JP2010007499A - 車両用エンジンの制御装置及び制御方法 - Google Patents

車両用エンジンの制御装置及び制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010007499A
JP2010007499A JP2008165062A JP2008165062A JP2010007499A JP 2010007499 A JP2010007499 A JP 2010007499A JP 2008165062 A JP2008165062 A JP 2008165062A JP 2008165062 A JP2008165062 A JP 2008165062A JP 2010007499 A JP2010007499 A JP 2010007499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ignition
spark plug
control
air
fuel mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008165062A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5412755B2 (ja
Inventor
Takashi Youso
隆 養祖
Kazuhiro Nagatsu
和弘 長津
Daisuke Asaji
大介 浅地
Makoto Sakai
誠 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2008165062A priority Critical patent/JP5412755B2/ja
Publication of JP2010007499A publication Critical patent/JP2010007499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5412755B2 publication Critical patent/JP5412755B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】点火リタード量を低減しながら所望のトルクダウンを行うことにより、排気温度の上昇を抑制して排気中に含まれる有害物質の除去効率の低下を抑制すること。
【解決手段】シリンダ11の略中心線CL上に点火点が設定された点火プラグ51aと、点火プラグ51aの点火点から離間した位置に点火点が設定された点火プラグ51bと、を各シリンダ11毎に備えた車両用エンジンの制御装置において、車両のドライバの操作に起因しない予め定めた自動トルクダウン条件が成立したか否かを判定する判定部と、判定部が自動トルクダウン条件が成立していないと判定した場合は、少なくとも点火プラグ51aにより燃焼室17内の混合気を点火する第1点火制御を行い、判定部が自動トルクダウン条件が成立したと判定した場合は点火プラグ51bのみにより混合気を点火する第2点火制御を行う点火制御部と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用エンジンの燃焼室内の混合気を点火する制御技術に関する。
車両用エンジンの燃焼室内の混合気を点火する技術として、2つの点火プラグを用いる技術がある。例えば、特許文献1では、機関温度が所定値以下であり、かつ、機関回転数の変動量が所定値以下である場合に、2個の点火プラグのうち片方のみの点火プラグを作動させ、機関温度が所定値以下であり、かつ、機関回転数の変動量が所定値よりも大きい場合には両方の点火プラグを作動させる技術が開示されている。
特開2007−127073号公報
ここで、発進・加速時のタイヤの空転を防止するトラクションコントロールシステム(TCS)によるトルクダウンや自動変速機のギアチェンジの際に行われる変速トルクダウンのように、ドライバの操作に起因しないトルクダウン要求が入力された際には、点火プラグによる点火タイミングを遅らせることにより、トルクを下げる手法(一般に点火リタードと呼ばれる。)が用いられている。
しかしながら、点火リタードによってトルクを下げた場合には、排気温度が上昇するため、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等の人体に有害な物質を除去する触媒コンバータの処理可能な適正温度範囲を超えてしまい、当該有害物質の除去効率が低下してしまう。
この点、特許文献1に開示された技術では、ドライバの操作に起因しないトルクダウン要求により点火リタードが行われた場合であっても、それぞれの点火プラグの位置を考慮することなく、点火プラグの点火数のみを制御するため、上述と同様に、排気温度の上昇により触媒コンバータの適正温度範囲を超えてしまう可能性がある。
従って、本発明の目的は、点火リタード量を低減しながら所望のトルクダウンを行うことにより、排気温度の上昇を抑制して排気中に含まれる有害物質の除去効率の低下を抑制することにある。
