JP2010007921A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】調理物の味を損なうことなく調理物の外観を改善して良好に仕上げることが可能な加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器1は、調理室102と、水蒸気発生部120と、水蒸気を調理室102に供給するための循環ファン132と、酸性の水、アルカリ性の水、および、中性の水からなる群より選ばれた少なくとも1種の水を水蒸気発生部120に供給するためのpH調整水供給部200と、制御部140とを備える。制御部140は、酸性の水から発生した水蒸気を調理室102に供給する第1の工程、アルカリ性の水から発生した水蒸気を調理室102に供給する第2の工程、および、中性の水から発生した水蒸気を調理室102に供給する第3の工程からなる群より選ばれた少なくとも一つの工程を行なうように、水蒸気発生部120と循環ファン132とpH調整水供給部200とを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般的には加熱調理器に関し、特定的には、被調理対象物に水蒸気および/または過熱水蒸気を供給することによって加熱調理する加熱調理器に関する。
従来、好ましい食感や焼き色に仕上げる加熱調理方法として、過熱水蒸気を用いて食品を調理する方法が知られている。
たとえば、特開平11−141881号公報(特許文献1)には、過熱水蒸気を用いて食品を加熱調理する加熱調理装置が記載されている。
また、特開2006−300459号公報(特許文献2)には、過熱水蒸気の水源として、アルカリ性の水を用いる加熱調理装置が記載されている。この加熱調理装置では、過熱水蒸気の水源としてアルカリ性の水を用いることによって、食材中の余分な油脂分を効率よく落とす効果があることが記載されている。
特開平11−141881号公報 特開2006−300459号公報
しかしながら、例えば、被調理対象物が野菜や穀物である場合に、特開平11−141881号公報(特許文献1)に記載の加熱調理装置や特開2006−300459号公報(特許文献2)に記載の加熱調理器であく抜きや茹で調理、蒸し調理を行うと、被調理対象物によっては、調理を色鮮やかに仕上げることができないことがある。
そこで、この発明の目的は、調理物の外観を改善して良好に仕上げることが可能な加熱調理器を提供することである。
この発明に従った加熱調理器は、被調理対象物を加熱調理するための加熱室と、水蒸気および/または過熱水蒸気を発生させるための水蒸気発生手段と、水蒸気発生手段で発生した水蒸気および/または過熱水蒸気を加熱室に供給するための水蒸気供給手段と、酸性の水、アルカリ性の水、および、中性の水からなる群より選ばれた少なくとも1種の水を水蒸気発生手段に供給するための調整水供給手段と、水蒸気発生手段と水蒸気供給手段と調整水供給手段とを制御するための制御部とを備える。制御部は、調整水供給手段が水蒸気発生手段に酸性の水を供給して、水蒸気発生手段において酸性の水から発生した水蒸気および/または過熱水蒸気を水蒸気供給手段が加熱室に供給する第1の工程、調整水供給手段が水蒸気発生手段にアルカリ性の水を供給して、水蒸気発生手段においてアルカリ性の水から発生した水蒸気および/または過熱水蒸気を水蒸気供給手段が加熱室に供給する第2の工程、および、調整水供給手段が水蒸気発生手段に中性の水を供給して、水蒸気発生手段において中性の水から発生した水蒸気および/または過熱水蒸気を水蒸気供給手段が加熱室に供給する第3の工程からなる群より選ばれた少なくとも一つの工程を行なうように、水蒸気発生手段と水蒸気供給手段と調整水供給手段とを制御する。
酸性の水から発生させた水蒸気および/または過熱水蒸気を用いる第1の工程によって、被調理対象物のあく抜きや生臭みの除去を行なったり、被調理対象物と加熱室内の除菌などを行なったりすることができる。また、アルカリ性の水から発生させた水蒸気および/または過熱水蒸気を用いる第2の工程によって、被調理対象物の退色を抑制しながら加熱調理したり、被調理対象物の食物繊維を軟化させたり、加熱室内の汚れを落としやすくしたりすることができる。また、中性の水から発生させた水蒸気および/または過熱水蒸気を用いる第3の工程によって、被調理対象物を通常の仕上がりに加熱調理することができる。このように、使用者が望む被調理対象物の仕上がりに応じて、第1の工程と、第2の工程と、第3の工程とを使い分けて調理を行うことができる。
このようにして、調理物の外観を改善して良好に仕上げることが可能な加熱調理器を提供することができる。
この発明に従った加熱調理器においては、調整水供給手段は、酸性の水を生成する酸性水生成部と、アルカリ性の水を生成するアルカリ性水生成部と、中性の水、酸性水生成部で生成された酸性の水、および、アルカリ性水生成部で生成されたアルカリ性の水からなる群より選ばれた少なくとも1種の水を水蒸気発生手段に供給するための選択供給部とを含むことが好ましい。
このようにすることにより、酸性の水とアルカリ性の水を外部から供給しなくても、酸性水生成部とアルカリ性水生成部とで酸性の水とアルカリ性の水とを生成して、第1の工程と第2の工程に用いることができる。
この発明に従った加熱調理器は、ほぼ中性の水を収容するための中性水容器を備え、酸性水生成部は、中性水容器に収容される水を用いて酸性の水を生成し、アルカリ性水生成部は、中性水容器に収容される水を用いてアルカリ性の水を生成し、中性の水は、中性水容器に収容される水であることが好ましい。
このようにすることにより、外部から水を供給し続けなくても、中性水容器の水を用いて第3の工程を行なうことができる。また、外部から水を供給し続けなくても、中性水容器の水を用いて、酸性水生成部とアルカリ性水生成部とで酸性の水とアルカリ性の水とを生成して、第1の工程と第2の工程に用いることができる。
この発明に従った加熱調理器においては、酸性水生成部は、水を酸性にする物質を水に添加することによって酸性の水を生成し、アルカリ性水生成部は、水をアルカリ性にする物質を水に添加することによってアルカリ性の水を生成することが好ましい。
このようにすることにより、簡単に、酸性の水とアルカリ性の水を生成することができる。
この発明に従った加熱調理器においては、酸性水生成部とアルカリ性水生成部は、水を電解することによって酸性の水とアルカリ性の水とを生成する電解部を含むことが好ましい。
このようにすることにより、簡単に、酸性の水とアルカリ性の水を生成することができる。また、水の水素イオン濃度を簡単に調整することができる。さらに、酸性の水とアルカリ性の水の両方を同時に生成することができる。
この発明に従った加熱調理器は、電解部において生成される酸性の水またはアルカリ性の水のいずれか一方を収容するための調整水容器を備え、制御部は、第1の工程または第2の工程の一方を行う前工程の後に、第1の工程と第2の工程の他方の工程を行う後工程を行なう場合には、前工程において、電解部で生成された酸性の水またはアルカリ性の水の一方を水蒸気発生手段に供給し、酸性の水またはアルカリ性の水の他方の水を調整水容器に収容するように調整水供給手段を制御し、後工程において、前工程で調整水容器に供給されて調整水容器に収容されている酸性の水またはアルカリ性の水を水蒸気発生手段に供給するように調整水供給手段を制御することが好ましい。
電解部で水を電解することによって、調整水供給手段では、酸性の水とアルカリ性の水の両方が生成される。前工程においては、酸性の水またはアルカリ性の水の一方の水を水蒸気発生手段に供給する。このとき、酸性の水とアルカリ性の水の他方の水を調整水容器に収容する。調整水容器に収容された酸性の水またはアルカリ性の水は、後工程において、水蒸気発生手段に供給される。
このようにすることにより、前工程において酸性の水またはアルカリ性の水の一方を水蒸気発生手段に供給するときに、酸性の水またはアルカリ性の水の他方を捨てる必要がなくなる。また、後工程においては、前工程で調整水容器に収容された水を水蒸気発生手段に供給することによって、新たに酸性の水またはアルカリ性の水を生成する必要がなくなる。
この発明に従った加熱調理器においては、制御部は、第1の工程または第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、第1の工程または第2の工程の他方の工程を行うように、水蒸気発生手段と水蒸気供給手段と調整水供給手段とを制御することが好ましい。
第1の工程を行なって被調理対象物を加熱調理すると、調理物の表面に酸成分が残留することがある。調理物の表面に残留する酸成分の濃度が高い場合には、酸味を呈し、調理物の本来の味が低下してしまう。
一方、第2の工程を行なって被調理対象物を加熱調理すると、調理物の表面にアルカリ成分が残留することがある。調理物の表面に残留するアルカリ成分の濃度が高い場合には、苦味を呈し、調理物の本来の味が低下してしまう。
また、加熱室内に酸成分やアルカリ成分が残留すると、加熱室の内壁の塗装を剥離させたり、加熱調理器の基材の腐食が進んだりしてしまう。
そこで、上述のように、第1の工程または第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、第1の工程または第2の工程の他方の工程を行うことにより、調理物の表面や加熱室の内壁面上などで酸成分とアルカリ成分の少なくとも一部を中和させることができる。
このようにすることにより、調理物の味を損なうことなく、調理物の外観を改善して良好に仕上げることが可能であって、加熱室の内壁面の劣化を抑えることが可能な加熱調理器を提供することができる。
この発明に従った加熱調理器においては、制御部は、第1の工程または第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、第3の工程を行うように、水蒸気発生手段と水蒸気供給手段と調整水供給手段とを制御することが好ましい。
第1の工程を行なって被調理対象物を加熱調理すると、調理物の表面に酸成分が残留することがある。調理物の表面に残留する酸成分の濃度が高い場合には、酸味を呈し、調理物の本来の味が低下してしまう。
一方、第2の工程を行なって被調理対象物を加熱調理すると、調理物の表面にアルカリ成分が残留することがある。調理物の表面に残留するアルカリ成分の濃度が高い場合には、苦味を呈し、調理物の本来の味が低下してしまう。
