JP2007277708A - 成膜装置および成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】緻密で平滑かつ損傷がない高品質な薄膜を高速に形成できるイオンビームスパッタ成膜装置等を提供する。
【解決手段】成膜装置は、イオンビーム照射手段と、スパッタリングされる成膜物質を含むターゲット105と、スパッタリングされた成膜物質が析出する基板106を保持する保持手段112を有する。イオンビーム照射手段は、ターゲット105及び基板106のそれぞれにガスクラスターイオンを照射する。また、成膜装置は、ターゲット105を保持する保持手段と、基板106を保持する保持手段とを有している。成膜装置は、また、ターゲット105をスパッタリングするためにイオンビームを照射するイオンビーム発生手段と、イオンビームをターゲット105に照射するための偏向手段とを有している。イオンビーム発生手段はガスクラスターイオン源101を有しており、これによりクラスターが照射されるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明はガスクラスターイオンビームを利用した成膜装置とそれを用いた成膜方法に関する。
従来、成膜装置として、スパッタリング装置が一般的に用いられ、特許文献1には、イオンビームスパッタリング装置が記載されている。これは、ターゲットよりスパッタアウトされる粒子を基板表面に成膜させるイオンビームスパッタリング装置であって、特定のエネルギを有すイオンビームのみを選択するイオン分離器を介在させたものである。
また特許文献2には、クラスタイオンビームにより成膜物質を含むターゲットをスパッタし、これを基板上に薄膜として付着形成する方法が記載されている。
ここで「クラスターイオン」とは、ノズルを通じた断熱膨張により冷却して発生したクラスターを、電子衝撃等の方法によりイオン化せしめたものである(非特許文献1参照)。
特開2001−181836号公報 特開昭50−105550号公報 O. F. Hagena, W. Obert, Jour. Chem. Phys. 56 , 5 (1972) 1793
前記特許文献1に記載のイオンビームスパッタリング装置によると、スパッタ率が低く成膜速度が遅く、モノマーイオンでは2価のイオンのみならず1価のイオンでも高速高エネルギーであるため、形成された薄膜に損傷を与えてしまうという問題があった。
また特許文献2に記載の薄膜形成方法においては、クラスターイオンによりターゲットからスパッタされる粒子は、モノマーイオンによるものに比べてサイズが大きいものが多いため、基板に堆積する際に空隙ができやすい。そのため緻密性が低くなりやすく、表面平滑性も悪くなる場合がある。
そこで、本発明の目的は、緻密で平滑かつ損傷がない高品質な薄膜を高速に形成するイオンビームスパッタ成膜装置と、それを用いた成膜方法とを提供することである。
前述の課題を鑑みて本発明で提供する成膜装置は、成膜物質を含むターゲットを保持する第1の保持手段と、成膜物質が析出する基板を保持する第2の保持手段と、
ターゲット及び基板のそれぞれにガスクラスターイオンを照射するイオンビーム照射手段と、を有することを特徴とする。
また本発明で提供する成膜方法は、ターゲットをスパッタすることにより生じたスパッタ粒子を基板表面に向けて照射することで、基板表面に膜を形成する成膜方法であって、ターゲットに対してガスクラスターイオンを照射して、スパッタ粒子を生じさせて基板にスパッタ粒子を堆積させるとともに、基板に対してガスクラスターイオンを照射することを特徴とする。
本発明では、クラスターが、ターゲットおよび基板に対して照射されるようになっている。したがって、緻密で平滑かつ損傷がない高品質な薄膜を形成することができる。すなわち、高速成膜と高品質成膜を同時に実現できる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について詳しく述べる。
(第1の実施形態)
本実施形態の成膜装置は、図1に示すように、ガスクラスターイオン源101、引き出し・加速・集束電極群102、および質量分離手段103からなるイオンビーム照射手段を有する。また、ニュートラライザー104、バイアス電圧印加機構を備えたターゲット105、およびスパッタリングされた成膜物質が析出する基板106を有する。電極群102は、ガスクラスターイオン源101からガスクラスターイオンを引き出すと共に、該イオンを所定方向に加速させる。ここで「ガスクラスターイオン」とは、高圧のガスをノズルを通して真空中に噴出させることによる断熱膨張による冷却等で発生させたクラスターを、電子衝撃等の方法によりイオン化せしめたものである。また、「ガスクラスターイオン源」とは、ガスクラスターイオンを発生させる装置のことである。
