JP2010009069A - 閃光制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の閃光制御装置は、光信号及び閃光発光可能な信号発光部17と、装着された外部電源装置70から電力供給される状態かを判定する電力判定部51,52と、信号発光部が光信号発光後に撮影時の閃光発光を行うかを判定する閃光判定部31と、電力判定部と閃光判定部との判定結果により信号発光部の光信号強度を決定する通信強度決定部38,54を備え、通信強度決定部は、外部電源装置が非装着且つ信号発光部が閃光発光を行う場合、閃光発光に必要なエネルギを鑑みた上で光信号の強度を第1強度に決定し、外部電源装置が非装着且つ信号発光部が閃光発光を行わない場合、光信号の強度を第1強度よりも大きな発光強度に決定し、外部電源装置が装着の場合、信号発光部による閃光発光の有無にかかわらず、光信号の強度を第1強度よりも大きな発光強度に決定する。
【選択図】 図2
Description
また、この特許文献1には、コンデンサの充電状態を検出し、検出された充電状態に応じて光通信の発光量を制御する装置についても提案されている。
しかし、撮影のための閃光発光部と光送信部が兼用の場合には、光通信の強度を強くすると撮影時に利用できるエネルギが減ってしまい、撮影時に発光できる光量が減ってしまうという問題があった。
従来では、光通信の発光強度を強くできる場合や、強くする必要がある場合を適切に判別して柔軟に光通信強度を変化させることができなかった。
さらに、上述の特許文献1では、通信時の発光についての記述はあるが、本発光時の照明光に関しては、考慮されておらず、特にエネルギ容量(コンデンサ容量)の少ない小型の閃光器やカメラ内蔵型の閃光器等では、本発光時の照明光にエネルギを多く消費すると光通信が不可能となり、逆に、光通信にエネルギを多く消費すると本発光時の照明光量が不足したり発光不能となったりするという問題があった。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態におけるカメラの多灯閃光制御システムの光学系を示した図である。
この多灯閃光制御システムは、カメラ本体30,撮影レンズ本体40,マスター閃光発光器(以下、マスターSBと呼ぶ)50及びスレーブ閃光発光器(以下、スレーブSBと呼ぶ)60等によって構成される。
また、それぞれの領域は、図3(b)に示すように、R(赤)G(緑)B(青)の3色の測光セルを持ち、それぞれの色に分解して測光可能になっている。
シャッター11で反射、拡散された一部の光束は、調光用レンズ14を通して調光素子15へ再結像されて、閃光測光が行われる。本発光時には、シャッター11を開き、例えば、CCD等によって構成される撮像素子12の受光面上に光束を結像させる。
また、スレーブSB60は、第2閃光発光部19と、自身の発光量をモニターする第2発光モニター部20と、受光部21とから構成される。
カメラ本体30内の制御は、全てマイクロプロセッサであるカメラマイコン31によって行われる。この制御は、以下に示す、測光・露出関連、オートフォーカス関連、マスターSB制御関連、スレーブSB制御関連に大別される。
定常光測光部32は、図3に示したように、被写界を22×15の330領域に分割して測光する回路であり、その測光出力は、カメラマイコン31へ出力される。カメラマイコン31は、定常光測光部32からの出力と、撮影レンズ40に設けられたレンズマイコン41内に格納された撮影レンズ(レンズ光学系)1の開放F値、焦点距離、射出瞳位置などのレンズ情報、感度設定部34からの撮像素子12の感度情報等に基づいて、定常光露出に関する適正露出値を算出し、それを絞り値とシャッター値とに分解して、絞り制御部37やシャッター11へ出力する。絞り制御部37は、レリーズスイッチ35からのレリーズ信号に応じて、絞り10の絞り込み/復帰の制御を行う。
焦点検出部16は、図4に示したように、被写界の5領域についての焦点状態を検出する。その情報は、カメラマイコン31で処理され、レンズ駆動量となってレンズ駆動部36へ出力され、更に、レンズ本体40内のレンズ光学系1を合焦状態まで駆動する。