また、加熱室内に酸成分やアルカリ成分が残留すると、加熱室の内壁の塗装を剥離させたり、加熱調理器の基材の腐食が進んだりしてしまう。
そこで、酸成分やアルカリ成分を調理物の表面や加熱室の内壁面上、被調理対象物を載置するための皿の表面上などに残留させないようにするために、第1の工程または第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、第1の工程または第2の工程の他方の工程を行っても、酸成分とアルカリ成分の全部をちょうど中和するように制御することは困難な場合がある。
その場合、上述のように、第1の工程または第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、第3の工程を行うことにより、調理物の表面や加熱室の内壁面上に残留している酸成分とアルカリ成分を希釈することができる。
このようにすることにより、調理物の味を損なうことなく、調理物の外観を改善して良好に仕上げることが可能であって、加熱室の内壁面の劣化を抑えることが可能な加熱調理器を提供することができる。
この発明に従った加熱調理器においては、制御部は、第1の工程または第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、第1の工程または第2の工程の他方の工程を行い、さらに第3の工程を行うように、水蒸気発生手段と水蒸気供給手段と調整水供給手段とを制御することが好ましい。
このようにすることにより、調理物の表面や加熱室の内壁面上に酸成分やアルカリ成分がさらに残留しにくくなる。
この発明に従った加熱調理器においては、制御部は、第2の工程を行い、所定の時間経過後に、第1の工程または第3の工程の一方を行うように、水蒸気発生手段と水蒸気供給手段と調整水供給手段とを制御することが好ましい。
第2の工程を行ない、アルカリ性の水から発生させた水蒸気を加熱室内に供給することによって、加熱室の内壁面に付着している汚れを浮き上がらせて落としやすくすることができる。
また、第2の工程を行ない、所定の時間が経過するまでの間に、使用者が加熱室内を拭き取ることができる。加熱室の内壁面上などの汚れは、第2の工程を行うことによって剥離しやすくなっているので、使用者が拭き取ることで効果的に加熱室の内壁面などから汚れを除去することができる。
さらに、第2の工程を行ない、所定の時間経過後に第1の工程または第3の工程を行なうことによって、加熱室内に残留しているアルカリ成分を中和または希釈しながら、加熱室の内壁面上などの汚れを除去することができる。
このようにすることにより、アルカリ成分による加熱室の内壁面上などの劣化を抑えながら、加熱室内の汚れを除去することができる。
この発明に従った加熱調理器においては、制御部は、第2の工程を行い、所定の時間経過後に、第1の工程を行い、さらに第3の工程を行うように、水蒸気発生手段と水蒸気供給手段と調整水供給手段とを制御することが好ましい。
第2の工程を行ない、アルカリ性の水から発生させた水蒸気を加熱室内に供給することによって、加熱室の内壁面上などに付着している汚れを浮き上がらせて落としやすくすることができる。
また、第2の工程を行ない、所定の時間経過するまでの間に、使用者が加熱室内を拭き取ることができる。加熱室の内壁面上の汚れは、第2の工程を行うことによって加熱室の内面から剥離しやすくなっているので、使用者が拭き取ることで効果的に加熱室の内壁面などから汚れを除去することができる。
さらに、第2の工程を行ない、所定の時間経過後に第1の工程と第3の工程を行なうことによって、加熱室の内壁面上に残留しているアルカリ成分を中和するとともに、希釈しながら、汚れを除去することができる。
このようにすることにより、酸成分やアルカリ成分による加熱室の内壁面の劣化を抑えながら、加熱室内の汚れを除去することができる。
以上のように、この発明によれば、調理物の外観を改善して良好に仕上げることが可能な加熱調理器を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態として、加熱調理器の内部の構成を模式的に示す正面図(A)と側面図(B)である。
図1の(A)と(B)に示すように、本発明の加熱調理器1は、直方体形状のキャビネット101から構成されている。キャビネット101の内部には、被調理対象物を加熱調理するための加熱室として調理室102が形成されている。また、キャビネット101の内部には、主に、水素イオン濃度が調整されていないほぼ中性の水を収容するための中性水容器としてタンク111と、タンク111の水が供給されて水素イオン濃度を調整するための調製水供給手段としてpH調整水供給部200と、pH調整水供給部200において水素イオン濃度を調整された水(pH調整水)を加熱して水蒸気を発生させるための水蒸気発生ヒータ122を含む水蒸気発生器(エンジン)121と、水蒸気発生器121において発生させられた水蒸気を加熱して過熱水蒸気を生成するための過熱水蒸気生成ヒータ128と、過熱水蒸気生成ヒータ128を収容する過熱水蒸気生成ダクト(SHダクト)127と、水蒸気と過熱水蒸気を調理室102に供給するための水蒸気供給チューブ123と、制御部とが配置されている。
水蒸気および/または過熱水蒸気を発生させるための水蒸気発生手段として水蒸気発生部120は、水蒸気発生器121と、水蒸気発生ヒータ122と、水蒸気供給チューブ123と、過熱水蒸気生成ダクト127と、過熱水蒸気生成ヒータ128とから構成されている。
調理室102は、1つの面(正面側)が開口部となっている直方体形状に形成されている。開口部には、被調理対象物の出し入れに使用する開閉ドア103が設置されている。開閉ドア103の上部には、ハンドルが配置されている。使用者は、ハンドルを支持して、開閉ドア103を、開閉ドア103の下端を中心に回動させて開閉することができる。開閉ドア103の中央部には、開閉ドア103を閉めたときに調理室102の内部を視認するために、耐熱ガラスがはめ込まれている。耐熱ガラスの右側には、使用者が調理条件等を入力するための操作パネルと、音や光等で使用者に状態を報知する報知部が配置されている。調理室102の残りの面はステンレス鋼板で形成されている。調理室102の内部には、ステンレス鋼板製の受皿104が配置され、受皿104の上には被調理対象物が載置される。使用者は、開閉ドア103を開けて、被調理対象物を調理室102の内部の受皿104上に載置する。
調理室102の天面には、過熱水蒸気を噴き出すための噴出口129が複数箇所に開けられた過熱水蒸気生成ダクト127が取り付けられる。過熱水蒸気生成ダクト127の噴出口129が形成されている面は、ステンレス鋼製である。過熱水蒸気生成ダクト127の右側部の手前側には、調理室102内を照明するための照明装置(図示しない)が配置される。調理室102の床面の下には、回転アンテナ107と導波管106とつゆ受け108が配置されている。
調理室102の奥側の背壁には、左右方向の略中央部に吸込口131が設けられ、左方下部に排気口138が設けられる。
調理室102の外壁には、背面から上面に亘って循環ダクト133が設けられている。循環ダクト133は調理室102の背壁に形成された吸込口131において開口し、調理室102の上方に配置された過熱水蒸気生成ダクト127に接続される。循環ダクト133内には、水蒸気供給手段として循環ファン132が配置されている。
循環ダクト133の上部には電動式の排気ダンパ134を介して分岐する排気チューブ137が設けられている。排気チューブ137は外部に臨む開放端として排気口139を有し、排気ダンパ134を開いて循環ファン132を駆動することによって調理室102内の水蒸気を強制的に排気することができる。排気ダンパ134と排気口139との間には、湿度センサ135が配置されている。また、調理室102の下部には、排気口138を介して連通する排気チューブ137が導出される。排気チューブ137は、ステンレス鋼等の金属から形成され、外部に臨む開放端を有して、排気ダンパ134が閉じられて循環ファン132が駆動停止されると、調理室102内の水蒸気を自然排気する。なお、マグネトロン105を駆動してマイクロ波による調理を行う場合には、排気チューブ137を介して外気が吸気される。
循環ダクト133は、調理室102の背面側において、水蒸気発生器121で発生した水蒸気を循環ダクト133に導くための水蒸気供給チューブ123と接続されている。水蒸気供給チューブ123は、水蒸気発生器121と接続されている。
水蒸気発生器121には、タンク111内の水が、pH調整水供給部200を通って供給される。
pH調整水供給部200は、中性水給水経路230と、アルカリ成分充填槽221が配置されるアルカリ性水給水経路220と、酸成分充填槽211が配置される酸性水給水経路210と、タンク111内の水をpH調整水供給部200に供給するための給水ポンプ201と、給水ポンプ201によってタンク111から供給される水を流通させる経路を切り替えるための選択供給部として切替弁202とから構成されている。
アルカリ成分充填槽221には、水に溶解して水をアルカリ性にする溶解性添加剤が充填されている。アルカリ成分充填槽221に充填される溶解性添加剤としては、例えば、炭酸塩が用いられる。この実施の形態においては、重曹が用いられる。酸成分充填槽211には、水に溶解して水を酸性にする溶解性添加剤が充填されている。酸成分充填槽211に充填される溶解性添加剤としては、例えば、ミョウバン、クエン酸、酢酸などが用いられる。
このように、加熱調理器1においては、酸性水給水経路210は、水を酸性にする物質を水に添加することによって酸性の水を生成し、アルカリ性水給水経路220は、水をアルカリ性にする物質を水に添加することによってアルカリ性の水を生成する。
このようにすることにより、簡単に、酸性の水とアルカリ性の水を生成することができる。
また、加熱調理器1における調理方法においては、水を酸性にする物質は、クエン酸、酢酸、および、ミョウバンからなる群より選ばれる少なくとも1つである。
上記の物質を用いて酸性にした水を用いることにより、効果的に調理物の外観を改善して良好に仕上げることができる。
水蒸気発生器121の内部には、pH調整水供給部200から供給された水を加熱するための水蒸気発生ヒータ(エンジンヒータ)122が配置されている。また、水蒸気発生器121の内部に収容されている水の温度を検知するためのエンジン水温検知サーミスタ124が配置されている。水蒸気発生器121の下部には、排水のための配管が接続されており、この配管には排水弁126が配置されている。排水弁126を通って水蒸気発生器121から排出される水は、水蒸気発生器121の下方に配置されるサブタンク112に貯められる。
