JP2006274294A - プラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置及びドロップレット除去方法 - Google Patents

プラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置及びドロップレット除去方法 Download PDF

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浩史 滝川
Yuichi Shiina
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Abstract

【目的】 プラズマ生成装置において生成されるプラズマとドロップレットとの混合状態からドロップレットを確実に除去することができるプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置を提供することである。
【構成】 真空アーク放電を行ってプラズマを発生させ、このプラズマとプラズマの発生時に陰極から副生するドロップレットとの混合状態であるドロップレット混合プラズマが進行する筒状進行路が設けられ、この筒状進行路の断面周方向に回転磁場を発生させる回転磁場印加手段が少なくとも1つ以上設けられ、この回転磁場印加手段により前記ドロップレット混合プラズマに回転磁場を印加し、前記ドロップレット混合プラズマを回転させながら前記筒状進行路を進行させて前記ドロップレットを遠心力により除去するプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、真空雰囲気下に設定されたアーク放電部で真空アーク放電を行ってプラズマを発生させ、プラズマの発生時に陰極から副生する陰極材料粒子(以下、「ドロップレット」という)を除去するようにしたプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置及びドロップレット除去方法に関する。
一般に、プラズマ中で固体材料の表面に薄膜を形成したり、イオンを注入することにより、固体の表面特性が改善されることが知られている。金属イオンや非金属イオンを含むプラズマを利用して形成した膜は、固体表面の耐磨耗性・耐食性を強化し、保護膜、光学薄膜、透明導電性膜などとして有用なものである。特に、カーボンプラズマを利用した炭素膜はダイヤモンド構造とグラファイト構造のアモルファス混晶からなるダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜という)として利用価値が高い。
金属イオンや非金属イオンを含むプラズマを発生する方法として、真空アークプラズマ法がある。真空アークプラズマは、陰極と陽極の間に生起するアーク放電で形成され、陰極表面上に存在する陰極点から陰極材料が蒸発し、この陰極蒸発物質により形成されるプラズマである。また、雰囲気ガスとして反応性ガス又は/及び不活性ガス(希ガスという)を導入した場合には、反応性ガス又は/及び不活性ガスも同時にイオン化される。このようなプラズマを用いて、固体表面への薄膜形成やイオンの注入を行って表面処理を行うことができる。
一般に、真空アーク放電では、陰極点から陰極材料イオン、電子、陰極材料中性粒子(原子及び分子)といった真空アークプラズマ構成粒子が放出されると同時に、サブミクロン以下から数百ミクロン(0.01〜1000μm)の大きさのドロップレットと称される陰極材料微粒子も放出される。しかし、表面処理において問題となるのはドロップレットの発生である。このドロップレットが被処理物表面に付着すると、被処理物表面に形成される薄膜の均一性が失われ、薄膜の欠陥品となる。
ドロップレットの問題を解決する一方法として、磁気フィルタ法(P.J.Martin, R.P.Netterfield and T.J.Kinder, Thin Solid Films 193/194 (1990)77)(非特許文献1)がある。この磁気フィルタ法は、真空アークプラズマを湾曲したドロップレット捕集ダクトを通して処理部に輸送するものである。この方法によれば、発生したドロップレットは、ダクト内周壁に付着捕獲(捕集)され、ダクト出口ではドロップレットをほとんど含まないプラズマ流が得られる。また、ダクトに沿って配置された磁石により湾曲磁場を形成し、この湾曲磁場によりプラズマ流を屈曲させ、プラズマを効率的にプラズマ加工部に誘導するように構成されている。
本発明者等の一部は先にドロップレット捕集部を有するプラズマ加工装置を提案している。この装置は、特開2002−8893号公報(特許文献1)に記載され、図10に示されている。図10は、従来のプラズマ加工装置の構成概略図である。プラズマ発生部102では、陰極104とトリガ電極106の間に電気スパークを生起し、前記陰極104と陽極108の間に真空アークを発生させてプラズマ109が生成される。前記プラズマ発生部102には、前記電気スパーク及び真空アーク放電を発生するための電源110が接続され、前記プラズマ109を安定化させるプラズマ安定化磁場発生器116a、116bが配設されている。前記プラズマ109は前記プラズマ発生部102からプラズマ加工部112に誘導され、前記プラズマ加工部112に配置された被処理物114が前記プラズマ109により表面処理される。また、前記プラズマ加工部112に接続されるガス導入システムGtにより必要に応じて反応性ガスが導入され、ガス排気システムGhにより前記反応ガスやプラズマ流が排気される。
