両ケースを結合させた電子機器の壁掛け構造において、前記リアーケースの背面板に、当該背面板の内側から前記支持部材にねじ止めするためのねじを挿通させる挿通孔を設け、前記フロントケースの囲い壁の上面板と前記リアーケースの囲い壁の上面板とに、フロントケースの回動支点部を設け、前記リアーケースの囲い壁の底面板に凹部を設け、この凹部に上下方向に移動自在に支持される係合片を設け、この係合片を凹部にねじ止めすることにより当該係合片が係合し前記フロントケースの前記回動支点部を中心とした回動を規制する係合部を前記フロントケース側に設けたものである。
本発明は、前記発明において、前記凹部に着脱自在に取り付けられ当該凹部を覆う蓋を備えたものである。
本発明によれば、支持部材に取り付けられた電子機器は、係合片がリアーケースの凹部内に収容されるととも、従来のようにリアーケースの周縁に壁掛け用の支持片を設ける必要がないため、正面側から視てリアーケースの囲い壁の周縁から露呈するものがないから、外観の見映えを損なうようなことがない。また、一本のねじによって係合片を凹部にねじ止めする作業だけで両ケースを結合することができるため、組立作業が容易になるとともに組立の作業時間を短縮することができる。
前記発明のうちの一つの発明によれば、凹部を覆う蓋を設けたことにより、外観の見映えを損なうようなことがない。
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図7に基づいて説明する。図1に全体を符号1で示す電子機器は、フロントケース2と、このフロントケース2とともに筺体を形成するリアーケース3と、これら両ケース2,3間に設けられた仕切部材4とによって概ね構成されている。フロントケース2は、正方形に形成された前面板11と、この前面板11の周縁から一体に突設され枠状に形成された囲い壁12とによって背面側に開口部13を有する有底角筒状に形成されている。
囲い壁12を構成している上面板14には、両側面板15,16間に延在する二つの凸条体17,17が互いに平行となるように一体に突設されて並設されている。18は凸条体17と平行で両側面板15,16間に延在するように上面板14に凹設された係合溝である。囲い壁12の内側には、全周にわたって段部12aが設けられており、前面板11の四隅には、四本のスタッド20が一体に突設されている。
リアーケース3は、正方形に形成された背面板21と、この背面板21の周縁から一体に突設され枠状に形成された囲い壁22とによって前面側に開口部23を有する有底角筒状に形成されている。囲い壁22を構成している上面板24の内側には、図4に示すように両側面板25,26間に延在し上記した二つの凸条体17,17が嵌合する嵌合凹部27が凹設されている。28は上記した係合溝18に係合する係合突起であって、両側面板25,26間に延在するように上面板24の内側に突設されている。
図1において、29は背面板21の上下に設けられたねじ挿通孔である。図1および図3において、30,30は囲い壁22を構成している底面板31の両側部に設けられた排水口であって、後述するようにリアーケース3にフロントケース2を結合することにより排水路47の下端と連通される。
底面板31の略中央部には、図3に示すように凹部32が設けられており、この凹部32の底部32aには、図5に示すように細長い長方形に形成された挿通溝32bと、この挿通溝32bの両側に一対の係合孔32c,32cとが設けられている。挿通溝32bに対応して、背面板21には、平面視U字状に形成されねじ穴33aが設けられた案内凸部33が突設されている。34,34は案内凸部33を挟むように背面板21に突設された載置片であって、背面板21からの突設高さが案内凸部33よりも低く形成されている。35は凹部32の底部32aに一体に突設された取付体であって、図3に示すように後述するねじ39が螺合するねじ筒36が埋設されている。