水蒸気発生器121において発生した水蒸気は、水蒸気供給チューブ123を通って循環ダクト133に流入し、循環ダクト133を通って、調理室102の天井部に設置されている過熱水蒸気生成ダクト127内に導かれる。
過熱水蒸気生成ダクト127は過熱水蒸気生成ヒータ(SHヒータ)128を内蔵している。過熱水蒸気生成ヒータ128はシーズヒータによって形成されている。過熱水蒸気生成ヒータ128により加熱された水蒸気は、過熱水蒸気となる。水蒸気を加熱して過熱水蒸気を生成するための熱源は、特にシーズヒータに限られるものではない。過熱水蒸気は、飽和水蒸気の温度を100℃とすると、通常、101℃から300℃以上にまで昇温される。過熱水蒸気は、過熱水蒸気生成ダクト127の底面に二次元的または三次元的に分散配置された複数の噴出口129と、過熱水蒸気生成ダクト127の側面に配置された複数の噴出口129とから噴出して、受皿104上に配置された被調理対象物に供給される。複数の噴出口129は、調理室102の天井の中央部に配置され、過熱水蒸気を調理室102の中央部に吹き降ろす構造である。このようにして、被調理対象物の上面が過熱水蒸気と接触する。また、過熱水蒸気の一部は、噴出口129から斜め下方向に向けて噴き出され、調理室102の内壁で反射して、被調理対象物の下方に導かれる。このようにして、被調理対象物の下面が過熱水蒸気と接触する。
加熱調理器1においては、調理室102内に過熱水蒸気が供給されるに従って、調理室102の内部の余剰となる気体が調理室102の下方に設けた排気口138から外部に排出され、調理室102の内部は常圧に保たれる。被調理対象物に適した加熱時間が経過したとき、水蒸気や過熱水蒸気の供給を停止して加熱調理が完了する。
なお、加熱調理器1においては、過熱水蒸気を用いる調理だけでなく、水蒸気発生器121から水蒸気を供給しながら過熱水蒸気生成ヒータ128の駆動を停止することによって、100℃の水蒸気で蒸し調理を行うことが可能である。
図2は、第1実施形態の加熱調理器の制御関連の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御部140は、操作パネル141と、湿度センサ135と、エンジン水温検知サーミスタ124と、エンジン水位検知電極125と、庫内温度検知サーミスタ136から信号を受信する。また、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と、排水弁126と、過熱水蒸気生成ヒータ128と、循環ファン132と、排気ダンパ134と、給水ポンプ201と、切替弁202と、報知部142に制御信号を送信する。
使用者が操作パネル141を操作して、調理の種類や被調理対象物の種類、調理を行うのか清掃を行なうのか等の動作の種類を入力すると、操作パネル141から制御部140に信号が送信される。制御部140は、調理の種類や被調理対象物の種類によって、調理工程を決定し、調理工程の各段階において、調理室102内が所定の湿度と温度になるように、水蒸気発生ヒータ122と、過熱水蒸気生成ヒータ128と、排水弁126と、排気ダンパ134と、循環ファン132の駆動を制御する。また、所定の水素イオン濃度の水がpH調整水供給部200から水蒸気発生器121に供給されるように、切替弁202と、給水ポンプ201とを制御する。
湿度センサ135は、湿度を検知して制御部140に信号を送信する。制御部140は、湿度センサ135から受信した信号と、操作パネル141に入力された調理の種類や被調理対象物の種類に基づいて、調理室102内の湿度を制御するように、水蒸気発生ヒータ122の駆動を制御する。
庫内温度検知サーミスタ136は、調理室102内の温度を検知して制御部140に信号を送信する。制御部140は、庫内温度検知サーミスタ136から受信した信号と、操作パネル141に入力された調理の種類や被調理対象物の種類に基づいて、調理室102内の温度を制御するように、過熱水蒸気生成ヒータ128の駆動を制御する。
エンジン水位検知電極125は、水蒸気発生器121内の水位を検知して、制御部140に信号を送信する。制御部140は、エンジン水位検知電極125から受信した信号に基づいて、水蒸気発生器121内の水位を所定の水位にするように、給水ポンプ201の駆動を制御する。
エンジン水温検知サーミスタ124は、水蒸気発生器121内の水温を検知して、制御部140に信号を送信する。制御部140は、調理や清掃の終了後、水蒸気発生器121内の水温が所定温度に下がると排水弁126を開くように制御する。また、制御部140は、報知部142が使用者に調理や清掃の終了を報知するように制御する。
水蒸気を用いる調理と、過熱水蒸気を用いる調理の全体の工程を、図1と図2を用いて説明する。水の水素イオン濃度を調整する工程については、後述する。
水蒸気を用いる蒸し調理や茹で調理、あく抜き調理の場合には、使用者が操作パネル141を通してスタート操作を行うと、給水ポンプ201が駆動を開始し、タンク111の水が水蒸気発生器121に送られる。水蒸気発生器121内が所定の水位になると、排気ダンパ134が閉じた状態で循環ファンが動作を開始する。同時に、水蒸気発生ヒータ122が駆動開始して、水蒸気が発生する。水蒸気発生器121で発生した飽和水蒸気は水蒸気供給チューブ123から循環ダクト133の循環ファン132によって吸込口131に供給される。水蒸気は、循環ファン132によってさらに過熱水蒸気生成ダクト127を通って噴出口129から調理室102内の被調理対象物に噴射される。
加熱調理器1の制御部140は、水蒸気発生ヒータ122を周期的に駆動させて、飽和水蒸気を発生させて循環ダクト133に供給するように制御する。また、水蒸気発生ヒータ122が駆動停止して水蒸気発生器121内水位が安定している間に、給水ポンプ201から水蒸気発生器121に所定水位まで給水するように給水ポンプ201を制御する。
調理室102内には水蒸気発生器121から飽和水蒸気が供給され、調理室102内の水蒸気はさらに吸込口131から循環ファン132に吸込まれて調理室102内と循環ダクト133との間で循環を繰り返し、蒸し調理が実行される。このとき、水蒸気発生器121からの水蒸気供給によって調理室102内の内圧が上がると、余分な水蒸気は排気チューブ137から外へ排出される。
調理が終了すると、排気ダンパ134が開き、循環ファンから圧送循環される調理室102内の水蒸気を含む空気が排気口139から排気される。このとき、調理室102内へは排気チューブ137から空気が取り込まれる。調理終了後、水蒸気発生器121が所定温度に下がると排水弁126を開き、水蒸気発生器121内の水はサブタンク112に排水される。報知部142は、調理の終了を光や音で使用者に報知する。
過熱水蒸気を用いたオーブン調理の場合には、使用者が操作パネル141を通してスタート操作を行うと、給水ポンプ201が駆動を開始し、タンク111の水が水蒸気発生器121に送られる。水蒸気発生器121内が所定の水位になると、排気ダンパ134が閉じた状態で循環ファンが動作を開始する。同時に、過熱水蒸気生成ヒータ128が駆動開始して、調理室102内の加熱が開始される。過熱水蒸気生成ヒータ128は、調理室102内を所定の温度まで加熱する。同時に、水蒸気発生ヒータ122が断続的に駆動して、断続的に飽和水蒸気を水蒸気供給チューブ123から循環ダクト内に供給する。循環ダクト内に供給された飽和水蒸気は、循環ファンによって過熱水蒸気生成ダクト127へ圧送される。飽和水蒸気は、過熱水蒸気生成ダクト127内で過熱水蒸気生成ヒータ128によってさらに加熱されて過熱水蒸気となり、噴出口129から調理室102内の被調理物に噴射される。
加熱調理器1の制御部140は、水蒸気発生ヒータ122を周期的に駆動させて、飽和水蒸気を発生させて循環ダクト133に供給するように制御する。また、水蒸気発生ヒータ122が駆動停止して水蒸気発生器121内水位が安定している間に、給水ポンプ201から水蒸気発生器121に所定水位まで給水するように給水ポンプ201を制御する。
調理室102内に供給された過熱水蒸気は、吸込口131から循環ファン132によって循環ダクト133内に吸い込まれて、水蒸気発生器121から周期的に供給される飽和水蒸気とともに、過熱水蒸気生成ヒータ128によって加熱される。このようにして、過熱水蒸気が調理室102内に維持されるように、過熱水蒸気の生成と循環を繰り返して、過熱水蒸気による調理が行われる。このとき、水蒸気発生器121からの水蒸気の供給によって調理室102内の内圧が上がると、余分な過熱水蒸気は排気チューブ137から外へ排出される。
調理が終了すると、排気ダンパ134が開き、循環ファン132から圧送循環される調理室102内の水蒸気を含む空気が排気口139から排気される。このとき、調理室102内へは排気チューブ137から空気が取り込まれる。調理終了後、水蒸気発生器121が所定温度に下がると排水弁126を開き、水蒸気発生器121内の水はサブタンク112に排水される。報知部142は、調理の終了を光や音で使用者に報知する。
次に、水蒸気発生器121に供給される水の水素イオン濃度(pH)を調整する工程について説明する。
使用者が操作パネル141に調理の種類や被調理対象物の種類を入力すると、制御部140は調理工程を決定する。調理の各段階において、酸性の水を加熱して生成される水蒸気または過熱水蒸気を被調理対象物に供給する第1の工程を行うときには、制御部140は、タンク111の水が酸性水給水経路210を通って水蒸気発生器121に供給されるように、切替弁202を制御する。一方、アルカリ性の水を加熱して生成される水蒸気または過熱水蒸気を被調理対象物に供給する第2の工程を行うときには、制御部140は、タンク111の水がアルカリ性水給水経路220を通って水蒸気発生器121に供給されるように、切替弁202を制御する。また、中性の水を加熱して生成される水蒸気または過熱水蒸気を被調理対象物に供給して第3の工程を行うときには、制御部140は、タンク111の水が中性水給水経路230を通って水蒸気発生器121に供給されるように、切替弁202を制御する。
