JP2010006615A - オゾン発生装置及びオゾン発生方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オゾン発生装置1は、円柱状の内側電極2と、外側電極3と、放電空間6に、軸方向に沿った磁場を発生させるソレノイド状励磁コイル5と、を有する。放電空間6の幅drは、(i) ソレノイド状励磁コイル5によって放電空間6に生じる磁束密度の最大値と、(ii) 放電空間6に生じる電場の最大値と、から決定される、放電空間6における電子の旋回運動の最大幅以上となっている。
【選択図】図2
Description
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るオゾン発生装置の構造を示す断面図である。図2は、図1のA−A’位置における断面図である。図3は、図2の主要部を拡大して示す断面図である。なお、以下の説明において、「軸方向」、「径方向」及び「周方向」は、内側電極を基準とした、軸方向、径方向及び周方向を示す(図中の矢印方向参照)。
次に、両電極(内側電極2及び外側電極3)について説明する。内側電極2は、アルミ製であり、円柱状に形成されている。外側電極3は、アルミ製であり、円筒状に形成され、内側電極2に対して同心配置されている。また、外側電極3は、内側電極2の径方向外側に配置されており、内側電極2の外周面と、外側電極3の内周面との間には、一定の間隔が設けられている。
両電極間には、誘電体4が配置されている(図1及び図2参照)。具体的には、外側電極3の内面部に、円筒状の誘電体4が配置されている。誘電体4は絶縁体であり、オゾン発生装置1においては、誘電体4としてガラスが用いられている。誘電体4を両電極間に配置することにより、均一な放電を実現できる。具体的には、誘電体4表面では電流が流れないため、誘電体4の表面全体において、均一に放電させることができる。なお、誘電体の材料としては、ガラス以外の他のセラミックス、プラスチック材料なども利用可能である。また、誘電体はなくてもよい。
内側電極2及び外側電極3の間には放電空間(放電ギャップ)6が形成されている。詳細には、放電空間6は、内側電極2と誘電体4との間に形成されている。また、オゾン発生装置1において、放電空間6には、酸素分子(O2)を含む気体が導入され、放電空間6における放電によってオゾン(O3)が発生する。図1に示すように、オゾン発生装置1においては、酸素分子を含む気体は、図1の下方から導入され、発生したオゾンを含む気体は、図1の上方へと放出される。放電空間6は環状空間であり、オゾン発生装置1の使用時には、オゾンを発生させるために、放電空間6に大気などが供給される。
外側電極3の径方向外側には、ソレノイド状励磁コイル5(磁場発生部材)が配置されている。ソレノイド状励磁コイル5には、直流電源(磁場発生用電源)7bが接続されている。また、ソレノイド状励磁コイル5は、放電空間6に、軸方向に沿った磁場を発生させるように構成されている。より詳細には、ソレノイド状励磁コイル5に直流電流を流すと、ソレノイド状励磁コイル5の周囲に磁場が発生する結果として、放電空間6では、軸方向に沿った磁場が発生する。本実施形態においては、放電空間6に、図1の上から下へ向かう静磁場が発生する(磁場の方向については、図1及び図2の矢印B方向参照)。また、ソレノイド状励磁コイル5は、内側電極2及び外側電極3に対して同心に配置されている。なお、本装置においては、磁場の方向(軸方向)と電場の方向(径方向)とが垂直になっている。
モーター(回転機構)8は、図示しない電源装置に接続されており、内側電極2を周方向に回転させる(図2及び図3の矢印G参照)。なお、回転機構は、内側電極及び外側電極の少なくとも一方を、周方向に回転させるものであればよく、外側電極のみを回転させるものであってもよいし、内側電極及び外側電極の両方を回転させるものであってもよい。また、回転機構はなくてもよい。
次に、放電空間6の幅について説明する。なお、放電空間6の幅とは、放電空間6の径方向長さのことである。図3に示すように、オゾン発生装置1における放電空間6の幅drは、電子の旋回運動(サイクロトロン運動)の最大幅以上であり、より具体的には、幅drは、電子の旋回運動の最大幅に等しい。また、電子の旋回運動の最大幅は、(i) ソレノイド状励磁コイル5によって放電空間6に生じる磁束密度の最大値と、(ii) 放電空間6に生じる電場の最大値と、から決定される。
rL=(mv⊥)/(eB) (式1)
ここで、v⊥、m、e、及び、Bは、それぞれ、真空(10−4Pa以下)中における電子の旋回運動の、磁場に垂直な方向に関する速度成分、電子の質量、電気素量、及び、放電空間6の磁束密度である。また、ここで、v⊥は、陰極(図1乃至図3の状態では内側電極2、極性が逆の状態では外側電極3)に最も近い位置における速度成分である。また、v⊥は、電子が陰極より放出されたときの、磁場に垂直な方向に関する、電子の速度成分である。
Vd=(E×B)/B2 (式2)