図5において、37はU字状溝37aを有する係合片であって、基部38が直角に折曲形成されており、基部38の延設部38aにはねじ39が螺合している。U字状溝37aの幅W2は、上記した案内凸部33の幅W1よりもわずかに大きく形成されている。このような構成において、係合片37を凹部32の挿通溝32bを通してリアーケース3内に挿入し、案内凸部33にU字状溝37aを嵌入させるようにして載置片34上に載置する。次いで、鍔付きのねじ40を案内凸部33のねじ穴33aに螺合することにより、係合片37は、U字状溝37aが案内凸部33に案内されるようにして上下方向(矢印A−B方向)に移動自在に支持される。この状態で、ねじ39を取付体35のねじ筒36に螺合させることにより、係合片37が矢印A方向に移動し、基部38が凹部32の底部32aに取り付けられるとともに凹部32内に収容される。41は凹部32に着脱自在に取り付けられ当該凹部32を覆う蓋であって、両側部に互いに対向する一対の弾性係合片41a,41aが一体に突設されており、これら弾性係合片41a,41aのそれぞれの自由端部には、係合孔32c,32cに係合する係合爪41b,41bが設けられている。
仕切部材4は、図1に示すように枠状に形成されたベース部42と、このベース部42の中央部に有底角筒状に一体に形成された電池収納部43とからなり、ベース部42の四隅にはねじ挿通孔44が設けられている。ベース部42の外形寸法は、フロントケース2の開口部13の外形寸法よりもわずかに小さく設定されている。ベース部42の上側(矢印A方向)には、中央部から両側に向かって下方に傾斜した屋根45が設けられており、この屋根45の両側端部には、この屋根45に連設された一対の堤46,46が下方(矢印B方向)に向かって延設されている。これら堤46,46は、後述するようにリアーケース3にフロントケース2が結合されることにより、リアーケース3の両側面板25,26とによって、屋根45によって導かれた雨水を下方に導く排水路47,47を形成する。
ベース部42の下側の略中央部には、図6に示すように断面コ字状に形成された係合部材48が突設されており、この係合部材48には、後述するように係合片37を矢印A方向へ移動させた際に、この係合片37の先端部37bを係合部材48内に導入する導入口48aが設けられている。このような構成において、図4に示すようにフロントケース2とリアーケース3の互いの開口13,23を覆った状態で、図5に示すようにねじ39を取付体35のねじ筒36に螺合させることにより、係合片37の先端部37bが導入口48aから係合部材48内に進入する。係合部材48内に進入した係合片37の先端部37bは、係合部材48の係合部48bに係合することにより、図4に示すようにフロントケース2がリアーケース3の係合突起28を回動中心とした図中時計方向への回動が規制され、フロントケース2とリアーケース3とが結合される。図1において、49はベース部42の前面側に貼着されたシール部材である。
次に、このように構成された電子機器の組立方法および壁に取り付ける方法について説明する。先ず、図1に示すように、仕切部材4をフロントケース2の開口13からフロントケース2内に嵌入させ、シール部材49を介して仕切部材4のベース部42の周端縁をフロントケース2の段部12aに対接させる。次いで、仕切部材4のねじ挿通孔44から挿通させたねじ50をフロントケース2のスタッド20に螺合させることにより、仕切部材4をフロントケース2に取り付ける。この状態で、図7に示すように、側面視において仕切部材4の屋根45および堤46が、フロントケース2の開口13から突出している。
次いで、リアーケース3の背面板21を壁52に対接させ、ねじ51を背面板21のねじ挿通孔29を挿通させ支持部材としての壁52にねじ込むことにより、リアーケース3を壁52に取り付ける。次に、仕切部材4を取り付けたフロントケース2を傾け、上面板14をリアーケース3の開口部23からリアーケース3内に差し入れ、リアーケース3の係合突起28にフロントケース2の係合溝18を係合させる。この状態で、係合突起28を回動中心としてフロントケース2を図中反時計方向に回動させることにより、フロントケース2の底面板19をリアーケース3の底面板1に対向させるようにして、フロントケース2の背面側をリアーケース3内に収容する。
次いで、ドライバーをリアーケース3の下方から凹部32に差し入れ、図4に示すようにねじ39を取付体35のねじ筒36に螺合させることにより、係合片37が矢印A方向に移動するので、係合片37の先端部が係合部材48の導入口48aから係合部材48内に進入し係合部48bに係合する。したがって、フロントケース2とリアーケース3とは、上部において係合突起28が係合溝18に係合し、下部において係合片37が係合部材48の係合部48bに係合することにより、リアーケース3の囲い壁22がフロントケース2の囲い壁12を囲むようにして結合される。両ケース2,3を結合させることにより、フロントケース2の堤46,46とリアーケース3の両側面板25,26とによって、屋根45によって導かれた雨水を下方に導く排水路47,47が形成される。このように、一本のねじ39をねじ込む作業だけで両ケース2,3を結合することができるため、組立作業が容易になるとともに組立の作業時間を短縮することができる。