上記課題を解決するため、本発明においては、気筒の略中心線上に点火点が設定された第1点火プラグと、前記第1点火プラグの前記点火点から離間した位置に点火点が設定された第2点火プラグと、を各気筒毎に備えた車両用エンジンの制御装置において、車両のドライバの操作に起因しない予め定めた自動トルクダウン条件が成立したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記自動トルクダウン条件が成立していないと判定した場合は、少なくとも前記第1点火プラグにより燃焼室内の混合気を点火する第1点火制御を行い、前記判定手段が前記自動トルクダウン条件が成立したと判定した場合は前記第2点火プラグのみにより前記混合気を点火する第2点火制御を行う点火制御手段と、を備えたことを特徴とする制御装置が提供される。
また、本発明においては、気筒の略中心線上に点火点が設定された第1点火プラグと、前記第1点火プラグの前記点火点から離間した位置に点火点が設定された第2点火プラグと、を各気筒毎に備えた車両用エンジンの制御方法において、車両のドライバの操作に起因しない予め定めた自動トルクダウン条件が成立したか否かを判定する判定工程と、前記判定工程が前記自動トルクダウン条件が成立していないと判定した場合は、少なくとも前記第1点火プラグにより燃焼室内の混合気を点火する第1点火制御を行い、前記判定工程が前記自動トルクダウン条件が成立したと判定した場合は前記第2点火プラグのみにより前記混合気を点火する第2点火制御を行う点火制御工程と、を有することを特徴とする制御方法が提供される。
本発明に係る車両用エンジンの制御装置及び制御方法によれば、前記自動トルクダウン条件が成立していないと判定した場合に、少なくとも第1点火プラグにより燃焼室内の混合気を点火するため、前記燃焼室内の側面で混合気が冷却されることによるエネルギ損失を低減することができる。このため、前記混合気の燃焼により得られるエネルギを効率よく用いることができる。一方、前記自動トルクダウン条件が成立したと判定した場合に、前記第2点火プラグのみにより前記混合気を点火するため、前記燃焼室の側面に近接する位置で点火されることになり、前記燃焼室の側面で混合気が冷却されることによって、より大きなエネルギ損失が生じることとなる。このため、排気温度の上昇を抑制して排気中に含まれる有害物質の除去効率の低下を抑制することができる。
また、本発明においては、前記点火制御手段は、前記第1点火制御においては前記第1点火プラグのみにより前記混合気を点火し、かつ、前記第2点火制御においては、前記第1点火制御よりも、点火タイミングを遅角させる構成としてもよい。この構成によれば、前記点火制御手段は、前記第2点火制御における前記第2点火プラグの点火タイミングを前記第1点火制御における前記第1点火プラグの点火タイミングよりも遅角させるため、前記トルクダウンをより確実に行うことができる。
また、本発明においては、前記点火制御手段は、前記第1点火制御においては前記第1及び第2点火プラグにより前記混合気を点火し、かつ、前記第2点火制御においては、前記第1点火制御における前記第1及び第2点火プラグの双方の点火タイミングよりも、点火タイミングを遅角させる構成としてもよい。この構成によれば、前記点火制御手段は、前記第2点火制御における前記第2点火プラグの点火タイミングを前記第1点火制御における前記第1及び第2点火プラグの双方の点火タイミングよりも遅角させるため、前記トルクダウンをより確実に行うことができる。
また、本発明においては、前記車両用エンジンは、前記燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を備えた構成としてもよい。この構成によれば、前記燃料噴射弁によって、前記燃焼室内に前記燃料を直接噴射することにより前記混合気を容易に生成することができる。
本発明によれば、点火リタード量を低減しながら所望のトルクダウンを行うことにより、排気温度の上昇を抑制して排気中に含まれる有害物質の除去効率の低下を抑制することができる。
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で以下の実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
[エンジンシステムの全体構造]
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジンシステムの全体構造を概略的に示す図である。また、図2は、一実施形態に係る燃焼室上部に配設された点火プラグを概念的に示す図である。
エンジンシステムは、エンジン本体(車両用エンジン)1と、エンジン本体1に付随する様々なアクチュエータを制御するためのエンジン制御部(車両用エンジンの制御装置)100とを備える。
