JP2010007614A - 蒸気タービンロータ及び蒸気タービンロータの温度制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる材料のロータ同士を溶接する溶接部の熱応力を低減し、溶接部の強度、信頼性に優れた蒸気タービンロータを提供する。
【解決手段】上流側ロータ2と、上流側ロータ2よりも高い線膨張特性を有する下流側ロータ3とを溶接接合により一体化した蒸気タービンロータにおいて、溶接接合部及びその近傍のロータ外表面を覆う熱シールド部5を設け、前記熱シールド部5に対応するロータ内部に冷却空間6を形成した。
【選択図】図1
【解決手段】上流側ロータ2と、上流側ロータ2よりも高い線膨張特性を有する下流側ロータ3とを溶接接合により一体化した蒸気タービンロータにおいて、溶接接合部及びその近傍のロータ外表面を覆う熱シールド部5を設け、前記熱シールド部5に対応するロータ内部に冷却空間6を形成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、蒸気タービンの分割したロータを溶接で接合し1本のロータとした蒸気タービンロータ及び蒸気タービンロータの温度制御方法に関する。
蒸気タービンでは、高、中、低圧タービンから成り、上流から下流へ向かって高温・高圧蒸気が温度、圧力が低下しつつ仕事をして行くため、各段落で温度環境が異なる。このため、動翼や静翼は段落ごとに、その温度や応力に応じた適切な材料が選定されている。同様に蒸気タービンロータも高圧ロータ、中圧ロータ、低圧ロータでは異なる材料が選択されているが、複数の短いロータを溶接で接合した溶接ロータならば、1本のロータで各段落ごとに適した材料を選択することが可能である(特許文献1参照)。
溶接ロータにおいては、溶接特有の溶接欠陥、溶接残留応力、熱影響部の強度低下などに起因する溶接部の強度低下、信頼性が問題となる。このため非破壊検査方法やバインダを含む溶接部の材料選定、最適な熱処理選定などは勿論であるが、溶接部の応力を低減し、溶接部の信頼性を相対的に高めることも試みられている。例えば、溶接部を突起状にして周囲より厚肉とし、かつ、中部に空洞部を設けて周囲の肉厚を薄くすることで曲げ剛性を低下し、溶接部の応力を下げるような接合をしたロータが知られている(特許文献1,2,3参照)。
これらの発明では、溶接ロータの信頼性を高めたり、また、薄肉化による熱応力低減により、急速起動を可能としている。
特開2001−317301号公報
特開2005−344527号公報
特許第2837110号公報
上記タービンロータ、特に高温で用いられる高圧ロータ、中圧ロータ、高中圧ロータでは、起動停止時や運転中の熱応力が強度上問題となり、設計や運転における制約となる。上流側と下流側で異なったロータ材料を用いる溶接ロータでは、材料の組合せによっては高い熱応力が生じる。
例えば、耐熱鋼として高温である上流側ロータに12%Cr鋼のような高Cr鋼を用い、下流側にCr量1%程度の低合金鋼を用いる場合、両材料では2×10−6/℃位線膨張係数の差があるため、溶接部が高温部にあると両者の熱膨張差により高い熱応力が生じることになる。この熱応力は、定常運転中のみならず、起動停止によっても変動するため、ロータの強度低下や信頼性低下を引起こす。また、周方向、径方向に生じる温度の差から外表面と内径側で熱応力の分布も異なるため、応力低減形状などによる対策が困難であるといえる。
以下、異材同士を接合し溶接部に中空部を設けた従来の溶接ロータについて、具体的に説明する。
図9は、2つのロータ同士を溶接により接合した溶接ロータの構造を示す図である。
図9は、2つのロータ同士を溶接により接合した溶接ロータの構造を示す図である。
蒸気の流れる方向で見て、ロータ1の溶接部4より上流側のロータを上流側ロータ2、溶接部4より下流側を下流側ロータ3とする。通常は、蒸気は下流に向かって温度が下がって行くので、上流側ロータ2の方がより高温強度が要求される。例えば、上流側には12%Crロータ鋼などの高Cr鋼、溶接部4より下流側は1%CrMoVロータ鋼などの低合金鋼が用いられる。溶接金属は、Cr量が両ロータ鋼のCr量の中間の低合金鋼であり、この例では溶接金属の線膨張係数は下流側の1%CrMoVロータ鋼に近いとする。溶接ロータでは溶接量を少なくするため、また、曲げ荷重、トルク荷重を伝達するにはロータ外周側にのみ溶接したロータで剛性は十分足りるので、溶接部直下では内部に空洞部8がある。
