JP2010007881A - 冷凍装置及び荷電粒子線装置 - Google Patents

冷凍装置及び荷電粒子線装置 Download PDF

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伸 松本
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Abstract

【課題】本発明は冷凍装置及び荷電粒子線装置に関し、磁気遮蔽,制振及び放熱に優れた冷凍装置及び荷電粒子線装置を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明の冷凍装置は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機40aと、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを膨張させて低温を得る膨張機と、圧縮機と膨張機の間に設けられ、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを冷却する放熱器40bとを備えた冷凍機40と、前記圧縮機40aを包囲するように取り付けられ、複数の空気流出入穴を設けた1重目シールド41と、前記放熱器に空気を吹き付けるファン44と、空気流入用スリット46aおよび空気流出用スリット46bが設けられ、前記1重目シールド41、前記放熱器及び前記ファンを包囲する2重目シールド42と、前記圧縮機、前記1重目シールド又は2重目シールドに取り付けられた少なくとも1個のマスダンパー43とを有して構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は冷凍装置及び荷電粒子線装置に関し、更に詳しくは電子顕微鏡等の2次電子検出器やX線検出器等の半導体検出器を効率的に冷却することができ、磁気遮蔽、制振及び放熱を最適化できるようにした冷凍装置及びこの冷凍装置を用いた荷電粒子線装置に関する。
荷電粒子線を用いた装置において、冷却が求められるものに検出器の半導体検出素子が挙げられる。ここでは電子顕微鏡におけるX線検出器の例を説明するが、検出器の冷却を行なうのは、検出素子が発生する熱雑音等を低減するためである。
荷電粒子線を試料に照射し、該試料から発生する特性X線を検出して、試料の元素分析を行なう手法がある。電子顕微鏡において電子線を試料に照射し、試料から発生するX線を検出して試料の組成を計測するエネルギー分散型X線分光法(EDS:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy、EDXと略されることもある)とよばれる手法がその一例である。
この手法では、特性X線が試料を構成する元素に応じた特有なエネルギーを持つことを利用している。X線光子の単位時間あたりの発生個数を、X線のエネルギー毎に計数することにより試料の元素組成等の情報が得られる。X線を検出する手段としては、シリコンやゲルマニウム等の半導体結晶を用いた半導体検出素子を用いるのが一般的である。
上記半導体検出素子を用いた放射線検出装置の代表的な構成図を図6に示す。検出素子101と前置増幅回路20の入力段の電界効果トランジスタ2は、雑音を低減するために、液体窒素又はペルチェ素子等による冷却装置7と冷却棒12により低音で冷却されるようになっている。電子線5が試料9に照射されると、試料9からX線1が放射される。X線1はX線透過窓8を透過して検出素子101に入射すると、X線のエネルギーに比例した個数の電子正孔対に変換される。
以下、検出素子101で得られた信号の処理方法について説明する。検出素子101の電極に達した電子は、電荷積分型の前置増幅回路20によりその個数に比例した高さを有する電圧パルス220に変換され、更に電圧パルス220は整形増幅器51により、信号雑音比(S/N比)が高くなるように濾過され、電圧パルス310に整形される。
波形分析装置63により電圧パルス310は波高分析されて、X線スペクトル400に変換される。X線スペクトル400は、X線検出素子101に入射したX線1のエネルギー分布、即ちある値のエネルギーのX線が何個検出されたかを表しており、スペクトルピークのエネルギー値から試料に含まれている元素種が、またスペクトルピークの面積から該元素の含有量が求められる。
以上のように、雑音を低減するために、検出素子を液体窒素又はペルチェ素子等による冷却装置により低温に冷却している。