エンジン本体1は、自動車等の車両に搭載される4サイクルの火花点火式エンジンであって、この車両を推進すべく、その出力軸は変速機を介して駆動輪に連結される。エンジン本体1は、シリンダブロック12とその上に載置されるシリンダヘッド13とを備える。シリンダブロック12とシリンダヘッド13との内部には、複数のシリンダ(気筒)11が形成される。シリンダ11の数は特に限定されるものではないが、例えば、4つのシリンダ11が形成される。また、シリンダブロック12には、ジャーナル、ベアリング等によってクランクシャフト14が回転自在に支持される。
各シリンダ11内にはピストン15がそれぞれ摺動自在に嵌挿され、各ピストン15の上方にはそれぞれ燃焼室17が区画される。シリンダヘッド13には、各燃焼室17に連通する2つの吸気ポート18と2つの排気ポート19とが形成される。また、シリンダヘッド13には、各吸気ポート18をそれぞれ燃焼室17から遮断するための吸気バルブ(吸気弁)21と、各排気ポート19をそれぞれ燃焼室17から遮断するための排気バルブ(排気弁)22とが設けられる。吸気バルブ21は、後述する吸気弁駆動機構30により駆動されることで、所定のタイミングで各吸気ポート18を開閉する。一方、排気バルブ22は、後述する排気弁駆動機構40により駆動されることで、各排気ポート19を開閉する。
吸気弁駆動機構30及び排気弁駆動機構40は、それぞれ吸気カムシャフト31と排気カムシャフト41とを有する。吸気カムシャフト31及び排気カムシャフト41は、周知のチェーン/スプロケット機構等の動力伝達機構を介してクランクシャフト14に連結される。動力伝達機構は、クランクシャフト14が2回転する間に、吸気カムシャフト31及び排気カムシャフト41が1回転するように構成される。
また、吸気弁駆動機構30には、動力伝達機構と吸気カムシャフト31との間に吸気カムシャフト位相可変機構32が設けられる。吸気カムシャフト位相可変機構32は、吸気バルブ21のバルブタイミングを変更するためのものであり、吸気カムシャフト31と同軸に配置されてクランクシャフト14により直接駆動される被駆動軸と吸気カムシャフト31との間の位相差を変更することで、クランクシャフト14と吸気カムシャフト31との間の位相差を変更する。
吸気カムシャフト位相可変機構32は、例えば、被駆動軸と吸気カムシャフト31との間に周方向に並ぶ複数の液室を有し、これら液室間に圧力差を設けることで位相差を変更する液圧式機構や、被駆動軸と吸気カムシャフト31との間に設けられた電磁石を有し、電磁石に電力を付与することで位相差を変更する電磁式機構等が挙げられる。吸気カムシャフト位相可変機構32は、後述するエンジン制御部100で算出された吸気バルブ21のバルブタイミングに基づいて位相差を変更する。そして、本実施形態では、吸気カムシャフト位相可変機構32は、吸気バルブ21の開弁期間及びリフト量(つまり、バルブ・プロファイル)は一定に保ったまま位相差を変更することで、吸気バルブ21の開タイミングと閉タイミングとを変更する。吸気カムシャフト31の位相角は、カム位相センサ39により検出され、その信号θIVC_Aはエンジン制御部100に送信される。
吸気ポート18は、吸気マニホールド55を介してサージタンク55aに連通している。サージタンク55aの上流の吸気通路にはスロットルボデー(スロットル駆動機構)56が設けられる。スロットルボデー56の内部には、外部からサージタンク55aに向かう吸気流量を調整するためのスロットル弁57が枢動自在に設けられる。スロットル弁57は、吸気通路の開口面積(すなわち、流路面積)を変更して吸気流量を変更すると共に、スロットル弁下流の吸気通路内の圧力を変更することができる。スロットル弁57は、スロットルアクチュエータ58により駆動される。スロットルアクチュエータ58は、スロットル弁57の開度TVOが後述するエンジン制御部100で算出された目標スロットル開度TVOとなるように、スロットル弁57を駆動する。ここで、前述の吸気通路とは、スロットル弁57の下流の、吸気ポート18、吸気マニホールド55及びサージタンク55aの全てを含む。本実施形態では、スロットル弁57の開度と吸気バルブ21の閉タイミングとを調整することで、シリンダ11内に充填される空気量すなわちシリンダ11内の空気充填量CEを適切な値に制御する。
排気ポート19は、排気マニホールド60を介して排気管に連通している。排気管には、排ガス浄化システムが配置される。排ガス浄化システムの具体的構成は特に限定されるものではないが、例えば三元触媒、リーンNOx触媒、酸化触媒等の触媒コンバータ61を有するものが挙げられる。
吸気マニホールド55と排気マニホールド60とはEGRパイプ62によって連通しており、排ガスの一部が吸気側に循環するように構成される。EGRパイプ62には、EGRパイプ62を通って吸気側に循環するEGRガスの流量を調整するためのEGRバルブ63が設けられる。EGRバルブ63は、EGRバルブアクチュエータ64により駆動される。EGRバルブアクチュエータ64は、EGRバルブ63の開度がエンジン制御部100で算出されたEGR開度EGROPENとなるように、EGRバルブ63を駆動し、これにより、EGRガスの流量を適切な値に調整する。なお、エンジン制御部100では、本実施形態では、車両のドライバの操作に起因しないトルクダウン要求が入力された場合には、EGR開度を大きく設定してもよい。これにより、排気温度の上昇を抑制することができる。