質量分離手段103は、ガスクラスターイオンビームに対して所定の電界および磁界を付与することにより、イオンの質量に応じてガスクラスターイオンの軌道を偏向させる。本実施形態では質量分離手段として直交電磁界型質量分離器を用いた。直交電磁界型質量分離器は、ビームラインを曲げることが無いので装置容積を比較的小さくできる。また質量分離器に入射するガスクラスターイオンの質量やエネルギーが変わっても電界や磁界強度を変更するだけで所望の偏向ができる。しかし、これに限らず、永久磁石、電磁石、直交電磁界型質量分離器のいずれでも構わない。該質量分離手段はガスクラスターイオンの質量に応じて軌道を偏向したり、所望の質量以上のガスクラスターイオンのみを通過せしめたりする装置である。質量分離手段は、ターゲットで反射したり基板に直接入射したりする粒子のうち、高速高エネルギーの粒子を除去する。例えばクラスターあたり10原子(または10分子)以下の大きさの粒子を除去する。もちろん、これらの質量分離手段を任意に組み合わせて用いても構わない。
ニュートラライザー104は、熱フィラメントやホローカソード等で構成され、基板に対して電子を照射することでガスクラスターイオンが照射される被照射物表面の中性化を行う。本実施形態では基板に対してのみ電子を照射する構成を記載しているが、ターゲットに対しても同様の構成を用いることができる。基板やターゲットのチャージアップを防止することができるので、基板やターゲットに入射するクラスターの量の変動を抑えることができる。
ターゲット105は、不図示の保持手段によって保持され、基板106は、保持手段112によって保持される構成となっている。ターゲット105は成膜物質を含むもの(一例として銅)であり、基板106は上記成膜物質が被膜される被成膜部材である。
上記構成をなす本実施形態の成膜装置は、一例として次のような動作を行う。
まず、ガスクラスターイオン源101より発生せしめたガスクラスターイオンが、引き出し・加速・集束電極群102の作用によりエネルギーの等しいガスクラスターイオンとして輸送され、このガスクラスターイオンは次いで直交電磁界型質量分離器103に入る。
直交電磁界型質量分離器103では、イオンビームに対して電界および磁界が付与される。電界強度Eと磁束密度Bを、15eV/(原子または分子)のガスクラスターイオンが偏向しない程度に設定すると、15eV/(原子または分子)のガスクラスターイオンが光軸110に沿って直進する。15eV/(原子または分子)より小さいエネルギーのガスクラスターイオン(108)が基板106に向かって偏向され、15eV/(原子または分子)を超えるエネルギーのガスクラスターイオン(107)がターゲット105に向かって偏向される。
なお、1原子(または1分子)あたりのエネルギーが10eV〜5keVのガスクラスターイオンはスパッタに好適であり、1原子(または1分子)あたりのエネルギーが0.01eV以上20eV以下のガスクラスターイオンは緻密化・平滑化に好適である。このことから、基板に照射されるガスクラスターイオンのエネルギーがターゲットに照射されるガスクラスターイオンのエネルギーよりも低く設定することにより効率よく高精度に成膜することができることがわかる。また、「10eV〜5keV」とは、10eV以上5keV以下であることを意図する(「〜」について、他の記載も同様)。
材料等によって好適な値が異なるため重複する範囲があるが、電界強度Eと磁束密度Bを、10eV/(原子または分子)〜20eV/(原子または分子)の範囲でガスクラスターイオンが偏向しないように設定する。このようにすることで、好適なエネルギーを持ったクラスターを選択することが可能となる。よって、ターゲット105と基板106とにそれぞれ指向するガスクラスターイオン107、108の原子(または分子)あたりのエネルギーの制御精度が高まり、ひいては成膜速度や膜質の制御性が向上する。
ガスクラスターイオン107がターゲット105に照射されると、ターゲット105においてスパッタリングが起こり、成膜物質を含むスパッタ粒子109が基板106に向けて照射され基板106上に堆積する。
ターゲット105に負のバイアス電圧を印加すると、ターゲット表面近傍におけるガスクラスターイオン107の指向性が高まる。また、ガスクラスターイオン107の原子(または分子)あたりのエネルギー分布の中心値を制御することができるようになり、成膜速度の制御性が高まる。
逆に、ターゲット105に正のバイアス電圧を印加すると、ガスクラスターイオン107に対して阻止電界が作用することとなるため、ガスクラスターイオン107の原子(または分子)あたりのエネルギー分布の中心値を制御することができるようになる。よって、成膜速度の制御性が高まる。
基板106に指向されたガスクラスターイオン108は、スパッタ粒子109が堆積するのと同時に基板に衝突する。ここで、本実施形態ではガスクラスターイオン108の原子(または分子)あたりのエネルギーが、被照射材料にもよるがスパッタリングの開始するエネルギーの閾値程度である15eV以下と小さいため、膜に損傷を与えない。
