JP2010121502A - タービン車室 - Google Patents

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Yusuke Suzuki
悠介 鈴木
Kazuhiro Saito
和宏 齊藤
Takao Inukai
隆夫 犬飼
Katsuya Yamashita
勝也 山下
Kazutaka Ikeda
一隆 池田
Asako Inomata
麻子 猪亦
Kunihiko Wada
国彦 和田
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Abstract

【課題】車室上半部と車室下半部のそれぞれが、線膨張率の異なる複数の車室分割部材を接合して構成された場合にも、タービン運転時の高温環境下において、車室上半部と車室下半部間の面開きを低減できること。
【解決手段】車室上半部11と車室半部12の側方に設けられたフランジ部13、14がボルトにより締結されて構成され、車室上半部と車室下半部のそれぞれが、上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11B、上流側車室分割部材12Aと下流側車室分割部材12Bを接合して構成されると共に車室合せ面16、17を備え、これらの車室分割部材11Aと11B、12Aと12Bが線膨張率の異なる材料にて構成されたタービン車室10であって、車室分割部材11Aと11Bの接合面20、車室分割部材12Aと12Bの接合面21が、車室合せ面16、17に対して30〜75度の範囲の傾斜角θを有して構成されたものである。
【選択図】 図2

Description

本発明はタービン車室、特に蒸気タービンのタービン車室に係り、車室上半部と車室下半部のそれぞれが、異なった材質で構成された複数の車室分割部材を接合することにより構成されたタービン車室に関する。
現在、従来の蒸気タービン(Steam Turbine)よりも蒸気温度を高め、高効率化を目指した超々臨界圧蒸気タービン(Advanced−Ultra Super Critical)の開発が進められている。従来の蒸気タービンのタービン車室は高Cr鋼により製造されていたが、超々臨界圧蒸気タービンのタービン車室は運用温度が上昇するため、より高温強度に優れたNi基超合金により製造される。しかし、このNi基超合金は高Cr鋼と比較して、製造コストが高く、また大型鋳造が困難である。
そこで、これらの課題を克服するため、650℃以上の温度にさらされる蒸気上流側の車室高温部を、Ni基超合金やCo基超合金等のオーステナイト系耐熱鋼、蒸気下流側となる車室低温部をフェライト系耐熱鋼で作製し、これらを溶接接合することで車室上半部、車室下半部をそれぞれ製造して、大型鋳造困難性等の課題を克服している(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1と同様なタービン車室の車室上半部を図20及び図21に示す。この車室上半部100は、蒸気の流れの上流側に位置する上流側車室分割部材101と、蒸気の流れの下流側に位置する下流側車室分割部材102とが、例えば溶接により接合されている。これらの上流側車室分割部材101と下流側車室分割部材102の接合面103は、ロータ回転軸と一致する車室中心軸104に平行な車室合せ面105に対して垂直な平面で構成されている。
上流側車室分割部材101と下流側車室分割部材102のそれぞれの接合面103が溶接等により接合されることで車室上半部100が構成され、この車室上半部100の車室合せ面105と、同様に構成された車室下半部(不図示)の車室合せ面とを接触させた状態で、車室上半部100のフランジ部106と車室下半部のフランジ部とを締め付けることで、タービン車室が構成される。尚、符号107はボルト挿通穴を示す。
複数の車室分割部材を溶接等により接合して車室上半部、車室下半部をそれぞれ構成するタービン車室に限らず、蒸気タービンのタービン車室では、高温環境下における長時間の内圧負荷が原因となって、車室上半部と車室下半部の結合部位であるフランジ部にクリープ変形が生ずる。その結果、車室上半部と車室下半部における、密着した車室合せ面に隙間が生じ(面開き)、この隙間から蒸気漏れが発生する事態が知られている。この面開きに対しては、フランジ部の遮熱・冷却(特許文献2参照)、シール構造による蒸気漏れ対策(特許文献3参照)など、フランジ部の設計変更により対処する例が開示されている。
特開2000−282808号公報 特開平6−159009号公報 特開2007−218119号公報
ところで、複数の車室分割部材を溶接等により接合して車室上半部、車室下半部を構成する、特許文献1及び図20等に示すタービン車室においては、複数の車室分割部材の線膨張の相違により発生する熱応力や形状変形によって、前述の面開きが助長される。
つまり、図20及び図21に示すように、蒸気タービン運転時の高温環境下において、上流側車室分割部材101と下流側車室分割部材102の線膨張率の相違によって、上流側車室分割部材101及び下流側車室分割部材102の形状寸法に差異が発生し(図21(A)の破線形状と実線形状)、接合面103近傍に、車室上下方向に沿う引張応力108及び圧縮応力109が生じ、車室軸方向に沿う引張応力110が生ずる。更に、上流側車室分割部材101及び下流側車室分割部材102の線膨張が接合面103近傍で急激に変化することによって、車室合せ面105における車室上下方向の変位も大きく変化する。
このように形状寸法が変化した車室上半部100と車室下半部を、それぞれが単一材料で構成された場合と同程度のボルト締付力111で締結すると、上流側車室分割部材101における接合面103近傍の車室合せ面105に発生した車室上下方向の局所変位(例えば凸部112)が、締付ボルトを締め付けるボルト締付力に対して抵抗となり、車室合せ面105において下流側車室分割部材102の接合面103近傍に、車室上半部100と車室下半部間の面開き113が発生する。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、車室上半部と車室下半部のそれぞれが、線膨張率の異なる複数の車室分割部材を接合して構成された場合にも、タービン運転時の高温環境下において、車室上半部と車室下半部間の面開きを低減できるタービン車室を提供することにある。