カメラマイコン31は、測光値、絞り値、感度値、距離値、閃光発光部のバウンス状態などに基づいて、閃光測光部33の設定ゲインを算出してゲイン設定を行う。その後に、カメラマイコン31は、マスターSB50本体内のSBマイコン51を通じて閃光発光部17を予備発光させ、閃光測光部33は、その被写体反射光量に応じた光電流を積分する。カメラマイコン31は、その積分値を基にして、本発光量指示値を算出し、再び、SBマイコン51へ本発光指示値を出力する。
また、SBマイコン51は、電源検出部52と共に、閃光発光部17の発光に利用可能な電力の供給状態を判定する電力判定部としても働き、外部電源装置であるパワーパック70が装着されたことを検出することができる。
カメラマイコン31は、マスターSB50本体内のSBマイコン51を通じて閃光発光部17、又は、第2閃光発光部19を予備発光させ、定常光測光部32によってその被写体反射光量に応じた光電流を積分する。その積分値を基に本発光量指示値を算出し、再びSBマイコン51へ本発光指示値を出力する。SBマイコン51は、その本発光量指示値と自ら発光モニター部18によって測光した予備発光値とから本発光量を算出し、撮影時の発光トリガ信号(X信号)によって発光し発光量を適正光量に制御する。
図3(b)は、それぞれの測光領域がRGBの3色の測光領域に分割されているところを示した図である。
図4(b)は、焦点検出部16の光学系を詳しく示した図である。撮影レンズ1、視野マスク16a、フィールドレンズ16b、セパレータレンズ16c、AF用センサ16dからなる。
ISは、蓄積開始/終了を行う端子、DAは、各領域のアンプ・ゲインを入力する端子、ADは、各領域の測光積分値の出力端子である。
レリーズ信号が入力されて絞り込みが完了すると、閃光測光部33のゲイン設定(ゲイン設定1)が行われる。その後、閃光発光部17及び閃光測光部33のウォーム・アップのために、小発光のカラ打ちが2発行われた後に、IS端子が立ち下げられて積分(積分1)が開始されると同時に予備発光が行われる。
なお、図10以降のタイミングチャートにおいては、説明を簡単にするために定常光積分動作についての記述は省略する。
図10に示した例は、マスターSB50、スレーブSB60共にAグループの場合である。これをマスター(A)、スレーブ(A)と表すことにする。
図13は、光信号のパルスとその意味について説明した図である。
なお、予備発光時のデータ(予備発光コマンド)と本発光時の1バイト目のデータ(本発光コマンド)は同じフォーマットである。
本実施形態における光信号は、チョップ発光があれば1,チョップ発光がなければ0と定義して1ビットの信号として、これを8つ並べて1バイトの光信号を構成している。
先頭の1ビットは、何もないとタイミングを計ることができないので、この先頭の1ビットは必ず発光する。
さらに次の2ビットが、モードといって、本発光のコマンドなのか、予備発光のコマンドなのか、を示す部分である。スレーブSBにとっては、このようなコードが突然くるので、何のコマンドなのかをここに示しておくことにより、コマンドの内容を判別することができる。
最後の2ビットでは、チャンネル(CH)指定(0〜3)を行う。CH指定とは、例えば他人が同じセットを持っていて、隣どうして使ったときなどに別々のCH指定をすることにより、誤作動を防止するためのものである。
図9の本発光コマンドに続く本発光量データは、後述するKGNA(8ビットデータ)をパルス化して付加するものである。なお、データのフォーマットはA〜Cグループで共通である。
図11は、マスターSB50にスレーブSB60を2つ追加して、A,Bの2グループとした場合のタイミングチャートを簡単に示した図である。
図12は、マスターSB50にスレーブSB60を3つ追加して、A,B,Cの3グループとした場合のタイミングチャートを簡単に示した図である。
グループが2つの場合には、本発光コマンドに続く光信号は、2バイト続き、3グループの場合には、3バイト続くようになっている。各スレーブSBは、自分が何グループかというのが判っているので、例えば、Aグループであれば、本発光コマンドの次の1バイトが自分の発光量データであるとし、Bグループであれば、本発光量コマンドの次の次の、2個目のデータが自分の発光量データとする。Cグループなら3つ目を自分の発光量データとする。