それぞれのシリンダヘッド13には、先端が燃焼室17に臨むように、点火プラグ51a(第1点火プラグ)及び点火プラグ51b(第2点火プラグ)が取り付けられる。点火プラグ51aは、本実施形態では、シリンダ11の略中心線CL上に点火点が設定される。点火プラグ51bは、点火プラグ51aの点火点から離間した位置に点火点が設定される。点火プラグ51bは、本実施形態では、点火プラグ51aと平行になるように設けたが、燃焼室17の側壁に近接した位置で点火可能であればよく、燃焼室17の側壁に設けてもよい。また、点火プラグ51a、51bは、点火システム52によりエンジン制御部100で算出された点火タイミングSAに基づいて通電されると、燃焼室17内に火花を発生させる。
また、シリンダヘッド13には、燃焼室17内に燃料を直接噴射するための燃料噴射弁53がその先端が燃焼室17に臨むように取り付けられる。より詳細には、燃料噴射弁53は、その先端が、上下方向において2つの吸気ポート18の下方に位置するよう、かつ、水平方向において2つの吸気ポート18の中間に位置するように配置される。燃料噴射弁53は、その内部に設けられたソレノイドが、燃料システム54によりエンジン制御部100で算出された燃料噴射量FPに基づいて所定期間だけ通電されることで、燃焼室17内に所定量の燃料を噴射する。
エンジン制御部100は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラ(すなわち、ECU(エンジンコントロールユニット))であって、プログラムを実行するためのCPUと、RAMやROMからなりプログラム及びデータを格納するメモリと、各種信号の入出力を行うI/Oバスとを備える。
エンジン制御部100には、I/Oバスを介して、エアフローメータ71により検出された吸入空気量AF、吸気圧センサ72により検出された吸気マニホールド55内の空気圧力MAP、クランクアングルセンサ73により検出されたクランク角パルス信号、酸素濃度センサ74により検出された排ガスの酸素濃度EGO、アクセル開度センサ75により検出された車両のドライバの操作によるアクセルペダルの踏み込み量α、車速センサ76により検出された車速VSPといった各種の情報が入力される。そして、エンジン制御部100は、各入力情報に基づいて、シリンダ11内の空気充填量や点火タイミング等が運転条件に応じて適切な値になるように、各種アクチュエータに対する指令値を計算する。例えば、スロットル開度TVO、燃料噴射量FP、点火タイミングSA、吸気バルブタイミングの目標値θIVC_D、EGR開度EGROPEN等の指令値を計算し、それらを、スロットルアクチュエータ58、燃料システム54、点火システム52、吸気カムシャフト位相可変機構32及びEGRバルブアクチュエータ64等に出力する。
[エンジン制御部100の詳細な構成及び動作手順]
エンジン制御部100は、車両のドライバの操作に起因しない予め定めた自動トルクダウン条件が成立したか否かを判定する判定部と、判定部が自動トルクダウン条件が成立していないと判定した場合は、少なくとも点火プラグ51aにより燃焼室17内の混合気を点火する第1点火制御を行い、判定部が自動トルクダウン条件が成立したと判定した場合は点火プラグ51bのみにより混合気を点火する第2点火制御を行う点火制御部とを備える。
図3は、第1点火制御の一例を示す図である。横軸は機関回転数を示し、縦軸はトルクを示す。
点火制御部は、判定部が車両のドライバの操作に起因しない自動トルクダウン条件が成立せず、機関回転数が予め定められた閾値Th1よりも大きい(すなわち、高回転数領域である)と判定した場合には、点火プラグ51aのみを用いて燃焼室内の混合気を点火する。一方、点火制御部は、判定部が車両のドライバの操作に起因しない自動トルクダウン条件が成立せず、機関回転数が予め定められた閾値Th1以下である(すなわち、低回転数領域である)と判定した場合には、点火プラグ51a、51bの双方を用いて燃焼室内の混合気を点火する。
ここで、複数の点火プラグを用いて燃焼室内の混合気に点火すると、各点火プラグからそれぞれ火炎が発生するため、燃焼効率が向上することが知られている。低回転数領域で2点点火を行うのは、高回転数領域に比べて、ピストンが低速で上下動するため、燃焼室内の混合気の流動速度が比較的遅く、火炎の伝播速度が遅いためである。一方、高回転数領域で1点だけで点火を行うのは、火炎の伝播速度が速く、2点点火を行う効果が小さいためである。
図4は、排気温度と点火タイミングとの関係及びトルクと点火タイミングとの関係を示す図である。また、図5において、(a)はトルクダウン要求と時間との関係を示す図であり、(b)はトルクと時間との関係を示す図である。また、図6において、(a)はエンジン制御部100の全体的な制御手順を示す図であり、(b)は第1点火制御の詳細な制御手順を示す図であり、(c)は第2点火制御の詳細な制御手順を示す図である。