本発明は、車室上半部と車室下半部のそれぞれの側方に設けられたフランジ部がボルトにより締結されて構成され、前記車室上半部と前記車室下半部のそれぞれが、複数の車室分割部材を接合して構成されると共に車室合せ面を備え、隣接する前記車室分割部材が線膨張率の異なる材料にて構成されたタービン車室であって、複数の前記車室分割部材の接合面が、前記車室合せ面に対して30〜75度の範囲の傾きを有して構成されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、車室上半部または車室下半部の車室合せ面と、それぞれを構成する複数の車室分割部材の接合面との交線付近において、車室上下方向への線膨張が車室軸方向に沿って急激に変化することが抑制されるので、タービン運転時の高温環境下で、車室合せ面が車室上下方向に緩やかに変化する。この結果、車室上半部と車室下半部のそれぞれが、線膨張率の異なる複数の車室分割部材を接合して構成された場合にも、タービン運転時の高温環境下において、車室上半部と車室下半部間の面開きを低減できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。但し、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
[A]第1の実施の形態(図1〜図5)
図1は、本発明に係るタービン車室の第1の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室における車室上半部を示す斜視図である。図2は、図1の車室上半部と車室下半部により構成されたタービン車室を示す側面図である。
図1及び図2に示すタービン車室10は、作動流体としての蒸気が導入される蒸気タービンのタービン車室であり、車室上半部11と車室下半部12のそれぞれの側方に設けられたフランジ部13、14が、図示しない締付ボルトにより締結されて構成される。これらのフランジ部13及び14には、上記締付ボルトを挿通するためのボルト挿通穴15が貫通して形成されている。
ここで、図1及び図2の符号16は、車室上半部11の車室合せ面、符号17は車室下半部12の車室合せ面17であり、締付ボルトによる車室上半部11と車室下半部12の締結時に、これらの車室合せ面16と車室合せ面17が接触する。符号26は、車室上半部11の車室背部、符号27は車室下半部12の車室背部である。また、フランジ部13には、車室合せ面16に平行なフランジ面18が、フランジ部14には車室合せ面17に平行なフランジ面19がそれぞれ形成されている。更に、図1中の符号28は、ロータ回転軸と一致する車室中心軸を示す。
更に、タービン車室10は、高温蒸気の導入により、一部(後述の上流側車室分割部材11A、12A)の基材温度が600℃以上となる内部車室(内部ケーシング)が対象となっている。このため、このタービン車室10では、車室上半部11は複数の車室分割部材(例えば上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11B)が、車室軸方向であるX軸方向に接合、例えば溶接により接合して構成される。また、車室下半部12は、複数の車室分割部材(例えば上流側車室分割部材12Aと下流側車室分割部材12B)が、車室軸方向であるX軸方向に接合、例えば溶接により接合して構成される。
そして、上流側車室分割部材11A及び12Aが、600℃以上の高温に対しても強度を確保可能なNi基超合金またはCo基超合金にて構成される。Ni基超合金は、Niを35%以上含む合金であり、Co基超合金はCoを50%以上含む合金である。また、下流側車室分割部材11B及び12Bは、前記Ni基超合金またはCo基超合金以外のオーステナイト系鉄鋼材料、またはフェライト系鉄鋼材料(例えば12%Cr鋼、CrMoV鋼など)にて構成される。
前記上流側車室分割部材11A及び12Aは、蒸気の流れ方向に対して上流側に位置する車室分割部材であり、また下流側車室分割部材11B及び12Bは、蒸気の流れ方向に対して下流側に位置する車室分割部材である。車室上半部11及び車室下半部12が上述のように分割構造に構成されることで、Ni基超合金やCo基超合金の大型鋳造の製造上の困難性が克服され、且つコスト低減が図られている。
ところで、車室上半部11は、材質の異なる上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bとが例えば溶接などにより接合されて構成されるので、これらの上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bとは、線膨張率が異なる場合がある。また、車室下半部12も、材質の異なる上流側車室分割部材12Aと下流側車室分割部材12Bとで構成されるため、これらの上流側車室分割部材12Aと下流側車室分割部材12Bとは線膨張率が異なる場合がある。このような上流側車室分割部材11A及び12Aと下流側車室分割部材11B及び12Bとの線膨張率の相違を考慮して、タービン運転時の高温環境下においても車室上半部11と車室下半部12間の面開きを低減するために、上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bの接合面(例えば溶接面)20は車室上半部11の車室合せ面16に対して、また、上流側車室分割部材12Aと下流側車室分割部材12Bの接合面(例えば溶接面)21は、車室下半部12の車室合せ面17に対して、それぞれ30〜75度の一定の傾斜角θを有する平面形状に構成されている。