光信号の総発光量(GN)=2×√(104)=20.4
GN20.4は、小さめのSBでは、フル発光に相当する量となってしまう。したがって、光信号にエネルギを使いすぎると、照明に使用可能なエネルギが少なくなり、十分な照明を行うことができなくなってしまう。
S101では、カメラの撮影前処理を行う。詳細は後述する。
S102では、レリーズが全押しされたか否かを判定する。レリーズが全押しされた場合には、S103へ進み、レリーズが全押しされていない場合には、S119へ進む。
S103では、増灯モードであるか否かの判断を行う。増灯モードの場合には、S104へ進み、増灯モードでない場合には、S113へ進む。
S104では、Aグループの予備発光を行う。詳細は後述する。
S106では、Bグループの予備発光を行う。詳細は後述する。
S107では、Cグループが設定されているか否かを判定する。Cグループがある場合には、S108へ進み、Cグループがない場合には、S109へ進む。
S108では、Cグループの予備発光を行う。詳細は後述する。
まず、Aグループの場合を説明する。
はじめに、以下に示すGV[i]を求める。ここで、i=1〜5の整数であり、図3のB1〜B5に対応している。
GV[i]は、標準反射率被写体に対して基準露光量を与えるガイドナンバーを単位EVに変換したものである。以下の(式1)によって求められる。
GV[i]=Log2(GNpreA^2)+log2(AD0[i]/AD[i])+(AV−AV0) ・・・(式1)
GNpreA:予備発光時のガイドナンバー
AD0[i]:適正光量時の各エリアB[i](i=1〜5)の測光値(エリア内の平均値)AD[i]:定常光値を引いた予備発光時の各エリアB[i](i=1〜5)の測光値(エリア内の平均値)
AV:制御絞り値(APEX値)
AV0:開放F値(APEX値)
RefEV[i]=2*X+AV−GV[i] (i=1〜5) ・・・(式2)
X:撮影距離(単位:m)
AV:撮影絞り値(単位:AV)
ここでRefEV[i]は、反射率が標準値であった場合は0、反射率が標準よりも+1段高かった場合は+1、同様に−1段では−1となる変数である。
RefG[i]=1/(2^(Abs(RefG[i]))) (i=1〜5) ・・・(式3)
ただし、Abs()は、()内の絶対値を求める関数である。
図17は、標準反射率からの差とRefG[i]との関係を示す図である。
RefG[i]は、図17に示すように被写体の反射率が標準値の場合には1、また、標準値からから離れるに従って小さくなっていく変数である。
wt[i]=RefG[i]/Σ(RefG[i]) (i=1〜5) ・・・(式4)
ただし、Σ()は、()内の変数RefG[i](i=1〜5)の総和を求める関数である。
RefMain=log2(Σ(wt[i]*2^RefEV[i])) (i=1〜5) ・・・(式5)
ただし、Σ()は数式16と同様の関数、log2は2の対数を表す関数である。
deltaY=krm*RefMain ・・・(式6)
図18は、反射率とdeltaYとの関係を示す図である。ここで、krmは、反射率の補正度合いを調節する定数でありkrm=0.5程度の数値を用いるが、必要に応じて変更可能にしてもよい。
K=Σ(2^(GV[i])*wt[i])/(GNpre^2) ・・・(式7)
KGNA=12*(log2(K))+deltaY)+128 ・・・(式8)
まず、図3のB1〜B5の各エリアに対して定常光成分を除去した測光値を求める(S401)。次に、B及びCグループのそれぞれの測光値において、被写体エリア内から、輝度の最も高いピークエリアを検出する(S402)。B及びCグループのときは、増灯撮影の特徴からして、一番明るい部分が、適正になるように計算を行うことが望ましい。
図22に示す状態では、A〜Cの各グループが別々の被写体75,76,77を照明しており、各グループのSBは、被写界上の一部分しか照明していない。このように、スレーブSBは、被写体全体を照明するものではなく、ある一部に光を当てることが多く、画面全体が照明されている保証がない。したがって、一番明るいエリアを適正にすることで、最適な露出値とすることができる。S403では、ピークエリアについて適正光量となるように、以下の(式9),(式10)により本発光量倍数データKGNBCを算出する。