前記プラズマ発生部102から放出されるプラズマ109は、磁場によりプラズマ発生部102と対面しない方向に屈曲され、前記プラズマ加工部112に流入される。前記プラズマ発生部102と対面する位置には、プラズマ109の発生時に陰極から副生される陰極材料微粒子(ドロップレット)118が捕集されるドロップレット捕集部120が配設されている。従って、磁場の影響を受けないドロップレット118がドロップレット捕集部120に進行して捕集され、前記ドロップレット118がプラズマ加工部112内に進入することが防止される。
特開2002−8893号公報 P.J.Martin, R.P.Netterfield and T.J.Kinder, Thin Solid Films 193/194 (1990)77
図10に示す従来のプラズマ加工装置では、前記磁場の影響を受けないドロップレット118がドロップレット捕集部120に捕集されるが、プラズマ109との相互作用などにより電荷が付与された帯電ドロップレットが前記磁場により前記プラズマ加工部112に誘導される場合があった。更に、プラズマ流の流圧により、粒径の小さなドロップレットが前記プラズマ流に随伴して前記プラズマ加工部112に誘導されていた。従って、前記プラズマ流に混入する前記帯電ドロップレットや微小なドロップレットが被処理物表面に付着するから、被処理物表面に対する薄膜形成や表面改質の均一性が失われ、前記被処理物の表面特性を低下させていた。
また、非特許文献1に記載の磁気フィルタ法においても、前述のように、湾曲磁場によりプラズマ流を屈曲させ、プラズマを効率的にプラズマ加工部に移動させるものであるから、前記プラズマ流に混入する前記帯電ドロップレットや微小なドロップレットが除去されずに前記プラズマ加工部に誘導され、被処理物表面に衝突又は付着することを防止できなかった。
従って、本発明の目的は、プラズマ生成装置において生成されるプラズマとドロップレットとの混合状態であるドロップレット混合プラズマから前記ドロップレットを除去するドロップレット除去装置であって、前記ドロップレット混合プラズマに混入する帯電ドロップレットや微小なドロップレットを除去可能なドロップレット除去装置及びドロップレット除去方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、真空雰囲気下に設定されたプラズマ発生部で真空アーク放電を行ってプラズマを発生させ、プラズマの発生時に陰極から副生する陰極材料粒子(以下「ドロップレット」という)を除去するようにしたプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置において、前記プラズマとドロップレットとの混合状態であるドロップレット混合プラズマが進行する筒状進行路が設けられ、この筒状進行路の断面周方向に回転磁場を発生させる回転磁場印加手段が少なくとも1つ以上設けられ、この回転磁場印加手段により前記ドロップレット混合プラズマに回転磁場を印加し、前記ドロップレット混合プラズマを回転させながら前記筒状進行路を進行させて前記ドロップレットを遠心力により除去するプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置である。
本発明の第2の形態は、前記筒状進行路のドロップレット混合プラズマを直進方向に進行させる直進磁場発生器を具備するプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置である。
本発明の第3の形態は、前記回転磁場印加手段が振動磁場を発生させる複数の振動磁場発生器から構成され、これらの振動磁場発生器により位相及び振動方向が異なる複数の振動磁場を発生させ、これらの振動磁場から前記回転磁場が合成されるプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置である。
本発明の第4の形態は、前記回転磁場印加手段が2つの振動磁場発生器から構成され、これらの振動磁場が直交又は略直交するように前記振動磁場発生器が配設されるプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置である。
本発明の第5の形態は、前記2つの振動磁場の位相差が90°又は略90°に設定されるプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置である。
本発明の第6の形態は、前記ドロップレット混合プラズマの進行方向に沿って複数の回転磁場印加手段が前記筒状進行路に配設されるプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置である。
本発明の第7の形態は、前記複数の回転磁場印加手段により印加される隣り合う回転磁場の位相が同位相に設定されるプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置である。
本発明の第8の形態は、前記複数の回転磁場印加手段により印加される隣り合う回転磁場の位相が前記ドロップレット混合プラズマの進行方向に沿って交互に180°又は略180°異なるように設定されるプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置である。
本発明の第9の形態は、前記振動磁場発生器がコイルを巻回した馬蹄形磁性体から形成されるプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置である。
本発明の第10の形態は、前記筒状進行路の内壁にドロップレット捕集板が配設されるドロップレット除去装置である。