つまり、図3及び図4に示すように、車室上半部11について代表して説明すると、上流側車室分割部材11Aの線膨張率が下流側車室分割部材11Bの線膨張率よりも大きい場合には、タービン運転時の高温環境下において、上流側車室分割部材11Aが下流側車室分割部材11Bよりも膨張して形状寸法に違いが発生するが(図3(A)の破線形状と実線形状)、接合面20と車室合せ面16との交線付近では、図4の実線Pに示すように、車室上下方向(Z軸方向)への線膨張が車室軸方向(X軸方向)に沿って急激に変化することが抑制され、なだらかな変化となる。このため、車室上半部11の車室合せ面16が車室軸方向に沿って車室上下方向に緩やかに変化し、締付ボルトによりボルト締付力Fが付与されて車室上半部11と車室下半部12とが締結されたとき、図2及び図3(B)に示すように、車室上半部11の車室合せ面16と車室下半部12の車室合せ面17は良好な平行度が維持されて、これらの車室合せ面16、17間の面開きが低減される。
この面開き量と接合面20の傾斜角θとの間には、以下に述べるように相関を有する。即ち、上流側車室分割部材11Aを材料1、下流側車室分割部材11Bを材料2とすると、材料1及び材料2を用いた溶接構造の車室上半部11を、同様な構成の車室下半部12と締付ボルトを用いて締結したときの、車室上半部11と車室下半部12間の面開き量tは、式(1.1)として近似できる。
Figure 2010121502
また、傾斜角がθであるときの面開き量tθは、式(1.2)として近似できる。
Figure 2010121502
一方、面開き量tθが0°となる条件は、式(1.3)として近似できる。
Figure 2010121502
上述の式(1.1)、式(1.2)、及び式(1.3)から傾斜角θに関して整理すると、式(1.4)となる。
Figure 2010121502
ここで、上流側車室分割部材11Aの材料1としてNi基超合金を採用し、下流側車室分割部材11Bの材料2として、材料1との線膨張差が2×10−6/℃のフェライト系鉄鋼材料を採用し、両者をΔT=600の部位で溶接接合する場合、傾斜角θは式(1.5)となる。
Figure 2010121502
具体的な車室設計条件として、ボルト条件(ボルト締付応力比σ/E)をσ/E=1.6×10−3、車室形状条件(フランジ厚さ比l/r)をl/r=0.25〜0.3として傾斜角θを計算すると、θ=40〜50°程度となる。このため、Ni基超合金や類似の物性値を持つCo基超合金(材料1)と、フェライト系鉄鋼材料(材料2)とをそれぞれ溶接接合した車室上半部11、車室下半部12においては、傾斜角θを30〜75度の範囲の適切な角度に定めることで、これらの車室上半部11と車室下半部12間の面開きを抑制する効果が得られる。
更に、このタービン車室10では、図2に示すように、車室上半部11と車室下半部12との締付ボルトによる締結状態において、車室上半部11における上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bとの接合面20位置が、車室下半部12における上流側車室分割部材12Aと下流側車室分割部材12Bとの接合面21位置とは異なるよう構成されている。
車室上半部11の車室合せ面16と車室下半部12の車室合せ面17とは、車室軸方向に沿って車室上下方向に緩やかに変化するものの、図5に示すように、車室合せ面16の上流側車室分割部材11A側において接合面20近傍に凸部22が生じ、車室合せ面16の下流側車室分割部材11B側において接合面20近傍に凹部23が生じている。更に、車室下半部12の車室合せ面17の上流側車室分割部材12A側において接合面21近傍に凸部24が生じ、車室合せ面17の下流側車室分割部材12B側において接合面21近傍に凹部25が生じている。この車室上半部11における上流側車室分割部材11A側の凸部22が、車室下半部12の下流側車室分割部材12B側の凹部25内に収まることで、車室合せ面16と17との面開きがより一層低減される。
以上のように構成されたことから、本実施の形態によれば、次の効果(1)及び(2)を奏する。
(1)車室上半部11における上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bの接合面20が、車室合せ面16に対して30〜75度の一定の傾斜角θを有して構成されている。このため、車室上半部11の車室合せ面16と、上流側車室分割部材11A及び下流側車室分割部材11Bの接合面20との交線近傍において、車室上下方向(Z軸方向)への線膨張が車室軸方向(X軸方向)に沿って急激に変化することが抑制されるので、タービン運転時の高温環境下で、車室上半部11の車室合せ面16が車室軸方向に沿って車室上下方向に緩やかに変化する。
また、車室下半部における上流側車室分割部材12Aと下流側車室分割部材12Bの接合面21が、車室合せ面27に対して30〜75度の傾斜角θを有して構成されている。このため、車室下半部12の車室合せ面17と、上流側車室分割部材12A及び下流側車室分割部材12Bの接合面21との交線近傍において、車室上下方向(Z軸方向)への線膨張が車室軸方向(X軸方向)に沿って急激に変化することが抑制されるので、タービン運転時の高温環境下で、車室下半部12の車室合せ面17が車室軸方向に沿って車室上下方向に緩やかに変化する。
これらの結果、車室上半部11が、線膨張率の異なる上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bとを接合して構成された場合にも、また、車室下半部12が、線膨張率の異なる上流側車室分割部材12Aと下流側車室分割部材12Bとを接合して構成された場合にも、タービン運転時の高温環境下において、車室上半部11と車室下半部12間の面開きを低減できる。従って、図20及び図21に示す従来のタービン車室の場合によりも低いボルト締付力で、車室上半部11と車室下半部12とを良好に密着させることができる。
(2)車室上半部11と車室下半部12との締付ボルトによる締結状態において、車室上半部11における上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bとの接合面20位置が、車室下半部12における上流側車室分割部材12Aと下流側車室分割部材12Bとの接合面21位置と異なるよう構成されている。このため、車室上半部11の車室合せ面16の上流側車室分割部材11A側において接合面20近傍に生じた凸部22が、車室下半部12の車室合せ面17の下流側車室分割部材12Bにおいて接合面21近傍に生じた凹部25内に収まるので、車室上半部11と車室下半部12との面開きをより一層低減できる。