しかも、クラスターの衝突により局所的な高温・高圧状態が実現されたり、あるいは膜を構成する原子のマイグレーションが誘起されたりするので膜の緻密化および平滑化が実現される。なお、膜厚や膜質の面内均質化を行うために、基板を回転させたり走査させたりするとよい。また、スパッタ粒子の堆積およびガスクラスターイオンの照射と同時に、ニュートラライザー104で発生させた電子を基板106に照射し、基板106表面を電気的中性に保つ。
本実施形態によれば、ガスクラスターイオン源を一本化することができるため、装置コストを安くすることができる。またクラスターのサイズによってスパッタリングに適したサイズ、平坦化に適したサイズがそれぞれ異なる。よってガスクラスターイオン源によって作られた様々なサイズのクラスターを質量分離することで、適したサイズのクラスターをターゲット及び基板に照射することができるので、効率よくクラスターを照射することができる。
より具体的な一例について以下に説明する。本実施形態では、ガスクラスターイオン源101のソースガスとして0.5MPaに加圧したArを用い、超音速ノズルを通じて真空中に断熱膨張させた。それにより得られた噴流の一部(中心Φ2mm)をスキマーを利用して取出し、さらに、電子衝撃によりイオン化した。その後、引出し・加速・集束電極群102により10keVに加速し、E/B=8500(670Ar原子/クラスターに相当)に設定した直交電磁界型質量分離器103により、15eV/Ar原子のガスクラスターイオンを直進させた。
ターゲット105はCuとし、−130Vのバイアス電圧を印加した。ニュートラライザー104は基板の直上に設置した。基板106はSiウェハーとし、10rpmの速さで回転させながら成膜した(なお、これは、基板106を保持する保持手段が回転可能に構成されていることを意味する。)。
本実施形態によれば成膜速度が120nm/min、Cu膜の表面は0.9nmRaであった。膜の断面をSEMで観察したところ、通常のスパッタ成膜で見られる柱状の構造は見られず密な組織であった。
(第2の実施形態)
本発明は上記実施形態の構成に限らず、種々変更可能である。以下、これについて図2を参照して説明する。
図2の成膜装置は、図1の成膜装置の構成を一部変更したものであり、主に、ニュートラライザー111を基板106近傍のみならずターゲット105近傍にも設置した点、および、ターゲット105にバイアスが印加されていない点で相違している。ニュートラライザー104、111を上記のように設置して電子を供給することで、ターゲット105と基板106のチャージアップが防止される。また、図2の構成では、導電体ではなく絶縁体をスパッタする構成となっている。
より具体的な一例について以下に説明する。本実施形態では、ガスクラスターイオン源101のソースガスとして0.8MPaに加圧した酸素(O2)を用い、超音速ノズルを通じて真空中に断熱膨張させた。それにより得られた噴流の一部(中心Φ2mm)をスキマーを利用して取出し、さらに、電子衝撃によりイオン化した。その後、引出し・加速・集束電極群102により10keVに加速し、E/B=9480(670酸素分子/クラスターに相当)に設定した直交電磁界型質量分離器103により、15eV/酸素分子のガスクラスターイオンを直進させた。
ターゲット105はSiO2とした。基板106はSiウェハーとし、10rpmの速さで回転させながら成膜した。
本実施形態によれば成膜速度が60nm/min、SiO2膜の表面は0.7nmRaであった。膜の断面をSEMで観察したところ、通常のスパッタ成膜で見られる柱状の構造は見られず密な組織であった。
なお、上記例ではソースガスとして酸素を用いたが、He、Ar、Kr、またはXe等の希ガスを添加してもよい。
(第3の実施形態)
本発明の成膜装置は、図3に示すようなものであってもよい。図3の成膜装置は、第1の実施形態(図1参照)の装置の構成と同じく、ガスクラスターイオン源301、引き出し・加速・集束電極群302、および質量分離手段303を有するイオンビーム照射手段、ニュートラライザー304を有している。また、バイアス電圧印加を備えたターゲット305、基板306および基板306の保持手段312も有している。図1の装置の構成との相違点は、質量分離手段として直交電磁界型質量分離器103に代えて、扇形のビーム経路を形成する扇形永久磁石303が設けられている点である。扇形永久磁石は、装置容積は大きくなるが、構造が単純で扱い易い。図3に示した成膜装置の動作の一例は以下の通りである。
ガスクラスターイオン源301より発生せしめたガスクラスターイオンが、引き出し・加速・集束電極群302の作用によりエネルギーの等しいガスクラスターイオンとして輸送され、このガスクラスターイオンは次いで扇形永久磁石303に入る。
扇形永久磁石303内では、イオンビームに対して磁界が付与される。これにより例えば、10eV/(原子または分子)を超えるエネルギーのガスクラスターイオン307がターゲットに向けて偏向され、10eV/(原子または分子)より小さいエネルギーのガスクラスターイオン308が基板306に向けて偏向される。