本発明の第11の形態は、前記筒状進行路の前段にプラズマ進行路が連接され、このプラズマ進行路の始端側の折曲部にドロップレット進行路が配設され、前記プラズマが磁場により誘導されて前記プラズマ進行路を屈曲して前記筒状進行路に進行するように構成されるプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置である。
本発明の第12の形態は、真空雰囲気下に設定されたプラズマ発生部で真空アーク放電によりプラズマを発生させ、このプラズマ発生部で生成されたプラズマを磁場により誘導して、プラズマ発生時に陰極から副生する陰極材料粒子(以下「ドロップレット」という)を除去するプラズマ生成装置におけるドロップレット除去方法において、前記プラズマとドロップレットとが混合状態にあるドロップレット混合プラズマを筒状進行路に導入し、この筒状進行路内に断面周方向に回転する回転磁場を印加し、この回転磁場により前記ドロップレット混合プラズマを回転させながら進行させ、前記ドロップレットを遠心力により除去するプラズマ生成装置におけるドロップレット除去方法である。
本発明の第1の形態によれば、前記ドロップレット混合プラズマが進行する筒状進行路内の断面周方向に回転磁場を発生させる回転磁場印加手段が配置され、前記回転磁場により前記ドロップレット混合プラズマが回転しながら進行するから、このドロップレット混合プラズマから遠心力により前記帯電ドロップレットや微小なドロップレットを分離することができる。前記ドロップレット混合プラズマは、回転しながら前記筒状進行路の断面周方向に屈曲して進行し、徐々に回転半径が拡大する。更に、前記回転磁場が印加されない領域まで進行すると、前記筒状進行路の終端側又は全体に印加される直進方向の磁場により、前記筒状進行路の中心軸に近づくか、又は前記筒状進行路の終端に向かって直進する。前記ドロップレットは、プラズマ構成粒子より質量が大きいため、急激なプラズマ流の進行方向の変化に追従できないから、前記ドロップレットを慣性力により前記筒状進行路内の壁面に衝突させて除去することができる。即ち、前記回転磁場に固定された回転座表系から見れば、前記ドロップレットは回転磁場と質量に比例する遠心力を受けるから、この遠心力により前記ドロップレットを前記ドロップレット混合プラズマから分離して、高純度のプラズマ流を形成することができる。
また、磁場を増大させることにより、微小なドロップレットを除去することができ、大きな質量を有する帯電ドロップレットも、前記遠心力により高効率に除去することができる。従って、本発明に係るドロップレット除去装置は、被処理物表面に高純度の薄膜を形成することができ、前記被処理物表面に均一な表面改質を施すことができる。また、前記ドロップレット混合プラズマが進行する経路は、磁場強度を調整することにより所望の大きさに設定することができるから、ドロップレット除去装置を小型化することができる。
本発明の第2の形態によれば、前記筒状進行路内の直進方向に進行させる直進磁場発生器が具備されるから、前記ドロップレット混合プラズマからドロップレット成分を分離してプラズマ成分のみを高効率に前記筒状進行路の流出口に誘導
することができる。前記直進磁場発生器により前記筒状進行路の中心軸近傍にプラズマを誘導する磁場勾配が形成されるから、前記回転磁場により断面周方向に屈曲したプラズマ流を筒状進行路の中心軸に誘導することができる。従って、前記プラズマとドロップレットを確実に分離することができる。更に、前記プラズマ流が前記筒状進行路の中心軸又は中心軸近傍を進行するから、ドロップレットが除去されたプラズマ流の制御を容易に行うことができる。また、前記直進磁場発生器による直進磁場との電磁相互作用により、プラズマ流が直線磁場の方向に沿って螺旋軌道を描きながら進行する場合、前記プラズマの旋回方向に回転する回転磁場を前記ドロップレット混合プラズマに印加することにより、前記ドロップレットに作用する遠心力を増大させることができる。従って、前記ドロップレット混合プラズマから前記ドロップレットを高効率に分離して除去することができる。
本発明の第3の形態によれば、前記回転磁場印加手段が振動磁場を発生させる複数の振動磁場発生器から構成され、これらの振動磁場発生器により位相及び振動方向が異なる複数の振動磁場を発生させ、これらの振動磁場から前記回転磁場を合成するから、この回転磁場を高精度に制御することができる。前記振動磁場発生器は電磁石から構成され、取付け位置と印加電圧を調整することにより、振動磁場の位相、振幅、振動数及び振動方向を自在に調節することができ、複数の振動磁場を組み合わせることにより、所望の回転磁場を合成することができる。即ち、前記筒状進行路の形状や大きさ、またはプラズマやドロップレットの特性や状態に応じて好適な回転磁場を印加することができ、回転磁場の回転方向や強度等を自在に設定することができる。従って、プラズマ流が進行方向に沿って螺旋軌道を描きながら進行する場合、前記プラズマ流の旋回方向に応じて回転磁場の回転方向を自在に選択することができる。また、各振動磁場発生器の配置は、所望の回転磁場が合成可能であれば良く、適宜に選択することができる。
本発明の第4の形態によれば、前記回転磁場印加手段が2つの振動磁場発生器から構成され、これらの振動磁場が直交又は略直交するように前記振動磁場発生器が配設されるから、2つの振動磁場を、夫々、X軸成分及びY軸成分とすれば、種々の回転磁場を合成することができる。また、直交又は略直交の関係にある2つの振動磁場を発生することが可能であれば、前記2つの振動磁場発生器の配設位置は、前記筒状進行路断面の同一面に限定されるものではなく、一方を前記断面からずらして配設することができる。
