JP2010006723A - 核酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】収量及び純度の反応ロット間のバラつきが小さく、反応効率が高く、再現性が高い核酸の製造方法を提供すること。
【解決手段】核酸合成を支持し得る第一の固相担体及び核酸合成を支持しない第二の固相担体を含む固相担体混合物に含まれる該第一の固相担体上で核酸合成反応を行うことを特徴とする、核酸の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、固相担体を用いた核酸の製造方法に関する。
核酸合成の方法は種々知られており、その多くは固相担体上にヌクレオシドを結合させ、該ヌクレオシドにヌクレオチドを順次結合させ、伸張されたオリゴヌクレオチドを得るとの合成スキームに基づいている。
このような核酸合成に用いられる固相担体としては、ポリスチレン系固相担体、ガラス系多孔質固相担体などが知られている。特許文献1には、核酸合成に寄与する官能基としてヒドロキシル基を有するスチレン−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体が開示されている。しかし、この文献には、核酸合成反応において、核酸合成を支持しない別の固相担体を用いることは開示も示唆もされていない。
固相担体上での核酸合成反応を利用した核酸の製造方法においては、収量及び純度の反応ロット間のバラつきが大きく、反応効率が低く、再現性が低いという問題点が指摘されていた。
特開2005−97545号公報
上記に鑑み、本発明は、収量及び純度の反応ロット間のバラつきが小さく、反応効率が高く、再現性が高い、固相担体上での核酸合成反応を利用した核酸の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、核酸合成を支持しない第二の固相担体を核酸合成を支持し得る第一の固相担体と混合し、第一の固相担体上で核酸合成反応を行うことにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下に関する。
[1]核酸合成を支持し得る第一の固相担体及び核酸合成を支持しない第二の固相担体を含む固相担体混合物に含まれる該第一の固相担体上で核酸合成反応を行うことを特徴とする、核酸の製造方法。
[2]固相担体混合物中、第一の固相担体1乾燥重量部に対して、第二の固相担体が1〜50乾燥重量部含まれる、[1]記載の製造方法。
[3]第一の固相担体が、ポリスチレン系固相担体およびガラス系多孔質固相担体からなる群より選ばれるいずれかであり、且つ核酸合成に寄与する官能基を有する、[1]記載の製造方法。
[4]第二の固相担体が、ポリスチレン系固相担体およびガラス系多孔質固相担体からなる群より選ばれるいずれかであり、且つ核酸合成に寄与する官能基を実質的に有しない、[1]記載の製造方法。
[5]核酸合成反応が、固相ホスホロアミダイト法により行われる、[1]記載の製造方法。
[6]核酸合成反応が容器中で行われ、且つ膨潤時の固相担体混合物の見かけ体積が、該容器の内体積の25〜100体積%である、[1]記載の製造方法。
本発明の方法を用いれば、収量及び純度の反応ロット間のバラつきが少なく、効率的に、再現性よく、核酸を合成することができる。
本発明は、核酸合成を支持し得る第一の固相担体及び核酸合成を支持しない第二の固相担体を含む固相担体混合物に含まれる該第一の固相担体上で核酸合成反応を行うことを特徴とする、核酸の製造方法に関する。
本明細書中、核酸は、ヌクレオチドがホスホジエステル結合により連結された鎖状の化合物(オリゴヌクレオチド)を意味し、DNA、RNAなどが含まれる。核酸は1本鎖、2本鎖のいずれであってもよい。核酸合成機による効率的な合成が可能であることから、核酸は好ましくは1本鎖である。
核酸のヌクレオチド長は特に限定されないが、好ましくは2〜200ヌクレオチドである。核酸が長すぎると、得られる核酸の収量や純度が低下するためである。
本発明の方法において用いられる第一の固相担体は、核酸合成を支持し得るものである。「核酸合成を支持し得る」とは、担体表面上において固相核酸合成が可能であることを意味する。第一の固相担体としては、核酸合成を支持し得る自体公知の固相担体のいずれをも用いることができる。例えば、ポリスチレン系固相担体およびガラス系多孔質固相担体等が第一の固相担体として用いられる。ガラス系多孔質固相担体と比較して核酸の収量が多いため、第一の固相担体としては、ポリスチレン系固相担体が好適に用いられる。
ポリスチレン系固相担体とは、下記構造単位(A)
Figure 2010006723