なお、前述したように、1原子(または1分子)あたりのエネルギーが10eV〜5keVのガスクラスターイオンはスパッタに好適であり、1原子(または1分子)あたりのエネルギーが0.01eV〜20eVのガスクラスターイオンは緻密化・平滑化に好適である。
材料等によって好適な値が異なるため重複する範囲があるが、電界強度Eと磁束密度Bを、10eV/(原子または分子)〜20eV/(原子または分子)の範囲でガスクラスターイオンが偏向しないように設定する。このようにすることで、材料によって好適なエネルギーを持ったクラスターを選択することが可能となる。よって、ターゲット305と基板306とにそれぞれ指向するガスクラスターイオン307、308の原子(または分子)あたりのエネルギーの制御精度が高まり、ひいては成膜速度や膜質の制御性が向上する。
ガスクラスターイオン307がターゲット305に照射されると、ターゲット305においてスパッタリングが起こり、成膜物質を含むスパッタ粒子309が基板306に向けて照射され基板306上に堆積する。
ターゲット305に負のバイアス電圧を印加すると、ターゲット表面近傍におけるガスクラスターイオン307の指向性が高まる。また、ガスクラスターイオン307の原子(または分子)あたりのエネルギー分布の中心値を制御することができるようになり、成膜速度の制御性が高まる。
逆に、ターゲット305に正のバイアス電圧を印加すると、ガスクラスターイオン307に対して阻止電界が作用することとなるため、ガスクラスターイオン307の原子(または分子)あたりのエネルギー分布の中心値を制御することができるようになる。よって、成膜速度の制御性が高まる。
一方、基板306に指向されたガスクラスターイオン308は、スパッタ粒子309が堆積するのと同時に基板に衝突する。本実施形態では、ガスクラスターイオンの原子(または分子)あたりのエネルギーが、被照射材料にもよるがスパッタリングの開始するエネルギーの閾値程度である10eV以下と小さいため、膜に損傷を与えない。
しかも、クラスターの衝突により局所的な高温・高圧状態が実現されたり、あるいは膜を構成する原子のマイグレーションが誘起されたりするので膜の緻密化および平滑化が実現される。なお、第1の実施形態同様、膜厚や膜質の面内均質化を行うために、基板を回転させたり走査させたりするとよい。また、スパッタ粒子の堆積およびガスクラスターイオンの照射と同時に、ニュートラライザー304で発生させた電子を基板306に照射し、基板306表面を電気的中性に保つ。ニュートラライザー304は、上記実施形態同様、熱フィラメントやホローカソードなどの電子源である。
より具体的な一例について以下に説明する。本実施形態では、第1の実施形態同様、ガスクラスターイオン源301のソースガスとして0.5MPaに加圧したArを用い、超音速ノズルを通じて真空中に断熱膨張させた。それにより得られた噴流の一部(中心Φ2mm)をスキマーを利用して取出し、さらに、電子衝撃によりイオン化した。その後、引出し・加速・集束電極群302により10keVに加速させた。Arクラスターイオンの質量分離は、磁束密度1Tの扇形永久磁石を用いて行った。
なお、第1の実施形態同様、ターゲットはCuとし、−130Vのバイアス電圧を印加した。ニュートラライザー304は基板の直上に設置した。基板306はSiウェハーとし、10rpmの速さで回転させながら成膜した。
本実施形態によれば、成膜速度が130nm/min、Cu膜の表面は1.1nmRaであった。膜の断面をSEMで観察したところ、通常のスパッタ成膜で見られる柱状の構造は見られず密な組織であった。
なお、本実施形態では質量分離装置307として扇形の永久磁石を用いたが、永久磁石に代えて、電磁石からなる質量分離装置を用いてもよい。
(第4の実施形態)
本発明の成膜装置においては、上記第3の実施形態の構成と第2の実施形態と組み合わせることも可能である。これについて以下図4を参照して説明する。
図4の成膜装置は、図3の成膜装置の構成を一部変更したものであり、主に、ニュートラライザー310を基板306近傍のみならずターゲット305近傍にも設置した点、ターゲット305にバイアスが印加されていない点で相違している。ニュートラライザー304、310を上記のように設置して電子を供給することで、ターゲット305と基板306のチャージアップが防止される。また、図4の構成では、絶縁体をスパッタする構成となっている。
より具体的な一例について以下に説明する。本実施形態では、ガスクラスターイオン源301のソースガスとして、第2の実施形態同様、0.8MPaに加圧した酸素を用い、超音速ノズルを通じて真空中に断熱膨張させた。それにより得られた噴流の一部(中心Φ2mm)をスキマーを利用して取出し、さらに、電子衝撃によりイオン化した。その後、引出し・加速・集束電極群302により10keVに加速させた。酸素クラスターイオンの質量分離は、磁束密度1Tの扇形永久磁石を用いて行った。ターゲットは第2の実施形態同様SiO2とした。基板306はSiウェハーとし、10rpmの速さで回転させながら成膜した。
