JP2010006939A - 光硬化型接着剤、光学用部品及び液晶表示装置 - Google Patents

光硬化型接着剤、光学用部品及び液晶表示装置 Download PDF

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満 谷川
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Abstract

【課題】硬化直後の硬化物の透明性が高く、かつ使用中に硬化物の透明性を維持し得る光硬化型接着剤を提供する。
【解決手段】式(1),(2)で表される第1,第2の構造単位を主成分として有するポリシロキサン化合物と、式(3),(4)で表される第3,第4の構造単位を主成分として有するポリシロキサン化合物とを含む光硬化型接着剤。
SiO2/2 ………式(1)
SiO3/2 ………式(2)
SiO2/2 ………式(3)
SiO3/2 ………式(4)
式(1),(2)中、R、R及びRの内の少なくとも1つは、不飽和二重結合含有基を表し、他の基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表す。
式(3),(4)中、R、R及びRの内の少なくとも1つは、チオール基含有基を表し、他の基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、光の照射により硬化する光硬化型接着剤に関し、より詳細には、接着性が高く、硬化物の透明性、耐熱性及び耐光性が高く、様々な環境下において高い透明性を維持し得る光硬化型接着剤、該光硬化型接着剤を用いた接着部分を有する光学用部品及び液晶表示装置に関する。
従来、レンズ、ミラー、プリズムもしくは波長板などが支持部材などの他の部材に接着されている光学用部品、又は液晶表示装置などを製造する際に、基板などの構成部材同士を接着するのに様々な接着剤が用いられている。このような接着剤として、アクリル系接着剤やエポキシ系接着剤などが多用されている。
上記光学用部品に用いられる接着剤では、接着剤の硬化物の透明性、耐光性及び耐熱性が高いことが求められている。ところが、アクリル系接着剤を用いた場合には、硬化物の透明性は高いものの、接着性が低いことがあった。また、エポキシ系接着剤では、接着性は高いものの、硬化物の透明性が低かった。また、使用しているうちに、エポキシ系接着剤の硬化物は着色しやすかった。
近年、波長400nm程度の光を用いた光学機器が種々提案されている。このような用途に用いられる接着剤では、硬化物の透明性が高く、かつ該硬化物の耐光性も高いことが求められる。
下記の特許文献1には、透明性が高い硬化物を与える接着剤として、脂環式エポキシ化合物と光カチオン重合開始剤とを含有する紫外線硬化型接着剤組成物が開示されている。しかしながら、上記紫外線硬化型接着剤組成物は、エポキシ系接着剤であるため、硬化直後に、又は硬化後に長期間使用しているうちに、硬化物が着色することがあった。さらに、上記紫外線硬化型接着剤組成物により被着体同士を接着して得られた接着構造体が高温下で使用されると、上記紫外線硬化型接着剤組成物の硬化物が被着体から剥離することがあった。
特開2000−109780号公報
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、高温下でも高い接着性を有すると共に、硬化物の透明性、耐熱性及び耐光性が高く、硬化直後及び使用中に硬化物の着色が生じ難い光硬化型接着剤を提供することにある。
本発明によれば、不飽和二重結合含有基を有するポリシロキサン化合物であって、下記の一般式(1)で表される少なくとも1種の第1の構造単位と、下記の一般式(2)で表される少なくとも1種の第2の構造単位とを主成分として有し、第1,第2の構造単位の合計を100モル%としたときに、第1の構造単位の割合が50〜98モル%であり、第2の構造単位の割合が2〜50モル%であるポリシロキサン化合物と、チオール基含有基を有するポリシロキサン化合物であって、下記の一般式(3)で表される少なくとも1種の第3の構造単位と、下記の一般式(4)で表される少なくとも1種の第4の構造単位とを主成分として有し、第3,第4の構造単位の合計を100モル%としたときに、第3の構造単位の割合が50〜100モル%であり、第4の構造単位の割合が0〜50モル%であるポリシロキサン化合物と、光ラジカル重合開始剤とを含むことを特徴とする、光硬化型接着剤が提供される。
SiO2/2 ………式(1)
SiO3/2 ………式(2)
SiO2/2 ………式(3)
SiO3/2 ………式(4)
上記一般式(1)及び(2)において、R、R及びRの内の少なくとも1つは、不飽和二重結合含有基を表し、R、R及びRの内の不飽和二重結合含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R、R及びRは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記一般式(3)及び(4)において、R、R及びRの内の少なくとも1つは、チオール基含有基を表し、R、R及びRの内のチオール基含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R、R及びRは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
本発明に係る光硬化型接着剤は、不飽和二重結合含有基を有し、かつ上記特定の第1,第2の構造単位を主成分として有するポリシロキサン化合物と、チオール基含有基を有し、かつ上記特定の第3,第4の構造単位を主成分として有するポリシロキサン化合物とを含むため、硬化物の透明性、耐熱性及び耐光性を高めることができる。さらに、硬化物は、硬化直後に及び経時により着色し難くなる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本願発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、不飽和二重結合含有基を有し、かつ上記特定の第1,第2の構造単位を有するポリシロキサン化合物と、チオール基含有基を有し、かつ上記特定の第3,第4の構造単位を有するポリシロキサン化合物と、光ラジカル重合開始剤とを含む組成を採用することによって、硬化直後の硬化物の透明性が高められ、かつ高温下や光照射環境下でも硬化物の透明性が維持され得る、すなわち硬化物の耐熱性及び耐光性が高い光硬化型接着剤が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
また、本願発明者らは、上記特定の組成を採用することによって、光硬化型接着剤により被着体同士を接着して得られた接着構造体が高温下で使用されても、光硬化型接着剤の硬化物が被着体から剥離し難くなることも見出した。
(不飽和二重結合含有基を有するポリシロキサン化合物)
本発明に係る光硬化型接着剤は、下記の一般式(1)で表される少なくとも1種の第1の構造単位と、下記の一般式(2)で表される少なくとも1種の第2の構造単位とを主成分として有し、第1,第2の構造単位の合計を100モル%としたときに、第1の構造単位の割合が50〜98モル%であり、第2の構造単位の割合が2〜50モル%であり、不飽和二重結合含有基を有するポリシロキサン化合物(以下、ポリシロキサン化合物Aともいう。)を含む。
SiO2/2 ………式(1)
SiO3/2 ………式(2)
上記ポリシロキサン化合物Aは、上記一般式(1)で表される少なくとも1種の第1の構造単位と、上記一般式(2)で表される少なくとも1種の第2の構造単位とを主成分として有する。なお、上記ポリシロキサン化合物Aは、第1の構造単位及び第2の構造単位以外の他の構造単位を有していてもよい。
本明細書において、ポリシロキサン化合物Aが第1,第2の構造単位を「主成分として有する」とは、本発明の効果を発現し得る範囲内で、上記ポリシロキサン化合物Aが第1,第2の構造単位を有していることを意味し、通常、上記ポリシロキサン化合物Aを構成している全構造単位の内、第1,第2の構造単位の合計がモル分率で50モル%以上であれば、上記ポリシロキサン化合物Aは、第1,第2の構造単位を主成分として有することになる。
上記第1,第2の構造単位の合計の割合は、上記ポリシロキサン化合物Aの全構造単位100モル%中、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。
また、上記ポリシロキサン化合物Aにおいて、第1,第2の構造単位の合計を100モル%としたとき、第1の構造単位の割合の下限は50モル%であり、好ましい下限は60モル%である。上記ポリシロキサン化合物Aにおいて、第1,第2の構造単位の合計を100モル%としたとき、第1の構造単位の割合の上限は98モル%であり、好ましい上限は95モル%である。
上記ポリシロキサン化合物Aにおいて、第1,第2の構造単位の合計を100モル%としたとき、第2の構造単位の割合の下限は2モル%であり、好ましい下限は5モル%である。上記ポリシロキサン化合物Aにおいて、第1,第2の構造単位の合計を100モル%としたとき、第2の構造単位の割合の上限は50モル%であり、好ましい上限は40モル%である。
第1の構造単位の割合が低すぎると、硬化物が十分な柔軟性を有しなくなる。また、例えば光硬化型接着剤が光学用部品に用いられた場合には、硬化物の応力緩和性が低くなり、光学用部品に歪みが生じるおそれがある。第1の構造単位の割合が高すぎると、第2の構造単位の割合が相対的に低くなり、光硬化型接着剤の接着性が低くなる。
第2の構造単位の割合が低すぎると、光硬化型接着剤の接着性が低くなる。また、第2の構造単位の割合が高すぎると、硬化物が十分な柔軟性を有しなくなる。