まず、ステップS100では、判定部が車両のドライバの操作に起因しない予め定めた自動トルクダウン条件が成立したか否かを判定する。車両のドライバの操作に起因しない自動トルクダウン条件としては、例えば、発進・加速時のタイヤの空転を防止するトラクションコントロールシステム77(TCS)によるトルクダウンや自動変速機のギアチェンジの際に行われるトルクダウン等が挙げられる。図5(a)で示すように、トルクダウン要求量T1がスカラ量としてエンジン制御部100に入力され、判定部によって判定が行われることとなる。
ステップS110で自動トルクダウン条件が成立したと判定した場合には、少なくとも点火プラグ51aにより燃焼室17内の混合気を点火する第1点火制御を行う。一方、ステップS110で自動トルクダウン条件が成立していないと判定した場合には、点火プラグ51bのみにより混合気を点火する第2点火制御を行う。第1又は第2点火制御のいずれかを行った後に一連の処理を終了する。
次に、図6(b)を用いて、第1点火制御の処理手順について説明する。まず、ステップS111において、判定部が、機関回転数が閾値Th1以下である(図3で示す低回転数領域である)か否かを判定する。
ステップS111で機関回転数が閾値Th1以下である(低回転数領域である)と判定した場合には、点火プラグ51a、51bについての、エンジン回転速度、吸入空気量に応じた点火タイミングを決定する。その後、ステップS112において、ステップS111で決定された点火タイミングに、点火プラグ51a、51bの双方を用いて燃焼室内の混合気に点火して一連の処理を終了する。
一方、ステップS111で機関回転数が閾値Th1よりも大きい(高回転数領域である)と判定した場合には、ステップS114で点火プラグ51aについての、エンジン回転速度、吸入空気量に応じた点火タイミングを決定する。その後、ステップS115において、点火プラグ51aを用いて燃焼室内の混合気に点火して一連の処理を終了する。
このように、エンジン制御部100は、ドライバの操作に起因しない自動トルクダウン条件が成立した場合には、トルクダウンを行う必要がないため、点火リタードを行わない。このため、排気温度が触媒コンバータの適正温度範囲を超えることがなく、点火プラグ51a、51bのうち少なくとも点火プラグ51aを用いて燃焼室内の混合気に点火すればよいこととなる。
次に、図6(c)を用いて、第2点火制御の処理手順について説明する。まず、ステップS121でトルクダウン要求量に応じた目標トルクを図5(b)で示すように算出する。すなわち、目標トルクT2は、トルクT0及びトルクダウン要求量T1に基づいて、T2=T0−T1で算出することができる。
そして、ステップS122において、ステップS121で算出された目標トルクT2に応じた点火プラグ51bの点火タイミングを決定する。ここで決定される点火プラグ51bの点火タイミングは、第1点火制御で点火プラグ51aのみにより混合気を点火する場合(ステップS115)に比べて点火タイミングを遅角させる。更に、ここで決定される点火プラグ51bの点火タイミングは、第1点火制御で点火プラグ51a、51bにより混合気を点火する場合(ステップS113)の点火プラグ51a、51bの双方の点火タイミングよりも遅角させる。その後、ステップS123において、ステップS122で決定された点火タイミングに、点火プラグ51bのみにより混合気を点火し、一連の処理を終了する。
このように、点火プラグの点火タイミングを遅角させることによりトルクダウン(すなわち、点火リタード)を行うと、図4で示すように、遅角側にした分だけ排気温度が高まってしまう。しかし、第2点火制御では、燃焼室の側壁に近接する点火プラグ51bのみを用いて点火するため、混合気が燃焼室の側壁で冷却されて冷却損が生じることにより、排気温度の上昇を抑制することができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、点火リタード量を低減しながら所望のトルクダウンを行うことにより、排気温度の上昇を抑制して排気中に含まれる有害物質の除去効率の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、エンジン制御部100が判定部及び点火制御部を有する構成としたが、これらがエンジン制御部100とは独立して設けられていてもよい。例えば、上述の点火システム52がこれらを有するものとしてもよい。
本発明の一実施形態に係るエンジンシステムの全体構造を概略的に示す図である。 一実施形態に係る燃焼室上部に配設された点火プラグを概念的に示す図である。 第1点火制御の一例を示す図である。 排気温度と点火タイミングとの関係及びトルクと点火タイミングとの関係を示す図である。 (a)はトルクダウン要求と時間との関係を示す図であり、(b)はトルクと時間との関係を示す図である。 (a)はエンジン制御部100の全体的な制御手順を示す図であり、(b)は第1点火制御の詳細な制御手順を示す図であり、(c)は第2点火制御の詳細な制御手順を示す図である。