蒸気タービンでは、上流から下流に向け、段落が進むにつれて蒸気温度は徐々に下がって行くが、溶接接合部の直前、直後は同じ段落であるので蒸気温度はほぼ同じであり、ロータ1の温度も溶接接合部の直前、直後の差は僅かである。ロータ全体では上流から下流側に向け、ロータ自体に熱伝導があるため上流の方が若干温度が高いが、溶接接合部の直前、直後の温度差は大きくても数℃以内、溶接部の狭い超狭開先溶接を用いた溶接ロータではほぼゼロ℃とみなせるため、両ロータ材の線膨張係数の違いから生じる熱応力をほとんど緩和できない。
仮に上流側ロータの溶接接合部の温度を450℃とした場合、常温から450℃までの平均線膨張係数は、上流側の12%Crロータ鋼が12×10−6/℃、下流側の1%CrMoVロータ鋼が14×10−6/℃程度とすると、熱膨張による熱応力を完全にキャンセルするには下流側の溶接部は温度が61℃低くなくてはならない。このため、数℃程度のロータ温度差では、ロータの熱応力はほとんど変わらない。
図10は、上流側ロータ及び下流側ロータの熱膨張の態様を示す図である。
上流側ロータ2は、元の形状D2から、熱膨張後の形状D2´へ変化する。下流側ロータ3は、元の形状D3から、熱膨張後の形状D3´へ変化する。このように、下流側のロータがより大きく熱膨張しようとするため、熱応力が作用する。温度の変化は僅かであるので熱応力は材料が変わる溶接部4近傍で大きくなる。軸方向応力σaは、ロータの曲げの影響を受けるため、ロータの外表面と内面で引張を+、圧縮を−で示すように引張、圧縮応力分布が異なるが、周方向応力σtは、線膨張係数が大きい下流側1%CrMoVロータ鋼では圧縮、線膨張係数が小さい上流側12%Crロータ鋼では引張応力が作用する。引張応力が作用する部位では、ロータにかかる応力が大きくなることから溶接接合部の強度低下が懸念される。
上流側ロータ2は、元の形状D2から、熱膨張後の形状D2´へ変化する。下流側ロータ3は、元の形状D3から、熱膨張後の形状D3´へ変化する。このように、下流側のロータがより大きく熱膨張しようとするため、熱応力が作用する。温度の変化は僅かであるので熱応力は材料が変わる溶接部4近傍で大きくなる。軸方向応力σaは、ロータの曲げの影響を受けるため、ロータの外表面と内面で引張を+、圧縮を−で示すように引張、圧縮応力分布が異なるが、周方向応力σtは、線膨張係数が大きい下流側1%CrMoVロータ鋼では圧縮、線膨張係数が小さい上流側12%Crロータ鋼では引張応力が作用する。引張応力が作用する部位では、ロータにかかる応力が大きくなることから溶接接合部の強度低下が懸念される。
このように、異材同士を接合した溶接ロータでは、溶接部にかかる応力を小さくし、溶接部の強度、信頼性を確保するため、溶接部の熱応力を小さくすることが課題であった。本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、異なる材料のロータ同士を溶接する溶接部の熱応力を低減し、溶接部の強度、信頼性に優れた蒸気タービンロータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の蒸気タービンロータは、上流側ロータと、前記上流側ロータよりも高い線膨張特性を有する下流側ロータとを溶接接合により一体化した蒸気タービンロータにおいて、溶接接合部及びその近傍のロータ外表面を覆う熱シールド部を設け、前記熱シールド部に対応するロータ内部に冷却空間を形成したことを特徴とする。
また、本発明の蒸気タービンロータの温度制御方法は、温度計測装置によりロータ温度を監視する工程と、回転遠心力による応力分布、溶接残留応力分布、及び経年運転による応力分布の変化、並びに両ロータ鋼、溶接部の許容応力から、強度上有利なロータの熱応力分布を演算する工程と、演算により求めた有利な熱応力分布になるように、前記ロータ温度を監視しながら、冷却流体による冷却及びヒータの加熱を制御する工程とを有することを特徴とする。
本発明により、異なる材料のロータ同士を溶接する溶接部の前後で線膨張係数の差による熱応力をキャンセル、又は緩和できるため、溶接部の強度、信頼性に優れた蒸気タービンロータとすることができる。
以下、本発明に係る発電機系の蒸気タービンロータの実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面中同一部分には同一符号を付し、その部分の構成の説明は省略する。
(実施形態1)
まず、図1を用いて本発明に係る蒸気タービンロータの実施形態1を説明する。
図1は、実施形態1の蒸気タービンロータの概要を示す図であり、(a)は蒸気タービンロータの構成を示す図、(b)はロータ温度分布を示す図である。なお、従来技術と共通の箇所には同一の符号を付している。
まず、図1を用いて本発明に係る蒸気タービンロータの実施形態1を説明する。
図1は、実施形態1の蒸気タービンロータの概要を示す図であり、(a)は蒸気タービンロータの構成を示す図、(b)はロータ温度分布を示す図である。なお、従来技術と共通の箇所には同一の符号を付している。
ロータ1の上流側ロータ2と下流側ロータ3は、溶接部4により接続されている。従来技術と同じく耐熱鋼として上流側ロータに12%Cr鋼のような高Cr鋼を用い、下流側にCr量1%程度の低合金鋼を用いる。なお、この材料以外にも異材同士を接合し、線膨張係数が上流側より下流側の材料が高い場合には、同様に本実施形態に使用できるのはもちろんである。本発明における蒸気タービンロータの特徴は、図1(a)が示すように溶接接合部及びその近傍のロータ外表面、特に下流側に偏位したロータ外表面を、蒸気からの熱を遮る熱シールド部5が覆っていること、かつ、熱シールド部5に対応するロータ内径側には冷却空間6が形成されていることである。冷却空間6には外表面の蒸気よりも低い温度の流体が供給される。冷却流体は通常は空気であり、冷却流体の温度が運転中に上がりすぎないことと、熱移動をスムーズにするため、冷却流体のある冷却空間6は外部と冷却流体通路7で通じている。
このような構造の蒸気タービンロータでは、熱シールド5が覆っていない上流側と下流側のロータ外表面は蒸気温度に近い高温となるが、熱シールド部5に覆われているロータ外表面は、直下の冷却流体の影響を受け、温度は低下する。
図1(b)において、従来技術のロータ温度が破線で示されるのに対し、本実施形態のロータ外表面温度は実線で示される。ロータ内の軸方向の熱伝導があるため温度の変化は連続的ではあるが、溶接部近傍で急激に温度が低下する。
図2は、本実施形態の上流側ロータ及び下流側ロータの熱膨張の態様を示す図である。
図2に示すように、仮に溶接接合部で完全に熱応力がキャンセルされるほど温度が下がったとすると、ロータの熱膨張、熱応力分布(軸方向応力σa、周方向応力σt)は、熱応力の発生部位が溶接部4から外れること、及び熱応力の大きさも緩和される。
図2に示すように、仮に溶接接合部で完全に熱応力がキャンセルされるほど温度が下がったとすると、ロータの熱膨張、熱応力分布(軸方向応力σa、周方向応力σt)は、熱応力の発生部位が溶接部4から外れること、及び熱応力の大きさも緩和される。
これにより溶接部4の前後で線膨張係数の差による熱応力をキャンセル、又は緩和することができるようになるため、溶接部4の強度、信頼性に優れた蒸気タービンロータとすることができる。
図3から図5は、本発明の実施形態1に係る熱シールド部の例を示す図である。
本実施形態における熱シールド部5は、例えばタービン固定側に設けたノズルの内側にあり、図3に示すようなロータの直近に設置したシールド構造、図4に示すようなロータ外表面に施した遮熱コーティング層、図5に示すようなロータ外表面の遮熱筒構造などが考えられる。
本実施形態における熱シールド部5は、例えばタービン固定側に設けたノズルの内側にあり、図3に示すようなロータの直近に設置したシールド構造、図4に示すようなロータ外表面に施した遮熱コーティング層、図5に示すようなロータ外表面の遮熱筒構造などが考えられる。
図3の熱シールド部5は、ロータ外表面に近い部分に円筒形状のシールド部材12を設置し、ロータ外表面のロータフィン11とロータフィン11と対向するシールド部材側のフィン13を多層に設けてラビリンスシールとし、ロータ外表面とシールド部材12の間の隙間を流れる蒸気を減らすことで熱を遮断する。なお、シールド部材12の外側表面にある突起(ハイロー)14とタービン固定側に設けたノズル15の内側のフィン16はラビリンスシールである。
図4の熱シールド部5は、ロータ外表面、特に突起21を有する表面を覆うように熱伝導率が低い遮熱コーティング層22が施されている。これにより熱の遮断効果を高めている。ロータ外表面に形成された突起21とノズル15の内側のフィン24はラビリンスシールである。
図5の熱シールド部5は、例えば、熱シールド部5とする範囲のロータ外表面をあらかじめ削り込んで凹部を形成し、そこを塞ぐように円筒形状のシールド部材31を溶接部32によりロータ本体に溶接したものである。蒸気が熱シールド部5でロータ1に触れないようになっている。なお、シールド部材31の外側表面にある突起21とノズル15の内側のフィン24はラビリンスシールである。形成された密閉空間33は空気が入っているがロータ材に比べて熱伝導率が小さいため、熱の遮断効果を有する。なお、溶接でなく焼き嵌めや嵌合ボルトなどの機械的な結合によりシールド部材31をロータに固定しても同様の効果が得られる。