[B]第2の実施の形態(図6、図7)
図6は、本発明に係るタービン車室の第2の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室を示す側面図である。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態のタービン車室30が前記第1の実施の形態と異なる点は、車室上半部11の上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bの接合面31が、車室合せ面16に対して30〜75度の一定の傾斜角θ1を有して車室合せ面16と交差する第1部分接合面31Aと、この第1部分接合面31Aの傾斜角θ1以上の傾斜角θ2を有して第1部分接合面31に連続する第2部分接合面31Bと、この第2部分接合面31Bの傾斜角θ2以上の傾斜角θ3を有して第2部分接合面31Bに連続する第3部分接合面31Cとを有して構成され、更に、車室下半部12の上流側車室分割部材12Aと下流側車室分割部材12Bの接合面32が、車室合せ面17に対して30〜75度の一定の傾斜角θ1を有して車室合せ面17と交差する第1部分接合面32Aと、この第2部分接合面32Aの傾斜角θ1以上の傾斜角θ2を有して第2部分接合面32Aに連続する第2部分接合面32Bと、この第2部分接合面32Bの傾斜角θ2以上の傾斜角θ3を有して第2部分接合面32Bに連続する第3部分接合面32Cとを有して構成された点である。
これらの第1部分接合面31A、第2部分接合面31B、第3部分接合面31C、第1部分接合面32A、第2部分接合面32B、第3部分接合面32Cは、いずれも平面形状に形成される。また、これらの接合面31、32は、4以上の部分接合面から構成されてもよい、以下、本実施の形態において、車室上半部31の接合面31について述べる。車室下半部12の接合面32についても同様である。
車室上半部11の接合面31における第1部分接合面31Aは、車室合せ面16近傍での傾斜した接合面であり、車室上半部11と車室下半部12間の面開き低減に対して有効に機能する。また、接合面31における第2部分接合面31B及び第3部分接合面31C、特に第3部分接合面31Cは車室背部26側の接合面である。接合面31は、車室上半部11成型時の加工性確保の観点から、第1部分接合面31A、第2部分接合面31B、第3部分接合面31Cの如く、車室背部26へ向かうに従って、これらの傾斜角θ1、θ2、θ3が段階的に増大するよう設計されている(θ1<θ2<θ3)。
これにより、第3部分接合面31Cが車室合せ面16に対して直角に近い値に設定されることになるので、車室上半部11の車室背部26側において、上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bとの車室軸方向(X軸方向)長さが略同程度となる。
以上のように構成されたことから、本実施の形態によれば、前記実施の形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏する他、次の効果(3)を奏する。
(3)接合面31における第1部分接合面31A、第2部分接合面31B、第3部分接合面31Cの各傾斜角θ1、θ2、θ3が、車室背部26へ向かうに従って段階的に増大し(θ1<θ2<θ3)、従って、車室上半部11の車室背部26側において上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bとの車室軸方向長さが略同程度に構成されている。このため、上流側車室分割部材11Aの線膨張率が下流側車室分割部材11Bよりも大きな場合にも、車室上半部11は、タービン運転時の高温環境下で、車室合せ面16側と車室背部26側とにおいて車室軸方向の線膨張差が甚大になることを防止できる。この結果、車室上半部11に生ずる車室上下方向の曲げ応力が低減されて、車室上半部11は水平面に対して、図7の矢印M方向に反り返る現象が抑制される。
この反り返りは、車室合せ面16と接合面31との交線近傍に発生する、車室上半部11と車室下半部12との局所的な面開きに対しては直接影響しないが、締付ボルトによるボルト締付力Fに対して逆方向の応力を発生させることになる。従って、この反り返り現象が抑制されることで、車室上半部11と車室下半部12との面開きを確実に低減できる。
[C]第3の実施の形態(図8、図9)
図8は、本発明に係るタービン車室の第3の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室を示す側面図である。この第3の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態のタービン車室35が前記第1の実施の形態と異なる点は、車室上半部11の上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bの接合面36が、車室合せ面16に対して30〜75度の一定の傾斜角θ4を有して車室合せ面16と交差する第1部分接合面36Aと、車室合せ面16に対して略直角の傾斜角θ5を有して第1部分接合面36Aに連続する第2部分接合面36Bとを有して構成され、更に、車室下半部12の上流側車室分割部材12Aと下流側車室分割部材12Bの接合面37が、車室合せ面17に対して30〜75度の一定の傾斜角θ4を有して車室合せ面17に交差する第1部分接合面37Aと、車室合せ面17に対して略直角の傾斜角θ5を有して第1部分接合面37Aに連続する第2部分接合面37Bとを有して構成された点である。
これらの第1部分接合面36A、第2部分接合面36B、第1部分接合面37A、第2部分接合面37Bは、いずれも平面形状に形成される。また、第1部分接合面36A、37Bは、ボルト締付力Fにより圧縮応力が付加されるフランジ部13(即ち車室合せ面16からフランジ面18までの範囲)、フランジ部14(即ち車室合せ面17からフランジ面19までの範囲)にそれぞれ形成される。
車室上半部11のフランジ部13に傾斜角θ4の第1部分接合面36Aが、また、車室下半部12のフランジ部14に傾斜角θ4の第1部分接合面37Aがそれぞれ形成されて、タービン運転時の高温環境下において、車室上半部11、車室下半部12の車室上下方向への線膨張が車室軸方向に沿って急激に変化することが抑制され、車室合せ面16、17が車室軸方向に沿って車室上下方向に緩やかに変化することなどから、本実施の形態においても、前記第1の実施の形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏する。
更に、車室上半部11の車室背部26側において、上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bの車室軸方向長さが同程度となり、また、車室下半部12の車室背部27側において、上流側車室分割部材12Aと下流側車室分割部材12Bの車室軸方向長さが同程度となっているので、本実施の形態においても、前記第2の実施の形態の効果(3)と同様な効果を奏する。
[D]第4の実施の形態(図10、図11)
図10は、本発明に係るタービン車室の第4の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室を示す側面図である。この第4の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態のタービン車室40が前記第1〜第3の実施の形態と異なる点は、車室上半部11の上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bの接合面41が、車室合せ面16に対して30〜75度の一定の傾斜角θ6を有して車室合せ面16と交差する平面形状の第1部分接合面41Aと、車室合せ面16に対して略直角の傾斜角θ7を有する平面形状の第2部分接合面41Bと、これらの第1部分接合面41Aと第2部分接合面41Bに連続する湾曲形状の第3部分接合面41Cとを有して構成され、車室下半部12の上流側車室分割部材12Aと下流側車室分割部材12Bの接合面42が、車室合せ面17に対して30〜75度の一定の傾斜角θ6を有して車室合せ面17に交差する平面形状の第1部分接合面42Aと、車室合せ面17に対して略直角の傾斜角θ7を有する平面形状の第2部分接合面42Bと、これらの第1部分接合面42A及び第2部分接合面42Bに連続する湾曲形状の第3部分接合面42Cとを有して構成された点である。
尚、第2の実施の形態の例えば接合面31の第1部分接合面31A、第2部分接合面31B、第3部分接合面31Cを、湾曲形状の部分接合面で連続させてもよい。以下、本実施の形態において、車室上半部11の接合面41について述べる。車室下半部12の接合面42についても同様である。
従って、本実施の形態によれば、前記第1及び第2の実施の形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏する他、次の効果(4)を奏する。
(4)車室上半部11における接合面41の平面状の第1部分接合面41Aと第2部分接合面41Bが、湾曲形状の第3部分接合面41Cにより連続されたので、タービン運転時の高温環境下で、第1部分接合面41Aと第2部分接合面41Bとが直接交差したときに生ずる交差点での熱応力の集中を、湾曲形状の第3部分接合面41Cの存在によって分散させることができる。このように集中する熱応力を分散させることによって、車室上半部11の強度低下を防止でき、従って、車室上半部11の強度設計における余裕度を向上させることができる。
[E]第5の実施の形態(図12、図13)
図12は、本発明に係るタービン車室の第5の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室における車室上半部を示す側面図である。図13は、図12と同様に、第5の実施の形態が適用された他の蒸気タービンのタービン車室における車室上半部を示す側面図である。この第5の実施の形態において、前記第1〜第4の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。尚、本実施の形態においては車室上半部11について説明する。車室下半部12についても同様である。
本実施の形態のタービン車室45が前記第1〜第4の実施の形態と異なる点は、上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bの接合面46が、車室合せ面16からフランジ部13の厚さの10〜60%の位置において、車室合せ面16に略平行に設けられた平面形状の第1部分接合面46Aと、この第1部分接合面46Aに連続し、車室合せ面16に対して30〜75度の傾斜角θ8を有する平面形状または湾曲形状の第2部分接合面46Bと、この第2部分接合面46Bに連続し、車室合せ面16に対して略直角または直角の傾斜角θ9を有する平面形状の第3部分接合面46Cと、を備えて構成された点である。
従って、車室上半部11の車室合せ面16側部分は、上流側車室分割部材11Aのフランジ部13、及びこのフランジ部13に一体成形されたフランジ延長部47により構成され、上流側車室分割部材11Aのみに車室合せ面16が形成されることになる。このため、車室上半部11の接合面46が車室合せ面16と交差しなくなる。車室上半部11と車室下半部12間の面開きは、接合面と車室合せ面16とが交差する近傍において、車室合せ面16に生ずる車室上下方向の局所変位(例えば図21の凸部112)が原因となるが、車室上半部11の接合面46が車室合せ面16と交差しなくなることで、車室上半部11と車室下半部12間の面開きがより一層低減される。
ここで、第1部分接合面46Aを構成する上流側車室分割部材11Aのフランジ延長部47のフランジ厚さlは、以下の式(5.7)に示すように、締付ボルトによるボルト締付力Fと、上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bの線膨張率差などによって簡易的に評価することが可能となる。
つまり、上流側車室分割部材11Aの材料1、下流側車室分割部材11Bの材料2、締結ボルト材のそれぞれの線膨張率をα、α、αbltとし、タービン停止時から定格運転時までの接合面46の温度変化をΔTとし、設計時におけるフランジ部13のフランジ厚さをl、フランジ延長部47のフランジ厚さをlとし、締付ボルトのボルト締付力、断面積をそれぞれF、Aとする。常温におけるボルト締め付けによるフランジ部13及びフランジ延長部47の変形は微小であるため無視すると、定格運転時のフランジ部13のフランジ厚さl は線膨張により増大し、式(5.1)として表現できる。
Figure 2010121502
Figure 2010121502
また、締付ボルトによりフランジ部13及びフランジ延長部47に負荷される圧縮応力はF/Aであり、定格運転時にフランジ部13及びフランジ延長部47に負荷される圧縮応力σbltは、クリープなどの経年劣化による軟化を無視すると、式(5.3)と近似できる。
Figure 2010121502
一方、定格運転時に発生する車室上半部11と車室下半部12間の面開き量tは、第1の実施形態の場合と同様にして、式(5.4)として表わせる。
Figure 2010121502
この定格運転時にフランジ部13のフランジ厚さlに対して、車室上半部11と車室下半部12間の面開き量tが十分に小さい場合には、線膨張率の大きい上流側車室分割部材11Aが車室合せ面16上で車室上下方向に局所変位しなくなるため、同部材のヤング率をEとすると、式(5.5)が成立し、この式から式(5.6)及び式(5.7)が求められる。
Figure 2010121502
ここで、材料1及び締付ボルト材をNi基超合金とし、材料2をフェライト系鉄鋼材料と仮定し、材料1の線膨張率α、材料2の線膨張率α、締付ボルト材の線膨張率αbltをそれぞれ、α=14.0×10−3、α=12.0×10−3、αblt=14.5×10−3と仮定する。また、F/A=200(MPa)、E=175(GPa)、l/r=0.5、ΔT=600とすると、フランジ延長部47のフランジ厚さlはフランジ部13のフランジ厚さlの関数となり、式(5.8)で表される。
Figure 2010121502
この値は、上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bのそれぞれの材料の組み合わせにより変動するが、Ni基超合金またはCo基超合金とフェライト系鉄鋼材料の溶接接合によるタービン車室50では、l/l=0.10〜0.60において、車室上半部11と車室下半部12間の面開きを抑制する効果が得られる。
従って、本実施の形態によれば、前記第1〜第4の実施の形態の効果(1)、(3)及び(4)と同様な効果を奏する他、次の効果(5)を奏する。
(5)上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bの接合面46のうち、第1部分接合面46Aが、車室合せ面16からフランジ部13の厚さの10〜60%の位置において、車室合せ面16に略平行に設けられて、この接合面46が車室合せ面16に交差せず、この車室合せ面16が上流側車室分割部材11Aに形成されている。この結果、車室上半部11と車室下半部12間の面開きの原因となる車室上下方向の局所変位が車室合せ面16に発生しなくなるので、車室上半部11と車室下半部12との面開きを抑制できる。
[F]第6の実施の形態(図14〜図18)
図14は、本発明に係るタービン車室の第6の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室における車室上半部を示す部分斜視図である。図15は、図14と同様に、第6の実施の形態が適用された他の蒸気タービンのタービン車室における車室上半部を示す部分斜視図である。この第6の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。尚、本実施の形態においては、車室上半部11について説明する。車室下半部12についても同様である。
本実施の形態のタービン車室50が前記第4の実施の形態と異なる点は、上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bの接合面51、52が、車室中心線28に対して30〜75度の一定の傾斜角αを有する円錐面53(図16)上に設けられ、この接合面51、52が、全長に亘り車室肉厚方向(図17の矢印A方向)に同一の傾斜角αを有して構成された点である。
このうち、図14に示す接合面51は、車室上半部11の車室合せ面16に対して垂直に構成された接合面である(図20参照)。また、図15に示す接合面52は、車室上半部11の車室合せ面16に対して30〜75度の範囲の一定の傾斜角θで傾斜して構成された接合面である(図3参照)。図17に示すように、車室上半部11の接合面51、52を車室肉厚方向に傾斜させることで、この車室肉厚方向への線膨張の急激な変化を抑制することが可能となる。これにより、車室上半部11の車室背部26において、車室上下方向への線膨張が緩やかな変化となり、車室上半部11と車室下半部12間の面開きに対して抑制作用を果たす。
また、上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bとが接合されて構成された車室上半部11では、タービン運転時の高温環境下において、上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bとの線膨張差などに起因して、車室上半部11の車室背部26における接合面51、52近傍に局所的な曲げ応力が発生する。この局所的な曲げ応力は、上流側車室分割部材11Aにおける車室外表面54側、及び下流側車室分割部材11Bにおける車室内表面55側にそれぞれ生ずる引張応力56Pと、上流側車室分割部材11Aにおける車室内表面55側、及び下流側車室分割部材11Bにおける車室外表面54側にそれぞれ生ずる圧縮応力56Qとである。
図18(A)に示すように、従来のタービン車室における車室上半部100(図20)の上流側車室分割部材101と下流側車室分割部材102との接合面103が車室合せ面105に対して垂直である場合には、タービン運転時の高温環境下において、引張応力56Pが圧縮応力56Qよりも大きくなり、この車室上半部100の車室背部114は、図18(B)に示すように、車室上下方向に急激に変化する。しかも、この車室上半部100には内圧Rが作用するため、引張応力56Pが作用した部位は高応力箇所となる。
これに対し、本実施の形態のように、車室上半部11における上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bの接合面51、52が傾斜角αにて傾斜していることで、引張応力56Pが緩和され、圧縮応力56Qが増大するので、高応力箇所の応力が低減されると共に、車室上半部11における車室背部26の車室上下方向への急激な変位も低減されることになる。
従って、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏する他、次の効果(6)を奏する。
(6)車室上半部11における上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bの接合面51、52が、全長に亘り車室肉厚方向に同一の傾斜角αを有して構成されたので、車室肉厚方向への線膨張の急激な変化が抑制され、車室上半部11の車室背部26においては、車室上下方向への線膨張が緩やかな変化となる。また、引張応力56Pが緩和され、圧縮応力56Qが増大することで、車室上半部11の車室背部26において車室上下方向への急激な変位も抑制される。これらの結果、車室上半部11と車室下半部12間の面開きをより一層低減することができる。
[G]第7の実施の形態(図19)
図19は、本発明に係るタービン車室の第7の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室における車室上半部の溶接部を含む車室背部の断面図である。この第7の実施の形態において、前記第1及び第6の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。尚、本実施の形態においては、車室上半部について説明する。車室下半部についても同様である。
本実施の形態のタービン車室60が前記第1及び第6の実施の形態と異なる点は、車室上半部11の上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bのそれぞれの接合面61における車室肉厚方向(図19の矢印A方向)の中間位置に突き合せ部62が形成され、上流側車室分割部材11Aの接合面61と下流側車室分割部材11Bの接合面61を溶接する溶接金属63、64は、その線膨張率が、隣接する上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bのそれぞれの線膨張率の範囲内となる金属にて構成された点である。
例えば、上流側車室分割部材11AがNi基超合金(線膨張率:14.0×10−3/℃)で、下流側車室分割部材11Bがフェライト系鉄鋼材料(線膨張率:12.0×10−3/℃)であるとき、溶接金属63、64の線膨張率は、これらの線膨張率の範囲内の値、例えば12.5〜13.5×10−3/℃の範囲内の値に設定される。更に、車室内表面55側の溶接金属64の線膨張率は、車室外表面54側の溶接金属63の線膨張率よりも大きく構成されて、タービン運転時の高温環境下で、車室上半部11の車室背部26における接合面61近傍の引張応力56Pを緩和させ、圧縮応力56Qを増大させる機能を果たす。
従って、本実施の形態によれば、上流側車室分割部材11Aの接合面61と下流側車室分割部材11Bの接合面61とを溶接する溶接金属63及び64の線膨張率が、上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bのそれぞれの線膨張率の範囲内となるよう構成されたので、上流側車室分割部材11Aと下流側車室分割部材11Bとの間で線膨張率を緩やかに変化させることが可能となる。この結果、車室肉厚方向への線膨張の急激な変化を抑制できる。更に、車室内表面55側の溶接金属64の線膨張率が車室外表面54側の溶接金属63の線膨張率よりも大きく構成されたので、車室上半部11の車室背部26の接合面61近傍で発生する引張応力56Pを緩和させ、圧縮応力56Qを増大させることができる。これらの結果、第6の実施の形態と同様に、車室上半部11と車室半部12間の面開きを低減できると共に、高応力箇所の応力も低減できる。
本発明に係るタービン車室の第1の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室における車室上半部を示す斜視図。 図1の車室上半部と車室下半部により構成されたタービン車室を示す側面図。 図1の車室上半部であり、(A)は熱変形状態を示す側面図、(B)はボルト締付力付与状態を示す側面図。 図1の車室上半部における車室上下方向の線膨張の変化を示すグラフ。 図2の車室合せ面近傍の部分拡大図。 本発明に係るタービン車室の第2の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室を示す側面図。 図6の車室上半部を示す側面図。 本発明に係るタービン車室の第3の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室を示す側面図。 図8の車室上半部を示す側面図。 本発明に係るタービン車室の第4の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室を示す側面図。 図10の車室上半部を示す側面図。 本発明に係るタービン車室の第5の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室における車室上半部を示す側面図。 図12と同様に、第5の実施の形態が適用された他の蒸気タービンのタービン車室における車室上半部を示す側面図。 本発明に係るタービン車室の第6の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室における車室上半部を示す部分斜視図。 図14と同様に、第6の実施の形態が適用された他の蒸気タービンのタービン車室における車室上半部を示す部分斜視図。 図14及び図15の車室上半部における接合面の形状を説明するための説明図。 図14及び図15の車室上半部における接合面を含む車室背部の断面図。 従来の蒸気タービンのタービン車室における車室上半部の接合面を含む車室背部の断面図であり、(A)は熱変形前、(B)は熱変形後をそれぞれ示す断面図。 本発明に係るタービン車室の第7の実施の形態が適用された蒸気タービンのタービン車室における車室上半部の溶接部を含む車室背部の断面図。 従来のタービン車室における車室上半部を示し、(A)は接合後の部分斜視図、(B)は接合前の部分斜視図。 図20の車室上半部であり、(A)は熱変形状態を示す側面図、(B)はボルト締付力付与状態を示す側面図。