符号の説明
1 エンジン本体(車両用エンジン)
11 シリンダ(気筒)
17 燃焼室
51a 点火プラグ(第1点火プラグ)
51b 点火プラグ(第2点火プラグ)
100 エンジン制御部(点火制御手段)
CL シリンダ11の中心線

Claims (5)

  1. 気筒の略中心線上に点火点が設定された第1点火プラグと、前記第1点火プラグの前記点火点から離間した位置に点火点が設定された第2点火プラグと、を各気筒毎に備えた車両用エンジンの制御装置において、
    車両のドライバの操作に起因しない予め定めた自動トルクダウン条件が成立したか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が前記自動トルクダウン条件が成立していないと判定した場合は、少なくとも前記第1点火プラグにより燃焼室内の混合気を点火する第1点火制御を行い、前記判定手段が前記自動トルクダウン条件が成立したと判定した場合は前記第2点火プラグのみにより前記混合気を点火する第2点火制御を行う点火制御手段と、
    を備えたことを特徴とする制御装置。
  2. 前記点火制御手段は、
    前記第1点火制御においては前記第1点火プラグのみにより前記混合気を点火し、かつ、前記第2点火制御においては、前記第1点火制御よりも、点火タイミングを遅角させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記点火制御手段は、
    前記第1点火制御においては前記第1及び第2点火プラグにより前記混合気を点火し、かつ、前記第2点火制御においては、前記第1点火制御における前記第1及び第2点火プラグの双方の点火タイミングよりも、点火タイミングを遅角させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  4. 前記車両用エンジンは、前記燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. 気筒の略中心線上に点火点が設定された第1点火プラグと、前記第1点火プラグの前記点火点から離間した位置に点火点が設定された第2点火プラグと、を各気筒毎に備えた車両用エンジンの制御方法において、
    車両のドライバの操作に起因しない予め定めた自動トルクダウン条件が成立したか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程が前記自動トルクダウン条件が成立していないと判定した場合は、少なくとも前記第1点火プラグにより燃焼室内の混合気を点火する第1点火制御を行い、前記判定工程が前記自動トルクダウン条件が成立したと判定した場合は前記第2点火プラグのみにより前記混合気を点火する第2点火制御を行う点火制御工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
JP2008165062A 2008-06-24 2008-06-24 車両用エンジンの制御装置及び制御方法 Expired - Fee Related JP5412755B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008165062A JP5412755B2 (ja) 2008-06-24 2008-06-24 車両用エンジンの制御装置及び制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008165062A JP5412755B2 (ja) 2008-06-24 2008-06-24 車両用エンジンの制御装置及び制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010007499A true JP2010007499A (ja) 2010-01-14
JP5412755B2 JP5412755B2 (ja) 2014-02-12

Family

ID=41588286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008165062A Expired - Fee Related JP5412755B2 (ja) 2008-06-24 2008-06-24 車両用エンジンの制御装置及び制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5412755B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03286186A (ja) * 1990-03-30 1991-12-17 Mazda Motor Corp エンジンの点火装置
JPH05141336A (ja) * 1991-11-22 1993-06-08 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の点火装置