切替弁202は、酸性水給水経路210、アルカリ性水給水経路220、中性水給水経路230のうちの複数の経路に同時に給水することもできるように構成されている。例えば、水に溶解しやすい溶解性添加剤を酸成分充填槽211に充填している場合には、酸性水給水経路210と中性水給水経路230の両方に水を流通させるように、切替弁202を制御して、水蒸気発生器121に供給される水の水素イオン濃度を調整する。
タンク111内の中性の水が酸性水給水経路210を流通すると、酸成分充填槽211に充填されている溶解性添加剤が水中に溶解して、酸性になった水が水蒸気発生器121に供給される。タンク111内の中性の水がアルカリ性水給水経路220を流通すると、アルカリ成分充填槽221に充填されている溶解性添加剤が水中に溶解して、アルカリ性になった水が水蒸気発生器121に供給される。タンク111内の水は、中性水給水経路230を流通するときには、そのまま水蒸気発生器121に供給される。
調理の仕上がりにおいて、第1の工程または第2の工程による効果を強める場合には、酸性水またはアルカリ性水の供給割合を大きくして、中性水の供給割合を小さくする。一方、第1の工程または第2の工程による効果を弱める場合には、酸性水またはアルカリ性水の供給割合を小さくして、中性水の供給割合を大きくする。
調理の途中で、水を流通させる経路を変更する場合には、一度、排水弁126を開いて、水蒸気発生器121の内部の水をサブタンク112に排出する。その後、切替弁202を切り替えて、新たな経路に水を流通させる。
各溶解性添加剤は、水に溶解してなくなるので、補充をする。酸成分充填槽211とアルカリ成分充填槽221は、カートリッジ式に構成され、溶解性添加剤がなくなればカートリッジごと交換されるように構成されてもよい。
以下に、いくつかの調理工程を例示する。
(1)野菜の茹で調理は、以下の工程によって行われる。
図3は、野菜の茹で調理の制御処理を順に示すフローチャートである。図1から図3を用いて、茹で調理の制御処理を説明する。
図3に示すように、被調理対象物として野菜を調理室102に収容した後、蒸気投入工程の前半を行なう。まず、ステップS101では、水蒸気発生ヒータ122をOn/Off比95%で駆動する。すなわち、水蒸気発生ヒータ122は、毎分57秒ON、3秒Offにするように制御される。同時に、ステップS102では、循環ファン132を、最大回転数の50%の回転数で駆動させる。ステップS103では、排気ダンパ134は、閉じられるように制御される。ステップS104では、制御部140は、水蒸気発生器121には酸性の水が供給されるように、切替弁202を切り替える。蒸気投入工程の前半は、7分30秒間行われる。
水蒸気発生器121に酸性の水が供給されて、調理室102内には、酸性の水を加熱して生成された水蒸気が供給される。このようにして、第1の工程が行われる。
次に、蒸気投入工程の後半を行なう。ステップS105では、水蒸気発生ヒータ122をOn/Off比80%で駆動する。すなわち、水蒸気発生ヒータ122は、毎分48秒ON、12秒Offにするように制御される。循環ファン132は、最大回転数の50%の回転数で駆動され続けている。また、排気ダンパ134は、閉じたままにされている。水蒸気発生器121には、蒸気投入工程の前半から引き続き酸性水が供給されている。蒸気投入工程の後半を、1分30秒間行なう。このようにして、引き続き、第1の工程が行われる。
最後に、蒸気排気工程を行なう。ステップS106では、水蒸気発生ヒータ122を駆動停止し、ステップS107では、過熱水蒸気生成ヒータ128を駆動する。同時に、ステップS108では、循環ファン132を、最大回転数の70%の回転数で駆動させる。ステップS109では、排気ダンパ134は、開かれるように制御される。また、ステップS110では、水蒸気発生器121には水が供給されないように、給水ポンプ201の駆動を停止する。この工程を、1分間行なう。
茹で調理は、このようなシーケンスで行われる。
このように、加熱調理器1における調理方法においては、第1の工程において、水蒸気を野菜に供給することによって野菜を茹でる。
このようにすることにより、野菜の発色を促進し、調理物の外観を改善して良好に茹で調理を仕上げることができる。
(2)野菜のあく抜き調理の工程について説明する。
図4は、第1実施形態の加熱調理器における野菜のあく抜き調理の制御処理を順に示すフローチャートである。図1、図2と図4を用いて、あく抜き調理の制御処理を説明する。
図4に示すように、被調理対象物として野菜を調理室102内に収容した後、ステップS201では、第1の工程を行なうために、制御部140は酸性水給水経路210に給水するように切替弁202を切り替える。ステップS202では、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動するように制御する。このようにすることにより、調理室102内に、酸性の水から発生した飽和水蒸気が供給される。調理室102内の野菜は、飽和水蒸気によってあく抜きされる。
ステップS203では、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t1が経過したかどうかを判断する。水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t1が経過していなければ、ステップS203に戻る。水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t1が経過していれば、ステップS204に進み、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132の駆動を停止する。
ステップS205では、制御部140は、排水弁126を開くように制御する。排水弁126が開かれると、水蒸気発生器121内の酸性の水がサブタンク112内に排出される。
ステップS206では、第2の工程を行なうために、制御部140は、アルカリ性水給水経路220に給水するように、切替弁202を切り替える。ステップS207では、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動するように制御する。このようにすることにより、調理室102内に、アルカリ性の水から発生した飽和水蒸気が供給される。調理室102内の野菜の表面では、残留している酸成分が、アルカリ性の水から発生した飽和水蒸気によって中和される。
ステップS208では、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t2が経過したかどうかを判断する。所定時間t2は、所定時間t1よりも短い時間であるとする。水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t2が経過していなければ、ステップS208に戻る。水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t2が経過していれば、ステップS209に進み、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132の駆動を停止する。
ステップS210では、制御部140は、排水弁126を開くように制御する。排水弁126が開かれると、水蒸気発生器121内のアルカリ性の水がサブタンク112内に排出される。
ステップS211では、制御部140は、報知部142に制御信号を送信し、あく抜き調理が終了したことを使用者に報知するように報知部142を制御して、あく抜き調理の制御処理を終了する。
図4に示すフローチャートでは、第1の工程を行なった後に第2の工程を行なっているが、あく抜きを行なう野菜の種類によっては、先に第2の工程を行い、第2の工程を行なった後に第1の工程を行なってもよい。
例えば、ゴボウや栗を調理する場合には、まず、第1の工程で飽和水蒸気を用いて茹で調理や蒸し調理、あく抜きを行う。次に、第2の工程を行なって、ゴボウや栗の表面に残留している酸成分を中和する。
一方、例えば、ブロッコリーなどの緑黄色野菜は、まず、第2の工程で飽和水蒸気を用いて茹でる。その後、第1の工程を行なって、ブロッコリーなどの表面に残留しているアルカリ成分を中和する。第2の工程を先に行うことによって、被調理対象物中の食物繊維を膨潤させ、軟化させることができる。また、ブロッコリーのような緑黄色野菜は、アルカリ性の水を加熱して発生した水蒸気を供給されることによって、色鮮やかなまま茹でることができる。
このようにして、調理物の外観を改善して良好に仕上げることができる。また、このように、第1の工程の後に第2の工程を行ったり、第2の工程の後に第1の工程を行ったりすることによって、野菜の表面や調理室102の内壁面上に残留している酸成分やアルカリ成分を中和させることができる。
また、第1の工程と第2の工程とを行なった後に、さらに、中性水給水経路230を通して水蒸気発生器121にタンク111内の水を供給し、第3の工程を行なって、中性の水から発生させた飽和水蒸気を用いて、野菜の表面や調理室102の内壁面上に残留している酸成分またはアルカリ成分を希釈してもよい。
また、第1の工程または第2の工程の一方を行なった後に、第1の工程または第2の工程の他方を行なうのではなく、第3の工程を行なって、中性の水から発生させた飽和水蒸気を用いて、野菜の表面や調理室102の内壁面上に残留している酸成分を希釈してもよい。
(3)焼き魚調理の工程について説明する。
焼き魚調理工程では、タンク111の水が酸性水給水経路210を通って水蒸気発生器121に供給されるように、制御部140が切替弁202を制御する。次に、過熱水蒸気を用いて被調理対象物として魚の調理を行うように、過熱水蒸気生成ヒータ128を駆動させる。
このように、加熱調理器1における調理方法においては、第1の工程を行うことによって魚を焼く。
このようにすることにより、魚に含まれるトリメチルアミンを中和して、臭気を低減させることができる。
(4)除菌工程について説明する。
被調理対象物を除菌する場合には、タンク111の水が酸性水給水経路210を通って水蒸気発生器121に供給されるように、制御部140が切替弁202を制御する。過熱水蒸気生成ヒータ128の駆動は停止されている。水蒸気発生ヒータ122が駆動されると、酸性の水が加熱されて、水蒸気が発生し、調理室102の内部に供給される。調理室102の内部では、被調理対象物の表面において水蒸気が凝縮し、被調理対象物の表面を酸性水膜で覆うことができる。
このように、加熱調理器1における調理方法は、被調理対象物の表面を酸性水膜で行う除菌工程を備える。