本発明の第5の形態によれば、前記直交又は略直交する2つの振動磁場の位相差が90°又は略90°に設定されるから、前記2つの振動磁場により回転磁場を容易に制御することができ、安定した回転磁場を発生させることができる。前記2つの振動磁場の振幅を同一に設定すれば、回転磁場の強度を一定に維持することができ、前記ドロップレット混合プラズマを円形に回転させながら筒状進行路内を進行させることができる。従って、前記筒状進行路内壁の周方向に均一にドロップレットを放出することができ、前記内壁の一部にドロップレットの付着が集中し、そのようなドロップレットが剥離することを防止できる。
本発明の第6の形態によれば、前記ドロップレット混合プラズマの進行方向に沿って複数の回転磁場印加手段が前記筒状進行路に配設されるから、複数段に亘ってドロップレットを除去することができ、高純度のプラズマ流を供給することができる。従って、前記プラズマによる表面処理において、被処理物表面の表面改質や形成膜の均一性を格段に向上させることができる。
本発明の第7の形態によれば、前記複数の回転磁場印加手段により印加される各回転磁場の位相が同位相に設定されるから、簡易に複数の回転磁場印加手段を制御することができる。即ち、前記複数の回転磁場印加手段に接続される制御装置を全て同条件に設定することができ、複数の回転磁場を簡易に調整することができる。更に、前記筒状進行路の所定位置にドロップレット捕集部が設けられた場合、同位相の各回転磁場を偏向させて、前記ドロップレット捕集部の方向への遠心力を増強することができ、前記ドロップレットを確実に除去することができる。
本発明の第8の形態によれば、前記複数の回転磁場印加手段により印加される各回転磁場の位相が前記ドロップレット混合プラズマの進行方向に沿って交互に180°又は略180°異なるように設定されるから、隣り合う回転磁場の方向が逆方向となり、この回転磁場により分離されたドロップレットが隣り合う回転磁場によって回転しながら進行するドロップレット混合プラズマ中に混入することを防止することができる。即ち、前記ドロップレット混合プラズマが屈曲する方向が交互に逆方向となるから、遠心力により分離されるドロップレットの放出方向を交互に反転させることができ、分離されたドロップレットが前記ドロップレット混合プラズマに再混入することを防止することができる。
本発明の第9の形態によれば、前記振動磁場発生器がコイルを巻回した馬蹄形磁性体から形成されるから、コイルの両端から発生する磁場を筒状進行路内に印加することができ、前記磁性体に巻回されることにより磁場が増強されるから、高効率に振動磁場を発生させることができる。従って、コイルの自己インダクタンスを小さく設定することができ、振動磁場の最大振動数を増大させることができる。更に、コイルから発生する熱量を前記馬蹄形磁性体を介して放出することができる。
本発明の第10の形態によれば、前記筒状進行路の内壁にドロップレット捕集板が配設されるから、前記ドロップレット混合プラズマから分離されたドロップレットを確実に除去することができる。前記内壁で反射したドロップレットが更に前記捕集板に衝突し、運動量を失って捕集板に付着するから、分離されたドロップレットがプラズマ中に再混入することを防止することができる。
本発明の第11の形態によれば、前記プラズマが磁場により誘導されて前記プラズマ進行路を屈曲して前記筒状進行路に向けて進行するように構成され、このプラズマ進行路の始端側の折曲部にドロップレット進行路が配設されるから、サイズの大きなドロップレットを前記ドロップレット進行路の終端に設けられたドロップレット捕集部に捕集することができる。サイズの大きなドロップレットが前記筒状進行路内に進行すると、短時間に筒状進行路の壁面が付着するドロップレットにより覆われ、ドロップレットが剥離し易くなっていた。しかし、本発明に係るドロップレット除去装置では、前記筒状進行路の前段でサイズの大きなドロップレットが除去されるから、剥離したドロップレットが再混入することを防止することができる。更に、複数段に亘ってドロップレットを除去するから、確実にドロップレットを除去できると共に、前記壁面に付着したドロップレットを洗浄することなく、プラズマ生成装置を長時間稼動させることができる。
本発明の第12の形態によれば、前記プラズマとドロップレットとが混合状態にあるドロップレット混合プラズマを筒状進行路に導入し、このドロップレット混合プラズマに筒状進行路の断面周方向に回転する回転磁場を印加し、この回転磁場により前記ドロップレット混合プラズマを回転させながら進行させるから、遠心力により前記ドロップレット混合プラズマから前記帯電ドロップレットや微小なドロップレットを分離することができる。前記ドロップレット混合プラズマは回転しながら前記筒状進行路の断面周方向に屈曲して進行し、徐々に前記回転半径が拡大する。従って、前記ドロップレットは、磁場の回転に伴う遠心力により前記断面周方向に進行し、前記筒状進行路の内壁に付着して除去される。また、遠心力は、回転半径、回転速度とドロップレット粒の質量に比例するから、磁場の増大により回転半径、磁極の切り替え速度により回転速度を変化させることにより、微小なドロップレットを除去することができる。また、前記帯電ドロップレットもプラズマに比べて大きな質量を有しているから、前記遠心力により前記帯電ドロップレットを除去することができる。従って、本発明に係るドロップレット除去装置は、被処理物表面に高純度の薄膜を形成することができ、前記被処理物表面に均一な表面改質を施すことができる。