本実施形態によれば、成膜速度が75nm/min、SiO2膜の表面は0.8nmRaであった。膜の断面をSEMで観察したところ、通常のスパッタ成膜で見られる柱状の構造は見られず密な組織であった。
(第5の実施形態)
上記実施形態では、単一のガスクラスターイオン源(図1の符号101、図3の符号301等を参照)が設けられた構成について述べたが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、これについて図5を参照して説明する。
図5の成膜装置は、イオン源として、スパッタ用のガスクラスターイオン源501(第1のガスクラスターイオン源)と、アシスト用のガスクラスターイオン源505(第2のガスクラスターイオン源)との2つを有している。各イオン源501、505周辺の構造は、互いに同様の構成となっている。
すなわち、本実施形態のイオンビーム照射手段は、各イオン源501、505のやや下流側(ビーム照射方向の下流側)に隣接して、それぞれ、引出し・加速・集束電極群502、506が配置されている。また、各電極群502、506に隣接して、それぞれ永久磁石503、507が配置されている。以上のような構成になっている。
永久磁石507の下方には、保持手段514に保持された基板509が配置されると共に、基板509の近傍にニュートラライザー508が配置されている。図5に示した成膜装置の動作の一例は以下の通りである。
各イオン源501、505より発生せしめたガスクラスターイオンが、各電極群502、506の作用によりエネルギーの等しいガスクラスターイオンとして輸送され、永久磁石503、507に入る。ターゲット504に指向せしめるガスクラスターイオンは10eV〜100keVに、基板509に指向せしめるガスクラスターイオンは10keV以下にそれぞれ加速される。
永久磁石503により、イオンビームのうち、原子(または分子)あたりのエネルギーが5keV以上のガスクラスターイオンが除去される。他方、永久磁石507により、イオンビームのうち、原子(または分子)あたりのエネルギーが10eV以上のガスクラスターイオンが除去される。このようにして調整されたガスクラスターイオン510、512はそれぞれ、ターゲット504と基板509とに照射される。本実施形態では、高速なアシスト粒子やターゲットで反射した高速イオンが成膜面を衝撃することによる膜の損傷、および、ターゲットへのイオン注入を防止する。
ターゲット504に指向されたガスクラスターイオン510は、第1の実施形態同様、ターゲット504を衝撃してスパッタリングを起こし、成膜物質を含むスパッタ粒子511が基板509上に堆積する。
ターゲット504に負のバイアス電圧を印加すると、ターゲット表面近傍におけるガスクラスターイオン510の指向性が高まる。また、ガスクラスターイオン510の原子(または分子)あたりのエネルギー分布の中心値を制御することができるようになり、成膜速度の制御性が高まる。逆にターゲット504に正のバイアス電圧を印加すると、ガスクラスターイオン510に対して阻止電界がさようすることとなるため、ガスクラスターイオン510の原子(または分子)あたりのエネルギー分布の中心値を制御することができるようになる。よって、成膜速度の制御性が高まる。
一方、基板509に指向されたガスクラスターイオン512は、スパッタ粒子511が堆積するのと同時に基板に衝突する。ここで、本実施形態では原子(または分子)あたりのエネルギーが、被照射材料にもよるがスパッタリングの開始するエネルギーの閾値程度である10eV以下と小さいため、膜に損傷を与えない。
しかも、クラスターの衝突により局所的な高温・高圧状態が実現されたり、あるいは膜を構成する原子のマイグレーションが誘起されたりするので膜の緻密化および平滑化が実現される。なお、第1の実施形態同様、膜厚や膜質の面内均質化を行うために、基板を回転させたり走査させたりするとよい。また、スパッタ粒子の堆積およびガスクラスターイオンの照射と同時に、ニュートラライザー508で発生させた電子を基板509に照射し、基板509表面を電気的中性に保つ。
スパッタリングのためターゲットに照射するガスクラスターイオン源と、緻密化、平滑化を促すために基板に照射するアシスト用のガスクラスターイオン源をそれぞれ設けた場合、高効率な成膜が可能となる。スパッタリングあるいは平坦化に適したサイズのガスクラスターイオンを独立に制御して生成することができるので効率よく狙ったサイズのガスクラスターイオンを生成でき、ガスクラスターイオンの制御性が高まり、高効率な成膜が可能となる。
また本実施形態では、2本のイオン源を用いた構成を記載したが、反応を促進させる等のためにアシスト用のガスクラスターイオン源を複数用意することも可能となる。