GNpreBC:それぞれのグループの予備発光時ガイドナンバー
AD0BC:適正光量時の測光値
ADBC:定常光値を引いた各予備発光時の測光ピーク値(全エリア内の最高値)
AV:制御絞り値(APEX値)
AV0:開放F値(APEX値)
S111では、ミラーアップ、絞り込みを行う。
S112では、本発光トリガ信号を発光する。
S113〜S115は、1灯用の動作であり、ミラーアップ、絞り込み(S113),1灯用予備発光(S114),本発光量演算(S115)を行う。
S117では、X接点を閉じて本発光を行うと同時に、撮像素子12への露出を行う。
S118では、シャッター、絞り、ミラーを初期位置に復帰させる。
S119では、半押しタイマー起動後所定時間経過したか否かを判別し、所定時間内であれば、ステップS101へ戻って処理を繰り返し、タイマー切れであれば、処理を終了する。
以下、ステップ毎に説明する。
S201では、カメラの諸設定(感度、測光モード、露出モードなど)を読み出す。
S202では、レンズ通信により、撮影レンズの焦点距離、開放F値、射出瞳距離、距離データなどを読み出す。
S203では、SB通信により、マスターSBの予備発光1発当たりの光量、最大本発光量、SBの状態(バウンス状態か否か)等を読み出す。
S204では、定常光測光を行い、B1〜B5の測光値等を算出する。
図13に示したとおり、予備発光のガイドナンバーは、4段階に指定可能である。図13のGNレベルを指定する2ビットの信号とGNの対応は以下のとおりである。
00 → 予備発光GN=2.0
01 → 予備発光GN=4.0
02 → 予備発光GN=5.6
03 → 予備発光GN=8.0
S207では、焦点検出を行う。
S208では、焦点検出の状態に応じてデフォーカス量が0になるまでレンズを駆動し、ピントを合わせる。
S209では、合焦位置での撮影レンズのピント距離を被写体距離と見なし、その値をレンズマイコン41から読み出す。
S301では、予備発光に必要な情報を有する光信号であって、第1回目の予備発光時に発光する予備発光用のコマンド(以下、予備1コマンドと呼ぶ)を発光する。この予備1コマンド発光後、RDYを下げる(図9参照)。
S303では、上記時間t1の間(1回目の予備発光の間)反射光の蓄積と、測光素子9からカメラマイコン31に蓄積データの読み出しを行う。
S304では、十分な光量があるか否かの判断を読み出した蓄積データから判断する。光量が足りている場合には、S308に進み、足りない場合には、S305に進む。
S308では、定常光成分の蓄積及び読み出しを行う。なお、仮に、2回目の予備発光の光量が足りていなかったとしても、2回目の予備発光から得られた蓄積データに基づいて処理が継続される。
専用コマンダ80は、照明兼用信号発光装置であるマスターSB50の代わりに取り付けられる信号専用発光装置であって、コマンダマイコン81,赤外発光部82,データ設定部83,通信強度確定部84等を備えている。赤外発光部82は、通信専用の発光部であり、マスターSB50における閃光発光部17に可視光カットフィルターが取り付けられた形態となっている。
専用コマンダ80は、照明光となる閃光の発光を行わないので、代わりにトリガとなるチョップ発光を、光信号の後に行うことにより、スレーブSBへ発光タイミングの伝達を行っている。また、照明光となる閃光の発光のためにエネルギを温存しておく必要がないので、上述したように、光信号の光強度を強くして発光することができる。
また、マスターSB装着時であっても、マスターSB自身は本発光を行わないモードであるコマンダモードでは、図21に示したタイミングチャートと同様のタイミングチャートとなる。
SBマイコン51は、電源検出部52の検出結果と、カメラマイコン31からのデータ通信により受信した通信強度指示部38の情報をもとに、通信強度確定部54又は通信強度確定部84が、光信号のガイドナンバー(光強度)を図24の通信強度アップ指定なしの欄に示したように確定する。このように、本実施形態においては、通信強度指示部38及び通信強度確定部54,84が、光信号の強度を決定する通信強度決定部として機能している。
