JP7288374B2 - 蒸気タービン - Google Patents
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Description
背景で述べたように、従来プラントで使用されているフェライト系耐熱鋼は高温強度が十分に得られないため、フェライト系耐熱鋼のみで高温化およびコンパクト化を実現することは困難である。また、Ni基合金などの耐熱合金は、高価格で加工性に劣ることから、材料製造および加工にかかる費用が著しく高い。
本発明の実施形態に係る蒸気タービンは、少なくとも2つの構成部材が、(イ)オーステナイト系耐熱鋼とフェライト系耐熱鋼との組み合わせ、もしくは(ロ)オーステナイト系耐熱鋼とNi基合金との組み合わせによって構成されており、
温度T(℃)が400~700℃の範囲における前記2つの構成部材の形成材料の平均線膨張係数差Δα(1/℃)が、前記(イ)についてはΔα=(1.5+(1.4×10-3)×T)×10-6以下であり、前記(ロ)ついてはΔα=(2.2-(1.4×10-3)×T)×10-6以下であることを特徴とする蒸気タービンである。
平均線膨張係数 =(L-L0)/(T-T0)/L0 …式(1)
Niは、Fe母相に固溶し、母相の固溶強化および線膨張係数の低下をもたらす。これらの効果は、Niの含有率が24%以上において発揮される。また、Niの含有率が50%以下において、材料コストの増加や加工性の低下が抑えられる。そのため、Niの含有率を24~50%とした。より好ましいNiの含有率は34~45%であり、さらに好ましいNiの含有率は38~45%であり、最も好ましいNiの含有率は38~41%である。
Crは、Fe母相に固溶し、母相の固溶強化および線膨張係数の増加をもたらす。また、Crは、γ’相の固溶温度を上昇させるため、γ’相の析出が促進される。これらの効果は、Crの含有率が5%以上で発揮される。また、Crの含有率が13%以下において、十分に小さい線膨張係数が得られる。そのため、Crの含有率を5~13%とした。より好ましいCrの含有率は6~10%であり、さらに好ましいCrの含有率は6~8%である。
Coは、Fe母相に固溶し、母相の固溶強化および線膨張係数の低下をもたらす。これらの効果は、Coの含有率が0.1%以上で発揮される。また、Coの含有率が12%以下において、材料コストの増加や耐力の低下が抑えられる。そのため、Coの含有率を0.1~12%とした。より好ましいCoの含有率は0.1~6%であり、さらに好ましいCoの含有率は0.1~4%である。
Nbは、Fe母相に固溶し、母相の固溶強化および線膨張係数の低下をもたらす。また、Nbは、γ’相を形成して安定化させる。これらの効果は、Nbの含有率が0.1%以上で発揮される。また、Nbの含有率が5%以下において、材料コストの増加やδ(Ni3(Nb,Ta))相(金属間化合物)の析出が抑えられる。そのため、Nbの含有率を0.1~5%以下とした。より好ましいNbの含有率は0.1~3%であり、さらに好ましいNbの含有率は0.1~2%である。
Vは、Fe母相に固溶し、線膨張係数の低下をもたらす。これらの効果は、Vの含有率が0.1%以上で発揮される。また、Vの含有率が0.5%以下において、安定したオーステナイト構造が得られるとともに、σ相の析出が抑制される。そのため、Vの含有率を0.1~0.5%とした。より好ましいVの含有率は0.1~0.4%であり、さらに好ましいVの含有率は0.1~0.3%である。
Tiは、γ’相を形成して、強度を高める。Tiの含有率が1.90%以上において、γ’相の析出の促進が図れる。また、Tiの含有率が2.35%以下において、安定したオーステナイト構造が得られるとともに、線膨張係数の増加を抑え、炭化物や窒化物の形成による延性の低下を抑制する。そのため、Tiの含有率を1.90~2.35%とした。
Alは、γ’相を形成して強度を高めるが、添加することでγ’相が過剰に析出して溶接性が低下する。そのため、Alの含有率を0.01~0.30%とした。より好ましいAlの含有率は0.01~0.20%であり、さらに好ましいAlの含有率は0.01~0.10%である。