従来のこの種の装置としては、試料分析装置において、コールドトラップ装置10の低温パネル80として、特に透磁率が大きいパーマロイと、熱伝導率が大きい無酸素銅と、によるクラッド材を用いて内外で二層構造となるようにした技術が知られている(例えば特許文献1参照)。また、−100゜C以下の寒冷を発生しにくかったという問題を解決するために、磁性体と超伝導マグネットを用いて更に低温発生を実現できるようにした装置が知られている(例えば特許文献2参照)。また、パルス管冷凍機の圧縮機と膨張機の間に介在する配管や管継手等の耐圧性及び気密性を損なうことなく、コールドヘッドに対する圧縮機等の機械的な可動部品の運動に起因する微小な電気ノイズの影響を確実に防止することができ、これによって冷却対象の超高感度分析装置で安定した測定精度を得る装置が知られている(例えば特許文献3参照)。
特開2007−80698号公報(段落0042〜0053、図1、図2) 特開平7−260270号公報(段落0021〜0033、図1、図2) 特開2007−71515号公報(段落0011〜0020、図1、図2)
EDS検出器において、その検出素子を冷却する手段として現在、液体窒素や電子冷却(ペルチェ冷却等)が用いられている。しかしながら、液体窒素はそれを汲んで入れる作業等の点で、その費用だけでなく人的工数も無視できない。また、安全面でもその取り扱いには注意を要する。
ペルチェ冷却は、そのような手間は省けるが、冷却温度(良くて−100゜C)が十分とはいえない状況であり、EDSのデータは液体窒素温度まで冷却した方が明らかに優れる。一般的に冷却/冷凍というと、スターリング型の冷凍機が用いられているが、その大きさ及び振動や磁場の影響を考えると、電子顕微鏡等の荷電粒子線を用いた装置には不向きとされてきた。
近年は、冷凍機も機械的可動部分を減らしたパルスチューブ型冷凍機が開発されて小型化が進み、また低振動のタイプも登場してきた。図7はパルスチューブ型冷凍機の構成例を示す図である。パルスチューブ型冷凍機は、圧縮機30と、放熱器34と、膨張機35と、低温端50より構成されている。31,32は圧縮機30内に設けられた対向動作を行なうピストンである。放熱器34は圧縮機30の上部に設けられている。低温端50に、試料を冷却するための機構が接続される。ピストン31,32は対向型となっているため、振動をキャンセルすることができる。
51はパルスチューブ、52はガスピストン、53はイナータンスチューブ、60はバッファタンクである。このパルスチューブ型冷凍機では、可動部がなく、パルスチューブ51内のガスピストン52がその役割を担っている。流路内のガスとしては、例えばヘリウムガスが用いられる。イナータンスチューブ53とバッファタンク60とで、位相制御部を構成している。圧縮機30において、ピストン31,32とこのピストン31,32を往復運動させる駆動部(図示せず)を含むリニアモータと、該リニアモータが内部に収容されるシリンダ33とを備えている。
冷凍機は以上説明したような進展をしているが、まだ冷凍機を電子顕微鏡にそのまま取り付けることは難しい。寸法の長い冷却器など、冷却能力もそれ相応に要るため、冷凍機本体もある程度のボリュームが必要となる。そのため、振動を抑制する制振対策が必要である。更に、磁場漏れ対策が必要となる。パルスチューブ冷凍機では、ピストンが動くたびに磁場が漏れて測定に影響を与える。この場合、磁場漏れに関しては磁気遮蔽(磁気シールド)をすればよいが、放熱の兼ね合いも考慮しなければならない。
本発明はこのような課題に鑑みてなされものであって、磁気遮蔽,制振及び放熱に優れた冷凍装置を提供することを目的としている。
本発明の実施の形態の説明に先立ち、本発明の基本的な考え方について説明する。
1)磁気遮蔽
十分な遮蔽を行なうために、遮蔽する金属の材質と、その厚さを決定する必要がある。遮蔽効果を増すためには、多重のシールド形態をとるのが望ましい。また、材料が高価なため、大きく作ることはコスト上昇につながる。
2)制振
ここでは、マスダンパーを考える。図8に示すように、重りをバネやゴム等で浮かして対象物に取り付け、対象物の振動を抑制する。図8は冷凍機の構成概念図である。図において、40は冷凍機、41は該冷凍装置40の上にバネを介して取り付けられたマスダンパー、42は冷凍装置40の周囲を取り囲んだシールドケース、43はシールドケース42の一端側に取り付けられたシールドケース42内へ空気を送風するための放熱ファンである。44は冷凍装置40の下部に取り付けられた冷凍機放熱フィン、45は放熱ファン43の反対側に設けられた空冷スリットである。図中破線は空気の流れを示す。
ここで、対象物の重量や、抑える振動周波数によってこの設計値が変わる。目安であるが、1自由度系の希望する減衰比ζは抑制対象物とマスダンパーの重りの重量比をμとして次式のように表される。
ζ=1/2√(μ/2)+μ