これに対して、マスターSB+パワーパックの場合、及び、マスターSBのみであっても、マスターSBが本発光を行わない場合には、GN1.0まで通信強度を高くすることができる。
さらに、マスターSB+パワーパックの組み合わせであって、マスターSBが本発光を行わない場合、及び、専用コマンダの場合には、さらに通信強度を高くすることができ、GN1.4としている。
なお、通信強度アップ指定については、後述の第3実施形態において説明する。
第2実施形態は、通信強度指示部38及び通信強度確定部54の動作が一部異なる以外は、第1実施形態と同様な形態であるので、第1実施形態と共通の部分の説明は、適宜省略する。
図23は、第2実施形態における予備発光処理について示す図である。
図23のフローチャートは、第1実施形態において示した図16に、S303−1とS303−2を追加し、S308を先頭に持ってきた点のみが異なるので、この部分のみ説明を行う。
S303−1では、S303において蓄積・読み出しされた結果と、S308での定常光成分との差から、スレーブSB60により予備発光が行われたか否かの判断をカメラマイコン31が行う。つまり、この差が所定値以下であれば予備発光が行われていないと見なす。したがって、このステップにおいては、カメラマイコン31はスレーブ閃光判定部として機能する。予備発光が行われている場合には、S304へ進み、予備発光が行われていない場合には、S303−2へ進む。
第3実施形態は、通信強度指示部38の動作が一部異なる以外は、第1実施形態と同様な形態であるので、第1実施形態と共通の部分の説明は、適宜省略する。
本実施形態では、以下のようにして光信号のガイドナンバー(光強度)を増加させる。
定常光12EV(ISO100)以下 → 通信強度アップ要求をしない
定常光12EV(ISO100)以上 → 通信強度アップ要求をする
通信強度アップ要求の有無により、光信号のガイドナンバーは、図24に示すように変更される。
図25は、第4実施形態の概略の構成を示すブロック図である。
第4実施形態は、第1〜第3実施形態と異なり、電源検出部を備えずに、撮影者が撮影モードを選択することにより、光信号の発光に用いるエネルギを確保する形態である。
図26は、第4実施形態におけるマスターSB450本体の回路について簡単に示した図である。
図27は、図25における光信号の微少発光を制御する回路455をより詳細に説明する図である。
図28は、本実施形態における微少発光時の信号波形を示す図である。
フォトダイオードPDは、キセノン管の発光をモニターし、発生する電流を抵抗RLで電圧に変換する。フォトダイオードPDの発生する電流は、受光量によい精度で比例する。オペアンプOPとR1,R2は、電圧増幅器を構成していて、抵抗RLに発生する電圧を(R1+R2)/R1倍に増幅する。抵抗RLに大きな値の抵抗を用いて一度に電圧増幅をしないのは、抵抗RLを大きくするとフォトダイオードPDの接合容量が大きいために応答遅れが生じるためである。
ワイヤレス撮影を設定すると、各SBにTTL自動調光やマニュアル発光といった発光制御モードを設定することができる。
TTL自動調光などの自動調光モードでは、標準の露光レベルに対する補正量を設定することができる。図29(a)では、「TTL」の表示の右側の数値がEV値表示による補正量を示している。
本実施形態では、図29(a)に示した従来と同様なワイヤレス多灯撮影モードの他に、図29(b)に示すコマンダモードと呼ぶワイヤレス多灯撮影モードを有している。
コマンダモードでは、第1実施形態におけるコマンダモードと同様に、マスターSB装着時であっても、マスターSB自身は本発光を行わない。
「MASTER −−−」という表示は、この閃光発光器自身は、本発光させない設定であることを意味する。この設定は、カメラとの接続端子を介した電気通信によりカメラに送信される。したがってカメラは、スレーブSBだけによる撮影(コマンダモード)と判断し、予備発光もスレーブSB(A,B,C)だけが行うようにシーケンス制御を行う。
なお、発光の制御方法については、第1実施形態におけるコマンダモードと同様であり、図21に示したタイミングチャートと同様のタイミングチャートとなる。