被調理対象物の表面を酸性水膜で覆うことによって、被調理対象物の除菌をすることができる。
なお、被調理対象物が調理室102内に収容されていないときには、使用者は操作パネル141から庫内清掃モードを選択して、庫内の清掃を行なうことができる。
庫内清掃モードが選択されると、制御部140は、まず、アルカリ性の水を水蒸気発生器121に供給するように給水ポンプ201と切替弁202を制御し、水蒸気発生ヒータ122を駆動する。過熱水蒸気生成ヒータ128は駆動停止する。アルカリ性の水は、水蒸気発生器121において加熱されて、水蒸気が発生する。この水蒸気が調理室102内に供給されると、調理室102の内壁面や受皿104上の汚れを浮き上がらせ、油脂汚れを凝縮水中に溶解させることができる。使用者は、ここで、汚れをふき取ってもよい。
次に、制御部140は、水蒸気発生器121の内部の水をサブタンク112に排出するように排水弁126を開き、閉じた後、酸性の水を水蒸気発生器121に供給するように切替弁202を制御し、水蒸気発生ヒータ122を駆動する。酸性の水が水蒸気発生器121に供給され、水蒸気が発生して調理室102内に供給されると、調理室102の内壁面上や受皿104上で水蒸気が凝縮し、アルカリ性の水を加熱して発生させられた水蒸気の凝縮水と混ざって中和される。
以上のように、加熱調理器1は、被調理対象物を加熱調理するための調理室102と、水蒸気および/または過熱水蒸気を発生させるための水蒸気発生部120と、水蒸気発生部120で発生した水蒸気および/または過熱水蒸気を調理室102に供給するための循環ファン132と、酸性の水、アルカリ性の水、および、中性の水からなる群より選ばれた少なくとも1種の水を水蒸気発生部120に供給するためのpH調整水供給部200と、水蒸気発生部120と循環ファン132とpH調整水供給部200とを制御するための制御部140とを備える。制御部140は、pH調整水供給部200が水蒸気発生部120に酸性の水を供給して、水蒸気発生部120において酸性の水から発生した水蒸気および/または過熱水蒸気を循環ファン132が調理室102に供給する第1の工程、pH調整水供給部200が水蒸気発生部120にアルカリ性の水を供給して、水蒸気発生部120においてアルカリ性の水から発生した水蒸気および/または過熱水蒸気を循環ファン132が調理室102に供給する第2の工程、および、pH調整水供給部200が水蒸気発生部120に中性の水を供給して、水蒸気発生部120において中性の水から発生した水蒸気および/または過熱水蒸気を循環ファン132が調理室102に供給する第3の工程からなる群より選ばれた少なくとも一つの工程を行なうように、水蒸気発生部120と循環ファン132とpH調整水供給部200とを制御する。
酸性の水から発生させた水蒸気および/または過熱水蒸気を用いる第1の工程によって、被調理対象物のあく抜きや生臭みの除去を行なったり、被調理対象物と調理室102内の除菌などを行なったりすることができる。また、アルカリ性の水から発生させた水蒸気および/または過熱水蒸気を用いる第2の工程によって、被調理対象物の退色を抑制しながら加熱調理したり、被調理対象物の食物繊維を軟化させたり、調理室102内の汚れを落としやすくしたりすることができる。また、中性の水から発生させた水蒸気および/または過熱水蒸気を用いる第3の工程によって、被調理対象物を通常の仕上がりに加熱調理することができる。このように、使用者が望む被調理対象物の仕上がりに応じて、第1の工程と、第2の工程と、第3の工程とを使い分けて調理を行うことができる。
このようにして、調理物の外観を改善して良好に仕上げることが可能な加熱調理器1を提供することができる。
また、加熱調理器1においては、pH調整水供給部200は、酸性の水を生成する酸性水給水経路210と、アルカリ性の水を生成するアルカリ性水給水経路220と、中性の水、酸性水給水経路210で生成された酸性の水、および、アルカリ性水給水経路220で生成されたアルカリ性の水からなる群より選ばれた少なくとも1種の水を水蒸気発生部120に供給するための切替弁202とを含む。
このようにすることにより、酸性の水とアルカリ性の水を外部から供給しなくても、酸性水給水経路210とアルカリ性水給水経路220とで酸性の水とアルカリ性の水とを生成して、第1の工程と第2の工程に用いることができる。
また、加熱調理器1は、ほぼ中性の水を収容するためのタンク111を備え、酸性水給水経路210は、タンク111に収容される水を用いて酸性の水を生成し、アルカリ性水給水経路220は、タンク111に収容される水を用いてアルカリ性の水を生成し、中性の水は、タンク111に収容される水である。
このようにすることにより、外部から水を供給し続けなくても、タンク111の水を用いて第3の工程を行なうことができる。また、外部から水を供給し続けなくても、タンク111の水を用いて、酸性水給水経路210とアルカリ性水給水経路220とで酸性の水とアルカリ性の水とを生成して、第1の工程と第2の工程に用いることができる。
また、加熱調理器1においては、制御部140は、第1の工程または第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、第1の工程または第2の工程の他方の工程を行うように、水蒸気発生部120と循環ファン132とpH調整水供給部200とを制御する。
第1の工程を行なって被調理対象物を加熱調理すると、調理物の表面に酸成分が残留することがある。調理物の表面に残留する酸成分の濃度が高い場合には、酸味を呈し、調理物の本来の味が低下してしまう。
一方、第2の工程を行なって被調理対象物を加熱調理すると、調理物の表面にアルカリ成分が残留することがある。調理物の表面に残留するアルカリ成分の濃度が高い場合には、苦味を呈し、調理物の本来の味が低下してしまう。
また、調理室102内に酸成分やアルカリ成分が残留すると、調理室102の内壁の塗装を剥離させたり、加熱調理器1の基材の腐食が進んだりしてしまう。
そこで、加熱調理器1のように、第1の工程または第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、第1の工程または第2の工程の他方の工程を行うことにより、調理物の表面や調理室102の内壁面上などで酸成分とアルカリ成分の少なくとも一部を中和させることができる。
このようにすることにより、調理物の味を損なうことなく、調理物の外観を改善して良好に仕上げることが可能であって、調理室102の内壁面の劣化を抑えることが可能な加熱調理器1を提供することができる。
また、加熱調理器1においては、制御部140は、第1の工程または第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、第3の工程を行うように、水蒸気発生部120と循環ファン132とpH調整水供給部200とを制御する。
酸成分やアルカリ成分を調理物の表面や調理室102の内壁面上などに残留させないようにするために、第1の工程または第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、第1の工程または第2の工程の他方の工程を行っても、酸成分とアルカリ成分の全部をちょうど中和するように制御することは困難な場合がある。
その場合、上述のように、第1の工程または第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、第3の工程を行うことにより、調理物の表面や調理室102の内壁面上などに残留している酸成分とアルカリ成分を希釈することができる。
このようにすることにより、調理物の味を損なうことなく、調理物の外観を改善して良好に仕上げることが可能であって、調理室102の内壁面の劣化を抑えることが可能な加熱調理器1を提供することができる。
また、加熱調理器1においては、制御部140は、第1の工程または第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、第1の工程または第2の工程の他方の工程を行い、さらに第3の工程を行うように、水蒸気発生部120と循環ファン132とpH調整水供給部200とを制御する。
このようにすることにより、調理物の表面や調理室102の内壁面上などに、酸成分やアルカリ成分がさらに残留しにくくなる。
(第2実施形態)
図5は、この発明の第2実施形態として、加熱調理器の内部の構成を模式的に示す正面図である。
図5に示すように、第2実施形態の加熱調理器2が第1実施形態の加熱調理器1と異なる点としては、加熱調理器2においては、調製水供給手段としてpH調整水供給部300は電解によって酸性の水とアルカリ性の水とを生成する。
加熱調理器2のpH調整水供給部300は、第1の電解槽310と、第2の電解槽320と、第1の電解槽310と第2の電解槽320とを分離するための隔膜330と、第1の電解槽310の水を水蒸気発生器121に供給するための第1電解槽給水経路312と、第2の電解槽320の水を排出するための戻し経路340と、タンク111内の水をpH調整水供給部300に供給するための給水ポンプ301と、選択供給部として切替弁303とから構成されている。
第1の電解槽310には、第1の電極311が収容されている。第2の電解槽320には、第2の電極321が収容されている。電解槽302は、第1の電極311と第1の電解槽310と第2の電極321と第2の電解槽320と隔膜330によって構成されている。第1の電極311と第2の電極321は、電解部の一例である。第1の電解槽310と第2の電解槽320は、酸性水生成部とアルカリ性水生成部の一例である。
サブタンク112の内部は、仕切りによって第1室と第2室の2つに区切られている。第1の電解槽310から第1電解槽給水経路312を通って水蒸気発生器121に供給された水は、排水弁126を通って、サブタンク112の第1室に排出される。第2の電解槽320から戻し経路340を通って排出される水は、サブタンク112の第2室に排出される。切替弁303は、タンク111に貯められている中性の水と、サブタンク112の第2室の水のどちらを電解槽302に供給するかを切り替えるための弁である。サブタンク112の第2室は、調整水容器の一例である。加熱調理器2のその他の構成は、加熱調理器1と同様である。
第1の電解槽310と第2の電解槽320において生成される水の水素イオン濃度は、第1の電極311と第2の電極321に印加される直流電圧の極性と電圧の大きさによって調整される。第1の電極311と第2の電極321には、逆の極性の電圧が印加される。