及び/又はその置換体を構造単位として含有する共重合体を含む(からなる)固相担体をいう。構造単位(A)の置換体には、構造単位(A)に含まれる1つ以上の水素原子が、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、シアノ基、メトキシ基、ニトロ基、ビニル基等で置換された化合物が挙げられる。置換基は好ましくはヒドロキシル基又はアミノ基である。置換基の位置は、特に限定されないが、好ましくはベンゼン環上の主鎖に対してパラ位である。構造単位(A)の好ましい置換体としては、下記構造単位(B)を挙げることが出来る。
Figure 2010006723
ポリスチレン系固相担体を構成する共重合体に含まれる構造単位の合計量に対する構造単位(A)及び/またはその置換体の量は、特に限定されないが、通常50〜100重量%、好ましくは60〜100重量%である。
好ましいポリスチレン系固相担体として、スチレン−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体(特開2005−097545、特開2005−325272及び特開2006−342245)、スチレン−(メタ)アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体(特開2008−074979)等を例示することが出来る。
ガラス系固相担体とは、ガラスを構成成分として含む固相担体をいう。
第一の固相担体は、核酸合成に寄与する官能基を有するものが好ましい。「核酸合成に寄与する」とは核酸合成の反応開始点になることを意味する。官能基の具体例としては、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。好ましい官能基としては、アミノ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。リンカー付加可能なためである。
第一の固相担体に含まれる核酸合成に寄与する官能基の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜1000μmol/g、より好ましくは50〜500μmol/gの範囲内である。該官能基の含有量が少なすぎる場合は、核酸の収量が低下してしまう。また、該官能基の含有量が多すぎる場合には、得られる核酸の純度が低下する傾向にある。より具体的には、該官能基の含有量が多すぎる場合、得られる核酸のヌクレオチド数が所望の数よりも少なくなり易い。
核酸合成に寄与する官能基がヒドロキシル基である場合、固相担体に含有されるヒドロキシル基量はJIS K0070をもとにした以下のような滴定により測定される。すなわち、測定対象の固相担体のヒドロキシル基を既知量のアセチル化試薬(無水酢酸)によってアセチル化し、アセチル化に消費されなかったアセチル化試薬(無水酢酸)の量を水酸化カリウムによる滴定で求めることによって、測定対象物のヒドロキシル基量を算出する。この測定の具体的な手順は以下のとおりである。
無水酢酸25gに全量が100mlになるまでピリジンを加えてアセチル化試薬を得る。測定試料(乾燥した固相担体)0.5〜2gをフラスコに量り取り、上記アセチル化試薬0.5mlとピリジン4.5mlとを正確に加える。フラスコ中の混合物を95〜100℃で2時間維持した後、室温にまで放冷してから蒸留水を1ml加える。10分間加熱することでアセチル化に消費されなかった無水酢酸を分解する。フラスコの中身を全てビーカーに移し、蒸留水で全量が150mlになるまで希釈した後、0.5mol/lの水酸化カリウム水溶液で滴定する。
これとは別に、測定試料を入れずに上記と同様の操作により、ブランクの測定を行う。
測定試料の水酸基量は以下の式(1)により算出される。但し、A(μmol/g)は測定試料の水酸基量であり、B(ml)はブランク測定における水酸化カリウム水溶液の滴定量であり、C(ml)は測定試料の測定における水酸化カリウム水溶液の滴定量であり、fは水酸化カリウム水溶液のファクターであり、M(g)は量り取った測定試料の重量である。
A=(B−C)×0.5(mol/l)×f×1000÷M …(1)
第一の固相担体にはリンカーが結合していてもよい。リンカーは、好ましくは第一の固相担体上の核酸合成に寄与する官能基へ結合する。リンカーとは、共有結合を介して2つの分子を連結する分子をいう。本発明においては、リンカーは第一の固相担体と核酸とを連結する。リンカーとしては、固相核酸合成において、担体と核酸とを連結するために使用される自体公知のものを用いることが出来る。好適なリンカーとしては、下式で表されるヌクレオシド−スクシニルリンカーを挙げることができる。
Figure 2010006723
第一の固相担体に結合するリンカーの量は、特に限定されるものではないが、通常20〜500μmol/gの範囲内である。リンカーの量が少なすぎる場合は、核酸の収量が低下してしまう。また、リンカーの量が多すぎる場合には、得られる核酸の純度が低下する傾向にある。より具体的には、リンカーの量が多すぎる場合、得られる核酸のヌクレオチド数が所望の数よりも少なくなり易い。