図30は、第5実施形態の概略の構成を示すブロック図である。
第4実施形態では、カメラに対して着脱自在ないわゆる外付けタイプのマスターSB450を用いた場合を示したが、本実施形態は、カメラ本体530に内蔵された閃光発光部17によりスレーブSB60の制御を行う場合の形態である。一般に、いわゆる一眼レフ(SLR)タイプカメラといえどもカメラ内蔵の閃光発光器では、ガイドナンバーが小さく、発光エネルギは小さい。したがって、スレーブSB60の制御を行うためにカメラ内蔵の閃光発光17から光信号を発光すると、本発光に使用するエネルギが不足してしまったり、本発光に必要なエネルギを確保しようとすると、通信に使用できるエネルギが不足して光信号の強度が不足してしまったりする場合が多かった。
本実施形態では、カメラ内蔵の閃光発光部17によりスレーブSB60を制御するので、第4実施形態に示したような単体のマスターSB450をコマンダモードで使う場合に比べて発光強度は小さいが、従来のケーブル接続による撮影に比べれば遙かに自由度の高い撮影を行うことができる。
また、本実施形態では、エネルギ容量の少ない閃光器であって、スレーブ閃光器までの距離が大きい場合、又は、撮影環境によりマスター閃光器からスレーブ閃光器ヘの見通しが確保できず、周囲物などで反射された発光パルスで通信せざるを得ないような場合であっても、正常にスレーブ閃光器を制御することができる閃光制御装置を提供することができる。
さらに、以下の効果を有する。
(1)電力判定部の判定結果に基づいて前記信号発光部の発光する光信号の強度を決定する通信強度決定部を備えるので、利用できる電力に応じて最適な光信号の強度で通信を行うことができ、エネルギを無駄に使用することなく、確実に通信を行うことができる。
(2)通信強度決定部は、外部電源装置が取り付けられているときに、光信号発光部の発光する光信号の強度を強くするので、外部電源装置のエネルギを利用して光信号の強度を強くすることができ、本発光時の光量を落とすことなく通信を確実にすることができる。(3)予備スレーブ発光が行われなかったと判定したときに、光信号発光部の発光する光信号の強度を強くする通信強度決定部を備えるので、光信号がスレーブ閃光器に到達しない場合であっても、通信を行うことができるようになる。
(4)信号発光部は、撮影時の照明光となる閃光の発光を行うことができるので、光信号に使用するエネルギと照明に使用するエネルギとのバランスを考慮して光信号の強度を変更することができ、エネルギを有効に利用することができ、マスター及びスレーブ閃光器の利用範囲を拡大することができる。
(5)通信強度決定部は、撮影時の照明を行わない設定の場合には、前記光信号発光部の信号強度を強くするので、通信専用に使用する場合には、エネルギを最大限有効に利用することができる。
(6)測光部の測光結果に基づいて信号発光部の発光する光信号の強度を決定する通信強度決定部を備えるので、被写界の輝度が高い場合には、光信号の強度を強くすることができ、被写界の明るさに光信号が埋もれることなく、確実に通信を行うことができる。
(7)撮影装置は、照明兼用信号発光装置が発光する光信号の強度よりも、信号発光専用装置が発光する光信号の強度を強くするので、信号発光専用装置を使用する場合には、より長距離で、より確実に通信を行うことができる。
(8)撮影装置及び/又は信号発光装置に設けられ、被写界の輝度を測光する測光部と、測光部の測光結果に基づいて信号発光部の発光する光信号の強度を決定する通信強度決定部とを備えるので、被写界の輝度が高い場合には、光信号の強度を強くすることができ、被写界の明るさに光信号が埋もれることなく、確実に通信を行うことができる。
(9)通信強度決定部は、信号発光部による撮影時の照明を行わない設定の場合には、光信号発光部の信号強度を信号発光部による撮影時の照明を行う設定の場合の信号強度よりも強くするので、スレーブ閃光器までの距離が大きい場合、又は、撮影環境により信号発光部からスレーブSBヘの見通しが確保できず、周囲物などで反射された発光パルスで通信せざるを得ないような場合であっても、正常にスレーブ閃光器を制御することができる。