この式を用いると、例えばζが0.3必要ならμ=0.2、ζが0.2必要ならμ=0.085となる。これで、マスダンパーの必要な重量が分かり、大きさも決まる。それで、マスダンパーを収容するシールドケースの大きさも決まってくる。
3)放熱
図8では、空冷方式を想定しているので、冷凍装置40の放熱部に風が到達するよう、スリット45を設ける必要がある。しかしながら、1)の磁気遮蔽のことを考えると、スリットの大きさを制限する必要がある。スリット45を大きくすると、磁気シールド効果が小さくなるからである。図9はスリットの大きさと磁場漏れの関係を示す図である。図において、縦軸は漏れ磁場B(T)、横軸はスリット幅(mm)である。シールドケース42の大きさは100mm×300mm×100mmを想定している。例えばスリット幅5mmの場合の漏れ磁場は0.352E−08、スリット幅25mmの場合は漏れ磁場は7.37E−08であるので、25mmスリットの場合が漏れ磁場が21倍大きい。
図10はスリットの中心からの位置と漏れ磁場の関係を示す図である。縦軸は漏れ磁場B(T)、横軸は中心部からのスリット位置h(mm)である。これから、スリットを端においた方が漏れ磁場が大きいことが分かるが、図9に示すほどの開きはない。図11にスリットの大きさと磁場漏れ及び放熱の関係を示す図である。縦軸が影響度、横軸がスリットの大きさである。実線は磁場漏れを、破線は放熱を示す。スリットの大きさと磁場漏れ及び放熱の関係は相反の関係にあることが分かる。
つまり、スリットの大きさを小さくすると、漏れ磁場の影響は少ないが、放熱上の問題が出てくる。これに対して、スリットの大きさを大きくすると、漏れ磁場の影響が大きくなるが、放熱対策は好ましいものとなる。そこで、放熱対策と漏れ磁場の影響とをバランスよく適用して、シールドケースを設計する必要がある。本発明では2重シールドを採用するが、1重目(内側)を遮蔽優先にして余り大きなスリットを開けないようにする。そして、冷凍機の冷却フィン(放熱部)を出しておく。2重目は、放熱優先にスリット径を決めるとよい。
本発明は、上述した諸点に鑑みてなされたものである。
(1)請求項1記載の発明に基づく冷凍装置は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを膨張させて低温を得る膨張機と、圧縮機と膨張機の間に設けられ、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを冷却する放熱器とを備えた冷凍機と、前記圧縮機を包囲するように取り付けられ、複数の空気流出入穴を設けた1重目シールドと、前記放熱器に空気を吹き付けるファンと、空気流入用スリットおよび空気流出用スリットが設けられ、前記1重目シールド、前記放熱器及び前記ファンを包囲する2重目シールドと、前記圧縮機、前記1重目シールド又は2重目シールドに取り付けられた少なくとも1個のマスダンパーとで構成されることを特徴とする。
(2)請求項2記載の発明に基づく冷凍装置は、 冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを膨張させて低温を得る膨張機と、圧縮機と膨張機の間に設けられ、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを冷却する放熱器とを備えた冷凍機と、前記圧縮機及び放熱器を包囲するように取り付けられ、複数の空気流出入穴を設けた1重目シールドと、空気流入用スリットおよび空気流出用スリットが設けられ、前記1重目シールドを包囲する2重目シールドと、前記放熱器に空気を流通させるため前記第1重目シールド内又は1重目シールドと2重目シールドとの間に配置されるファンと、前記圧縮機、前記1重目シールド又は2重目シールドに取り付けられた少なくとも1個のマスダンパーとで構成されることを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の冷凍装置において、マスダンパーを移動可能に設けたことを特徴とする。
(4)請求項4記載の発明に基づく冷凍装置は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを膨張させて低温を得る膨張機と、圧縮機と膨張機の間に設けられ、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを冷却する放熱器とを備えた冷凍機と、前記圧縮機を包囲するように取り付けられた二重シールドと、前記圧縮機および膨張機の放熱部とに接続される水冷ジャケットと、該水冷ジャケットに取り付けられた除振機構とで構成されることを特徴とする。