符号の説明
10 タービン車室
11 車室上半部
11A 上流側車室分割部材
11B 下流側車室分割部材
12 車室下半部
12A 上流側車室分割部材
12B 下流側車室分割部材
13、14 フランジ部
16、17 車室合せ面
20、21 接合面
26、27 車室背部
28 車室中心軸
30 タービン車室
31、32 接合面
31A、32A 第1部分接合面
31B、32B 第2部分接合面
31C、32C 第3部分接合面
35 タービン車室
36、37 接合面
36A、37A 第1部分接合面
36B、37B 第2部分接合面
40 タービン車室
41、42 接合面
41A、42A 第1部分接合面
41B、42B 第2部分接合面
41C、42C 第3部分接合面
45 タービン車室
46 接合面
46A 第1部分接合面
46B 第2部分接合面
46C 第3部分接合面
47 フランジ延長部
50 タービン車室
51、52 接合面
53 円錐面
60 タービン車室
61 接合面
62 突き合せ部
63、64 溶接金属
α 傾斜角
θ、θ1〜θ9 傾斜角

Claims (14)

  1. 車室上半部と車室下半部のそれぞれの側方に設けられたフランジ部がボルトにより締結されて構成され、前記車室上半部と前記車室下半部のそれぞれが、複数の車室分割部材を接合して構成されると共に車室合せ面を備え、隣接する前記車室分割部材が線膨張率の異なる材料にて構成されたタービン車室であって、
    複数の前記車室分割部材の接合面が、前記車室合せ面に対して30〜75度の範囲の傾きを有して構成されたことを特徴とするタービン車室。
  2. 前記車室分割部材の接合面は、車室合せ面に対して30〜75度の範囲における一定の傾きを有して構成されたことを特徴とする請求項1に記載のタービン車室。
  3. 前記車室分割部材のうち、作動流体の流れ方向に対し上流側に位置する上流側車室分割部材は、Niを35%以上含むNi基超合金またはCoを50%以上含むCo基超合金にて構成されたことを特徴とする請求項1に記載のタービン車室。
  4. 前記車室分割部材のうち、作動流体の流れ方向に対し下流側に位置する下流側車室分割部材は、Ni基超合金もしくはCo基超合金以外のオーステナイト系鉄鋼材料、またはフェライト系鉄鋼材料にて構成されたことを特徴とする請求項3に記載のタービン車室。
  5. 前記タービン車室は、作動流体として蒸気が導入される蒸気タービンのタービン車室であることを特徴とする請求項1に記載のタービン車室。
  6. 前記タービン車室は、高温蒸気の導入により一部の温度が600℃以上となる内部車室であることを特徴とする請求項5に記載のタービン車室。
  7. 前記車室分割部材の接合面は、車室合せ面に対して30〜75度の一定の傾きを有する接合面と、それ以上の一定の傾きを有する単一または複数の接合面とが連続して構成されたことを特徴とする請求項1に記載のタービン車室。
  8. 前記車室分割部材の接合面は、車室合せ面に対して30〜75度の一定の傾きを有する接合面と、それ以上の一定の傾きを有する単一または複数の接合面と、これらの接合面に連続する湾曲形状の接合面と、を備えて構成されたことを特徴とする請求項1に記載のタービン車室。
  9. 前記車室分割部材の接合面は、車室合せ面からフランジ部の厚さの10〜60%の位置において、前記車室合せ面に略平行に設けられた接合面と、この接合面に連続し、前記車室合せ面に対して30〜75度の傾きを有する接合面と、を備えて構成されたことを特徴とする請求項1に記載のタービン車室。
  10. 前記車室上半部と車室下半部との締結状態において、前記車室上半部における車室分割部材の車室合せ面上での接合位置が、前記車室下半部における車室分割部材の車室合せ面上での接合位置と異なるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載のタービン車室。
  11. 車室上半部と車室下半部のそれぞれの側方に設けられたフランジ部がボルトにより締結されて構成され、前記車室上半部と前記車室下半部のそれぞれが複数の車室分割部材を接合して構成され、隣接する前記車室分割部材が線膨張率の異なる材料にて構成されたタービン車室であって、
    複数の前記車室分割部材におけるそれぞれの接合面は、車室中心軸に対して30〜75度の一定の傾きを有する円錐曲面上に設けられ、全長に亘り車室肉厚方向に同一の傾きを有して構成されたことを特徴とするタービン車室。
  12. 車室上半部と車室下半部のそれぞれの側方に設けられたフランジ部がボルトにより締結されて構成され、前記車室上半部と前記車室下半部のそれぞれが複数の車室分割部材を接合して構成され、隣接する前記車室分割部材が線膨張率の異なる材料にて構成されたタービン車室であって、
    複数の前記車室分割部材におけるそれぞれの接合面の突合せ部が車室肉厚方向の中間位置に形成され、前記接合面を溶接する溶接金属は、その線膨張率が、隣接する前記車室分割部材のそれぞれの線膨張率の範囲内となる金属にて構成されたことを特徴とするタービン車室。
  13. 前記溶接金属の線膨張率は、突合せ部よりも内表面側の溶接金属が、前記突合せ部よりも外表面側の溶接金属よりも大きく構成されたことを特徴とする請求項12に記載のタービン車室。
  14. 前記車室分割部材の接合面が、車室合せ面上に対して30〜75度の範囲の傾きを有して構成されたことを特徴とする請求項11または12に記載のタービン車室。
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