また、壁52に取り付けられた電子機器1は、図4に示すように係合片37の基部38がリアーケース3の凹部32内に収容されるととも、従来のようにリアーケース3の周縁に壁掛け用の支持片を設ける必要がないため、正面側(矢印C方向)から視てリアーケース3の囲い壁22の周縁から露呈するものがないから、外観の見映えを損なうようなことがない。
また、複数の凸条体17とこれら凸条体17が嵌合する嵌合凹部27とによって、互いの囲い壁12の上面板14と囲い壁22の上面板24との間に形成される隙間から浸入する雨水等に対する防水距離が長くなるため、水密性が高くなり防水性が向上する。また、防水のための専用の部品を必要としないばかりか、両ケース2,3を組み付けることにより防水性を向上させることができるため、部品点数と組立工数を削減することができる。また、仮に装置内に雨水等が浸入したとしても、雨水は屋根45を介して排水路47に導かれ排水口30から装置の外部に排水することができる。
最後に、図1および図5に示すように、蓋41の弾性係合片41a,41aを弾性変形させながら、係合爪41b,41bを凹部32の係合孔32c,32cに係合させることにより、蓋41を凹部32に取り付け、蓋41によって凹部32を覆う。このように凹部32を着脱自在に覆う蓋41を設けたことにより、外観の見映えを損なうようなことがない。
本発明に係る電子機器を分解して示す斜視図である。 本発明に係る電子機器のリアーケースを取り外した状態での背面図である。 本発明に係る電子機器のリアーケースを一部破断して示す正面図である。 図2におけるIV-IV 線断面図で、本発明に係る電子機器を壁に取り付けた状態を示す。 本発明に係る電子機器のリアーケースに係合片を組み付ける状態を説明するために、リアーケースを正面側から視た要部の斜視図である。 本発明に係る電子機器の仕切部材に係合片を係合させる動作を説明するために、仕切部材を正面側から視た要部の斜視図である。 本発明に係る電子機器を壁に取り付ける方法を説明するための断面図である。 同図(A)は従来の電子機器の壁掛け構造を分解して示す斜視図、同図(B)は同じくリアーケースの平面図である。
符号の説明
1…電子機器、2…フロントケース、3…リアーケース、4…仕切部材、12,22…囲い壁、13,23…開口部、17…凸条体、18…係合溝、27…嵌合凹部、28…係合突起、29…ねじ挿通孔、30…排水口、32…凹部、37…係合片、41…蓋、45…屋根、47…排水路、48…係合部材、52…壁(支持部材)。

Claims (2)

  1. 前面板とこの前面板の周縁から突設され枠状に形成された囲い壁とによって背面側が開口したフロントケースと、背面板とこの背面板の周縁から突設され枠状に形成された囲い壁とによって前面側が開口し背面板が支持部材に支持されるリアーケースとを備え、互いの開口を覆うように前記リアーケースの囲い壁によって前記フロントケースの囲い壁を囲むように両ケースを結合させた電子機器の壁掛け構造において、
    前記リアーケースの背面板に、当該背面板の内側から前記支持部材にねじ止めするためのねじを挿通させる挿通孔を設け、
    前記フロントケースの囲い壁の上面板と前記リアーケースの囲い壁の上面板とに、フロントケースの回動支点部を設け、
    前記リアーケースの囲い壁の底面板に凹部を設け、この凹部に上下方向に移動自在に支持される係合片を設け、この係合片を凹部にねじ止めすることにより当該係合片が係合し前記フロントケースの前記回動支点部を中心とした回動を規制する係合部を前記フロントケース側に設けたことを特徴とする電子機器の壁掛け構造。
  2. 前記凹部に着脱自在に取り付けられ当該凹部を覆う蓋を備えたことを特徴とする請求項1記載の電子機器の壁掛け構造。
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