上記一般式(1)及び(2)における置換基R、R、及びRの内の少なくとも1つは、不飽和二重結合含有基である。「不飽和二重結合含有基」には、不飽和二重結合を少なくとも一部に含有する官能基が広く含まれるものとする。このような不飽和二重結合含有基は、例えば、アルキル基やアルキルエーテル基などの鎖状骨格と、(メタ)アクリロキシ基のような不飽和二重結合とを含む官能基であってもよい。「(メタ)アクリロキシ基」とは、アクリロキシ基又はメタクリロキシ基を意味する。
上記不飽和二重結合含有基の具体例としては、ビニル基含有基、アリル基含有基、(メタ)アクリロキシ基含有基などが挙げられる。中でも、ポリシロキサン化合物Aの反応性を高めることができ、かつ光硬化型接着剤の接着性を高めることができるため、(メタ)アクリロキシ基含有基が好ましい。
上記ポリシロキサン化合物Aにおける上記不飽和二重結合含有基の割合は、1〜40モル%の範囲内にあることが好ましい。不飽和二重結合含有基の割合が低すぎると、光硬化型接着剤の硬化性が低くなることがある。不飽和二重結合含有基の割合が高すぎると、硬化物の被着体への接着性が低くなるおそれがある。上記ポリシロキサン化合物Aにおける上記不飽和二重結合含有基の割合は、3〜35モル%であることが好ましく、5〜30モル%であることがさらに好ましい。
ここで、「不飽和二重結合含有基の割合」とは、上記ポリシロキサン化合物Aの平均組成式中に含まれる不飽和二重結合含有基の割合を意味する。
上記一般式(1)及び(2)におけるR、R及びRの全ての基が、不飽和二重結合含有基ではない場合には、R、R及びRの内の少なくとも1つは、不飽和二重結合含有基ではない基である。R、R及びRの内の少なくとも1つが不飽和二重結合含有基ではない基である場合に、R、R及びRの内の不飽和二重結合含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基である。
上記炭素数1〜8の炭化水素基は特に限定されない。上記炭素数1〜8の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、イソへキシル基、シクロヘキシル基又はフェニル基等が挙げられる。
上記一般式(1)及び(2)におけるR、R及びRは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。すなわち、R、R及びRの内の少なくとも2つが不飽和二重結合含有基である場合には、複数の不飽和二重結合含有基は、同一であってもよく、異なっていてもよい。R、R及びRの内の少なくとも2つが上記不飽和二重結合含有基ではない基、すなわち炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基である場合には、複数の不飽和二重結合含有基ではない基は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
さらに、上記ポリシロキサン化合物Aは、少なくとも1種の第1の構造単位を有していればよく、複数種の第1の構造単位を有していてもよい。また、上記ポリシロキサン化合物Aは、少なくとも1種の第2の構造単位を有していればよく、複数種の第2の構造単位を有していてもよい。上記ポリシロキサン化合物Aの第1,第2の構造単位の繰り返し構造において、複数種のRが存在していてもよく、複数種のRが存在していてもよく、また複数種のRが存在していてもよい。
上記ポリシロキサン化合物Aにおいて、上記第1の構造単位(以下、二官能構造単位ともいう。)は、下記一般式(1−2)で表される構造単位を含む。すなわち、上記第1の構造単位は、上記二官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の1つが、ヒドロキシル基又はアルコキシ基を構成する構造を含む。
(RSiXO1/2) ………式(1−2)
上記一般式(1−2)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
上記ポリシロキサン化合物Aにおいて、上記第2の構造単位(以下、三官能構造単位ともいう。)は、下記の一般式(2−2)又は(2−3)で表される構造単位を含む。すなわち、上記第2の構造単位は、上記三官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の2つが、ヒドロキシル基もしくはアルコキシ基を構成する構造、又は、上記三官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の1つが、ヒドロキシル基もしくはアルコキシ基を構成する構造を含む。
(RSiX1/2) ………式(2−2)
(RSiXO2/2) ………式(2−3)
上記一般式(2−2)及び(2−3)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
上記一般式(1−2)、(2−2)及び(2−3)において、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基は特に限定されない。上記直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基の具体例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基又はt−ブトキシ基等が挙げられる。
テトラメチルシラン(TMS)を基準として上記ポリシロキサン化合物Aの29Si−核磁気共鳴分析(NMR)を行うと、置換基の種類によって若干の変動は見られるものの、上記一般式(1)及び(1−2)の構造単位に由来する各ピークは−10〜−30ppm付近に現れ、上記一般式(2)、(2−2)及び(2−3)の構造単位に由来する各ピークは−50〜−70ppm付近に現れる。
従って、29Si−NMRを測定し、各シグナルのピーク面積を比較することにより、上記ポリシロキサン化合物Aにおける第1,第2の構造単位の比率を求めることができる。もっとも、上記TMSを基準とした29Si−NMR測定において、第1の構造単位等の見分けがつかない場合には、29Si−NMR測定だけでなく、1H−NMRや19F−NMRなどの測定結果を必要に応じて用いることにより、各構造単位の比率を求めることができる。
上記ポリシロキサン化合物Aの具体例としては、例えば、下記の一般式(A)、(B)又は(C)で表されるポリシロキサン化合物が挙げられる。
(R1617SiO2/2(R18SiO3/2 ………式(A)
上記一般式(A)中、i及びjは、i/(i+j)=0.5〜0.98、及びj/(i+j)=0.02〜0.5を満たし、R16、R17及びR18の内の少なくとも1つは、不飽和二重結合含有基を表し、R16、R17及びR18の内の少なくとも1つが不飽和二重結合含有基ではない場合に、R16、R17及びR18の内の不飽和二重結合ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R16、R17及びR18は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。上記一般式(A)中のi及びjは、i/(i+j)=0.6〜0.95、及びj/(i+j)=0.05〜0.4を満たすことが好ましい。
(R1920SiO2/2(R2122SiO2/2(R23SiO3/2 ………式(B)
上記一般式(B)中、k、l及びmは、(k+l)/(k+l+m)=0.5〜0.98、及びm/(k+l+m)=0.02〜0.5を満たし、R19、R20、R21、R22及びR23の内の少なくとも1つは、不飽和二重結合含有基を表し、R19、R20、R21、R22及びR23の内の少なくとも1つが不飽和二重結合含有基ではない場合に、R19、R20、R21、R22及びR23の内の不飽和二重結合含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R19、R20、R21、R22及びR23は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、(R1920SiO2/2)と(R2122SiO2/2)とは構造が異なる。上記一般式(B)中のk、l及びmは、(k+l)/(k+l+m)=0.6〜0.95、及びm/(k+l+m)=0.05〜0.4を満たすことが好ましい。
(R2425SiO2/2(R26SiO3/2(R27SiO3/2 ………式(C)
上記一般式(C)中、n、o及びpは、n/(n+o+p)=0.5〜0.98、及び(o+p)/(n+o+p)=0.02〜0.5を満たし、R24、R25、R26及びR27の内の少なくとも1つは、不飽和二重結合含有基を表し、R24、R25、R26及びR27の内の少なくとも1つが不飽和二重結合含有基ではない場合に、R24、R25、R26及びR27の内の不飽和二重結合含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R24、R25、R26及びR27は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、(R26SiO3/2)と(R27SiO3/2)とは構造が異なる。上記一般式(C)中のn、o及びpは、n/(n+o+p)=0.6〜0.95、及び(o+p)/(n+o+p)=0.05〜0.4を満たすことが好ましい。
上記ポリシロキサン化合物Aにおいて、上記一般式(2)で表される第2の構造単位が、不飽和二重結合含有基を有することが好ましい。言い換えれば、上記一般式(2)中のRが、不飽和二重結合含有基であることが好ましい。この場合には、第2の構造単位だけでなく第1の構造単位も、不飽和二重結合含有基を有していてもよい。少なくとも第2の構造単位が不飽和二重結合含有基を有すると、不飽和二重結合含有基が、ポリシロキサン骨格の外側に出やすくなる。そのため、本発明の光硬化型接着剤の硬化物において、架橋構造が確実に形成されるため、硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。また、硬化物の膜減りを抑制することができる。
上記「膜減り」とは、長期間にわたって硬化物が高温状態にさらされた場合に、硬化物の厚みが徐々に減少してしまう現象を意味する。
第2の構造単位が不飽和二重結合含有基を有する場合には、上記ポリシロキサン化合物Aは、下記の一般式(6)、(7)又は(8)で表されるポリシロキサン化合物であることが好ましい。
(R1617SiO2/2(R18SiO3/2 ………式(6)
上記一般式(6)中、i及びjは、i/(i+j)=0.5〜0.98、及びj/(i+j)=0.02〜0.5を満たし、R18は不飽和二重結合含有基を表し、R16及びR17は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R16及びR17は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。上記一般式(6)中のi及びjは、i/(i+j)=0.6〜0.95、及びj/(i+j)=0.05〜0.4を満たすことが好ましい。
(R1920SiO2/2(R2122SiO2/2(R23SiO3/2 ………式(7)
上記一般式(7)中、k、l及びmは、(k+l)/(k+l+m)=0.5〜0.98、及びm/(k+l+m)=0.02〜0.5を満たし、R23は不飽和二重結合含有基を表し、R19、R20、R21及びR22は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R19、R20、R21及びR22は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、(R1920SiO2/2)と(R2122SiO2/2)とは構造が異なる。上記一般式(7)中、k、l及びmは、(k+l)/(k+l+m)=0.6〜0.95、及びm/(k+l+m)=0.05〜0.4を満たすことが好ましい。
(R2425SiO2/2(R26SiO3/2(R27SiO3/2 ………式(8)
上記一般式(8)中、n、o及びpは、n/(n+o+p)=0.5〜0.98、及び(o+p)/(n+o+p)=0.02〜0.5を満たし、R26は不飽和二重結合含有基を表し、R24、R25及びR27は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R24、R25及びR27は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。上記一般式(8)中のn、o及びpは、n/(n+o+p)=0.6〜0.95、及び(o+p)/(n+o+p)=0.05〜0.4を満たすことが好ましい。
上記ポリシロキサン化合物Aは、上記一般式(1)で表される第1の構造単位と上記一般式(2)で表される第2の構造単位とを主成分として有していればよく、これら第1,第2の構造単位以外の他の構造単位を有していてもよい。ポリシロキサン化合物Aが有する構造単位の総数を100モル%としたときに、上記第1の構造単位及び上記第2の構造単位の合計の割合の好ましい下限は80モル%であり、より好ましい下限は90モル%である。上記第1,第2の構造単位の合計の割合が80モル%未満であると、硬化物の耐熱性、耐光性及び接着性を高める効果が損なわれることがある。
上記第1,第2の構造単位以外の他の構造単位は特に限定されない。該他の構造単位としては、例えば下記の一般式(9)又は(10)で表される構造単位が挙げられる。
(R282930SiO1/2) ………式(9)
上記一般式(9)中、R28、R29及びR30の内の少なくとも1つは、不飽和二重結合含有基を表し、R28、R29及びR30の内の少なくとも1つが不飽和二重結合含有基ではない場合に、R28、R29及びR30の内の不飽和二重結合含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R28、R29及びR30は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
(SiO4/2) ………式(10)
上記一般式(10)で表される構造単位(以下、四官能構造単位ともいう。)は、下記の一般式(10−2)、(10−3)又は(10−4)で表される構造単位を含む。すなわち、上記一般式(10)で表される構造単位は、上記四官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の3つもしくは2つが、ヒドロキシル基もしくはアルコキシ基を構成する構造、又は、上記四官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシル基もしくはアルコキシ基を構成する構造を含む。
(SiX1/2) ………式(10−2)
(SiX2/2) ………式(10−3)
(SiXO3/2) ………式(10−4)
上記一般式(10−2)、(10−3)及び(10−4)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基は特に限定されない。上記直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基又はt−ブトキシ基等が挙げられる。
上記ポリシロキサン化合物Aの数平均分子量(Mn)の好ましい範囲は、1000〜100000である。数平均分子量が1000未満であると、硬化時に揮発する成分が多くなるため、上記接着構造体に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらに硬化物の上記膜減りの度合いが大きくなることがある。数平均分子量が100000を超えると、粘度の調節が困難になるおそれがある。上記数平均分子量のより好ましい下限は1500、より好ましい上限は50000である。
なお、本明細書において、数平均分子量(Mn)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレンを基準にして求められた値であり、Waters社製の測定装置(カラム:昭和電工社製 Shodex GPC LF−804(長さ300mm)×2本、測定温度:40℃、流速:1mL/min、溶媒:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレン)を用いて測定した値を意味する。
上記ポリシロキサン化合物Aを合成する方法は、特に限定されない。上記ポリシロキサン化合物Aを合成する方法としては、例えば、ハイドロシリレーション反応によりポリシロキサン骨格に置換基を導入する方法(1)、アルコキシシラン化合物と不飽和二重結合含有基を有するアルコキシシラン化合物とを縮合反応させる方法(2)等が挙げられる。中でも、上述した第1,第2の構造単位の比率を調整しやすいため、上記方法(2)が好ましい。
上記方法(2)において用いられるアルコキシシラン化合物としては、例えば、下記の一般式(11)及び(12)で表されるアルコキシシラン化合物又はその部分加水分解物が挙げられる。
3132Si(OR) ………式(11)
33Si(OR) ………式(12)
上記一般式(11)及び(12)中、R31、R32及びR33は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
上記一般式(11)及び(12)中のR31、R32及びR33が炭素数1〜8の炭化水素である場合の炭化水素基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、イソへキシル基、シクロヘキシル基又はフェニル基等が挙げられる。
また、上記一般式(11)及び(12)中のORで表される直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基又はt−ブトキシ基等が挙げられる。
上記一般式(11)で表されるアルコキシシラン化合物としては、具体的には、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソプロピル(メチル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(メチル)ジメトキシシラン又はメチル(フェニル)ジメトキシシラン等が挙げられる。
上記一般式(12)で表されるアルコキシシラン化合物としては、具体的には、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン又はフェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記方法(2)において用いられる不飽和二重結合含有基を有するアルコキシシラン化合物としては、例えば、下記の一般式(13)又は(14)で表される不飽和二重結合含有基を有するアルコキシシラン化合物又はその部分加水分解物が挙げられる。
3435Si(OR) ………式(13)
36Si(OR) ………式(14)
上記一般式(13)中、R34及びR35の内の少なくとも一方は、不飽和二重結合含有基を表し、R34及びR35の内の少なく一方が不飽和二重結合含有基ではない場合に、R34及びR35の内の不飽和二重結合含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
上記一般式(14)中、R36は不飽和二重結合含有基であり、ORは、直鎖状または分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
上記一般式(13)及び(14)中の不飽和二重結合含有基は、上記一般式(1)及び(2)の説明で挙げた不飽和二重結合含有基であることが好ましい。
上記一般式(13)又は(14)で表されるアルコキシシラン化合物としては、ビニル基を有するアルコキシシラン化合物、アリル基を有するアルコキシシラン化合物又は(メタ)アクリロキシ基を有するアルコキシシラン化合物等が挙げられる。
上記ビニル基を有するアルコキシシラン化合物の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニル(メチル)ジメトキシシラン又はビニル(メチル)ジエトキシシラン等が挙げられる。
上記アリル基を含有する基を有するアルコキシシラン化合物の具体例としては、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリル(メチル)ジメトキシシラン又はアリル(メチル)ジエトキシシラン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリロキシ基を有するアルコキシシラン化合物の具体例としては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン又は3−メタクリロキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン等が挙げられる。
上記方法(2)において、上記アルコキシシラン化合物と不飽和二重結合含有基を有するアルコキシシラン化合物とを縮合反応させる具体的な方法としては、例えば、アルコキシシラン化合物と不飽和二重結合含有基を有するアルコキシシラン化合物とを、水と酸又は塩基性触媒との存在下で反応させてポリシロキサン化合物Aを合成する方法が挙げられる。
また、上記アルコキシシラン化合物を、水と酸又は塩基性触媒との存在下で予め反応させておき、その後に不飽和二重結合含有基を有するアルコキシシラン化合物を反応させてもよい。
上記ポリシロキサン化合物Aが、上記一般式(9)又は(10)で表される構造単位を有する場合には、上記ポリシロキサン化合物Aを合成する際に、下記の一般式(X)又は(Y)で表されるアルコキシシラン化合物又はその部分加水分解物を用いてもよい。
373839Si(OR) ………式(X)
Si(OR) ………式(Y)
上記一般式(X)中、R37、R38及びR39はそれぞれ、不飽和二重結合含有基、又は炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。上記一般式(X)における炭素数1〜8の炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
上記式(Y)中、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
上記一般式(X)中の不飽和二重結合含有基としては、具体的には、例えば、ビニル基、アリル基又は(メタ)アクリロキシ基等が挙げられる。
上記一般式(X)における炭素数1〜8の炭化水素基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、イソへキシル基、シクロヘキシル基又はフェニル基等が挙げられる。
上記一般式(X)及び(Y)中のORで表される直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基又はt−ブトキシ基等が挙げられる。
上記一般式(X)で表されるアルコキシシラン化合物としては、具体的には、例えば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン又は3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン等が挙げられる。
上記一般式(Y)で表されるアルコキシシラン化合物としては、具体的には、例えば、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシラン等が挙げられる。
上記アルコキシシラン化合物と上記不飽和二重結合含有基を有するアルコキシシラン化合物とを、水と酸又は塩基性触媒との存在下で反応させてポリシロキサン化合物Aを合成する際の水の配合量は、上記不飽和二重結合性含有基を有するアルコキシシラン化合物のケイ素原子に結合したアルコキシ基を加水分解できる量であれば特に限定されず、適宜調整され得る。
上記酸又は塩基性触媒は、上記アルコキシシラン化合物と上記不飽和二重結合性官能基を有するアルコキシシラン化合物とを反応させるための触媒である。
上記酸触媒としては、無機酸、無機酸の酸無水物、無機酸の誘導体、有機酸、有機酸の酸無水物又は有機酸の誘導体等が挙げられる。上記無機酸としては、例えば、リン酸、ホウ酸又は炭酸等が挙げられる。上記有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸又はオレイン酸等が挙げられる。
上記塩基性触媒としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド又はアルカリ金属のシラノール化合物等が挙げられる。上記アルカリ金属の水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化セシウム等が挙げられる。上記アルカリ金属のアルコキシドとしては、例えば、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド又はセシウム−t−ブトキシド等が挙げられる。上記アルカリ金属のシラノール化合物としては、ナトリウムシラノレート化合物、カリウムシラノレート化合物又はセシウムシラノレート化合物等が挙げられる。中でも、水酸化カリウムが好ましい。
(チオール基含有基を有するポリシロキサン化合物)
本発明に係る光硬化型接着剤は、下記の一般式(3)で表される少なくとも1種の第3の構造単位と、下記の一般式(4)で表される少なくとも1種の第4の構造単位とを主成分として有し、第3,第4の構造単位の合計を100モル%としたときに、第3の構造単位の割合が50〜100モル%であり、第4の構造単位の割合が0〜50モル%であり、チオール基含有基を有するポリシロキサン化合物(以下、ポリシロキサン化合物Bともいう。)を含む。
SiO2/2 ………式(3)
SiO3/2 ………式(4)
上記ポリシロキサン化合物Bは、上記一般式(3)で表される少なくとも1種の第3の構造単位と、上記一般式(4)で表される少なくとも1種の第4の構造単位とを主成分として有する。なお、上記ポリシロキサン化合物Bは、第3の構造単位及び第4の構造単位以外の他の構造単位を有していてもよい。
本明細書において、ポリシロキサン化合物Bが第3,第4の構造単位を「主成分として有する」とは、本発明の効果を発現し得る範囲内で、上記ポリシロキサン化合物Bが第3,第4の構造単位を有していることを意味し、通常、上記ポリシロキサン化合物Bを構成している全構造単位の内、第3,第4の構造単位の合計がモル分率で50モル%以上であれば、上記ポリシロキサン化合物Bは、第3,第4の構造単位を主成分として有することになる。
第3,第4の構造単位の合計の割合は、上記ポリシロキサン化合物Bの全構造単位100モル%中、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。
また、上記ポリシロキサン化合物Bにおいて、第3,第4の構造単位の合計を100モル%としたとき、第3の構造単位の割合の下限は50モル%であり、好ましい下限は60モル%である。上記ポリシロキサン化合物Bにおいて、第3,第4の構造単位の合計を100モル%としたときに、第3の構造単位の割合の上限は100モル%である。
上記ポリシロキサン化合物Bにおいて、第3,第4の構造単位の合計を100モル%としたとき、第4の構造単位の割合の下限は0モル%である。上記ポリシロキサン化合物Bにおいて、第3,第4の構造単位の合計を100モル%としたとき、第4の構造単位の上限は50モル%であり、好ましい上限は40モル%である。
第3の構造単位の割合が低すぎると、硬化物は充分な柔軟性を有しなくなる。また、例えば光硬化型接着剤が光学用部品に用いられた場合には、硬化物の応力緩和性が低くなり、光学用部品に歪みが生じるおそれがある。
第4の構造単位の割合が高すぎると、第3の構造単位の割合が相対的に低くなるため、硬化物が十分な柔軟性を有しなくなる。
上記一般式(3)及び(4)における置換基R、R及びRの内の少なくとも1つは、チオール基含有基である。「チオール基含有基」には、チオール基を少なくとも一部に含有する官能基が広く含まれるものとする。
上記ポリシロキサン化合物Bにおける上記チオール基含有基の割合は、1〜40モル%の範囲にあることが好ましい。チオール基含有基の割合が低すぎると、高温下で使用したときに、被着体と硬化物とが剥離しやすくなることがある。チオール基含有基の割合が高すぎると、高温で硬化物が黄変しやすくなるおそれがある。上記ポリシロキサン化合物Bにおける上記チオール基含有基の割合は、3〜35モル%であることが好ましく、5〜30モル%であることがさらに好ましい。
ここで、「チオール基含有基の割合」とは、上記ポリシロキサン化合物Bの平均組成式中に含まれるチオール基含有基の割合を意味する。
上記一般式(3)及び(4)におけるR、R及びRの全ての基が、チオール基含有基ではない場合には、R、R及びRの内の少なくとも1つは、チオール基含有基ではない基である。R、R及びRの内の少なくとも1つがチオール基含有基ではない場合に、R、R及びRの内のチオール基含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基である。該炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基の詳細は、上記一般式(1)又は(2)における炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基の場合と同様のため省略する。
上記一般式(3)及び(4)におけるR、R及びRは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。すなわち、R、R及びRの内の少なくとも2つがチオール基含有基である場合には、複数のチオール基含有基は、同一であってもよく、異なっていてもよい。R、R及びRの内の少なくとも2つが上記チオール基含有基ではない基、すなわち炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基である場合には、複数の上記チオール基含有基ではない基は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
さらに、上記ポリシロキサン化合物Bは、少なくとも1種の第3の構造単位を有していればよく、複数種の第3の構造単位を有していてもよい。また、上記ポリシロキサン化合物Bは、複数種の第4の構造単位を有していてもよい。上記ポリシロキサン化合物Bの第3,第4の構造単位の繰り返し構造において、複数種のRが存在していてもよく、複数種のRが存在していてもよく、また複数種のRが存在していてもよい。
上記ポリシロキサン化合物Bは特に限定されない。上記ポリシロキサン化合物Bとしては、例えば、下記の一般式(21)、(22)、(D)、(E)又は(F)で表されるポリシロキサン化合物が挙げられる。
(R5152SiO2/2(R5354SiO2/2 ………式(21)
上記一般式(21)中、q及びrは、q/(q+r)=0.5〜0.99、及びr/(q+r)=0.01〜0.5を満たし、R53及びR54の内の少なくとも一方は、チオール基含有基を表し、R53及びR54の内の少なくとも一方がチオール基含有基ではない場合に、R53及びR54の内のチオール基含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R51及びR52は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R53及びR54、並びにR51及びR52は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
(R5556SiO2/2(R5758SiO2/2(R5960SiO2/2 ………式(22)
上記一般式(22)中、s、t及びuは、s+t/(s+t+u)=0.5〜0.99、及びu/(s+t+u)=0.01〜0.5を満たし、R59及びR60の内の少なくとも一方は、チオール基含有基を表し、R59及びR60の内の少なくとも一方がチオール基含有基ではない場合に、R59及びR60の内のチオール基含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R55、R56、R57及びR58は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R59及びR60、並びにR55、R56、R57及びR58は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、(R5556SiO2/2)と(R5758SiO2/2)とは構造が異なる。
(R6162SiO2/2(R63SiO3/2 ………式(D)
上記一般式(D)中、v及びwは、v/(v+w)=0.5〜0.99、及びw/(v+w)=0.01〜0.5を満たし、R61、R62及びR63の内の少なくとも一つは、チオール基含有基を表し、R61、R62及びR63の内の少なくとも一つがチオール基含有基ではない場合に、R61、R62及びR63の内のチオール基含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はフッ化物基であり、R61、R62及びR63は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
(R6465SiO2/2(R6667SiO2/2(R68SiO3/2 ………式(E)
上記一般式(E)中、z、y及びzは、(x+y)/(x+y+z)=0.5〜0.99、及びz/(x+y+z)=0.01〜0.5を満たし、R64、R65、R66、R67及びR68の内の少なくとも一つは、チオール基含有基を表し、R64、R65、R66、R67及びR68の内の少なくとも一つがチオール基含有基ではない場合に、R64、R65、R66、R67及びR68の内のチオール基含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はフッ化物基を表し、R64、R65、R66、R67及びR68は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、(R6465SiO2/2)と(R6667SiO2/2)とは構造が異なる。
(R6970SiO2/2(R71SiO3/2(R72SiO3/2 ………式(F)
上記一般式(F)中、a、b及びcは、a/(a+b+c)=0.5〜0.99、及び(b+c)/(a+b+c)=0.01〜0.5を満たし、R69、R70、R71及びR72の内の少なくとも一つは、チオール基含有基を表し、R69、R70、R71及びR72の内の少なくとも一つがチオール基含有基ではない場合に、R69、R70、R71及びR72の内のチオール基含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はフッ化物基を表し、R69、R70、R71及びR72は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、(R71SiO3/2)と(R72SiO3/2)とは構造が異なる。
上記ポリシロキサン化合物Bにおいて、上記一般式(4)で表される第4の構造単位が、チオール基含有基を有することが好ましい。言い換えれば、上記一般式(4)中のRが、チオール基含有基であることが好ましい。また、上記ポリシロキサン化合物Bが、上記一般式(D)、(E)又は(F)で表されるポリシロキサン化合物であり、かつ第4の構造単位が、チオール基含有基を有することがより好ましい。第4の構造単位がチオール基含有基を有すると、該チオール基含有基により光硬化性接着剤の硬化性を高めることができ、かつ光硬化型接着剤により被着体同士を接着して得られた接着構造体が高温下で使用されたときに、光硬化型接着剤の硬化物が被着体から剥離し難くすることができる。
上記ポリシロキサン化合物Bは、チオール基含有基を有するアルコキシシラン化合物を用いて、上述したポリシロキサン化合物Aを合成する方法に準拠して合成され得る。
上記チオール基含有基を有するアルコキシシラン化合物は特に限定されない。上記チオール基含有基を有するアルコキシシラン化合物として、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシメトキシシラン又は3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等を用いることができる。
上記ポリシロキサン化合物Bにおいて、上記第3の構造単位(以下、二官能構造単位ともいう。)は、下記の一般式(3−2)で表される構造単位を含む。すなわち、上記第3の構造単位は、上記二官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシル基又はアルコキシ基を構成する構造を含む。
(RSiXO1/2) ………式(3−2)
上記一般式(3−2)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
上記ポリシロキサン化合物Bにおいて、上記第4の構造単位(以下、三官能構造単位ともいう。)は、下記の一般式(4−2)又は(4−3)で表される構造単位を含む。すなわち、上記第4の構造単位は、上記三官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の2つが、ヒドロキシル基もしくはアルコキシ基を構成する構造、又は、上記三官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の1つが、ヒドロキシル基もしくはアルコキシ基を構成する構造を含む。
(RSiX1/2) ………式(4−2)
(RSiXO2/2) ………式(4−3)
上記一般式(4−2)及び(4−3)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基又はt−ブトキシ基等が挙げられる。
上記ポリシロキサン化合物Bは、上記一般式(3)で表される第3の構造単位と上記一般式(4)で表される第4の構造単位とを主成分として有していればよく、これら第3,第4の構造単位以外の他の構造単位を有していてもよい。上記ポリシロキサン化合物Bが有する構造単位の総数を100モル%としたときに、上記第3の構造単位及び上記第4の構造単位の合計の割合の好ましい下限は80モル%であり、より好ましい下限は90モル%である。
上記第3,第4の構造単位以外の他の構造単位は特に限定されない。該他の構造単位としては、例えば下記の一般式(23)又は化学式(24)で表される構造単位が挙げられる。
(R737475SiO1/2) ………式(23)
上記一般式(23)中、R73、R74及びR75の内の少なくとも1つは、チオール基含有基を表し、R74及びR75の内の少なくとも1つがチオール基含有基ではない場合に、R73、R74及びR75の内のチオール基含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R73、R74及びR75は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
(SiO4/2) ………式(24)
上記一般式(24)で表される構造単位(以下、四官能構造単位ともいう。)は、下記の一般式(24−2)、(24−3)又は(24−4)で表される構造単位を含む。すなわち、上記一般式(24)で表される構造単位は、上記四官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の3つもしくは2つがヒドロキシル基もしくはアルコキシ基を構成する構造、又は、上記四官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシル基もしくはアルコキシ基を構成する構造を含む。
(SiX1/2) ………式(24−2)
(SiX2/2) ………式(24−3)
(SiXO3/2) ………式(24−4)
上記一般式(24−2)、(24−3)及び(24−4)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基は特に限定されない。上記直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基又はt−ブトキシ基等が挙げられる。
上記ポリシロキサン化合物Bの数平均分子量(Mn)の好ましい範囲は、1000〜100000である。数平均分子量が1000未満であると、硬化時に揮発する成分が多くなるため、上記接着構造体に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらに硬化物の上記膜減りの度合いが大きくなることがある。数平均分子量が100000を超えると、粘度の調節が困難になるおそれがある。上記数平均分子量のより好ましい下限は1500、より好ましい上限は50000である。
上記ポリシロキサン化合物A100重量部に対して、上記ポリシロキサン化合物Bは、5重量部以上の割合で配合されることが好ましく、300重量部以下の割合で配合されることが好ましい。上記ポリシロキサン化合物Bの量が5重量部未満であると、上記ポリシロキサン化合物Bの配合による光硬化型接着剤の接着性向上効果が充分に得られないことがある。上記ポリシロキサン化合物Bの量が300重量部を超えると、硬化物の耐熱性が低くなることがある。上記ポリシロキサン化合物A100重量部に対して、上記ポリシロキサン化合物Bは、10〜200重量部の範囲で配合されることが好ましい。
(光ラジカル重合開始剤)
本発明に係る光硬化型接着剤に含まれている光ラジカル重合開始剤は、光の照射によりラジカルを発生させ、上記ポリシロキサン化合物A,Bを重合させるものであれば、特に限定されない。光ラジカル重合開始剤は、紫外線の照射により、ラジカルを発生させる化合物であることが好ましい。
上記光ラジカル重合開始剤としては、α―ヒドロキシケトン化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾインエーテル化合物、ベンジルケタール化合物、アシルホスフィンオキシド化合物又はチオキサントン化合物等が挙げられる。これらの光ラジカル重合開始剤は、紫外線の照射によりラジカルを発生させる。
上記光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、イルガキュア127、イルガキュア184、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア651、イルガキュア907、イルガキュア819、イルガキュア2959及びダロキュァ1173(以上、いずれもチバ・スペシャリティーケミカルズ社製)、カヤキュァBP及びカヤキュァDETX−S(以上、いずれも日本化薬社製)、ESACURE KIP 150(Lamberti社製)、S−121(シンコー技研社製)、セイクオールBEE(精工化学社製)、並びにソルバスロンBIPE及びソルバスロンBIBE(以上、いずれも黒金化成社製)等が挙げられる。上記光ラジカル重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
光硬化型接着剤の硬化性と硬化物の透明性との双方を高めることができるので、上記光ラジカル重合開始剤として、α−ヒドロキシケトン化合物又はベンジルメチルケタール化合物が好適に用いられる。このような好ましい光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、イルガキュア127、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア2959及びダロキュァ1173(以上、いずれもチバ・スペシャリティーケミカルズ社製)等が挙げられる。
上記ポリシロキサン化合物A100重量部に対して、上記光ラジカル重合開始剤は、0.1〜5重量部の割合で配合されることが好ましい。光ラジカル重合開始剤の量が少なすぎると、上記ポリシロキサン化合物A,Bの反応性が不足することがある。光ラジカル重合開始剤の量が多すぎると、硬化時にガスが抽出されたり、硬化物中に未反応の光ラジカル重合開始剤が多く残ることによって、硬化物が着色したりすることがある。
(ウレタン(メタ)アクリレート化合物及びエポキシ(メタ)アクリレート化合物)
本発明に係る光硬化型接着剤は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物及びエポキシ(メタ)アクリレート化合物の内の少なくとも一方をさらに含むことが好ましい。それによって、硬化物の被着体に対する親和性を高めることができる。従って、光硬化型接着剤の接着性をより一層高めることができる。さらに、硬化物の柔軟性をより一層高めることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、イソシアネート化合物と活性水素基を有する(メタ)アクリレート化合物とを錫又はアミン等の触媒を用いて反応させて得られた化合物が挙げられる。
上記イソシアネート化合物は特に限定されない。上記イソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート又は1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
上記活性水素基を有する(メタ)アクリレート化合物は特に限定されない。上記活性水素基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物の市販品としては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210及びM−1600(以上、いずれも東亞合成社製)、EB230、EB270、EB4858、EB8402、EB8804、EB8803、EB8807、EB9260、EB1290、EB5129、EB4842、EB210、EB4827、EB6700、EB220及びEB2220(以上、いずれもダイセル・サイテック社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK及びアートレジンSH−500B(以上、いずれも根上工業社製)、並びにU−122P、U−108A、U−340P、U−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、UA−5201P、UA−W2A、U−1084A、U−6LPA、U−2HA、U−2PHA、UA−4100、UA−7100、UA−4200、UA−4400、UA−340P、U−3HA、UA−7200、U−2061BA、U−10H、U−122A、U−340A、U−108、U−6H及びUA−4000(以上いずれも新中村化学工業社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とをアミン触媒又はリン触媒等を用いて反応させて得られた化合物が挙げられる。
上記エポキシ化合物は特に限定されない。上記エポキシ化合物としては、例えば、ノボラック型エポキシ化合物又はビスフェノール型エポキシ化合物等が挙げられる。上記ノボラック型エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、トリスフェノールノボラック型エポキシ化合物又はジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物等が挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノール型エポキシ化合物又はポリオキシプロピレンビスフェノールA型環式脂肪族エポキシ化合物等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレート化合物の市販品としては、例えば、EB3700、EB3600、EB3701、EB3703、EB3200、EB3201、EB3600、EB3702、EB3412、EB860、EBRDX63182、EB6040及びEB3800(以上、いずれもダイセル・サイテック社製)、EA−1020、EA−1010、EA−5520、EA−5323、EA−CHD及びEMA−1020(以上、いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA及びエポキシエステル400EA(以上、いずれも共栄社化学社製)、並びにデナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314及びデナコールアクリレートDA−911(以上、いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、芳香族化合物ではないことが好ましい。また、上記エポキシ(メタ)アクリレート化合物は芳香族化合物ではないことが好ましい。上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物が芳香族化合物の場合、又は上記エポキシ(メタ)アクリレート化合物が芳香族化合物の場合にはいずれも、硬化物の耐光性が低下することがある。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物及びエポキシ(メタ)アクリレート化合物の合計の配合量は、上記ポリシロキサン化合物A100重量部に対して、3〜100重量部の範囲にあることが好ましく、5〜80重量部の範囲にあることがより好ましく、10〜60重量部の範囲にあることがさらに好ましい。上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物及びエポキシ(メタ)アクリレート化合物の合計の量が少なすぎると、これらの化合物の添加効果が充分に得られないことがあり、多すぎると、硬化物の耐熱性及び耐光性が低下することがある。
(任意に添加される他の成分)
本発明に係る光硬化型接着剤には、上記ポリシロキサン化合物A,B及び光ラジカル重合開始剤、並びに好ましくは添加されるウレタン(メタ)アクリレート化合物及びエポキシ(メタ)アクリレート化合物に加えて、様々な成分が添加されてもよい。
本発明に係る光硬化型接着剤には、接着性を高めるために、カップリング剤がさらに含有されていてもよい。上記カップリング剤は特に限定されない。上記カップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン又はN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられる。これらのカップリング剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリシロキサン化合物A100重量部に対して、上記カップリング剤の配合割合の好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は5重量部である。カップリング剤の量が0.1重量部未満であると、カップリング剤の配合効果が充分発揮されないことがある。カップリング剤の量が5重量部を超えると、余剰のカップリング剤が揮発して、硬化物の上記膜減りの度合いが大きくなることがある。
また、応力分散性を高めて接着性を改善したり、線膨張率を改善したりするために、光硬化型接着剤には、様々な充填剤が含有されていてもよい。上記充填剤は特に限定されない。上記充填剤としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム又は窒化珪素等の無機フィラー等が挙げられる。
また、本発明の光硬化型接着剤には、耐熱性や耐光性を高めるために、光安定剤や酸化防止剤等の添加剤を適宜含有されていてもよい。
(光硬化型接着剤の製造方法)
本発明の光硬化型接着剤を製造する方法は特に限定されない。本発明の光硬化型接着剤を製造する方法としては、上記ポリシロキサン化合物A、上記ポリシロキサン化合物B及び光ラジカル重合開始剤と、必要に応じて添加される他の成分とを、混合機を用いて常温又は加温下で混合する方法が挙げられる。上記混合機としては、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、三本ロール又はビーズミル等が挙げられる。
(光硬化型接着剤の用途)
本発明の光硬化型接着剤の用途は特に限定されない。本発明の光硬化型接着剤は、接着性が高く、硬化直後の硬化物の透明性及び長期間経過した後の硬化物の透明性が高く、かつ硬化物の耐熱性及び耐光性が高いため、光学関連部品又は表示装置関連部品に特に好適に用いることができる。具体的には、本発明の光硬化型接着剤は、例えば、波長板もしくはピックアップレンズ等の光ピックアップ用光学用部品の貼付に用いる接着剤、液晶プロジェクターやDMDプロジェクター用のプリズムの貼付に用いる接着剤、位相差フィルム等の各種光学フィルムの貼付に用いる接着剤、液晶パネル等の各種フラットパネルディスプレイの貼付に用いる接着剤、DVDディスク等のメディアのコーティング剤に用いる接着剤、DVDディスク等のメディアの貼付に用いる接着剤、タッチパネル用の接着剤、又は光ファイバーや光回路の接続に用いる接着剤等に好適に用いられる。
すなわち、光学用部品や液晶表示装置などにおける接着部分に本発明に係る光硬化型接着剤を好適に用いることができる。本発明によれば、本発明に係る光硬化型接着剤の硬化物からなる接着部分を有する上記のような光学用部品や液晶表示装置が提供される。この硬化物は接着性が高く、透明性、耐熱性、及び耐光性が高いため、光学用部品や液晶表示装置の品質を高めることができる。
本発明に係る光硬化型接着剤は、上記特定の構造のポリシロキサン化合物及び光ラジカル重合開始剤を含有しているため、接着性を高めることができ、さらに硬化物の透明性、耐熱性及び耐光性を高めることができる。さらに、硬化物は、硬化直後に透明性が高く、経時により透明性が低下し難い。
よって、光学用部品や液晶表示装置などの透明性が要求される接着部分に本発明の光硬化型接着剤を好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(メタクリロキシ基を有するポリシロキサンの合成)
(合成例1)
温度計と滴下装置とが取り付けられた2000mLのセパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン540g及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン60gを入れ、50℃で攪拌した。その中に水酸化カリウム水溶液〔水酸化カリウム(1.3g)/水(175g)〕をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌した。その中に、酢酸1.4gを入れ、減圧下で揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過してポリマーを得た。得られたポリマーをヘキサン/水(容量比で1:1)を用いて洗浄し、減圧下で揮発成分を除去し、ポリマーAを得た。ポリマーAの分子量を後述の方法で求めたところ、Mn=2400、Mw=5000であった。次に、29Si−NMRにより構造を確認したところ、ポリマーAの構造は、
(MeSiO2/20.95(RaSiO3/20.05
であった。なお、Raはメタクリロキシプロピル基であり、メタクリロキシプロピル基含有量は8モル%であった。
なお、分子量は、ポリマーA(10mg)にテトラヒドロフラン(1mL)を入れ、溶解するまで攪拌し、Waters社製の測定装置〔カラム:昭和電工社製 Shodex GPC LF−804(長さ300mm)×2本、測定温度:40℃、流速:1mL/min、溶媒:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレン〕を用いてGPC測定により測定した。
(合成例2)
温度計及び滴下装置付の2000mLのセパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン485g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン115gを入れ、50℃で攪拌した。その中に水酸化カリウム水溶液〔水酸化カリウム(1.3g)/水(170g)〕をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌した。その中に、酢酸1.4gを入れ、減圧下で揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過してポリマーを得た。得られたポリマーをヘキサン/水(容量比で1:1)を用いて洗浄し、減圧下で揮発成分を除去し、ポリマーBを得た。ポリマーBの分子量はMn=2800、Mw=5600であった。また、29Si−NMRにより構造を確認したところ、ポリマーBの構造は、
(MeSiO2/20.90(RbSiO3/20.10
であった。なお、Rbはメタクリロキシプロピル基であり、メタクリロキシプロピル基含有量は15モル%であった。
(ビニル基を有するポリシロキサンの合成)
(合成例3)
温度計及び滴下装置付の2000mLのセパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン525g、及びビニルトリメトキシシラン75gを入れ、50℃で攪拌した。その中に水酸化カリウム水溶液〔水酸化カリウム(1.4g)/水(185g)〕をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌した。その中に、酢酸1.5gを入れ、減圧下で揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過してポリマーを得た。得られたポリマーをヘキサン/水(容量比で1:1)を用いて洗浄し、減圧下で揮発成分を除去し、ポリマーCを得た。ポリマーCの分子量はMn=2000、Mw=4700であった。また、29Si−NMRにより構造を確認したところ、ポリマーCの構造は、
(MeSiO2/20.90(ViSiO3/20.10
であった。なお、Viはビニル基であり、ビニル基含有量は4モル%であった。
(チオール基含有基を有するポリシロキサン化合物の合成)
(合成例4)
温度計及び滴下装置付の2000mLのセパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン505g、及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン95gを入れ、50℃で攪拌した。その中に水酸化カリウム水溶液〔水酸化カリウム(1.3g)/水(170g)〕をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌した。その中に、酢酸1.4gを入れ、減圧下で揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過してポリマーを得た。得られたポリマーをヘキサン/水(容量比で1:1)を用いて洗浄し、減圧下で揮発成分を除去し、ポリマーDを得た。ポリマーDの分子量はMn=2200、Mw=5000であった。また、29Si−NMRにより構造を確認したところ、ポリマーDの構造は、
(MeSiO2/20.90(RcSiO3/20.10
であった。なお、Rcはメルカプトプロピル基であり、メルカプトプロピル基含有量は10モル%であった。
〔実施例及び比較例で使用した材料の詳細〕
(1)IRGACURE184:チバ・スペシャリティーケミカルズ社製商品、α−ヒドロキシケトン系光ラジカル重合開始剤
(2)EB230:ダイセル・サイテック社製商品、脂肪族ウレタンアクリレート化合物
(3)S510:チッソ社製商品、シランカップリング剤
(4)セロキサイド2021:ダイセル化学工業社製商品、脂環エポキシ樹脂
(5)YX−8084:ジャパンエポキシレジン社製商品、水添ビスフェノールAエポキシ樹脂
(6)RP2074:ヨードニウム塩系光カチオン重合開始剤、ローディア社製商品
(実施例1)
ポリマーA50gと、ポリマーD20gと、IRGACURE184(光ラジカル重合開始剤、チバ・スペシャリティーケミカルズ製)1gと、EB230(脂肪族ウレタンアクリレート化合物、ダイセル・サイテック社製)10gと、S510(シランカップリング剤、チッソ社製)1gとを混合し、脱泡し、光硬化型接着剤を得た。
(実施例2)
ポリマーB50gと、ポリマーD20gと、IRGACURE184(光ラジカル重合開始剤、チバ・スペシャリティーケミカルズ製)1gと、EB230(脂肪族ウレタンアクリレート化合物、ダイセル・サイテック社製)10gと、S510(シランカップリング剤、チッソ社製)1gとを混合し、脱泡し、光硬化型接着剤を得た。
(実施例3)
ポリマーB50gと、ポリマーD20gと、IRGACURE184(光ラジカル重合開始剤、チバ・スペシャリティーケミカルズ製)1gと、EB230(脂肪族ウレタンアクリレート化合物、ダイセル・サイテック社製)10gと、S510(シランカップリング剤、チッソ社製)1gとを混合し、脱泡し、光硬化型接着剤を得た。
(比較例1)
セロキサイド2021(脂環エポキシ樹脂、ダイセル化学工業社製)20gと、YX−8084(水添ビスフェノールAエポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製)80gと、RP2074(光カチオン重合開始剤、ローディア社製)1gと、S510(シランカップリング剤、チッソ社製)1gとを混合し、脱泡し、光硬化型接着剤を得た。
(評価)
実施例1〜3及び比較例1で得られた光硬化型接着剤について以下の評価を行った。
(1)初期光線透過率
ガラス基板に実施例又は比較例で調製した光硬化型接着剤を厚みが100μmになるように塗工し、別のガラス基板を貼り合わせ、2枚のガラス基板間に接着剤層が形成されたサンプルを得た。高圧水銀ランプに340nm以下をカットするフィルターを装着し、100mW/cmで30秒間、上記サンプルに光を照射し、試験片を得た。比較例1の光硬化型接着剤を用いた場合には、さらに試験片を80℃で30分間加熱した。試験片の波長400nmの光線透過率を日立製作所社製U−4000を用いて測定した。なお、各試験片のガラス基板自体の波長400nmの光線透過率、すなわちベースを、上記のようにして測定された光線透過率から差し引き、初期光線透過率とした。
(2)耐光性試験後の光線透過率
ガラス基板に実施例又は比較例で調製した光硬化型接着剤を厚みが100μmになるように塗工し、別のガラス基板を貼り合わせ、サンプルを得た。高圧水銀ランプに340nm以下をカットするフィルターを装着し、100mW/cmで30秒間、上記サンプルに光を照射し、試験片を得た。比較例1の光硬化型接着剤を用いた場合には、さらに80℃で30分間加熱した。高圧水銀ランプに340nm以下をカットするフィルターを装着し、上記30秒間の光を照射した後の実施例1〜3の光硬化型接着剤を用いた試験片、及び80℃で30分間加熱した後の比較例1の光硬化型接着剤を用いた試験片に対し、さらに、100mW/cmで24時間、光を照射した。次に、24時間光を照射した後の各試験片の波長400nmの光線透過率を日立製作所社製U−4000を用いて測定した。なお、各試験片のガラス基板自体の波長400nmの光線透過率、すなわちベースを、上記のようにして測定された光線透過率から差し引き、耐光性試験後の光線透過率とした。
初期からの光線透過率の低下率が3%未満の場合を「◎」、3%以上、5%未満の場合を「○」、5%以上、10%未満の場合を「△」、10%以上の場合を「×」として、耐光性試験後の光線透過率の評価結果を下記の表1に示した。
(3)耐熱性試験後の光線透過率
ガラス基板に実施例又は比較例で調製した光硬化型接着剤を厚みが100μmになるように塗工し、別のガラス基板を貼り合わせ、サンプルを得た。高圧水銀ランプに340nm以下をカットするフィルターを装着し、100mW/cmで30秒間サンプルに光を照射し、試験片を得た。比較例1の光硬化型接着剤を用いた場合には、さらに80℃で30分間加熱した。次に、試験片を85℃のオーブン内に500時間放置し、試験片の波長400nmの光線透過率を日立製作所社製U−4000を用いて測定した。なお、各試験片のガラス基板自体の波長400nmの光線透過率、すなわちベースを、上記のようにして測定された光線透過率から差し引き、耐熱性試験後の光線透過率とした。
初期からの光線透過率の低下率が3%未満の場合を「◎」、3%以上、5%未満の場合を「○」、5%以上、10%未満の場合を「△」、10%以上の場合を「×」として、耐熱性試験後の光透過率の評価結果を下記の表1に示した。
(4)接着性試験
ガラス基板、アクリル基板及びポリカーボネート基板に実施例又は比較例で調製した光硬化型接着剤を厚みが100μmになるように塗工し、さらに、剥離剤付きポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせサンプルを得た。高圧水銀ランプに340nm以下をカットするフィルターを装着し、100mW/cmで30秒間、サンプルに光を照射し、試験片を得た。比較例1の光硬化型接着剤を用いた場合には、さらに80℃で30分間加熱した。剥離剤付きポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、JIS K5400に準拠し、すきま間隔1mm及び100個のます目を有するように設定された碁盤目テープ法を用いて密着性試験を行った。
剥離個数0の場合を「○」、剥離個数1〜50の場合を「△」、剥離個数51〜100の場合を「×」として、接着性試験の評価結果を下記の表1に示した。
(5)柔軟性試験
剥離剤付きポリエチレンテレフタレートフィルムに実施例又は比較例で調製した光硬化型接着剤を厚みが100μmになるように塗工し、剥離剤付きポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、サンプルを得た。高圧水銀ランプに340nm以下をカットするフィルターを装着し、100mW/cmで30秒間、サンプルに光を照射し、硬化物からなる試験片を得た。ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がして試験片を手で曲げた。容易に曲がるものを「○」、曲がらないもの又は割れるものを「×」とし、柔軟性試験の評価結果を下記の表1に示した。
(6)高温接着信頼性試験
ガラス基板に実施例又は比較例で調製した光硬化型接着剤を厚みが100μm、平面視したときの直径が10mmになるように塗工し、別のガラス基板を貼り合わせ、サンプルを得た。高圧水銀ランプに340nm以下をカットするフィルターを装着し、100mW/cmで30秒間サンプルに光を照射し、試験片を得た。比較例1の光硬化型接着剤を用いた場合には、さらに80℃で30分間加熱した。その試験片を150℃のオーブン内に100時間放置した。放置後に、基板から硬化物が剥離しているか否かを目視で観察した。
剥離していない場合を「○」、わずかに剥離している場合を「△」、大部分が剥離している場合を「×」として、高温接着信頼性試験の評価結果を下記の表1に示した。
Figure 2010006939

Claims (3)

  1. 不飽和二重結合含有基を有するポリシロキサン化合物であって、下記の一般式(1)で表される少なくとも1種の第1の構造単位と、下記の一般式(2)で表される少なくとも1種の第2の構造単位とを主成分として有し、第1,第2の構造単位の合計を100モル%としたときに、第1の構造単位の割合が50〜98モル%であり、第2の構造単位の割合が2〜50モル%であるポリシロキサン化合物と、
    チオール基含有基を有するポリシロキサン化合物であって、下記の一般式(3)で表される少なくとも1種の第3の構造単位と、下記の一般式(4)で表される少なくとも1種の第4の構造単位とを主成分として有し、第3,第4の構造単位の合計を100モル%としたときに、第3の構造単位の割合が50〜100モル%であり、第4の構造単位の割合が0〜50モル%であるポリシロキサン化合物と、
    光ラジカル重合開始剤とを含むことを特徴とする、光硬化型接着剤。
    SiO2/2 ………式(1)
    SiO3/2 ………式(2)
    SiO2/2 ………式(3)
    SiO3/2 ………式(4)
    上記一般式(1)及び(2)において、R、R及びRの内の少なくとも1つは、不飽和二重結合含有基を表し、R、R及びRの内の不飽和二重結合含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R、R及びRは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
    上記一般式(3)及び(4)において、R、R及びRの内の少なくとも1つは、チオール基含有基を表し、R、R及びRの内のチオール基含有基ではない基は、炭素数1〜8の炭化水素基又はそのフッ化物基を表し、R、R及びRは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
  2. 請求項1に記載の光硬化型接着剤からなる接着部分を有する光学用部品。
  3. 請求項1に記載の光硬化型接着剤からなる接着部分を有する液晶表示装置。
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