Bは、Fe母相に固溶して、特に粒界偏析するため、粒界強化をもたらす。また、Bは、Tiを多く含む場合、η相の析出を抑制する効果がある。これらの効果は、Bの含有率が0.001%以上において発揮される。また、Bの含有率が0.01%以下において、母相の融点の低下を抑え、熱間加工性の低下を抑制する。そのため、Bの含有率を0.001~0.01%とした。より好ましいBの含有率は0.004~0.006%である。
Cは、Crとの炭化物を形成もしくは母相に固溶し、母相の固溶強化をもたらす。Cの含有率が0.001%未満の場合には、上記した効果が十分に発揮されない。一方、Cの含有率が0.1%を超えると、オーステナイト構造の不安定化をもたらすとともに、炭化物が粗大化しすぎて高温強度を低下させる。そのため、Cの含有率を0.001~0.1%とした。さらに好ましいCの含有率は0.01~0.08%であり、さらに好ましいCの含有率は0.01~0.05%である。
N、Si、Mn、PおよびSは、実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼においては、不可避的不純物に分類されるものである。これらの不可避的不純物は、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが好ましい。
図5に、実施形態の蒸気タービンシステムの一例を示す。図5に示される実施形態の蒸気タービンは、タービンロータ(I)1、タービンロータ(II)2、タービンロータ(III)3、羽根4およびノズルダイアフラム5を有する。ここでタービンロータ(I)1、タービンロータ(II)2、タービンロータ(III)3は、それぞれ溶接などによって接合されており、一体物としてタービンロータを構成している。また、羽根4は、タービンロータに植え込まれている動翼と、ノズルダイアフラム5やノズルボックスに溶接などによって接合されている静翼からなる。これらタービンロータ、羽根4、ノズルダイアフラム5は、グランドパッキン6、ノズルボックス7、内部ケーシング8、外部ケーシング9によって支持されており、蒸気が漏えいしないような構造となっている。また、グランドパッキン6、ノズルボックス7、内部ケーシング8、外部ケーシング9は、上半分と下半分に部材が分かれており、水平フランジ面において多数のボルト10によって締結されている。また、外部ケーシング9には、主蒸気配管11が溶接などによって接合されている。
Claims (7)
- 複数の構成部材からなる蒸気タービンにおいて、少なくとも2つの構成部材が、オーステナイト系耐熱鋼とフェライト系耐熱鋼との組み合わせによって構成されており、
温度T(℃)が400~700℃の範囲における前記2つの構成部材の形成材料の平均線膨張係数差Δα(1/℃)が、Δα=(1.5+(1.4×10-3)×T)×10-6以下である蒸気タービンであって、
前記タービンの構成部材である動翼、静翼、ボルト、ロータ、ケーシング、ノズルボックス、配管および小型部材の少なくとも一つが、質量で、Ni:24~50%、Cr:5~13%、V:0.1~0.5%、Ti:1.90~2.35%、Al:0.01~0.30%、B:0.001~0.01%、C:0.001~0.1%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物であるオーステナイト系耐熱鋼からなることを特徴とする、蒸気タービン。 - 前記オーステナイト系耐熱鋼の構成部材と、前記フェライト系耐熱鋼の構成部材がクリアランスを持って対向している、請求項1に記載の蒸気タービン。
- 前記オーステナイト系耐熱鋼の構成部材と、前記フェライト系耐熱鋼の構成部材が接触している、請求項1に記載の蒸気タービン。
- 前記オーステナイト系耐熱鋼の構成部材と、前記フェライト系耐熱鋼の構成部材が接合されている、請求項1に記載の蒸気タービン。
- 620℃以上の蒸気に接する構成部材において前記オーステナイト系耐熱鋼が用いられている、請求項1~4のいずれか1項に記載の蒸気タービン。
- 前記オーステナイト系耐熱鋼は、Co:0.1~12%をさらに含む、請求項1に記載の蒸気タービン。
- 前記オーステナイト系耐熱鋼は、Nb:0.1~5%をさらに含む、請求項1に記載の蒸気タービン。
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