より具体的な一例について以下に説明する。本実施形態では、ガスクラスターイオン源501のソースガスとして、第1の実施形態同様、0.5MPaに加圧したArを用い、超音速ノズルを通じて真空中に断熱膨張させた。それにより得られた噴流の一部(中心Φ2mm)をスキマーを利用して取出し、さらに、電子衝撃によりイオン化した。その後、引出し・加速・集束電極群により、45keVに加速し、永久磁石で10原子以下のガスクラスターイオンをCuターゲットへの軌道から逸脱させた。
ターゲット504はCuとし、−150Vのバイアス電圧を印加した。アシスト用ガスクラスターイオン源のソースガスとして、0.7MPaに加圧したArを用い、超音速ノズルを通じて真空中に断熱膨張させた。上記同様、それにより得られた噴流の一部(中心Φ2mm)をスキマーを利用して取出し、さらに、電子衝撃によりイオン化した。その後、引出し・加速・集束電極群により、3keVに加速し、永久磁石で300原子以下のガスクラスターイオンを基板への軌道から逸脱させた。基板509はSiウェハーとし、10rpmの速さで回転させながら成膜した。
実施例によれば成膜速度は250nm/min、Cu膜の表面は0.8nmRaであった。膜の断面をSEMで観察したところ、通常のスパッタ成膜で見られる柱状の構造は見られず密な組織であった。
なお、本実施形態では質量分離装置として永久磁石を用いたが、永久磁石、電磁石、直交電磁界型質量分離器、減速電界型質量分離器、高周波偏向型質量分離器、高周波加速型質量分離器、飛行時間型質量分離器、および四重極型質量分離器のいずれでも構わない。該質量分離装置はガスクラスターイオンの質量に応じて軌道を偏向したり、所望の質量以上のガスクラスターイオンのみを通過せしめたりする装置である。質量分離装置は、ターゲットで反射したり基板に直接入射したりする粒子のうち、高速高エネルギーの粒子を除去する。例えばクラスターあたり10原子(または10分子)以下の大きさの粒子を除去する。もちろん、これらの質量フィルターを任意に組み合わせて用いても構わない。
(第6の実施形態)
本発明の成膜装置においては、上記第5の実施形態はさらに変更可能である。これについて以下図6を参照して説明する
図6の成膜装置は、図5の成膜装置の構成を一部変更したものである。同装置との主たる相違点は、基板509のみならずターゲット504の近傍にもニュートラライザー513を設置した点、および、ターゲット504にバイアスが印加されていない点である。
より具体的な一例について以下に説明する。本実施形態では、スパッタ用ガスクラスターイオン源501のソースガスとして、第1の実施形態同様、0.5MPaに加圧したArを用い、超音速ノズルを通じて真空中に断熱膨張させた。それにより得られた噴流の一部(中心Φ2mm)をスキマーを利用して取出し、さらに、電子衝撃によりイオン化した。その後、引出し・加速・集束電極群により、45keVに加速し、永久磁石で10原子以下のガスクラスターイオンをSiO2ターゲットへの軌道から逸脱させた。
一方、アシスト用ガスクラスターイオン源のソースガスとして、0.9MPaに加圧した酸素を用い、超音速ノズルを通じて真空中に断熱膨張させた。それにより得られた噴流の一部(中心Φ2mm)をスキマーを利用して取出し、さらに、電子衝撃によりイオン化した。その後、引出し・加速・集束電極群により、2keVに加速し、永久磁石で200原子以下のガスクラスターイオンを基板への軌道から逸脱させた。基板はSiウェハーで10rpmの速さで回転させながら成膜した。
本実施形態によれば成膜速度は120nm/min、SiO2膜の表面は0.5nmRaであった。膜の断面をSEMで観察したところ、通常のスパッタ成膜で見られる柱状の構造は見られず密な組織であった。
(第7の実施形態)
本発明の成膜装置はさらに、図7に示すようなものであってもよい。
図7の成膜装置は、スパッタ用のガスクラスターイオン源701、減速電極702、および引き出し・加速・集束電極群703を有する。また、アシスト用のガスクラスターイオン源705、減速電極706、および引き出し・加速・集束電極群707を有する。ニュートラライザー708、基板709およびその保持手段714を有している点については上記実施形態と同様である。
各減速電極702、706は、イオン源701、705で発生したガスクラスターイオンのうち、所望質量以下のものを除去する機能を有する。なお、このような減速電界型質量分離器の原理については、例えばI. Yamada et al. Mater. Sci. Eng. R 34 (2001) 231や、特開平8−104980号公報といった文献に開示されている。
スパッタ用およびアシスト用の各ガスクラスターイオン源701、705より発生せしめたガスクラスターイオンのうち、所望の質量以下のものは、それぞれ減速電極702、706により除去される。質量分離されたガスクラスターイオンは、各引き出し・加速・集束電極群703、707の作用によりエネルギーの等しいガスクラスターイオンとして輸送される。ターゲット704に指向せしめるガスクラスターイオンは10〜100keVに、基板709に指向せしめるガスクラスターイオンは10keV以下にそれぞれ加速される。