(実施形態2)
次に、本発明に係る蒸気タービンロータの実施形態2について説明する。
図6は、本発明の実施形態2に係る蒸気タービンロータの構成を示す図である。なお、実施形態1と共通の箇所には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、本発明に係る蒸気タービンロータの実施形態2について説明する。
図6は、本発明の実施形態2に係る蒸気タービンロータの構成を示す図である。なお、実施形態1と共通の箇所には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の構成上の特徴は、実施形態1の発明において、更に冷却流体が入る内部の冷却空間6に上流側ロータ内表面に接するように円盤型シール42付の断熱材41を設けたことにある。熱シールド部5の外に断熱材41を設けることにより、熱シールド部5直下の冷却の効果が高まり、より温度差がつきやすくなる。この結果、溶接部4の前後で線膨張係数の差による熱応力をより緩和することができるようになるため、溶接部の強度、信頼性に優れた蒸気タービンロータとすることができる。
(実施形態3)
次に、本発明に係る蒸気タービンロータの実施形態3について説明する。
図7は、本発明の実施形態3に係る蒸気タービンロータの構成を示す図である。なお、実施形態1,2と共通の箇所には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、本発明に係る蒸気タービンロータの実施形態3について説明する。
図7は、本発明の実施形態3に係る蒸気タービンロータの構成を示す図である。なお、実施形態1,2と共通の箇所には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の構成上の特徴は、実施形態1,2の発明において、更に冷却流体を強制的に循環させる装置を設けたことである。冷却流体の冷却効率は冷却流体の温度と流速による。このため、冷却流体を冷却空間6に導入し、噴出し口51a、シール用突起51bを有する導入管51を、冷却流体がスムーズに流れるようにガイド52を、更に、冷却流体が効率的に排出されるよう排気用通路53を設ける。矢印は冷却流体の流れを示している。これにより、熱シールド部5直下の冷却の効果を高め、温度差を大きくする。この結果、溶接部4の前後で線膨張係数の差による熱応力をより緩和できる。
なお、冷却空間5の内面側で、上流側ロータ2、下流側ロータ3のそれぞれに配置した温度計測装置54,55によりロータの温度分布を推定して、この温度分布に基づいて冷却流体の注入量、冷却流体の温度などを制御してやれば、起動停止など熱応力が生じやすいときでも、ロータの熱応力を緩和することが可能である。
(実施形態4)
次に、本発明に係る蒸気タービンロータの実施形態4について説明する。
図8は、本発明の実施形態4に係る蒸気タービンロータの構成を示す図である。なお、これまでの実施形態と共通の箇所には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、本発明に係る蒸気タービンロータの実施形態4について説明する。
図8は、本発明の実施形態4に係る蒸気タービンロータの構成を示す図である。なお、これまでの実施形態と共通の箇所には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の構成上の特徴は、実施形態1,2,3の発明において、上流側ロータ温度を上げるため冷却空間6の上流側に上流側ロータ2に近接して加熱装置(ヒータ)61を設けたことである。上流側ロータ2を加熱することで、上流側ロータ2と下流側ロータ3の接合部の温度変化をより急にすることができるので、熱膨張差による熱応力を小さくし、溶接部4の強度、信頼性に優れた蒸気タービンロータとすることができる。
図8の例ではヒータ61は、断熱材41の中に設けた電熱線式のヒータを想定しているが、赤外線式ヒータ、冷却流体と同様の流路を上流側ロータ2ヘ設けて高温流体による伝熱式のヒータなどが考えられ、上流側ロータ2の加熱手段を限定しているものではない。
一方、温度計測装置によるロータ温度のモニタリング、及びロータ外表面の熱シールド部5、熱シールド部5直下の強制的冷却と冷却制御、上流側ロータ2に対するヒータの加熱制御を組合せると、複雑な応力分布制御が可能になる。
回転遠心力による応力分布、溶接残留応力分布、経年運転による応力分布の変化などを事前に明らかにしておき、また、両ロータ鋼、溶接部の許容応力を決めておけば、最も強度上有利なロータの熱応力分布を求めることができる。それにより、最良の熱応力分布に近くなるようなロータ温度に制御することが可能になる。その結果、溶接ロータの強度、信頼性を高めることができ、また、起動、停止時の運転上の制約も少なくすることができる。
1…ロータ、2…上流側ロータ、3…下流側ロータ、4…溶接部、5…熱シールド部、6…冷却空間、7…冷却流体通路、8…空洞部、12…シールド部材、14…突起、15…ノズル、21…突起、22…遮熱コーティング層、31…シールド部材、33…密閉空間、41…断熱材、51…冷却流体導入管、53…冷却流体排気用通路、54,55…温度計測装置、61…ヒータ。
Claims (12)
- 上流側ロータと、前記上流側ロータよりも高い線膨張特性を有する下流側ロータとを溶接接合により一体化した蒸気タービンロータにおいて、
溶接接合部及びその近傍のロータ外表面を覆う熱シールド部を設け、前記熱シールド部に対応するロータ内部に冷却空間を形成したことを特徴とする蒸気タービンロータ。 - 前記熱シールド部は、溶接接合部の下流側に偏位していることを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービンロータ。
- 前記冷却空間に、冷却流体を供給する冷却流体通路が接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気タービンロータ。
- 前記上流側ロータは高Cr鋼からなり、前記下流側ロータは低合金鋼からなることを特徴とする請求項1ないし3に記載の蒸気タービンロータ。
- 前記熱シールド部は、内面にフィンを設けた円筒形状のシールド部材とロータ外表面のフィンとを有し、前記シールド部材のフィンと前記ロータ外表面のフィンによりラビリンスシールとしたことを特徴とする請求項1ないし4に記載の蒸気タービンロータ。
- 前記熱シールド部は、溶接接合部及びその近傍のロータ外表面に施した遮熱コーティング層であることを特徴とする請求項1ないし4に記載の蒸気タービンロータ。
- 前記熱シールド部は、溶接接合部及びその近傍のロータ外表面との間で密閉空間を形成した円筒形状のシールド部材を有することを特徴とする請求項1ないし4に記載の蒸気タービンロータ。
- 前記熱シールド部の外側表面とタービン固定側に設けたノズルの内側でラビリンスシールを構成したことを特徴とする請求項5ないし7に記載の蒸気タービンロータ。
- 前記冷却空間内で、前記冷却流体が上流側ロータに触れないように断熱材を上流側ロータ内表面に接するように設けたことを特徴とする請求項1ないし8に記載の蒸気タービンロータ。
- 前記冷却空間内で、前記上流側ロータ及び下流側ロータに温度計測装置を配置したことを特徴とする請求項9に記載の蒸気タービンロータ。
- 前記冷却空間内で、前記上流側ロータを加熱し温度を上げるヒータを、前記上流側ロータに近接して設けたことを特徴とする請求項10に記載の蒸気タービンロータ。
- 請求項11に記載の蒸気タービンロータのロータ温度を制御する方法であって、
前記温度計測装置によりロータ温度を監視する工程と、回転遠心力による応力分布、溶接残留応力分布、及び経年運転による応力分布の変化、並びに両ロータ鋼、溶接部の許容応力から、強度上有利なロータの熱応力分布を演算する工程と、演算により求めた有利な熱応力分布になるように、前記ロータ温度を監視しながら、前記冷却流体による冷却及び前記ヒータの加熱を制御する工程とを有することを特徴とする蒸気タービンロータの温度制御方法。
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JP2012108051A (ja) * | 2010-11-18 | 2012-06-07 | Babcock Hitachi Kk | 耐熱鋼溶接部の損傷予測方法 |
JP2015525844A (ja) * | 2012-07-03 | 2015-09-07 | ゲーコーエヌ エアロスペース スウェーデン アーベー | ガスタービンエンジン用支持構造 |
KR20200096718A (ko) * | 2019-02-05 | 2020-08-13 | 미츠비시 히타치 파워 시스템즈 가부시키가이샤 | 증기 터빈 발전 설비 및 증기 터빈 발전 설비의 운전 방법 |
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