図6は、第2実施形態の加熱調理器の制御関連の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、第2実施形態の加熱調理器は、第1実施形態の加熱調理器と異なる点としては、制御部140が、電解槽302に制御信号を送信して、電解槽302の第1の電極311と第2の電極321の駆動を制御する。また、制御部140は、切替弁303に制御信号を送信して、タンク111内の水と、サブタンク112の第2室内の水のどちらの水を電解槽302に供給するのかを制御する。
給水ポンプ301が駆動されて、タンク111から中性の水が電解槽302に供給され、制御部140が、第1の電極311と第2の電極321に直流電圧を印加するように制御すると、第1の電解槽310と第2の電解槽320の内部の水は、それぞれ、水素イオン濃度が調整されて、酸性またはアルカリ性になる。第1の工程を行う場合には、第1の電解槽310の水が酸性になるように、制御部140は電解槽302を駆動する。このとき、第2の電解槽320の水はアルカリ性になる。第1の電解槽310の水は、水蒸気発生器121に供給されて、水蒸気になる。一方、第2の電解槽320の水は、戻し経路340を通ってサブタンク112の第2室内に排出される。
調理の途中で、第1の工程から第2の工程に切り替える場合には、制御部140は、切替弁303を制御して、サブタンク112の第2室に貯められているアルカリ性の水を電解槽302に供給するように制御する。また、制御部140は、第1の電極311と第2の電極321のどちらにも電圧を印加しないように制御する。電解槽302に流入したアルカリ性の水は、そのまま水蒸気発生器121に供給されて、水蒸気になる。
調理の始めに第2の工程を行う場合には、第1の電解槽310の水がアルカリ性になるように、制御部140は電解槽302を駆動する。このとき、第2の電解槽320の水は酸性になる。第1の電解槽310の水は、水蒸気発生器121に供給されて、水蒸気になる。一方、第2の電解槽320の水は、戻し経路340を通ってサブタンク112の第2室内に排出される。
調理の途中で、第2の工程から第1の工程に切り替える場合には、制御部140は、切替弁303を制御して、サブタンク112の第2室に貯められている酸性の水を電解槽302に供給するように制御する。また、制御部140は、第1の電極311と第2の電極321のどちらにも電圧を印加しないように制御する。電解槽302に流入した酸性の水は、そのまま水蒸気発生器121に供給されて、水蒸気になる。
また、第3の工程を行う場合には、第1の電極311と第2の電極321のどちらにも電圧を印加せずに、タンク111の水を電解槽302に供給する。このようにして、中性の水が水蒸気発生器121に供給されて、水蒸気が発生する。
調理において、第1の工程や第2の工程による効果を強めたい場合には、電極に印加する電圧を大きくする。第1の工程や第2の工程による効果を弱めたい場合には、電極に印加する電圧を小さくする。また、電極に印加する電圧を変更しなくても、中性のまま水蒸気発生器121に供給する水の量を少なくして第1の工程や第2の工程による効果を強め、中性のまま水蒸気発生器121に供給する水の量を多くして第1の工程や第2の工程による効果を弱めることができる。
図7は、第2実施形態の加熱調理器における野菜のあく抜き調理の制御処理を順に示すフローチャートである。図5から図7を用いて、あく抜き調理の制御処理を説明する。
図7に示すように、被調理対象物として野菜を調理室102内に収容した後、ステップS301では、制御部140は、給水ポンプ301を駆動するように制御する。ステップS302では、第1の工程を行なうために、制御部140は、第1の電解槽310で酸性の水を生成し、第2の電解槽320でアルカリ性の水を生成するように、電解槽302を制御する。タンク111から電解槽302に供給された水の一部は、第1の電解槽310を通って酸性の水になり、第1電解槽給水経路312を通って水蒸気発生器121に供給される。また、タンク111から電解槽302に供給された水の一部は、第2の電解槽320を通ってアルカリ性の水になり、戻し経路340を通ってサブタンク112の第2室内に供給される。
ステップS303では、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動するように制御する。このようにすることにより、調理室102内に、酸性の水から発生した飽和水蒸気が供給される。調理室102内の野菜は、飽和水蒸気によってあく抜きされる。
ステップS304では、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t1が経過したかどうかを判断する。水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t1が経過していなければ、ステップS304に戻る。水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t1が経過していれば、ステップS305に進み、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132と、電解槽302の駆動を停止する。
ステップS306では、制御部140は、排水弁126を開くように制御する。排水弁126が開かれると、水蒸気発生器121内の酸性の水がサブタンク112の第1室内に排出される。
ステップS306までを、あく抜き調理の前工程とする。ステップS307以降は、あく抜き工程の後工程である。
ステップS307では、制御部140は、給水ポンプ301を駆動するように制御する。ステップS308では、第2の工程を行なうために、制御部140は、サブタンク112の第2室のアルカリ性の水を水蒸気発生器121に供給するように、切替弁303を切り替える。電解槽302の駆動は停止されているので、サブタンク112の第2室のアルカリ性の水は、そのまま電解槽302を通って、水蒸気発生器121に供給される。
ステップS309では、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動するように制御する。このようにすることにより、調理室102内に、アルカリ性の水から発生した飽和水蒸気が供給される。調理室102内の野菜の表面では、残留している酸成分が、アルカリ性の水から発生した飽和水蒸気によって中和される。
ステップS310では、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t2が経過したかどうかを判断する。所定時間t2は、所定時間t1よりも短い時間であるとする。水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t2が経過していなければ、ステップS310に戻る。水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t2が経過していれば、ステップS311に進み、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132と給水ポンプ301の駆動を停止する。
ステップS312では、制御部140は、排水弁126を開くように制御する。排水弁126が開かれると、水蒸気発生器121内のアルカリ性の水がサブタンク112の第1室内に排出される。
ステップS313では、制御部140は、報知部142に制御信号を送信し、あく抜き調理が終了したことを使用者に報知するように、報知部142を制御して、あく抜き調理の制御処理を終了する。
図7に示すフローチャートでは、第1の工程を行なった後に第2の工程を行なっているが、あく抜きを行なう野菜の種類によっては、先に第2の工程を行い、第2の工程を行なった後に第1の工程を行なってもよい。
例えば、ゴボウや栗を調理する場合には、まず、第1の工程で飽和水蒸気を用いて茹で調理や蒸し調理、あく抜きを行う。次に、第2の工程を行なって、ゴボウや栗の表面に残留している酸成分を中和する。
一方、例えば、ブロッコリーなどの緑黄色野菜は、まず、第2の工程で飽和水蒸気を用いて茹でる。その後、第1の工程を行なって、ブロッコリーなどの表面に残留しているアルカリ成分を中和する。第2の工程を先に行うことによって、被調理対象物中の食物繊維を膨潤させ、軟化させることができる。また、ブロッコリーのような緑黄色野菜は、アルカリ性の水を加熱して発生した水蒸気を供給されることによって、色鮮やかなまま茹でることができる。
このようにして、調理物の外観を改善して良好に仕上げることができる。また、このように、第1の工程の後に第2の工程を行ったり、第2の工程の後に第1の工程を行ったりすることによって、被調理対象物の表面や調理室102の内壁面上に残留している酸成分やアルカリ成分を中和させることができる。
また、第1の工程と第2の工程とを行なった後に、さらに、第1の電極311と第2の電極321を駆動しないままで、電解槽302を通して水蒸気発生器121にタンク111内の水を供給し、第3の工程を行なってもよい。このようにすることにより、中性の水から発生させた飽和水蒸気を用いて、野菜の表面に残留している酸成分またはアルカリ成分が希釈される。
また、第1の工程または第2の工程の一方を行なった後に、第1の工程または第2の工程の他方を行なうのではなく、第3の工程を行なって、中性の水から発生させた飽和水蒸気を用いて野菜の表面に残留している酸成分を希釈してもよい。
以上のように、第2実施形態の加熱調理器2においては、第1の電解槽310と第2の電解槽320は、水を電解することによって酸性の水とアルカリ性の水とを生成する第1の電極311と第2の電極321を含む。
このようにすることにより、簡単に、酸性の水とアルカリ性の水を生成することができる。また、水の水素イオン濃度を簡単に調整することができる。さらに、第1の電極311と第2の電極321で酸性の水とアルカリ性の水の両方を同時に生成することができる。
また、加熱調理器2は、第1の電極311と第2の電極321において生成される酸性の水またはアルカリ性の水のいずれか一方を収容するためのサブタンク112を備え、制御部140は、第1の工程または第2の工程の一方を行う前工程の後に、第1の工程と第2の工程の他方の工程を行う後工程を行なう場合には、前工程において、第1の電極311と第2の電極321で生成された酸性の水またはアルカリ性の水の一方を水蒸気発生部120に供給し、酸性の水またはアルカリ性の水の他方の水をサブタンク112に収容するようにpH調整水供給部300を制御し、後工程において、前工程でサブタンク112に供給されてサブタンク112に収容されている酸性の水またはアルカリ性の水を水蒸気発生部120に供給するようにpH調整水供給部300を制御する。
第1の電極311と第2の電極321で水を電解することによって、pH調整水供給部300では、酸性の水とアルカリ性の水の両方が生成される。前工程においては、酸性の水またはアルカリ性の水の一方の水を水蒸気発生部120に供給する。このとき、酸性の水とアルカリ性の水の他方の水をサブタンク112の第2室に収容する。サブタンク112の第2室に収容された酸性の水またはアルカリ性の水は、後工程において、水蒸気発生部120に供給される。
このようにすることにより、前工程において酸性の水またはアルカリ性の水の一方を水蒸気発生部120に供給するときに、酸性の水またはアルカリ性の水の他方を捨てる必要がなくなる。また、後工程においては、前工程でサブタンク112に収容された水を水蒸気発生部120に供給することによって、新たに酸性の水またはアルカリ性の水を生成する必要がなくなる。
図8は、第2実施形態の加熱調理器における庫内清掃の制御処理を順に示すフローチャートである。図5、図6と図8を用いて、庫内清掃の制御処理を説明する。
庫内清掃は、被調理対象物が調理室内に収容されていないときに行なわれる。
図8に示すように、ステップS401では、制御部140は、給水ポンプ301を駆動するように制御する。ステップS402では、第2の工程を行なうために、制御部140は、第1の電解槽310でアルカリ性の水を生成し、第2の電解槽320で酸性の水を生成するように、電解槽302を制御する。タンク111から電解槽302に供給された水の一部は、第1の電解槽310を通ってアルカリ性の水になり、第1電解槽給水経路312を通って水蒸気発生器121に供給される。また、タンク111から電解槽302に供給された水の一部は、第2の電解槽320を通って酸性の水になり、戻し経路340を通ってサブタンク112の第2室内に供給される。
ステップS403では、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動するように制御する。このようにすることにより、調理室102内に、アルカリ性の水から発生した飽和水蒸気が供給される。調理室102の内壁面上や受皿104上の汚れは、アルカリ性の水から発生された水蒸気によって浮き上がらせられる。
ステップS404では、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t1が経過したかどうかを判断する。水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t1が経過していなければ、ステップS404に戻る。水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t1が経過していれば、ステップS405に進み、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132と、電解槽302の駆動を停止する。
ステップS406では、制御部140は、排水弁126を開くように制御する。排水弁126が開かれると、水蒸気発生器121内のアルカリ性の水がサブタンク112の第1室内に排出される。
ステップS407では、制御部140は、報知部142に制御信号を送信して、報知部142が「拭き取り報知」を行なうように制御する。報知部142は、光や音などで、使用者に、調理室102内の拭き取りを行なうことができることを報知する。
ステップS408では、制御部140は、加熱室102内を拭き取った使用者が、操作パネル141を通して、「再スタート」を指示したかどうかを判断する。「再スタート」が指示されていなければ、ステップS407に戻る。「再スタート」が指示されていれば、ステップS409に進み、再び給水ポンプ301を駆動する。
このように、加熱調理器2は、第2の工程を行った後、所定の時間として、「拭き取り報知」をしてから「再スタート」が指示されるまでの時間は、第1の工程も第3の工程も行わない。なお、ステップS405で水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132と電解槽302の駆動を停止してから、例えば10分間など、あらかじめ定められた所定の時間経過後に、ステップS409に進んでもよい。
ステップS410では、第2の工程を行なうために、制御部140は、サブタンク112の第2室の酸性の水を水蒸気発生器121に供給するように、切替弁303を切り替える。
ステップS411では、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動するように制御する。このようにすることにより、調理室102内に酸性の水から発生した飽和水蒸気が供給される。調理室102の内壁面上や受皿104の表面では、残留しているアルカリ成分が、酸性の水から発生した飽和水蒸気によって中和される。
ステップS412では、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t2が経過したかどうかを判断する。所定時間t2は、所定時間t1よりも短い時間であるとする。水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t2が経過していなければ、ステップS412に戻る。水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132を駆動してから所定時間t2が経過していれば、ステップS413に進み、制御部140は、水蒸気発生ヒータ122と循環ファン132と給水ポンプ301の駆動を停止する。
ステップS414では、制御部140は、排水弁126を開くように制御する。排水弁126が開かれると、水蒸気発生器121内の酸性の水がサブタンク112の第1室内に排出される。
ステップS415では、制御部140は、報知部142に制御信号を送信して、庫内清掃が終了したことを使用者に報知するように、報知部142を制御して、庫内清掃の制御処理を終了する。
図8に示すフローチャートでは、第2の工程を行なった後に第1の工程を行なっているが、第2の工程を行なった後に第3の工程を行なってもよい。この場合には、第2の工程を行なった後、所定時間経過後に、電解槽302の駆動をせずに、電解槽302を通してタンク111内の中性の水を水蒸気発生部120に供給する。
また、第2の工程を行なった後、所定時間経過後に第1の工程を行い、さらに第3の工程を行なってもよい。
以上のように、加熱調理器2においては、制御部140は、第2の工程を行い、所定の時間経過後に、第1の工程または第3の工程の一方を行うように、水蒸気発生部120と循環ファン132と第1の電解槽310と第2の電解槽320とを制御する。
第2の工程を行ない、アルカリ性の水から発生させた水蒸気を調理室102内に供給することによって、調理室102の内壁面上や受皿104上に付着している汚れを浮き上がらせて落としやすくすることができる。
また、第2の工程を行ない、所定の時間が経過するまでの間に、使用者が調理室102内を拭き取ることができる。調理室102の内壁面上などの汚れは、第2の工程を行うことによって調理室102の内面から剥離しやすくなっているので、使用者が拭き取ることで効果的に調理室102の内壁面から汚れを除去することができる。
さらに、第2の工程を行ない、所定の時間経過後に第1の工程または第3の工程を行なうことによって、調理室102内に残留しているアルカリ成分を中和または希釈しながら、汚れを除去することができる。
このようにすることにより、アルカリ成分による調理室102の内壁面の劣化を抑えながら、調理室102の内壁面上の汚れを除去することができる。
また、加熱調理器2においては、制御部140は、第2の工程を行い、所定の時間経過後に、第1の工程を行い、さらに第3の工程を行うように、水蒸気発生部120と循環ファン132と第1の電解槽310と第2の電解槽320とを制御することが好ましい。
第2の工程を行ない、所定の時間経過後に第1の工程と第3の工程を行なうことによって、調理室102の内壁面上に残留しているアルカリ成分を中和するとともに、希釈しながら、汚れを除去することができる。
このようにすることにより、酸成分やアルカリ成分による調理室102の内壁面の劣化を抑えながら、調理室102内の汚れを除去することができる。
第2実施形態の加熱調理器2のその他の構成と効果は、第1実施形態の加熱調理器1と同様である。
この発明の加熱調理器の効果のひとつに、あく抜きや蒸し調理物の外観を改善して良好に仕上げる効果がある。この効果を確認するために、以下の実験を行なった。
まず、ごぼうのあく抜き調理の仕上げ効果を確認する実験について説明する。
ゴボウ8片を、加熱調理器の加熱室内に入れて、100℃の飽和水蒸気による蒸し調理を行った。蒸し調理は、20分間行った。蒸し調理工程においてゴボウに供給する水蒸気は、酸性の水と、アルカリ性の水を用いて比較した。酸性の水は、クエン酸を水に添加して作製した。酸性の水の水素イオン濃度は、pH2であった。アルカリ性の水は、重曹を水に添加して作製した。アルカリ性の水の水素イオン濃度は、pH9であった。
酸性の水を用いた場合にも、アルカリ性の水を用いた場合にも、ゴボウのあくは抜けていた。しかしながら、アルカリ性の水を用いた場合には、ゴボウの黒ずみ、褐変が激しかった。酸性の水を用いた場合には、ゴボウの黒ずみや褐変は少なかった。
次に、栗の蒸し調理の仕上げ効果を確認する実験について説明する。
栗9個を、加熱調理器の加熱室内に入れて、100℃の飽和水蒸気による蒸し調理を行った。蒸し調理は、20分間行った。蒸し調理工程において栗に供給する水蒸気は、酸性の水と、アルカリ性の水を用いて比較した。酸性の水は、ミョウバンを水に添加して作製した。酸性の水の水素イオン濃度は、pH2〜3であった。アルカリ性の水は、重曹を水に添加して作製した。アルカリ性の水の水素イオン濃度は、pH9であった。
アルカリ性の水を用いて蒸し調理を行った栗は、蒸し調理前と比較して、色が濃くなっていた。また、内部には、中心部に空洞が生じ、また、色も褐色に変色した。一方、酸性の水を用いて蒸し調理を行った栗は、蒸し調理前の色とほとんど変化がなかった。栗の内部の色も、蒸し調理前とほとんど同じ色であった。内部に空洞が生じることもなかった。
以上のように、ごぼうのあく抜きと栗の蒸し調理においては、第1の工程を行うことによって、調理物の外観を改善して良好に仕上げられることを確認した。
次に、ブロッコリーの茹で調理の仕上げ効果を確認する実験について説明する。
ブロッコリー3房を、加熱調理器の加熱室内に入れて、100℃の飽和水蒸気による茹で調理を行った。茹で調理は、20分間行った。茹で調理工程においてブロッコリーに供給する水蒸気は、アルカリ性の水と、中性の水を用いて比較した。アルカリ性の水は、重曹を水に添加して作製した。アルカリ性の水の水素イオン濃度は、pH9であった。中性の水としては、水道水を用いた。中性の水の水素イオン濃度は、pH7であった。
中性の水を用いて茹で調理を行ったブロッコリーは、茹で調理前と比較して、退色していた。一方、アルカリ性の水を用いて茹で調理を行ったブロッコリーは、茹で調理前の色とほとんど変化がなかった。
以上のように、ブロッコリーの茹で調理においては、第2の工程を行うことによって、調理物の外観を改善して良好に仕上げられることを確認した。
このように、被調理対象物の種類によって、第1の工程と第2の工程のどちらで加熱調理したときに調理物の外観を改善して良好に仕上げられるかが異なっていることがわかった。
第1実施形態と第2実施形態の加熱調理器では、様々な水素イオン濃度(pH)の水から発生させた水蒸気で加熱調理器を行うことができるので、被調理対象物の種類や調理の種類によって、第1の工程と、第2の工程と、第3の工程とを使い分けて調理を行うことができる。
次に、この発明の加熱調理器の効果のひとつである、加熱室内の汚れを除去する効果を確認するために、以下の実験を行なった。
牛脂を容器に入れ、加熱調理器の加熱室内に入れて、250℃の過熱水蒸気を40分間、加熱室内に供給した。過熱水蒸気の供給は、40分間ずつ、3回繰り返した。次に、牛脂を容器とともに加熱調理器から取り出した後、飽和水蒸気を加熱室内に供給した。
飽和水蒸気は、中性の水から発生された水蒸気とアルカリ性の水から発生された水蒸気とを用いて比較した。アルカリ性の水は、重曹を水に添加して作製した。アルカリ性の水の水素イオン濃度は、pH9であった。中性の水としては、水道水を用いた。中性の水の水素イオン濃度は、pH7であった。
飽和水蒸気の供給は、10分間行った。その後、加熱室内の底部に溜まった結露水を採取し、採取された結露水の濁度を測定した。
水道水から発生した飽和水蒸気を供給した場合には、結露水の濁度は95FTUであった。一方、アルカリ性の水から発生した飽和水蒸気を供給した場合には、結露水の濁度は652FTUであった。
このように、アルカリ性の水から発生した飽和水蒸気を供給した場合の方が、水道水から発生した飽和水蒸気を供給した場合よりも、結露水が濁っていた。これは、アルカリ性の水から発生された飽和水蒸気を供給することによって、アルカリ性の水から発生された飽和水蒸気の結露水に油脂汚れが溶解したためであると考えられる。アルカリ性の水から発生した飽和水蒸気が油脂で汚れた加熱室内に供給され、加熱室内で結露することによって、油脂汚れが結露水中に溶解したり、油脂汚れが加熱室の内壁面上などに浮き上がったりして、汚れが除去されやすくなることがわかった。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
この発明の第1実施形態として、加熱調理器の内部の構成を模式的に示す正面図(A)と側面図(B)である。 第1実施形態の加熱調理器の制御関連の構成を示すブロック図である。 野菜の茹で調理の制御処理を順に示すフローチャートである。 第1実施形態の加熱調理器における野菜のあく抜き調理の制御処理を順に示すフローチャートである。 この発明の第2実施形態として、加熱調理器の内部の構成を模式的に示す正面図である。 第2実施形態の加熱調理器の制御関連の構成を示すブロック図である。 第2実施形態の加熱調理器における野菜のあく抜き調理の制御処理を順に示すフローチャートである。 第2実施形態の加熱調理器における庫内清掃の制御処理を順に示すフローチャートである。
符号の説明
1,2:加熱調理器、102:調理室、111:タンク、112:サブタンク、120:水蒸気発生部、132:循環ファン、140:制御部、200:pH調整水供給部、202:切替弁、210:酸性水給水経路、220:アルカリ性水給水経路、300:pH調整水供給部、303:切替弁、310:第1の電解槽、311:第1の電極、320:第2の電解槽、321:第2の電極。

Claims (11)

  1. 被調理対象物を加熱調理するための加熱室と、
    水蒸気および/または過熱水蒸気を発生させるための水蒸気発生手段と、
    前記水蒸気発生手段で発生した水蒸気および/または過熱水蒸気を前記加熱室に供給するための水蒸気供給手段と、
    酸性の水、アルカリ性の水、および、中性の水からなる群より選ばれた少なくとも1種の水を前記水蒸気発生手段に供給するための調整水供給手段と、
    前記水蒸気発生手段と前記水蒸気供給手段と前記調整水供給手段とを制御するための制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記調整水供給手段が前記水蒸気発生手段に酸性の水を供給して、前記水蒸気発生手段において前記酸性の水から発生した水蒸気および/または過熱水蒸気を前記水蒸気供給手段が前記加熱室に供給する第1の工程、
    前記調整水供給手段が前記水蒸気発生手段にアルカリ性の水を供給して、前記水蒸気発生手段において前記アルカリ性の水から発生した水蒸気および/または過熱水蒸気を前記水蒸気供給手段が前記加熱室に供給する第2の工程、および、
    前記調整水供給手段が前記水蒸気発生手段に中性の水を供給して、前記水蒸気発生手段において前記中性の水から発生した水蒸気および/または過熱水蒸気を前記水蒸気供給手段が前記加熱室に供給する第3の工程からなる群より選ばれた少なくとも一つの工程を行なうように、前記水蒸気発生手段と前記水蒸気供給手段と前記調整水供給手段とを制御する、加熱調理器。
  2. 前記調整水供給手段は、酸性の水を生成する酸性水生成部と、アルカリ性の水を生成するアルカリ性水生成部と、中性の水、前記酸性水生成部で生成された酸性の水、および、前記アルカリ性水生成部で生成されたアルカリ性の水からなる群より選ばれた少なくとも1種の水を前記水蒸気発生手段に供給するための選択供給部とを含む、請求項1に記載の加熱調理器。
  3. ほぼ中性の水を収容するための中性水容器を備え、
    前記酸性水生成部は、前記中性水容器に収容される水を用いて酸性の水を生成し、
    前記アルカリ性水生成部は、前記中性水容器に収容される水を用いてアルカリ性の水を生成し、
    前記中性の水は、前記中性水容器に収容される水である、請求項2に記載の加熱調理器。
  4. 前記酸性水生成部は、水を酸性にする物質を水に添加することによって酸性の水を生成し、前記アルカリ性水生成部は、水をアルカリ性にする物質を水に添加することによってアルカリ性の水を生成する、請求項2または請求項3に記載の加熱調理器。
  5. 前記酸性水生成部と前記アルカリ性水生成部は、水を電解することによって酸性の水とアルカリ性の水とを生成する電解部を含む、請求項2または請求項3に記載の加熱調理器。
  6. 前記電解部において生成される酸性の水またはアルカリ性の水のいずれか一方を収容するための調整水容器を備え、
    前記制御部は、前記第1の工程または前記第2の工程の一方を行う前工程の後に、前記第1の工程と前記第2の工程の他方の工程を行う後工程を行なう場合には、前記前工程において、前記電解部で生成された酸性の水またはアルカリ性の水の一方を前記水蒸気発生手段に供給し、酸性の水またはアルカリ性の水の他方の水を前記調整水容器に収容するように前記調整水供給手段を制御し、前記後工程において、前記前工程で前記調整水容器に供給されて前記調整水容器に収容されている前記酸性の水または前記アルカリ性の水を前記水蒸気発生手段に供給するように前記調整水供給手段を制御する、請求項5に記載の加熱調理器。
  7. 前記制御部は、前記第1の工程または前記第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、前記第1の工程または前記第2の工程の他方の工程を行うように、前記水蒸気発生手段と前記水蒸気供給手段と前記調整水供給手段とを制御する、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の加熱調理器。
  8. 前記制御部は、前記第1の工程または前記第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、前記第3の工程を行うように、前記水蒸気発生手段と前記水蒸気供給手段と前記調整水供給手段とを制御する、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の加熱調理器。
  9. 前記制御部は、前記第1の工程または前記第2の工程の一方を行って被調理対象物を加熱調理した後に、前記第1の工程または前記第2の工程の他方の工程を行い、さらに前記第3の工程を行うように、前記水蒸気発生手段と前記水蒸気供給手段と前記調整水供給手段とを制御する、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の加熱調理器。
  10. 前記制御部は、前記第2の工程を行い、所定の時間経過後に、前記第1の工程または前記第3の工程の一方を行うように、前記水蒸気発生手段と前記水蒸気供給手段と前記調整水供給手段とを制御する、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の加熱調理器。
  11. 前記制御部は、前記第2の工程を行い、所定の時間経過後に、前記第1の工程を行い、さらに前記第3の工程を行うように、前記水蒸気発生手段と前記水蒸気供給手段と前記調整水供給手段とを制御する、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の加熱調理器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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