上記実施形態同様、ガスクラスターイオン710がターゲットに衝突してスパッタリングは起こり、スパッタ粒子711が基板709上に堆積する。また、ターゲットに負のバイアス電圧を印加するとターゲット表面近傍におけるガスクラスターイオン710の指向性が高まる。そして、ガスクラスターイオン710の原子(または分子)あたりのエネルギー分布の中心値を制御することができるようになり、成膜速度の制御性が高まる点に関しても上記実施形態と同様である。
ターゲットに正のバイアス電圧を印加するとガスクラスターイオン710に対して阻止電界が作用することとなるため、ガスクラスターイオン710の原子(または分子)あたりのエネルギー分布の中心値を制御することができるようになり、成膜速度の制御性が高まる。
一方、基板に指向されたガスクラスターイオン712は、スパッタ粒子711の堆積と同時に基板に衝突する。ここで、本実施形態では原子(または分子)あたりのエネルギーが、被照射材料にもよるがスパッタリングの開始するエネルギーの閾値程度である10eV以下と小さいため、膜に損傷を与えない。
しかも、しかも、クラスターの衝突により局所的な高温・高圧状態が実現されたり、あるいは膜を構成する原子のマイグレーションが誘起されたりするので膜の緻密化および平滑化が実現される。なお、第1の実施形態同様、膜厚や膜質の面内均質化を行うために、基板を回転させたり走査させたりするとよい。また、スパッタ粒子の堆積およびガスクラスターイオンの照射と同時に、ニュートラライザー708で発生させた電子を基板709に照射し、基板709表面を電気的中性に保つ。
より具体的な一例について以下に説明する。本実施形態では、スパッタ用ガスクラスターイオン源のソースガスとして0.5MPaに加圧したArを用い、超音速ノズルを通じて真空中に断熱膨張させた。それにより得られた噴流の一部(中心Φ2mm)をスキマーを利用して取出し、さらに、電子衝撃によりイオン化した。その後、30Vの電圧を印加した減速電極を通過させて500原子以下のガスクラスターイオンを除去し、引出し・加速・集束電極群により50keVに加速した。ターゲット70にはCuと、−150Vのバイアス電圧を印加した。
アシスト用ガスクラスターイオン源のソースガスとして0.7MPaに加圧したArを用い、超音速ノズルを通じて真空中に断熱膨張させた。それにより得られた噴流の一部(中心Φ2mm)をスキマーを利用して取出し、さらに、電子衝撃によりイオン化した。その後、20Vの電圧を印加した減速電極を通過させて300原子以下のガスクラスターイオンを除去し、引出し・加速・集束電極群で3keVに加速した。ニュートラライザーは基板の直上に設置した。基板はSiウェハーで10rpmの速さで回転させながら成膜した。
本実施形態によれば成膜速度は200nm/min、Cu膜の表面は0.8nmRaであった。また、膜の断面をSEMで観察したところ、通常のスパッタ成膜で見られる柱状の構造は見られず密な組織であった。
(第8の実施形態)
本発明の成膜装置はさらに図8に示すようなものであってもよい。
図8の成膜装置は、図7の成膜装置の構成を一部変更したものである。図7の装置との主たる相違点は、基板709の近傍のみならずターゲット704の近傍にもニュートラライザー713を設置した点、および、ターゲット704にバイアスが印加されていない点である。図8の構成では、絶縁体をスパッタする構成となっている。
本実施形態では、スパッタ用ガスクラスターイオン源のソースガスとして0.5MPaに加圧したArを用い、超音速ノズルを通じて真空中に断熱膨張させた。それにより得られた噴流の一部(中心Φ2mm)をスキマーを利用して取出し、さらに、電子衝撃によりイオン化した。その後、30Vの電圧を印加した減速電極を通過させて500原子以下のガスクラスターイオンを除去し、引出し・加速・集束電極群で50keVに加速した。
一方、アシスト用ガスクラスターイオン源のソースガスとして0.9MPaに加圧した酸素を用い、超音速ノズルを通じて真空中に断熱膨張させた。それにより得られた噴流の一部(中心Φ2mm)をスキマーを利用して取出し、さらに、電子衝撃によりイオン化した。その後、20Vの電圧を印加した減速電極を通過させて200分子以下のガスクラスターイオンを除去し、引出し・加速・集束電極群で2keVに加速した。基板はSiウェハーで10rpmの速さで回転させながら成膜した。
本実施形態によれば、成膜速度が90nm/min、SiO2膜の表面は0.5nmRaであった。膜の断面をSEMで観察したところ、通常のスパッタ成膜で見られる柱状の構造は見られず密な組織であった。
以上、幾つかの実施の形態を例に挙げ本発明について(具体的には成膜装置を中心に)説明をしてきたが、本発明は方法に関する発明として捉えることも可能である。すなわち、本発明の成膜方法は、ターゲットをスパッタすることにより生じたスパッタ粒子を基板表面に向けて照射することで基板表面に膜を形成する方法であって、上記ターゲットに対してガスクラスターイオンを照射する工程を含むものである。これにより、ターゲットがスパッタリングされ、その結果生じたスパッタ粒子が基板上に成膜されることとなる。