(5)請求項5記載の発明は、荷電粒子線装置の試料室と鏡筒部のいずれか又は双方に、請求項1乃至4の何れかに記載の冷凍装置を設けたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、冷凍機が2重シールドされると共に、1重目シールドと2重目シールドの間に放熱器とそれを冷却するファンを配置するようにしたため、磁気遮蔽及び放熱に優れ、併せてマスダンパーにより振動を抑制することのできる冷凍装置を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、冷凍機が2重シールドされると共に、放熱器は1重目シールドの中に配置され、1重目シールド内又は1重目シールドと2重目シールドの間に放熱器へ冷却風を送るためのファンを配置するようにしたため、磁気遮蔽及び放熱に優れ、併せてマスダンパーにより振動を抑制することのできる冷凍装置を提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、マスダンパーを移動可能に設けたことにより、制振性能を高めた冷凍装置を提供することができる。
請求項4記載の発明によれば、圧縮機の冷却を水冷式とすることにより、ファンを必要とせずに磁気遮蔽及び放熱に優れ、併せて振動を抑制することのできる冷凍装置を提供することができる。
請求項5記載の発明によれば、本発明を適用することにより、冷凍装置を備えた荷電粒子線装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態例を示す構成図である。図において40は冷凍装置で、圧縮機40a、放熱器40b、蓄冷器40c及び低温端40dから構成され、低温端40dを図示しない半導体X線検出器等に接続して検出器を低温に維持し、熱雑音の発生を防止する。41は圧縮機40aを包囲するように設けられた1重目シールドであり、放熱器40bは1重目シールドの外に位置する。42は、1重目シールド41を更に包囲するように配置される2重目シールドであり、前記放熱器40bは、1重目シールド41と2重目シールド42との間の空間に位置し、蓄冷器40cと低温端40dは2重目シールド42の外に位置する。43は1重目シールド41の上に載置されたマスダンパー(MD)で、この実施の形態では2基設けた場合を示している。44は2重目シールドの側壁に設けられた導入スリット45aを介して2重目シールド内に空気を取り入れるために2重目シールド42の側壁に取り付けられたファン、45bは2重目シールド内から外へ空気を逃がすために2重目シールド42の側壁に設けられた排出スリットである。なお、本実施の形態では、1重目シールド41の前記ファン44に面する部分に空気導入スリット46a、前記2重目シールド42に設けられた排出スリット45bに面する部分に排出スリット46bがそれぞれ設けられている。
このように構成された装置では、圧縮機40aを1重目シールド41と2重目シールド42により2重に遮蔽しているため、圧縮機のピストンが動作しても漏れ磁束を大幅に減少させることができる。従って、X線検出器に漏れ磁束が影響を与えることはなく、正確な測定を行なうことができる。そして、ファン44を動作させることにより2重目シールド内に取り入れられた空気は、取り入れられた空気が排出スリット45から2重目シールド外へ排出される間に、放熱器40bが冷却される。また、取り入れられた空気の一部は、導入スリット46aおよび排出スリット46bを介して1重目シールド41の中を通過するため、圧縮機40aと放熱器40bの間の比較的高温になる部分を空気により冷却することができる。このようにして、2重のシールドを行いながら、放熱器の冷却を適切に行うことができる。
なお、スリットの大きさに関しては、先に説明したように、以下のような配慮がなされている。すなわち、1重目シールド41は遮蔽優先にし、導入スリット46aおよび排出スリット46bとも余り大きなスリットを開けないようにする。そして、放熱器40bを冷却するため、2重目シールド42に設けるスリット45a,45bは、放熱優先にして比較的大きなスリット径とする。
更に本実施の形態では、MD43を設けたため、振動を抑制することも可能となった。なお、本実施の形態では、MD43は2基とし、振動の基本周波数と2倍の成分を打ち消すようにそれぞれチューニングしている。また、MD43の取り付けは、調整可能なものとし、例えばレール上を移動でき、ビスで固定できるようにしておく構造が望ましい。図2はマスダンパーの移動のようすを示す図である。MD43の下部にはレール48が設けられており、X方向に自由に移動可能になっている。目的の位置までMD43を移動させたら、その位置でビスにより固定すればよい。
なお、MD43はX方向だけではなく、Y方向にも微調整できるようにしておけばより好ましい。このような構成にすると、冷凍機の取り付け方に起因するアンバランスな振動分の調整もできる。ここで、MD43の重さは制振効果を発揮するため、重量比として0.1程度を目安とする。即ち、冷凍機40の重さが10kgなら1kgは必要となる。上記の
MD43は受動的なものであるが、勿論、振動センサ付きの能動的な構造のダンパーにしてもよい。
本実施の形態では、マスダンパーを1重目シールド41に2個取り付けるようにしたが、2重目シールド42に取り付けるようにしても良く、さらには圧縮機40aに直接取り付けるようにしても良く、個数も1個でも良い。
以上、説明したように、第1の実施の形態によれば、磁気遮蔽,放熱及び制振に優れた冷凍装置を提供することができる。また、マスダンパーを2次元的に配置可能にすることにより、制振機能を高めることができる。
図3は本発明の第2の実施の形態例を示す構成概念図である。図において70は、圧縮機70a、放熱器70b、蓄冷器70c及び低温端70dからなる冷凍装置である。本実施の形態においても、1重目シールド71と2重目シールド72とが設けられるが、本実施の形態においては1重目シールド71が圧縮機70aと放熱器70bを包囲し、2重目シールド72が1重目シールド71を包囲するように配置される。
そして、2重目シールド内に空気を取り入れるために2重目シールド72の側壁に設けられた導入スリット75aの位置にファン74が取り付けられると共に、2重目シールド内から外へ空気を逃がすために2重目シールド72の側壁に排出スリット75bが設けられている。さらに、1重目シールド71の前記ファン74に面する部分に空気導入スリット76a、前記2重目シールド72に設けられた排出スリット75bに面する部分に排出スリット76bがそれぞれ設けられている。
図3においては、マスダンパー(MD)73は圧縮機70aの上面に並べて2個取り付けられているが、取り付け位置は圧縮機のどこでも良く、例えば圧縮機の下面に放熱器70bを挟むように2個取り付けても良い。さらには、第1の実施の形態のように1重目シールドに取り付けても良いし、2重目シールド72に取り付けても良い。
このように構成された装置では、2重シールドによる漏れ磁束の減少は第1の実施の形態と同様に得られる。そして、ファン74を動作させることにより2重目シールド内に取り入れられた空気は、導入スリット76aおよび排出スリット76bを介して1重目シールド71の中を通過するため、圧縮機40aと放熱器40bを空気により冷却することができる。このようにして、第1の実施の形態と同様に、2重のシールドを行いながら、放熱器の冷却を適切に行うことができる。
また、図3に示すように、MD73が圧縮機70aに直接取り付けられた場合には、制振力は図1のように1重目シールドに取り付けた場合に比較して強くなる。また、MD73が放熱部70bを挟むように圧縮機70aに取り付けられた場合には、1重目シールド71及び2重目シールド72を小型化することが可能となる。このように、第2の実施の形態においても、磁気遮蔽,放熱及び制振に優れた冷凍装置を提供することができる。なお、第2の実施例では空冷ファンは1重目シールドと2重目シールドとの間に配置したものについて説明したが、空冷ファンを1重目シールドの内側に配置するようにしたものであってもかまわない。
以上、実施例1,2に示した空冷ファンは空気をシールド外部から押し込んで放熱器に吹き付けるようなものについて述べたが、これとは逆にシールド内の空気を外へ吐き出すように送風する空冷ファンであっても構わない。しかし、この場合、導入スリットと排出スリットはその役目が逆転することは当然である。
図4は本発明の第3の実施の形態例を示す構成概略図である。図において80は、圧縮機80a、放熱器80b、蓄冷器80c及び低温端80dからなる冷凍装置である。本実施の形態では、圧縮機80aが1重目シールド81及び2重目シールド82によって包囲される。1重目シールド81及び2重目シールド82にはスリットが開けられておらず、密閉状態となっている。放熱器80bは、2重目シールド82の外に位置するが、その周囲を水冷ジャケット83によって囲われているため、図示されていない。86は、水冷ジャケットに取り付けられた除振装置である。
本実施の形態によれば、放熱器の冷却が水冷ジャケット83によって行われるため、第1及び第2の実施の形態で存在したファンを除くことができる。そして、ファンが無くなる、圧縮機83を1重目シールド81及び2重目シールド82による完全な密閉2重シールドで覆うことが可能となる。この結果、圧縮機からの磁束の漏れ出しを更に低減することができる。併せて、除振機構86により振動も低減される。
このように、本実施の形態によれば、放熱器を水冷ジャケットにより冷却することにより、ファンが不要で、密閉2重シールドにより磁束の漏れ出しを更に低減でき、併せて除振機構により振動も低減することができ、磁気遮蔽,放熱及び制振に優れた冷凍装置を提供することができる。
図5は本発明の第4の実施の形態例を示す構成概念図である。この実施の形態は、電子顕微鏡に本願発明に係る冷凍機を複数設けたものである。即ち、本発明の冷凍装置200が電子顕微鏡の鏡筒110及び試料室111の真空排気系に取り付けられたものである。このように冷凍装置を各真空排気系に取り付けることにより、排気ガスの吸着トラップとして機能するので、真空の質を向上させることが可能である。
このように、第4の実施の形態によれば、必要な箇所が所定温度だけ冷却された荷電粒子線装置を提供することができる。
以上、説明したように、本発明によれば、磁気遮蔽,制振及び放熱に優れた冷凍装置及び荷電粒子線装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態例を示す構成図である。 マスダンパーの移動のようすを示す図である。 本発明の第2の実施の形態例を示す構成概念図である。 本発明の第3の実施の形態例を示す構成概念図である。 本発明の第4の実施の形態例を示す構成概念図である。 従来装置の構成例を示す図である。 パルスチューブ冷凍機の構成例を示す図である。 冷凍機の構成概念図である。 スリットの大きさと磁場漏れの関係を示す図である。 スリットの中心からの位置と漏れ磁場の関係を示す図である。 スリットの大きさと磁場漏れ及び放熱の関係を示す図である。
符号の説明
40 冷凍装置
40a圧縮機
40b放熱器
40c蓄冷器
40d低温端
41 1重目シールド
42 2重目シールド
43 マスダンパー
44 ファン
45 排出スリット
46a導入スリット
46b排出スリット

Claims (5)

  1. 冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを膨張させて低温を得る膨張機と、圧縮機と膨張機の間に設けられ、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを冷却する放熱器とを備えた冷凍機と、前記圧縮機を包囲するように取り付けられ、複数の空気流出入穴を設けた1重目シールドと、前記放熱器に空気を流通させるファンと、空気流入用スリットおよび空気流出用スリットが設けられ、前記1重目シールド、前記放熱器及び前記ファンを包囲する2重目シールドと、前記圧縮機、前記1重目シールド又は2重目シールドに取り付けられた少なくとも1個のマスダンパーとで構成されることを特徴とする冷凍装置。
  2. 冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを膨張させて低温を得る膨張機と、圧縮機と膨張機の間に設けられ、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを冷却する放熱器とを備えた冷凍機と、前記圧縮機及び放熱器を包囲するように取り付けられ、複数の空気流出入穴を設けた1重目シールドと、空気流入用スリットおよび空気流出用スリットが設けられ、前記1重目シールドを包囲する2重目シールドと、前記放熱器に空気を流通させるため前記第1重目シールド内又は1重目シールドと2重目シールドとの間に配置されるファンと、前記圧縮機、前記1重目シールド又は2重目シールドに取り付けられた少なくとも1個のマスダンパーとで構成されることを特徴とする冷凍装置。
  3. 前記マスダンパーを移動可能に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍装置。
  4. 冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを膨張させて低温を得る膨張機と、圧縮機と膨張機の間に設けられ、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを冷却する放熱器とを備えた冷凍機と、前記圧縮機を包囲するように取り付けられた二重シールドと、前記圧縮機および膨張機の放熱部とに接続される水冷ジャケットと、該水冷ジャケットに取り付けられた除振機構とで構成されることを特徴とする冷凍装置。
  5. 荷電粒子線装置の試料室と鏡筒部のいずれか又は双方に請求項1乃至4の何れかに記載の冷凍装置を設けたことを特徴とする荷電粒子線装置。
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