第一の固相担体の表面・内部形状は特に限定されず、核酸の固相合成において通常用いられる固相担体の表面・内部形状のいずれをも制限なく第一の固相担体に適用することができる。例えば、BET法により測定した好ましい比表面積の範囲として、10〜300m/gを例示することができる。比表面積が小さ過ぎる固相担体を用いた場合、化学合成反応の反応場が小さくなって得られる核酸の収量が少なくなるということが懸念される。逆に、固相担体の比表面積が大きいということは、微細な孔が多数生成している場合と、空隙率が大きくなっている場合とがあり得る。細孔が多過ぎる場合には、固相担体を用いた際に合成反応が進行し難くなることが懸念される。空隙率が大き過ぎる場合には、固相担体の物理的強度が低くなり、合成操作中にビーズが破損することが懸念される。
本明細書において、固相担体の比表面積はBET法により測定される。
BET法における吸着ガスとして窒素ガスを用い、測定装置として比表面積測定装置NOVA 1200(QuantaChrome Co.製)を用いる。測定試料をこの装置内に投入して、室温、真空下で120分間脱気した後に、BET多点法によって測定試料の比表面積を求める。
第一の固相担体の形状は、特に限定されるものではないが、好ましくは粒子の形状を呈する。粒子とは、厳密な球状を呈することを意味するのではなく、一定形状(例えば、楕円球状などの略球状、多面体形状、円柱形状、金平糖形状などの異型形状など)を有していればよいことを意味するものである。第一の固相担体は、合成反応容器への充填効率を高くすることができ、また、該反応容器が破損し難いという点から、好ましくは略球状(最も好ましくは球状)である。また、粒子1粒の大きさ(体積)も特に限定されないが、好ましくはメジアン粒径が1〜1000μm、より好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜200μmとなるような大きさ(体積)である。
本明細書において、固相担体のメジアン粒径は、固相担体をEtOH/HO=50/50(体積比)に分散させ、10分間超音波装置にて分散させ、その後、HORIBA レーザ回折/散乱式粒子分布測定装置(LA−920)にて分析された値である。
第一の固相担体は、反応場を大きくする観点から、多孔質であることが好ましい。第一の固相担体が多孔質である場合、その孔の大きさ、個数等は特に限定されず、核酸の固相合成において通常用いられる多孔質固相担体の孔の大きさ、個数等のいずれをも制限なく第一の固相担体に適用することができる。孔の大きさは、メジアン孔径で定量化することができ、第一の固相担体の好ましいメジアン孔径の範囲として0.1〜1000nmを例示することが出来る。第一の固相担体のメジアン孔径が小さすぎる場合、反応場が小さくなって所望の反応が起こり難くなったり、オリゴヌクレオチドの合成における塩基配列数が所望の数よりも少なくなりがちになるということが懸念される。逆に、第一の固相担体のメジアン孔径が大きすぎる場合、上記反応場である担体表面の官能基(例、ヒドロキシル基)と反応に関わる物質との接触機会が少なくなり担体として不利になることが懸念される。
本明細書において、固相担体のメジアン細孔径は水銀圧入法により測定される。具体的には、約0.2gの測定試料を水銀ポロシメータ PoreMaster60−GT(QuantaChrome Co.製)に投入し、水銀接触角140°、水銀表面張力480dyn/cmの条件における水銀注入圧法により測定する。
第一の固相担体の製造方法は、特に限定されず、自体公知の方法を用いることができる。例えば、スチレン−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体は、特開2005−097545、特開2005−325272又は特開2006−342245に開示された方法により製造することができる。スチレン−(メタ)アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体は、特開2008−074979に開示された方法により製造することができる。
代表例として、スチレン系単量体と、アシルオキシスチレン系単量体と、ジビニルベンゼン系単量体とを、有機溶媒および水を用いて懸濁共重合させてスチレン−アシルオキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体を得て、これを加水分解に供することによりスチレン−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体を製造する方法について説明する。
スチレン系単量体とは、スチレンまたはその置換体であり、好ましくはスチレンである。スチレンの置換体には、スチレンの1つ以上の水素原子が、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、メトキシ基、ニトロ基等で置換された化合物が挙げられる。
アシルオキシスチレン系単量体とは、アシルオキシスチレンまたはその置換体であり、好ましくは無置換のp−アセトキシスチレンである。アシルオキシスチレンの置換体には、アシルオキシ基以外の1つ以上の水素原子が、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、メトキシ基、ニトロ基等で置換された化合物が挙げられる。アシルオキシ基としては、炭素数が1〜5のものが好ましく、より好ましくは、アセトキシ基である。アシルオキシ基はビニル基に対するパラ位に配位することが好ましい。
ジビニルベンゼン系単量体とは、ジビニルベンゼンまたはその置換体であり、好ましくはジビニルベンゼンである。ジビニルベンゼンの置換体には、ジビニルベンゼンの1つ以上の水素原子が、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、メトキシ基、ニトロ基等で置換された化合物が挙げられる。
懸濁共重合の際の、スチレン系単量体、アシルオキシスチレン系単量体およびジビニルベンゼン系単量体の合計量に占めるアシルオキシスチレン系単量体の量は、0.2〜20重量%であり、好ましくは1〜15重量%であり、より好ましくは2〜8重量%である。
懸濁共重合の際の、スチレン系単量体、アシルオキシスチレン系単量体およびジビニルベンゼン系単量体の合計量に占めるジビニルベンゼン系単量体の量は特に限定なく、好ましくは4〜35重量%であり、より好ましくは5〜25重量%である。
好ましい態様においては、スチレン、p−アセトキシスチレン、ジビニルベンゼンを単量体として含む系で上述の懸濁共重合を実施する。ここで、ジビニルベンゼンの2つのビニル基は互いにパラ位またはメタ位である。懸濁共重合においては、スチレン、p−アセトキシスチレンおよびジビニルベンゼンの合計量に対して、スチレンは、好ましくは60〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%を占め、p−アセトキシスチレンは、好ましくは0.2〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%を占め、ジビニルベンゼンは、好ましくは4〜35重量%、より好ましくは5〜25重量%を占める。スチレン、p−アセトキシスチレンおよびジビニルベンゼンの一つまたは二つの量が上記範囲内であってもよく、とりわけ好ましくは、これら三つの単量体全ての量が上記範囲内である。
懸濁共重合は、上述の各単量体と有機溶媒を水中で攪拌することにより行われる。本明細書において、「有機溶媒」とは、懸濁共重合系における水以外の溶媒を意味する。本発明では、上記有機溶媒は炭化水素とアルコールとを含む。炭化水素としては、脂肪族の飽和または不飽和炭化水素、あるいは芳香族炭化水素を用いることができ、好ましくは炭素数5〜12の脂肪族炭化水素であり、より好ましくは、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、ウンデカン、ドデカン等が挙げられる。懸濁共重合の際にアルコールを共存させることにより、得られるビーズが多孔質になる。アルコールとしては、例えば脂肪族アルコールを挙げることができ、そのアルキル基の炭素数は、好ましくは5〜12であり、より好ましいアルコールとしては、2−エチルヘキシルアルコール、t−アミルアルコール、ノニルアルコール、2−オクタノール、デカノール、ラウリルアルコール、シクロヘキサノール等が挙げられる。
懸濁共重合の際の単量体の総量に対する有機溶媒の量(有機溶媒/単量体)は、重量比で、好ましくは0.5〜2.0であり、より好ましくは0.8〜1.5である。懸濁共重合の際の炭化水素とアルコールの重量比は、炭化水素およびアルコールの具体的な組合わせによって適宜変更される。例えば、イソオクタンと2−エチルヘキサノールとを用いる場合には、得られる多孔質樹脂ビーズの比表面積を大きくする点から、両者の重量比(イソオクタン/2−エチルヘキサノール)は、好ましくは1/9〜6/4である。
懸濁共重合の方法自体は従来公知の方法を援用してもよい。例えば、懸濁共重合の際に、ポリビニルアルコールなどといった公知の分散安定剤や、過酸化ベンゾイルなどといった過酸化物(重合開始剤)を用いることができる。懸濁共重合の際の反応条件は適宜に設定することができ、例えば、60〜90℃における30分間〜24時間の攪拌が挙げられる。このような懸濁共重合により、スチレン−アシルオキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体を得ることができる。得られた共重合体を適宜、洗浄、分級等した後に、以下に記載する加水分解処理に供する。
スチレン−アシルオキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体における、アシルオキシ基を水酸基に変換する加水分解は、公知の手段・条件によることができ、酸触媒を用いてもよいし、アルカリ触媒を用いてもよい。加水分解の具体例は実施例に記載する。なお、本発明の方法においては全てのアシルオキシ基を水酸基に変換すること(加水分解度100%)は要さない。以上のような処理を経て、本発明の多孔質樹脂ビーズを得ることができる。その製造の際、さらに、乾燥、分級等の処理を施してもよい。
本発明の方法において用いられる第二の固相担体は、核酸合成を実質的に支持しないものである。「核酸合成を実質的に支持しない」とは、担体表面上において核酸の固相合成が実質的に起こらないことを意味する。
第二の固相担体表面上において核酸の固相合成が実質的に起こらないようにするため、第二の固相担体に含まれる核酸合成に寄与する官能基の含有量は通常0〜10μmol/g、好ましくは実質的に0μmol/g(即ち、固相担体が核酸合成に寄与する官能基を実質的に有していない)である。
後述するように、好ましい態様において、第一の固相担体と第二の固相担体とが実質的に均一に混合された固相担体混合物が用いられる。従って、固相担体の均一な混合を達成し易いように、第二の固相担体の物性は、核酸合成に寄与する官能基の含有量を除き、第一の固相担体の物性と出来る限り同一であることが好ましい。ここにいう固相担体の物性には、固相担体を構成する共重合体の種類;架橋度;形状;比表面積;メジアン粒径;孔の有無、大きさ及び数が含まれる。
第二の固相担体としては、核酸合成を実質的に支持しない限り特に限定されず、自体公知の固相担体を用いることが出来る。例えば、ポリスチレン系固相担体、ガラス系多孔質固相担体等を用いることが出来る。第二の固相担体としては、ポリスチレン系固相担体が好適に用いられる。
ポリスチレン系固相担体の定義は上述と同一であるが、核酸合成に寄与する官能基の含有量を出来る限り少なくするため、好ましくは、該固相担体を構成する共重合体の構造単位には、核酸合成に寄与する官能基(アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基等)で置換された構造単位(A)が含まれない。
第二の固相担体として用いられるポリスチレン系固相担体を構成する共重合体に含まれる構造単位の合計量に対するスチレン及び/またはその置換体の量は、特に限定されないが、通常50〜100重量%、好ましくは60〜100重量%である。
好ましいポリスチレン系固相担体としては、スチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体、スチレン−(メタ)アクリロニトリル−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体等を挙げることが出来る。スチレン−ジビニルベンゼン系共重合体としては、特開2005−097545、特開2005−325272及び特開2006−342245に開示されたスチレン−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体において、構造単位であるヒドロキシスチレンを全て無置換のスチレンに置き換えたものを例示することが出来る。スチレン−(メタ)アクリロニトリル−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体としては、特開2008−074979に開示されたスチレン−(メタ)アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体において、構造単位であるヒドロキシスチレンを全て無置換のスチレンに置き換えたものを例示することが出来る。
第二の固相担体の表面・内部形状は特に限定されない。例えば、BET法により測定した好ましい比表面積の範囲として、10〜300m/gを例示することができる。
第二の固相担体の形状は、特に限定されるものではないが、好ましくは粒子の形状を呈する。粒子とは、厳密な球状を呈することを意味するのではなく、一定形状(例えば、楕円球状などの略球状、多面体形状、円柱形状、金平糖形状などの異型形状など)を有していればよいことを意味するものである。第二の固相担体は、合成反応容器への充填効率を高くすることができ、また、該反応容器が破損し難いという点から、好ましくは略球状(最も好ましくは球状)である。また、粒子1粒の大きさ(体積)も特に限定されないが、好ましくはメジアン粒径が1〜1000μm、より好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜200μmとなるような大きさ(体積)である。
第一及び第二の固相担体が略球状である場合、第一の固相担体のメジアン粒径は、第二の固相担体のメジアン粒径の通常0.1〜10倍、好ましくは0.3〜3倍の範囲内である。これは、第一の固相担体と第二の固相担体とが均一に混合し易いためである。
第二の固相担体は、多孔質であることが好ましい。第二の固相担体が多孔質である場合、その孔の大きさ、個数等は特に限定されない。孔の大きさは、平均孔径で定量化することができ、第二の固相担体の好ましいメジアン粒径の範囲として0.1〜1000nmを例示することが出来る。
第二の固相担体は、上述の第一の固相担体の製造方法に準じ、製造することが出来る。例えば、スチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体は、上述の、或いは特開2005−097545、特開2005−325272及び特開2006−342245に開示されたスチレン−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体の製造方法に従い、共重合反応にアシルオキシスチレン系単量体に代えて無置換のスチレン単量体を用いることにより製造することが出来る。スチレン−(メタ)アクリロニトリル−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体は、特開2008−074979に開示されたスチレン−(メタ)アクリロニトリル−ヒドロキシスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体からなる固相担体の製造方法に従い、共重合反応にアシルオキシスチレン系単量体に代えて無置換のスチレン単量体を用いることにより製造することが出来る。
また、第一の固相担体が有する核酸合成に寄与する官能基をキャッピング試薬を用いてキャップすることによっても、第二の固相担体を製造することが出来る。具体的には、官能基がヒドロキシル基やアミノ基である場合には、無水酢酸/テトラヒドロフラン溶液、N-メチルイミダゾール/テトラヒドロフラン溶液などを、キャッピング試薬として用いることができる。
本発明の方法において用いられる固相担体混合物中に含まれる第一の固相担体と第二の固相担体の割合(乾燥時重量比)は、通常70〜100%、好ましくは90〜100%、最も好ましくは実質的に100%である。即ち、最も好ましい態様において、本発明の方法において用いられる固相担体混合物は、第一の固相担体及び第二の固相担体からなる。本発明の方法において用いられる固相担体混合物中に含まれる第一の固相担体及び第二の固相担体以外の固相担体の物性は、核酸の合成反応を妨げない限り特に限定されないが、好ましくは該固相担体の物性は、上述の第一の固相担体又は第二の固相担体の物性の範囲内で特定される。
本発明の方法において用いられる固相担体混合物中の第一の固相担体と第二の固相担体の量比は特に限定されないが、通常、第一の固相担体1重量部(乾燥時重量)に対して、第二の固相担体は1〜50重量部(乾燥時重量、以下同じ)、好ましくは1〜25重量部、より好ましくは1〜10重量部、最も好ましくは1〜5重量部含まれる。第二の固相担体の量が少なすぎると、核酸合成の反応効率及び再現性を高めるという所望の効果を達成し難い。逆に、第二の固相担体の量が多すぎると、最終的に得られる核酸の収量が低下する懸念がある。
本発明の方法において用いられる固相担体混合物は、第一の固相担体と第2の固相担体とを秤量し、バイアル中でボルテックス、ローター等を用いて攪拌することにより製造することが出来る。得られる核酸の収量及び純度の再現性を確保する観点から、第一の固相担体と第二の固相担体とは実質的に均一に混合されていることが好ましい。
本発明の方法による核酸の製造は、通常、第一の固相担体及び第二の固相担体からなる固相担体混合物が充填された容器内において行われる。通常は、隣接する固相担体同士が静置した状態で物理的に接触し得るように、固相担体混合物が容器内に充填される。好ましくは、核酸合成反応に使用する溶媒(特にトルエン)で膨潤した際の固相担体混合物の見かけ体積の合計が、容器の内体積の25〜100%となるように充填する。ここにいう見かけ体積とは、固相担体をトルエンで24時間膨潤させた後にメスシリンダーで測定される体積を意味する。
本発明の方法においては、固相担体混合物に含まれる第一の固相担体上で核酸合成反応が行われる。本明細書において、核酸合成反応は特に核酸の伸長反応を意味する。即ち、第一の固相担体上に結合したヌクレオシド、ヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドに、ヌクレオチドを順次結合させることにより、伸長されたオリゴヌクレオチドを得る。
本発明の方法においては、自体公知の種々の固相核酸合成反応を用いることが出来る。核酸合成反応としては、H−ホスホネイト法、ホスホエステル法、固相ホスホロアミダイト(phosphoramidite)法などが挙げられる。なかでも、固相ホスホロアミダイト法が、核酸の合成能力が高く、高純度の核酸が得られるという理由で好ましい。これは、「ポリヌクレオチドを準備するための方法」と題するカルザースらの米国特許第4,458,066号に記載されている。例えば、以下の4工程を含む、ヌクレオチドを結合するための合成サイクルが第一の固相担体上で行われる:
(1)ジクロロ酢酸等により、ビーズに結合したヌクレオシドスクシニルリンカーの5’−OHの保護基であるDMTをはずす脱トリチル化;
(2)テトラゾール等により活性化したヌクレオシドホスホロアミダイトを前記の5’−OHに結合するカップリング;
(3)アミダイトが結合しなかった5’−OHを無水酢酸等により保護するキャッピング;及び
(4)ヨウ素等により酸化して、リン酸トリエステルの形にする酸化。
第一の固相担体と第二の固相担体からなる固相担体混合物が充填された反応容器(カラム等)を、核酸合成反応の工程がプログラムされた核酸自動合成装置に連結することにより、核酸の製造を自動化することが出来る。例えば、装置のコントローラまたはコンピュータからの指示にしたがって、第一の固相担体と第二の固相担体との混合物が充填された反応容器に、上記(1)〜(4)を1サイクルとして、あらかじめ決められた順序で試薬を分配する試薬分配システムにより、それぞれの工程が進められる。このサイクルを目的物生成に必要な回数繰り返した後、合成された核酸(オリゴヌクレオチド)が結合した固相担体を反応容器から取り出し、バイアルに回収する。そこに濃アンモニア等を加え55℃、8時間放置する。これにより、スクシニルリンカーが切断され、第一の固相担体よりオリゴヌクレオチドを切り出すとともに、シアノエチル基を外してリン酸ジエステルの形にし、さらに塩基部分のアミノ基の保護基を外す、切り出しと脱保護の工程を行う。その後、フィルターを用いてオリゴヌクレオチドを単離することで、目的となる核酸が得られる。
以下に具体例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されないものとする。
[実施例1]
核酸合成を支持し得る第一の固相担体(スチレン/ヒドロキシスチレン/ジビニルベンゼン共重合体の多孔質粒子:固相担体A)の製造
(懸濁共重合)
冷却管、撹拌機、窒素導入管を備え付けた、500mLのセパラブルフラスコを恒温水槽に設置し、精製水(大和薬品製)240gおよびポリビニルアルコール(クラレ製、平均重合度約2000、けん化度79モル%)2.4gを入れて、恒温水槽の温度を28℃にして撹拌しながらポリビニルアルコールを溶解した。
これとは別に、スチレン(和光純薬製)44g、p−アセトキシスチレン(東ソー有機化学製)3g、ジビニルベンゼン55%(和光純薬製)7gを混合し、これに、ジベンゾイルパーオキサイド(日本油脂製、25%含水)1gを加えて溶解し、さらに2−エチルヘキサノール(関東化学製)50g、イソオクタン(和光純薬製)20gを加えて混合し、この溶液を上記のセパラブルフラスコに入れた。窒素気流下、毎分480回転で40分間撹拌した後、撹拌回転数を毎分300回転にして、恒温水槽を28℃から80℃まで昇温して9時間、懸濁共重合反応を行った。
共重合反応後、恒温水槽を降温して重合液が28℃になるまで冷却した。
(ろ過)
重合液は、ろ材(NRK製、ナイロンメッシュ、目開き45μm)用いて吸引ろ過を行い、多孔質ポリマービーズ集合物のケーキを得た。
(洗浄)
多孔質ポリマービーズ集合物のケーキに精製水200mLを入れ、撹拌してケーキをよく分散した。これを再びろ過して多孔質ポリマービーズ集合物のケーキを得た。この操作を4回行った。
さらに、多孔質ポリマービーズ集合物のケーキにアセトン(和光純薬製)200mLを入れ、同様に洗浄、ろ過を行った。この操作を3回行った。
(水酸基の付与)
多孔質ポリマービーズ集合物のケーキにエタノール200mLを入れ、撹拌してケーキをよく分散した。これを再びろ過して多孔質ポリマービーズ集合物のケーキを得た。これにエタノール160mLおよび1mol/L水酸化ナトリウム溶液40mLを入れ、撹拌してケーキをよく分散し、76℃まで加温し3時間加水分解反応を行った。反応後、室温まで冷却し、1mol/L塩酸水溶液で中和した後、ろ過し、上記(洗浄)と同様に操作を行った。
(乾燥)
洗浄後の多孔質ポリマービーズ集合物のケーキを70℃の真空乾燥機中で48時間乾燥し、実施例1の多孔質ポリマービーズ集合物を得た。
(リンカーの付与)
実施例1の多孔質ポリマービーズ集合物のそれぞれのヒドロキシル基にDMT−dT−3’−succinate(ヌクレオシドリンカー)を0.2mmol/gの量になるように調整して結合した後、ヌクレオシドリンカーが結合しなかったヒドロキシル基をアセチル基でキャップした。
このようにして得られた固相担体Aの物性は以下の通りである:
架橋度 :7%
形状 :球状
比表面積 :45m/g
メジアン粒径:90μm
メジアン孔径:52nm
核酸合成を支持しない第二の固相担体(固相担体B)の製造
(懸濁共重合)
冷却管、撹拌機、窒素導入管を備え付けた、500mLのセパラブルフラスコを恒温水槽に設置し、精製水(大和薬品製)240gおよびポリビニルアルコール(クラレ製、平均重合度約2000、けん化度79モル%)2.4gを入れて、恒温水槽の温度を28℃にして撹拌しながらポリビニルアルコールを溶解した。
これとは別に、スチレン(和光純薬製)47g、ジビニルベンゼン(和光純薬製)7gを混合し、これに、ジベンゾイルパーオキサイド(日本油脂製、25%含水)1gを加えて溶解し、さらに2−エチルヘキサノール(関東化学製)50g、イソオクタン(和光純薬製)20gを加えて混合し、この溶液を上記のセパラブルフラスコに入れた。窒素気流下、毎分480回転で40分間撹拌した後、撹拌回転数を毎分300回転にして、恒温水槽を28℃から80℃まで昇温して9時間、懸濁共重合反応を行った。
共重合反応後、恒温水槽を降温して重合液が28℃になるまで冷却した。
(ろ過)
重合液は、ろ材(NRK製、ナイロンメッシュ、目開き45μm)用いて吸引ろ過を行い、多孔質ポリマービーズ集合物のケーキを得た。
(洗浄)
多孔質ポリマービーズ集合物のケーキに精製水200mLを入れ、撹拌してケーキをよく分散した。これを再びろ過して多孔質ポリマービーズ集合物のケーキを得た。この操作を4回行った。
さらに、多孔質ポリマービーズ集合物のケーキにアセトン(和光純薬製)200mLを入れ、同様に洗浄、ろ過を行った。この操作を3回行った。
このようにして得られた固相担体Bの物性は以下の通りである:
架橋度 :7%
形状 :球状
比表面積 :45m/g
メジアン粒径:90μm
メジアン孔径:52nm
(核酸合成)
固相担体A:固相担体B=1:2(重量比)で均一に混合したビーズを用いて、核酸合成機ABI3400(Applied Bio System社製)にて、1μmol(固相混合物充填量15mg)、20塩基,DMT−onの条件で一本鎖DNAの合成を行い、それについてOD(optical density)、HPLC(高圧液体クロマトグラフィー)測定を行った。固相担体混合物のトルエン膨潤時の見かけ体積は、反応容器の内体積の71.1%であった。
結果は以下のとおりである。
Figure 2010006723
[実施例2]
固相担体A:固相担体B=1:3(重量比)で混合したほかは実施例1と同様に行った。固相担体混合物のトルエン膨潤時の見かけ体積は、反応容器の内体積の94.8%であった。
結果は以下のとおりである。
Figure 2010006723
[比較例]
固相担体A:固相担体B=1:0(重量比)を用いて、1μmol(固相充填量5mg)、20塩基,DMT−onの条件で核酸合成を行い、それについてOD、HPLC測定を行った。
結果は以下のとおりである。
Figure 2010006723
核酸合成を支持しない固相担体を加え、核酸合成を行うことにより、合成量(OD)、純度(HPLC)純度ともにアップし、再現性のある結果が得られるようになった。
本発明の方法を用いれば、収量及び純度の反応ロット間のバラつきが少なく、効率的に、再現性よく、核酸を合成することができる。

Claims (6)

  1. 核酸合成を支持し得る第一の固相担体及び核酸合成を支持しない第二の固相担体を含む固相担体混合物に含まれる該第一の固相担体上で核酸合成反応を行うことを特徴とする、核酸の製造方法。
  2. 固相担体混合物中、第一の固相担体1乾燥重量部に対して、第二の固相担体が1〜50乾燥重量部含まれる、請求項1記載の製造方法。
  3. 第一の固相担体が、ポリスチレン系固相担体およびガラス系多孔質固相担体からなる群より選ばれるいずれかであり、且つ核酸合成に寄与する官能基を有する、請求項1記載の製造方法。
  4. 第二の固相担体が、ポリスチレン系固相担体およびガラス系多孔質固相担体からなる群より選ばれるいずれかであり、且つ核酸合成に寄与する官能基を実質的に有しない、請求項1記載の製造方法。
  5. 核酸合成反応が、固相ホスホロアミダイト法により行われる、請求項1記載の製造方法。
  6. 核酸合成反応が容器中で行われ、且つ膨潤時の固相担体混合物の見かけ体積が、該容器の内体積の25〜100体積%である、請求項1記載の製造方法。
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