以下、本発明に係るプラズマ生成装置の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。本発明において、被処理物を加工するプラズマ加工部を付設した装置又はプラズマ加工部を付設しない装置の両方がプラズマ生成装置として包含される。プラズマ加工部を有するプラズマ生成装置は、プラズマ加工装置と称されてもよい。
図1は本発明に係るプラズマ生成装置の概略構成図である。図に示すプラズマ生成装置は、プラズマ発生部2、プラズマ加工部12及びドロップレット除去装置5から構成される。このドロップレット除去装置5は、筒状進行路3、直進磁場発生器24及び回転磁場発生手段25から構成され、さらに前記筒状進行路3の前段にプラズマ進行路7が連接され、このプラズマ進行路7の折曲部7aにドロップレット進行路32が配設されている。
前記プラズマ発生部2は、陰極(カソード)4、トリガ電極6、陽極(アノード)8、陰極プロテクタ27、プラズマ安定化磁界発生器(電磁コイル若しくは磁石)16を備えている。前記陰極4は、プラズマ構成物質の供給源であり、その形成材料は、導電性を有する固体なら特に限定されず、金属単体、合金、無機単体、無機化合物(金属酸化物・窒化物)等を単独又は2種以上混合して用いることができる。前記陰極プロテクタ27は、蒸発する陰極表面以外を電気絶縁し、陰極4と陽極8との間に発生するプラズマが後方に拡散することを防止するものである。前記陽極8の形成材料は、プラズマ温度でも蒸発せず、非磁性の材料で導電性を有する固体なら特に限定されない。また陽極8の形状はアークプラズマの全体の進行を遮るものでなければ、特に限定されない。更に、前記プラズマ安定化磁界発生器16は、プラズマ発生部2の外周に配置され、プラズマを安定化させる。プラズマに対する印加磁場が互いに逆方向(カスプ形)となるように前記アーク安定化磁界発生器16が配置された場合、プラズマはより安定化する。
前記プラズマ発生部2では、陰極4とトリガ電極6の間に電気スパークを生起し、前記陰極4と陽極8の間に真空アークを発生させてプラズマが生成される。このプラズマの構成粒子は、前記陰極4からの蒸発物質、蒸発物質と反応ガスを起源とする荷電粒子(イオン、電子)と共に、プラズマ前状態の分子、原子の中性粒子を含む。また、プラズマ構成粒子が放出されると同時に、サブミクロン以下から数百ミクロン(0.01〜1000μm)サイズのドロップレット18が放出される。このドロップレット18は、プラズマ流との混合状態を形成し、ドロップレット混合プラズマ9としてプラズマ進行路7内を移動する。
図1のドロップレット装置3は、上述のように、筒状進行路3の前段にプラズマ進行路7が連接され、このプラズマ進行路7の折曲部7aにドロップレット進行路32が配設されている。更に、前記プラズマ進行路7には、第1磁場発生器26、屈曲磁場発生器28及び第2磁場発生器30が配設されている。前記折曲部7aに斜行配置された前記屈曲磁場発生器28により屈曲磁場が印加され、前記プラズマ発生部から放出されたドロップレット混合プラズマ9は、前記折曲部7aで屈曲される。このとき、電気的に中性なドロップレット18は、前記屈曲磁場の影響を受けず、慣性力によって前記ドロップレット進行路32に進行し、前記ドロップレット捕集部20に捕集される。
しかし、質量の小さな微小なドロップレットは、プラズマ流の流圧によりプラズマに随伴して進行し、プラズマとの混合状態を維持し続ける。また、前記陰極表面における真空アーク放電やプラズマとの相互作用によって電荷が付与された帯電ドロップレットも、前記屈強磁場や流圧の影響を受け、プラズマとの混合状態を維持する。従って、前記ドロップレット混合プラズマは、質量の大きなドロップレットが除去されるが、微小なドロップレットや帯電ドロップレットとプラズマとの混合状態を維持し、ドロップレット混合プラズマ9としてプラズマ進行路を進行する。このドロップレット混合プラズマは、第2磁場発生器の磁場により、前記プラズマ進行路7から筒状進行路3に進行する。前記筒状進行路には、前記X軸方向の振動磁場Bを発生させる振動磁場発生器22a、22a及びY軸方向の振動磁場Bを発生させる振動磁場発生器23a(図2参照)が、振動磁場Bと振動磁場Bが直交するように配設されている。更に、Z軸方向の直進磁場Bを発生させる直進磁場発生器24が配設され、この直進磁場発生器24は前記筒状進行路3の外周に巻回された電磁コイルから構成される。従って、前記ドロップレット混合プラズマは、前記回転磁場と直進磁場により前記筒状進行路を回転しながら進行する。
図2は、本発明に係る筒状進行路3に形成される回転磁場の説明図である。(2A)には、振動磁場発生器22a、22aによる時刻tの振動磁場B(t)、振動磁場発生器23a、23aによる時刻tの振動磁場B(t)及び時刻tの回転磁場B(t)の関係を示す。(2A)では、前記筒状進行路におけるプラズマ流が通過する1つの位置に印加される磁場を示し、直進磁場Bは定常磁場としている。しかし、前記直進磁場を時間と共に変化させることもできる。時刻t=tにおける振動磁場B(t)及びB(t)から回転磁場B(t)が合成される。
(2B)及び(2C)(時刻表記(t)を省略)に示すように、前記回転磁場Bと直進磁場Bから合成磁場Bが合成され、前記ドロップレット混合プラズマは、合成磁場Bの方向に屈曲されて前記筒状進行路3を進行する。同様に、(2A)では、時刻t=tにおける振動磁場B(t)及びB(t)から回転磁場B(t)が合成される。即ち、時刻tがtからtに進むと、振動磁場B(t)、B(t)が振動磁場B(t)、B(t)に変化し、前記回転磁場B(t)がB(t)からB(t)へ回転する。従って、振動磁場発生器22a、22a、23a、23aに通電する交流電流の位相差、振動数及び電流量を調整し、振動磁場B(t)、B(t)を制御することにより、所望の回転磁場B(t)を発生させることができる。尚、以下では時刻表記(t)を省略して、振動磁場B、B及び回転磁場Bと表記する。
(2B)及び(2C)には、振動磁場B、B、直進磁場B、回転磁場Bと合成磁場Bの関係を示す。(2B)では、振動磁場Bの振幅BX0と振動磁場Bの振幅BY0が同じ値に設定され、位相差90°の振動磁場B、Bが同じ振動数で振動することにより、回転磁場Bが一定強度で回転する。従って、前記プラズマ流は、円形に回転しながら前記筒状進行路3を進行する。(2C)では、振幅BX0より振幅BY0が小さく設定され、(2B)と同様に、位相差90°の振動磁場B、Bを同じ振動数で振動させることにより、(2C)の回転磁場Bのベクトルは楕円形に回転する。従って、前記プラズマ流は、Y方向に屈曲される力が小さくなるから、楕円状に回転しながら前記筒状進行路3を進行する。
図3は、前記振動磁場B、Bと回転磁場Bの時間変化を示すグラフ図である。前記振動磁場B、Bが以下の式で与えられる場合、前記回転磁場Bは等速円運動をする。
=BX0・sin(ωt+δ) (1)
=BY0・cos(ωt+δ) (2)
ここで、BX0、BY0は振幅、ωは角振動数、δは初期位相である。その結果、時刻の変化とともにドロップレット混合プラズマは前記筒状進行路3を回転しながら進行する。(3A)には、振動磁場B(δ=0)の時間変化を示し、(3B)には、振幅BX0と振幅BY0が同じ場合の振動磁場B(実線)と振幅BY0が振幅BX0より小さく設定された振動磁場B(一点鎖線)の時間変化を示す。(3C)は、(3A)に示した振動磁場Bと(3B)に示した実線の振動磁場Bによる回転磁場Bの強度の時間変化を示す。回転磁場Bの絶対値は、上記の(1)式と(2)式から、以下の式で与えられる。
|B|=(B 2+B 21/2
=(BX0 2・sin2(ωt+δ)+BY0 2・cos2(ωt+δ))1/2
=(((BX0 2+BY0 2)+
(BY0 2−BX0 2)cos(2ωt+2δ))/2)1/2 (3)
従って、振動磁場Bと振動磁場Bが同じ振幅で振動する場合、BX0=BY0であるから(3)式より回転磁場Bは、((BX0 2+BY0 2)/2)1/2=BY0で与えられ、(3C)に示すように、回転磁場Bが一定強度で回転する。(3D)には、(3A)に示した振動磁場Bと(3B)に示した一点鎖線の振動磁場Bによる回転磁場Bの強度の時間変化を示す。(2C)と同様に振幅BX0より振幅BY0が小さく設定されるから、回転磁場Bは、(3D)に示すように、(3)式に従って周期的に変化する。更に、(3A)及び(3B)では、前記振動磁場Bの位相が振動磁場Bに対して90°遅れているため、前記回転磁場Bは右回り回転するが、前記振動磁場Bの位相を振動磁場Bに対して90°先行させることにより、回転磁場Bの回転方向を反転させることができる。
図4は、本発明に係る筒状進行路3の構成概略図(4A)と筒状進行路3に印加される合成磁場Bの説明図(4B)である。(4A)に示すように、前記振動磁場B、Bは、前記前記筒状進行路3の局所領域に印加されるから、(4B)に示す振動磁場B、Bから合成される回転磁場Bが前記局所領域に形成される。前記筒状進行路3に誘導されたドロップレット混合プラズマ9は、前記局所領域において、(4B)に示される回転磁場Bと直進磁場Bの合成磁場Bにより、回転しながら斜め方向に屈曲して、壁面3aの方向に進行する。前記直進磁場Bは、前記筒状進行路3の始端近傍から終端近傍までのほぼ全領域に印加され、前記筒状進行路の中心軸3b近傍で前記直進磁場Bが最小となる。従って、前記回転磁場Bが印加される局所領域を通過したドロップレット混合プラズマ9のプラズマ成分は、前記筒状進行路断面内の磁場勾配により磁場の弱い中心軸3bの方向に誘導される。
しかし、前記ドロップレットは、プラズマ構成粒子より質量が大きいため、急激なプラズマ流の進行方向の変化に追従できず、前記ドロップレット18は慣性力により壁面3aの方向へ分離される。前記回転磁場Bに固定された回転座表系から見れば、前記ドロップレットは回転磁場Bと質量に比例する遠心力を受けており、この遠心力により前記ドロップレットが前記ドロップレット混合プラズマ9から分離され、高純度のプラズマ流が形成される。更に、前記壁面3aに捕集板33が配設されることにより、分離されたドロップレットが前記壁面3aに反射され、再びプラズマ流に混入することが防止される。
更に、図1に示すように、前記折曲部7a及び筒状進行路3において前記ドロップレットが除去されたプラズマ9aは、終端側のプラズマ進行路7bを第3磁場発生器31の磁場により誘導されて進行し、プラズマ加工部12に導入され、被処理物14の表面処理が行われる。従って、前記プラズマ9aにより前記被処理物表面に均一な表面改質を施したり、欠陥や不純物の少ない高品質の薄膜を形成することができる。また、前記プラズマ発生部2と筒状進行路3との間に折曲するプラズマ進行路を設けず、前記プラズマ発生部2に筒状進行路3を連設しても良い。また、図1の実施例では、プラズマ加工部12及びプラズマ進行路7に対して前記筒状進行路3を斜向配置させることにより、前記ドロップレット18がプラズマ進行路からプラズマ加工部12に進入することを防止している。更に、前記筒状進行路の終端にアパーチャー40を設置することにより、前記ドロップレット18が除去されたプラズマ9aの中心部のみを通過させ、高密度で均一なプラズマ流を前記プラズマ加工部に導入することができる。
図5は、本発明に係る2つの回転磁場印加手段25、25が配設された筒状進行路3の断面概略図である。このドロップレット除去装置では、2つの回転磁場印加手段25、25が配設されるから、2箇所に形成される回転磁場により前記ドロップレット18を除去することができる。図5の実施例では、前段の回転磁場と後段の回転磁場とが逆位相に設定されている。即ち、2つの回転磁場に180°又は略180°の位相差が設定されている。この場合、前段の回転磁場により分離されたドロップレットが再び後段で回転されるドロップレット混合プラズマ9中に混入することが防止される。
図6は、本発明に係る2つの回転磁場印加手段25、25が近距離に配設された筒状進行路3の断面概略図である。2つの回転磁場印加手段25、25を近距離に配設することにより、前段でドロップレット18aを分離させたドロップレット混合プラズマが前記直進磁場の勾配により前記筒状進行路の中心軸近傍に近づくとき、後段の回転磁場は対面する壁面3aの方向に印加される。従って、前記ドロップレット混合プラズマはより高速に加速されるから、前記ドロップレットには、増強された前記遠心力が作用して、高効率にドロップレットが分離される。図5の実施例では、前段の回転磁場と後段の回転磁場とが逆位相に設定されている。
図7は、本発明に係る2つの回転磁場印加手段25、25が配設された筒状進行路3の断面概略図である。2つの回転磁場印加手段25、25の回転磁場が同位相に設定されている。従って、2つの回転磁場印加手段25、25に接続される制御手段の設定が同条件に設定される。従って、1つの制御手段を2つの回転磁場印加手段複数25、25に接続して制御することもできる。特に、2つの回転磁場を容易に同一方向に偏向させることができる。従って、前記壁面3aの所定位置にドロップレット捕集部を設けた場合、同位相の2つの各回転磁場をドロップレット捕集部の方向に偏向させ、遠心力により前記ドロップレットを分離して、前記ドロップレット捕集部に捕集することができる。
図8は、電磁コイル36を巻回した馬蹄形磁性体38を示す構成概略図である。(8A)は、X軸方向の振動磁場発生器22を示し、(8B)はY軸方向の振動磁場発生器23を示している。馬蹄形磁性体38は略円弧状U字形に形成され、この馬蹄形磁性体38の中央部に電磁コイル36が巻回され、振動磁場発生器22、23が構成されている。従って、前記電磁コイル36の両端から発生する磁場が前記馬蹄形磁性体38を介して、前記筒状進行路3内に印加される。磁性体に巻回されることにより磁場が増強され、交流電源に接続することにより高効率に振動磁場を発生させることができる。従って、電磁コイル36の巻数をより少なく設定することが可能であり、自己インダクタンスを小さく設定することができる。また、前記電磁コイル36から発生する熱量は、前記馬蹄形磁性体38を介して放出される。
図9は、本発明に係るX軸方向の振動磁場発生器22とY軸方向の振動磁場発生器23が連設された筒状進行路3の構成概略図である。図8の(8A)に示したX軸方向の振動磁場発生器22と、(8B)に示したY軸方向の振動磁場発生器23を筒状進行路3の外周に連設し、互いの振動磁場B、Bを合成することにより、回転磁場が形成される。前記振動磁場Bと振動磁場Bが印加される位置は、Z軸方向にずれるが、前記ドロップレット混合プラズマが合成磁場から受ける作用は、前記振動磁場発生器を同一平面上に配置して回転磁場を発生させた場合とほぼ同じになる
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明に係るプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置は、回転磁場を印加してドロップレット混合プラズマを回転させながら進行させることにより、遠心力によりドロップレットを確実に除去することができる。従って、プラズマ生成装置により生成されるプラズマを用いれば、プラズマ中で固体材料の表面に欠陥や不純物が格段に少ない高純度の薄膜を形成したり、前記プラズマを照射することにより、固体の表面特性を欠陥や不純物を付与することなく、均一に改質することができる。本発明に係るプラズマを用いることにより、固体表面における高品質の耐磨耗性・耐食性強化膜、保護膜、光学薄膜、透明導電性膜などを形成することができる。
本発明に係るプラズマ生成装置の概略構成図である。 本発明に係る筒状進行路の断面概略図と筒状進行路に形成される回転磁場の説明図である。 前記振動磁場B、Bと回転磁場Bの時間変化を示すグラフ図である。 本発明に係る筒状進行路の構成概略図と筒状進行路に印加される合成磁場の説明図である。 本発明に係る2つの回転磁場印加手段が配設された筒状進行路の断面概略図である。 本発明に係る2つの回転磁場印加手段が近距離に配設された筒状進行路の断面概略図である。 本発明に係る2つの回転磁場印加手段が配設された筒状進行路の断面概略図である。 電磁コイルを巻回した馬蹄形磁性体を示す構成概略図である。 本発明に係るX軸方向の振動磁場発生器とY軸方向の振動磁場発生器が連設された筒状進行路の構成概略図である。 従来のプラズマ加工装置の構成概略図である。
符号の説明
2 プラズマ発生部
3 筒状進行路
3a 壁面
4 陰極
5 ドロップレット除去装置
6 トリガ電極6
7 プラズマ進行路
7a 折曲部
7b 折曲部
8 陽極
9 ドロップレット混合プラズマ
9a プラズマ
12 プラズマ加工部
14 被処理物
16 プラズマ安定化磁界発生器
18 ドロップレット
20 ドロップレット捕集部
22 振動磁場発生器22
22a 振動磁場発生器
23 振動磁場発生器23
23a 振動磁場発生器
24 直進磁場発生器
25 回転磁場発生手段
26 第1磁場発生器
27 陰極プロテクタ
28 屈曲磁場発生器
30 第2磁場発生器
31 第3磁場発生器
32 ドロップレット進行路
33 捕集板
36 電磁コイル
38 馬蹄形磁性体
40 アパーチャー
102 プラズマ発生部
104 陰極
106 トリガ電極
108 陽極
109 プラズマ
110 電源
112 プラズマ加工部
114 被処理物
116a プラズマ安定化磁場発生器
116b プラズマ安定化磁場発生器
118 陰極材料微粒子(ドロップレット)
120 ドロップレット捕集部
直進磁場
振動磁場
振動磁場
回転磁場
B 合成磁場
Gt ガス導入システム
Gh ガス排気システム

Claims (12)

  1. 真空雰囲気下に設定されたプラズマ発生部で真空アーク放電を行ってプラズマを発生させ、プラズマの発生時に陰極から副生する陰極材料粒子(以下「ドロップレット」という)を除去するようにしたプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置において、前記プラズマとドロップレットとの混合状態であるドロップレット混合プラズマが進行する筒状進行路が設けられ、この筒状進行路の断面周方向に回転磁場を発生させる回転磁場印加手段が少なくとも1つ以上設けられ、この回転磁場印加手段により前記ドロップレット混合プラズマに回転磁場を印加し、前記ドロップレット混合プラズマを回転させながら前記筒状進行路を進行させて前記ドロップレットを遠心力により除去することを特徴とするプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置。
  2. 前記筒状進行路のドロップレット混合プラズマを直進方向に進行させる直進磁場発生器を具備する請求項1に記載のプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置。
  3. 前記回転磁場印加手段が振動磁場を発生させる複数の振動磁場発生器から構成され、これらの振動磁場発生器により位相及び振動方向が異なる複数の振動磁場を発生させ、これらの振動磁場から前記回転磁場が合成される請求項1又は2に記載のプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置。
  4. 前記回転磁場印加手段が2つの振動磁場発生器から構成され、これらの振動磁場が直交又は略直交するように前記振動磁場発生器が配設される請求項3に記載のプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置。
  5. 前記2つの振動磁場の位相差が90°又は略90°に設定される請求項4に記載のプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置。
  6. 前記ドロップレット混合プラズマの進行方向に沿って複数の回転磁場印加手段が前記筒状進行路に配設される請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置。
  7. 前記複数の回転磁場印加手段により印加される隣り合う回転磁場の位相が同位相に設定される請求項6に記載のプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置。
  8. 前記複数の回転磁場印加手段により印加される隣り合う回転磁場の位相が前記ドロップレット混合プラズマの進行方向に沿って交互に180°又は略180°異なるように設定される請求項6に記載のプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置。
  9. 前記振動磁場発生器がコイルを巻回した馬蹄形磁性体から形成される請求項3〜8のいずれかに記載のプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置。
  10. 前記筒状進行路の内壁にドロップレット捕集板が配設される請求項1〜9に記載のプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置。
  11. 前記筒状進行路の前段にプラズマ進行路が連接され、このプラズマ進行路の始端側の折曲部にドロップレット進行路が配設され、前記プラズマが磁場により誘導されて前記プラズマ進行路を屈曲して前記筒状進行路に進行するように構成される請求項1〜10のいずれかに記載のプラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置。
  12. 真空雰囲気下に設定されたプラズマ発生部で真空アーク放電によりプラズマを発生させ、このプラズマ発生部で生成されたプラズマを磁場により誘導して、プラズマ発生時に陰極から副生する陰極材料粒子(以下「ドロップレット」という)を除去するプラズマ生成装置におけるドロップレット除去方法において、前記プラズマとドロップレットとが混合状態にあるドロップレット混合プラズマを筒状進行路に導入し、この筒状進行路内に断面周方向に回転する回転磁場を印加し、この回転磁場により前記ドロップレット混合プラズマを回転させながら進行させ、前記ドロップレットを遠心力により除去することを特徴とするプラズマ生成装置におけるドロップレット除去方法。
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