本発明の第1の実施形態に係る成膜装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第2の実施形態に係る成膜装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第3の実施形態に係る成膜装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第4の実施形態に係る成膜装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第5の実施形態に係る成膜装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第6の実施形態に係る成膜装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第7の実施形態に係る成膜装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第8の実施形態に係る成膜装置の構成を模式的に示した図である。
符号の説明
101 ガスクラスターイオン源
102 電極群
103 質量分離器
104 ニュートラライザー
105 ターゲット
106 基板
107 ガスクラスターイオン
109 スパッタ粒子
110 イオンビーム光軸
303 永久磁石
702 減速電極

Claims (10)

  1. イオンビーム照射手段と、
    スパッタリングされる成膜物質を含むターゲットと、
    前記スパッタリングされた成膜物質が析出する基板を保持する保持手段と、を有し、
    前記イオンビーム照射手段は、ターゲット及び前記基板のそれぞれにガスクラスターイオンを照射することを特徴とする基板に成膜物質を成膜する成膜装置。
  2. 前記イオンビーム照射手段は、ガスクラスターイオン源から発生したガスクラスターイオンの軌道を、該ガスクラスターイオンの質量に応じて偏向させ、前記ターゲットと基板とに異なるエネルギーのガスクラスターイオンを照射する質量分離手段を有することを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記基板に照射されるガスクラスターイオンのエネルギーが、前記ターゲットに照射されるガスクラスターイオンのエネルギーよりも低いことを特徴とする請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記質量分離手段は、永久磁石、電磁石、および直交電磁界型質量分離器から選択した少なくとも1つからなることを特徴とする請求項2または3に記載の成膜装置。
  5. 前記ターゲットにバイアスを印加する手段を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の成膜装置。
  6. 前記ターゲット及び/または前記基板に向けて電子を照射するニュートラライザーを有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の成膜装置。
  7. スパッタリングされる成膜物質を含むターゲットと、
    前記スパッタリングされた成膜物質が析出する基板を保持する保持手段と、
    複数のガスクラスターイオン源と、を有し、
    第1のガスクラスターイオン源から発生したガスクラスターイオンを前記ターゲットに照射し、第2のガスクラスターイオン源から発生したガスクラスターイオンを前記基板に照射する基板に成膜物質を成膜する成膜装置。
  8. 前記基板に照射されるガスクラスターイオンの1原子もしくは1分子あたりのエネルギーが0.01eV以上20eV以下の範囲にあり、前記ターゲットに照射されるガスクラスターイオンの1原子もしくは1分子あたりのエネルギーが10eV以上5keV以下の範囲にあることを特徴とする請求項7に記載の成膜装置。
  9. ターゲットと、基板を保持する保持手段と、ガスクラスターイオンを照射する1つまたは複数のイオンビーム照射手段と、を有する成膜装置を用い、
    前記ターゲットに対して前記ガスクラスターイオンを照射して、前記成膜物質を含むスパッタ粒子を生じさせる工程と、
    前記基板に前記成膜物質を堆積させる工程と、
    前記基板に対してガスクラスターイオンを照射する工程と、を有することを特徴とする基板に成膜物質を成膜する成膜方法。
  10. 前記基板に照射されるガスクラスターイオンのエネルギーが、前記ターゲットに照射されるガスクラスターイオンのエネルギーよりも低いことを特徴とする請求項9に記載の成膜方法。
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