ここで、Vd、及び、Eは、それぞれ、ドリフト速度、及び、電場である。なお、式2において、E、B、及び、Vdはベクトル量である。
dr≧2rL (式3)
2rL < dr < (2rL + rL/10) (式4)
(1)ソレノイド状励磁コイルによる磁束密度B:1.7[T]
(2)電極間の電場Eの最大値:2.17×107 [V/m]
以上のように構成されたオゾン発生装置1に交流電流を流すと、すなわち、内側電極2及び外側電極3の間に交流高電圧を印加すると、放電空間6において、無声放電が起こる。そして、放電空間6における放電により、オゾンが発生する。具体的には、放電空間6に、酸素分子(O2)を含む気体が導入され、放電空間6における放電によって、電子と酸素分子とが衝突し、酸素分子から、ラジカルの酸素原子又はラジカルの酸素分子が生じる。そして、酸素分子と酸素原子との結合により、オゾン(O3)が発生する。
次に、本実施形態に係るオゾン発生方法について、オゾン発生装置1を用いて説明する。このオゾン発生方法では、オゾン発生装置1が用いられる。
次に、本実施形態に係るオゾン発生装置1及びオゾン発生方法の効果について説明する。オゾン発生装置1は、円柱状の内側電極2と、内側電極2の径方向外側に配置された外側電極3と、内側電極2及び外側電極3の間に形成された放電空間6に、軸方向に沿った磁場を発生させるソレノイド状励磁コイル(磁場発生部材)5と、を有し、放電空間6には酸素を含む気体が導入され、放電空間6における放電によってオゾンが発生し、放電空間6の幅drが、(i) ソレノイド状励磁コイル5によって放電空間6に生じる磁束密度の最大値と、(ii) 放電空間6に生じる電場の最大値と、から決定される、放電空間6における電子の旋回運動の最大幅以上となっている。
次に、本発明の第2実施形態に係るオゾン発生装置について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。図4は、本発明の第2実施形態に係るオゾン発生装置の構造を示す断面図である。図4において、符号103、106、110を付した部分は、それぞれ、上記の実施形態において符号3、6、10を付した部分に相当する。
2 内側電極
3 外側電極
4 誘電体
5 ソレノイド状励磁コイル(磁場発生部材)
6 放電空間
7a 交流電源
7b 直流電源
8 モーター(回転機構)
Claims (7)
- 円柱状の内側電極と、
前記内側電極の径方向外側に配置された外側電極と、
前記内側電極及び前記外側電極の間に形成された放電空間に、軸方向に沿った磁場を発生させる磁場発生部材と、を有し、
前記放電空間には酸素を含む気体が導入され、前記放電空間における放電によってオゾンが発生し、
前記放電空間の幅が、(i) 前記磁場発生部材によって前記放電空間に生じる磁束密度の最大値と、(ii) 前記放電空間に生じる電場の最大値と、から決定される、前記放電空間における電子の旋回運動の最大幅以上であることを特徴とするオゾン発生装置。 - 前記内側電極及び前記外側電極の少なくとも一方を、周方向に回転させる回転機構をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載のオゾン発生装置。
- 前記外側電極は、前記内側電極に対して同心配置された円筒状電極であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のオゾン発生装置。
- 前記外側電極は複数の円柱状電極から成り、
前記複数の円柱状電極のそれぞれにおける軸方向が、前記内側電極の軸方向に平行であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のオゾン発生装置。 - 前記磁場発生部材は、前記外側電極の径方向外側において、前記内側電極及び前記外側電極に対して同心に配置されたソレノイド状励磁コイルであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のオゾン発生装置。
- 前記磁場発生部材には、超伝導マグネットが含まれていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のオゾン発生装置。
- 円柱状の内側電極と、前記内側電極の径方向外側に配置された外側電極と、前記内側電極及び前記外側電極の間に形成された放電空間に、軸方向に沿った磁場を発生させる磁場発生部材と、を有するオゾン発生装置を用いるオゾン発生方法であって、
前記放電空間に、酸素を含む気体を導入し、前記放電空間における放電によってオゾンを発生させるオゾン発生工程を有し、
前記オゾン発生工程においては、前記放電空間の幅が、(i) 前記磁場発生部材によって前記放電空間に生じる磁束密度の最大値と、(ii) 前記放電空間に生じる電場の最大値と、から決定される、前記放電空間における電子の旋回運動の最大幅以上であることを特徴とするオゾン発生方法。
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