(10)通信強度決定部は、スレーブ閃光器を制御する設定の場合には、信号発光部による撮影時の照明を禁止するので、スレーブ閃光器までの距離が大きい場合、又は、撮影環境により信号発光部からスレーブSBヘの見通しが確保できず、周囲物などで反射された発光パルスで通信せざるを得ないような場合であっても、正常にスレーブ閃光器を制御することができる。
(11)信号発光部は、撮影装置に内蔵されている内蔵閃光器であるので、発光エネルギの少ない内蔵閃光器であっても、正常にスレーブ閃光器を制御することができる。
(12)信号発光部として撮影装置に取り付けられている外部閃光発光器が所定以上の発光エネルギ容量を有している場合には、信号発光部による撮影時の照明を禁止しないので、常に正常にスレーブ閃光器を制御することができるとともに、可能な場合には本発光を行うことができ、使い勝手を良くすることができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、第1実施形態において、電源検出部52及びSBマイコン51によりパワーパックの有無を判断して光信号の強度を変更する例を示したが、これに限らず、例えば、電源検出部52がマスターSB50自身の電源状態(充電状態など)を検出して判断するようにしてもよい。
2 メインミラー
3 拡散スクリーン
4 コンデンサレンズ
5 ペンタプリズム
6 接眼レンズ
7 測光用プリズム
8 測光用レンズ
9 測光素子
10 絞り
11 シャッター
12 撮像素子
13 サブミラー
14 調光用レンズ
15 調光素子
16 焦点検出部
17 閃光発光部
18 発光モニター部
19 第2閃光発光部
20 第2発光モニター部
21 受光部
30,530 カメラ本体
31 カメラマイコン
32 定常光測光部
33 閃光測光部
34 感度設定部
35 レリーズスイッチ
36 レンズ駆動部
37 絞り制御部
38 通信強度指示部
40 撮影レンズ本体
41 レンズマイコン
42 距離エンコーダ
50,450 マスターSB本体
51 SBマイコン
52 電源検出部
53 データ設定部
54 通信強度確定部
60 スレーブSB本体
61 第2SBマイコン
70 パワーパック
80 専用コマンダ
81 コマンダマイコン
82 赤外発光部
83 データ設定部
84 通信強度確定部
538 通信強度決定部
Claims (3)
- 光通信により動作指示を受けて閃光発光を行うスレーブ閃光器を制御する閃光制御装置であって、
前記光通信に用いる光信号を発光可能であり、且つ撮影時の照明となる閃光を発光可能な信号発光部と、
前記信号発光部の発光に使用される電力を供給する外部電源装置が装着されて、該外部電源装置から電力供給される状態にあるか否かを判定する電力判定部と、
前記信号発光部が、前記光信号の発光後に、前記撮影時の前記閃光発光を行うか否かを判定する閃光判定部と、
前記電力判定部の判定結果および閃光判定部の判定結果に基づいて前記信号発光部の発光する光信号の強度を決定する通信強度決定部と、を備え、
前記通信強度決定部は、
前記外部電源装置が装着されておらず、且つ前記信号発光部が前記閃光発光を行う場合には、その閃光発光に必要なエネルギを鑑みた上で前記光信号の強度を第1強度に決定し、
前記外部電源装置が装着されておらず、且つ前記信号発光部が前記閃光発光を行わない場合には、前記光信号の強度を前記第1強度よりも大きな発光強度に決定し、
前記外部電源装置が装着されている場合には、前記信号発光部による前記閃光発光の有無にかかわらず、前記光信号の強度を前記第1強度よりも大きな発光強度に決定することを特徴とする閃光制御装置。 - 被写界の輝度を測光する測光部を更に有し、
前記通信強度決定部は、前記輝度が所定の輝度値以上の場合には、前記電力判定部と前記閃光判定部の判定結果に基づき決定された光信号の発光強度を、更に増加させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の閃光制御装置。 - 前記信号発光部は、被写体の反射率を測定するために発光される予備発光を発光可能であり、
前記信号発光部は、前記光信号の発光強度を、前記予備発光の発光強度以下に制御することを特徴とする請求項1に記載の閃光制御装置。
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