JPH06280730A (ja) * 1993-03-26 1994-10-04 Mazda Motor Corp エンジンの点火装置
JPH112172A (ja) * 1997-06-12 1999-01-06 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03286186A (ja) * 1990-03-30 1991-12-17 Mazda Motor Corp エンジンの点火装置
JPH05141336A (ja) * 1991-11-22 1993-06-08 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の点火装置
JPH06280730A (ja) * 1993-03-26 1994-10-04 Mazda Motor Corp エンジンの点火装置
JPH112172A (ja) * 1997-06-12 1999-01-06 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5412755B2 (ja) 2014-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5168233B2 (ja) エンジンの燃料噴射制御装置
JP4952732B2 (ja) 内燃機関の制御方法および内燃機関の制御システム
US8528323B2 (en) System and method for particulate matter filter regeneration using a catalytic converter as a combustor
US10465614B2 (en) Vehicle control device
JP4385940B2 (ja) 内燃機関装置およびこれを搭載する自動車並びに内燃機関の運転停止方法
JP2006322371A (ja) エンジン制御装置、車両制御装置及びエンジン制御方法
CN104395587A (zh) 内燃机的控制装置
EP3342659B1 (en) Vehicle control device
JP5515972B2 (ja) 多気筒エンジンの排気装置
JP5050941B2 (ja) エンジンの空燃比制御
WO2018168693A1 (ja) 車両の制御装置
JP3771101B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5412755B2 (ja) 車両用エンジンの制御装置及び制御方法
JP5104453B2 (ja) 内燃機関の制御方法及び内燃機関システム
EP1936160B1 (en) Exhaust gas treatment device regeneration inhibiting fuel combustion in an engine cylinder
JP6156224B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2010084619A (ja) エンジンの制御装置
JP4182725B2 (ja) エンジンの制御装置
JP3632325B2 (ja) エンジントルク制御装置
JP2009203820A (ja) 内燃機関の制御方法および内燃機関の制御システム
JP4910961B2 (ja) 内燃機関装置およびこれを搭載する車両、内燃機関装置の制御方法
JP5151875B2 (ja) 火花点火式エンジンの制御方法及び制御装置
JPH09242573A (ja) 自動変速機の制御装置
WO2021111163A1 (ja) 車両用内燃機関の触媒暖機運転制御方法および触媒暖機運転制御装置
JP4483776B2 (ja) 内燃機関の着火時期制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20101001

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101001

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110523

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120229

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130326

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131028

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5412755

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees