JP2010006778A - 毛髪成分流出防止剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケラチン、アミノ酸、および、メラニンを含む色素成分の流出を防止する毛髪成分流出防止剤は、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、および硫酸マグネシウムからなる群より選択される水溶性の軽金属塩と、重量平均分子量が、1,000〜100,000であるセリシン加水分解物と、水とを必須成分として含んでなる。
【選択図】なし
Description
本発明は毛髪成分流出防止剤に関する。詳しくは、本発明は、損傷毛髪からの毛髪成分の流出を防止し、損傷毛髪の触感を改善することが可能な、毛髪成分流出防止剤に関する。
毛髪は、洗髪、ブラッシング、ドライヤー等の物理的処理や、乾燥、紫外線などの環境ストレスによって、常に損傷を受けている。また、ブリーチ、パーマネントウェーブ、カラーリング、縮毛矯正などの化学的処理によって、毛髪の損傷は著しく進行する。その他、加齢に伴って毛根細胞におけるタンパク質合成能力が衰えた場合にも、毛髪は弱体化し、物理的あるいは化学的処理によって損傷しやすくなる。このような種々の要因により損傷した毛髪は、一般的に、「損傷毛髪」または「ダメージヘア」と呼ばれている。
例えば、特開平8−53325号公報(特許文献1)には、毛髪の水分保持能を高めることによって、毛髪に滑らかさを付与し毛髪の損傷を抑えるものとして、マグネシウム化合物と陽イオン性界面活性剤を配合することを特徴とする毛髪化粧料が開示されている。
本発明はかかる知見に基づくものである。
本発明による毛髪成分流出防止剤は、前記したように、(A)水溶性の軽金属塩と、(B)セリシン加水分解物と、(C)水とを必須成分として含んでなることを特徴とする。
本発明における「水溶性の軽金属塩」の「軽金属」とは、比重が4ないし5以下の比較的密度の低い金属のことを言い、例えば、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、チタン等が包含される。「水溶性の軽金属塩」とは、このような軽金属の水溶性塩であって、水溶液中で2価以上の金属イオンを放出し得るものをいい、例えば、アルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩などが包含される。「水溶性の軽金属塩」としては、これらを2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における「セリシン加水分解物」は、繭糸に存在する天然タンパク質セリシンを、慣用の方法で加水分解して溶出させ、得られるものである。
より具体的には、セリシン加水分解物は、蚕繭、生糸などの原料を、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などを使用した酸加水分解法、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどを使用したアルカリ加水分解法、または、微生物や植物由来のプロテアーゼを使用した酵素分解法に付すことにより、原料中のセリシンを加水分解して溶出し、得ることができる。これを公知のタンパク質分離精製手法に従って精製することによって、高純度のセリシン加水分解物の水溶液を得ることができる。さらに、熱風乾燥、減圧乾燥、または凍結乾燥などの処理に付して乾燥させ、固体としてもよい。
なおこれら作用メカニズムに関する説明は、一つの理論的考察であって、本発明を限定するものではない。
本発明において、成分(C)の水は、前記(A)および(B)の各成分の溶媒として、本発明の毛髪成分流出防止剤を水溶液または乳化物とするために配合される。
本発明による毛髪成分流出防止剤のpHは、好ましくは2〜8であり、より好ましくは2.5〜7であり、さらに好ましくは3〜6である。前記pHが2に満たない酸性側であると、毛髪成分流出防止剤が頭皮に付着した際の皮膚刺激が予想されうる。該pHが8を超えてアルカリ性側であると、毛髪を構成しているケラチンの分解が促進されるなどの、毛髪への悪影響が懸念される。
本発明による毛髪成分流出防止剤は、下記のようにして毛髪へ適用される。
下記のような組成1および組成2の薬剤をそれぞれ調製した。ここで、組成2の水酸化ナトリウムの含有量を示す適量とは、pHを3.0に調整するために必要な量を意味し、組成1および組成2の精製水の含有量を示す残量とは、合計を100重量%とするために必要な量を意味する。
組成1および組成2の薬剤を、使用直前にそれぞれ2:3の割合で混合し、ブリーチ用処理剤とした。
前述のブリーチ用処理剤5mlを、毛束に塗布して、60℃で20分間放置した。その後、精製水で1分間すすぎ、ドライヤーで乾燥させた。
このブリーチ処理を複数の毛束に対して、それぞれ0回〜3回および6回繰り返し、損傷の程度が異なる損傷毛髪を作製した。
28重量%アンモニア水 4.0(重量%)
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7
炭酸水素ナトリウム 2.6
EDTA−2Na 0.1
精製水 残量
35重量%過酸化水素 17.1(重量%)
クエン酸 1.6
水酸化ナトリウム 適量
精製水 残量
作製した損傷毛髪を蓋付サンプル瓶に入れ、精製水30mlを加えた後、37℃、24時間、180rpmの条件で振とうして精製水中に毛髪成分を流出させた。
得られた水溶液をフィルターろ過(平均孔径0.2μm)し凝集物を除去した後、適宜希釈し、可視光領域(波長350nm〜700nm)における吸収スペクトルを測定した。さらに、吸収スペクトルの測定結果を基に、可視光領域における吸光度の積算値(積算吸光度値)を求めた。毛髪から流出する色素成分は、可視光領域に吸収をもつため、積算吸光度値と色素成分量には相関関係がある。すなわち、前記の積算吸光度値が大きいほど、流出した色素成分の量が多いと評価できる。
なお、吸光度の測定には、紫外可視分光光度計[UV−2450;株式会社 島津製作所製]を用いた。
セリシン加水分解物を、以下の方法に従って調製した。
すなわち、生糸からなる絹織物を、0.2重量%炭酸ナトリウム水溶液(pH11〜12)に浸漬して95℃にて2時間処理し、セリシンを加水分解して抽出した。得られた抽出液を平均孔径0.2μmのフィルターで濾過し、凝集物を除去した後、濾液を透析膜により脱塩し、濃度0.2重量%のセリシン加水分解物精製液を得た。この精製液を、エバポレーターを用いて濃度約2重量%まで濃縮した後、凍結乾燥して、セリシン加水分解物の粉末を得た。得られたセリシン加水分解物の分子量分布は5,000〜70,000、重量平均分子量は25,000であり、15,000以下のポリペプチドを含んでいた。また、得られたセリシン加水分解物は、グリシン、セリン、スレオニン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、リジンを豊富に含み、アミノ酸組成におけるこれらのアミノ酸の合計の割合は約80モル%であった。また、グリシン、セリンの合計の割合は、約40モル%であった。
後述する表2に示す組成にしたがって、毛髪成分流出防止剤(本発明に従う実施例)と比較例としての毛髪成分流出防止剤とを調製した。
なおこのとき、水溶性の軽金属塩として、硫酸マグネシウム(MgSO4)、塩化アルミニウム(AlCl3)、を用いた。表中の濃度は重量%である。また、表2中のクエン酸はpH調整剤であり、含有量を示す適量とは、pHを調整するために必要な量を意味する。精製水の含有量を示す残量とは、合計を100重量%とするために必要な量を意味する。
得られた実施例および比較例の毛髪成分流出防止剤について、下記のような試験を行った。
(1) 使用試験1
ブリーチ処理を3回繰り返した損傷毛髪を用いて、重さ1.0g、長さ20cmの毛束を作製した。この毛束に、表2に示した実施例および比較例をそれぞれ2ml塗布し、室温で10分間放置した。
その後、精製水で1分間すすぎ、室温で24時間自然乾燥させた評価サンプルについて、毛髪成分流出防止効果、ならびに、触感、まとまり感、およびツヤの改善効果を評価した。
評価サンプルをそれぞれ蓋付サンプル瓶に移し、前述の「損傷毛髪からの色素成分流出試験」と同様の方法で、可視光領域における積算吸光度値を求めた。
毛髪から流出する色素成分は、可視光領域に吸収をもつため、積算吸光度値と色素成分量には相関関係がある。すなわち、前記の積算吸光度値が比較例1と比べて低いほど、色素成分の流出防止効果が高いと評価できる。
専門パネラー5名により、下記の基準に従って官能評価した。
結果は表2に示される通りであった。
<評価基準>
◎: 比較例1と比べて改善した
○: 比較例1と同等であった
×: 比較例1と比べて悪化した
これらの結果から、本発明による毛髪成分流出防止剤は、優れた毛髪成分流出防止効果を発揮できると同時に、損傷毛髪の触感を大幅に改善することができることが示された。
人毛白髪(株式会社ビューラックス製)の毛束0.5gを複数作製し、市販の染毛剤(ホーユー株式会社製)を用い、常法に従って25℃で15分間、染毛処理を行った。
染毛した毛束を洗浄後、ドライヤーで乾燥させた。続いて、前述の染色した毛束を、シャンプーで洗浄後、実施例1のサンプルを塗布した。10分間放置後、水洗しドライヤーで乾燥させるという工程を1サイクルとして、0サイクル(シャンプー洗浄無し)、7サイクル、および14サイクル繰り返し処理した毛束をそれぞれ作製し、下記の方法で測色を行った。
対照実験(比較例)として、実施例1を塗布せずに、上記と同様の処理を行った。
使用試験2で処理した毛束について、分光測色計(spectro photometer CM-2500d (KONICA MINOLTA社製))を用いて測色し、毛髪の色をL*a*b*値で数値化した。退色防止効果は、色差ΔEで評価し、色差が小さいほど、色の変化が小さく、退色防止効果が良好であるとした。
なお、色差ΔEは以下のように計算した。
毛束1と毛束2のL*a*b*値をそれぞれ( L01,a01,b01 )、( L02,a02,b02 )とするとき、各パラメータにおける差ΔL*、Δa*、Δb* は、ΔL* =( L01 − L02 )、Δa* = ( a01 − a02 )、Δb* = ( b01 − b02 )である。
この値をもとに、色差ΔEはΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*2)1/2 と定義される。
このことから、本発明による毛髪成分流出防止剤は、染毛処理を行った毛髪からの色素成分の流出防止においても有効であり、染毛処理後の髪を美しく維持する効果があることが示された。
本発明による毛髪成分流出防止剤の処方例を下記に示す。
なお下記組成中、クエン酸およびクエン酸ナトリウムの含有量を示す適量とは、pHを調整するために必要な量を意味し、精製水の含有量を示す残量とは、合計を100重量%とするために必要な量を意味する。
塩化アルミニウム 1.0(重量%)
セリシン加水分解物 1.0
グリセリン 2.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
クエン酸ナトリウム 適量
精製水 残量
(pH3.0)
硫酸マグネシウム 2.0(重量%)
セリシン加水分解物 0.2
ケラチン加水分解物 0.8
プロピレングリコール 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
クエン酸 適量
精製水 残量
(pH5.0)
Claims (7)
- 水溶性の軽金属塩と、セリシン加水分解物と、水とを必須成分として含んでなることを特徴とする、毛髪成分流出防止剤。
- 水溶性の軽金属塩が、アルミニウム塩、およびマグネシウム塩からなる群より選択される1種または2種以上のものである、請求項1に記載の毛髪成分流出防止剤。
- 水溶性の軽金属塩が、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、および硫酸マグネシウムからなる群より選択される1種または2種以上のものである、請求項1または2に記載の毛髪成分流出防止剤。
- セリシン加水分解物の重量平均分子量が、1,000〜100,000である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の毛髪成分流出防止剤。
- セリシン加水分解物が、グリシン、セリン、スレオニン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、およびリジンからなる群より選択される2種以上のアミノ酸を含み、かつ加水分解物のアミノ酸組成における前記アミノ酸の合計の割合が50モル%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の毛髪成分流出防止剤。
- 毛髪からの、ケラチン、アミノ酸、および、メラニンを含む色素成分の流出を防止するために用いられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の毛髪成分流出防止剤。
- 損傷毛髪の毛髪成分流出防止に用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の毛髪成分流出防止剤。
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